Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース5 (12.1.0.5)では、Hybrid Cloud Managementの導入により、オンプレミス・デプロイおよびOracle Cloudデプロイの両方を、すべて同一の管理コンソールからモニターして管理できる単一のガラス・ペインが利用可能になりました。Hybrid Cloudエージェントを、Oracle Cloudサービスを実行しているOracle Cloud仮想ホストにデプロイすることで、Oracle Cloudターゲットをその他のターゲットと同じように管理することができます。管理エージェントとオンプレミスOracle Management Serviceインスタンスとの間の通信は、外部からの干渉に対して保護されています。Enterprise Managerは、アーキテクチャが強化されたことに加え、トンネリングをサポートする外部HTTPプロキシの追加使用をサポートします。このプロキシを構成して、ゲートウェイ・エージェントがOracle Cloudに接続するようにできます。
この章の項目は次のとおりです。
表12-1にHybrid Cloud Managementで現在サポートされていない機能を示します。
表12-1 Hybrid Cloud Managementでサポートされていない機能
ターゲット | サポートされていない機能 |
---|---|
WebLogic |
オンプレミス・ドメインのOracle Cloudへのクローニング。 |
データベース |
自動ワークロード・リポジトリ・ウェアハウス Oracle Cloudデータベースからの収集。 SQLパフォーマンス・アナライザ
データベース・リプレイ データベースPaaSターゲットに対し無効。 データベースのプロビジョニング 例外は既存のOracle Cloud Container Database (CDB)インスタンスに対するプラガブル・データベース(PDB)の操作(作成、接続、切断、削除)。 変更管理 データの同期。 データベース・クローニング Oracle Cloud上のホスト間。 Data Guard Oracle Cloud上のスタンバイ・データベースの管理。 |
Oracle Exadata Cloud |
|
Enterprise Manager |
|
次の用語は、Hybrid Cloud Managementについて説明する際に、一般的に使用されています。
Hybrid Cloudエージェント: Oracle Cloud仮想ホストにデプロイされた管理エージェントで、これによって、プライベート・ネットワークにデプロイされているEnterprise Manager Cloud ControlがOracle Cloudターゲットをモニターおよび管理できます。
Hybrid Cloud Gatewayエージェント: Oracle Cloud仮想ホストと、プライベート・ネットワークにデプロイされたOMS(オンプレミスCloud Control OMS)間の通信チャネルを提供するバージョン12.1.0.5の管理エージェント。
Hybrid Cloud Gatewayプロキシ: Hybrid Cloudエージェント各々の構成要素としてデプロイされているプロキシ・プロセスで、これによってHybrid Cloud GatewayエージェントがHybrid Cloudエージェントと通信できます。常にHybrid Cloud Gatewayエージェントによって起動されます。
Hybrid Cloud Management機能の使用を開始する手順は次のとおりです。
使用しているオンプレミスEnterprise Manager Cloud Control OMSのバージョンが12.1.0.5であり、エンタープライズ内にバージョン12.1.0.5の管理エージェントが少なくとも1つ存在していることを確認します。
オンプレミスEnterprise Manager Cloud Control OMSがそれ以前のバージョンである場合は、OMSをバージョン12.1.0.5にアップグレードしてください。この方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド』を参照してください。
バージョン12.1.0.5の管理エージェントがエンタープライズ内に少なくとも1つ存在するようにするには、バージョン12.1.0.5の管理エージェントを新たにデプロイするか、旧バージョンの既存の管理エージェントをバージョン12.1.0.5にアップグレードしてください。
バージョン12.1.0.5の管理エージェントを新たにデプロイする方法は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。旧バージョンの既存管理エージェントをバージョン12.1.0.5にアップグレードする方法は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド』を参照してください。
エンタープライズ内にバージョン12.1.0.5の管理エージェントを1つ以上構成して、Oracle Cloud仮想ホストとオンプレミスOMS間のSSHベースの通信チャネルを提供するHybrid Cloud Gatewayエージェントとして動作させます。
高可用性を保証するため、Hybrid Cloud Gatewayエージェントとして動作するバージョン12.1.0.5の管理エージェントを複数構成することをお薦めします。詳細は、12.10.1項を参照してください。
Hybrid Cloud GatewayエージェントおよびオンプレミスOMSとOracle Cloudターゲットとの間で通信ができていることを確認します。
Hybrid Cloud GatewayエージェントとOracle Cloudターゲットとの間で直接通信ができていない場合は、通信のための外部プロキシを構成します。この方法の詳細は、第12.7項を参照してください。
オンプレミスOMSでは、Oracle Cloudターゲットとの通信にMy Oracle Support (MOS)プロキシが使用されます。エンタープライズ内に構成されたMOSプロキシがSSHトンネリングをサポートすることを確認するか、SSHトンネリングをサポートするMOSプロキシを新たに構成します。
ホスト・ターゲットの追加ウィザードまたはEM CLIを使用して、管理エージェントをOracle Cloud仮想ホストにデプロイします。Enterprise ManagerでOracle Cloudターゲットを管理できるようにしているのが、Hybrid Cloudエージェントと呼ばれるこれらの管理エージェントです。Hybrid Cloudエージェントをデプロイするプロセスの中で、各々のHybrid Cloudエージェントと、オンプレミスOMSとの通信に使用されるHybrid Cloud Gatewayエージェントとを関連付けます。
Hybrid Cloudエージェントと通信するためのプロキシ・プロセスであるHybrid Cloud Gatewayプロキシが、Hybrid Cloud Gatewayエージェントによって、各々のHybrid Cloudエージェントに対し起動されます。その後、Hybrid Cloudエージェントから送られてくる通信内容は、Hybrid Cloud Gatewayエージェントによって、Oracle Cloudターゲットを管理しているオンプレミスOMSへ転送され、そのレスポンスも同様にして送り返されます。オンプレミスOMSはこのように、Oracle Cloudとの直接的な通信からは切り離されています。
オンプレミスOMSとHybrid Cloudエージェントとの通信はSSH経由で行われますが、このときOracle Cloudに対してEMCTLディスパッチャが使用されます。オンプレミスOMSからの通信内容はEMCTLディスパッチャによってHybrid Cloudエージェントへ転送され、Hybrid Cloudエージェントからのレスポンスは同様にしてオンプレミスOMSへと送り返されます。
図12-1は、オンプレミスOMSからHybrid Cloudエージェントへの、EMCTLディスパッチャを使用した通信を図示したものです。
