Oracle® Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド 12c リリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64 E61771-02 |
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この章では、データ・ブラウザの使用方法について説明します。データ・ブラウザはRUEIの中心となる機能であり、監視中に収集された情報への直接アクセスを提供します。データ・ブラウザでは、直感的でユーザーフレンドリな方法を使用して、情報のドリルダウン、検索およびフィルタを実行できます。
各レポートに示される情報は、監視中に取得したすべての情報を含む多次元データ構造から導出されます。この構造を使用することで、より詳細なレベルを次々にクリックするだけでWebデータを探索でき、様々なディメンション(期間、リファラ、ビジター・タイプなど)別にWebデータを表示できます。このデータ構造は、「データの参照」タブで表示できます。
データ・ブラウザを使用すると、レポートに示されるデータのコンテキストを理解できるとともに、情報をドリルダウン、ランク付け、ソートおよびフィルタすることで原因、結果および傾向を把握することができます。レポート内からデータ・ブラウザを開くには、レポート・メニューから「参照」オプションを選択します。データ・ブラウザを他の場所から開くには、「データの参照」タブをクリックします。図3-1に示すようなウィンドウが表示されます。
データ・ブラウザのツールバー
データ・ブラウザ画面の上部には、図3-2に示すツールバー・アイコンが表示されます。表3-1は、これらのアイコンについて説明しています。
アイコン | 説明 |
---|---|
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グラフ。 データの標準グラフ(円グラフ、線グラフまたは棒グラフ)を表示します。グラフの種類は、基になるデータによって異なります。 |
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フィルタを編集します。 フィルタを編集できる新しいウィンドウを開きます。 |
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階層ビュー。 (異なる詳細レベルに対するズーム・インまたはズーム・アウトで使用される)レポート内でのビュー・ディメンションの表示方法を制御します。無効の場合(デフォルト)、ディメンション内のアクティブな詳細レベルのみが表示されます。有効にすると、アクティブな(ズーム)レベルに至るまでのすべてのレベルが表示されます。詳細は、3.6項「階層ビュー」を参照してください。 |
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追加のグラフの種類。 標準的なグラフに加えて、基となるデータによって、追加のグラフの種類を使用できる場合があります。その場合、目的のグラフの種類を選択するには、該当するアイコンをクリックします。 また、「グラフ」メニューの「タイプ」オプションを使用して、グラフの種類を選択することもできます。 |
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値。 ブラウザのデータの基となるデータ値を表示します。値リストの使用方法の詳細は、3.4項「値リストの使用」を参照してください。 |
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前のページおよび次のページ。 これらのコントロールを使用して、表示されたデータセットのページ間を移動します。 |
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用語集。 データ・ブラウザ内に現在示されているメトリックの簡単な説明を表示します。この説明には、グラフまたは値テーブルに示されているディメンションおよび適用されているフィルタの両方が記載されます。フィルタの使用方法は、3.9項「フィルタの使用」に記載されています。 |
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検索。 現在表示されているデータ・セット内の文字列を検索できます。検索機能の使用方法の詳細は、3.5項「データ・ブラウザでの検索」に記載されています。 |
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ズーム・インおよびズーム・アウト。 表示される詳細のレベルを変更できます。ズーム・インおよびズーム・アウトの操作時には、表示されるデータのディメンションを変更します。新しいディメンションは、現在選択されているディメンションによって決まります。たとえば、年次データを表示している場合は、ズーム・イン操作により、月次データの表示に変更されます。クライアントの場所を国別に表示している場合は、ズーム・イン操作により、表示されるディメンションがクライアントの場所が属する国の中のプロバイダに変更されます。 元のディメンションにすばやく戻すには、「ビュー」メニューからビューのリセットを選択します。 |
