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Oracle® Enterprise Managerバンドル・パッチ1アプリケーション・ガイド
12cリリース1 (12.1.0.1)
B69692-02
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1 バンドル・パッチ1の概要

この章では、バンドル・パッチ1 (BP1)の概要を説明し、インストールするための前提条件を示します。この章には次の項目があります。

1.1 概要

このドキュメントでは、バンドル・パッチ1 (BP1)を既存のEnterprise Manager Cloud Control 12.1.0.1インストールに適用するための手順を説明します。BP1はEnterprise Managerのパッチ・セット・リリースではないため、Enterprise Managerのバージョンは12.1.0.2に変更されないことに注意してください。

1.2 ユースケースと推奨事項

次の項では、様々なユースケース・シナリオでBP1を使用するための推奨事項を説明します。次のシナリオについて詳しく説明します。

1.2.1 一般的なユースケースの推奨事項

BP1インストールの一般的なユースケースと推奨事項を表1-1に示します。

表1-1 一般的なユースケースの推奨事項

ユースケース 推奨事項

Enterprise Managerを初めて使用する場合

新しいEnterprise Manager 12cバイナリをOracle Technology Network (OTN)から取得し、新規インストールを実行する必要があります。インストールには、BP1および最新プラグイン・リリースが含まれます。

Enterprise Manager Cloud Control 12.1.0.1リリースを本番以外のテスト環境またはサンドボックス環境で使用する場合

Enterprise Managerで行った構成設定の内容と、デプロイした管理エージェントの数を分析する必要があります。この分析に基づいて、可能であれば、既存のCloud Controlをアンインストールして新規インストールを実行する必要があります

既存の管理エージェントもすべて再インストールする必要があります。これは、最新のパッチが適用されたCloud Controlリリース(BP1および最新プラグイン・リリースを含む)の恩恵を得て、機能を使用するための最も簡単な方法です。

Enterprise Managerのアンインストール方法は、次のURLを参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/install.121/e24089/part_deinstall_em.htm#sthref642

BP1を含む更新済のEnterprise Managerバイナリは次のURLで入手できます。

http://www.oracle.com/technetwork/oem/enterprise-manager/downloads/index.html?origref=http://www.oracle.com/technetwork/index.html

すでに12.1.0.1リリースをダウンロードして本番環境にインストールしている場合

Enterprise Manager 12cリリース12.1.0.1をすでにダウンロードして本番環境にインストールしている場合は、次の手順を実行します。

ステップを省略すると潜在的な問題が生じることがあります。プロアクティブ・サービス・リクエストをオープンすることをお薦めします。

  1. Oracleインベントリ、リポジトリ・データベース、ミドルウェア・ホーム、インスタンス・ホーム、ソフトウェア・ライブラリおよび管理エージェントのバックアップを作成します。バックアップの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』のバックアップ手順に関する項を参照してください。

    http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/doc.121/e24473/toc.htm
    
  2. BP1をOracle Management Service (OMS)ホストに適用します。

  3. OMSのプラグインを最新リリースにアップグレードします。

  4. 管理エージェントにBP1を適用します。

  5. 管理エージェントのプラグインを最新リリースにアップグレードします。

追加のOMSインスタンスまたは障害リカバリ構成がある場合は、Oracle Management Serviceでのバンドル・パッチ1の適用に関する項で説明しているBP1適用の手順に従います。


1.2.2 現行リリースへのアップグレード

Enterprise Manager Grid Controlリリース10.2.0.5または11.1.0.1からのアップグレードに関連するユースケースと推奨事項を表1-2に示します。

表1-2 現行リリースへのアップグレード

ユースケース 推奨事項

現行リリースへのアップグレード

Enterprise Manager Grid Control 10.2.0.5または11.1.0.1リリースを、BP1を含む現行リリースに直接アップグレードできます。これには次の手順を実行します。

  1. 最新のプレアップグレード・コンソール・パッチをOTNの次のURLからダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html
    
  2. 管理エージェントと12.1.0.2プラグインのバイナリをOTNの次のURLからダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html
    
  3. BP1が含まれるEnterprise Manager 12cバイナリをOTNの次のURLからダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/enterprise-manager/downloads/index.html?origref=http://www.oracle.com/technetwork/index.html
    
  4. 次のURLにあるアップグレード・ガイド(Enterprise Manager Cloud Controlのドキュメントの1つ)のアップグレード手順に従います。

    http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/index.htm
    

プレアップグレード・コンソール・パッチを適用したが、管理エージェントまたはOMSをアップグレードしていない場合

プレアップグレード・コンソール・パッチを適用したが、管理エージェントまたはOMSのアップグレードをまだ行っていない場合は、次の手順を実行します。

  1. 新しいプレアップグレード・コンソール・パッチをOTNの次のURLで取得します。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html
    