Hybrid CloudエージェントはオンプレミスOMSと通信するために、Oracle CloudではHybrid Cloud Gatewayプロキシを使用し、オンプレミス側ではHybrid Cloud Gatewayエージェントを使用します。Hybrid CloudエージェントからのHTTPSリクエストはHybrid Cloud Gatewayプロキシで受信され、SSHを通してHybrid Cloud Gatewayエージェントへと送り出されます。リクエストはHybrid Cloud GatewayエージェントによってオンプレミスOMSに転送され、オンプレミスOMSからのレスポンスは同様にしてHybrid Cloud Gatewayプロキシへと送り返されます。レスポンスはさらに、Hybrid Cloud GatewayプロキシによってHybrid Cloudエージェントへと送り返されます。
図12-2は、Hybrid CloudエージェントからオンプレミスOMSへのHybrid Cloud Gatewayプロキシを経由した通信を図示したものです。
注意: Hybrid Cloud Gatewayエージェントは、プロキシへの接続を監視し、それが起動および実行中であることを確認します。したがって、Hybrid Cloudエージェント仮想マシンが何らかの理由で停止した場合、仮想マシンが再稼働すると、Hybrid Cloud Gatewayエージェントは自動的にプロキシを起動します。Hybrid Cloud Gatewayエージェントは、数秒から数分でこれを実行しますが、仮想マシンが停止していた時間の長さに応じて、実際に要する時間は変化します。この用途のために、Hybrid Cloud Gatewayエージェントを手動で再起動する必要はありません。ただし、そのようにすることを望む場合、次の手順に従います:
|
オンプレミスOMSでは、Oracle Cloudにデプロイされたターゲットとの通信は、SSHポート・フォワード(SSHトンネリング)を使用して行われます。図12-3にこれを示します。
12.1.0.5の管理エージェントを構成してHybrid Cloud Gatewayエージェントとして動作させる前に、次の前提条件が満たされているようにしてください。
CPU、RAMおよびハード・ディスク領域の要件を満たしていること。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントに必要なCPU、RAMおよびハード・ディスク領域の要件は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』で説明されています。
なお、Hybrid Cloud Gatewayエージェントと通常の管理エージェントのハードウェア要件は同じです。
(推奨事項) 12.1.0.5の任意の管理エージェントをHybrid Cloud Gatewayエージェントとして指定することができますが、ベスト・プラクティスとしては、モニターしているターゲットの数がごく少ない管理エージェントを選択することをお薦めします。こうすることで、Hybrid Cloud Gatewayエージェントのパフォーマンスを安定させることができます。
さらに、セントラル・エージェントはHybrid Cloud Gatewayエージェントとして指定しないことをお薦めします。ターゲットが多数存在するエンタープライズでは、セントラル・エージェントを指定すると、OMSとリソース上の競合を起こす可能性があります。
管理エージェントをデプロイするために必要な前提条件として『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』で説明されている条件が満たされていること。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントはどのオペレーティング・システムでデプロイしてもかまいませんが、Hybrid CloudエージェントはOracle Linux x86-64オペレーティング・システム上にのみデプロイしてください。
バージョン12.1.0.5の既存の管理エージェントをHybrid Cloud Gatewayエージェントとして構成するには、次の手順に従います。
EM CLIにSYSMANユーザーとしてログインします。このとき、OMSホームにデフォルトで使用可能になっているEM CLIインストールからログインすることも、その他のホストに設定されているEM CLIインストールからログインすることもできます。
$<emcli_install_location>/bin/emcli login -username=sysman
EM CLIはデフォルトでオンプレミスOMSホストに設定されています(EM CLIのインストール場所はOMSホームです)。したがって、EM CLIをオンプレミスOMSホストから実行することにした場合、追加の手順は必要ありません。これが推奨オプションです。
たとえば、OMSホームで使用可能になっているEM CLIインストールからログインする場合は、次のコマンドを実行します。
/u01/app/oracle/Middleware/oms/bin/emcli login -username=sysman
オンプレミスOMSが実行されていないホストにあるカスタムな場所からEM CLIを実行することにした場合、まずそのホストでEM CLIを設定する必要があります。この方法の詳細は、Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイドを参照してください。
選択した管理エージェントをHybrid Cloud Gatewayに指定します。そのためには、次のEM CLI動詞をOMSホームから、またはEM CLIが設定されているその他のホストから実行します。
$<emcli_install_location>/bin/emcli register_hybridgateway_agent -hybridgateway_agent_list="<list_of_hybrid_cloud_gateway_agents>"
たとえば、OMSホームから実行する場合は次のコマンドを実行します。
/u01/app/oracle/Middleware/oms/bin/emcli register_hybridgateway_agent -hybridgateway_agent_list="abc.example.com:3873 def.example.com:3873"
なお、-hybridgateway_agent_list
には複数の管理エージェント(ホスト名とポートの組合せ)を指定できます。管理エージェントには完全修飾名を指定し、スペースを使用して管理エージェント名を区切ります。
管理エージェントがHybrid Cloud Gatewayエージェントとして構成されていることを確認します。これを行えるのは、第12.9.1項の説明に従ってHybrid Cloudエージェントをインストールしているときのみです。
Hybrid Cloudエージェントのインストールの際、「インストールの詳細」ページの「オプションの詳細」セクションで、「Hybrid Cloudエージェントの構成」を選択し、検索アイコン(拡大鏡アイコン)をクリックしてHybrid Cloud Gatewayエージェントを選択すると、正常であればオンプレミス管理エージェントからの転換で構成されたHybrid Cloud Gatewayエージェントが表示されます。
セキュリティ上の理由から、Hybrid CloudエージェントとHybrid Cloud Gatewayエージェントの間に、外部プロキシを構成することも可能です。ただし、サポートされるのはトンネリングをサポートするプロキシ(SOCK4、SOCK5、HTTPなど)のみです。
外部プロキシを、Hybrid CloudエージェントとHybrid Cloud Gatewayエージェントとの間に構成するには、次の手順に従います。
プロキシ・サーバーを設定します。HTTP、SOCKS4およびSOCKS5のプロキシ・サーバーがサポートされています。プロキシ・サーバーがトンネリングをサポートしていることを確認してください。
「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。
外部プロキシを構成しようとしているHybrid Cloud Gatewayエージェントの名前を検索し、クリックします。
