この章では、バンドル・パッチ1 (BP1)の概要を説明し、インストールするための前提条件を示します。この章には次の項目があります。
このドキュメントでは、バンドル・パッチ1 (BP1)を既存のEnterprise Manager Cloud Control 12.1.0.1インストールに適用するための手順を説明します。BP1はEnterprise Managerのパッチ・セット・リリースではないため、Enterprise Managerのバージョンは12.1.0.2に変更されないことに注意してください。
次の項では、様々なユースケース・シナリオでBP1を使用するための推奨事項を説明します。次のシナリオについて詳しく説明します。
BP1インストールの一般的なユースケースと推奨事項を表1-1に示します。
表1-1 一般的なユースケースの推奨事項
ユースケース | 推奨事項 |
---|---|
Enterprise Managerを初めて使用する場合 |
新しいEnterprise Manager 12cバイナリをOracle Technology Network (OTN)から取得し、新規インストールを実行する必要があります。インストールには、BP1および最新プラグイン・リリースが含まれます。 |
Enterprise Manager Cloud Control 12.1.0.1リリースを本番以外のテスト環境またはサンドボックス環境で使用する場合 |
Enterprise Managerで行った構成設定の内容と、デプロイした管理エージェントの数を分析する必要があります。この分析に基づいて、可能であれば、既存のCloud Controlをアンインストールして新規インストールを実行する必要があります 既存の管理エージェントもすべて再インストールする必要があります。これは、最新のパッチが適用されたCloud Controlリリース(BP1および最新プラグイン・リリースを含む)の恩恵を得て、機能を使用するための最も簡単な方法です。 Enterprise Managerのアンインストール方法は、次のURLを参照してください。
BP1を含む更新済のEnterprise Managerバイナリは次のURLで入手できます。
|
すでに12.1.0.1リリースをダウンロードして本番環境にインストールしている場合 |
Enterprise Manager 12cリリース12.1.0.1をすでにダウンロードして本番環境にインストールしている場合は、次の手順を実行します。 ステップを省略すると潜在的な問題が生じることがあります。プロアクティブ・サービス・リクエストをオープンすることをお薦めします。
追加のOMSインスタンスまたは障害リカバリ構成がある場合は、Oracle Management Serviceでのバンドル・パッチ1の適用に関する項で説明しているBP1適用の手順に従います。 |
Enterprise Manager Grid Controlリリース10.2.0.5または11.1.0.1からのアップグレードに関連するユースケースと推奨事項を表1-2に示します。
表1-2 現行リリースへのアップグレード
ユースケース | 推奨事項 |
---|---|
現行リリースへのアップグレード |
Enterprise Manager Grid Control 10.2.0.5または11.1.0.1リリースを、BP1を含む現行リリースに直接アップグレードできます。これには次の手順を実行します。
|
プレアップグレード・コンソール・パッチを適用したが、管理エージェントまたはOMSをアップグレードしていない場合 |
プレアップグレード・コンソール・パッチを適用したが、管理エージェントまたはOMSのアップグレードをまだ行っていない場合は、次の手順を実行します。
新しいバージョンのプレアップグレード・コンソール・パッチが作動するのは、EM12cバイナリ(BP1を含む)と管理エージェント12.1.0.1バイナリのみです。OTNから確実に最新のパッチを取得するには、OTNダウンロード・ページで最新更新日を確認してください。 次のURLのアップグレード・ガイドの指示に従います。 |
プレアップグレード・コンソール・パッチを適用し、管理エージェントまたはOMSをアップグレードした場合 |
このケースでは、Enterprise Manager 12cへのアップグレードを完了し、順序どおりに次の手順を実行する必要があります。
Oracleサポートでプロアクティブ・サービス・リクエスト(SR)をオープンすることをお薦めします。 |
追加のOMSインストールに関連するユースケースと推奨事項を表1-3に示します。
表1-3 追加OMSインストールの実行
ユースケース | 推奨事項 |
---|---|
BP1を含む新しいEnterprise Managerバイナリが最初のOMSにデプロイされている場合、または手動でBP1を適用した場合 |
追加OMSインストールに進みます。デプロイメントの手順によって最初のOMSが複製されるため、インストール終了後に2番目のOMSにBP1を適用する必要はありません。 追加のOMSをインストールする際は、追加OMSのインストール対象のホストに管理エージェントをデプロイする必要があります。最新の管理エージェント・バイナリを自己更新機能を使用して取得します。このバイナリには、管理エージェント・デプロイメントのためのBP1が含まれます。 |
最初のOMSが新しいEnterprise Managerバイナリで更新されていない場合、またはOMSに手動でBP1を適用していない場合 |
次の2つのオプションから1つ選択します。 オプション1:
オプション2:
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表1-4「バンドル・パッチ1の互換性マトリクス」を参照して、有効なパッチと、OMS、プラグインおよび管理エージェントのバージョンの組合せを確認します。
表1-4 バンドル・パッチ1の互換性マトリクス
バンドル・パッチ1を含まないターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.1プラグイン |