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レポートとしてオープン。 現在表示されているデータをレポート印刷レイアウト・モードの新しいウィンドウで開きます。レポートの作成とカスタマイズの詳細は、第2章「レポートの操作」に記載されています。 |
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エクスポートとしてオープン。 現在表示されているデータを、各種アプリケーション(Microsoft Excelなど)にエクスポートするにあたってカスタマイズできる新しいウィンドウを開きます。この機能の詳細は、3.11項「データのエクスポート」に記載されています。 |
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ダッシュボードに追加。 選択されているダッシュボードに現在のビューを追加します。この機能の詳細は、5.5項「ダッシュボードへのデータ・ブラウザまたはKPIビューの追加」に記載されています。 |
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戻る/進む。 データ・ブラウザ内での直前のアクションを元に戻す、または繰り返します。 |
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ズームをロック/アンロック。 上位レベルの集計で使用できないディメンション・レベル値を使用して問い合せるため、ビュー・レベルをロック/アンロックします。たとえば、日単位で使用する場合、完全なURLに基づいてフィルタを設定します。通常、このフィルタは、この情報を月単位で使用できないため、月単位にズームアウトする場合に自動的に削除されます。ただし、ズーム・ロックが設定されている場合、月単位のかわりに定義されたフィルタを使用して、30日単位で問い合せられます。 |
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カスタマイズ済ビューを保存します。 カスタマイズ済ビューを、すべてのユーザーがデータ・ブラウザから表示できるように保存します。この機能については、3.13項「ブラウザ・ビューのカスタマイズ」で説明します。 |
データ・ブラウザ内に表示される情報は、グループ別に分けられます。最上位レベルには、アプリケーション関連グループとサービス関連グループの2つのグループ・タイプがあります。各グループでは、収集されたデータを様々な視点、つまりビューで表示できるようになっています。これらのビューは、データ・ブラウザ・ウィンドウ(図3-1)の左側にある「ビューの選択」パネルから選択できます。
「ビューの選択」パネル内のメイン・グループの1つ1つは、様々な情報カテゴリに関連しています。監視対象のWeb環境でアクセスされたページ、ビジター・セッション、ユーザー・フロー、失敗したURLとページ、およびキー・ページに関するグループがあります。
これらの各グループ内のサブグループには、選択したカテゴリの特定項目に関する情報が表示されます。具体的には、情報が特定のディメンションで表示されます。これらのディメンションは、サブグループの名前に示されます。たとえば、「すべてのセッション」グループには、ドメイン、期間、ユーザーID、クライアント・ブラウザ、言語、場所およびオペレーティング・システムをそれぞれディメンションとしたビューが用意されています。図3-3にこれを示します。
個々のビューは、表示される情報のタイプを示す標準的な分類(失敗、パフォーマンス、全体およびサイズ)でグループ化されています。これらの中で、基となるデータを調べるために使用するアクティブ・ディメンションを選択できます。
この項で説明されている標準的なディメンションに加えて、カスタム・ディメンションを使用して、データ・ブラウザ内に表示できる情報を拡張することもできます。この詳細は、3.12項「カスタム・ディメンションの使用」に記載されています。
セッション診断機能の詳細は、第4章「セッション診断機能の使用」に記載されています。
RUEIで対応できる情報には2種類あります。5分間隔で検出されるすべてのアクティブなセッションから導出される情報と、完了した(クローズ)セッションから導出される情報です。それぞれの詳細は次の各項で説明します。
アクティブ・セッションから導出される情報
RUEIでレポートされるほぼすべての情報は、5分間隔で検出されるオープン(アクティブ)セッションに基づきます。1つの例外は、「すべてのセッション」グループでの複数日のレポートです。この詳細は次の項に記載されています。
