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Oracle® Enterprise Manager Business Transaction Managementオンライン・ヘルプ
リリース12.1.0.5
E53010-01
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6 サービスの監視

この章では、Business Transaction Managementを使用してサービスを監視する方法について説明します。監視に使用するインスツルメントの意味および「上位10件のサービス」ダッシュボードについて説明します。内容は、次のとおりです。

6.1 サービスの監視方法

この項では、サービスを監視する方法をリストします。最も一般的な方法から最も特定的な方法への順でこれらの監視タスクをリストし、タスクごとに、監視を実行できるビューへのナビゲート方法を説明します。

監視するには:

  • サービスの全体的なステータス。稼働中/停止しているサービスの合計数とSLA警告/失敗

    「ダッシュボード」「操作状態サマリー」「サービス」にナビゲートします。

  • 最も負荷が高いサービス

    「ダッシュボード」「上位10件のサービス」にナビゲートします。

  • すべてのサービス、エンドポイントおよび操作(稼働中/停止ステータス、SLA準拠およびパフォーマンスを含む)にわたる現在のサマリー情報

    1. 「エクスプローラ」「サービスからエンドポイントへ」にナビゲートするか、または「エクスプローラ」「サービスから操作へ」にナビゲートし、メイン領域を参照します。

      「サービスからエンドポイントへ」では物理的なビューが提供され、これを使用するとサービスからエンドポイント、さらに物理的な操作へとドリルダウンできます。「サービスから操作へ」では論理的なビューが提供され、これを使用するとサービスから物理的な操作へとドリルダウンできます。

    2. メイン領域で、目的のサービスまたはエンドポイントを選択します。

    3. 「サマリー」タブを選択します。

  • 特定のサービス、エンドポイントまたは操作の現在の詳細なパフォーマンスおよび使用状況

    特定のサービス、エンドポイントまたは操作「分析」タブにナビゲートします。

  • 特定のサービス、エンドポイントまたは操作の現在の詳細なSLA準拠

    特定のサービス、エンドポイントまたは操作にナビゲートし、「コンプライアンス」タブをクリックします。

  • 特定のサービス、エンドポイントまたは操作に影響する問題の最近の履歴

    特定のサービス、エンドポイントまたは操作にナビゲートし、「アラート」タブをクリックします。

  • ログ・メッセージ

    特定のサービス、エンドポイントまたは操作にナビゲートし、「メッセージ・ログ」タブをクリックします。メッセージ・ロギングは、サービス・エンドポイントがトランザクションに含まれ、メッセージ・ロギングがそのトランザクションに対して有効になっている場合にのみ使用できます。

6.2 「上位10件のサービス」ダッシュボード

「上位10件のサービス」ダッシュボードでは、システム内で最も負荷が高いサービスをすばやく特定し、その状態を評価できます。

上位10件のサービスを表示するには、「ダッシュボード」「上位10件のサービス」を選択します。

ダッシュボードには4つの表が表示されます。各表は特定のインスツルメントに基づき、そのインスツルメントの上位10件(稼働時間は例外的に下位10件)の測定値を持つサービスがリストされます。

サービスに対して表示されるデータのデフォルトの評価期間は7日間です。評価期間を変更するには、一番上に表示されている「時間間隔」コントロールをクリックします。期間は、過去1日間、過去1時間または過去10分間に変更できます。

「上位10件のサービス」ダッシュボードには、次の特性を備えた10件のサービスをリストする表が表示されます。

  • 最高スループット(「最大の負荷」表)

  • 最小稼働時間(「稼働中の問題」表)

  • 最も遅い平均レスポンス時間(「最遅平均レスポンス時間」表)

  • 最多フォルト数(「最多フォルト」表)

