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Solaris のシステム管理 (IP サービス)     Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

パート I システム管理の概要: IP サービス

1.  Oracle Solaris TCP/IP プロトコル群 (概要)

パート II TCP/IP の管理

2.  TCP/IP ネットワークの計画 (手順)

3.  IPv6 の紹介(概要)

4.  IPv6 ネットワークの計画 (手順)

5.  TCP/IP ネットワークサービスと IPv4 アドレス指定の構成 (作業)

この章で説明する新機能

IPv4 ネットワークを構成する前に (作業マップ)

ホスト構成モードの決定

ローカルファイルモードで実行するシステム

ネットワーク構成サーバー

ネットワーククライアントとしてのシステム

混合構成

IPv4 ネットワークトポロジのシナリオ

ネットワークにサブネットを追加する (作業マップ)

ネットワークを構成する (作業マップ)

ローカルネットワーク上でのシステム構成

ローカルファイルモードの場合のホストの構成方法

ネットワーク構成サーバーの設定方法

ネットワーククライアントの構成

ネットワーククライアントモードの場合のホストの構成方法

IPv4 アドレスおよびその他のネットワーク構成パラメータを変更する方法

IPv4 ネットワーク上でのパケット転送と経路制御

Oracle Solaris でサポートされている経路制御プロトコル

IPv4 自律システムのトポロジ

IPv4 ルーターの構成

IPv4 ルーターの構成方法

経路制御テーブルと経路制御の種類

ルートの設定

マルチホームホストの構成

マルチホームホストの作成方法

単一インタフェースシステムの経路制御の設定

単一インタフェースホストで静的経路制御を有効にする方法

単一インタフェースホストで動的経路制御を有効にする方法

トランスポート層サービスの監視と変更

すべての着信 TCP 接続の IP アドレスを記録する方法

SCTP プロトコルを使用するサービスを追加する方法

TCP ラッパーを使って TCP サービスのアクセスを制御する方法

6.  ネットワークインタフェースの管理 (作業)

7.  IPv6 ネットワークの構成 (手順)

8.  TCP/IP ネットワークの管理 (手順)

9.  ネットワークの問題の障害追跡 (手順)

10.  TCP/IP と IPv4 の詳細 (リファレンス)

11.  IPv6 の詳細 (リファレンス)

パート III DHCP

12.  DHCP について (概要)

13.  DHCP サービスの使用計画 (手順)

14.  DHCP サービスの構成 (手順)

15.  DHCP の管理 (手順)

16.  DHCP クライアントの構成と管理

17.  DHCP の障害追跡 (リファレンス)

18.  DHCP コマンドと DHCP ファイル (リファレンス)

パート IV IP セキュリティー

19.  IP セキュリティーアーキテクチャー (概要)

20.  IPsec の構成 (手順)

21.  IP セキュリティーアーキテクチャー (リファレンス)

22.  インターネットキー交換 (概要)

23.  IKE の設定 (手順)

24.  インターネットキー交換 (リファレンス)

25.  Oracle Solaris の IP フィルタ (概要)

26.  IP フィルタ (手順)

パート V モバイル IP

27.  モバイル IP (概要)

28.  モバイル IP の管理 (手順)

29.  モバイル IP のファイルおよびコマンド (リファレンス)

パート VI IPMP

30.  IPMP の紹介 (概要)

31.  IPMP の管理 (手順)

パート VII IP サービス品質 (IPQoS)

32.  IPQoS の紹介 (概要)

33.  IPQoS 対応ネットワークの計画 (手順)

34.  IPQoS 構成ファイルの作成 (手順)

35.  IPQoS の起動と保守(手順)

36.  フローアカウンティングの使用と統計情報の収集 (手順)

37.  IPQoS の詳細 (リファレンス)

用語集

索引

ローカルネットワーク上でのシステム構成

オペレーティングシステムのソフトウェアをインストールするときに、同時にネットワークのソフトウェアもインストールされます。そのときに、いくつかの IP 構成パラメータを対応するファイルに格納して、ブート時に読み取れるようにしておく必要があります。

ネットワークの構成処理では、ネットワーク構成ファイルを作成または編集する必要があります。システムのカーネルが構成情報をどのように入手するかは、設定によって異なります。これらのファイルがローカルに格納されているか (ローカルファイルモード) ネットワーク構成サーバーから入手するか (ネットワーククライアントモード) によって提供方法が変わります。

ネットワーク構成時に提供されるパラメータは次のとおりです。

Oracle Solaris インストールプログラムにより、複数のインタフェースがシステム上で検出された場合は、追加のインタフェースをインストール時に構成することもできます。詳しい説明は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (基本編)』を参照してください。

