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Oracle® Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド
12c リリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64
E61771-02
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2 レポートの操作

この章では、付属の標準ライブラリ・レポート、レポートの使用方法、受信するレポート・メールの制御方法、およびレポートを変更して独自のレポートを作成する方法について説明します。2つのレポート・モード(インライン・レイアウトと印刷レイアウト)の使用方法についても説明します。

2.1 レポート・ライブラリの概要

レポートを使用すると、ネットワーク・インフラストラクチャのパフォーマンスの評価に必要な状況を把握できます。また、定義済のKPIやSLAが達成がされているかどうかも確認できます。レポートにより、問題のある領域を簡単に特定できます。また、アラートと併用することで、必要な修正処理を状況に応じて迅速かつ適切に実行できます。

RUEIには、豊富な事前定義済(標準)レポートのライブラリが付属しており、組織内の監視対象操作を即座に確実に把握できます。これらのレポートはレポート・ライブラリから使用できます。レポート・ライブラリは「レポート」タブをクリックすると表示されます。図2-1にこれを示します。

図2-1 標準レポート・ライブラリ

図2-1の説明が続きます
「図2-1 標準レポート・ライブラリ」の説明

標準レポート・ライブラリ

レポート・ライブラリは、監視対象の各項目のトラフィックに関するレポートを含む複数のカテゴリ(つまりフォルダ)で構成されています。このため、自分が最も必要とする情報を迅速に見つけることができます。各レポート・カテゴリで入手できる情報の概要を表2-1に示します。

表2-1 レポート・カテゴリ

カテゴリ 説明

アプリケーション

監視対象アプリケーション・ページに関する情報を提供します。これには、ページ・ビュー、ページ上に表示されるオブジェクト、ページのロード時間や読取り時間などが含まれます。

クライアント

監視対象アプリケーション・ページに関する情報を提供します。これには、ページ・ビュー、ページ上に表示されるオブジェクト、ページのロード時間や読取り時間などが含まれます。

ドメイン

監視対象ドメインに関する情報を提供します(トラフィック、ページ・ビュー、ロード時間、読取り時間など)。

E-Business Suite

EBS対応アプリケーションに関する情報を提供します。

Oracle Fusionスイート

Oracle Fusionベースのアプリケーションに関する情報を提供します。

JD Edwardsスイート

JD Edwards対応アプリケーションに関する情報を提供します。

キー・ページ

特に注意が必要な特定のページに関する情報を提供します。これらのページに関しては、追加情報が記録されます。

監視

ダッシュボード項目(SLAやKPIなど)に関する日次または週次情報を提供します。

Oracle ADFスイート

Oracle ADFベースのアプリケーションに関する情報を提供します。

全体

監視対象Webサイトに関する失敗、合計トラフィック、セッション、ページ・ビューなどの累積情報を提供します。

サーバー

割当て済のIP範囲に基づいたクライアント・セッションに関する情報を提供します。

Siebel

Siebelベースのアプリケーションに関する情報を提供します。

トランザクション

ユーザー・フローの履歴データへのアクセスが含まれています脚注1

URL

失敗したヒットまたは遅いヒット、およびパフォーマンス低下の原因に関する情報を提供します。

ユーザー・フロー

定義済のすべてのWebアプリケーション・ユーザー・フローに関するクライアント情報を提供します。たとえば、ビジターによって開始されたユーザー・フローの数、ユーザー・フローの継続時間、完了または中断したユーザー・フローの数などです。

WebLogic Portal

WebLogic Portalベースのアプリケーションに関する情報を提供します。


脚注1 バージョン6.5.1では、トランザクションはユーザー・フローに名称変更され、処理やレポートの方法に重要な違いがあります。

2.2 レポート・ライブラリのカスタマイズ

標準レポート・ライブラリは、組織の要件により適合するように変更できます。メニューを使用して、レポートのカテゴリまたはサブカテゴリの名前変更、削除または追加が可能です。

