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Oracle® Enterprise Manager Cloud管理ガイド
12c リリース5 (12.1.0.5)
B70509-13
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5 IaaS用のクラウドの設定

この章では、Oracle VMテクノロジを使用してInfrastructure as a Service(IaaS)クラウドを提供するために定義する必要のある、サーバー、ストレージおよびネットワークのインフラストラクチャについて説明します。内容は次のとおりです。

5.1 開始

この項では、この章に取り組むための手引きとして、仮想化インフラストラクチャの設定手順の概要を説明します。このセクションは、仮想化システムの設定を成功させるために必要な一連の処理を理解するためのドキュメント・マップと考えてください。


注意:

ここをクリックすると、Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cを使用して、クラウド内でのOVMサーバーの検出、クラウド用のストレージの構成、ネットワークの構成、およびサーバー・プールとクラウド・ゾーンの作成を行う方法について、視覚的デモンストレーションを参照できます。

  1. 仮想化ターゲットの監視および管理を開始する前に、Oracle Enterprise ManagerでOracle VM Managerを登録します。詳細は、第5.3項「Oracle VM Managerの登録」を参照してください。

  2. その後、1つ以上のOracle VM Serverのターゲットを検出できます。詳細は、第5.5項「仮想サーバーの検出」を参照してください。

  3. クラウドのストレージ・インフラストラクチャを設定します。詳細は、第5.9項「ストレージ・サーバーの登録」を参照してください。

  4. ネットワークおよびVLANグループの構成詳細は、第5.7項「ネットワークの設定」を参照してください。

    Oracle VM Manager 3.3を使用している場合には、VLANインタフェースを構成する必要があります。5.7.3項「Oracle VM Manager 3.3用のVLANインタフェースの作成」を参照してください。

  5. 仮想サーバー・プールを作成します。詳細は、第5.14項「仮想サーバー・プールの作成」を参照してください。

  6. 1つ以上のサーバー・プールをグループ化し、ゾーンを作成します。詳細は、第5.15項「ゾーンの作成」を参照してください。

図5-1は、仮想化インフラストラクチャの設定手順の流れを示しています。

図5-1 クラウド・インフラストラクチャの設定

仮想化インフラストラクチャ

5.2 クラウド・インフラストラクチャの権限

この項では、次を行った場合の、インフラストラクチャ・クラウドホーム・ページの様々なターゲットで実行できるアクションを示します。

  • 左側のパネルでターゲットを右クリックする。

  • 親ターゲットのホーム・ページにある「メンバー」リージョンでターゲットを選択し、「アクション」メニューを選択する。

  • 対応するターゲット・ホーム・ページの「ターゲット」メニューを選択する。

表5-1 インフラストラクチャ・クラウド

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

OVMマネージャの登録

単一


任意のターゲットの追加

設定

単一


インフラストラクチャ・クラウドでの表示

メンバー

単一


インフラストラクチャ・クラウドでの操作


表5-2 OVMマネージャ

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

メンバー

単一


OVMマネージャでの表示

編集

単一


OVMマネージャでの操作

同期化

単一


OVMマネージャでフル

登録解除

単一


OVMマネージャおよびそのすべてのサブ・ターゲットでフル

ゾーンの作成

単一


OVMマネージャでの操作および任意のターゲットの追加

仮想サーバー・プールの作成

単一


OVMマネージャでの操作および任意のターゲットの追加

仮想サーバーの検出

単一


OVMマネージャでの操作および任意のターゲットの追加

未所有の仮想サーバーの管理

単一


OVMマネージャでの操作

ネットワークの管理

単一


OVMマネージャでの操作

記憶域の管理

単一


OVMマネージャでの操作

記憶域リポジトリの管理

単一


OVMマネージャでの操作

Yumリポジトリの管理

単一


OVMマネージャでフル

NTP構成の管理

単一


OVMマネージャでフル


表5-3 ゾーン

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

メンバー

単一


ゾーンでの表示

編集

単一


ゾーンでの操作

削除

単一


ゾーンでフル

Enterprise Managerからのみ削除

単一


ゾーンでフル

アセンブリのデプロイ

単一


ゾーンでの操作および任意のターゲットの追加

テンプレートのデプロイ

単一


ゾーンでの操作および任意のターゲットの追加

ISOのデプロイ

単一


ゾーンでの操作および任意のターゲットの追加

PXEのデプロイ

単一


ゾーンでの操作および任意のターゲットの追加

仮想マシンのインポート

単一


ゾーンでの操作および任意のターゲットの追加


表5-4 仮想サーバー・プール

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

メンバー

単一


仮想サーバー・プールでの表示

編集

単一


仮想サーバー・プールでの操作

削除

単一


仮想サーバー・プールでフル

Enterprise Managerからのみ削除

単一


仮想サーバー・プールでフル

DRS/DPMポリシーの管理

単一


仮想サーバー・プールでの操作

アセンブリのデプロイ

単一


仮想サーバー・プールでの操作および任意のターゲットの追加

テンプレートのデプロイ

単一


仮想サーバー・プールでの操作および任意のターゲットの追加

ISOのデプロイ

単一


仮想サーバー・プールでの操作および任意のターゲットの追加

PXEのデプロイ

単一


仮想サーバー・プールでの操作および任意のターゲットの追加

仮想マシンのインポート

単一


ゾーンでの操作および任意のターゲットの追加


表5-5 仮想サーバー

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

編集

単一

稼働中

仮想サーバーでの操作

登録解除

単一


仮想サーバーでフル

Enterprise Managerからのみ削除

単一


仮想サーバーでフル

メンテナンスの開始

複数

稼働中

仮想サーバーでの操作

メンテナンスの終了

複数

ブラックアウト

仮想サーバーでの操作

アップグレード

複数


仮想サーバーでフル

開始

複数

停止中

仮想サーバーでの操作

停止

複数

稼働中

仮想サーバーでの操作

再起動

複数

稼働中

仮想サーバーでの操作

仮想サーバーの再検出

単一


仮想サーバーでフル

アセンブリのデプロイ

単一


仮想サーバーでの操作および任意のターゲットの追加

テンプレートのデプロイ

単一


仮想サーバーでの操作および任意のターゲットの追加

ISOのデプロイ

単一


仮想サーバーでの操作および任意のターゲットの追加

PXEのデプロイ

単一


仮想サーバーでの操作および任意のターゲットの追加

仮想マシンのインポート

単一


ゾーンでの操作および任意のターゲットの追加

メンバー

複数選択/単一選択: 単一


仮想サーバーでの表示


表5-6 ゲストVM

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

編集

単一


ゲストVMでの操作

削除

複数

停止中、メトリック・エラー

ゲストVMでフル

Enterprise Managerからのみ削除

複数


ゲストVMでフル

移行

複数

稼働中、停止中

ゲストVMでの操作

移動

単一

停止中

ゲストVMでの操作

クローン

単一

稼働中、停止中

ゲストVMでの操作

テンプレートとして保存

単一

停止中

ゲストVMでの操作

開始

複数

停止中

ゲストVMでの操作

停止

複数

稼働中

ゲストVMでの操作

再起動

複数

稼働中

ゲストVMでの操作

強制終了

複数

稼働中

ゲストVMでの操作

停止および起動

複数

稼働中

ゲストVMでの操作

一時停止

複数

稼働中

ゲストVMでの操作

再開

複数


ゲストVMでの操作

VNCコンソールの起動

単一


ゲストVMでの操作


表5-7 アセンブリ

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

開始

単一


アセンブリでの操作

停止

単一


アセンブリでの操作

削除

単一


アセンブリでの操作

スケール・アップ

単一


アセンブリでの操作

スケール・ダウン

単一


アセンブリでの操作

ノードの追加

単一


アセンブリでの操作


表5-8 層

アクション・レベル 複数選択/単一選択 必要なターゲット状態 必要な権限

開始

単一


層での操作

停止

単一


層での操作

スケール・アップ

単一


層での操作

スケール・ダウン

単一


層での操作


5.3 Oracle VM Managerの登録

Oracle VMマネージャは、ゾーン、仮想サーバー・プール、仮想サーバー、およびゲスト仮想マシンの作成と監視を可能にする、ユーザー・インタフェースを提供します。Enterprise Manager内の仮想ターゲットの管理にOracle VM Managerを使用する前に、Oracle VM Managerの既存のインストールを登録する必要があります。


注意:

  • Enterprise Managerで登録するOracle VM Manageは、バージョン3.0.2以上が必要です。

  • Oracle VM Managerは1つのEnterprise Managerインストールのみに関連付けられている必要があります。

  • 管理エージェントとOracle VM Managerが同じ物理マシンにあることが推奨されます。

  • Oracle VM Manager 3.3を登録するには、Enterprise Manager for Oracle Virtualization (Oracle Virtualization)プラグイン12.1.0.7以降がOracle Management Serviceおよび管理エージェント上にデプロイされていることを確認する必要があります。


Oracle VM Managerを登録するには、まずそれをEnterprise Managerのターゲットとして追加します。次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

    図5-2 インフラストラクチャ・クラウド・ホーム

    インフラストラクチャ・クラウド・ホームページ
  2. 「インフラストラクチャ・クラウド」メニューから「OVMマネージャへの登録」を選択します。Oracle VM Managerの追加ページが表示されます。

  3. 図5-3 Oracle VM Managerの追加

    Oracle VM Managerの追加

    次の手順でOracle VMマネージャの既存のインストールを登録できます。

    前提条件

    • OVM Manager 3.1.1以降を登録している場合、Oracle VM Manager URLを更新する前に、ノート1490283.1に記載されているTCPSを構成しておく必要があります。

    • 次の手順に従って、証明書をエージェント・キーストアにインポートしておく必要があります。

      • OVM Manager証明書のエクスポート<JAVA_HOME>/bin/keytool -keystore <OVM_MANAGER_HOME>/ovmmCoreTcps.ks -exportcert -alias ovmm -file <file_loc_for_certificate>

      • OVM Manager証明書のインポート<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl secure add_trust_cert_to_jks -trust_certs_loc <file_loc_for_certificate> -alias <alias_name>

        証明書が複数のOracle VM Managerにインポートされる場合には、複数の別名を指定できます。

    • Oracle VM Manager 3.3を登録するには、Oracle VM Manager証明書のインポートに加えて、Oracle VM Manager WebLogic証明書のエクスポートとエージェント・キーストアの証明書のインポートを行う必要があります。詳細は、5.3.3項「Oracle VM Manager WebLogic証明書のインポート」を参照してください。

    1. 登録するOracle VM Managerインスタンスのターゲット名を入力します。

    2. 登録するOracle VM Managerインスタンスを監視および管理するための管理エージェントを選択します。管理エージェント(「自己更新」にOracle Virtualizationと表示されるEnterprise Manager for Oracle Virtualizationプラグインを使用)が、Oracle VM Managerインスタンスを実行しているマシンと同じマシン上に存在していることをお薦めします。

    3. Oracle VM Manager URLを入力します。Oracle VM ManagerにTCPSアクセスを構成する方法の詳細は、ノート1490283.1を参照してください。

      URLは次のいずれかの形式である必要があります。

      - tcp://localhost:<port> 例: tcp://localhost:54321 (Oracle VM Managerのバージョンが3.1.1以上の場合、tcps URLのみを指定できます)

      - tcps://<hostname:<port> 例: tcps://server.domain:54322

    4. Oracle VM ManagerのコンソールURLを入力します。これは、ゲストVM用にVNCコンソールを有効化するURLです。たとえば、https://ovmmgr.example.com:7002/ovm/consoleなどです。

      このURLは次の書式で記述する必要があります。

      https://<hostname>:<port>


      注意:

      Oracle VM Manager 3.3を登録するには、このURLをOracle VM Managerへの接続に使用します。

    5. デフォルトでOracle VM Managerからのデータは、一定時間間隔でEnterprise Managerとの自動同期が行われます。このオプションを有効にしない場合には、「自動同期」チェックボックスの選択を解除してデータを手動で同期します。自動および手動の同期オプションの詳細は、第5.4項「Oracle VM Managerターゲットの同期」を参照してください。

