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Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 リリースノート Oracle Solaris Cluster (日本語) |
clnasdevice、clnas - Oracle Solaris Cluster の NAS デバイスへのアクセスを管理する
/usr/cluster/bin/clnasdevice -V
/usr/cluster/bin/clnasdevice [subcommand] -?
/usr/cluster/bin/clnasdevice [subcommand] -?
/usr/cluster/bin/clnasdevice subcommand [ options] -v [nasdevice[ …]]
/usr/cluster/bin/clnasdevice add -t type {-p name= value[,…] | -u userid} [-f passwdfile]
[-Z {zoneclustername |
global}] nasdevice /usr/cluster/bin/clnasdevice add -i {- | clconfigfile}[-t type] [-p name=value | -u userid]
{-f passwdfile} [-Z {zoneclustername |
global}] { nasdevice/usr/cluster/bin/clnasdevice add-dir -d directory[,…] [-Z {zoneclustername | global}] nasdevice/usr/cluster/bin/clnasdevice add-dir -i {- | clconfigfile} [-d all | directory [,…]]
[-f passwordfile] [ -Z {zoneclustername |
global}] { nasdevice/usr/cluster/bin/clnasdevice export [-o {- | clconfigfile}] [-t type[,…]] [-d all | directory[,…]]
[+ | nasdevice[ …]]/usr/cluster/bin/clnasdevice find-dir [-d {all |directory[,...] [ -t type[,…]]
[-Z {zoneclustername[,…] |
global | all}] [+ | nasdevice[ …]]/usr/cluster/bin/clnasdevice list [-t type[,…]] [-Z {zoneclustername [,...] | global | all}] [+ | nasdevice[ …]]/usr/cluster/bin/clnasdevice remove [-t type[,…]] [-Z {zoneclustername | global}] [-F ] {+ | nasdevice[ …]} /usr/cluster/bin/clnasdevice remove-dir -d all | directory[,…] [-Z {zoneclustername | global}] nasdevice/usr/cluster/bin/clnasdevice set {-p name=value[,…] | -u userid} [-f passwdfile]
[-Z { zoneclustername |
global}] nasdevice/usr/cluster/bin/clnasdevice show [-d {all | directory[,...] [-t
type[,…]] [-Z {zoneclustername[,…] | global | all}] [+ | nasdevice[ …]]
注 - Oracle Solaris Cluster 5/11 のリリース時に公開された clnasdevice のマニュアルページには、sun_uss NAS デバイスタイプの名前に誤りがあります。このマニュアルページでは、NAS デバイス名が Oracle の Sun Storage 7000 Unified Storage System となっていますが、正しくは Oracle の Sun ZFS Storage Appliance です。このバージョンのマニュアルページでは名前が修正されています。
clnasdevice コマンドは、NAS デバイスとそのディレクトリまたはプロジェクトに関する Oracle Solaris Cluster 構成情報を管理します。
clnas コマンドは、clnasdevice コマンドの短縮形式です。clnas コマンドと clnasdevice コマンドは同じです。どちらの形式のコマンドも使用できます。
このコマンドの書式は次のとおりです。
clnasdevice [subcommand] [options] [operands]
options に -? または -V オプションを指定する場合だけは、subcommand を省略できます。
このコマンドの各オプションには、長い形式と短い形式があります。各オプションの両方の形式は、このマニュアルページの「オプション」セクションのオプションの説明で紹介されています。
clnasdevice コマンドを使用して NAS デバイスをクラスタに構成する前に、NAS デバイスが次の状態であることを確認してください。