標準レポートは変更も削除もできません。また、標準レポートに関連付けられている権限も変更できません。つまり、これらのレポートは、認可されたユーザーが読取り専用でのみ使用できます。標準レポートを変更したバージョンを使用する必要がある場合は、標準レポートをカスタム・レポートのベースとして使用する必要があります。この手順は、2.11項「新規レポートの作成」に記載されています。

カテゴリをメインのレポート・ライブラリに追加するには、「レポート・カテゴリ」項目を右クリックします。図2-2に示すコンテキスト・メニューが表示されます。

図2-2 「レポート・カテゴリ」メニュー

図2-2の説明が続きます
「図2-2 「レポート・カテゴリ」メニュー」の説明

次のオプションがあります。

  • パブリック・カテゴリの追加: すべてのユーザーが使用できる新規カテゴリを作成します。

  • プライベート・カテゴリの追加: 自分のみが使用できる新規カテゴリを作成します。

必要なオプションの選択後、新規カテゴリに一意の名前を指定するように求められます。レポート・カテゴリはアルファベット順にソートされ、プライベート・カテゴリがパブリック・カテゴリの下に表示されます。

サブカテゴリの追加、あるいはカテゴリの名前変更または削除を行うには、該当するカテゴリを右クリックします。図2-3に示すメニューが表示されます。

図2-3 「レポート・カテゴリ」サブメニュー

図2-3の説明が続きます
「図2-3 「レポート・カテゴリ」サブメニュー」の説明

次のオプションがあります。

  • サブカテゴリの追加: 選択したカテゴリの下に新規サブカテゴリを作成します。この新規サブカテゴリはすべてのユーザーが使用できます。

  • カテゴリの編集: カテゴリの名前を変更、またはカテゴリを別の場所に移動します。このオプションを使用できるのは、標準以外のレポート・カテゴリのみです。

  • カテゴリの削除: カテゴリを削除します。削除の確認を求められます。このオプションを使用できるのは、標準以外のレポート・カテゴリのみです。

  • カテゴリの無効化: 管理者以外のユーザーに対して、パブリック・レポート・カテゴリへのアクセスを制限します。この機能は、レポート構造の変更中、または機密情報を含むレポートへのアクセスを制限する場合に有用です。無効化されたカテゴリ内のレポートは、お気に入りおよびレポート・メーリング機能からも自動的に削除されます。

レポートの権限およびパワー・ユーザー

ユーザーが作成した各レポートおよびレポート・カテゴリには、使用方法が割り当てられます。これは、「ビジネス」または「IT」(あるいはその両方)です。この違いは、14.2項「ユーザー・アカウントのロールと権限の概要」で説明されているユーザー権限の基礎にもなります。ビジネス・ユーザーとITユーザーの両方として(つまり、いわゆるパワー・ユーザーとして)「分析」または「完全」のアクセス・レベル権限が割り当てられている場合、作成するレポートへのアクセスは、レポート・カテゴリ・レベルではなく、個々のレポート・レベルで制御されることに注意してください。

たとえば、図2-4に示すように、使用方法「ビジネス」の新規パブリック・カテゴリを作成した場合、ビジネス・ユーザーは、このカテゴリに保存されたIT関連レポートにアクセスできません。

図2-4 「ビジネス」の新規パブリック・カテゴリの作成

図2-4の説明が続きます
「図2-4 「ビジネス」の新規パブリック・カテゴリの作成」の説明

このため、異なるタイプのユーザーを対象としたレポートをカテゴリ内に混在させないことをお薦めします。

2.3 メーリング機能の使用方法

「マイ・メーリング」機能を使用すると、自動電子メールで受信するレポートの概要と、そのレポートの受信頻度(毎日、毎週または毎月)を確認できます。例を図2-5に示します。