5分ごとにセッションについてレポートされるプロパティ(IPアドレスやユーザーIDなど)は、実質的には5分間の最後に取得されたスナップショットであることに注意してください。これらのプロパティの値はその5分間内では変動していた可能性がありますが、その期間の最後の値がレポートされます。
クローズ・セッションから導出される情報
「すべてのセッション」グループで複数日についてレポートされる情報は、完了した(クローズ)セッションから導出されます。結果として、この情報には遅延が伴います。遅延が発生するのは、定義されているセッション・アイドル時間が原因です。セッション・アイドル時間は、ビジターのセッションが非アクティブになってから終了したとみなされるまでの期間を指定します。デフォルトでは60分です。
情報がこのようにして導出されるため、5分間隔のレベルにドリルダウンすることはできません。また、ビジター・セッションが午前9時に開始して午後5時に終了する場合について考えてみてください。セッションは、昼食休憩の午後12時から午後1時を除いてずっとアクティブです。通常、このセッションは1つのセッションとしてレポートされます。ただし、「すべてのセッション」グループでの複数日の期間では、2つのセッションとして報告されます。非アクティブな期間があるためです。
レポートされるデータに相違が生じることがある理由
1日についてレポートされるデータと複数日についてレポートされるデータには、わずかな差異が生じる可能性があります。たとえば、ある1日について「すべてのセッション」ビューでレポートされるセッション数は、「すべてのセッション」ビューの2日間に対する表示において、同じ1日についてレポートされる数と若干異なる場合があります。このような差異が生じる理由を理解するためには、1日のデータと複数日のデータが処理される方法を知る必要があります。
図3-4に示す状況について検討します。2名のビジターAとBが両方とも、12:05に閲覧を開始します。Aのセッションは12:45に終了し、Bのセッションは13:55に終了します。ビジターAが14:05に再開し、14:55に終了します。
時間単位での同時ビジター・セッションの数は、表3-2のようにレポートされます。
表3-2 時間単位のレポート
時刻 | セッション |
---|---|
12:00 |
2(12時から13時には一意のビジターを2名確認)。 |
13:00 |
1(13時から14時には一意のビジターを1名確認)。 |
14:00 |
1(14時から15時には一意のビジターを1名確認)。 |
日単位では、2つの同時セッションがレポートされます。ただし、月単位または2日単位で表示すると、セッションの数がレポートされます。この場合、Aの2つのセッションの間にアイドル時間が含まれるため、セッション数は3としてレポートされます。レポートされるセッション数の差異を防ぐには、監視対象のアプリケーションのセッション・アイドル時間と一致するようにセッション・アイドル時間を指定する必要があります。
セッション継続時間、ページ・ロードおよび読取り時間の概要
セッション継続期間は、最後のページがセッション内にロードされた時間から最初のページのロードが開始された時間を引いて計算およびレポートされます。セッション・ロード時間は、セッション内のすべてのページ・ロード時間の合計を表します。セッション読取り時間は、セッション内のすべてのページ読取り時間の合計です。各ページ読取り時間は、最後のヒットがロードされた時間と次のページの最初のヒットの開始の違いとして計算されます。セッションに次のページがない場合、デフォルトの20秒が使用されます。短いセッションの場合、レポートされたページ読取り時間がセッション継続時間より長くなる可能性があることを意味します。図3-5に示す例について考えます。
ユーザー・フロー
ユーザー・フローの詳細は、9.1項「ユーザー・フローの概要」を参照してください。フローはセッションと同様の方法で追跡され、複数の同時フローがサポートされており、アクティブなフローおよび完了したフローに関するレポートを表示できます。ユーザーがフローの最後のステップを完了するかフローを中断した場合、あるいはセッションがタイムアウトすると、その結果として完了したフローとなります。フロー・レポート・データが予測と異なる場合、次のことを考慮してください。
2つの同じフローが別のステップ・アイドル設定で定義されている場合、両方のフローのユーザー動作が同じであっても、レポートされるフロー期間およびフロー・アイドル時間は異なります。
ユーザーが特定のステップに対して時間が一般的に多く、ステップ・アイドル設定が低い場合は、そのステップに関連するステップ・アイドル時間が多いことがわかります。ステップ・アイドル設定を大きくすると、ユーザー動作に関してより正確な結果が得られます。
ステップ・アイドル時間中、ユーザーがブラウザを閉じても(あるいはその他の動作を行っても)、RUEIのデータにはこの期間がアクティブ時間として表示されます。
問題分析カテゴリのビュー(表3-4を参照)では、アプリケーションの場合、失敗したり問題のあるページ・ビューやヒットに関する詳細な情報が提供されます。それには表3-3に示すグループが含まれます。
表3-3 問題分析グループ