NAS デバイスが設定されており、機能している。
NAS デバイスが起動され、動作している。
NAS デバイスのディレクトリが作成され、クラスタノードに利用可能である。
NAS デバイスが定足数デバイスになる予定である場合、その定足数デバイスの LUN が作成されている必要があります。NAS 定足数デバイスの設定については、clquorum のマニュアルページを参照してください。
NAS デバイスのベンダーによっては、デバイスをクラスタに構成する前に、追加の作業を行う必要がある場合もあります。これらの作業についての詳細は、「オプション」セクションの -t オプションを参照してください。NAS デバイスの設定手順やそのディレクトリのエクスポート手順については、NAS デバイスのマニュアルを参照してください。
NAS デバイスが完全に機能し、クラスタにストレージを提供する準備ができたあとは、clnasdevice コマンドを使用して、クラスタ内の NAS デバイス構成情報を管理します。これを行わないと、クラスタは NAS デバイスとそのエクスポートされるディレクトリを検出できません。結果として、クラスタはこれらのディレクトリにある情報の整合性を保護できません。
clnasdevice コマンドを使用して、次のような管理作業を行います。
NAS デバイス構成の作成
NAS タイプ固有プロパティーの更新
NAS デバイスディレクトリのクラスタ構成からの削除
NAS デバイスのクラスタ構成からの削除
clnasdevice コマンドは、アクティブなクラスタノードだけで実行できます。コマンドを実行して得られる結果は、実行するノードに関係なく、常に同じです。
clnasdevice コマンドは、ゾーンクラスタで、 export を除くすべてのサブコマンドを指定して使用することができます。export 以外のすべてのサブコマンドで -Z オプションを使用して、操作を制限する特定のゾーンクラスタの名前を指定することもできます。
広域クラスタノードからすべてのゾーンクラスタ情報にアクセスできますが、特定のゾーンクラスタは他のゾーンクラスタを認識しません。特定のゾーンクラスタに操作を制限できない場合、使用するサブコマンドは現在のクラスタでのみ機能します。
サポートされるサブコマンドには次のものがあります。
Oracle Solaris Cluster 構成に NAS デバイスを追加します。
-t オプションは、NAS デバイスのベンダーを指定するのに使用します。詳細は、「オプション」セクションの -t オプションの説明を参照してください。
NAS デバイスのタイプによって、追加のプロパティーを設定する必要がある場合があります。このような追加のプロパティーについても、「オプション」セクションの -t オプションの説明を参照してください。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify 役割に基づくアクセス制御 (RBAC) の承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
remove サブコマンドの説明も参照してください。
すでに構成されている NAS デバイスの指定したディレクトリまたはプロジェクトをクラスタ構成に追加します。このサブコマンドを使用する前に、デバイス上でこれらのディレクトリまたはプロジェクトを作成し、クラスタで使用できるようにしなければなりません。ディレクトリまたはプロジェクトの作成については、NAS デバイスのマニュアルを参照してください。
NAS デバイスのディレクトリまたはプロジェクトの追加は、次のいずれかの方法で行なうことができます。
clnasdevice add コマンドを使用して、NAS デバイスをクラスタに構成します。その後、clnasdevice add-dir コマンドを使用してデバイスのディレクトリまたはプロジェクトをクラスタ内に設定します。
clnasdevice add-dir -i configurationfile 形式のコマンドを使用して、デバイスの追加とそのディレクトリまたはプロジェクトの設定を 1 ステップで行ないます。この方法でディレクトリまたはプロジェクトを追加するには、-f オプションを使用してパスワードファイルを指定します。このオプションの詳細は、「オプション」セクションを参照してください。詳細は、clconfiguration(5CL) のマニュアルページを参照してください。
NAS デバイス上に新しいディレクトリまたはプロジェクトを作成し、クラスタノードで使用できるようにする場合、この add-dir サブコマンドを使用してそのディレクトリまたはプロジェクトをクラスタ構成に追加する必要があります。add-dir サブコマンドを使用してクラスタに追加できる利用可能なディレクトリやプロジェクトのリストを表示するには、find-dir サブコマンドを使用します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
remove-dir サブコマンドの説明も参照してください。
クラスタ NAS デバイス構成情報をエクスポートします。-o オプションでファイルを指定すると、そのファイルに構成情報が書き込まれます。-o オプションを使用しない場合、出力は標準出力 (stdout) に書き込まれます。
export サブコマンドはクラスタ構成情報を変更しません。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.read RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