図2-5 メーリング・プロファイルの例

図2-5の説明が続きます
「図2-5 メーリング・プロファイルの例」の説明

レポートの右側にあるチェック・ボックスを使用して、レポートを受信する頻度を指定します。または、レポートを右クリックして「メーリング」を選択し、レポートの頻度(「日次」「週次」または「月次」)を選択します。また、「メーリングから削除」を選択して、選択したレポートの受信を停止することもできます。

図2-6 「レポート」メニュー

図2-6の説明が続きます
「図2-6 「レポート」メニュー」の説明

「すぐにメーリング送信」パネルの「日次」「週次」または「月次」コマンド・ボタンを使用して、以前のレポートをリクエストできます。コマンド・ボタンを使用できない場合は、その頻度のレポートがメーリング・リストにないことを意味します。


注意:

レポート・メーリング機能は、毎日午前6時(レポータのシステム時間)に実行されるようにスケジュールされています。

たとえば、「週次」をクリックすると、リスト(図2-7を参照)で特定の週を選択でき、メーリング・プロファイルで現在選択されているその週のすべての週次レポートを受信できます。

図2-7 「すぐにメーリング送信」ダイアログ

図2-7の説明が続きます
「図2-7 「すぐにメーリング送信」ダイアログ」の説明

2.4 お気に入り機能の使用方法

よく使用するレポートに簡単にアクセスできるようにするには、「お気に入り」オプションをクリックします。この機能では、レポートへのショートカットを作成できます。

「お気に入り」セクションにレポートを追加するには、目的のレポートを右クリックし、図2-6に示すメニューから「お気に入りに追加」を選択します。レポートを開くには、ショートカットをクリックして、メニューから「ビュー」 を選択します。レポートの現在のメーリング頻度を確認または変更するには、「メーリング」を選択して目的のオプションを選択します。

ショートカットを「お気に入り」から削除するには、目的のショートカットを右クリックし、図2-8に示すコンテキスト・メニューから「お気に入りから削除」を選択します。

図2-8 「お気に入り」のコンテキスト・メニュー

図2-8の説明が続きます
「図2-8 「お気に入り」のコンテキスト・メニュー」の説明

2.5 レポート・メーリングの管理

レポート・メーリング機能を使用すると、ユーザーに送信されるメールを簡単に管理することができます。この機能を使用できるのは管理者のみです。レポートを受け取るユーザーを指定するには、次の手順を実行します。

  1. 「レポート」「メーリング」「メーリングのレポート」の順にクリックします。

  2. 受信者を指定したいレポートを選択します。選択したレポートを現在受信しているユーザーと、その受信頻度がリストされます。例を図2-9に示します。

    図2-9 レポート・メーリングの例

    図2-9の説明が続きます
    「図2-9 レポート・メーリングの例」の説明

    オプションで、「毎日」「毎週」および「毎月」チェック・ボックスを使用して、現在定義されている各受信者が選択したレポートを受信する頻度を変更します。

  3. 「メーリングの追加」コマンド・ボタンをクリックし、新しいレポート受信者を追加します。図2-10に示すダイアログが表示されます。

    図2-10 レポート・メーリングの追加

    図2-10の説明が続きます
    「図2-10 レポート・メーリングの追加」の説明

  4. 選択したレポートが1つ以上のフィルタを指定して作成された場合(3.9.3項「レポート・フィルタの使用方法」を参照)には、適切なディメンション・メニューを使用して適切な値を指定できます。

  5. 「毎日」「毎週」「毎月」のチェック・ボックスを使用し、選択したレポートを受信者が受け取る頻度を指定します。

  6. 「ユーザー」フィールドを使用し、レポートの受信者を指定します。次に、「保存」をクリックします。

2.6 カレンダの使用方法

レポートでは、特定の日付または期間に関する情報が提供されます。したがって、情報を取得する期間を指定する必要があります。図2-11に示すカレンダを使用して、目的の日付または期間を指定します。