「エージェント」メニューから「プロパティ」を選択します。
「表示」で、「基本プロパティ」を選択します。externalProxyPortで、Oracle Cloudへ接続する際に使用すべき通信ポートを指定します。
「適用」をクリックします。
「表示」で、「拡張プロパティ」を選択します。「ランタイム設定セクションを展開します。externalProxyHostでプロキシのホスト名を指定します。externalProxyTypeで、通信の際にプロキシでHTTP、SOCKS4またはSOCKS5のいずれが使用されるのかを選択します。
設定しているプロキシ・サーバーがユーザー名とパスワードの認証を必要とする場合は、externalProxyUsernameおよびexternalProxyPasswordに値を指定します。
「適用」をクリックします。
外部プロキシがSSHトンネルを通して認証手続きを問題なく行えることを確認します。これを行うには、次のコマンドを実行します。
ssh -l <user> -o "ProxyCommand /usr/bin/nc -X connect -x <proxy host>:<proxy port> %h %p" <host> <command>
Hybrid Cloudエージェントをデプロイする前に、次の前提条件が満たされているようにしてください。
CPU、RAMおよびハード・ディスク領域の要件を満たしていること。
Hybrid Cloudエージェントに必要なCPU、RAMおよびハード・ディスク領域の要件は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』で説明されています。
バージョン12.1.0.5の管理エージェントの少なくとも1つをHybrid Cloud Gatewayエージェントとして構成してあること。Hybrid Cloud Gatewayエージェントによって、Oracle Cloud仮想ホストとオンプレミスOMSとの間の通信チャネルが提供されます。
バージョン12.1.0.5の管理エージェントを構成してHybrid Cloud Gatewayエージェントとして実行させる方法は、第12.6項を参照してください。
接続先であるOracle Cloud仮想ホスト(Hybrid Cloudエージェントをインストールしようとしている仮想ホスト)のポート22がオープンになっており、さらにSSHデーモン・プロセスが実行中であること。接続先である仮想ホストでSSHデーモン・プロセスが実行中であるかどうかを確認するためには、仮想ホストから次のコマンドを実行します。
ps –ef | grep sshd
接続先であるOracle Cloud仮想ホストの各々で、ポート1748、または1830から1848までの範囲にある少なくとも1つのポートが空いていること。
デフォルトでは、ポート1748がCloud ControlによってHybrid Cloud Gatewayプロキシ・ポートとして使用されます。ポート1748が空いていない場合には、1830から1848までの範囲にある空きポートが使用されます。
SSH公開鍵認証を使用する名前付き資格証明を少なくとも1つ設定してあること。
次のことに注意してください。
Hybrid Cloudエージェントのデプロイでサポートされているのは、SSH公開鍵認証を使用する名前付き資格証明のみです。ユーザー名とパスワードのみを使用する名前付き資格証明はサポートされていません。
Hybrid Cloudエージェントのデプロイの際に、ロックされたユーザー・アカウント(no direct login
が設定されているユーザー・アカウント)や、権限委任プロバイダを使用することはサポートされていません。
パスフレーズを指定したSSHキーはサポートされていません。
SSH公開鍵認証を使用する名前付き資格証明を設定するには、SSHキー・セットを持っている必要があります。すでにSSHキー・セットを持っている場合には、「ステップ2: SSHキーのEnterprise Managerへのアップロード」へ進んでください。SSHキー・セットを持っていない場合には、「ステップ1: SSHキーの生成」に示す手順を実行してから「ステップ2: SSHキーのEnterprise Managerへのアップロード」へと進んでください。
ステップ1: SSHキーの生成
Oracle Cloud仮想ホストに任意のユーザーでログインします。
次のコマンドを実行します。
cd $HOME/.ssh
次のコマンドを実行します。
ssh-keygen -N "" -b 2048 -t rsa -f id_rsa -C "<my_comment>"
ここで<my_comment>
は、SSHキーを識別できるようにするためのコメントまたはフレーズを表します。
id_rsa
およびid_rsa.pub
という2つのファイルが.ssh
ディレクトリに作成されます。
id_rsa.pub
ファイルの内容を、authorized_keys
ファイルの末尾に追加します。それには、次のコマンドを実行します。
cat id_rsa.pub >> authorized_keys
ステップ2: SSHキーのEnterprise Managerへのアップロード
「設定」メニューから、「セキュリティ」、「名前付き資格証明」の順に選択します。「作成」をクリックします。「資格証明名」には資格証明の名前を指定し、「資格証明のタイプ」には「SSHキー資格証明」を選択し、「有効範囲」には「グローバル」を選択します。
ステップ1で作成した秘密SSH鍵をアップロードします。「資格証明プロパティ」セクションで「秘密鍵のアップロード」フィールドの値として秘密SSH鍵の場所を指定します。「保存」をクリックします。
ステップ1で作成した公開SSH鍵をアップロードします。「資格証明プロパティ」セクションで「公開鍵のアップロード」フィールドの値として公開SSH鍵の場所を指定します。「保存」をクリックします。
Hybrid Cloudエージェントのインストール・ユーザーがroot.sh
スクリプトを実行するためのroot権限を持っていること。Hybrid Cloudエージェントのインストール・ユーザーがroot権限を持っていない場合は、デプロイ作業後、必ずすべての接続先仮想ホストでroot.sh
スクリプトを手動で実行してください。
オンプレミス管理エージェントをデプロイするために必要な前提条件として『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』で説明されている条件が満たされていること。
Hybrid CloudエージェントはOracle Linux x86-64オペレーティング・システム上にデプロイしてください。Hybrid Cloud Gatewayエージェントはすべてのオペレーティング・システムでサポートされていますが、Hybrid CloudエージェントはOracle Linux x86-64オペレーティング・システム上でのみサポートされています。
Hybrid Cloudエージェントを仮想ホストにインストールする場合、ローカルのファイル・システム・ホスト上にインストールするかわりに、外部記憶域デバイスを使用して作成したマウントにHybrid Cloudエージェントをインストールします。そうしないと、仮想ホストを停止、起動または再起動するたびに起動ボリュームに格納されているデータがすべて失われます。
この項ではHybrid Cloudエージェントをインストールする次の方法について説明します。
注意: Hybrid CloudエージェントはオンプレミスOMSにSSHブリッジを通して接続するため、Hybrid Cloudエージェントの手動によるデプロイはサポートされていません。「ホスト・ターゲットの追加」ウィザードまたはEM CLI以外の方法でHybrid Cloudエージェントをデプロイすることはできません。Hybrid CloudエージェントはOracle Linux x86-64オペレーティング・システム上にのみデプロイできます。Hybrid Cloud Gatewayエージェントはすべてのオペレーティング・システムでサポートされていますが、Hybrid CloudエージェントはOracle Linux x86-64オペレーティング・システム上でのみサポートされています。 |