NAS デバイスに設定されており、クラスタによって使用される可能性のある sun_uss プロジェクトまたは netapp および sun ディレクトリを表示します。これらのディレクトリまたはプロジェクトは、add-dir サブコマンドでクラスタ構成にまだ追加されていません。出力にリストされているディレクトリまたはプロジェクトは、add-dir サブコマンドを使用するときの -d オプションの対象になることができます。
特定のタイプの NAS デバイスを表示するには、-t オプションを指定します。
sun_uss プロジェクトとそのプロジェクト内のファイルシステムを表示するには、-v オプションを指定します。
特定の netapp および sun NAS デバイスディレクトリまたは sun_uss NAS デバイスプロジェクトを表示するには、-d オプションを指定します。
特定の sun_uss NAS デバイスプロジェクトとそのプロジェクト内のファイルシステムを表示するには、-v オプションと -d オプションを指定します。
find-dir サブコマンドはクラスタ構成情報を変更しません。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.read RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
クラスタに構成されている NAS デバイス構成を表示します。
クラスタに構成されているデバイスのディレクトリとデバイスタイプを表示するには、詳細オプション -v を使用します。
特定のタイプの NAS デバイスを表示するには、-t オプションを使用します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.read RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
指定されている単数または複数の NAS デバイスを、Oracle Solaris Cluster 構成から削除します。
強制オプション -F を指定しない場合、remove-dir サブコマンドを使用して、NAS デバイスディレクトリを構成から削除しておいてください。
強制オプション -F を指定する場合、このコマンドは、NAS デバイスとそのディレクトリをクラスタ構成から削除します。「「オプション」」セクションの -F の説明を参照してください。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
add サブコマンドの説明も参照してください。
指定した NAS ディレクトリまたはプロジェクトを Oracle Solaris Cluster 構成から削除します。
remove-dir サブコマンドは、-d オプションで指定したエクスポート済みディレクトリまたはプロジェクトを削除します。-d all を使用すると、このサブコマンドによって、指定した NAS デバイスのすべてのディレクトリまたはプロジェクトが削除されます。
NAS デバイスからディレクトリまたはプロジェクトを削除した場合、この remove-dir サブコマンドを使用して、クラスタ構成からそのディレクトリまたはプロジェクトを削除する必要があります。クラスタ構成内の NAS ディレクトリまたはプロジェクトは、NAS デバイスからエクスポートした既存のディレクトリまたはプロジェクトと一致していなければなりません。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
add-dir サブコマンドの説明も参照してください。
特定の NAS デバイスの指定されたプロパティーを設定します。
注 - Oracle の Sun StorageTek 製品の NAS デバイスのプロパティーは指定しません。これらのデバイスにはプロパティーがないため、set サブコマンドと、-f、-p、および -u オプションは適用されません。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
オプションが何も指定されていない場合は、次の情報を表示します。
Oracle Solaris Cluster に構成されている現在のすべての NAS デバイスのリスト
各 NAS デバイスの利用可能なディレクトリ
各 NAS デバイスに関連付けられたすべてのプロパティー
特定のタイプの NAS デバイスを表示するには、-t オプションを指定します。特定のデバイスに関する情報を表示するには、NAS デバイスのホスト名をオペランドとしてコマンドに渡します。
指定されたプロジェクトに含まれているファイルシステムを表示するには、show サブコマンドで -d および - v オプションを使用します。all キーワードを使用して、NAS デバイスのすべてのプロジェクトまたは個々のプロジェクトを表示できます。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのコマンドを使用するには、solaris.cluster.read RBAC の承認が必要です。詳細は、rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
次のオプションがサポートされています。
ヘルプ情報を表示します。このオプションを使用するとき、ほかのオプションの処理は実行されません。
このオプションはサブコマンド付きでもサブコマンドなしでも指定できます。
サブコマンドなしでこのオプションを指定すると、このコマンドのサブコマンドのリストが表示されます。
