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Oracle® Coherenceマネージメント・ガイド
リリース3.7.1
B71690-01
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1 Coherence管理の概要

この章では、Coherence管理機能の概要について説明します。Coherence管理は、Java Management Extensions (JMX)を使用して実装されます。JMXは、Javaアプリケーションとサービスを管理および監視するためのJava標準です。JMXの詳細は、次の記事を参照してください。

http://java.sun.com/developer/technicalArticles/J2SE/jmx.html

この章には次の項が含まれます:

1.1 Coherence管理の概念

Coherenceでは、クラスタ管理用のJMXフレームワークが用意されています。このフレームワークは、MBeanサーバーをホスティングするように構成された1つ以上のクラスタ・メンバーに依存します。MBeanサーバーは、他のすべてのクラスタ・メンバーの管理対象オブジェクトを管理します。このフレームワークでは、どのクラスタ・メンバーからも管理情報にアクセスでき、JMXメンバーに障害が発生した場合はフォルト・トレラントになります。管理フレームワークはデフォルトでは無効にされており、最低でも1つのクラスタ・メンバーでMBeanサーバーをホスティングするように構成することで明示的に有効にする必要があります。CoherenceでJMX管理を有効にする方法の詳細は、第2章「JMXを使用したCoherenceの管理」を参照してください。

Coherence MBean

Coherenceの管理対象オブジェクトは、com.tangosol.net.management.Registryインタフェースを使用してMBeanサーバーに登録されます。このインタフェースはCoherenceのクラスタ化されたリソースの管理に特化したもので、基本的なJMX登録APIを抽象化しています。このインタフェースはJMXインフラストラクチャと密接に関係していますが、javax.management.*のクラスには依存していません。このインタフェースでは、JMXサービスと一緒に配置されていないクラスタ・メンバーのリモート管理がサポートされており、管理対象オブジェクトと一緒に配置されているか、またはリモートで管理対象オブジェクトと関連しているMBeanサーバーにCoherence MBeanを登録できます。

付録A「Coherence MBeanのリファレンス」には、すべてのCoherence MBeanのリストがあり、管理対象リソースに対して公開されている個々の属性と操作が説明されています。ある管理対象リソースでは、各クラスタ・メンバーに単一インスタンスのみが割り当てられており、別の管理対象リソース(例: CacheMBean MBean)では、各クラスタ・メンバーに複数のMBeanインスタンスが割り当てられています。さらに、MBeanは、少なくとも1つの管理対象リソースが運用されている場合にのみ登録されます。CacheMBean MBeanでは、MBeanの登録前にキャッシュが起動されている必要があります。

カスタムMBean

Coherenceでは、管理フレームワーク内でカスタムMBeanを管理および監視できます。カスタムMBeanは、アプリケーション固有の動的MBeanまたは標準MBeanです。MBeanは、XMLファイルで宣言的に登録されるか、Registrationインタフェースを使用してプログラム的に登録されます。これにより、アプリケーションのMBeanがクラスタ内のどのJVM、メンバー、エンドポイントからも管理または監視できるようになります。カスタムMBeanの登録方法の詳細は、第3章「カスタムMBeanの登録」を参照してください。

MBeanコンソール

Coherence MBeanとは、MBean対応のコンソールでやり取りできます。Coherenceには、JDKとともに配布されたJava Management & Monitoring Console (jconsole)とJMX参照実装の一部として組み込まれているJMX HTTPAdapter Webアプリケーションの両方のサポートが含まれています。これらのコンソールを使用したCoherence MBeanとのやり取りの詳細は、「Coherence MBeanへのアクセス」を参照してください。

1.2 Coherenceの管理レポーティング

Coherenceレポータには、時系列の管理情報の表示に使用される管理レポートが用意されています。このレポートは、Coherence MBeanから取得したデータで構築されるテキスト・ファイルです。レポートは構成された時間間隔で自動更新されるため、MBeanを監視するのみでは得られない履歴コンテキストが提供されます。レポートは、多くの場合、トラブルシューティングと計画で重要となる傾向を特定するために使用されます。

Coherenceには、多数の事前定義されたすぐに使用できるレポートがあります。これらのレポートをカスタマイズするか、必要に応じて新しいレポートを作成できます。レポーティングはデフォルトでは無効になっているため、明示的に有効にする必要があります。また、最初はレポートのサブセットのみが構成されて生成されます。Coherenceでのレポーティングの有効化の詳細は、第4章「JMXレポーティングの使用」を参照してください。また、事前定義されたレポートの詳細は、第6章「レポータの内容の分析」を参照してください。

1.3 管理構成の概要

Coherence管理は、複数の構成ファイルを使用して構成されます。Coherence構成の詳細は、『Oracle Coherence開発者ガイド』を参照してください。該当するファイルは次のとおりです。

1.4 Enterprise ManagerでのCoherenceの管理

Oracle Enterprise Manager Grid Controlには、Coherenceクラスタの管理と監視に使用するOracle Coherence用のManagement Packがあります。管理者は、この管理パックを使用してCoherenceクラスタのパフォーマンスをプロアクティブに監視することで、アプリケーション環境内のパフォーマンス問題を識別および診断するために要する時間を削減できます。主なメリットは、次のとおりです。

Oracle Enterprise Manager Grid Controlで用意されているOracle Coherence用のManagement Packは次のOTNサイトからダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/index.html?ssSourceSiteId=ocomen

この管理パックの構成方法および使用方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Documentation LibraryのOracle Coherenceのスタート・ガイドを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/documentation/index.html