各表には、インスツルメントの数値とチャートが表示されます。カーソルをチャートに合わせて、特定の時間区分の詳細情報を表示します。

詳細な情報および分析を参照するには、トランザクションまたはサービスをダブルクリックしてタブ領域を表示し、「分析」タブを選択します。

6.3 インスツルメントについて

Business Transaction Managementでは、様々なインスツルメントを使用して、ビジネス・トランザクションとその基礎となるサービスや操作のパフォーマンスおよび使用状況の特性を測定します。これらのインスツルメントは、対話形式で監視する管理コンソールの様々な部分に表示されます。これらのインスツルメントの大部分は、サービス・レベル合意(SLA)を定義する基礎としても使用できます。

これらのインスツルメントが作用する期間は、評価期間(SLAの場合)または表示期間(監視コンソールの対話型監視の場合)のいずれかです。次の説明では、インスツルメントが使用されるコンテキストに応じて評価期間または表示期間(あるいはその両方)を表すために、期間という用語を使用します。たとえば現在のコンプライアンス・ステータスなどの一部のインスツルメントでは、現在の値のみが表示されます。

6.3.1 トランザクション・インスツルメント

トランザクションの監視では、次のインスツルメントを使用できます。

平均レスポンス時間

トランザクションの完了にかかった平均時間。トランザクション・インスタンスごとに、インスタンスの開始メッセージが監視された時点から終了メッセージが監視された時点までの時間がインスツルメントによって測定されます。インスツルメントは、期間内に監視されたすべてのインスタンスのレスポンス時間の実行平均を保持します。条件アラートの発生に関係なく、すべての完了済インスタンスがレスポンス時間にカウントされます。

その期間の間、トランザクションが監視されなかった場合、インスツルメント値は「-」に設定されます。レスポンス時間はミリ秒で測定されます。

最大レスポンス時間

トランザクションの完了にかかった最大時間。インスツルメントは、期間内に監視されたすべてのトランザクション・インスタンスのうち最も長い単一レスポンス時間を記録します。

完了済トランザクション

期間内に完了したトランザクション・インスタンスの数。開始と終了の両方のメッセージが観察されれば、条件アラートの発生に関係なく、インスタンスは完了したとみなされます。ただし、終了メッセージがレスポンス・フェーズ(submit.responseなど)にあると定義されている場合に終了操作が失敗すると、終了メッセージが存在することはないため、そのインスタンスはカウントされません。

完了済トランザクション率

期間内の1時間に完了したトランザクション・インスタンスの数。このインスツルメントは完了済トランザクション・インスツルメントからその測定を導出します。

開始済トランザクション

期間内に開始したトランザクション・インスタンスの数。インスタンスは、その開始メッセージが監視されたときに、開始されたとみなされます。

開始済トランザクション率

期間内の1時間に開始したトランザクション・インスタンスの数。このインスツルメントは開始済トランザクション・インスツルメントからその測定を導出します。

条件アラート

期間内にトランザクションで生成された条件アラートの数。

条件アラート率

期間内の1時間にトランザクションで生成された条件アラートの数。このインスツルメントはトランザクション条件アラート・インスツルメントからその測定を導出します。

現在のコンプライアンス・ステータス

トランザクションの現在のコンプライアンス・ステータス。

違反アラート

期間内にトランザクションによって発生したSLA違反または警告の数。

6.3.2 サービスおよび操作のインスツルメント

サービス、エンドポイントおよび操作の監視では、次のインスツルメントを使用できます。

平均レスポンス時間(サービス、エンドポイントおよび操作)

サービスまたは操作がリクエストに応答するために要した時間の平均。リクエストごとに、サービスがリクエストを受信した時点から対応するレスポンスをクライアントに送信した時点までの時間が、インスツルメントによって測定されます。インスツルメントは、期間内に受信されたすべてのメッセージのレスポンス時間の実行平均を保持します。

正常に処理されたリクエストのみがレスポンス時間にカウントされます。フォルトのレスポンス時間はこの測定の計算には含まれません。レスポンス時間は、操作ごとに個別に測定されます。サービスのレスポンス時間は、そのすべての操作の平均レスポンス時間です。この平均は、各操作で処理されたメッセージの数に応じて重み付けされます。

