この章では、Xenベース・システムを検出および監視する手順について説明します。内容は次のとおりです。
Xenベースのハイパーバイザ、ベアメタル・マシン、オペレーティング・システム、および監視ソフトウェアに依存しない仮想マシンを直接監視できます。これらのターゲットの監視には、次のものが含まれます。
Xen 4.1.2以上に基づくOracle Virtual Server (ハイパーバイザ上で稼働するゲストOSまたはDomU)ターゲットの直接監視
Oracle Server (物理サーバー)の直接監視
Oracle Virtual Server (Xenベースのハイパーバイザ)の直接監視
Oracle Virtual Platformまたはハイパーバイザ・マシンのホスト・オペレーティング・システムの直接監視
注意: Xenベースのハイパーバイザの直接監視を有効化するには、Oracle Virtual Infrastructure 12.1.0.2プラグインがManagement Serverにデプロイされている必要があります。このプラグインは、ハイパーバイザが登録されると管理エージェント上に自動的にデプロイされます。 |
次の図に、アーキテクチャの概要を示します。
前提条件:
ハイパーバイザ・ターゲットを検出するには、管理者が次の権限を持っている必要があります。
任意のターゲットの追加
ジョブの作成
ハイパーバイザ・ターゲットを監視する管理エージェントに対するオペレータ権限
ハイパーバイザを検出するには、次の手順に従います。
前述の権限を持つユーザーとしてEnterprise Managerにログインします。
「設定」メニューから、「ターゲットの追加」、「ターゲットの手動追加」の順にクリックします。
ターゲットの手動追加ページで、「ガイド付きプロセスを使用してターゲットを追加(関連ターゲットも追加)」を選択して、「ターゲット・タイプ」ドロップ・ダウン・リストから「Oracle Virtual Platform」を選択します。
「ガイド付きプロセスを使用した追加」をクリックします。Oracle Virtual Platformの検出ページが表示されます。
「デフォルトの監視エージェントおよび資格証明」リージョンで、次の詳細を入力します。
注意: このリージョンに指定された資格証明は、デフォルトで、このプロセスを通じて検出されたすべてのOracle Virtual Platformターゲットに適用されます。これらの資格証明は、特定のOracle Virtual Platformターゲットについてオーバーライドできます。 |
モニタリング・エージェント: 検索アイコンをクリックし、ターゲットを監視するデフォルトのモニタリング・エージェントを選択します。
フェイルオーバー・モニタリング・エージェント: 検索アイコンをクリックし、ターゲットを監視するフェイルオーバー・モニタリング・エージェントを選択します。
注意: 大規模環境でハイパーバイザとそれに関連するターゲットの監視をスムーズに行うには、Javaヒープ・サイズについて次の推奨事項に従う必要があります。
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特権ユーザー: このフィールドは、特定の特権コマンドに対するアクセス権をユーザーに付与する場合に使用します。このアクセス権は、rootユーザーによって、またはここで指定する権限委任オプションを通じて使用できます。
はい: 「はい」を選択する場合、ルート・アクセス権が必要とされる次のxl / xm
コマンドを実行できるユーザーである必要があります。
/usr/sbin/xl list*,/usr/sbin/xl info*,/usr/sbin/xl network-list*,
/usr/sbin/xl uptime*,/usr/sbin/xl vcpu-list*,/usr/sbin/dmidecode,
/usr/sbin/xentop,/usr/bin/xenstore-read,/usr/bin/xenstore-list,
/usr/bin/xenstore-ls,/sbin/ethtool
これらのコマンドによって、実行時に仮想化メトリックを収集できます。xlコマンドがシステムに存在しない場合、次のコマンドが使用されます。
/usr/sbin/xm list*,/usr/sbin/xm info*,/usr/sbin/xm network-list*,
/usr/sbin/xm uptime*,/usr/sbin/xm vcpu-list*,/usr/sbin/dmidecode,
/usr/sbin/xentop,/usr/bin/xenstore-read,/usr/bin/xenstore-list,
/usr/bin/xenstore-ls,/sbin/ethtoo
いいえ: 「いいえ」を選択すると、xl/xm
コマンドは実行できず、Oracle Virtual Platformターゲットの仮想化および構成メトリックは収集されません。
資格証明タイプ: 検出するターゲットの資格証明を指定します。「ホスト資格証明」または「SSHキー資格証明」を選択できます。選択内容に応じて、第10.2.2項「資格証明プロパティの設定」の説明に従って、資格証明プロパティを入力する必要があります。
「ホスト名とIPアドレス」リージョンで「追加」をクリックします。「ホスト/IPアドレスの追加」ウィンドウで、1つ以上のホスト名、IPアドレスまたはIPアドレス範囲を入力し、「追加」をクリックします。複数のホスト名、IPアドレスまたは範囲は、改行で区切る必要があります。追加したホスト名がOracle Virtual Platformの検出ページに表示されます。