BP1を含むターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.1プラグイン |
BP1を含まないターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.2プラグイン |
BP1適用済のターゲット・エージェント、ターゲット管理エージェント上の12.1.0.2プラグイン |
|
BP1未適用の12.1.0.1 OMS |
○ |
× |
× |
× |
BP1適用済の12.1.0.1 OMS、OMS上の12.1.0.1プラグイン(プラグインのアップグレードなし) |
○ |
○ |
× |
× |
BP1適用済の12.1.0.1 OMS、OMS上の12.1.0.2プラグイン(プラグインのアップグレード済) |
○脚注1 |
○ |
× |
○脚注2 |
脚注1 このユースケースの例は、BP1未適用のSolaris管理エージェント、BP1適用済のLinux 32ビットOMSを指すエージェント上の12.1.0.1プラグイン、およびOMS上の12.1.0.2プラグインを使用する場合です。
脚注2 これは、BP1が含まれるEnterprise Manager 12cバイナリの新規インストールです。
次に、BP1をインストールするために必要な前提条件を記載します。
ソフトウェア・ライブラリの構成。
すべてのEnterprise Managerコンポーネントのバックアップ。
エージェント・パッチ適用インフラストラクチャの正しい設定(オフライン・モードとオンライン・モードによって異なる)。
My Oracle Support (MOS)接続の構成(管理エージェントのパッチ適用、MOSからのパッチのダウンロード、Enterprise Managerへのアップロードのため)。
バンドル・パッチ1を適用する前に、次に説明するこれらの前提条件をすべて満たすようにします。
すでにソフトウェア・ライブラリが構成されているかどうかを確認する必要があります。構成されていない場合は、次の手順を実行します。
「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。
「アクション」リストで「管理」を選択し、何も構成されていない場合は「追加」を選択します。
「OMS共有ファイルシステム」の場所を選択します。
注意: これは、すべてのOMSインスタンスからアクセスできる共有ファイルシステム上の場所です。たとえば、NFSマウント位置を設定することもできます。また、すべてのOMSインスタンスがこの場所に対して読取り/書込みアクセス権を持つ必要があります。 |
場所を追加すると、ソフトウェア・ライブラリを構成するジョブが実行されます。Enterprise Managerの必要なすべてのエンティティ(プロビジョニング、パッチ適用、クラウド管理など)がこの場所に生成されます。
ジョブが正常に終了すると、構成されたコンポーネントがソフトウェア・ライブラリに表示されます。
「Enterprise Manager」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックしてソフトウェア・ライブラリを表示します。
BP1を適用する前に、次のコンポーネントをバックアップしてください。
Oracleインベントリ
管理リポジトリ・データベース
ミドルウェア・ホームおよびEnterprise Managerドメイン
OMSがインストールされているインスタンス・ホーム
OMSのデフォルト管理エージェント
ソフトウェア・ライブラリ
これらすべてのコンポーネントをバックアップする必要があります。BP1プロセスのいずれかのステージで障害が発生すると、場合によっては、これらのうち1つ以上のコンポーネントをリストアする必要が生じます。
詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の「Enterprise Managerのバックアップ」を参照してください。これは次のURLにあります。
http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/doc.121/e24473/ha_backup_recover.htm#BGBCCIJC
OMS Oracleホームに正しいOPatchバージョンがあることを確認します。BP1をインストールするために必要なOPatchバージョンは11.1.0.9.4以上です。
ORACLE_HOMEをOMSホームに設定し、次のコマンドを実行してOPatchバージョンを確認します。
$ opatch version
OPatchバージョンが11.1.0.9.4未満の場合は、次の手順を実行します。
My Oracle Support (https://support.oracle.com
)からリリース11.1.0.xシリーズの最新のOPatchパッチ(6880880)をダウンロードします。
パッチ番号は6880880です。使用するOMSプラットフォームに対応するプラットフォームを選択します。
「検索」をクリックします。
Opatch 11.1.0.0.0バージョンを選択し、「ダウンロード」をクリックします。
注意: OPatch 11.2.0.xを選択しないでください。パッチ適用中にエラーが発生します。 |
zipをOMSサーバーに転送します。
OMS ORACLEホームにある既存のOPatchフォルダの名前をOPatch_old_MMYYに変更します
新しいOpatchパッチzipをOMS ORACLEホーム内で解凍します。
最新のOpatchを含むOpatchディレクトリが作成されます。
トラブルシューティングのヒントや、バンドル・パッチ1を適用する際の既知の問題は、次のURLのMy Oracle Supportノート1395640.1を参照してください。
https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&doctype=REFERENCE&id=1395640.1