コントロール

カレンダは次の部分から構成されています。

  • 「自」および「至」セクションでは、情報を取得する期間を指定できます。期間は日付単位、週単位または月単位で指定できます。選択した日付は、ハイライト表示されます。日付の選択を解除するには、単に再クリックします。表示される列の下にある矢印キーを使用すると、前後の月または年に移動できます。「日付選択のクリア」をクリックすると、現行のすべての選択を瞬時に解除できます。デフォルトでは、現在の日付が選択されています。これは、「今日」をクリックして選択することも可能です。

  • 「日」タブでは、複数の特定日付を指定して目的の期間を指定できます。単一の日付を選択すると、別のパネルが表示され、選択した日付の特定の時間にレポートを限定できます。時間をクリックして選択および選択解除することや、「業務時間」をクリックして9時から18時までをただちに選択することが可能です。また、選択した複数の時間の選択を、「時間選択のクリア」のクリックによって瞬時に解除することもできます。

  • 「週」および「月」タブでは、情報を週または月単位で指定してリクエストできます。

  • オフセットの比較メニューでは、比較可能な2つの期間のデータを比較できます。この機能の使用方法は、3.10項「異なる期間を対象とするデータの比較」に記載されています。

レポートの表示中は、期間の選択をいつでも自由に変更できます。前述のコントロールを使用するのみで、レポートはただちに更新され、新しく選択した期間が反映されます。

2.7 レポート・フィルタの使用方法

レポート・フィルタ(3.9.3項「レポート・フィルタの使用方法」を参照)で作成したレポートを開くと、レポートのフィルタを指定するように求められます。たとえば、レポートがブラウザ・タイプに関連している場合、表示するKPIを指定するように求められます。図2-12にこれを示します。

図2-12 レポート・フィルタの例

図2-12の説明が続きます
「図2-12 レポート・フィルタの例」の説明

表示されたリストから目的の値を選択し、「レポートの表示」をクリックします。これで、レポートが開きます。

2.8 レポート要素の概要

各レポートは、ヘッダー情報画面およびいくつかのセクションで構成されます。レポートのこれらのセクションについて、次の各項で説明します。

レポート・ヘッダー

レポート・ヘッダーには、表示中のレポートに関する一般情報が含まれています。一般情報には、レポートのタイトル、レポートされるメトリック、レポートの対象となる日付または期間が含まれます。例を図2-13に示します。

図2-13 レポート・ヘッダーの例

図2-13の説明が続きます
「図2-13 レポート・ヘッダーの例」の説明

「情報」画面

「情報」画面には、レポートで使用される語句の用語集が表示されます。これは、レポートで使用されるメトリックの説明が必要な場合に役立ちます。例を図2-14に示します。

図2-14 レポートの用語集の例

図2-14の説明が続きます
「図2-14 レポートの用語集の例」の説明

また、レポートで使用されるすべての用語を記載したリストと、その用語の説明を取得することもできます。それには、用語集内で右クリックして「全用語集」を選択します。

レポートのセクション

一般に、レポートには複数のセクションがあり、含まれるセクションの数はレポートによって異なります。たとえば、日次トラフィック・レポートには、リクエストした期間のページ・ビュー数によってトラフィックをレポートするセクションと、バイト数によってトラフィックをレポートするセクションの2つがあります。

レポートのセクション間を移動するには、レポート・パネルの上部にあるツールバーのアイコンを使用します。また、レポートの「情報」画面を表示して、レポートのデータのビューをグラフィックまたは表(値)の間で切り替えることも可能です。これらのアイコンを図2-15に示し、表2-2で説明します。