ホスト・ターゲットの追加ウィザード使用してHybrid Cloudエージェントをインストールするには、次の手順に従います。
Cloud Controlで、「設定」メニューから、「ターゲットの追加」を選択し、「ターゲットの手動追加」をクリックします。「ターゲットの手動追加」ページで、「ホスト・ターゲットの追加」を選択し、「ホストの追加」をクリックします。
ホストとプラットフォーム・ページで、次を実行します。
このセッションに割り当てられたデフォルトの名前のままにするか、選択した一意の名前を入力します。入力するカスタム名は直観的な名前にすることができ、必ずしもデフォルトの名前と同じフォーマットにする必要はありません。たとえば、add_host_hybrid_cloud_operation_1
のようにします
「追加」をクリックしてIPアドレスを入力し、Hybrid CloudエージェントをインストールしようとしているOracle Cloud仮想ホストのプラットフォームを選択します。Oracle Cloudサービスを実行している各々の仮想ホストのIPアドレスはOracleによって割り当てられていたものです。
注意:
|
もう1つの方法として、「ファイルからロード」をクリックしてファイルに格納されたIPアドレスを追加することもできます。
すべての仮想ホストに対し、プラットフォームをLinux x86-64として指定します。これを行うには、最初の仮想ホストのプラットフォームをLinux x86-64として指定し、次に「プラットフォーム」リストから、「すべてのホストで同一」を選択します。
「次」をクリックします。
「インストールの詳細」ページで、次のようにします。
「デプロイメント・タイプ」セクションで、新規エージェント・インストールを選択します。
表から、共通のプラットフォーム名でグループ化された仮想ホストを示す最初の行を選択します。
「インストールの詳細」セクションで、ステップ3の(b)で選択した仮想ホストに共通するインストールの詳細を指定します。「インストールのベース・ディレクトリ」に、Hybrid Cloudエージェントのソフトウェア・バイナリ、セキュリティ・ファイルおよびインベントリ・ファイルをコピーするOracle Cloud仮想ホスト上のベース・ディレクトリへの絶対パスを入力します。
たとえば、/u01/app/Oracle/
などです。
入力するパスが存在しない場合は、アプリケーションによって、指定したパスにディレクトリが作成され、Hybrid Cloudエージェント・ソフトウェア・バイナリ、セキュリティ・ファイルおよびインベントリ・ファイルがそこにコピーされます。
「インスタンス・ディレクトリ」で、デフォルトのインスタンス・ディレクトリの場所のままにするか、すべてのHybrid Cloudエージェント関連の構成ファイルを格納できるディレクトリを選択し、そこへの絶対パスを入力します。
たとえば、/u01/app/Oracle/agent_inst
などです。
カスタムの場所を入力する場合、そのディレクトリに書込み権限があることを確認してください。インストールのベース・ディレクトリ内にインスタンス・ディレクトリを保持することをお薦めします。
入力したパスが存在しない場合は、指定されたパスにディレクトリが作成され、Hybrid Cloudエージェントに関連するすべての構成ファイルがその場所にコピーされます。
「名前付き資格証明」で、オンプレミスOMSと接続先Oracle Cloud仮想ホストとの間のSSH接続を設定するとき、および各々のOracle Cloud仮想ホスト上にHybrid Cloudエージェントをインストールするときに使用する名前付き資格証明を選択します。
SSH公開鍵認証を使用する名前付き資格証明以外は指定しないでください。パスワード・ベースの認証はサポートされていません。また、ロックされたユーザー・アカウントを使用したHybrid Cloudエージェントのデプロイ(権限委任プロバイダを使用してロックされたユーザー・アカウントへの切替え)もサポートされていないことに注意してください。
SSH公開鍵を使用した名前付き資格証明の作成方法は、第12.8項を参照してください。
「権限委任設定」では、デフォルトの値を使用します。Hybrid Cloudエージェントのデプロイでは、権限委任プロバイダおよびロックされたアカウントはサポートされていません。
Hybrid Cloudエージェントのインストール・ユーザーがroot権限を持っている場合、接続先仮想ホストではroot.sh
がデプロイ後に自動実行されます。そうでない場合は、デプロイ後に各接続先仮想ホスト上でroot.sh
を手動で実行してください。
「ポート」で、Hybrid Cloudエージェントの通信用に割り当てられたデフォルトのポート(3872)のままにするか、選択したポートを入力します。
入力するカスタム・ポートはビジー状態ではない必要があります。不明な場合、このフィールドを空白にしておくことができます。Cloud Controlによって、1830 - 1849の範囲から最初の使用可能な空きポートが自動的に割り当てられます。
Hybrid Cloudエージェントのデプロイの前または後に実行するスクリプトがある場合には、「オプションの詳細」で、実行するスクリプトがある場所の絶対パスを入力します。サポートされているのはシェル・スクリプトのみであり、インストール前スクリプトまたはインストール後スクリプトを1つのみ指定できることに注意してください。
スクリプトをrootとして実行するには、「Rootとして実行」を選択します。スクリプトがオンプレミスOMSが実行されているホストにあり、Hybrid Cloudエージェントをインストールしようとする仮想ホスト上にはない場合、「OMSのスクリプト」を選択します。この場合、スクリプトはオンプレミスOMSホストから接続先仮想ホストにコピーされてから、接続先仮想ホストで実行されます。
追加で指定するパラメータがある場合、「オプションの詳細」セクションの「追加パラメータ」で、追加パラメータを空白区切りのリストで入力します。
たとえば、インベントリ・ポインタの場所ファイルを指定する場合、-invPtrLoc
の後ろにファイルの場所への絶対パスを入力します。ただし、このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされないことに注意してください。
「オプションの詳細」セクションで「Hybrid Cloudエージェントの構成」を選択し、Hybrid Cloudエージェントが通信すべき相手となるHybrid Cloud Gatewayエージェントの詳細を指定します。
「Hybrid Cloud Gatewayエージェント」で、Hybrid Cloudエージェントの通信相手となるHybrid Cloud Gatewayエージェントとして使用するエンタープライズ内の管理エージェントを指定します。拡大鏡アイコンをクリックし、表示されたリストの中からHybrid Cloud Gatewayエージェントを1つ選択します(稼働中のHybrid Cloud Gatewayエージェントのみが表示されます)。
このフィールドには、Hybrid Cloud Gatewayとしてすでに指定されている管理エージェントのみを指定できることに注意してください。特定の管理エージェントをHybrid Cloud Gatewayエージェントとして指定する方法は、第12.6項を参照してください。
「Hybrid Cloud Gatewayプロキシ・ポート」で、Hybrid CloudエージェントとHybrid Cloud Gatewayプロキシとの間の通信に使用されるポートを指定します。値を指定しなかった場合はポート1748が使用され、ポート1748が空いていない場合はポート1830から1848の間で空いているポートが使用されます。
表にある他のすべての行に対して、ステップ3の(b)からステップ3の(j)までを繰り返します。
「次」をクリックします。
「確認」ページで、インストールに指定した詳細を確認し、詳細に問題がない場合、「エージェントのデプロイ」をクリックして、Hybrid Cloudエージェントをインストールします。
詳細を変更する場合、変更を加えるページに到達するまで、「戻る」をクリックします。
