Oracle Business Intelligence Publisher (BI Publisher)は、戦略的なエンタープライズ・レポート製品で、広範囲なデータソースから高度にフォーマットされたレポートを作成し管理する機能を提供します。Microsoft WordまたはAdobe Acrobatを使用してBI Publisherレポートのレイアウトをデザインし、様々なタイプのデータソースからレポートを作成することができます。
Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cは、BI Publisher 11gと統合されています。BI Publisherを使用して、Enterprise Manager Cloud Control 12c用のレポートを作成することをお薦めします。BI Publisherのリリース11gでは、ユーザー・インタフェース(UI)の向上、多くの機能の強化、新しい関数の追加が行われました。新機能のうち、データ・モデル・エディタは、BI Publisherインタフェース内でデータ・モデルを作成するためのグラフィカル・ユーザー・インタフェースで、レイアウト・エディタはBI Publisherインタフェース内でレポート・レイアウトの作成を可能にするデザイン・ツールです。
この章の内容は次のとおりです。
プラグイン開発者は次のことを実行できます。
データ・モデルおよびレポート・テンプレートを使用したレポートの開発。
レポート開発の詳細は、「レポートの開発」を参照してください。
レポートのステージングとデプロイ。
レポートのステージングとデプロイの詳細は、「Enterprise Manager EDKを使用したステージングとBI Publisherレポートのデプロイ」を参照してください。
BI Publisherレポートの開発を始める前に、Oracleで用意しているトレーニングと参照リソースを活用することをお薦めします。
Oracle BI Publisher 11g入門
https://apex.oracle.com/pls/apex/f?p=44785:24:0::NO:24:P24_CONTENT_ID,P24_PREV_PAGE:5081,29
Oracle Technology Network (OTN) のOracle BI Publisher
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/bi-publisher/overview/index.html
Oracle BI Publisherブログ
http://blogs.oracle.com/xmlpublisher/
Oracle BI Publishing Consultingブログ
http://bipconsulting.blogspot.com/
Enterprise Managerレポート用に構成されたBI PublisherサーバーのEMREPOSデータソースを利用できます。EMREPOSデータ・ソースは管理リポジトリのMGMT_VIEWアカウントに接続し、BI PublisherにログオンしているEnterprise Managerユーザーに適切なセキュリティ・コンテキスト(VPD)を確立します。
セキュリティ対策として、EMREPOSデータソースを使用するBI Publisherレポートは、公開のMGMT$VIEWビューとGC$ビューへの読取り専用アクセス権しかなく、また基礎となるEnterprise Manager表にはアクセス権はありません。このモデルでは、Enterprise Managerが提供するレポートを自分のレポートのベースとして使用する可能性のあるEnterprise Managerユーザーとの間でのレポート問合せの共有もサポートされます。
デフォルトでは、Enterprise Manager Cloud Controlフォルダのレポートとデータ・モデルは読取り専用です。自分のレポートはローカル・フォルダで開発し、その後で、BI Publisherのシステム管理者に、完成したレポートをEnterprise Manager Cloud Controlフォルダの外部にある共有フォルダに入れてもらってください。
BI Publisherレポートを開発するには、次の手順を実行します。
管理リポジトリに対するSQL問合せに基づいてデータ・モデルを開発します。
BI Publisherレポートを開発するには、次のコンポーネントが必要です。
データ・モデル
レポート・テンプレート
サブ・テンプレート
最初に、管理リポジトリに対するSQL問合せに基づいてデータ・モデルを開発してから、WindowsでMicrosoft Wordを使用してレポート(テンプレート)のレイアウトをデザインします。テンプレートは、2つの一般的なOracleサブテンプレート(縦または横)のいずれかを参照します。
この例では次のレポートを確認します。
Enterprise Manager Cloud Control -> EM Sample Reports -> Targets of Specified Type Enterprise Manager Cloud Control -> EM Datamodels -> Targets of Specified Type
レポート・データと入力パラメータを要求するSQL問合せを開発、テストします。
BI Publisherでデータ問合せに使用するデータ・モデルを作成します。
BI Publisherで、レポートのパラメータとして使用するパラメータを作成します。
レポートで使用するレポート・レイアウトを作成します。
拡張開発キット(EDK)で提供されているサンプルの縦または横レイアウトのRTFファイルから開始します。
レポートを作成して、テストします。
BI Publisherを使用してレポートとデータ・モデルをダウンロードします。ダウンロード・オプションは、各レポートまたはデータ・モデルの名前の下の「詳細...」リンクにあります。
レポート・ファイル(.xdoz)とデータ・モデル(.xdmz)をBI Publisherからローカル・ファイルにエクスポートします。
プラグインからBI Publisher WebアプリケーションにBI Publisherレポートをデプロイするには、次の手順を実行します。
次のスキーマに完全に従っているメタデータ・ファイルを作成します。
emcore/source/oracle/sysman/emSDK/ip/bipublisherreport/BIPublisherReport.xsd
レポート・メタデータ・ファイルの例を次に示します。