サブコマンド付きでこのオプションを指定すると、サブコマンドの使用方法が表示されます。
sun_uss NAS デバイスと同様に、netapp および sun NAS デバイスのディレクトリ (1 つまたは複数) を指定します。sun_uss NAS デバイスでは、ファイルシステムを作成する前に NAS デバイスでプロジェクトを作成する必要があります。プロジェクト名を / で始めることはできません。ファイルシステムはプロジェクト内で作成する必要があります。プロジェクトは sun_uss NAS デバイスの用語です。プロジェクトでは任意の数のファイルシステムを作成できます。このオプションを一緒に指定できるのは、add-dir、 remove-dir、export、および show サブコマンドのみです。
このオプションは、特別なキーワード all を受け入れます。-d all オプションを使用すると、指定した NAS デバイス上のすべてのディレクトリが指定されます。
remove-dir サブコマンドと一緒に使用する場合、指定したデバイス上のすべてのディレクトリが削除されます。
export サブコマンドと一緒に使用する場合、指定したデバイス上のすべてのディレクトリの構成情報が、指定した出力に表示されます。
add-dir サブコマンドと -i configfile オプションを使用すると、構成ファイルに一覧表示されている指定された NAS デバイス上のすべてのディレクトリが、追加されます。
show サブコマンドおよび find-dir サブコマンドを使用する際に、sun_uss NAS デバイスの -v オプションを指定すると、-d オプションで指定したプロジェクトに含まれるファイルシステムが表示されます。all キーワードを使用して、NAS デバイスのすべてのプロジェクトまたは個々のプロジェクトを表示できます。
指定した NAS デバイスを強制的に削除します。
強制オプションを一緒に指定できるのは、remove サブコマンドだけです。この強制オプションを remove サブコマンドと一緒に使用すると、NAS デバイスとその構成されているディレクトリが Oracle Solaris Cluster 構成から削除されます。
NAS デバイスにログインするときに使用するパスワードが格納されているパスワードファイルを指定します。
注 - Oracle の Sun StorageTek 製品の NAS デバイスのプロパティーは指定しません。このデバイスにはプロパティーがないため、 set サブコマンドと、-f、-p、および -u オプションは適用されません。
セキュリティー上の理由により、パスワードはコマンド行オプションには指定できません。パスワードのセキュリティーを強化するには、パスワードをテキストファイルに格納し、-f オプションでこのファイルを指定してください。パスワード用の入力ファイルを指定しないと、パスワードの入力が求められます。
入力ファイルの読み取り可能アクセス権を root だけに与え、このファイルにグループからも一般ユーザーからもアクセスできないようにします。
clnasdevice add を -i オプションと一緒に使用するとき、clconfigfile にパスワードが格納されていない場合、-f passwdfile オプションを必ず指定してください。
入力ファイルでは、次の制限を守ってください。
パスワードは単一行に指定します。パスワードを複数行にまたがって入力してはいけません。
行頭にあるブランクやタブは無視されます。
コメントは引用符で囲まれていない # 記号で始まります。コメントは次の新しい行に続きます。
すべてのコメントはパーサーによって無視されます。
デバイスユーザーのパスワードに入力ファイルを使用する場合は、# 記号をパスワードの一部に使用できません。
NAS デバイスを作成または変更するのに使用される構成情報を指定します。この情報は、clconfiguration(5CL) のマニュアルページに定義されている形式に準拠している必要があります。この情報はファイルに含まれている場合と、標準入力 stdin を通して指定される場合があります。標準入力を指定するには、ファイル名の代わりに - を指定します。
コマンド行と clconfigfile ファイルで同じプロパティーを指定する場合、コマンド行で設定したプロパティーが優先されます。
clnasdevice add を -i オプションと一緒に使用するとき、-f passwdfile オプションを必ず指定してください。
clconfiguration(5CL) のマニュアルページで定義されている形式で、NAS デバイス構成情報を記述します。この情報は、ファイルまたは標準出力 (stdout) のどちらにでも書き込むことができます。標準出力を指定するには、ファイル名の代わりに - を指定します。
ある NAS デバイスタイプに固有のプロパティーを指定します。
注 - Oracle の Sun StorageTek 製品の NAS デバイスのプロパティーは指定しません。このデバイスにはプロパティーがないため、 set サブコマンドと、-f、-p、および -u オプションは適用されません。
add サブコマンドを使用して新しい NAS デバイスをクラスタ構成に追加する場合は、このオプションを指定する必要があります。set サブコマンドで NAS デバイスのプロパティーを変更する場合も、このオプションを指定する必要があります。詳細は、-t オプションの説明を参照してください。
