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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control拡張プログラマーズ・ガイド
12c リリース4 (12.1.0.4)
B70508-04
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7 レポート作成フレームワークの使用方法

この章では、次の項目について説明します。

7.1 レポート作成フレームワークの概要

Enterprise Managerの強力なレポート作成フレームワークを使用すると、企業全体で対象読者が管理対象の環境に関する情報にアクセスできるようになります。戦略的には、レポートは、エンタープライズの監視情報のビューをビジネス・インテリジェンス目的で提示するために使用されますが、管理対象ターゲットのアクティビティ、リソース使用率および構成を示すことで管理目的でも役立ちます。IT管理者は、レポートを使用して、一連の管理対象システムの可用性を示すことができます。エグゼクティブは、一定期間におけるアプリケーション(会社の電子メールなど)の可用性に関するレポートを表示できます。Enterprise Managerには、このような様々なニーズに対応する100を超えるレポートが同梱されています。さらに、顧客はカスタマイズされた独自のレポートを作成できます。

7.2 レポート作成の新機能

BI Publisherは、あらゆるタイプの高度にフォーマットされたドキュメントを作成、管理および配信するOracleのエンタープライズ・レポート・サーバーです。エンドユーザーは、Webブラウザで直接または使い慣れたデスクトップ・ツールを使用してレポートのレイアウトを設計でき、レポートの開発および保守に必要な時間とコストは大幅に削減されます。非常に効率的で拡張性が高いため、BI Publisherでは、トランザクション・システムへの影響を最小限に抑えながら1時間に何万ものドキュメントを生成できます。

Enterprise Managerリリース10.2以降、埋込みレポート・ソリューションである情報パブリッシャが同梱されています。しかし、このリリースの時点では、情報パブリッシャのレポート作成フレームワークは非推奨であり、BI Publisher製品を使用してレポートを開発することを推奨しています。新しいレポートは、BI Publisherを使用して開発する必要があり、古いレポートは新しいテクノロジに移行します。Enterprise Manager情報パブリッシャは引き続きEnterprise Manager 12c リリース4 (12.1.0.4)に同梱され、このソリューションに基づいたすぐに使用できる既存のレポートは残存し、サポートされます。

顧客は、印刷可能なPDF形式でレポートを作成したり、電子メール、FTP、印刷などの様々な配信オプションでスケジュールするなど、BI Publisherの標準機能を利用できます。また、Enterprise Managerリポジトリに対して独自のカスタム・レポートを開発することもできます。顧客がBI Publisherレポートにアクセスするには、BI Publisher UIを使用するか、またはEnterprise Managerコンソール内からレポートを選択してBI Publisher UIを起動します。

Enterprise ManagerとBI Publisher間を統合すると、管理者は、Enterprise ManagerユーザーがEnterprise Managerユーザー名およびパスワードを使用してBI Publisherにログオンできるように、BI PublisherおよびEnterprise Managerにセキュリティ設定を設定できます。この認証委任メカニズムが機能する対象は、次のとおりです。

  • Enterprise Managerのネイティブ認証(リポジトリ/dbmsベースの認証など)。

  • LDAP認証によってサポートされるEnterprise Manager SSO

    BI Publisherは、この場合にEnterprise Managerが使用するのと同じLDAP認証メカニズムを共有します。しかし、BI Publisherは、SSOを使用するように構成されず、かわりにBI Publisherのネイティブ・ログイン画面を使用します。

Enterprise Manager 12cを使用すると、BI PublisherとEnterprise Managerは緩やかに統合されます。BI Publisherは別個の製品として独自のOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。

7.3 レポート作成テクノロジの選択

新しいレポートは、製品の要件に基づいてBI PublisherまたはEnterprise Manager情報パブリッシャ(IP)のいずれかのレポート作成フレームワークを使用して開発できます。しかし、情報パブリッシャ・レポートはリリース12c リリース1 (12.1.0.2)から非推奨であるため、BI Publisherをお薦めします。

BI Publisherレポートには、次の利点があります。

  • ページ区切りおよびヘッダー/フッターを使用した、高度にフォーマットされた出力専用の業務用レポート。

  • PDF、XLSおよびHTML出力形式。

  • JDBC (Java Database Connectivity)データ・ソースによってサポートされるEnterprise Managerリポジトリのアクセス・モデルと、仮想プライベート・データベース(VPD)のプロセスごとの関数(VPDはログインしているBIPユーザーとして設定されます)。MGMT_VIEWアカウントに使用できるselect文およびパイプラインPL/SQL関数のサポート。

  • "フォルダリング"を使用し、フォルダにアクセス権を付与するBI Publisherレポートのアクセス・モデル。

  • スケジュール機能および配信メカニズム(FTPなど)。

  • レポート定義とは別に編集できる書式。

  • レポート生成時のBI Publisherパラメータ機能によるパラメータ化。

Enterprise Manager情報パブリッシャ・レポートには、次の利点があります。

  • Enterprise Managerコンソール・ページのような外観のレポート(レイアウトに対する制御が厳格ではありません)。

  • Enterprise Manager Oracle Management Services (OMS)およびリポジトリとの緊密な結合。

  • 統合されたダッシュボード。

7.4 BI Publisherレポートの開発

BI Publisherレポートには、データ・モデル・コンポーネント、レイアウト・コンポーネントおよび変換コンポーネントがあります。データ・モデル・コンポーネントは、BI Publisher UIを使用してモデル化されます。レポート・レイアウトはRTFテンプレートを使用して生成されます。RTFテンプレートは、BI Publisherレポート開発者によってBI Publisherデスクトップ・アプリケーションを使用して作成されます。このアプリケーションは、Microsoft Wordプラグインとして配信されます。

BI Publisherレポートの完全な例は、BI Publisher統合に同梱されています。これには、データ・モデルおよびレポート定義が含まれます。

レポートの開発およびテストが済むと、これらのコンポーネントはすべてBI Publisherからファイルとしてエクスポートして、プラグインの一部としてパッケージ化できます。

レポートの開発およびパッケージ化プロセスの詳細は、プログラマーズ・リファレンスを参照してください。

7.5 Enterprise Manager情報パブリッシャ・レポートの開発

Enterprise Manager情報パブリッシャ・レポートは、XMLで定義され、プラグインにパッケージ化されます。これらのレポート定義は、レポートのレイアウトおよびコンテンツを指定します。新しいレポート定義はBI Publisherインタフェースを使用して開発する必要があります。Enterprise Manager情報パブリッシャのPL/SQL APIを使用しないでください。

これらのAPIは、Enterprise Manager 12c リリース1 (12.1.10.2)より前に作成されたプラグインに含まれるレポートに対して引き続きサポートされますが、12c リリース1 (12.1.10.2)に変換されます。これらのAPIは、新しいレポートの開発にはサポートされません。