    6. ステップCで指定したOracle VM Manager URLに接続するための管理者ユーザー名およびパスワードを入力します。Oracle VM Managerの管理に別の資格証明を使用する場合は、「管理資格証明の使用」チェック・ボックスを選択します。この資格証明を指定しない場合は、デフォルトで監視資格証明が使用されます。

    7. 「発行」をクリックし、Oracle VM Managerを登録します。これで、Oracle VM Managerを使用してEnterprise Manager内の仮想化ターゲットを監視および管理できます。

5.3.1 Oracle VM Managerを設定するためのポート要件

WebブラウザによるOracle VM Managerへの接続に必要なポートは、7002および15901です。TCP 7002は、Oracle VM Managerに接続するためにOracle VM Serverにより使用されます。次に、Oracle VM Managerは、Oracle VM Agent通信用にポート8899、および仮想マシンへのセキュアなVNCトンネリング用(1つのVM当たり1つのポート)にポート6900以上を介してOracle VM Serverに接続します。ポート7900以上は、Oracle VM ManagerがOracle VM Server上の仮想マシンへのセキュアなシリアル・コンソール・トンネルを開くことを可能にします(VMごとに1つのポート)。Oracle VMコマンドライン・インタフェースは、ポート10000を介してOracle VM Managerに接続します。TCPポート54321および54322は、Oracle VM ManagerコアへのリモートAPIアクセス用に有効にする必要があります。次の図のガイドラインに従います。

図5-4 Oracle VM Managerのファイアウォール構成

Oracle VM Managerのファイアウォール構成

5.3.2 Oracle VM Manager URLの更新

Enterprise Managerに以前登録されたOracle VM Manager 3.0.xがあり、それをバージョン3.1.xまたは3.2.1にアップグレードした場合、Oracle VM Manager URLを更新する必要があります。

バージョン3.3にアップグレードするには、WebLogic証明書もインポートする必要があります。詳細は、5.3.3項「Oracle VM Manager WebLogic証明書のインポート」を参照してください。

前提条件

  • Oracle VM Manager URLを更新する前に、ノート1490283.1に記載されているTCPSを構成しておく必要があります。

  • 次の手順に従って、証明書をエージェント・キーストアにインポートしておく必要があります。

    • OVM Manager証明書のエクスポート<JAVA_HOME>/bin/keytool -keystore <OVM_MANAGER_HOME>/ovmmCoreTcps.ks -exportcert -alias ovmm -file <file_loc_for_certificate>

    • OVM Manager証明書のインポート<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl secure add_trust_cert_to_jks -trust_certs_loc <file_loc_for_certificate> -alias <alias_name>

Oracle VM Manager URLを更新するには、次の手順に従います。

  1. アップグレードするOVM Managerターゲットを右クリックして、「編集」を選択します。

  2. 「Oracle VM Manager」フィールドにtcpsベースのURL (tcps://hostname:port)を入力します。


    注意:

    tcpsベースのURLを使用することをお薦めします。しかし、Oracle VM Managerがインストールされているホストと同じホストで管理エージェントが実行中の場合、tcpベースのURL (tcp://localhost:54321)を使用できます。

5.3.3 Oracle VM Manager WebLogic証明書のインポート

Oracle VM Manager 3.3には、証明書ベースの認証およびWebベースのユーザー・インタフェースに使用されるSSL証明書への署名に使用される内部認証局(CA)が含まれています。Oracle VM Managerがインストールされると、証明書が自動的に生成されます。

Oracle VM Manager WebLogic証明書をエクスポートするには、次のコマンドを入力します。

#/u01/app/oracle/ovm-manager-3/ovm_upgrade/bin/ovmkeytool.sh exportca > <file_loc_for_certificate>

エージェント・キーストアにOracle VM Manager WebLogic証明書をインポートするには、次のコマンドを入力します。

<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl secure add_trust_cert_to_jks -trust_certs_loc <file_loc_for_certificate> -alias <alias_name>


注意:

<file_loc_for_certificate>の最初の行は、OVM Manager証明書のインポート前に削除する必要があります。

5.3.4 Oracle VM Managerの検出および昇格(オプション)

自動検出は、ホスト、Oracle VM Managerおよびその他のターゲットを検出して、Enterprise Managerで監視および管理できるようにするプロセスです。環境内のOracle VM Managerインスタンスが既知の場合、これらをEnterprise Managerに登録する手順の詳細は、第5.3項「Oracle VM Managerの登録」を参照してください。ネットワークをスキャンして未知のOracle VM Managerインスタンスを検出する場合は、Oracle VM Managerの検出と昇格を試行する必要があります。

Oracle VM Managerを検出するには、次の手順に従います。

  1. スーパー管理者ロールを持つユーザーとしてEnterprise Managerにログインします。

  2. 「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「自動検出の構成」の順に選択します。

    図5-5 自動検出の構成

    自動検出の構成
  3. 「ネットワーク・スキャン・ベースの自動検出」表の「ホストおよびOracle VM Manager」行で、「ネットワーク・スキャンの検出の構成」をクリックします。ネットワークの検出ページが表示されます。このページを使用して、OVM Manager検出の指定を検索、参照および作成します。

    図5-6 ネットワーク・スキャンの検出

    ネットワーク・スキャンの検出
  4. 「作成」をクリックします。ネットワーク・スキャンの検出: 作成ページが表示されます。

    図5-7 ネットワーク・スキャンの検出: 作成

    ネットワーク・スキャンの検出: 作成
  5. 検出の指定の名前および説明を入力します。「ネットワーク・スキャン」領域で「追加」をクリックして、IPスキャンの実行時に使用するエージェントを選択します。各エージェントに、スキャンするIP範囲を指定します。サポートされている形式は、ホスト名、IPアドレス、IP範囲です。スペースを使用して値を区切ります。

  6. ホストの検出の仕様: 作成ページの「ジョブ詳細」タブを使用し、検出IPスキャンをスケジュールします。すぐに開始するか、指定した時刻に開始することができます。「資格証明」セクションを使用して、ホストで優先する資格証明を入力します。「優先資格証明」、「名前付き資格証明」、「新規資格証明」から選択できます。検出IPスキャンはrootとして実行されます。Sudoを使用する特権ホスト資格証明か名前付き資格証明を設定する必要があります。

  7. ホストの検出ページで、検出のステータスを確認し、新規に検出されたOVM Managerを表示できます。

  8. ターゲットが検出された後、「設定」メニューから「ターゲットの追加」「自動検出の結果」の順にクリックします。検出された管理対象外ターゲットを確認し、Enterprise Managerの管理対象にして監視する必要のあるターゲットを昇格できる自動検出の結果ページが表示されます。

  9. ネットワーク・スキャンされたターゲット・タブの下部にある表に、ターゲット検出結果が表示されます。OVMマネージャ・ターゲットを選択し、「昇格」をクリックします。OVM Manager登録ページが表示されます。詳細は、第5.3項「Oracle VM Managerの登録」を参照してください。

5.3.5 構成の監視(OVM Manager)

OVM Managerターゲットの監視構成の詳細をカスタマイズまたは表示するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「インフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットをクリックします。

  3. 「VMマネージャ」メニューから、「ターゲット設定」「監視構成」の順に選択します。OVM Managerターゲットの監視構成ページが表示されます。

    図5-8 構成の監視(OVM Manager)

    構成の監視(OVM Manager)
  4. 次の詳細が表示されます。

    • LiveSyncEnabled: Enterprise ManagerとOracle VM Managerの間に自動同期が有効化されているかどうかを示します。デフォルトはtrueです。有効にすると、データは1分ごとに同期されます。

    • デプロイメントのネットワーク構成のタイムアウト設定: アセンブリのデプロイメント中にネットワーク構成に許可された合計待機時間。デフォルトは60分です。

    • OVMジョブの再試行回数: OVMジョブがリタイアする前に可能な試行数。デフォルトの試行回数は5です。

    • OVMジョブの再試行スリープ間隔: 2つの続いたOVMジョブの再試行の間隔。デフォルトの間隔は5秒です。

    • 短期で実行中のOVMジョブのタイムアウト値(分単位): OVMジョブの完了に許可される時間間隔。

    • OVM ManagerコンソールのURL: VM用にVNCコンソールを起動するために使用するURL。


      注意:

      Oracle VM Manager 3.3ではこのURLをOracle VM Managerへの接続に使用します。

    • OVM ManagerのURL: Enterprise ManagerとOracle VM Managerの間の通信に使用するOVM Manager登録URL。

    • Oracle VM Managerパスワード: Oracle VM Managerへのアクセスに必要なパスワード。

    • Oracle VM UUID: 内部Oracle VM識別子。

    • Oracle VM Managerユーザー名: Oracle VM Managerへのアクセスに必要なユーザー名。

    • デプロイメントの製品構成のタイムアウト設定: アセンブリのデプロイメント中に製品構成に許可された合計待機時間。デフォルトは60分です。

    • SSHサービスがデプロイされた仮想マシンで実行しているかどうかをチェックするためのタイムアウト値: SSHサービスがゲストVM上で実行しているかどうかのチェックに許可されている合計待機時間。このパラメータは、ゲストVMに管理エージェントをデプロイするための前提条件として使用されます。

    • SyncDataFetchTime: Oracle VM Managerが最後に同期された時刻。

    • SyncStatus: Oracle VM Manager同期のステータス。

    • Exalogicにデプロイされました: Oracle VM ManagerがExalogicラック内にあるかどうかを示します。

  5. エントリを編集したら、「OK」をクリックして前ページに戻ります。

5.3.6 Oracle VM Managerのアップグレード

Enterprise ManagerおよびOracle VM Managerの以前のバージョンからOracle VM Manager 3.3にアップグレードするには、次の手順に従います。

  1. Oracle Management Serviceを12.1.0.4にアップグレードして、Oracle Virtualization 12.1.0.7プラグインをデプロイします。

  2. 管理エージェントを12.1.0.4にアップグレードして、Oracle Virtualization 12.1.0.7プラグインをデプロイします。

  3. 古いOracle VM Managerターゲットをブラックアウトします。

  4. Oracle VM Managerを3.3.1にアップグレードします。詳細は、Oracle VMインストレーションおよびアップグレード・ガイド、リリース3.3を参照してください。

  5. Oracle VM Serverを3.3.1にアップグレードします。詳細は、Oracle VMインストレーションおよびアップグレード・ガイド、リリース3.3を参照してください。

  6. WebLogic証明書をインポートします。詳細は、5.3.3項「Oracle VM Manager WebLogic証明書のインポート」を参照してください。

  7. Oracle VM Managerターゲットのブラックアウトのステータスを変更します。

  8. 必要な場合には、ターゲット・プロパティを追加または修正します。たとえば、Edit Oracle VM Managerページを使用したWebサービスのURLなどです。

5.4 Oracle VM Managerターゲットの同期

Enterprise Managerでは、OVMマネージャと、そのOVMマネージャに登録された様々な仮想化ターゲットを監視できます。OVMマネージャに登録されたターゲットは、Enterprise Managerの監視対象ターゲットでもある必要があります。OVM Managerで直接ターゲットを作成した場合、次の2つの方法でそれらを同期できます。

  • 自動同期

  • 手動同期

5.4.1 自動同期

Oracle VM Managerを登録または編集する際に、次のオプションを有効化できます。「自動同期」オプションを有効にした場合、Oracle VM Managerで行われたすべての変更は、一定間隔でEnterprise Managerに自動的に反映されます。デフォルトの間隔は1分間です。デフォルトの間隔を変更するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 右側のパネルでOracle VM Managerターゲットを選択して、Oracle VM Managerホーム・ページに移動します。

  3. 「ターゲット」メニューから、「監視」「メトリックと収集設定」の順に選択します。

  4. 「収集されたその他のアイテム」をクリックし、OVM Managerイベント・データ・メトリックの「収集スケジュール」リンクをクリックします。

  5. 必要に応じて頻度を変更し、「続行」「OK」の順にクリックします。


    注意:

    現時点で自動同期を有効化していない場合、次の手順に従って、後で有効化できます。
    • OVM Managerホームページに移動します。

    • 「ターゲット」メニューから、「ターゲット設定」「OVMマネージャの編集」の順に選択します。

    • 「自動同期」チェック・ボックスを選択し、「発行」をクリックします。


5.4.2 手動同期

Oracle VM Managerが登録されると、Oracle VM Managerで作成されたターゲットに対して「自動同期」オプションを有効にした場合、対応するターゲットがEnterprise Managerに作成されます。このオプションを有効化しない場合、次の手順に従ってターゲットを手動で同期できます。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「同期化」を選択します。