図2-15 インライン・レイアウトのアイコン

図2-15の説明が続きます
「図2-15 インライン・レイアウトのアイコン」の説明

表2-2 インライン・レイアウトのアイコンの説明

アイコン 説明
informscreenicon.gifの説明が続きます
図informscreenicon.gifの説明

用語集

レポートに現在示されているメトリックの簡単な説明を表示します。

barcharticon.gifの説明が続きます
図barcharticon.gifの説明

グラフ

レポートのセクションの標準グラフ(円グラフ、線グラフまたは棒グラフ)を表示します。グラフの種類は、基になるデータによって異なります。

valuelisticon.gifの説明が続きます
図valuelisticon.gifの説明

レポートのデータの基となるデータ値を表示します。

leftgreenarrow.gifの説明が続きます
図leftgreenarrow.gifの説明 rightgreenarrow.gifの説明が続きます
図rightgreenarrow.gifの説明

前のセクションおよび次のセクション

これらのコントロールを使用して、レポートのセクション間を移動します。含まれるセクションの数は、レポートによって異なります。

currentsection.jpgの説明が続きます
図currentsection.jpgの説明

レポート内の現行のセクションを示します。

previewicon.gifの説明が続きます
図previewicon.gifの説明

プレビュー

レポートを印刷レイアウト・モードで開きます。このモードは、レポートをカスタマイズする場合、またはレポートに基づいて新規レポートを作成する場合に使用します。

pdfcreateicon.gifの説明が続きます
図pdfcreateicon.gifの説明

PDFのダウンロード

レポートの現行のコンテンツのAdobe PDFファイルを作成します。


図2-15に示すオプションに加えて、各セクションのコンテキスト・メニューの「参照」オプション(図2-16を参照)を使用して、レポートのセクションの基となるデータの完全なビューを取得することもできます。この詳細は、第3章「データ・ブラウザの使用」に記載されています。

図2-16 レポート・セクション・メニュー

図2-16の説明が続きます
「図2-16 レポート・セクション・メニュー」の説明

レポート内の各セクションは、有効化または無効化できます。無効化されたセクションは閉じ、このため、再表示するには有効化する必要があります。無効化されたレポートのセクションの例を図2-17に示します。

図2-17 無効化されたレポートのセクション

図2-17の説明が続きます
「図2-17 無効化されたレポートのセクション」の説明

この機能を使用して最終的な(保存済)レポートのコンテンツを制御できることを理解しておくことが大切です。たとえば、新規レポートのベースとして使用している既存のレポートに、新規レポートとは無関係のセクションが含まれている場合、この機能を使用してそのセクションを最終レポートから削除できます。

2.9 レポートされた値の解釈

レポート(および第3章「データ・ブラウザの使用」で説明されているデータ・ブラウザ)を使用しているとき、値リストに、レポート対象の値でなく、n/aというテキストが含まれる場合があります。測定対象のデータが存在しないためにそのようになります。線グラフおよび棒グラフの場合、この状況は0(ゼロ)の値で示されます。これが発生するのは、次のような状況においてです。

  • 選択した期間の平均が常に、存在するデータに基づいて計算されます。このため、過去24時間の平均値の情報をリクエストしたときに、20時間分のデータのみが存在する場合、平均は24時間ではなく20時間に基づいて計算されます。

  • 期間ベースのレポートには、行の順序と範囲に一貫性を持たせるため、n/aの行が自動的に挿入される場合があります。

  • フィルタを使用すると、アクティブな期間のデータが表示されなくなる場合もあります。この場合も、値n/aが挿入されます。合計をレポートする列の場合、この値は0として解釈されます。

2.10 印刷レイアウト・モードの使用

RUEIでレポートを開くと、レポートはインライン・モードで表示されます。このモードでは、レポートのコンテンツの概要が表示され、レポートで入手可能な他の詳細情報にすばやくアクセスできます。レポートの参照時には、このモードを使用します。ただし、レポートをカスタマイズする場合、または新規レポートを作成する場合は、より強力な編集モードが必要です。これは、印刷レイアウト・モードと呼ばれます。レポートを印刷レイアウトで表示するには、レポート・パネルの上部にあるタスクバー(図2-15を参照)から「プレビュー」を選択します。例を図2-18に示します。

