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Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris システムのチューニングの概要
Solaris 10 リリースでの Oracle Solaris システムのチューニング
例 -- /etc/system を使用したパラメータの設定
Oracle Solaris の特殊な tune および var 構造体
2. Oracle Solaris カーネルチューニング可能パラメータ
4. インターネットプロトコル群のチューニング可能パラメータ
Oracle Solaris OS は、SPARC および x86 プロセッサで動作する、マルチスレッドでスケーラブルな UNIX オペレーティングシステムです。Solaris は、システムの負荷に自動的に対応するため、最小限のチューニングしか必要ありません。それでも、場合によってはチューニングが必要になることもあります。このドキュメントでは、Oracle Solaris OS で利用可能な、公式にサポートされているカーネルのチューニングオプションについて詳しく説明します。
Solaris カーネルは、常にロードされているコア部分と、参照が発生するとロードされるロード可能モジュールから構成されています。このドキュメントのカーネルに関する部分で参照されている変数の多くは、コア部分にあります。しかし、ロード可能モジュールの変数もいくつかあります。
システムのチューニングをする際に考慮しなければならないのは、さまざまなシステム パラメータ (またはシステム変数) を設定する行為は、処理効率を高めるという目的にとって、多くの場合、一番効率の良くない行為だということです。最も効果的なチューニング方法は、通常、アプリケーションの動作を変更することです。また、物理メモリーを増やしたり、ディスクの入出力パターンのバランスをとることも効果があります。このドキュメントに記載された変数の値を 1 つ変更しただけで、システムパフォーマンスに意味のある影響が現れることは、ごく限られた場合にしか起きません。
あるシステムの /etc/system 設定値が全体として、または部分的に、別のシステムの環境に当てはまらないこともあるということを忘れないでください。したがって、使用する環境に応じて、このファイルに設定する値を慎重に検討する必要があります。このドキュメントで述べるシステム変数を変更する場合は、システムの動作を前もって理解していなければなりません。
Oracle Solaris の新しいリリースに移行する場合は、空の /etc/system ファイルで開始することをお勧めします。最初のステップとしては、自社製またはサードパーティー製のアプリケーションで必要とされるチューニング可能パラメータだけを追加してください。Oracle Solaris 10 リリースでは、System V IPC (セマフォー、共有メモリー、およびメッセージキュー) に関係するすべてのチューニング可能パラメータが変更されているため、使用環境で変更するようにしてください。詳細は、「System V IPC 構成」を参照してください。基準検査の確立後に、システムパフォーマンスを評価して、チューニング可能パラメータの追加設定が必要かどうかを決定します。
注意 - このドキュメントで説明するチューニング可能パラメータは、Oracle Solaris のリリースごとに変更される可能性があります。これらのチューニング可能パラメータを公開することによって、予告なくチューニング可能パラメータやその説明が変更されることがなくなるわけではありません。 |