  3. 確認メッセージが表示されます。「発行」をクリックして、同期化を実行するためのジョブを発行します。Enterprise ManagerとOVMマネージャのターゲットが同期されます。

    • OVMマネージャに存在しないターゲットは削除されます。

    • OVMマネージャのみに存在するターゲットについては、対応するターゲットがEnterprise Managerに作成されます。

    • 他のすべてのターゲットでは、構成収集がリフレッシュされます。

5.5 仮想サーバーの検出

仮想サーバーは、仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザ)が実行されている物理ボックスを表すために使用される一般用語です。OVM Hypervisorをベアメタル・ボックスにインストールすることで、新しい仮想サーバーをプロビジョニングできます。仮想サーバーは、サーバー・プールに追加する前に検出されている必要があります。

Oracle VM Serverを検出する手順:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「仮想サーバーの検出」を選択します。

    図5-9 仮想サーバーの検出

    仮想サーバーの検出
  3. 仮想サーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。別々の行に複数のホスト名またはIPアドレスを入力できます。

  4. 検出対象の仮想サーバーで実行されているOracle VMエージェントのユーザー名およびパスワードを入力します。

  5. 「発行」をクリックして、仮想サーバーを検出します。

新しく検出されたOracle VM Serverにはそれ自体に関する基本的な情報およびネットワーク・ストレージへの即時接続性に関する情報が含まれますが、未構成状態とみなされます。ストレージおよびネットワークの構成が済むと、Oracle VM仮想サーバーをクラウド・インフラストラクチャとして使用する準備が整います。

5.6 仮想サーバーの再検出

仮想サーバーを再検出するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルで仮想サーバー・ターゲットを右クリックして、「仮想サーバーの再検出」を選択します。

  3. 確認メッセージが表示されます。「OK」をクリックして仮想サーバーを再検出し、追加された新しいNICおよびLUNをすべて検出します。

5.7 ネットワークの設定

この項では、Oracle VMネットワークの作成および使用について説明します。各論理ネットワークに名前または別名を定義できます。ネットワークを作成したら、Oracle VM Serverの物理ネットワーク・ポートを論理ネットワークに接続します。Enterprise Managerで論理ネットワークを定義する前に、VLANやサブネットの使用状況など、使用する物理ネットワークの構成を確認する必要があります。Oracle VMネットワークの設定では、次の操作を実行します。

5.7.1 MACアドレスの生成

仮想ネットワーク・インタフェース(VNIC)は、ネットワーク・トラフィックを仮想マシンに転送するために使用されます。仮想マシンのVNICに割り当てられるMACアドレスを生成できます。生成の必要なMACアドレスの範囲を指定します。

VLANグループはVLANインタフェースに置き換えられており、Vlanインタフェース構成時に、VLANセグメントID、次に、インタフェースが作成されるサーバーのポートを選択します。


注意:

MACアドレスは、データ・センターのすべてのOracle VM Manager全体を通じて一意である必要があります。

MACアドレスを作成する手順:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「ネットワークの管理」を選択します。

  3. 図5-11 仮想ネットワーク・インタフェース・カード・マネージャ

    ネットワーク
  4. 「仮想ネットワーク・インタフェース・カード・マネージャ」タブをクリックします。

  5. 「生成」をクリックします。MACアドレスの生成ポップアップ・ウィンドウで、3文字3組の初期MACアドレスを指定するよう求められます。これは、初期MACアドレスの2桁の数値です。「OK」をクリックして前のページに戻ります。これで、仮想マシンの作成時にこれらのVNICを使用できるようになります。

5.7.2 Oracle VM Manager 3.2以前のバージョンに対するVLANグループの構成


注意:

VLANグループの構成はオプションです。物理ネットワークにVLANが存在する場合、それをクラウドで使用するには、この項の手順に従います。

VLAN(仮想エリア・ネットワーク)は、サブネットおよび物理的位置を越えてネットワーク・インタフェースを仮想化するメカニズムであり、単一の閉じたLANのように見えます。このコンセプトは、分散されたインタフェース間でネットワーク・トラフィックを分離(およびグループ化)するために使用され、そのノード内でのセキュアなネットワーク・トラフィックを可能にします。

同じNICポート上に、複数の仮想LAN(VLAN)を作成できます。各VLANは、同じ物理接続上の他のVLANを使用して動作する独立した論理ネットワークです。VLANの構成時、それぞれが複数のVLANセグメントを含む1つ以上のVLANグループが作成されます。

各VLANには、個別VLAN IDが割り当てられます。VLAN IDは、アタッチされているVLANスイッチにより、同じリンク上で動作する異なるVLAN間のトラフィックを分離するために使用されます。構成されたVLANは、個別の物理接続とまったく同様に機能します。VLANは、使用する前に物理スイッチで構成する必要があります。VLANグループの作成手順:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「ネットワークの管理」を選択します。

  3. 「Vlanグループ」タブをクリックし、「作成」をクリックします。

  4. VLANグループの名前と説明を入力します。

  5. 1つ以上のVLANセグメントを入力します。これは、仮想サーバーをスイッチに接続するスイッチ・ポートで有効なVLAN IDです。有効範囲は1から4094までです。

  6. 「追加」をクリックし、ネットワークに追加するポートを選択します。ネットワークに追加する1つ以上の仮想サーバーを選択します。仮想サーバーのポートを3つ以上追加すると、最初の4つのポートが結合されます。ネットワーク結合とは、冗長性あるいはスループット向上を目的とする、ホスト上のネットワーク・インタフェースの組合せのことです。

    ネットワークで超特大フレームがサポートされる場合は、「MTU」フィールドで最大送信単位のサイズを設定する必要があります。「MTU」フィールドを設定することで最大送信レートが設定されるため、大きいパケットを送受信できます。MTUはイーサネットでは最大1500、1GbEでは9000および10GbEでは64,000に設定できます。


    注意:

    選択したポートには、有効なVLANセグメントIDが必要です。

  7. 「OK」をクリックして、VLANグループを作成します。

5.7.3 Oracle VM Manager 3.3用のVLANインタフェースの作成


注意:

VLANインタフェースの構成はオプションです。物理ネットワークにVLANが存在する場合、それをクラウドで使用するには、この項の手順に従います。

VLAN(仮想エリア・ネットワーク)は、サブネットおよび物理的位置を越えてネットワーク・インタフェースを仮想化するメカニズムであり、単一の閉じたLANのように見えます。このコンセプトは、分散されたインタフェース間でネットワーク・トラフィックを分離(およびグループ化)するために使用され、そのノード内でのセキュアなネットワーク・トラフィックを可能にします。VLANは、通常IDでタグ付けされるセグメントに分割されます。

異なるVLAN IDにタグ付けされたネットワーク・トラフィックを管理するには、各VLAN IDに対して別々のVLANまたは仮想インタフェースを作成できます。Oracle VM Managerに異なる論理ネットワークを作成する場合は、これらのVLANインタフェースを異なるネットワークにアタッチして、個々のVLAN IDに属するトラフィックのタイプを指定できます。

ネットワークがVLANをサポートするように構成されている場合には、それぞれのサーバー上に異なるVLAN IDに対するインタフェースを定義する必要がありますので、VLAN分離を活用したOracle VMネットワークを定義できます。

同じNICポート上に、複数の仮想LAN(VLAN)を作成できます。各VLANは、同じ物理接続上の他のVLANを使用して動作する独立した論理ネットワークです。VLANの構成時、それぞれが複数のVLAN IDを含む1つ以上のVLANインタフェースが作成されます。

各VLANには、個別VLAN IDが割り当てられます。VLAN IDは、アタッチされているVLANスイッチにより、同じリンク上で動作する異なるVLAN間のトラフィックを分離するために使用されます。構成されたVLANは、個別の物理接続とまったく同様に機能します。VLANは、使用する前に物理スイッチで構成する必要があります。VLANインタフェースを作成するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「ネットワークの管理」を選択します。

  3. 「VLANインタフェース」タブをクリックし、「作成」をクリックします。

    図5-12 VLANインタフェースの作成

    図5-12については周囲のテキストで説明しています。
  4. 1つ以上のVLANセグメントをカンマで区切って入力します。

    VLANは、通常IDでタグ付けされるセグメントに分割されます。このIDは、仮想サーバーをスイッチに接続するスイッチ・ポートで有効化されます。有効範囲は2から4094までです。

  5. 「追加」をクリックし、ネットワークに追加するポートを選択します。「VLANインタフェースの作成: ポートの追加」ページで、「仮想サーバーの選択」フィールドの隣の「検索」アイコンをクリックします。ネットワークに追加する1つ以上の仮想サーバーを選択して、「選択」をクリックします。MTUサイズ、MACアドレスおよびステータスとともにポートのリストが表示されます。追加するポートを選択して、「続行」をクリックします。1台の仮想サーバーの複数ポートを選択すると、それらのポートは結合されます。ネットワーク結合とは、冗長性あるいはスループット向上を目的とする、ホスト上のネットワーク・インタフェースの組合せのことです。

  6. 選択したポートが表示されます。それぞれのポートについて、次の内容を変更できます。

    • 「MTU」: ネットワークで超特大フレームがサポートされる場合は、「MTU」フィールドで最大送信単位のサイズを設定する必要があります。「MTU」フィールドを設定することで最大送信レートが設定されるため、大きいパケットを送受信できます。MTUはイーサネットでは最大1500、1GbEでは9000および10GbEでは64,000に設定できます。

    • アドレス・タイプ: ネットワーク・アドレスの割当てタイプは、「静的」、「動的」または「なし」のいずれかとなります。

    • IPアドレス: ポートのIPアドレスです。

    • ネットマスク: ポートのネットマスクです。

    • 結合モード: ネットワーク・ボンディングとは、冗長性やスループットの増加に向けて1つのホスト上でネットワーク・インタフェースを組み合せることです。これには次のものがあります。

      • アクティブ-バックアップ: アクティブなNICが1つと、休止状態のNICが1つ存在します。アクティブなNICが停止すると、もう一方のNICがアクティブになります。

      • ロード・バランシング: マシンのNICを介してネットワーク・トラフィックが均等にバランス化され、冗長化のためにフェイルオーバーもサポートされています。

      • リンクの集約: 集約されたNICが1つのNICとして機能する結果としてスループットが高くなりますが、NICが故障した場合にはフェイルオーバーの提供も行います。


    注意:

    選択したポートには、有効なVLANセグメントIDが必要です。

  7. VLANセグメントがポート、MTU、アドレス・タイプ、IPアドレス、ネットマスクとともにVLANインタフェース領域にリストされます。必要な場合には、パラメータを修正できます。

    「管理」アイコンをクリックしてVLANセグメントの追加または削除を行い、「OK」をクリックして「VLANインタフェースの作成」ページに戻ります。「OK」をクリックしてVLANインタフェースを作成し、「ネットワーク」ページに戻ります。

5.7.3.1 VLANインタフェースの表示

追加されたVLANインタフェースを表示するには、「ネットワーク」ページの「VLANインタフェース」タブをクリックします。VLANインタフェースは、次の詳細内容とともにリストされます。

  • 名前: 作成されたVLANインタフェースの名前です。

  • ポート: VLANインタフェースが割り当てられたネットワーク・ポートです。

  • セグメント: VLANインタフェースに割り当てられたVLAN IDです。

  • サーバー: VLANインタフェースが位置するサーバーです。

  • ネットワーク: VLANインタフェースがアタッチされているネットワークです。

  • MTU: VLANインタフェースのMTU値です。

  • アドレス・タイプ: ネットワーク・アドレスの割当てタイプです。この値は、「静的」、「動的」または「なし」のいずれかです。

  • IPアドレス: VLANインタフェースに割り当てられたIPアドレスです。

  • ネットマスク: VLANインタフェースに適用されたネットマスクです。

5.7.3.2 VLANインタフェースの編集

VLANインタフェースを編集するには、次の手順に従います。

  1. VLANインタフェースのリストから編集するVLANインタフェースを選択して「編集」をクリックします。

  2. 「VLANインタフェースの編集」ページでは、MTU設定と「アドレス・タイプ」を編集できます。「静的」タイプを選択すると、「IPアドレス」および「ネットマスク」を指定できます。

