Sun Ray クライアントは、アプリケーションが必要とするオーディオ周波数のどれでも使用するため、帯域幅を削減してスケーラビリティーを上げることができるようにアプリケーションオーディオ要件を構成できます。たとえば VoIP アプリケーションが 8kHz モノラルを要求する場合、Sun Ray クライアントは 8kHz モノラルのみを転送します。
ユーザーが Sun Ray クライアントにログインするたびに、スクリプトは $AUDIODEV
環境変数をそのセッションに自動的に割り当てます。セッションごとに 1 つのutaudio プロセスが割り当てられます。詳細は、utaudio
および audio
のマニュアルページを参照してください。
ホットデスク中は、エミュレートされたオーディオデバイスがユーザーを次のセッションまで追跡します。エミュレートされたデバイスの名前は、$AUDIODEV
環境変数に記録されます。オーディオアプリケーションの役割は、$AUDIODEV
を調査してその出力をそのデバイスに送信することです。
エミュレートされたオーディオデバイスは、/tmp/SUNWut/dev/utaudio
ディレクトリにデバイスノードとして作成されます。このディレクトリツリーは、ブート時に再作成されます。
/tmp/SUNWut/dev/utaudio
ディレクトリは削除しないでください。このディレクトリを削除すると、utaudio セッションのユーザーは自分の擬似オーディオデバイスノードを使用できなくなります。
キーボードの右上にある Sun オーディオキーを使用して、音量とミュートボタンをチェックしてください。
Sun Ray セッションのオーディオ設定を表示します。
$ utsettings
次に、ヘッドホンやスピーカーなどのオーディオ出力が正しく選択されていることを確認します。
デスクトップセッションで音量がミュートされていないことを確認します。
Sun Ray クライアントのオーディオ出力またはヘッドホンポートに外部スピーカーのセットを差し込んでみます。これが機能する場合は、Sun Ray クライアントのスピーカーが壊れている可能性があります。
オーディオが動作しているかどうかをテストするには、次を入力します。
$ cat audiofile
> $AUDIODEV
Oracle Solaris では、/usr/share/audio/samples/au
内に PCM エンコードされた適切なサンプルオーディオファイルが用意されているため、このコマンド:
$ cat /usr/share/audio/samples/au/gong.au > $AUDIODEV
によってゴングの音が生成されるはずです。
Linux では通常、PCM エンコードされたオーディオファイルは提供されていません。適切なファイルが見つからない場合は、このコマンドを使用して連続音を生成できます。
$ perl -e 'foreach(-8..8){push(@v,pack("n",4*$_))} while(1){print @v}' > $AUDIODEV
cat または perl コマンドがハングする場合は、ブラウザなど、現在オーディオを使用しようとしているほかのアプリケーションを終了させる必要がある場合があります。
現在のリリースの Flash プラグインをチェックし、バージョン 9.0.r125 以降であることを確認します。Flash プラグインのバージョンをチェックするには、ブラウザで about:plugins
を URL として入力します。
Firefox を終了してから、端末ウィンドウで明示的に再起動してみます。
以上のすべてが失敗した場合は、Firefox を終了し、.mozilla
ディレクトリに移動して「firefox」ディレクトリを firefox.jan09
などのほかの名前に変更します。それから Firefox を再起動し、オーディオが完全にクリーンな構成で動作するかどうかを確認します。
オーディオがクリーンな構成で動作する場合は、ブラウザの以前の構成に問題があります。
一部のアプリケーションは $AUDIODEV
に対応できず、無条件に /dev/audio
や /dev/dsp
などの特定のオーディオデバイスノードを使用します。この問題に対処するために、Sun Ray Software は事前に読み込み可能な共有ライブラリ libc_ut.so
を提供しており、これを使用してアプリケーションに割り込んでその動作を $AUDIODEV
で指定されたデバイスにリダイレクトできます。このリダイレクションを有効にするには
オーディオプレーヤーを起動したシェルまたはラッパーに移動します。
libc_ut.so
インターポーザーを参照するように、プレーヤーアプリケーションの環境で環境変数 LD_PRELOAD
を設定します。
$ LD_PRELOAD=libc_ut.so $ export LD_PRELOAD
アプリケーションを再起動します。
mp3 ファイルを再生するように xmms プレーヤーを構成するには、次の手順を実行します。
xmms 出力プラグインの設定を、バッファリングを増やすように変更します。
バッファーサイズを 10000 ms、プリバッファーのパーセントを 90 に変更します。
コマンド行またはメニューから xmms
を実行するときに、パネルの左側にある O
(文字 O) をクリックして 「設定」
メニューを表示します。
「オーディオ I/O プラグイン」
ボタンの下で「出力プラグイン OSS ドライバ」
を選択し、「構成」
をクリックします。
「バッファリング」を選択します。
デフォルトのバッファーサイズは 3000 ms です。これを 10000 ms に変更します。
デフォルトのプリバッファーパーセントは 25 です。これを 90 に変更します。
「OK」
をクリックしてから、「設定」
パネルの「OK」
をクリックします。
xmms を終了して再起動します。