ここでは、ローカル構成ファイルを作成および編集する手順を説明しています。ネームサービスデータベースを使用した動作については、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

ローカルファイルモードの場合のホストの構成方法

ローカルファイルモードで動作するホスト上の TCP/IP を構成するための手順は、次のとおりです。

Solaris 10 11/06 とそれ以降のリリースのインタフェースを手動で設定する手順については、「システムインストール後に物理インタフェースを構成する方法」を参照してください。

  1. Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. /etc ディレクトリに移動します。
  3. /etc/nodename ファイルに正しいホスト名が設定されていることを確認します。

    Oracle Solaris のインストール時にシステムのホスト名を指定したときは、そのホスト名は /etc/nodename ファイルに入ります。そのノード名エントリがシステムの正しいホスト名であることを確認します。

  4. /etc/hostname.interface ファイルがシステムのネットワークインタフェースごとに存在することを確認します。

    /etc/hostname. interface ファイルのファイル構文および基本情報については、「物理インタフェースの管理の基礎」を参照してください。

    Oracle Solaris インストールプログラムでは、インストール時に少なくとも 1 つのインタフェースを構成する必要があります。最初に構成するインタフェースが、自動的に「一次ネットワークインタフェース」になります。インストールプログラムは、一次ネットワークインタフェースと、インストール時に任意で構成するその他のインタフェースの /etc/hostname.interface ファイルを作成します。

    インストール時に追加のインタフェースを構成した場合は、各インタフェースに対応する /etc/hostname.interface ファイルがあることを確認してください。Oracle Solaris のインストール時に複数のインタフェースを構成する必要はありません。ただし、あとでインタフェースをシステムに追加する場合は、それらを手動で構成する必要があります。

    Solaris 10 11/06 とそれ以降のリリースのインタフェースを手動で設定する手順については、「システムインストール後に物理インタフェースを構成する方法」を参照してください。

  5. Solaris 10 11/06 以前のリリースの場合は、/etc/inet/ipnodes ファイルのエントリが最新であることを確認します。

    Oracle Solaris 10 インストールプログラムは、/etc/inet/ipnodes ファイルを作成します。このファイルには、インストール時に構成されたすべてのインタフェースのノード名と IPv4 アドレス、および IPv6 アドレス (使用される場合) が含まれます。

    /etc/inet/ipnodes ファイルのエントリには、次の書式を使用します。

    IP-address node-name nicknames...

    nicknames は、インタフェースを識別するための追加の名前です。

  6. /etc/inet/hosts ファイルのエントリが最新であることを確認します。

    Oracle Solaris インストールプログラムは、一次ネットワークインタフェース、ループバックアドレス、およびインストール時に構成された追加インタフェース (該当する場合) に対する各エントリを作成します。

    1. /etc/inet/hosts ファイルにすでに存在するエントリが最新であることを確認します。
    2. (省略可能) インストール後にローカルホストに追加されたネットワークインタフェースの IP アドレスとそれに対応する名前を追加します。
    3. (省略可能) /usr ファイルシステムを NFS マウントする場合は、ファイルサーバーの IP アドレス (1 つまたは複数) を追加します。
  7. ホストの完全修飾ドメイン名を /etc/defaultdomain ファイルに入力します。

    たとえば、ホスト tenere がドメイン deserts.worldwide.com に所属していたとします。その場合は、/etc/defaultdomaindeserts.worldwide.com を入力します。詳細は、/etc/defaultdomain ファイル」を参照してください。

  8. ルーターの名前を /etc/defaultrouter ファイルに入力します。

    このファイルについては、/etc/defaultrouter ファイル」を参照してください。

  9. デフォルトのルーターの名前とその IP アドレスを /etc/inet/hosts ファイルに入力します。

    追加の経路制御オプションについては、「ネットワーククライアントモードの場合のホストの構成方法」を参照してください。これらのオプションは、ローカルファイルモード構成にも適用できます。

  10. 該当する場合は、ネットワークのネットワークマスクを追加します。
    • ホストがその IP アドレスを DHCP サーバーから入手する場合は、ネットワークマスクを指定する必要はありません。