<?xml version = '1.0' encoding = 'UTF-8' ?> <BIPublisherReports xmlns="http://www.example.com/DataCenter/BIPublisherReport"> <ReportFile relativePath="emreports" fileName="tvmlrb104a.jar"/> <ReportFile relativePath="emreports" fileName="tvmlrb104b.jar"/> </BIPublisherReports>
BI Publisherレポート(レポート定義の場合は.xdoz、レポート・データ・モデル、つまりSQLの場合は.xdmzという拡張子を持つZIPファイル)を1つまたは複数のJARファイルにステージングします。これらのファイルが、先ほどのメタデータ・ファイルで参照されます。
その例が、$ORACLE_HOME/sysman/jlib/emreports.jar
ファイルです。
$ unzip -l emreports.jar Archive: emreports.jar Label: EMGC_MAIN_LINUX_110220 Length Date Time Name --------- ---------- ----- ---- 0 02-20-2011 23:08 META-INF/ 71 02-20-2011 23:08 META-INF/MANIFEST.MF 0 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/ 0 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/EM Datamodels/ 4776 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/EM Datamodels/Usage Trend Report.xdmz 4854 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/EM Datamodels/Usage Summary Report.xdmz 5008 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/EM Datamodels/Charge Trend Report.xdmz 7344 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/EM Datamodels/Consolidation Reports.xdmz 5043 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/EM Datamodels/Charge Summary Report.xdmz 0 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/Chargeback/ 52291 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/Chargeback/Charge Trend Report.xdoz 66994 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/Chargeback/Charge Summary Report.xdoz 26505 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/Chargeback/Usage Trend Report.xdoz 112150 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/Chargeback/Usage Summary Report.xdoz 0 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/Consolidation Planner/ 50114 02-20-2011 23:08 bipublisherreports/Consolidation Planner/Consolidation Reports.xdoz --------- ------- 335150 16 files
プラグインJARファイルを作成します。
各JARファイルの最初のディレクトリは、bipublisherreports
である必要があります。レポートのすべてのデータ・モデルは、bipublisherreports
ディレクトリ直下の、同一のサブディレクトリEM_Datamodels
にある必要があります。例:
プラグイン(すべてのメタデータ・ファイルとBI PublisherレポートJARファイルが含まれる)は、プラグイン環境を使用して動的にインストールされます(メタデータ・プラグインの場合)。
BI PublisherレポートのJARファイルは、metadata/bipublisherreport
ディレクトリのサブディレクトリに置かれ、メタデータ・ファイル(emreports)内で参照されます。
BI Publisherレポートは、プラットフォーム用もプラグイン用も、BI Publisher Webアプリケーション(プラグインのインストール時、またはしばらく後のBI Publisherのインストール時)にデプロイされます。
プラグイン・レポートは、BI PublisherがEnterprise Managerに統合されるときにconfigureBIPスクリプトを使用してデプロイされるか、しばらく後に次のEMCLI動詞のいずれかを使用してデプロイされます。
* emcli deploy_bipublisher_reports[-force]
この最後の動詞は、先ほどsetup_bipublisherを使用してセットアップしたEMからBI Publisherへのリレーションシップに、EMシステム・レポート(および、オプションで、拡張開発キット・プラグインが読み込んだレポート)をデプロイします。それを使用して、レポートJARファイル(Oracle Management Server (OMS)ファイルシステム上にある)をアップロードすることもできます。コマンドで-force
が使用されないかぎり、この操作によってEMレポート・フォルダ内の既存のBI Publisherレポートが上書きされることはありません。
たとえば、emctプラグインのための構文は、次のとおりです。
emcli deploy_bipublisher_reports -pluginid=oracle.sysman.emct -pluginversion=12.1.0.0.0
注意: 異なるJARファイルおよびPLATFORM JARファイルで重複したフォルダを使用しないでください。重複フォルダを使用すると、異なるJARファイルのレポートが、同じBI Publisherフォルダに置かれる原因になります。複数のJARファイルで同じレポート名が参照される場合、どちらが最後にデプロイされたのかを確認する方法はありません。 |