    古いパッチをロールバックすることも、既存のパッチの上に新しいパッチをデプロイすることもできます。新しいプレアップグレード・コンソール・パッチをOTNで取得することもできます(古いパッチはロールバックできます。ロールバックの手順はパッチのREADMEファイルを参照してください)。

  2. 新しい管理エージェントのzipファイルをOTNの次のURLからダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/enterprise-manager/downloads/index.html?origref=http://www.oracle.com/technetwork/index.html
    
  3. 新しい12.1.0.2プラグイン・バイナリをOTNの次のURLから取得します。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/enterprise-manager/downloads/index.html?origref=http://www.oracle.com/technetwork/index.html
    
  4. BP1が含まれる新しいEnterprise Manager 12cバイナリをOTNから取得します。

新しいバージョンのプレアップグレード・コンソール・パッチが作動するのは、EM12cバイナリ(BP1を含む)と管理エージェント12.1.0.1バイナリのみです。OTNから確実に最新のパッチを取得するには、OTNダウンロード・ページで最新更新日を確認してください。

次のURLのアップグレード・ガイドの指示に従います。

http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/index.htm

プレアップグレード・コンソール・パッチを適用し、管理エージェントまたはOMSをアップグレードした場合

このケースでは、Enterprise Manager 12cへのアップグレードを完了し、順序どおりに次の手順を実行する必要があります。

  1. Oracleインベントリ、リポジトリ・データベース、ミドルウェア・ホーム、インスタンス・ホーム、ソフトウェア・ライブラリおよび管理エージェントのバックアップを作成します。バックアップの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』のバックアップ手順に関する項を参照してください。

    http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/doc.121/e24473/toc.htm
    
  2. OMSにBP1を適用します。

  3. OMSのプラグインをEnterprise Manager 12.1.0.2リリースにアップグレードします。

  4. 管理エージェントにBP1を適用します。

  5. 管理エージェントのプラグインをEnterprise Manager 12.1.0.2リリースにアップグレードします。

Oracleサポートでプロアクティブ・サービス・リクエスト(SR)をオープンすることをお薦めします。


1.2.3 追加OMSインストールの実行

追加のOMSインストールに関連するユースケースと推奨事項を表1-3に示します。

表1-3 追加OMSインストールの実行

ユースケース 推奨事項

BP1を含む新しいEnterprise Managerバイナリが最初のOMSにデプロイされている場合、または手動でBP1を適用した場合

追加OMSインストールに進みます。デプロイメントの手順によって最初のOMSが複製されるため、インストール終了後に2番目のOMSにBP1を適用する必要はありません。

追加のOMSをインストールする際は、追加OMSのインストール対象のホストに管理エージェントをデプロイする必要があります。最新の管理エージェント・バイナリを自己更新機能を使用して取得します。このバイナリには、管理エージェント・デプロイメントのためのBP1が含まれます。

最初のOMSが新しいEnterprise Managerバイナリで更新されていない場合、またはOMSに手動でBP1を適用していない場合

次の2つのオプションから1つ選択します。

オプション1:

  1. 最初のOMSと管理エージェントでBP1適用プロセスを実行します。

  2. 追加のOMSインストールを完了します。

オプション2:

  1. 追加のOMSインストールを完了します。

  2. 最初のOMSと追加のOMSで一緒にBP1適用プロセスを実行します。


1.3 バンドル・パッチ1の互換性マトリクス

表1-4「バンドル・パッチ1の互換性マトリクス」を参照して、有効なパッチと、OMS、プラグインおよび管理エージェントのバージョンの組合せを確認します。

表1-4 バンドル・パッチ1の互換性マトリクス


バンドル・パッチ1を含まないターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.1プラグイン

BP1を含むターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.1プラグイン

BP1を含まないターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.2プラグイン

BP1適用済のターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.2プラグイン

BP1未適用の12.1.0.1 OMS

×

×

×

BP1適用済の12.1.0.1 OMS、OMS上の12.1.0.1プラグイン(プラグインのアップグレードなし)

×

×

BP1適用済の12.1.0.1 OMS、OMS上の12.1.0.2プラグイン(プラグインのアップグレード済)

脚注1 

×

脚注2 


脚注1 このユースケースの例は、BP1未適用のSolaris管理エージェント、BP1適用済のLinux 32ビットOMSを指すエージェント上の12.1.0.1プラグイン、およびOMS上の12.1.0.2プラグインを使用する場合です。