図2-18 印刷レイアウトのレポートの例

図2-18の説明が続きます
「図2-18 印刷レイアウトのレポートの例」の説明

このレイアウトは、レポートのテンプレートとして考えることができ、レポートの構造と外観を定義します。レポートの印刷レイアウトは、新規ウィンドウで表示されます。

2つのレイアウト間の主な違いの1つは、印刷レイアウトではレポートの全セクション(「情報」画面を含む)が表示されることです。このため、レポートのコンテンツの概要全体を把握できます。もう1つの主な違いは、レポートのデータがグラフィックと値(表)の両方の形式で表示されることです。

各セクションの背後にあるコンテキスト・メニュー(図2-18を参照)を使用すると、必要に応じてセクションを変更できます。セクションへの説明の追加、レポートのセクションの有効化および無効化(2.8項「レポート要素の概要」を参照)、レポートからのセクションの削除、およびレポート内でのセクションの表示順の変更が可能です。

2.10.1 印刷レイアウト・モードを使用したレポートのカスタマイズ

レポートに表示する列を変更する手順は、次のとおりです。

  1. 変更するレポートを選択し、レポート・パネルの上部にあるタスクバー(図2-15)から「プレビュー」をクリックして、プリント・レイアウト・モードを開始します。

  2. 変更する列を右クリックして、「編集」をクリックします。図3-24に示すような「エクスポートのカスタマイズ」ダイアログが表示されます。

  3. 「データ列」フィールドおよび「値列」フィールドを変更して、必要に応じてレポートの列を追加または削除します。

  4. エクスポートのカスタマイズの詳細は、第3章「エクスポートするデータの変更」を参照してください。

2.10.2 値リストの使用

デフォルトでは、レポートのセクション内のデータは、グラフ形式で表示されます。ただし、グラフよりも、具体的な数値の確認が必要となる場合があります。また、印刷機能や表示機能が制限されているユーザーにレポートを配布することを計画する場合もあります。このような場合、レポート・パネルの上部にあるツールバー(図2-15を参照)の「値」および「グラフ」アイコンを使用して、2つのビューを切り替えることができます。値の表の例を図2-19に示します。

図2-19 値の表の例

図2-19の説明が続きます
「図2-19 値の表の例」の説明

2.10.3 値リストの制限

値リストでは、メニューから制限値リストを選択して、選択したセクションに表示される値の数を指定できます。図2-20に示すダイアログが表示されます。

図2-20 制限値リスト・ダイアログ

図2-20の説明が続きます
「図2-20 制限値リスト・ダイアログ」の説明

-1の値を指定すると、存在するすべての値が表示されます。この機能は慎重に使用することをお薦めします。値リストが非常に大きくなる可能性があるためです。デフォルトは100です。

2.10.4 比較モードでの操作

比較機能(3.10項「異なる期間を対象とするデータの比較」を参照)を使用してレポートを作成すると、追加オプション「比較」をメイン・セクションのコンテキスト・メニュー内で使用できます。これにより、レポートに使用するオフセット期間を指定できます。指定可能な期間は、レポートでのアクティブ期間の選択(日、週または月)に応じて異なります。

2.11 新規レポートの作成

レポート・ライブラリに表示される標準レポートの他に、新規レポートを作成することもできます。このためには、既存のレポートを新規レポートのベースとして使用してから、要件に合うように新規レポートを変更する必要があります。新規レポートを保存する手順は、次のとおりです。