NAS デバイスタイプを指定します。このオプションは、NAS デバイスを Oracle Solaris Cluster 構成に追加するときに指定してください。NAS デバイスタイプは、ベンダー名で指定します。たとえば、Oracle Sun StorageTek の NAS デバイスタイプは sun です。
異なるタイプの NAS デバイスには異なるプロパティーがあるか、またはプロパティーがまったくない場合もあります。
Oracle Sun StorageTek の NAS デバイスを指定します。
注 - sun NAS デバイスのプロパティーは指定しません。このデバイスにはプロパティーがないため、 set サブコマンドと、-f、-p、および -u オプションは適用されません。
-p userid=osc_agent [-f passwd-file] または -u userid [-f passwdfile]
userid は osc_agent でなければなりません。sun_uss を使用する前に、クライアントコードをダウンロードし、すべてのクライアントノードにインストールする必要があります。この osc_agent userid は、デバイスでいずれかのワークフローを実行すると作成されます。userid は、userid を入力として受け取る clnasdevice サブコマンドを使用する前にデバイスで作成されている必要があります。
userid とパスワードプロパティは必須です。
-p "nodeIPs{node}"=[IP]
このプロパティーは、各ノードの IP を指定します。クラスタノード名の IP とは異なる IP を使用して NAS デバイスにアクセスする場合、nodeIPsnode プロパティーを使用してこの IP を指定できます。このプロパティーは省略可能です。IP を指定しない場合は、クラスタノード名の IP が使用されます。これらの IP は、NAS デバイス上のプロジェクトの NFS Access Mode で指定された IP と一致する必要があります。
プロパティーの値を指定しない場合 (例: -p "nodeIPs{ node}"=)、指定したノードの IP がクラスタ構成から削除され、クラスタノード名の IP が使用されます。
sun_uss NAS デバイスとそのプロジェクトを追加する前に、必要な設定を行う必要があります。この設定作業には、クライアントコードのダウンロードとクラスタノードへのインストールが含まれます。デバイスで Configure for Oracle Solaris Cluster NFS ワークフローを実行して、userid osc_agent とそのパスワードを作成します。プロジェクトを作成し、Share Mode を none または read-only に設定します (read-write モードもサポートされていますがお勧めしません)。NFS Access Mode では、ネットワーク概念を使用し、クラスタノードの IP に対する read-write アクセスを付与する必要があります。
Network Appliance 社の NAS デバイスを指定します。Network Appliance 社の NAS デバイスには、次のプロパティーがあります。このプロパティーは、add サブコマンドを使用して NAS デバイスを追加する場合に必要です。
-p userid=userid [-f passwdfile]
または
-u userid [-f passwdfile]
userid は、クラスタが NAS デバイスで管理作業を実行するときに使用するユーザー ID です。userid をデバイス構成に追加するときには、対応するパスワードを入力するように求められます。パスワードは、テキストファイルに格納しておき、-f オプションで指定してもかまいません。
NAS デバイスとそのエクスポートされたディレクトリをクラスタ構成に追加する前に、次に示す手順を実行しておく必要があります。
NAS デバイスを設定します。
ディレクトリを設定し、クラスタノードに利用可能にします。
NAS デバイスで管理作業を実行するときに使用するユーザー ID とパスワードを決定します。
また、NAS デバイスは起動され、動作している必要があります。netapp NAS デバイスのサポートをクラスタに提供するには、さらに、Network Appliance 社が提供する必要なソフトウェアモジュールをインストールしてください。また、Network Appliance 社の NAS デバイス用に iSCSI ライセンスが有効でなければなりません。サポートモジュールの入手方法については、『Oracle Solaris Cluster With Network-Attached Storage Devices Manual』を参照してください。
NAS デバイスにログインするのに使用するユーザー ID を指定します。
注 - Oracle の Sun StorageTek の NAS デバイスのプロパティーは指定しません。このデバイスにはプロパティーがないため、 set サブコマンドと、-f、-p、および -u オプションは適用されません。
クラスタは、ログインし、デバイス上で管理処理を実行するために、ユーザー ID を把握する必要があります。
あるいは、-p オプションでもユーザー ID を指定できます。詳細は、-p オプションを参照してください。
このオプションを一緒に指定できるのは、add および set サブコマンドだけです。
コマンドのバージョンを表示します。
このオプションには、サブコマンドやオペランドなどのオプションは指定しないでください。サブコマンドやオペランドなどのオプションは無視されます。コマンドのバージョンが表示されます。ほかの処理は実行されません。