    • このクライアントと同じネットワークに NIS サーバーをすでに設定している場合は、そのサーバーの適切なデータベースに netmask 情報を追加できます。

    • それ以外の場合は、次のことを行います。

    1. ネットワーク番号とネットマスクを /etc/inet/netmasks ファイルに入力します。

      次の書式で入力します。

      network-number netmask

      たとえば、Class C ネットワーク番号 192.168.83 の場合は、次のように入力します。

      192.168.83.0 255.255.255.0

      CIDR アドレスの場合は、ネットワークの接頭辞をそれと同等の 10 進ドット表記に変換します。ネットワーク接頭辞とその 10 進ドット表記については、表 2-3 を参照してください。たとえば、192.168.3.0/22 という CIDR ネットワーク接頭辞を表現するには、次のような表記を使用します。

      192.168.3.0 255.255.252.0
    2. ローカルファイルが最初に検索されるように、/etc/nsswitch.conf でのネットマスクの検索順序を変更します。
      netmasks:   files nis
  11. システムをリブートします。

ネットワーク構成サーバーの設定方法

インストールサーバーやブートサーバーの設定方法については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (基本編)』を参照してください。

  1. Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. ネットワーク構成サーバーとなるサーバーの root (/) ディレクトリに移ります。
  3. /tftpboot ディレクトリを作成することによって、in.tftpd デーモンをオンに設定します。
    # mkdir /tftpboot

    このコマンドにより、システムは、TFTP、bootparams、RARP のサーバーに構成されます。

  4. 手順 2 で作成したディレクトリに対するシンボリックリンクを作成します。
    # ln -s /tftpboot/. /tftpboot/tftpboot
  5. /etc/inetd.conf ファイルの tftp 行を有効にします。

    エントリが次のようになっているか確認します。

    tftp dgram udp6 wait root /usr/sbin/in.tftpd in.tftpd -s /tftpboot

    これによって、in.tftpd は、/tftpboot にあるファイルだけから読み取られます。

  6. hosts データベースを編集します。

    ネットワーク上のすべてのクライアントのホスト名と IP アドレスを追加します。

  7. ethers データベースを編集します。

    ネットワーククライアントモードで実行するネットワーク上のすべてのホストについてエントリを作成します。

  8. bootparams データベースを編集します。

    詳細は、bootparams データベース」を参照してください。ワイルドカードエントリを作成するか、またはネットワーククライアントモードで実行するすべてのホストについてエントリを作成します。

  9. /etc/inetd.conf エントリをサービス管理機能 (SMF) のサービスマニフェストに変換し、それによって得られるサービスを使用可能にします。
    # /usr/sbin/inetconv
  10. in.tftpd が正しく動作しているか確認します。
    # svcs network/tftp/udp6

    次のような出力が表示されます。

    STATE          STIME    FMRI
    online         18:22:21 svc:/network/tftp/udp6:default
in.tftpdデーモンの管理

in.tftpd デーモンはサービス管理機能によって管理されます。in.tftpd に対する管理アクション (有効化、無効化、再起動など) を実行するには、svcadm コマンドを使用します。このサービスを起動したり、再起動したりする責任は inetd に委譲されています。in.tftpd の構成を変更したり、構成情報を表示したりするには、inetadm コマンドを使用します。このサービスのステータスを照会するには、svcs コマンドを使用します。サービス管理機能の概要については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 18 章「サービスの管理 (概要)」を参照してください。

ネットワーククライアントの構成

ネットワーククライアントは、その構成情報をネットワーク構成サーバーから受け取ります。したがって、あるホストをネットワーククライアントとして構成するときは、このネットワーク用として、ネットワーク構成サーバーが少なくとも 1 つは設定されていることを確認してください。

ネットワーククライアントモードの場合のホストの構成方法

ネットワーククライアントモードで構成する必要のある各ホストについて、次の手順を行います。

  1. Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. /etc ディレクトリで nodename ファイルを検索します。

    ある場合は、このファイルを削除してください。

    /etc/nodename を削除すると、システムは hostconfig プログラムを使用して、ネットワーク構成サーバーから、ホスト名、ドメイン名、ルーターアドレスを入手するようになります。「ローカルネットワーク上でのシステム構成」を参照してください。

  3. /etc/hostname.interface ファイルが存在しない場合は、このファイルを作成します。

    そのファイルが空であることを確認してください。/etc/hostname.interface ファイルが空であれば、システムは IPv4 アドレスをネットワーク構成サーバーから入手します。

  4. /etc/inet/hosts ファイルにループバックネットワークインタフェースの localhost 名と IP アドレスだけが含まれていることを確認します。
    # cat /etc/inet/hosts
    # Internet host table
    #
    127.0.0.1       localhost

    この IPv4 ループバックインタフェースの IP アドレスは 127.0.0.1 です。

    詳細は、「ループバックアドレス」を参照してください。このファイルには、ローカルホスト (一次ネットワークインタフェース) の IP アドレスとホスト名が含まれていてはいけません。