  1. 新規レポートを作成する準備ができたら、「ファイル」メニューから「新規として保存」を選択します。図2-21に示すダイアログが表示されます。

    図2-21 「新規レポートとして保存」ダイアログ

    図2-21の説明が続きます
    「図2-21 「新規レポートとして保存」ダイアログ」の説明

  2. 新規レポートのタイトルおよび簡単な説明と、保存先のカテゴリを指定します。前述のように、レポートをプライベート・カテゴリに保存すると、レポートを使用できるのは自分のみになります。「オプション」タブでは、レポートに用語集を含めるかどうかを指定できます。次に、「保存」をクリックします。そのタイトルのレポートがすでに存在する場合、それを置き換えるか確認するように求められます。

    作成したレポートがレポート・ライブラリにただちに表示されない場合は、「レポート」アイコンをクリックして表示された構造をリフレッシュしてください。

既存のレポートの変更

2.8項「レポート要素の概要」で説明した機能を使用して、レポートを変更できます。標準レポートは変更できないことに注意してください(2.1項「レポート・ライブラリの概要」を参照)。新規レポートを作成できるかどうかは、割り当てられているユーザー権限によって決まります。パブリック・レポートは、作成後、必要な権限を持つユーザーが編集でき、他のすべてのユーザーも読取り専用で使用できます。

2.12 PDFへのレポートのエクスポート

「PDFとしてレポートをダウンロード」アイコンをクリックするか、「ファイル」メニューから「PDFとしてレポートをダウンロード」を選択して、レポートの現行のコンテンツのAdobe PDFファイルを作成できます。「ファイル」メニューから「ページの向き」を使用して、縦または横のPDFファイルを作成します。印刷レイアウトで無効化されているセクションは、生成されるPDFファイルには含まれないことに注意してください。


注意:

生成されたPDFファイルを表示するには、Adobe Acrobat Readerをインストールする必要があります。これはAdobe社のWebサイト(www.adobe.com)からダウンロードできます。

2.13 レポート・データエクスポート

RUEI内部のレポート・データは、XMLやCSVなどの様々な形式で、Web問合せを使用してホストまたはクライアント・システムにエクスポートできます。たとえば、ビジネス・インテリジェンス(BI)システムへのエクスポートが可能です。エクスポートされたデータはUnicode(UTF-8)形式になります。「レポート・データのエクスポート」ロールを持つRUEIユーザーは、Basic認証を使用して、Webリクエストを使用してRUEIからデータをダウンロードできます。管理者はこの目的で、RUEIを使用して、パラメータを含むURLを構成できます。この機能を使用する手順は、次のとおりです。

  1. 「レポート」を選択します。

  2. 必要なレポートを選択して、ツールバーの「レポートURLのエクスポート」を選択します。図2-22に示すウィンドウが表示されます。

    図2-22 「レポート・データのエクスポート」ウィンドウ

    図2-22の説明が続きます
    「図2-22 「レポート・データのエクスポート」ウィンドウ」の説明

  3. データを使用できる必要がある期間を指定します。

  4. 「データ形式」メニューを使用して、レポート・データをエクスポートする形式を指定します。デフォルトは、Extensible Markup Language (XML)です。

  5. フィルタを使用するレポートの場合、必要なディメンション値を選択します。フィルタの使用方法は、2.7項「レポート・フィルタの使用方法」を参照してください。

  6. レポート・データへのURLが表示されます。これをコピーして、関連するすべてのホストに送信します。ユーザーは、レポート・データにアクセスするための有効なユーザー名およびパスワードを要求されます。

  7. 必要に応じて、レポート・データにアクセスするための「レポート・データのエクスポート」ロールを持つユーザーを作成します。ユーザー・ロールの詳細は、14.2項「ユーザー・アカウントのロールと権限の概要」を参照してください。