脚注2 これは、BP1が含まれるEnterprise Manager 12cバイナリの新規インストールです。

1.4 バンドル・パッチ1のインストールに必要な前提条件

次に、BP1をインストールするために必要な前提条件を記載します。

  1. ソフトウェア・ライブラリの構成。

  2. すべてのEnterprise Managerコンポーネントのバックアップ。

  3. エージェント・パッチ適用インフラストラクチャの正しい設定(オフライン・モードとオンライン・モードによって異なる)。

  4. My Oracle Support (MOS)接続の構成(管理エージェントのパッチ適用、MOSからのパッチのダウンロード、Enterprise Managerへのアップロードのため)。

バンドル・パッチ1を適用する前に、次に説明するこれらの前提条件をすべて満たすようにします。

1.4.1 Oracleソフトウェア・ライブラリの構成

すでにソフトウェア・ライブラリが構成されているかどうかを確認する必要があります。構成されていない場合は、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

  2. 「アクション」リストで「管理」を選択し、何も構成されていない場合は「追加」を選択します。

  3. 「OMS共有ファイルシステム」の場所を選択します。

    図1-1 OMS共有ファイルシステムの場所の追加

    共有ファイルシステムの場所

    注意:

    これは、すべてのOMSインスタンスからアクセスできる共有ファイルシステム上の場所です。たとえば、NFSマウント位置を設定することもできます。また、すべてのOMSインスタンスがこの場所に対して読取り/書込みアクセス権を持つ必要があります。

    場所を追加すると、ソフトウェア・ライブラリを構成するジョブが実行されます。Enterprise Managerの必要なすべてのエンティティ(プロビジョニング、パッチ適用、クラウド管理など)がこの場所に生成されます。

    ジョブが正常に終了すると、構成されたコンポーネントがソフトウェア・ライブラリに表示されます。

  4. 「Enterprise Manager」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックしてソフトウェア・ライブラリを表示します。

    図1-2 ソフトウェア・ライブラリ

    ソフトウェア・ライブラリ

1.4.2 Enterprise Managerコンポーネントのバックアップ

BP1を適用する前に、次のコンポーネントをバックアップしてください。

  • Oracleインベントリ

  • 管理リポジトリ・データベース

  • ミドルウェア・ホームおよびEnterprise Managerドメイン

  • OMSがインストールされているインスタンス・ホーム

  • OMSのデフォルト管理エージェント

  • ソフトウェア・ライブラリ

これらすべてのコンポーネントをバックアップする必要があります。BP1プロセスのいずれかのステージで障害が発生すると、場合によっては、これらのうち1つ以上のコンポーネントをリストアする必要が生じます。

詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の「Enterprise Managerのバックアップ」を参照してください。これは次のURLにあります。

http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/doc.121/e24473/ha_backup_recover.htm#BGBCCIJC

1.4.3 正しいOPatchバージョンの使用

OMS Oracleホームに正しいOPatchバージョンがあることを確認します。BP1をインストールするために必要なOPatchバージョンは11.1.0.9.4以上です。

ORACLE_HOMEをOMSホームに設定し、次のコマンドを実行してOPatchバージョンを確認します。

$ opatch version

図1-3 OPatchバージョンの確認

opatchのステータス

OPatchバージョンが11.1.0.9.4未満の場合は、次の手順を実行します。

  1. My Oracle Support (https://support.oracle.com)からリリース11.1.0.xシリーズの最新のOPatchパッチ(6880880)をダウンロードします。

    パッチ番号は6880880です。使用するOMSプラットフォームに対応するプラットフォームを選択します。

    図1-4 正しいOPatchバージョン

    正しいopatch
  2. 「検索」をクリックします。

  3. Opatch 11.1.0.0.0バージョンを選択し、「ダウンロード」をクリックします。

    図1-5 「ダウンロード」をクリック

    正しいopatch

    注意:

    OPatch 11.2.0.xを選択しないでください。パッチ適用中にエラーが発生します。

  4. zipをOMSサーバーに転送します。

  5. OMS ORACLEホームにある既存のOPatchフォルダの名前をOPatch_old_MMYYに変更します

  6. 新しいOpatchパッチzipをOMS ORACLEホーム内で解凍します。

    最新のOpatchを含むOpatchディレクトリが作成されます。

1.5 トラブルシューティング

トラブルシューティングのヒントや、バンドル・パッチ1を適用する際の既知の問題は、次のURLのMy Oracle Supportノート1395640.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&doctype=REFERENCE&id=1395640.1