デフォルト・エージェントおよび資格証明を使用するか、「オーバーライド」をクリックしてそれらをオーバーライドするかを選択できます。フェイルオーバー・モニタリング・エージェントの資格証明もオーバーライドできます。監視エージェントと資格証明のオーバーライド・ウィンドウで、監視エージェントおよび資格証明プロパティを入力し、「オーバーライド」をクリックします。これにより監視資格証明がオーバーライドされ、指定した新しいエージェントおよび資格証明が適用されます。
オプションで、グローバル・ターゲット・プロパティも指定できます。Enterprise Managerのターゲット・プロパティでは、連絡先や場所などの説明的なターゲット情報を格納することが可能で、さらにそれらを動的/管理グループの定義、レポート、インシデント・ルールおよび通知に使用できます。グローバル・ターゲット資格証明リージョンでは、このプロセスを使用して検出されたすべてのターゲットに適用されるターゲット・プロパティの値を指定できます。
「発行」をクリックします。登録情報が検証され、ジョブが発行されます。ジョブの完了時に、Xenベースのハイパーバイザを実行しているホストで次のターゲットが検出されます。
Oracle Server: ハイパーバイザを実行しているベアメタル・ボックス。
Oracle Virtual Platform: ハイパーバイザ・プロセスを表すホスト・オペレーティング・システム。
Oracle Virtual Server: ハイパーバイザ・ドメインによって管理される仮想マシン。
注意: グループ内のこれらのターゲットの監視を容易にするため、ターゲットの登録中に、または既存の登録済ターゲットを編集し、グローバル・ターゲット・プロパティを指定して動的グループを作成できます。たとえば、本番ライフサイクル・ステータスを持つ動的グループに、すべての本番仮想プラットフォームを含めることができます。 |
検出されたターゲットを削除するには、最初にOracle Virtual Platformターゲットを削除する必要があります。このターゲットを削除すると、関連するすべてのOracle Virtual ServerおよびOracle Serverターゲットが削除されます。
ターゲットを削除するには、次の手順に従います。
「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択し、「すべてのターゲット」ページに移動します。
「すべてのターゲット」ページの左側のパネルで、「サーバー」、「記憶域」および「ネットワーク」ターゲット・タイプの下で「Oracle Virtual Platform」を選択します。使用可能なOracle Virtual Platformターゲットのリストが表示されます。
いずれかのターゲットをクリックして、「Oracle Virtual Platform」ホームページに移動します。「Oracle Virtual Platform」メニューから「ターゲット設定」、「ターゲットの削除」の順に選択します。確認メッセージが表示されます。「はい」をクリックしてOracle Virtual Platformターゲットとその関連ターゲットを削除します。
検出する仮想プラットフォーム・ターゲットの資格証明を指定できます。資格証明タイプとして「ホスト資格証明」または「SSHキー資格証明」を選択できます。これらの各資格証明は、SudoまたはPowerBrokerの権限委任オプションを使用して統合できます。
ホスト資格証明
「ホスト資格証明」を選択した場合、次の資格証明プロパティを指定する必要があります。
ユーザー名: ターゲットにアクセスするために必要なユーザー名。
パスワード: ターゲットにアクセスするために必要なパスワード。
実行権限: 次のいずれかです。
なし: 実行権限は不要です。このオプションは、ユーザーがrootで、「特権ユーザー」オプションが「はい」に設定されている場合に使用します。
Sudo: 「Sudo」を選択する場合、次の項目を指定する必要があります。
sudoコマンド: Sudoでは、許可されたユーザーがスーパーユーザーまたはsudoersファイルに指定された他のユーザーとしてコマンドを実行できます。/usr/bin/sudo -S -u %RUN_AS% %COMMAND%
の形式でコマンドを入力します。/usr/bin/sudo
はsudo実行可能ファイルへのパス、RUN_AS
はコマンドを実行しているユーザーの名前、そしてCOMMAND
はSudoコマンドが実行されていることを示します。
別名実行: rootユーザーとしてこのコマンドを実行するためにroot
を指定します。
疑似ターミナルの有効化: sudoコマンドでユーザーが実端末(tty)にログインする必要がある場合、このチェック・ボックスを選択します。このフラグが設定されている場合、sudoユーザーは、別個の端末を通じてマシンにログインする必要があります。
PowerBroker: 「PowerBroker」を選択する場合、次の項目を指定する必要があります。
/usr/bin/pbrun -l -u %RUN_AS% %COMMAND%
の形式でコマンドを入力します。/usr/bin/pbrun
はPowerBroker実行可能ファイルへのパス、RUN_AS
はコマンドを実行しているユーザーの名前、そしてCOMMAND