詳細な情報を標準出力 stdout に表示します。
nas-device-type が登録されている、処理するクラスタを指定します。
このオプションは、export コマンド以外のすべてのサブコマンドでサポートされています。
このオプションを指定する場合は、次のいずれかの引数も指定する必要があります。
このオプションと一緒に使用するコマンドが、zoneclustername という名前のゾーンクラスタ内でのみ、 nas-device-type に対して指定されたすべてのコマンドで動作することを設定します。
このオプションと一緒に使用するコマンドが、グローバルクラスタ内でのみ、指定したすべての nas-device-type に対して動作することを設定します。
グローバルクラスタ内でこの引数を使用すると、この引数と一緒に使用するコマンドが、すべてのクラスタ内 (グローバルクラスタおよびすべてのゾーンクラスタを含む) で、すべての指定した nas-device-type に対して動作します。
ゾーンクラスタ内でこの引数を使用すると、この引数と一緒に使用するコマンドが、そのゾーンクラスタ内でのみ、すべての指定した nas-device-type に対して動作します。
次のオペランドがサポートされています。
NAS デバイスの名前。NAS デバイス名は、ネットワークで通信を行うために NAS デバイスが使用するホスト名です。NAS デバイスと通信するために、クラスタは NAS デバイスの NAS ホスト名を知っておく必要があります。サブコマンドが複数の NAS デバイスを受け入れる場合は、プラス記号 + を使用して、すべての NAS デバイスを指定できます。add および add-dir サブコマンドの場合、プラス記号オペランドは、指定された構成ファイルにあるすべての NAS デバイスを指定します。
例 1 Oracle Sun StorageTek または Sun Storage 7000 Unified Storage System の NAS デバイスをクラスタまたはゾーンクラスタに追加する
次の clnasdevice コマンドは、ストレージシステム sunnas1 を sun という構成に追加します。
# clnasdevice add -t sun sunnas1
次の clnasdevice コマンドは、ストレージシステム sunnas1 を ZC というゾーンクラスタ構成に追加します。
# clnasdevice add -Z ZC -t sun sunnas1
次の clnasdevice コマンドは、タイプが sun_uss の Sun ZFS Storage Appliance uss7110-01 を構成に追加します。
# clnasdevice add -t sun_uss -p userid=osc_agent -f passwd-file uss7110-01
例 2 Network Appliance 社の NAS デバイスをクラスタまたはゾーンクラスタに追加する
次の clnasdevice コマンドは、Network Appliance 社のストレージシステム netapp1 を sun という構成に追加します。
# clnasdevice add -t netapp -p userid=root netapp1 Please enter password
次の clnasdevice コマンドは、Network Appliance 社のストレージシステム netapp1 を ZC というゾーン構成に追加します。
# clnasdevice add -Z ZC -t netapp -p userid=root netapp1 Please enter password
例 3 NAS デバイスのディレクトリまたはプロジェクトをクラスタまたはゾーンクラスタに追加する
次の clnasdevice コマンドは、すでに構成されている NAS デバイス sunnas1 のエクスポートされた 2 つのディレクトリをクラスタ構成に追加します。
# clnasdevice add-dir -d /export/dir1,/export/dir2 sunnas1
次の clnasdevice コマンドは、すでに構成されている NAS デバイス sunnas1 のエクスポートされた 2 つのディレクトリを ZC というゾーンクラスタに追加します。
# clnasdevice add-dir -Z ZC -d /export/dir1,/export/dir2 sunnas1
次の clnasdevice コマンドは、すでに構成されている NAS デバイスである sun_uss に 2 つのプロジェクトを追加します。
# clnasdevice add-dir -d pool-0/local/nassa-pl,pool-0/local/nassa-p2 uss7110-01
例 4 クラスタまたはゾーンクラスタ構成からすべての NAS デバイスのディレクトリを削除する
次の clnasdevice コマンドは、NAS デバイス netapp1 に属しているすべてのディレクトリをクラスタ構成から削除します。
# clnasdevice remove-dir -d all netapp1
次の clnasdevice コマンドは、NAS デバイス netapp1に属しているすべてのディレクトリをZCというゾーンクラスタ構成から削除します。
# clnasdevice remove-dir -Z ZC -d all netapp1
例 5 クラスタまたはゾーンクラスタから NAS デバイスを削除する