「エージェントのデプロイ」をクリックして、デプロイメント・セッションを送信すると、エージェント・デプロイ詳細ページが自動的に表示され、デプロイメント・セッションの進行を監視できます。このページで実行できるタスクを理解するには、「ヘルプ」をクリックします。
Oracle CloudにHybrid Cloudエージェントがデプロイされたことを確認するために、「設定」メニューから「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。Hybrid Cloudエージェントの名前を検索し、クリックしてそのホーム・ページにアクセスします。Hybrid Cloudエージェント・ターゲット名の横に、「Oracle Cloudで実行中」とクラウド・アイコンが表示されているはずです。これは図12-4に示されています。
注意: Hybrid Cloudエージェントでは、次の機能はサポートされていないか、一部サポートされています。
|
EM CLIを使用してHybrid Cloudエージェントをインストールするには、次の手順に従います。
次のEM CLIのインストールの場所にある/bin
ディレクトリからEM CLIにログインします。
$<emcli_install_location>/bin/emcli login -username=<user_name>
このコマンドを実行すると、EM CLIによってパスワードが求められます。指定したユーザー名のパスワードを入力します。
EM CLIはデフォルトでオンプレミスOMSホストに設定されています(EM CLIのインストール場所はOMSホームです)。したがって、EM CLIをオンプレミスOMSホストから実行することにした場合、追加の手順は必要ありません。これが推奨オプションです。
オンプレミスOMSが実行されていないホストにあるカスタムな場所からEM CLIを実行することにした場合、まずそのホストでEM CLIを設定する必要があります。この方法の詳細は、Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイドを参照してください。
list_add_host_platforms
動詞を実行し、ソフトウェア・ライブラリ内にあるHybrid Cloudエージェント・ソフトウェアのプラットフォームを一覧表示します。
$<emcli_install_location>/bin/emcli list_add_host_platforms [-all] [-noheader] [-script | -format]
[ ]
内のパラメータはオプションであることに注意してください。
たとえば、$<emcli_install_location>/bin/emcli list_add_host_platforms -all
となります
特定のプラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアが入手できない場合は、自己更新を使用してソフトウェアをダウンロードおよび適用してください。管理エージェントのダウンロードおよび適用方法の詳細は、『Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。
list_add_host_platforms
動詞に関する構文や使用法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。
$<emcli_install_location>/bin/emcli help list_add_host_platforms
Hybrid Cloudエージェントを選択したOracle Public Cloud仮想ホストへ、1つのデプロイメント・フェーズから次へと連続してデプロイメントを実行するローリング方式でデプロイするときは、次を$OMS_HOME/sysman/prov/agentpush/agentpush.properties
ファイルへ指定します。
oracle.sysman.prov.agentpush.continueIgnoringFailedHost=true
submit_add_host
動詞を実行して-configure_hybrid_cloud_agent、-hybrid_cloud_gateway_agent
および-hybrid_cloud_gateway_proxy_port
オプションを指定し、ホストの追加セッションの発行およびHybrid Cloudエージェントのインストールを行います。
$<emcli_install_location>/bin/emcli submit_add_host -host_names=<list_of_hosts> -platform=<platform_ID> -installation_base_directory=<install_directory_of_agent> -credential_name=<named_credential_for_agent_install> -configure_hybrid_cloud_agent -hybrid_cloud_gateway_agent=<hybrid_cloud_gateway_agent_name> [-hybrid_cloud_gateway_proxy_port=<hybrid_cloud_gateway_proxy_port>] [-credential_owner=<named_credential_owner>] [-instance_directory=<agent_instance_directory>] [-port=<agent_port>] [-session_name=<add_host_session_name>] [-deployment_type=<type_of_agent_deployment>] [-privilege_delegation_setting=<privilege_delegation>] [-additional_parameters=<additional_params_for_install>] [-source_agent=<source_agent_for_cloned_agent_install>] [-master_agent=<master_agent_for_shared_agent_install>] [-properties_file=<properties_file_having_inputs>] [-preinstallation_script=<pre_install_script>] [-preinstallation_script_on_oms] [-preinstallation_script_run_as_root] [-postinstallation_script=<post_install_script>] [-postinstallation_script_on_oms] [-postinstallation_script_run_as_root] [-wait_for_completion]
[ ]
内のパラメータはオプションであることに注意してください。
たとえば、$<emcli_install_location>/bin/emcli submit_add_host -host_names=opc1.example.com -platform=226 -installation_base_directory=/opt/agent -credential_name=oracle -configure_hybrid_cloud_agent -hybrid_cloud_gateway_agent=abc.example.com -hybrid_cloud_gateway_proxy_port=1748
となります
この例では、Hybrid Cloudエージェントを、Oracle Public Cloud仮想ホストopc1.example.com
にプラットフォームID226
で、ディレクトリ/opt/agent,
内に、名前付き資格証明oracle
を使用してインストールします。デプロイされたHybrid Cloudエージェントは、abc.example.com
をHybrid Cloud Gatewayとして使用し、ポート1748
を使用してHybrid Cloud Gatewayプロキシと通信します。
submit_add_host