  5. /etc/defaultdomain ファイルが存在するかどうかを確認します。

    ある場合は、このファイルを削除してください。

    hostconfig プログラムはドメイン名を自動的に設定します。hostconfig プログラムが設定したドメイン名を無効にするには、代わりのドメイン名を /etc/defaultdomain ファイルに入力します。

  6. クライアントの /etc/nsswitch.conf ファイルに指定されている検索パスがネットワークのネームサービス要件を満たしていることを確認します。

IPv4 アドレスおよびその他のネットワーク構成パラメータを変更する方法

この手順では、すでにインストールされているシステムの IPv4 アドレス、ホスト名、およびその他のネットワークパラメータを変更する方法について説明します。サーバーまたはネットワーク接続されたスタンドアロンシステムの IP アドレスを変更する場合は、この手順を使用します。この手順は、ネットワーククライアントやネットワーク機器には適用されません。この手順で作成する構成は、リブート後も保持されます。


注 - ここで説明する手順は、一次ネットワークインタフェースの IPv4 アドレスを変更する場合にのみ適用されます。別のインタフェースをシステムに追加する場合は、「システムインストール後に物理インタフェースを構成する方法」を参照してください。


次の手順では、IPv4 アドレスとサブネットマスクを指定するときに、ほとんどの場合は IPv4 で一般的な 10 進ドット表記を使用しています。この手順で使用されるすべてのファイルでは、CIDR 表記を使用して IPv4 アドレスを指定することもできます。CIDR 表記の概要については、「CIDR 書式の IPv4 アドレス」を参照してください。

  1. Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. Solaris 10 11/06 以前のリリースの場合のみ、/etc/inet/ipnodes ファイルまたは同等の ipnodes データベースで、IP アドレスを変更します。

    システムに追加するすべての IP アドレスに、次の構文を使用します。

    IP-address host-name, nicknames
    IP-address interface-name, nicknames

    最初のエントリには、一次ネットワークインタフェースの IP アドレスとシステムのホスト名を含めるようにしてください。ホスト名のニックネームを追加することもできます。物理インタフェースをシステムに追加するときは、/etc/inet/ipnodes にそれらのインタフェースの IP アドレスとそれらに関連付ける名前のエントリを 作成してください。

  3. システムのホスト名を変更する必要がある場合は、/etc/nodename ファイルのホスト名エントリを変更します。
  4. /etc/inet/hosts ファイルまたは同等の hosts データベースで、IP アドレスとホスト名を必要に応じて変更します。
  5. IP アドレスipadm コマンドを使って変更します。

    ipadm コマンドでは、IP アドレスを直接変更することはできません。最初に、修正対象の IP アドレスを表すアドレスオブジェクトを削除します。次に、同じアドレスのオブジェクト名を使って、新しいアドレスを割り当てます。

    # ipadm delete-addr addrobj
    # ipadm create-addr -T static IP-address addrobj
  6. 一次ネットワークインタフェースの /etc/hostname.interface ファイルで、IP アドレスを変更します。

    /etc/hostname.interface ファイルの一次ネットワークインタフェースエントリには、次のいずれかを使用できます。

    • 一般的な 10 進ドット形式の IPv4 アドレス

      構文は次のとおりです。

      IPv4 address subnet mask

      ネットマスクエントリは省略可能です。指定しなかった場合は、デフォルトのネットマスクが指定されていると見なされます。

      次に例を示します。

      # vi hostname.eri0 10.0.2.5 netmask 255.0.0.0
    • CIDR 表記の IPv4 アドレス (ネットワーク構成で使用されている場合)。

      IPv4 address/network prefix

      次に例を示します。

      # vi hostname.eri0 10.0.2.5/8

      CIDR 接頭辞には、その IPv4 アドレスに対応するネットマスクを指定します。たとえば、前述の /8255.0.0.0 というネットマスクになります。

    • ホスト名。

      /etc/hostname.interface ファイルでシステムのホスト名を使用する場合は、そのホスト名とそれに関連付けられている IPv4 アドレスが hosts データベースにも指定されていることを確認します。

  7. サブネットマスクが変更されている場合は、次のファイルにあるサブネットエントリを変更します。
    • /etc/netmasks

    • (省略可能) /etc/hostname.interface

  8. サブネットアドレスが変更されている場合は、/etc/defaultrouter ファイルに指定されているデフォルトルーターの IP アドレスを新しいサブネットのデフォルトルーターの IP アドレスに変更します。
  9. システムを再起動します。
    # reboot -- -r