次の clnasdevice コマンドは、NAS デバイス sunnas1 と、残りのディレクトリがある場合はそのディレクトリをすべて、sun というクラスタ構成から削除します。
# clnasdevice remove -F sunnas1
次の clnasdevice コマンドは、NAS デバイス sunnas1 と、残りのディレクトリがある場合はそのディレクトリをすべて、ZC というゾーンクラスタ構成から削除します。
# clnasdevice remove -Z ZC -F sunnas1
次の例は、nodeIPs プロパティーを更新する方法を示しています。
# clnasdevice set -p "nodeIPs{cluster-1}"= 10.155.55.145 -p
"nodeIPs{cluster-2}"=10.155.55.146 uss7110-01
次の例では、クラスタ構成から現在の IP の設定を削除して、クラスタノード名の IP が使用されるようにします。
# clnasdevice set -p "nodeIPs{cluster-1}"= -p "nodeIPs{cluster-2}"= uss7110-01例 6 クラスタに追加されていない NAS デバイスプロジェクトを表示する
次の clnasdevice コマンドは、クラスタにまだ追加されていない NAS デバイスプロジェクト名を表示します。
# clnasdevice find-dir uss7110-01 Nas Device: uss7110-01 Type: sun_uss Unconfigured Project: nassa-p2 Unconfigured Project: nnassa-p1
例 7 クラスタまたはゾーンクラスタに構成されている NAS デバイスを表示する
次の clnasdevice コマンドは、クラスタに構成されているすべての NAS デバイスの名前を表示します。デバイスとそのディレクトリのリストを表示するには、詳細オプションか show サブコマンドを使用します。
# clnasdevice list sunnas1
次の clnasdevice コマンドは、ゾーンクラスタ ZC に構成されているすべての NAS デバイスの名前を表示します。デバイスとそのディレクトリのリストを表示するには、詳細オプションか show サブコマンドを使用します。
# clnasdevice list -Z ZC ZC:sunnas1
次の clnasdevice コマンドは、ゾーンクラスタ ZC に構成されているすべての NAS デバイスの名前を表示します。デバイスとそのディレクトリのリストを表示するには、詳細オプションか show サブコマンドを使用します。
# clnasdevice list -Z all global:sunnas1 ZC:netapp1
例 8 NAS デバイスとそのディレクトリまたはプロジェクトを表示する
次の clnasdevice コマンドは、クラスタに構成されているすべての NAS デバイスの名前に加えて、そのディレクトリのうち、クラスタに構成されているディレクトリを表示します。
# clnasdevice show -v
Nas Device: sunnas1.sfbay.sun.com
Type: sun
Userid: root
Directory: /export/dir1
/export/dir2
Nas Device: netapp2
Type: netapp
Userid: root
Directory: /export/dir1
/export/dir2
次の clnasdevice コマンドは、ZC というゾーンクラスタに構成されているすべての NAS デバイスの名前と、クラスタ構成に含まれているディレクトリを表示します。
# clnasdevice show -Z ZC -v
Nas Device: ZC:netapp2
Type: netapp
Userid: root
Directory: /export/dir1
/export/dir2
次の clnasdevice コマンドは、クラスタに構成されているすべての NAS デバイスの名前とプロジェクトファイルシステムを表示します。
# clnasdevice show -v -d all uss7110-01 Nas Device: uss7110-01 Type: sun_uss Project: nassa-p1 File System: /export/nassa-p1/nassa-p1-fs1 File System: /export/nassa-p1/nassa-p1-fs2 File System: /export/nassa-p1/nassa-p1-fs3 Project: nassa-p2 File System: /export/nassa-p2/nassa-p2-fs1 File System: /export/nassa-p2/nassa-p2-fs2
次の属性については、attributes(5) を参照してください。
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スーパーユーザーはこのコマンドのすべての形式を実行できます。
任意のユーザーは次のサブコマンドとオプションを指定してこのコマンドを実行できます。
-? オプション
-V オプション
スーパーユーザー以外のユーザーがほかのサブコマンドを指定してこのコマンドを実行するには、RBAC の承認が必要です。次の表を参照してください。
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