  3. 「OK」をクリックして、変更を保存し、前のページに戻ります。

5.7.3.3 VLANインタフェースの削除

VLANインタフェースを削除するには、次の手順に従います。

  1. VLANインタフェースのリストから削除するVLANインタフェースを選択して「削除」をクリックします。

  2. 「Delete Confirmation」ダイアログ・ボックスが表示されます。「OK」をクリックしてVLANインタフェースを削除します。

5.7.4 ネットワークの作成

ネットワークは、Oracle VM仮想サーバーの物理的NICポートをグループ化したものです。この項では、論理ネットワークを作成する手順について説明します。

前提条件

  • ネットワーク・プロファイルをネットワークと関連付ける場合は、ネットワークを作成する前にネットワーク・プロファイルを作成する必要があります。ネットワーク・プロファイルには、ネットワーク・インタフェースの構成(IPアドレス、サブネット・マスク、ホスト名、DNSサーバー)が保存され、新規にプロビジョニングする仮想マシンのネットワーク・インタフェースに割り当てられます。

次の手順に従って、論理ネットワークを作成します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「ネットワークの管理」を選択します。

  3. 「ネットワーク」タブの「作成」オプションをクリックします。VLANグループのポートを構成するよう求められます。「VLANグループの作成」をクリックし、VLANグループを構成します。

    Oracle VM Manager 3.3では、「VLANインタフェースの作成」をクリックしてVLANインタフェースを構成します。詳細は、第5.7.3項「Oracle VM Manager 3.3用のVLANインタフェースの作成」を参照してください。

    VLANグループまたはインタフェースを構成せずにネットワークを作成する場合は、「ネットワーク作成の続行」をクリックします。ネットワークの作成: 一般ページで、ネットワークの名前および説明を入力します。

    図5-13 ネットワークの作成: 一般

    ネットワークの作成: 一般ページ
  4. インターサーバーまたはイントラサーバー・ネットワークを作成するかどうかを指定します。インターサーバー・ネットワークは、標準スイッチを介してルーティング可能です。イントラサーバー・ネットワークは、外部の物理ネットワークにルーティングせずに、単一サーバー内で使用可能です。

  5. 「ネットワーク・ロール」セクションで、1つ以上のチェック・ボックスを選択して、ネットワーク・ロールを指定します。


    注意:

    ゲストVMをデプロイするには、少なくとも1つのVirtual Machineロールを持つ論理ネットワークが必要です。

    • サーバー管理: 異なる仮想サーバーでOracle VMエージェントを更新する場合など、サーバー・プール内の物理仮想サーバーを管理します。

    • ライブ・マイグレーション: ライブ・マイグレーションの通信量です。仮想マシンのステータスを変更せずに、サーバー・プール内の仮想サーバー間で仮想マシンを移行できます。

    • クラスタ・ハートビート: クラスタ・ハートビートの通信量です。

    • 仮想マシン: サーバー・プール内の異なる仮想マシン間のネットワーク・トラフィックのために使用されます。仮想マシンのロールは、「インター・サーバー」(標準のスイッチによりルーティング可能)または「イントラ・サーバー」(外部の物理ネットワークへのルートなし)のいずれかです。仮想マシンのロールは、ネットワーク上で一意であることが必要です(つまり他のネットワーク・ロールを持つことはできません)。しかし、1つのOracle VM Manager内に「仮想マシン」のロールを持つ複数のネットワークが存在することは可能であり、それが一般的です。

    • 記憶域: サーバー・プールのすべての記憶域のトランスポートに使用されます。これは、仮想サーバーがイーサネットベースの記憶域リポジトリに接続するために使用されます。

  6. をクリックします。「ポートおよびVlanインタフェースの構成」ページにおいて、「追加」をクリックしてリストからVLANインタフェースを選択します。

    図5-14 ネットワークの作成: ポートおよびVlanインタフェースの構成 (OVM Manager 3.2)

    ネットワーク構成の作成
  7. VLANセグメントを追加したら、「追加」をクリックし、VLANインタフェースとポートを追加します。ネットワークに追加するポートを選択します。3つ以上のポートを選択すると、結合され、1つのインタフェースに集約されます。デフォルトでは、「結合モード」はアクティブ・パッシブですが、次のいずれかを選択してこれを変更できます。

    • アクティブ・パッシブ: 1つのアクティブNICがあります。これが停止すると、別のNICがアクティブになります。

    • リンク集計: すべてのNICが1つのNICとして機能する結果としてスループットが高くなります。

    • ロード・バランシング: マシンのNICを介してネットワーク・トラフィックが均等にバランス化されます。

    ネットワークで超特大フレームがサポートされる場合は、「MTU」フィールドで最大送信単位のサイズを設定する必要があります。「MTU」フィールドを設定することで最大送信レートが設定されるため、大きいパケットを送受信できます。MTUはイーサネットでは最大1500、1GbEでは9000および10GbEでは64,000に設定できます。

    注意: Oracle VM Manager 3.3を使用している場合には、次のページが表示されます。

    図5-15 ネットワークの作成: ポートおよびVlanインタフェースの構成 (OVM Manager 3.3)

    ネットワークの作成:OVM 3.3
  8. をクリックします。ネットワーク・プロファイルおよびQoSページが表示されます。


    注意:

    ネットワーク・プロファイルおよびQoSの定義はオプションです。ネットワーク・プロファイルには、ネットワーク・インタフェースの構成(IPアドレス、サブネット・マスク、ホスト名、DNSサーバー)が保存され、新規にプロビジョニングする仮想マシンのネットワーク・インタフェースに割り当てられます。

    図5-16 ネットワークの作成: ネットワーク・プロファイルおよびQoS

    ネットワークの作成: ネットワーク・プロファイルおよびQOS

    次の項目を指定します。

    • ネットワーク・タイプ: 「インターネット・ルーティング可能」、「インターネット・ルーティング不能」、または事前定義済のネットワーク・タイプのセットを選択できます。詳細は、第5.16.1項「ネットワーク・タイプの設定」を参照してください。

    • ネットワーク・プロファイル: ネットワーク・プロファイルは、ホスト名(オプション)および共通ネットワーク属性に関連付けられたIPアドレスのセットを定義します。詳細は、第5.8項「ネットワーク・プロファイルの作成」を参照してください。

  9. これまでに入力した詳細を確認し、「終了」をクリックしてネットワークを作成します。

5.8 ネットワーク・プロファイルの作成

ネットワーク・プロファイルを使用して、ゲスト仮想マシンに対するIPアドレスの割当てを自動化します。ネットワーク・プロファイルは、IPアドレスおよびホスト名のリストです。IPアドレス、関連するホスト名、共通のネットワーク属性のセットを定義します。

図5-17 ネットワーク・プロファイル

ネットワーク・プロファイル

ネットワーク・プロファイルを作成するには、次の手順に従います:

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「ネットワーク・プロファイル」の順に選択します。

  2. ネットワーク・プロファイル・ページで、「作成」をクリックします。

  3. ネットワーク・プロファイルの作成ポップアップ・ウィンドウに次の詳細を入力します。

    • 名前: ネットワーク・プロファイル名を識別する一意の名前。

    • ドメイン名: プロファイルを定義するドメイン。ドメイン名の先頭は、ドット(.)にできません。たとえば、ドメイン名はus.example.comのように指定する必要があり、.us.example.comのように先頭をドット(.)にすることはできません。

    • ネットマスク: サブネットIPのネットワーク・マスク。例: 255.255.240.0

    • ゲートウェイ: IPアドレス・リストのゲートウェイ。

    • DNSサーバー: 名前解決サーバー。

  4. IPアドレスのリストを追加することも、範囲を指定することもできます。次のように選択します。

    • リスト: IPアドレスをホスト名およびMACアドレス(オプション)とともに指定します。

    • 範囲: ホスト名パターンを指定します。初期値は、生成されたホスト名に追加されます。最初のIPアドレスおよび最後のIPアドレスは、範囲を定義します。たとえば、パターンがhostprod、初期値が1である場合、最初のIPアドレスは10.1.1.1、最後のIPアドレスは10.1.1.3、ホスト名はhostprod1hostprod2およびhostprod3になります。

  5. 「OK」をクリックして、ネットワーク・プロファイルを保存します。

5.9 ストレージ・サーバーの登録

記憶域サーバー、ファイルシステムおよびLUNなどの外部記憶域要素を作成できます。外部記憶域要素は、NFS共有を提供するNAS用として構成されたサーバーなどの専用記憶域ハードウェアで作成されます。記憶域要素が存在するサーバーは、ファイバ・チャネルまたはイーサネット・ネットワークを介してOracle VM Serverからアクセスできる必要があります。このような外部記憶域デバイスを複数使用して仮想サーバー・プールを構成できます。

図5-18 記憶域サーバーおよびファイル・システムの作成

記憶域サーバーおよびファイルシステムの作成

記憶域サーバーを設定するには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「記憶域の管理」を選択します。図5-19が表示されます。

  3. 図5-19 ストレージ・サーバー

    ストレージ・サーバー
  4. 定義済のファイル・サーバー、ストレージ・アレイおよびローカル・ファイル・サーバーの一覧が表示されます。

    • タイプ: 定義するストレージ・アレイのタイプを選択します。ストレージ・アレイは、仮想マシンの仮想ディスクを格納するために使用できる追加のネットワーク提供ストレージです。サーバー・プールは複数の外部ストレージ・デバイスを使用して構成できます。3つのタイプのストレージ・サーバーを定義できます。

      • iSCSI: Oracle VM Serverで構成または検出されたiSCSIターゲット

      • SAN: Oracle VM Serverで構成または検出されたファイバ・チャネルのSANターゲット

      • NFS: ローカルにマウントされているNFSまたはNASファイル・システム

      ファイル・サーバー(NFS)またはストレージ・アレイ(iSCSIまたはSAN)を選択します。

  5. 適切なリンクをクリックすると、ファイル・サーバーまたはストレージ・アレイを登録できます。

  6. ストレージ要素を選択して「検出」をクリックし、サーバー上で使用可能なファイル・システムの検出操作を開始します。ファイル・システムのリフレッシュを求める確認メッセージが表示されます。「OK」をクリックしてファイル・システムをリフレッシュし、記憶域ページに戻ります。

  7. 「ファイル・サーバー」「ストレージ・アレイ」または「ローカル・ファイル・サーバー」リンクをクリックして、詳細ページにドリルダウンします。

  8. ストレージ要素を選択して、「検証」をクリックします。ストレージ・サーバーを検証する確認メッセージが表示されます。「OK」をクリックしてファイル・システムをリフレッシュし、記憶域ページに戻ります。

5.9.1 ファイル・サーバーの登録

ファイル・サーバーを登録するには、次の手順に従います:

  1. ストレージ・ページで「ファイル・サーバー」リンクをクリックします。「ファイル・サーバーの登録 : 一般」ページが表示されます。

    図5-20 ファイル・サーバーの登録: 一般

    ファイル・サーバーの登録: 一般ページ
  2. 次の詳細を入力します。

    • 名前: 記憶域サーバーを識別するための名前。

    • プラグイン名: Oracle VM Managerは、一連のプラグインを介して外部記憶域と通信します。汎用プラグインは、既存の記憶域リソースの検出および操作など、すべての記憶域ハードウェアに対して限定された標準記憶域操作を提供します。ベンダー固有のプラグインには、より多くの操作(スナップショット、クローニングなど)が含まれます。

    • 管理ホスト: 管理サーバーのホスト名。

    • 管理者のユーザー名とパスワード: 管理サーバーのユーザー名とパスワード。

    • ホストにアクセス: 外部ストレージを提供するサーバーのホスト名またはIPアドレス。

    • 均一エクスポート: NFSエクスポートが均一であることを指定するには、このチェック・ボックスを選択します。これによって、サーバー・プール内のすべてのVMサーバーがNFSサーバー上の同じエクスポートにアクセスできます。このチェック・ボックスを選択しない場合、NFSファイル・システムをリフレッシュするために使用する特定のサーバーしかNFSエクスポートにはアクセスできません。