その他の引数

デフォルトでは、エクスポートされるデータは丸一日分がXML形式で提供されます。ただし、表2-3の引数を指定することもできます。

表2-3 レポート・データのエクスポート機能のその他の引数

引数の名前 引数の値 説明

output

pdf

PDF形式でデータをエクスポートします。


xls

XLS形式でデータをエクスポートします。


xml

XML形式でデータをエクスポートします(デフォルト)。


csv

カンマ区切り値でデータをエクスポートします。


tsv

タブ区切り値でデータをエクスポートします。


wqf

Web Query形式のエクスポート・データ。

date脚注1

yyyymmdd

丸一日分のデータをエクスポートします(デフォルト)。


yyyymmddhh

特定の1時間のデータをエクスポートします。


yyymmddhhmm脚注2

特定の5分間のデータをエクスポートします。

date-to脚注1

yyyymmdd

特定の日までのデータをエクスポートします。


yyyymmddhh

特定の時刻(1時間単位)までのデータをエクスポートします。


yyymmddhhmm脚注2

特定の時刻(5分単位)までのデータをエクスポートします。


脚注1 時間範囲の引数には、常にレポータ・システムのローカル時間が使用されます。

脚注2 日付形式の最小単位は5分間です。したがって、yyyymmdd1215という日付を指定すると、12時15分から12時19分の期間の値が返されます。

次に例を示します。

http://myshop/ruei/export.php?id=10056&output=csv&date=20101025&date-to=20101027

このように指定すると、選択したレポート・データが2010年10月25日から27日の期間についてカンマ区切り値の形式でエクスポートされます。

動的にリフレッシュするダッシュボードの作成

レポート・データのエクスポート機能を使用して、動的にリフレッシュするMicrosoft Excelスプレッドシートを作成できます。次に説明する手順では、「レポート・データのエクスポート」ロールを持つ有効なユーザーが必要です。これらは、外部ダッシュボードのベースとなります。このようなデータ・フィードを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「システム」「レポート・データのエクスポート」の順に選択します。表示されたリスト(図2-22)から新たに作成するエクスポートを選択します。エクスポート・データに表示されるURLを書き留めます。

  2. 次のコンテンツを使用して、ローカル・システムにファイルruei.iqyを作成します。

    WEB
    1
    https://<Reporter>/ruei/export.php?output=wqf
    id=["id","The report ID"]&date=["date","Begin date
    YYYYMMDD"]&date-to=["date-to","End date YYYYMMDD"]
    

    上で指定したURLのReporter部分を適切なホスト名またはIPアドレスで置き換える必要があります。

  3. Microsoft Excel内で、「ファイル」メニューの「Existing connections」を選択します。「参照」をクリックします。図2-23に示すようなダイアログが表示されます。

    図2-23 「Existing Connections」ダイアログ

    図2-23の説明が続きます
    「図2-23 「Existing Connections」ダイアログ」の説明

  4. 「Browse for More」をクリックし、以前に作成したruei.iqyファイルに移動して選択します。図2-24に示すようなダイアログが表示されます。

    図2-24 「Import Data」ダイアログ

    図2-24の説明が続きます
    「図2-24 「Import Data」ダイアログの説明」

  5. インポートしたデータを使用して新しいスプレッドシートを作成するよう指定します。準備ができたら、「OK」をクリックします。図2-25に示すようなダイアログが表示されます。

    図2-25 「Enter Parameter Value」ダイアログ

    図2-25の説明が続きます
    「図2-25 「Enter Parameter Value」ダイアログ」の説明

  6. レポート・データのエクスポート機能によって示されたURLに含まれるレポートIDを指定します。開始日および終了日を指定するよう求められます。これらは、それぞれスプレッドシート内のセルから取得するか、直接入力できるので注意してください。準備ができたら、「OK」をクリックします。指定したエクスポート・ソースのデータは、RUEIによって自動的に更新されます。

Microsoft Excelスプレッドシート内で戻される行の数は、特定の間隔で異なる場合があります。このため、フィルタリングおよび他の書式設定問合せを設計する場合にこの点を考慮する必要があります。また、適切なメニュー・オプションおよびダイアログの表示は、使用しているMicrosoft Excelのバージョンによっては上記のバージョンと異なる場合があります。