動詞に関する構文や使用法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。
$<emcli_install_location>/bin/emcli help submit_add_host
この項ではHybrid Cloud Managementの追加タスクについて説明します。内容は次のとおりです。
Hybrid Cloudエージェントをデプロイすると、デフォルトではこれに対して単一のHybrid Cloud Gatewayが関連付けられます。Hybrid Cloudエージェントは、そのライフサイクルを通じてHybrid Cloud Gatewayエージェントに依存して、収集したモニタリング・データをオンプレミスのCloud Control OMSに転送しています。したがって、Hybrid Cloud Gatewayエージェントが停止していたりアクセスできなかったりすると、Hybrid Cloudエージェントのモニタリング・データがオンプレミスOMSに届かなくなります。そこで、Hybrid Cloudエージェントから複数のHybrid Cloud Gatewayエージェントが使用できるようにして、モニタリング・データのロスが発生する可能性を抑えることをお薦めします。
Hybrid Cloudエージェントをデプロイする際、最初に選択したHybrid Cloud GatewayエージェントがプライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントになります。デプロイされたHybrid Cloudエージェントから追加のHybrid Cloud Gatewayエージェントを使用できるようにすると、追加されたHybrid Cloud GatewayエージェントはセカンダリHybrid Cloud Gatewayエージェントになります。このようにすれば、Hybrid CloudエージェントのプライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントが停止したりアクセスできなくなったりした場合には、いずれかのセカンダリHybrid Cloud Gatewayエージェントが後を引き継ぎます。引き継いだセカンダリHybrid Cloud Gatewayエージェントが停止したりアクセスできなくなったりした場合には、次に使用可能なセカンダリHybrid Cloud Gatewayエージェントが後を引き継ぎます。
図12-5は、Hybrid CloudエージェントからオンプレミスOMSへ複数のHybrid Cloud Gatewayエージェントを経由して行われる通信を図示したものです。
Hybrid Cloudエージェントが高可用性を確保するよう構成するには、1つ以上のセカンダリHybrid Cloud Gatewayエージェントを各Hybrid Cloudエージェントに関連付けます。次の手順を実行します。
次のEM CLIのインストールの場所にある/bin
ディレクトリからEM CLIにログインします。
$<emcli_install_location>/bin/emcli login -username=<user_name>
このコマンドを実行すると、EM CLIによってパスワードが求められます。指定したユーザー名のパスワードを入力します。
EM CLIはデフォルトでオンプレミスOMSホストに設定されています(EM CLIのインストール場所はOMSホームです)。したがって、EM CLIをオンプレミスOMSホストから実行することにした場合、追加の手順は必要ありません。これが推奨オプションです。
オンプレミスOMSが実行されていないホストにあるカスタムな場所からEM CLIを実行することにした場合、まずそのホストでEM CLIを設定する必要があります。この方法の詳細は、Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイドを参照してください。
Hybrid Cloudエージェントに1つ以上のセカンダリHybrid Cloud Gateway Agentを関連付けます。
$<emcli_install_location>/bin/emcli add_hybridgateway_for_hybrid_agent -hybrid_agent_name="<hybrid_cloud_agent1>:<port> <hybrid_cloud_agent2>:<port> <hybrid_cloud_agentN>:<port>" -hybridgateway_agent_list="<secondary_hybrid_cloud_gateway_agent>:<port>"
たとえば、次のようにします: emcli add_hybridgateway_for_hybrid_agent -hybrid_agent_name="abc.example.com:1831 def.example.com:3872" -hybridgateway_agent_list="secondary1.example.com:1831"
Hybrid Cloud Gatewayエージェントのゲートウェイ機能を無効化して、Hybrid Cloud Gatewayエージェントを再び通常の管理エージェントのように動作させ、Hybrid CloudエージェントからオンプレミスOMSへの通信が転送されるのを止めるには、次の手順に従います。
次のEM CLIのインストールの場所にある/bin
ディレクトリからEM CLIにログインします。
$<emcli_install_location>/bin/emcli login -username=<user_name>
このコマンドを実行すると、EM CLIによってパスワードが求められます。指定したユーザー名のパスワードを入力します。
EM CLIはデフォルトでオンプレミスOMSホストに設定されています(EM CLIのインストール場所はOMSホームです)。したがって、EM CLIをオンプレミスOMSホストから実行することにした場合、追加の手順は必要ありません。これが推奨オプションです。
オンプレミスOMSが実行されていないホストにあるカスタムな場所からEM CLIを実行することにした場合、まずそのホストでEM CLIを設定する必要があります。この方法の詳細は、Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイドを参照してください。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントのゲートウェイ機能を無効化します。
$<emcli_install_location>/bin/emcli deregister_hybridgateway_agent -hybridgateway_agent_list="<hybrid_cloud_gateway_agent1>:<port> <hybrid_cloud_gateway_agent2>:<port> <hybrid_cloud_gateway_agentN>:<port>"
たとえば、次のようにします: emcli deregister_hybridgateway_agent -hybridgateway_agent_list="abc.example.com:3873 def.example.com:3873"
このとき、-hybridgateway_agent_list
には複数のHybrid Cloud Gatewayエージェントを指定できます。各々のHybrid Cloud Gatewayエージェントは完全修飾名で指定し、各エージェント名の間はスペース1個で区切ってください。
Hybrid Cloud GatewayエージェントとHybrid Cloudエージェントとの関連付けを解除して、以降はHybrid CloudエージェントがHybrid Cloud GatewayエージェントおよびオンプレミスOMSと通信しないようにするには、次の手順に従います。
次のEM CLIのインストールの場所にある/bin
ディレクトリからEM CLIにログインします。
$<emcli_install_location>/bin/emcli login -username=<user_name>
このコマンドを実行すると、EM CLIによってパスワードが求められます。指定したユーザー名のパスワードを入力します。