はPowerBrokerコマンドが実行されていることを示します。
パスワード・プロンプト: パスワードが指定された際に表示されるプロンプトです。
別名実行: rootユーザーとしてこのコマンドを実行するためにroot
を指定します。
プロファイル: このコマンドを実行するために使用するユーザー・プロファイルを指定します。
SSHキー資格証明
「SSHキー資格証明」を選択した場合、ユーザー名、秘密および公開鍵、パスフレーズ(今後の暗号化のため)、および実行権限を指定する必要があります。
「実行権限」フィールドで「Sudo」または「PowerBroker」を選択する場合、「ホスト資格証明」のリストに従って追加の詳細を入力してください。
「Oracle Server」ホームページを表示するには、次の手順に従います。
「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択し、「すべてのターゲット」ページに移動します。
「すべてのターゲット」ページの左側のパネルで、「サーバー」、「記憶域」および「ネットワーク」ターゲット・タイプの下で「Oracle Server」を選択します。使用可能なOracle Serverターゲットのリストが表示されます。
いずれかのターゲットをクリックして、「Oracle Server」ホームページに移動します。
このページには、次のリージョンがあります。
一般: このリージョンには、Oracle Virtual Platformターゲット、ターゲットの名前、CPUソケット、CPUコア、合計メモリーおよびローカル・ディスク領域など、一般の詳細が提供されます。
可用性: このリージョンのチャートには、ターゲットの過去24時間のステータスが表示されます。
インシデントと問題の概要: このリージョンには、Oracle Serverターゲットに関連するすべてのインシデントと問題が表示されます。
「Oracle Virtual Platform」ホームページを表示するには、次の手順に従います。
「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択し、「すべてのターゲット」ページに移動します。
「すべてのターゲット」ページの左側のパネルで、「サーバー」、「記憶域」および「ネットワーク」ターゲット・タイプの下で「Oracle Virtual Platform」を選択します。使用可能なOracle Virtual Platformターゲットのリストが表示されます。
いずれかのターゲットをクリックして、「Oracle Virtual Platform」ホームページに移動します。
このページには、次のリージョンがあります。
一般: このリージョンには、Oracle Serverターゲット、プラットフォーム・バージョン、ターゲット名、Dom0に割り当てられたVCPU、Oracle Virtual Serverターゲットに割り当てられた合計VCPUなどの一般的な詳細が表示されます。また、これが特権ユーザーであるかどうかも示します。仮想化メトリックは、特権ユーザーの場合のみ収集されます。
メンバー: このリージョンには、この仮想プラットフォームに属する仮想サーバー、ステータス、および各仮想サーバーへの割当てメモリーがリストされます。
管理エージェントが仮想サーバー上に存在する場合、Oracle Virtual Serverターゲットに対応するホスト名も表示されます。デフォルトでは、この列は表示されません。「表示」ドロップダウン・メニューを使用してこの列を選択できます。
ネットワーク・アクティビティ: このリージョンは、この24時間の総スループット(MB/秒)を示します。
インシデントと問題の概要: このリージョンには、Oracle Serverターゲットに関連するすべてのインシデントと問題が表示されます。
チャート: CPU使用率、メモリー使用率、ネットワークおよびディスク・アクティビティ・チャートには過去24時間のアクティビティが表示されます。CPUとメモリー使用状況の傾向を示します
可用性: このリージョンのチャートには、ターゲットの過去24時間のステータスが表示されます。
Oracle VMインスタンス・ホームページを表示するには、次の手順に従ってください。
「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択し、「すべてのターゲット」ページに移動します。
「すべてのターゲット」ページの左側のパネルで、「サーバー」、「記憶域」および「ネットワーク」ターゲット・タイプの下で「Oracle VMインスタンス」を選択します。使用可能なOracle VMインスタンス・ターゲットのリストが表示されます。
Oracle VMインスタンス・ホームページに移動するには、ターゲットの1つをクリックします。
このページには、次のリージョンがあります。
一般: このリージョンには、Oracle ServerおよびOracle Virtual Platformターゲット、ターゲット名、割当てメモリーなどの一般的な詳細が表示されます。
可用性: このリージョンのチャートには、ターゲットの過去24時間のステータスが表示されます。
インシデントと問題の概要: このリージョンには、Oracle Serverターゲットに関連するすべてのインシデントと問題が表示されます。
チャート: CPU使用率、メモリー使用率、ネットワークおよびディスク・アクティビティ・チャートには過去24時間のアクティビティが表示されます。