例 5-1 リブート後も保持する方法で IPv4 アドレスとその他のネットワークパラメータを変更する

この例では、別のサブネットに移動されたシステムについて、次のネットワークパラメータをどのように変更するかを示しています。

システムの現在の状態を確認します。

# hostname
myhost
# ifconfig -a

lo0: flags=1000849 <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
        inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
eri0: flags=1000843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
        inet 10.0.0.14 netmask ff000000 broadcast 10.255.255.255
        ether 8:0:20:c1:8b:c3 

次に、システムのホスト名と eri0 の IP アドレスを各ファイルで変更します。

# vi /etc/nodename
mynewhostname

Oracle Solaris 10 11/06 とそれ以前の Oracle Solaris 10 リリースでのみ、次のことを実行します。

# vi /etc/inet/ipnodes
192.168.55.14 mynewhostname #moved system to 192.168.55 net

# vi /etc/inet/hosts
#
# Internet host table
#
127.0.0.1       localhost
192.168.55.14 mynewhostname loghost
# vi /etc/hostname.eri0
192.168.55.14 netmask 255.255.255.0

最後に、ネットマスクおよびデフォルトルーターの IP アドレスを変更します。

# vi /etc/netmasks
...
192.168.55.0 255.255.255.0

# vi /etc/defaultrouter
192.168.55.200 #moved system to 192.168.55 net
#

これらの変更が完了したら、システムをリブートします。

# reboot -- -r

設定したばかりの構成がリブート後も保持されていることを確認します。

# hostname
mynewhostname
# ifconfig -a

lo0: flags=1000849 <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
        inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
eri0: flags=1000843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
        inet 192.168.55.14 netmask ffffff00 broadcast 10.255.255.255
        ether 8:0:20:c1:8b:c3 

例 5-2 現在のセッションの IP アドレスとホスト名を変更する

この例では、現在のセッションだけに適用するために、ホストの名前、一次ネットワークインタフェースの IP アドレス、およびサブネットマスクを変更する方法を示しています。システムをリブートすると、以前の IP アドレスとサブネットマスクに戻ります。一次ネットワークインタフェース eri0 の IP アドレスが 10.0.0.14 から 192.168.34.100 に変わります。

# ifconfig -a

lo0: flags=1000849 <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
        inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
eri0: flags=1000843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
        inet 10.0.0.14 netmask ff000000 broadcast 10.255.255.255
        ether 8:0:20:c1:8b:c3 
# ifconfig eri0 192.168.34.100 netmask 255.255.255.0 broadcast + up
# vi /etc/nodename
mynewhostname

# ifconfig -a
lo0: flags=1000849 <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
        inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
eri0: flags=1000843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
        inet 192.168.34.100 netmask ffffff00 broadcast 10.255.255.255
        ether 8:0:20:c1:8b:c3 
# hostname
mynewhostname

例 5-3 現在のセッションの IPv4 アドレスを変更する (CIDR 表記を使用)

この例では、現在のセッションだけに適用するために、CIDR 表記を使用してホスト名と IP アドレスを変更する方法を示しています。システムをリブートすると、以前の IP アドレスとサブネットマスクに戻ります。一次ネットワークインタフェース eri0 の IP アドレスが 10.0.0.14 から 192.168.6.25/27 に変わります。

# ifconfig -a

lo0: flags=1000849 <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
        inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
eri0: flags=1000843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
        inet 10.0.0.14 netmask ff000000 broadcast 10.255.255.255
        ether 8:0:20:c1:8b:c3 
# ifconfig eri0 192.168.6.25/27 broadcast + up
# vi /etc/nodename
mynewhostname
# ifconfig -a

lo0: flags=1000849 <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
        inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
eri0: flags=1000843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
        inet 192.168.06.25 netmask ffffffe0 broadcast 10.255.255.255
        ether 8:0:20:c1:8b:c3 
# hostname
mynewhostname

IPv4 アドレスに CIDR 表記を使用するときは、ネットマスクを指定する必要はありません。ifconfig は、指定されたネットワーク接頭辞を使用して、ネットマスクを決定します。たとえば、ifconfig は、192.168.6.0/27 ネットワークに対して ffffffe0 というネットマスクを設定します。より一般的な /24 接頭辞指定を使用した場合は、ffffff00 というネットマスクが設定されます。新しい IP アドレスを構成するときに、ifconfig/24 接頭辞指定を使用することとネットマスク 255.255.255.0 を指定することは同等です。

参照

一次ネットワークインタフェース以外のインタフェースの IP アドレスを変更する場合は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』 および 「システムインストール後に物理インタフェースを構成する方法」を参照してください。