  3. をクリックします。「ファイル・サーバーの登録: サーバーの管理およびリフレッシュ」ページが表示されます。次のように入力します。

    • 管理サーバー: 必要なストレージ・プラグインがインストールされていて、ストレージ・サーバーの管理ホストと情報を交換するVMサーバーが管理サーバーとして参照されます。「追加」をクリックして、管理サーバーを1つ以上追加します。

    • サーバーのリフレッシュ: ファイル・サーバーの登録: 一般ページで「均一エクスポート」チェック・ボックスを選択していない場合、「追加」をクリックして、NFSファイル・システムをリフレッシュするために使用する「サーバーのリフレッシュ」リストを指定します。

  4. 「終了」をクリックして、ファイル・サーバーを追加します。新規サーバーが表に表示されます。この時点で、記憶域接続プラグインによって記憶域場所へのリンクが確立されています。記憶域はまだマウントされていません。

  5. 「検出」をクリックし、サーバー上で使用可能なファイルシステムの検出操作を開始します。操作が完了すると、使用可能なファイルシステムが記憶域詳細ページの「ファイルシステム」タブに表示されます。

5.9.2 ストレージ・アレイの登録

ストレージ・アレイを登録するには、次の手順に従います:

  1. ストレージ・ページで「ストレージ・アレイ」リンクをクリックします。「ストレージ・アレイの登録: 一般」ページが表示されます。

    図5-21 ストレージ・アレイの登録: 一般

    ストレージ・アレイの登録: 一般
  2. 次の詳細を入力します。

    • 名前: 記憶域サーバーを識別するための名前。

    • 記憶域タイプ: 定義できるストレージ・アレイのタイプを選択します。ストレージ・アレイは、仮想マシンの仮想ディスクを格納するために使用できる追加のネットワーク提供ストレージです。2つのタイプのストレージ・アレイを定義できます。

      • ファイバ・チャネル・ストレージ・アレイ: Oracle VM Serverで構成または検出されたファイバ・チャネルSANターゲット。

      • iSCSIストレージ・アレイ: Oracle VM Serverで構成または検出されたiSCSIターゲット。

    • プラグイン名: Oracle VM Managerは、一連のプラグインを介して外部記憶域と通信します。汎用プラグインは、既存の記憶域リソースの検出および操作など、すべての記憶域ハードウェアに対して限定された標準記憶域操作を提供します。ベンダー固有のプラグインには、より多くの操作(スナップショット、クローニングなど)が含まれます。

    • プラグイン・プライベート・データ: 必要な任意のベンダー固有のストレージ・プラグイン・データ。これは、汎用ストレージに使用できません。


      注意:

      ベンダー固有のストレージ・アレイを登録するときは、「plug-in private data」フィールドに入力した情報を必ず再度確認してください。ストレージ・アレイが登録されると、このフィールドは変更できなくなります。プラグイン・プライベート・データを更新する必要がある場合は、ストレージ・アレイを登録解除してから再登録する必要があります。

    • 管理ホスト: 管理サーバーのホスト名。

    • 管理者のユーザー名とパスワード: 管理サーバーのユーザー名とパスワード。

  3. をクリックします。ストレージ・アレイの登録 : アクセス情報ページが表示されます。

    図5-22 ストレージ・アレイの登録: アクセス情報

    ストレージ・アレイの登録: アクセス情報ページ
  4. 次の詳細を入力します。

    • ホストにアクセス: 外部ストレージを提供するサーバーのホスト名またはIPアドレス。

    • アクセス・ポート: ストレージのアクセスに使用するポート番号。

    • アクセス・ユーザー名とアクセス・パスワード: アクセス・ホストのユーザー名とパスワード。

    • Chapの使用(すべてのアクセス・ホストに適用): CHAP認証を有効にするには、このチェック・ボックスを選択します。


      注意:

      ストレージ・アレイの登録: 一般ページで、「記憶域タイプ」を「iSCSIストレージ・アレイ」に、「プラグイン名」をOracle汎用SCSI記憶域プラグイン(1.2.1以降)に選択した場合、図5-23に示すように複数のアクセス・ホストを追加できます。

    図5-23 ストレージ・アレイの登録(複数)

    ストレージ・アレイの登録(複数)
  5. をクリックします。「ストレージ・アレイの登録: 管理サーバー」ページが表示されます。「追加」をクリックして、ストレージ・プラグインがインストールされている管理サーバーを1つ以上追加します。管理サーバーは、ストレージ・サーバーの管理ホストと情報をやり取りします。

  6. 「終了」をクリックして、ストレージ・アレイを追加します。新規サーバーが表に表示されます。この時点で、記憶域接続プラグインによって記憶域場所へのリンクが確立されています。記憶域はまだマウントされていません。

  7. 「検出」をクリックし、サーバー上で使用可能なファイルシステムの検出操作を開始します。操作が完了すると、使用可能なファイル・システムが記憶域詳細ページの「一般」タブに表示されます。

5.9.3 ファイル・サーバーの詳細

「ファイル・サーバー」リンクをクリックし、詳細ページを表示します。このページには次のタブがあります。

  • 一般: 管理サーバーのリストが表示されます。管理サーバーは、ストレージ・プラグインがインストールされている仮想サーバーです。管理サーバーを追加したり、既存のサーバーを削除したりできます。

    「構成」リージョンに、ストレージ・サーバーの詳細が表示されます。「編集」をクリックして、名前、説明、外部記憶域を提供するアクセス・ホストの名前などの詳細を変更します。

    「ストレージQOSマッピング」リージョンで、クラウド管理者によって定義された記憶域タイプをストレージ・サーバーで定義されたQOSにマップします。

  • サーバーのリフレッシュ: 不均一なNFSファイル・システム・エクスポートでは、リフレッシュする必要のあるサーバーを指定できます。「追加」をクリックします。「サーバーのリフレッシュ」ダイアログ・ボックスが表示されます。「サーバーの選択」をクリックし、リストから1つ以上のサーバーを選択して「選択」をクリックします。「OK」をクリックするとサーバーがリフレッシュされます。

  • ファイル・システム: ファイル・システムのリストが表示されます。次の操作を実行できます。

    • リストからファイルシステムを選択して、「編集」をクリックします。ファイルシステムの名前と説明を変更できます。

    • ファイル・システムを選択して、「削除」をクリックします。確認メッセージが表示されます。ファイル・システムを削除するには、「OK」をクリックします。

    • 1つ以上のファイル・システムを選択して、「リフレッシュ」をクリックします。確認メッセージが表示されます。「OK」をクリックして、ファイル・システムをリフレッシュします。

  • アクセス・グループ: リフレッシュするサーバーとファイル・システム(エクスポート)間のマッピングが表示されます。アクセス・グループを作成、編集または削除できます。

5.9.4 ストレージ・アレイの詳細

「ストレージ・アレイ」リンクをクリックし、詳細ページを表示します。このページには4つのタブがあります。

  • 一般: ストレージ・アレイについての一般的な情報が提供されます。管理サーバーのリストが「管理」リージョンに表示されます。管理サーバーは、ストレージ・プラグインがインストールされている仮想サーバーです。管理サーバーを追加したり、既存のサーバーを削除したりできます。

    「構成」リージョンに、ストレージ・サーバーの詳細が表示されます。「編集」をクリックして、「名前」と「説明」を変更します。

  • 物理ディスク: ストレージ・アレイのすべての物理ディスクの一覧が表示されます。ストレージ・コネクタのタイプに応じて、作成、クローン、編集、サイズ変更(物理ディスクのサイズ変更または拡張)、再スキャン(物理ディスクのリフレッシュ)、削除およびファイル・システムの作成(物理ディスク上にOCFS2ファイル・システムを作成)ができます。


    注意:

    許可されている操作は、インストールされている記憶域接続プラグインのタイプによって異なります。たとえば、一般的なストレージ接続プラグインがインストールされている場合、物理ディスクで「作成」操作は実行できません。

  • アクセス・グループ: ストレージ・イニシエータと物理ディスクのマッピングが表示されます。アクセス・グループの作成、編集、提示/非提示(物理ディスクの追加または削除)、削除ができます。

  • ボリューム・グループ: このストレージ・サーバーで使用できるボリューム・グループが表示されます。

5.9.5 ローカル・ファイル・サーバーの詳細

「ローカル・ファイル・サーバー」リンクをクリックして、詳細ページを表示します。このページには次のタブがあります。

  • 一般: 管理ホスト、プラグイン名など、選択したローカル・ファイル・サーバーの構成詳細が表示されます。

  • 「ファイルシステム」: リストのファイルシステムを編集またはリフレッシュできます。リストからファイルシステムを選択して、「編集」をクリックします。ファイルシステムの名前と説明を変更できます。

    リフレッシュするには、リストからファイルシステムを選択して「リフレッシュ」をクリックします。仮想サーバーの名前を選択し、「OK」をクリックしてファイルシステムをリフレッシュします。

5.10 記憶域リポジトリの作成

記憶域リポジトリは、サーバー・プール内のOracle VM Serverまたは各種のサーバー・プールで使用できる、物理的なストレージ・ハードウェア上にある仮想ディスク領域です。それにより、Oracle VMリソースが存在する場所が定義されます。リソースには、仮想マシン、仮想マシン作成用のテンプレート、仮想マシンのアセンブリ、ISOイメージ、共有仮想ディスクなどが含まれています。

ストレージ・サーバーを作成したら、記憶域リポジトリを作成して、ゾーン内のサーバー・プールに記憶域リソースを割り当てることができます。

記憶域リポジトリを作成するには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「記憶域リポジトリの管理」を選択します。

    図5-24 記憶域リポジトリ

    記憶域リポジトリ
  3. 定義された記憶域リポジトリのリストが表示されます。「作成」をクリックして、記憶域リポジトリを作成します。

  4. ポップアップ・ウィンドウで、記憶域リポジトリの名前を入力します。

    図5-25 記憶域リポジトリの作成

    記憶域リポジトリの作成
  5. 「ディスク」フィールドの「検索」アイコンをクリックして、記憶域リポジトリを作成する記憶域サーバーおよびファイルシステムを選択し、「OK」をクリックします。

    NFSファイル・システムを選択した場合は、ストレージ・サーバーおよび仮想サーバーの場所を選択する必要があります。オプションで、共有パスおよび説明を指定できます。記憶域リポジトリが作成され、記憶域リポジトリ・ページに表示されます。

5.10.1 記憶域リポジトリでの管理操作の実行

記憶域リポジトリを作成した後、記憶域リポジトリに対して複数の管理操作を実行できます。記憶域リポジトリのリストは、サーバー・プールの選択内容によって異なります。複数のサーバー・プールを選択すると、すべての記憶域リポジトリが表示されます。個別のサーバー・プールを選択すると、このサーバー・プールにのみ関連する記憶域リポジトリが表示されます。次の操作を実行できます。

  • 編集: リポジトリを選択し、「編集」をクリックします。リポジトリの名前や説明を変更したり、所有権をリリースできます。変更を保存する場合は、「OK」をクリックします。

    図5-26 記憶域リポジトリの編集

    記憶域リポジトリの編集

    注意:

    物理ディスク上に作成された記憶域リポジトリを編集する場合、記憶域リポジトリが関連付けられているサーバー・プールを変更できます。サーバー・プールを変更するには、「編集」ダイアログ・ボックスの「サーバー・プール」フィールドの隣にある「検索」アイコンをクリックして、別のサーバー・プールを選択し、「OK」をクリックします。

  • 削除: リポジトリを選択し、「削除」をクリックします。選択したリポジトリのすべてのコンテンツがその関連付けとともに削除されます。

  • 自動リフレッシュ: 「自動リフレッシュ」を有効化し、すべての記憶域リポジトリのファイル・システム・サイズを定期的にリフレッシュおよび更新する場合、このオプションを選択します。表示されるダイアログ・ボックスで、「有効化」チェック・ボックスを選択して、ファイル・システム・サイズをリフレッシュする「間隔」を指定します。


    注意:

    「自動リフレッシュ」オプションによりリポジトリがロックされるため、このオプションはデプロイメント操作が何もスケジュールされていない場合に使用する必要があります。

5.11 記憶域リポジトリの提示

記憶域リポジトリを作成した後、記憶域リポジトリを1つ以上のサーバー・プールに伝播できます。記憶域リポジトリを準備して作成しても、使用するには仮想サーバーに対して使用可能にすることも必要です。通常、記憶域サーバーはサーバー・プール内のすべての仮想サーバーに対して提示します。

記憶域リポジトリをサーバー・プールに提示するには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「記憶域リポジトリの管理」を選択します。

  3. 記憶域リポジトリ・ページで、一覧から記憶域リポジトリを選択します。記憶域リポジトリが伝播されたサーバー・プールのリストが表示されます。

    図5-27 提示されたサーバー

    提示されたサーバー
  4. リストから1つ以上のサーバー・プールを選択し、「提示」をクリックします。「サーバーの提示」ダイアログ・ボックスで、「サーバーの選択」アイコンをクリックします。「ターゲットの選択」ダイアログ・ボックスに、メンバーの一覧が表示されます。ダイアログ・ボックス内の「メンバー」を開き、ゾーンのボックス、プール、または個別の仮想サーバーを選択し、「選択」をクリックして前のダイアログ・ボックスに戻ります。「提示」をクリックし、メンバーをサーバーにマウントします。

5.12 記憶域リポジトリへのアセンブリ、テンプレートおよび仮想ディスクのインポート

Oracle VM Serverに関連付けられた記憶域リポジトリには、Oracle VM Serverに関連付けられたバイナリ・コンポーネントが格納されます。記憶域リポジトリには、次のようなソフトウェア・コンポーネントが格納できます。

  • Oracle VMテンプレート

  • Oracle仮想アセンブリ

  • ISO

  • 仮想ディスク

  • VMファイル

Oracle仮想アセンブリ、Oracle VMテンプレートおよびISOイメージは、それらを使用してゲスト仮想マシンを作成する前に、記憶域リポジトリにインポートしておく必要があります。次の手順に従って、ソフトウェア・コンポーネントを記憶域リポジトリにインポートします。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「記憶域リポジトリの管理」を選択します。

  3. 「リポジトリ名」リンクをクリックします。記憶域リポジトリ詳細ページでは、選択した記憶域リポジトリが伝播されたサーバー・プールのリストが表示されます。

  4. 「アセンブリ」タブをクリックします。アセンブリは、単一の.ovaファイルとしてインポートできます。

    図5-28 記憶域リポジトリ - アセンブリ

    記憶域リポジトリ: アセンブリ
    • 「インポート」をクリックします。アセンブリは、ソフトウェア・ライブラリまたは外部リソースからインポートできます。次のように選択します。

      • ソフトウェア・ライブラリ: ソフトウェア・ライブラリに存在するアセンブリのリストが表示されます。インポートするアセンブリを選択し、「OK」をクリックします。アセンブリがインポートされると、一連のテンプレートが作成されます。このオプションでは、構成ファイル、ディスク・イメージなどのアセンブリのコンテンツを解凍します。

      • 外部: アセンブリのインポート元の外部URLを指定し、「OK」をクリックします。指定するURLは、リポジトリが存在するOVSホストからアクセスできる必要があります。

  5. 「ISO」タブをクリックし、ISOイメージをインポートします。仮想マシンは、物理DVDまたはCD-ROMドライブにアクセスできません。DVDまたはCD-ROMのイメージが含まれる.isoファイルを提供することにより、仮想ドライブを仮想マシンに割り当てることができます。これらのイメージ・ファイルは、記憶域リポジトリの「ISO」タブにあります。

    • 「インポート」をクリックします。ISOイメージは、ソフトウェア・ライブラリまたは外部リソースからインポートできます。次のように選択します。

      • ソフトウェア・ライブラリ: ソフトウェア・ライブラリに存在するISOイメージのリストが表示されます。インポートするISOイメージを選択し、「OK」をクリックします。インポートされたISOイメージを選択し、「割当て」をクリックして、このテンプレートをサーバー・プールに割り当てます。

      • 外部: ISOイメージのインポート元の有効な外部URLを指定し、「OK」をクリックします。指定するURLは、リポジトリが存在するOVSホストからアクセスできる必要があります。

  6. 「VMテンプレート」タブをクリックします。テンプレートには、単一の仮想マシンの構成が含まれます。新規仮想マシンを作成する場合、最初から作成するかテンプレートから作成するかを選択します。記憶域リポジトリでは、通常、テンプレートはアーカイブ(.tgz.tarまたはその他)としてインポートされます。アーカイブには、仮想マシンの構成が記載された.cfgファイルとともに、仮想ディスク・イメージである.imgファイルが少なくとも1つ含まれます。

    図5-29 記憶域リポジトリ - VMテンプレート

    記憶域リポジトリ: VM
    • 「インポート」をクリックします。VMテンプレートは、ソフトウェア・ライブラリまたは外部リソースからインポートできます。次のように選択します。

      • ソフトウェア・ライブラリ: ソフトウェア・ライブラリに存在するVMテンプレートのリストが表示されます。インポートするVMテンプレートを選択し、「OK」をクリックします。テンプレートがインポートされた後、テンプレートを選択し、「割当て」をクリックして、このテンプレートをサーバー・プールに割り当てます。

      • 外部: VMテンプレートのインポート元の有効な外部URLを指定し、「OK」をクリックします。指定するURLは、リポジトリが存在するOVSホストからアクセスできる必要があります。

  7. 仮想ディスクタブをクリックします。

    図5-30 記憶域リポジトリ - 仮想ディスク

    記憶域リポジトリ: 仮想ディスク
    • 「作成」をクリックして、作成する仮想ディスクのサイズを指定します。

    • 「共有」チェック・ボックスを選択して、共有ディスクであることを指定します。

    • 「インポート」をクリックします。仮想ディスクは、ソフトウェア・ライブラリまたは外部リソースからインポートできます。次のように選択します。

      • ソフトウェア・ライブラリ: ソフトウェア・ライブラリに存在する仮想ディスクのリストが表示されます。インポートする仮想ディスクを選択し、「OK」をクリックします。インポートされた仮想ディスクを選択し、「割当て」をクリックして、このテンプレートをサーバー・プールに割り当てます。

      • 外部: 仮想ディスクのインポート元の有効な外部URLを指定し、「OK」をクリックします。指定するURLは、リポジトリが存在するOVSホストからアクセスできる必要があります。http://またはftp://プロトコルを使用して仮想ディスクを参照する場合、この参照にuser/pwを含める必要があります。

        たとえば、URLとしてhttp://user:pw@host/virtualdisk_file_image_fileまたはftp://user:pw@host/virtual_disk_image_fileを指定する必要があります。NFSを介して仮想ディスクにアクセスできる場合、OVSがNFS自動マウントに対して有効であれば、file:///net/host/virtual_disk_image_fileを指定することもできます。

  8. 「戻る」をクリックして、記憶域リポジトリ・ページに戻ります。

5.12.1 リポジトリのエクスポートの作成(オプション)

サード・パーティのアプリケーションを使用して記憶域リポジトリのコンテンツをバックアップするように仮想サーバーを構成できます。

前提条件

  • リポジトリのエクスポート機能は、物理ディレクトリに基づく記憶域リポジトリでのみ使用でき、少なくとも1つのサーバーがリポジトリに提示されている必要があります。

  • 仮想サーバーは、リポジトリのコンテンツにアクセスするNFS共有を提供するように構成する必要があります。

  • 仮想サーバーはクラスタ化されたサーバー・プールにあり、OCFS2ベースの記憶域リポジトリが提示されている必要があります。

リポジトリのエクスポートを作成するには、次の手順に従います。

  1. 記憶域リポジトリの詳細ページで「リポジトリのエクスポート」タブをクリックします。

  2. 「作成」をクリックします。リポジトリのエクスポートの作成ウィンドウが表示されます。

    図5-31 記憶域リポジトリ - リポジトリのエクスポート

    記憶域リポジトリ - リポジトリのエクスポート
  3. 記憶域リポジトリのコンテンツをエクスポート・サーバーにマウントするのに使用するホストの名前を入力します。

  4. リポジトリへのアクセスを制限するオプションを指定します。Linuxシステムでは、rwasyncno_root_squashです。

  5. 「エクスポート・サーバー」リージョンで「追加」をクリックします。記憶域リポジトリが提示される1つ以上の仮想サーバーを選択して、「選択」をクリックします。

  6. 「OK」をクリックし、ジョブを送信して記憶域リポジトリの詳細ページに戻ります。

5.13 自己更新を使用したOracle VM TemplatesおよびVirtual Assembliesのダウンロード

自己更新コンソールから、次の手順で事前構成済アセンブリおよびテンプレートがダウンロードできます。

  1. EM_CLOUD_ADMINISTRATORロールを持つユーザーでEnterprise Managerにログインします。

  2. 「設定」メニューで、「拡張性」「自己更新」の順に選択します。ダウンロードできるエンティティ・タイプのリストとともに自己更新コンソールが表示されます。

    図5-32 自己更新コンソール

    自己更新コンソール
  3. Oracle VM TemplatesおよびOracle Virtual Assembliesフォルダを選択し、「オープン」をクリックします。Oracle VM TemplatesおよびOracle Virtual Assembliesの更新ページが表示されます。

  4. アップデートを選択し、「ダウンロード」をクリックします。「スケジュール・ダウンロード」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  5. アップデートをすぐにダウンロードするか後日ダウンロードするかを指定します。

  6. 「選択」をクリックします。ソフトウェア・ライブラリに更新をダウンロードするためのEnterprise Managerジョブが作成されます。Enterprise Managerでは、Oracle Enterprise Managerストアからのアーカイブのダウンロードが開始します。ダウンロードが完了するまで待ちます。(オフライン・モードの場合、システムは指定された場所からの読取りを開始します。)ダウンロードが完了すると、ステータスによって更新がダウンロードされたことが示されます。

  7. 「適用」をクリックします。ジョブが送信され、更新が適用されます。ダウンロードしたプラグインが適用され、Oracle VM TemplatesおよびOracle Virtual Assembliesの更新ページに表示されます。

5.14 仮想サーバー・プールの作成

この項では、要件を満たすサーバー・プールを設計する方法について説明します。

サーバー・プールを作成する前に、そのサーバー・プールに含める物理サーバーの数、およびそれぞれの物理サーバーにどのような機能を実行させるかを検討する必要があります。サーバー・プールで多くの仮想マシンを実行すればするほど、仮想マシンはそれだけ多くのリソースを消費することになり、サーバー・プールに十分なリソースを提供するために、より多くの物理サーバーが必要となります。サーバー・プールはスケーラブルです。仮想マシンおよびその中のアプリケーションを実行できる十分なリソース(CPUおよびメモリーなど)がサーバー・プールにない場合は、Oracle仮想サーバーを追加することによってサーバー・プールを拡張できます。

仮想サーバー・プールには、1つ以上の仮想サーバーおよびゲスト仮想マシンが含まれます。仮想サーバーは、必ず一度に1つの仮想サーバー・プールにのみ属することができます。ゲスト仮想マシンとリソースもサーバー・プールに関連付けられます。

前提条件

  • クラスタ化されていない仮想サーバー・プールには、最大64台のVMサーバーを含めることができ、クラスタ化された仮想サーバー・プールには、最大32台のOracle VMサーバーを含めることができます。

  • マスター・サーバー、ユーティリティ・サーバーまたはゲスト仮想マシン(あるいはそのすべて)としてデプロイできる仮想サーバー。サーバー・プール内に少なくとも1つの仮想サーバーが必要です。

  • サーバー・プール内のすべての仮想サーバーのCPUが同じCPUファミリのものである必要があります。これらが同じCPUファミリのものでない場合、ライブ・マイグレーションなどの一部の操作が失敗する可能性があります。CPUは同じCPUファミリのものであることが必要ですが、コアの数が異なるなど、構成が異なる場合があります。また、RAMの量やディスク・ドライブのサイズなど、ホスト・コンピュータ上の他のハードウェア・コンポーネントが異なる場合もあります。


    注意:

    ホスト・コンピュータの構成が異なる場合がありますが、サーバー・プール内の仮想サーバーはすべて同じものにすることをお薦めします。

  • サーバー・プールのファイルシステムとして使用する専用ファイルシステム(NASエクスポートまたはLUN)が使用可能であること。

  • 仮想サーバーのIPアドレスを使用可能にする必要があります。マスター・サーバーの仮想IPアドレスとして使用するIPアドレスは、未使用で使用可能なIPアドレスである必要があります。