その期間の間、リクエストが監視されなかった場合、インスツルメント値は「-」に設定されます。レスポンス時間はミリ秒で測定されます。

最大レスポンス時間(サービス、エンドポイントおよび操作)

サービスまたは操作がリクエストに応答するために要した時間の最大値。インスツルメントは、期間内に受信したすべてのリクエストのうち最も長い単一レスポンス時間を記録します。

リンクの平均レスポンス時間

アウトバウンド・リクエストに対する平均レスポンス時間。たとえば、orderServiceでは一部のクライアントからのリクエストを受信し、その結果としてcreditCheckServiceにリクエストを送信すると仮定します。この場合、orderServiceは、creditCheckServiceに対するクライアントとして動作します。レスポンス時間は、クライアントとして動作するサービスの視点から測定されます。つまり、クライアント・サービスがリクエストを送信した時点から、レスポンスを受信した時点までが測定され、これは、ネットワーク遅延が存在する場合には、それがレスポンス時間に含まれることを意味します。

正常に処理されたリクエストのみがレスポンス時間にカウントされます。フォルトのレスポンス時間はこの測定の計算には含まれません。その期間の間、リクエストが監視されなかった場合、インスツルメント値は「-」に設定されます。レスポンス時間はミリ秒で測定されます。

トラフィック

期間内にサービスまたは操作が受信したリクエストの数。トラフィック・カウントは、スループットにフォルト・カウントを足した数になります。トラフィック・カウントは、操作ごとに個別に測定されます。サービスのトラフィック・カウントは、そのすべての操作の合計のトラフィック・カウントになります。

スループット

期間内にサービスまたは操作が正常に受信、処理および応答したリクエストの数(つまり、レスポンスの数)。フォルトを生成したメッセージは、スループット・インスツルメントではカウントされません。スループットは、操作ごとに個別に測定されます。サービスのスループットは、そのすべての操作の合計のスループットになります。

スループット率

期間内の1時間に正常に処理されたリクエストの数。このインスツルメントはスループット・インスツルメントからその測定を導出します。

リンク・スループット

期間内に正常に受信、処理および応答された別のサービスに対するアウトバウンド・リクエストの数(つまり、インバウンド・レスポンスの数。サービスからサービスへのコールの説明は、リンクの平均レスポンス時間インスツルメントを参照してください)。

フォルト

期間内にサービスまたは操作によって生成されたフォルトの数。フォルト・カウントは、操作ごとに個別に測定されます。サービスの全体的なフォルト・カウントは、そのすべての操作の合計のフォルト・カウントになります。

フォルト率

その期間の1時間に生成されたフォルトの平均数。このインスツルメントはフォルト・インスツルメントからその測定を導出します。

フォルトの割合

期間内にフォルトを発生させたメッセージの割合。このインスツルメントはフォルトおよびトラフィック・インスツルメントからその測定を導出します。

リンク・フォルト

期間内に別のサービスに対するアウトバウンド・リクエストによって生成されたフォルトの数(サービスからサービスへのコールの説明は、リンクの平均レスポンス時間インスツルメントを参照してください)。

現在のコンプライアンス・ステータス

選択したオブジェクトの現在のコンプライアンス状態。

違反アラート

期間内にサービスまたは操作によって発生したSLA違反または警告の数。

違反アラート%

期間内にサービスまたは操作がSLA違反または警告の状態になった時間のパーセンテージ。

失敗アラート

特定の期間における失敗違反のカウント。

警告アラート

特定の期間における警告違反のカウント。

稼働時間

エンドポイントのコンテナが定期的なpingメッセージに対して正常に応答している時間のパーセンテージ。稼働ステータス・チェックに使用する方法の指定方法は、configureAlivenessCheckコマンドを参照してください。