Sun Ray クライアントにはいくつかの定義済みホットキーがあり、Table 13.1, “Sun Ray クライアントのホットキー”に示すようにクライアントの動作やイベントをトリガーできます。キーシーケンスには、Oracle 固有のキーの組み合わせ (Oracle キーボードにだけに存在する可能性のあるキーを使用)、または Oracle 固有のキーを必要としない代替キーの組み合わせを使用できます。
これらのホットキーが制御する動作は、Sun Ray クライアントに固有です。Sun Ray セッションで実行中のデスクトップソフトウェアには、デスクトップ操作用に追加ホットキーを提供する (特定のプログラムを起動する機能など)、別のキーボードショートカット機能がある場合があります。
デフォルトでは、代替の接頭辞キーの組み合わせは Ctrl-Pause および Ctrl-Shift-Alt-Meta です。Ctrl-Pause キーシーケンスはこのドキュメント全体で使用されています。Ctrl-Shift-Alt-Meta キーの組み合わせは、構成 GUI の「詳細」メニュー (STOP 代替修飾子を入力)、または .parms
ファイル内の stopkeys
キーワードで変更できます。これは 4 つのキーの任意の組み合わせに設定できますが、少なくとも 2 つを使用する必要があります。
Meta キーは異なるキーボードで異なる名前を持っていて、PC キーボードでは「Windows」キー、Mac キーボードでは「Command」キーです。
Table 13.1. Sun Ray クライアントのホットキー
Oracle 固有のホットキー | Oracle 以外のホットキー | アクション |
---|---|---|
Mute | Ctrl-Pause-CursorDown | オーディオをミュートおよびミュート解除します。 |
Softer | Ctrl-Pause-CursorLeft | 音量を下げます。 |
Louder | Ctrl-Pause-CursorRight | 音量を上げます。 |
Mute-Softer-Louder または Stop-N | Ctrl-Pause-N | Sun Ray クライアントの MAC アドレスと IP アドレス、およびサーバーの IP アドレスを表示します。 |
Ctrl-Power または Stop-A | Ctrl-Pause-A | Sun Ray クライアントの電源を再投入します。Oracle キーボードでは、Power キーには三日月の絵文字が表示されており、キーボードの右上隅に配置されています。 |
Stop-C | Ctrl-Pause-C | Sun Ray クライアントのローカル構成データをクリアします。 |
Stop-O | Ctrl-Pause-O | Sun Ray クライアントがブートするときに、オンスクリーンディスプレイ (On-Screen Display、OSD) トラブルシューティングアイコンを有効または無効にします。 |
Stop-S または Stop-M | Ctrl-Pause-S または Ctrl-Pause-M | 構成 GUI を開いて、クライアントを初期化する方法を変更します。構成 GUI はクライアントで有効になっている必要があります。 |
Stop-V | Ctrl-Pause-V | Sun Ray クライアントのモデル、MAC アドレス、およびファームウェアバージョンを表示します。 |
Ctrl-Alt-Bksp-Bksp | Ctrl-Alt-Bksp-Bksp | セッションを終了します。このホットキーをほかの値に再構成することはできませんが、無効にすることはできます。詳細については、utxconfig のマニュアルページを参照してください。 |
Ctrl-Alt-Del-Del | Ctrl-Alt-Del-Del | X サーバーを制御しているプロセスを終了します。 |
utsettings または utdetach Sun Ray ユーティリティーを起動するために使用するホットキーもあります。これらのホットキーシーケンスは $HOME/.utslaunch.properties
ファイルで構成で、サイト単位で管理者が設定することもできます。詳細については、Section 13.1.1, “ユーティリティーホットキーの構成方法”を参照してください。
utsettings または utdetach Sun Ray ユーティリティーを起動するようにホットキーを構成できます。これらのホットキーの適用範囲は次のとおりです。
システム全体デフォルト設定
ユーザーデフォルト設定
システム全体強制設定
これらのレベルのカスタマイズをサポートするために、Sun Ray クライアントはセッション起動時に、次のプロパティーファイルをTable 13.2, “Sun Ray 設定プロパティーファイル”に示す順に調べます。
Table 13.2. Sun Ray 設定プロパティーファイル
ファイル | 適用範囲 | 説明 |
---|---|---|
| システム | このファイルにはデフォルトプロパティーが含まれています。指定したプロパティーは、アプリケーション自体に組み込まれるデフォルトをオーバーライドします。 |
| ユーザー | このファイルにはアプリケーションやシステム全体デフォルトをオーバーライドする、ユーザーの優先値が入っています。 |
| システム | このファイルにはユーザーがオーバーライドできない、システム全体強制設定が入っています。これらのプロパティーは、アプリケーション、システム全体、およびユーザーデフォルトをオーバーライドします。 |
すべてのユーザーが共通の標準ホットキーを使用するというポリシーの場合は、この標準キーを指定するようにシステム全体強制デフォルトファイルを変更します。この設定により、ユーザーが独自のホットキーを指定することを防ぎます。
これらのプロパティーファイル内のホットキーエントリの形式は、
、utility_name
.hotkey=value
utility_name
はユーティリティーの名前 (現在は utsettings または utdetach)、value
は有効な X キーシム名 (1 つ以上のサポートされている修飾子 (Ctrl
、Shift
、Alt
、Meta
) が任意の順序で前に付きます) です。デフォルト値をTable 13.3, “構成可能なホットキー値のデフォルト”に示します。
Table 13.3. 構成可能なホットキー値のデフォルト
構成プロパティー名 | デフォルトホットキー | アクション |
---|---|---|
|
| Sun Ray 設定 GUI を起動します。 |
|
| この Sun Ray クライアントからセッションを切り離します。(スマートカードでないモビリティーセッションを切り離すためによく使用されます。) |
ユーザーがデフォルトホットキーを使用してユーティリティーを起動するのを防止する必要がある場合は、別のホットキーを指定するようにシステム全体デフォルトファイルを設定できます。そのようにした場合でも、ユーザーはユーザーデフォルトファイルで設定を指定できます。
スーパーユーザーとして、テキストエディタで /etc/opt/SUNWut/utslaunch_defaults.properties
ファイルを開きます。
ユーザーがデフォルトを設定している場合でも、この変更をすべてのユーザーに強制する必要がある場合は、/etc/opt/SUNWut/utslaunch_mandatory.properties
ファイル内の値を変更します。
変更するユーティリティーの元のホットキーエントリを探し、その先頭に #
を付けてコメントアウトします。
たとえば:
# utdetach.hotkey=Shift Pause
最初の文の後ろに新しいホットキープロパティーを入力します。
たとえば:
utdetach.hotkey=Alt F9
utslaunch_defaults.properties
ファイルを保存します。
新しいホットキーを有効にするために、ログアウトしてからログインし直します。
ユーザーのホットキー設定は、システム全体デフォルト設定をオーバーライドします (強制の場合を除く)。
ユーザーのホームディレクトリに、.utslaunch.properties
ファイルを作成します。
ユーザーがこのファイルを所有し読み取り可能であることを確認します。
ホットキー用の値を指定した行を .utslaunch.properties
ファイルに追加します。
たとえば:
utsettings.hotkey=Shift F8
.utslaunch.properties
ファイルを保存します。
新しいホットキーを有効にするために、ログアウトしてからログインし直します。