  • 仮想サーバー・プールを作成するには、任意のターゲットの追加権限のある管理者としてログインする必要があります。

  • 仮想サーバー・プールを削除するには、そのサーバー・プールに関するすべての権限に加え、その仮想サーバー・プールに属する仮想サーバーおよびゲスト仮想マシンに関する適切な権限が必要です。

仮想サーバー・プールを作成するには:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「仮想サーバー・プールの作成」を選択します。

    図5-33 仮想サーバー・プールの作成

    仮想サーバー・プールの作成
  3. サーバー・プールの情報を入力します。

    • 仮想サーバー・プール名: サーバー・プールの名前。サーバー・プール名は英数字で構成する必要があり、スペースまたは特殊文字は使用できません(アンダースコア(_)やハイフン(-)は除く)。サーバー・プール名の長さは最大で200文字です。

    • 説明:サーバー・プールの説明。

    • キーマップ: このサーバー・プールに作成されるゲスト仮想マシンのキーボード・タイプを指定します。

    • VM開始ポリシー: 仮想マシンの開始に使用するポリシーを選択します。次の選択が可能です。

      • 最適なサーバー上で開始: サーバー・プールの最適なサーバーを使用して、仮想マシンを開始します。

      • 現在のサーバー上で開始: 仮想マシンは、作成されたサーバーで開始されます。

    • セキュアなVM移行: 仮想マシンの暗号化移行を有効化するかどうかを指定します。このチェック・ボックスを選択すると、仮想マシンはSSLを使用して移行され、移行プロセス中にデータが保護されます。

    • クラスタのアクティブ化: チェック・ボックスを選択し、サーバー・プールの高可用性を有効にします。

    • クラスタ・タイムアウト: クラスタのアクティブ化を有効にすると、秒単位のクラスタ・タイムアウト期間を設定できます。ディスク・ハートビートおよびネットワーク・ハートビートはクラスタ・タイムアウト値から導出されます。

    • プール・ファイル・システムのタイプ: サーバー・プールに使用するプール・ファイル・システムを選択します。プール・ファイル・システムは、サーバー・プールおよびクラスタ・データの保持に使用され、クラスタ・ハートビートにも使用されます。

      タイプは、ネットワーク・ファイル・システムまたは物理ディスクのいずれかになります。サーバー・プールのファイル・サーバーを使用している場合、「ネットワーク・ファイル・システム」を選択します。サーバー・プールのストレージ・アレイの物理ディスクを使用している場合、「物理ディスク」タイプを選択します。

    • 場所: 「検索」アイコンをクリックして検索し、プール・ファイル・システムを選択します。これは、サーバー・プールのすべての仮想サーバーでアクセスできる必要があります。

    • 仮想IP: サーバー・プール内のマスター・サーバーを特定するために使用するIPアドレス。マスター・サーバーが別のOracle VM Serverに変更されると、このIPアドレスは新規ホストに割り当てられます。

  4. 「仮想サーバー」セクションで「追加」をクリックします。検索ウィンドウから1つ以上の仮想サーバーを選択し、「OK」をクリックします。


    注意:

    仮想サーバーは、サーバー・プールに追加する前に検出されている必要があります。詳細は、第5.5項「仮想サーバーの検出」を参照してください。

  5. 「OK」をクリックして、仮想サーバー・プールを作成します。

5.14.1 仮想サーバー・プールの編集

説明、キーマップ、開始ポリシーなどを含む仮想サーバー・プールの構成情報を編集できます。また、仮想マシンの安全な移行およびクラスタを制御するマスター・サーバーを変更することもできます。サーバー・プールに使用される仮想IPまたはプール・ファイル・システムは変更できません。仮想サーバー・プールを編集するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルから、編集する仮想サーバー・プール・ターゲットを選択します。

  3. 「VMサーバー・プール」メニューから、「ターゲット設定」「VMサーバー・プールの編集」の順に選択します。仮想サーバー・プールの編集ページが表示されます。

  4. 次のフィールドも編集できます。

    • キーマップ: このサーバー・プールに作成されるゲスト仮想マシンのキーボード・タイプ。

    • VM開始ポリシー: 仮想マシンの開始に使用するポリシー。現在のサーバーまたは最適なサーバーでの開始を選択できます。

    • セキュアなVM移行: 仮想マシンの暗号化移行を有効化するかどうかを示します。このチェック・ボックスを選択すると、仮想マシンはSSLを使用して移行され、移行プロセス中にデータが保護されます。

  5. 「仮想サーバー」リージョンで、仮想サーバーを追加または削除できます。

  6. 「エージェント・パスワードの変更」をクリックして、マスター・サーバーで実行されている管理エージェントのパスワードを変更します。変更されたパスワードは、サーバー・プールのすべての仮想サーバーで実行されている管理エージェントに適用されます。


    注意:

    仮想サーバーは、サーバー・プールに追加する前に検出されている必要があります。詳細は、第5.5項「仮想サーバーの検出」を参照してください。

  7. アンチアフィニティ・グループを、追加編集または削除できます。アンチアフィニティ・グループは、ある仮想マシン・グループを同じサーバー上で実行できないことを指定します。アンチアフィニティ・グループ・ウィンドウにグループの名前を入力し、このグループに含める必要のある1つ以上の仮想マシンを選択します。このグループに含まれる仮想マシンは、同じサーバー上で実行できません。

  8. 「OK」をクリックし、変更を仮想サーバー・プールに適用します。

5.15 ゾーンの作成

ゾーンは、関連するクラウド・リソースのグループ化に使用されます。クラウド・ゾーンは、コスト・センターによるリソースのグループ化またはメータリングおよびチャージバックを目的として、場所、ソフトウェアのライフサイクルのステータスに基づいて作成できます。通常、ゾーンは1つの部門または小さなデータ・センターをカバーできます。クラウド環境は1つ以上のゾーンから構成されます。それぞれのゾーンには、ゾーンの合計使用量を示すメトリックのセットがあります。

前提条件

  • ゾーンを作成するには、任意のターゲットの追加権限のある管理者としてログインする必要があります。

  • ゾーンを削除するには、そのゾーンに関する操作権限または完全な権限が必要です。

次の手順を実行して、ゾーンを作成します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでゾーンを作成するOVMマネージャ・ターゲットを右クリックして、「ゾーンの作成」を選択します。

    図5-34 ゾーンの作成

    ゾーンの作成
  3. ゾーンの作成ページで、ゾーンの名前および説明を指定します。

  4. 「インフラストラクチャ・クラウド・セルフ・サービス・ゾーン」チェック・ボックスを選択して、このゾーンがセルフ・サービス・ユーザーによって使用されることを指定します。

  5. 「仮想サーバー・プール」セクションで「追加」をクリックし、1つ以上の仮想サーバー・プールを追加します。詳細は、第5.14項「仮想サーバー・プールの作成」を参照してください。権限を持ち、その他のゾーンに属さない仮想サーバー・プールを追加できます。

  6. 「OK」をクリックします。ホームページで、仮想サーバー・プールおよびストレージ・アレイが新しく作成されたゾーンに表示されます。

5.16 ストレージのサービスのクオリティ(QoS)の設定

ストレージQoSは、ストレージ・サーバー・レベルで定義されているサービスのクオリティを指します。ストレージQoSの設定は、様々なストレージ・プロパティの定義を必要とします。ゲスト仮想マシンをデプロイする前にストレージQoSを定義し、そのQoSをストレージ・サーバーにマッピングし、ゲスト仮想マシンのデプロイ時にこのQoSを指定します。

これには、マシン・サイズ、ネットワーク・タイプおよびストレージQoSの定義が含まれます。ストレージQoSを設定した後で、ストレージ・サーバー、ネットワーク・リポジトリおよびストレージ・アレイを設定できます。このストレージQoSはゲスト仮想マシンのデプロイ中に使用できます。

ストレージQoSを定義するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルで「インフラストラクチャ・クラウド」メニューを右クリックして、「設定」を選択します。

    図5-35 ストレージのサービスのクオリティ

    ストレージのサービスのクオリティ
  3. ストレージのサービスのクオリティ・ページで、「作成」をクリックします。

  4. ポップアップ・ウィンドウで、ストレージQoSの名前および説明を指定して「OK」をクリックします。新しく追加されたストレージQoSがストレージのサービスのクオリティ・ページに表示されます。

  5. OVMマネージャ・ホーム・ページに移動して、「OVMマネージャ」メニューから「記憶域」を選択します。

  6. 「ファイル・サーバー」の下の「記憶域」リンクをクリックします。「一般」タブで「ストレージQOSマッピング」リージョンにスクロール・ダウンします。

  7. 「編集」をクリックします。ストレージQOSマッピング・ウィンドウが表示されます。 「追加」をクリックし、前に作成したストレージQOSを選択します。「ストレージQOSマッピング」表に、追加したストレージQOSが表示されます。

  8. アセンブリのデプロイ時にこのマッピングがどのように使用されるかを確認するには、OVMマネージャの下のゾーンのホームページに移動します。「ゾーン」メニューから、「デプロイ」「アセンブリ」の順に選択します。

  9. デプロイメント構成ページの「ディスク」セクションで「オーバーライド」をクリックして、作成したストレージQOSを選択します。このストレージQOSがアセンブリのデプロイに使用されます。

5.16.1 ネットワーク・タイプの設定

「ルーティング可能」、「インターネットに直接接続」などのネットワーク・タイプを定義して、ネットワークのQoSを定義できます。ネットワークQoSを定義した後、作成するネットワークにそれをマッピングできます。その後、ゲスト仮想マシンのデプロイ時にこのネットワーク・タイプを使用できます。

ネットワークのQoSを定義するには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 「インフラストラクチャ・クラウド」メニューから、「設定」を選択します。

  3. インフラストラクチャ・クラウド・ページで、「ネットワーク・タイプ」リンクをクリックします。

    図5-36 ネットワーク・タイプ

    ネットワーク・タイプ
  4. ネットワーク・タイプ・ページで、「作成」をクリックします。

  5. ネットワーク・タイプの名前および説明を入力し、「OK」をクリックします。

5.16.2 マシン・サイズの設定

デプロイ時にSSAユーザーに使用可能なマシン・サイズを定義できます。マシン・サイズを定義するには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルで「インフラストラクチャ・クラウド」メニューを右クリックして、「設定」を選択します。

  3. インフラストラクチャ・クラウド・ページで、「マシン・サイズ」リンクをクリックします。

  4. 「マシン・サイズの追加」をクリックします。

  5. 名前(マシン・サイズの内部名)、説明、VCPUの数、メモリー量、このサイズのマシンに割り当てられるローカル記憶域を入力します。「保存」をクリックし、このマシン・サイズを追加します。

5.16.3 ソフトウェア・ライブラリ・ユーザーの構成

記憶域リポジトリの設定時に、VMテンプレート、アセンブリおよびその他のソフトウェア・コンポーネントを記憶域リポジトリにインポートできます。これらのタスクを実行する権限を持つソフトウェア・ライブラリ・ユーザーを構成するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 「インフラストラクチャ・クラウド」メニューを右クリックして、「設定」を選択します。

  3. インフラストラクチャ・クラウド・ページで、「ソフトウェア・ライブラリ・ユーザー構成」リンクをクリックします。

  4. ソフトウェア・ライブラリからコンポーネントをインポートできるクラウド・ソフトウェア・ライブラリ・ユーザーのパスワードを入力します。このパスワードは、ユーザーがソフトウェア・ライブラリにアクセスして必要なコンポーネントをダウンロードするときに指定する必要があります。

5.16.4 外部管理エージェントを使用したソフトウェア・ライブラリ・ユーザーの構成

管理エージェントをリモート・マシンで実行している場合、仮想コンポーネントをインポートする際に次の点を確認する必要があります。

  • ソフトウェア・ライブラリ・ユーザーは、リモート・ホスト上でのコマンド実行権限を持っている必要があります。

  • リモート・ホスト上の管理エージェントにアクセスするために名前付き資格証明が必要である場合、ソフトウェア・ライブラリ・ユーザーは、エージェント記憶域タイプの参照ファイルの場所を作成するときに表示権限を持っている必要があります。