EM CLIはデフォルトでオンプレミスOMSホストに設定されています(EM CLIのインストール場所はOMSホームです)。したがって、EM CLIをオンプレミスOMSホストから実行することにした場合、追加の手順は必要ありません。これが推奨オプションです。
オンプレミスOMSが実行されていないホストにあるカスタムな場所からEM CLIを実行することにした場合、まずそのホストでEM CLIを設定する必要があります。この方法の詳細は、Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイドを参照してください。
Hybrid CloudエージェントとHybrid Cloud Gatewayエージェントとの関連付けを解除します。
$<emcli_install_location>/bin/emcli delete_hybridgateway_for_hybrid_agent -hybrid_agent_name="<hybrid_cloud_agent1>:<port> <hybrid_cloud_agent2>:<port> <hybrid_cloud_agentN>:<port>" -hybridgateway_agent_list="<hybrid_cloud_gateway_agent_to_disassociate>:<port>"
たとえば、次のようにします: emcli delete_hybridgateway_for_hybrid_agent -hybrid_agent_name="abc.example.com:1831 def.example.com:3872" -hybridgateway_agent_list="gateway1.example.com"
Hybrid Cloudエージェントを廃止するには、次の手順に従います。
Hybrid Cloudエージェントを停止します。
Hybrid Cloudエージェントのエージェント・ホームページで、「エージェント」メニューから「ターゲット設定」を選択し、さらに「エージェント廃止」を選択します。
パッチ計画を使用してHybrid CloudエージェントとHybrid Cloud Gatewayエージェントにパッチを適用できます。パッチ計画はグループとして展開されるべき1つ以上のパッチからなる統合化された計画です。パッチ適用プロシージャは、通常の管理エージェント、Hybrid CloudエージェントおよびHybrid Cloud Gatewayエージェントのいずれに対しても同じになっています。
警告: 2015年6月の最初の週より前にOracle Cloudで作成されたデータベース・インスタンスは、通常、2015年1月にリリースされたデータベース・パッチセット(Jan DB PSU).に基づいています。そのようなデータベース・インスタンスに2015年4月にリリースされたデータベース・パッチセット(Apr DB PSU)を適用する場合、前提条件として、パッチセット更新を適用する前に、次のファイルを作成し、絶対パスをHybrid Cloudエージェントが使用可能なディレクトリに追加します。
前述の手順を実行しないと、データベース・パッチ適用のプロセスの一部として/u01/app/oracle内のHybrid Cloudエージェントが自動的に/u01/app.ORG/oracleに移動します。この場合、ディレクトリを手動でコピーして元の場所に戻す必要があります。この問題を回避し、手動で作業する手間を防ぐために、前述の手順を実行し、指示されたファイルを作成してHybrid Cloudエージェントの場所をファイルに追加することをお薦めします。 |
Oracle Cloud仮想ホスト上のHybrid Cloudエージェントにパッチを適用するには、次の手順に従います。
適用しようとしているパッチがエージェント・ホームのsbin
ディレクトリにアクセスする場合は、最初にパッチにあるReadMeファイルで概説されている指示に従います。
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlライフサイクル管理ガイドに概説されている指示に従ってHybrid Cloudエージェントにパッチを適用します。パッチ適用プロシージャは、通常の管理エージェントおよびHybrid Cloudエージェントのいずれに対しても同じになっています。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントにパッチを適用するには、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlライフサイクル管理ガイドに概説されている指示に従ってください。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントがオンプレミス環境にデプロイされ、Hybrid CloudエージェントがOracle Cloud環境にデプロイされると、Oracle Cloud仮想ホストはEnterprise Manager Cloud Controlで管理可能ターゲットになります。これらの管理可能な仮想ホストで実行されるターゲットを検出および監視するには、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』で説明されている手順に従います。Oracle Cloud仮想ホストで実行されるターゲットを検出および昇格する手順は、オンプレミス環境の通常のホストで実行中のターゲットを検出および監視する手順と同様です。
ただし、WebLogic JCSのようなFMWドメインをOracle Cloud仮想ホストで検出するには、パブリックIPアドレスおよびポート9001(これらの管理サーバーでデフォルトで構成されるカスタムt3チャネルを表します)を使用します。
この項では、Hybrid Cloud Managementに関連した次のようなよくある質問への回答を示します。
Oracle Cloud仮想ホストにHybrid Cloudエージェントがデプロイされている場合、同じ仮想ホストに他のHybrid Cloudエージェントをデプロイすることはできますか。
関連付けられているHybrid CloudエージェントをアンインストールせずにHybrid Cloud Gatewayエージェントのアンインストールと構成解除を行えますか。
他に何もアンインストールせずにHybrid Cloud Gatewayエージェントを他のホストに再配置するにはどうすればよいですか。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントを追加した後になって接続を再分配するにはどうすればよいですか。再構成が必要ですか。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントの数を決めるための指標は何ですか。Hybrid Cloud Gatewayエージェントが過負荷になっていることを示す兆候は何ですか。
どんなオペレーティング・システムにHybrid CloudエージェントおよびHybrid Cloud Gatewayエージェントをデプロイできますか。
はい、できます。ただし、すでにOracle Cloud仮想ホスト上に存在するHybrid Cloudエージェントをまず廃止してから、他のHybrid Cloudエージェントをデプロイしてください。
すでにOracle Cloud仮想ホスト上に存在するHybrid Cloudエージェントを廃止するには、次の手順に従います。
Hybrid Cloudエージェントのエージェント・ホームページで、「エージェント」メニューから「ターゲット設定」を選択し、さらに「エージェント廃止」を選択します。
Hybrid Cloudエージェントを第12.9項の説明に従って新たにデプロイします。
いいえ、できません。まず、すでにOracle Cloud仮想ホスト上に存在するHybrid Cloudエージェントを廃止する必要があります。Hybrid Cloudエージェントを廃止すると、関連付けられているHybrid Cloud Gatewayエージェントは自動的に削除されます。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントが1つのみであるときに、これをアンインストールする場合は、次の手順に従います。
Hybrid Cloudエージェントを停止します。
Hybrid Cloudエージェントのエージェント・ホームページで、「エージェント」メニューから「ターゲット設定」を選択し、さらに「エージェント廃止」を選択します。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントが複数存在するときに、プライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントをアンインストールする場合は、次の手順に従います。
プライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントを終了します。これにより、Hybrid Cloudエージェントからの通信は自動的にセカンダリHybrid Cloud Gatewayエージェントにリダイレクトされます。
プライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントをアンインストールします。
注意: プライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントと関連付けられているHybrid Cloudエージェントの構成を解除する必要はありません。必要なのは、ステップ(1)の説明に従ってプライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントを停止することのみです。ステップ(2)の実行後は、セカンダリHybrid Cloud GatewayエージェントがプライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントとして動作します。 ステップ(2)でアンインストールしたHybrid Cloud Gatewayエージェントを復帰させても、セカンダリHybrid Cloud Gatewayエージェントになるだけです。 |
Hybrid Cloud Gatewayエージェントをあるホストから他のホストに再配置することはできません。再配置ロジックはHybrid Cloud Gatewayエージェントでモニターされているターゲットのためのものであって、Hybrid Cloud Gatewayエージェントのためのものではないからです。
はい、Hybrid Cloud Gatewayエージェントを新たに追加した後になって接続を再分配することは可能です。ただし、これを自動的行う方法はありません。手動で接続の再分配を行う必要があります。
たとえば、Hybrid Cloud Gatewayエージェントが1つと、これに関連付けられたHybrid Cloudエージェントが複数ある場合、ここでHybrid Cloud Gatewayエージェントをもう1つデプロイすると、接続を2つのゲートウェイの間で再分配することができます。
次の手順を実行します。
プライマリHybrid Cloud GatewayエージェントのHybrid Cloudエージェントに対するゲートウェイ機能を停止します。これを行うには、次のコマンドを実行します。このコマンドにより、OMSがプライマリ・ゲートウェイからセカンダリ・ゲートウェイに切替わります。
emcli delete_hybridgateway_for_hybrid_agent -hybrid_agent_name="<hybrid_agent_name>:<port>" -hybridgateway_agent_list="<primary_gateway_agent>:<port>"
古いプライマリ・ゲートウェイをHybrid Cloudエージェントに再度追加します。これを行うには、次のコマンドを実行します。このコマンドは、古いプライマリ・ゲートウェイをセカンダリ・ゲートウェイとしてHybrid Cloudエージェントにリストアします。
emcli add_hybridgateway_for_hybrid_agent -hybrid_agent_name="<hybrid_agent_name>:<port>" -hybridgateway_agent_list="<old_primary_gateway_agent>:<port>"
Oracle PaaSインスタンスがOracle Cloudから廃止されると、Hybrid Cloudエージェントはアクセス不可の状態に置かれることになります。Enterprise Manager Cloud ControlコンソールからHybrid Cloudエージェントをクリーン・アップするには、次の手順に従います。
Enterprise Manager Cloud Controlコンソールの「設定」メニューから「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。
コンソールからクリーン・アップするHybrid Cloudエージェントの名前をクリックします。
エージェント・ホームページで、「エージェント」メニューから「ターゲット設定」を選択し、さらに「エージェント廃止」をクリックします。
削除するターゲットを選択し、「発行」をクリックします。
新しいSSHキーを使用してモニタリング資格証明を更新し、新たにデプロイが行われる際にすべてのHybrid Cloudエージェントが資格証明を自動的に保持できるようにします。新しいキーが保存されると、それ以降SSHトンネリングではHybrid Cloudエージェントとの通信にその新しいキーが使用されます。
モニタリング資格証明を更新するには、次の手順に従います。
Enterprise Manager Cloud Controlコンソールの「設定」メニューから「セキュリティ」を選択し、「モニタリング資格証明」を選択します。
「モニタリング資格証明」ページで、表の「Hybrid Cloud接続」をクリックします。
Hybrid Cloud接続モニタリング資格証明ページで、新しいSSHキーに更新するターゲット名を選択し「資格証明の設定」をクリックします。
「モニタリング資格証明の入力」で新しいSSH秘密鍵とSSH公開鍵を入力し「保存」をクリックします。
現在のところ、利用できる統計はありません。Hybrid Cloud Gatewayエージェントの負荷を評価するためにはEM診断キットのようなユーティリティを継続的に使用してください。
いいえ。プライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントが切り替わるのは、プライマリHybrid Cloud Gatewayエージェントが停止したときのみです。
Hybrid Cloudエージェントを指定して関連付けられているHybrid Cloud Gatewayエージェントの一覧を表示するには、次の問合せを実行します。
SELECT emd_url FROM MGMT_TARGETS
WHERE target_name LIKE '%PAAS_AGENT_NAME%' AND
target_type='oracle_hybridcloud_connection'
そのような形での制限はありません。Hybrid Cloudエージェントのインストール・ユーザーがOracle Cloudターゲットのインストール・ユーザーと異なっても構いません。しかし、両者は同じプライマリ・オペレーティング・システム・グループに属している必要があります。そうなっていないと、検出は失敗します。
たとえば、Hybrid Cloudエージェントのインストール・ユーザーがopc
で、Oracle Cloudターゲットのインストール・ユーザーがoracle
であることは可能です。しかし、どちらのユーザーもoinstall
という同じオペレーティング・システムに属している必要があります。
さらに、ユーザーにはsudoアクセス権が必要です。そうでない場合、エージェントのデプロイの際、手順の1つとしてroot.shスクリプトを手動で実行する必要があります。
Hybrid Cloud Gatewayエージェントはどのオペレーティング・システムでデプロイできますが、Hybrid CloudエージェントはOracle Linux x86-64オペレーティング・システム上にのみデプロイしてください。