表示権限を設定するには、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「名前付き資格証明」の順に選択します。

  2. 記憶域タイプがエージェントのソフトウェア・ライブラリ参照場所を作成するときに使用される名前付き資格証明を選択します。

  3. 「権限の追加」をクリックします。「CLOUD_SWLIB_USER」を選択して、「保存」をクリックします。

実行権限を設定するには、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「管理者」の順に選択します。

  2. 「CLOUD_SWLIB_USER」を選択して、「編集」をクリックします。

  3. 「ターゲット権限」手順に移動します。「ターゲット権限」セクションで「追加」をクリックして、管理エージェントを実行しているホスト・ターゲットを選択します。ホスト・ターゲットが表に追加されます。

  4. 手順3で追加したホスト・ターゲットを選択して、「権限付与の管理」列の「編集」アイコンをクリックします。既存の「ビュー」オプションに加え、「コマンドの実行」を選択して、「続行」をクリックします。

  5. 「保存」をクリックして、この構成を保存します。

5.16.5 リクエスト・パージ・ポリシーの定義

すべてのデプロイメント・リクエストは、一定期間保存した後にパージできます。リクエストを使用可能にする日数を指定するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 「インフラストラクチャ・クラウド」メニューを右クリックして、「設定」を選択します。

  3. インフラストラクチャ・クラウド・ページで、「リクエスト・アーカイブ・ポリシー」リンクをクリックします。

  4. 「アーカイブ有効化」チェック・ボックスを選択してアーカイブ期間を指定し、「適用」をクリックします。リクエストは、指定した期間アーカイブされ、その後パージされます。

5.17 Oracle VM Serverへのパッチ適用

オラクル社では、Oracle VMのリポジトリを含むYUMリポジトリを公開しています。これらのリポジトリには、 Oracle VMの完全リリースが含まれており、これらのリリースをOracle VM DVD/ISOに反映します。Oracle VM Serverにパッチを適用して、最新のソフトウェア更新および拡張機能を確実に適用する必要があります。Oracle VM Serverにパッチを適用する手順には、次の操作が含まれます。

  • YUMリポジトリの構成

  • 仮想サーバーのアップグレード

5.17.1 YUMリポジトリの構成

仮想サーバーのアップグレードに使用するYUMリポジトリを構成できます。構成したYUMリポジトリは、検出されたすべての仮想サーバーのアップグレードに使用できます。

前提条件

  • 構成するYUMリポジトリがhttpの場所に表示されている必要があります。内部または公開YUMリポジトリを構成できます。

YUMリポジトリを構成するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでOVM Managerターゲットを右クリックして、「YUMリポジトリの管理」を選択します。

  3. YUMリポジトリ・ページで次の詳細を入力します。

    • 名前: YUMリポジトリの名前。

    • YUMベースURL: YUMリポジトリのHURL。

    • GPGキーの有効化: GPGキーを有効にする場合、このチェック・ボックスを選択します。GPGキーによって、YUMリポジトリと、リポジトリからダウンロードされたパッケージの妥当性がチェックされます。

    • YUM GPGキー: 「GPGキーの有効化」フィールドを選択した場合、ここでYUM GPGキーを指定します。

  4. 「OK」をクリックします。YUMリポジトリがOracle VM Managerに構成されます。

5.17.2 仮想サーバーのアップグレード

YUMリポジトリの構成後、仮想サーバーをアップグレードして最新の更新を適用する必要があります。アップグレードされる仮想サーバーは、メンテナンス・モードである必要があります。仮想サーバーをアップグレードするには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでVMサーバーを右クリックして、「アップグレード」を選択します。


    注意:

    Oracle VM Managerのバージョンが3.3.x、Oracle Virtual Serverのバージョンが3.3.1未満である場合には、「アップグレード」ボタンは無効化されています。

  3. 確認メッセージが表示されます。「OK」をクリックし、アップグレードを続行します。仮想サーバーは、アップグレード後に再起動されます。

5.18 OVMイベントの確認

OVMイベントは、サーバー、サーバー・プール、記憶域またはネットワークに対して実行されたすべての操作に関して生成されます。イベントは、情報、マイナーまたはクリティカルのいずれかです。ターゲットがエラー状態になると、クリティカル・イベントが生成されます。クリティカル・ステータスのターゲットは、操作を実行するために使用できません。EM_CLOUD_ADMINISTRATORは、関連ターゲットを使用できないなどのイベントを確認できます。OVMイベントを確認するには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  2. 左側のパネルでVMサーバーをクリックして、VMサーバー・ホーム・ページに移動します。

  3. 「VMサーバー」メニューから「OVMイベント」、を選択します。未確認のイベントのリストが表示されます。リストからイベントを選択し、「確認」をクリックしてイベントを確認します。

5.19 NTP構成の管理


注意:

  • この機能はOracle VM Manager 3.2.1以降でのみ使用できます。

  • 追加対象のNTPサーバーは、NTPサービスを提供するように事前に構成されている必要があります。


ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)は、Oracle VM Managerで管理されるすべてのOracle VM Serverでのクロック同期を有効にするネットワーク・プロトコルです。デフォルトでは、Oracle VM Serverが検出されると、Oracle VM Managerホスト・コンピュータをNTPタイム・ソースとして使用するように構成されます。Oracle VM Serverが検出されたときに、クロックを同期するために使用するNTPサーバーのカスタム・リストを構成できます。NTPサーバーのカスタム・リストを作成するには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。インフラストラクチャ・クラウド・ホーム・ページが表示されます。

    図5-37 NTP構成

    NTP構成
  2. 左側のパネルから「Oracle VM Manager」ターゲットを右クリックして、「NTP構成の管理」を選択します。

  3. NTPサーバーを追加するには、「追加」をクリックします。「NTPサーバーの追加」ダイアログ・ボックスの「IPアドレス/DNSホスト名」フィールドにNTPサーバーのIPアドレスまたはホスト名を入力し、「OK」をクリックします。

  4. NTPサーバーを編集するには、表内のサーバーを選択して、「編集」をクリックします。「NTPサーバーの編集」ダイアログ・ボックスで、新しいNTPサーバーの名前を入力するように要求されます。新しいNTPサーバーのIPアドレスまたはホスト名を入力し、「OK」をクリックします。

  5. NTPサーバーを削除するには、表内のサーバーを選択して、「削除」をクリックします。確認メッセージが表示されます。サーバーを削除するには、「OK」をクリックし、操作を取り消すには、「取消」をクリックします。

  6. VMマネージャで管理されるすべてのOracle VM ServerでNTPサーバー構成を更新するには、「すべてのサーバーの更新」をクリックします。以前のNTP構成が上書きされます。

    または、「保存」をクリックすると、追加したNTPサーバー構成を保存できます。このオプションを使用すると、構成が保存されますが、Oracle VM Serverは更新されません。後で、VMサーバーに構成をプッシュできます。

    NTPサーバー構成を変更した場合は、VMサーバーを再起動して変更内容を有効にする必要があります。


注意:

複数のNTP構成を定義した場合、定義した順番がクロック同期に使用されます。

5.20 仮想マシンのインポート


注意:

この機能はOracle VM Manager 3.2.1以降でのみ使用できます。

外部の場所から、Oracle VM Managerに仮想マシンをインポートできます。インポートされた仮想マシンは選択したVMゾーン、VMサーバー・プールまたはVMサーバーの下に配置されます。仮想マシンは、別々のファイルまたは単一のアーカイブ・ファイルに圧縮されたファイル(たとえば、.tgzまたは.zipファイル)のいずれかとして、FTPサーバーまたはWebサーバー上に存在する必要があります。

仮想マシンをインポートするには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。インフラストラクチャ・クラウド・ホーム・ページが表示されます。

  2. 左側のパネルから「VMゾーン」または「VMサーバー」ターゲットを右クリックして、「仮想マシンのインポート」を選択します。仮想マシンのインポート: ターゲットとソースの選択ページが表示されます。

    図5-38 仮想マシンのインポート: ターゲットとソースの選択

    仮想マシンのインポート: ターゲットとソースの選択
  3. 仮想マシンのインポート先ターゲットとターゲット名が表示されます。

  4. 次の詳細を入力します。

    • ソース: 仮想マシンとしてインポートするアーカイブ(tgzまたはgzip)のURLを入力します。URLの形式は、HTTP、HTTPSまたはFTPです。

    • リクエスト名: 仮想マシンのインポート・リクエストの名前を入力します。

  5. をクリックします。「仮想マシンのインポート: インスタンスの詳細」ページが表示されます。

    図5-39 仮想マシンのインポート: インスタンスの詳細

    仮想マシンのインポート: インスタンスの詳細
  6. 次の詳細を入力します。

    • 高可用性の有効化: このゲスト仮想マシンで高可用性を有効にする場合は、このチェック・ボックスを選択します。このオプションによって、ゲスト仮想マシンをホストする仮想サーバーが失敗する場合、ゲスト仮想マシンをプールの他の仮想サーバーで自動的に再起動できます。


      注意:

      高可用性は、仮想サーバー・プールおよびゲスト仮想マシンの両方で有効にする必要があります。両方を有効にしないと、高可用性は無効になります。

    • 作成後にVMを開始: 作成後にゲスト仮想マシンを自動的に起動するかどうかを指定します。

    • CPUスケジューリング優先度: ゲスト仮想マシンの物理CPUへのアクセスが、同じ仮想サーバー上の他のゲスト仮想マシンと競合した場合の優先度を指定します。優先度が高くなると、ゲスト仮想マシンのCPUサイクルに対する要求の権利が高くなります。

    • CPUスケジューリング上限(%): ゲスト仮想マシンにおける物理CPUの使用可能量を制限します。ゲスト仮想マシンのリソースの割当てを制限する場合に、このフィールドを使用します。

    • 「キーマップ」: クローニングされるゲスト仮想マシンで使用されるキーボード・マッピング。

    • タグ: 仮想マシンの1つ以上のタグを指定します。これらのタグは、仮想マシンの論理的なグループ化に使用され、特定の基準を満たす1つ以上の仮想マシンの検索に使用できます。

    • VMサイズ: ゲスト仮想マシンに割り当てるメモリーの量。仮想サーバーは、ゲスト仮想マシンの実行に十分なメモリーを搭載している必要があります。メモリーが不十分の場合、ゲスト仮想マシンは作成されますが、起動しません。ゲスト仮想マシンのサイズ(メモリーおよびCPUの値)。VMサイズを、「XSサイズ」、「Mサイズ、「XLサイズ」、「カスタム」のいずれかから選択します。


      注意:

      インポートされた仮想マシンでは、「ルート・パスワード」、「ネットワーク」および「記憶域」構成は変更できません。

  7. をクリックします。仮想マシンのインポート: スケジュール・ページで、「開始日」および「終了日」を指定します。「開始日」はリクエストが送信される日付で、「終了日」は仮想マシンがリタイアされる日付です。「次」をクリックします。

  8. インポートされている仮想マシンの詳細を確認し、「送信」をクリックします。「エンタープライズ」メニューから、「ジョブ」、「アクティビティ」の順に選択して、ジョブ・アクティビティ・ページを表示します。このページには、発行されたジョブの詳細が表示されます。「名前」リンクをクリックして、詳細を表示できます。

5.21 リポジトリ・イベントの確認

記憶域リポジトリのファイル・システムに障害が発生した場合、クリティカル・イベントが記憶域リポジトリに発生します。このページに記憶域リポジトリのクリティカル・イベントがすべて表示されます。リポジトリ・イベントを確認するには、次の手順に従います:

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。インフラストラクチャ・クラウド・ホーム・ページが表示されます。左側のパネルからOVMマネージャ・ターゲットを選択します。

  2. 「VMマネージャ」メニューから「管理」を選択し、「記憶域リポジトリ」を選択します。

  3. 定義された記憶域リポジトリのリストが表示されます。記憶域リポジトリ名をクリックして、「リポジトリ・イベント」タブをクリックします。

  4. 未確認のクリティカル・イベントのリストが表示されます。リストからイベントを選択し、「イベントの確認」をクリックします。確認済のイベントに関連付けられたファイル・システムは使用できません。