名前 | 説明 |
---|---|
サービス・テスト |
実際のエンド・ユーザー・トラフィックに関連するサービス・トラフィックについてレポートします。詳細は、8.3.7項「サービス・テスト・ビーコン・トラフィックのレポート」を参照してください。 |
URL診断 |
特定のURLについてレポートします。詳細は、3.2.4項「問題分析のためのURL診断」を参照してください。 |
失敗したURL |
失敗したページ内のオブジェクト(ヒット)についてレポートします。たとえば、破損したイメージや使用できないダウンロードが含まれるページなどです。1分間当たり最大で1000個のオブジェクトが記録されます。該当するオブジェクトのすべての技術エラー(付録D「エラー・コードの説明」を参照)がレポートされます。このビューではアプリケーション情報は使用されないため、アプリケーションが構成されていない場合でも、失敗したページに関して考えられる理由がレポートされます。 |
失敗したページ |
アプリケーションのページで発生したサーバー、ネットワーク、Webサイトおよびコンテンツの各エラーについてレポートします。 |
遅いURL |
オブジェクトのエンドツーエンド時間に基づく、システムによって検出された分ごとに最も遅い1000のオブジェクトに関するレポート。オブジェクトには、このビューでレポートする少なくとも構成された遅いURLのしきい値(デフォルトは2000ミリ秒)のエンドツーエンド時間が必要です。このビューのためにアプリケーションを構成する必要はありません。詳細は、12.5項「遅いURLおよび関数コールのレポートの制御」を参照してください。 |
失敗した関数 |
関数コールで発生したサーバー、ネットワーク、Webサイトおよびコンテンツの各エラーについてレポートします。 |
処理の遅い関数 |
コールのエンドツーエンド時間に基づく、システムによって検出された分ごとに最も遅い1000のオブジェクトに関するレポート。コールには、このビューでレポートする少なくとも構成された遅いURLのしきい値(デフォルトは2000ミリ秒)のエンドツーエンド時間が必要です。このビューのためにサービスを構成する必要はありません。詳細は、12.5項「遅いURLおよび関数コールのレポートの制御」を参照してください。 |
スイートURL診断 |
スイートURL診断およびこれらのデータ・グループが作成されない場合の詳細は、3.2.5項「問題分析のためのスイートURL診断」を参照してください。 |
注意: 失敗したURL、ページおよびサービス・コールに関する情報の有効期間は、レポータのデータ保存ポリシーによって決定されます。この詳細は、12.10.1項「レポータの保存ポリシーの定義」に記載されています。RUEI内からのクリックアウトのための外部ユーティリティの構成手順は、4.6項「外部ツールへのクリックアウトの構成」に記載されています。 |
ページ配信ディメンションは、「失敗したページ」、「すべてのページ」、「キー・ページ」の各ビューで使用でき、監視対象のWebサイトで検出されたエラーをレポートします。ページ配信ディメンションでレポートされるすべてのエラーは、セッション診断の再生機能でも表示できます(第4章「セッション診断機能の使用」を参照)。
ページまたはオブジェクトで複数のタイプのエラー(たとえば、ネットワーク・エラーとWebサービス・エラーの両方)が発生した場合、ページ・エラーまたはオブジェクト・エラーは複数回は記録されません。かわりに、エラーは特定の順序(Webサイト、サーバー、ネットワーク、コンテンツの順)でレポートされます。たとえば、Webサイト・エラーとネットワーク・エラーの両方が発生したオブジェクトは、ネットワーク・エラーではなくWebサイト・エラーとして記録されます。
このディメンションでレポートされるエラーは、KPIのベース(カウンタと割合の両方で表されるメトリック)としても使用できます。図3-6にこれを示します。
アプリケーション違反およびユーザー違反
アプリケーション違反カウンタは、Webサイト、ネットワーク、サーバーおよびコンテンツ・エラーの合計数をレポートします。ユーザー違反カウンタは、コンテンツ通知とクライアント中断の合計数をレポートします。これらのカウンタの使用例は、特定のアプリケーションの一般的な状態を追跡するダッシュボードの作成などです。これらのカウンタは、KPIメトリックとしても使用できます。特定のページ・ビューには、アプリケーション違反およびユーザー違反の両方を含めることができます。
「URL診断」グループは、ページ内の動的オブジェクト(ポートレットやフレームなど)の個別の記録に特に適しています。特定のヒットに関連するリテラルURLをレポートするかわりに、「URL診断」グループは機能URLをレポートします。これらはカスタマイズ可能なレポート方法です。通常は、レポートされたURLからセッション情報や一意の情報は除去されます。
注意: 「URL診断」グループで収集されたデータを他のグループ(「失敗したURL」や「遅いURL」など)で利用することはできません。 |
このグループで得られる情報を使用すると、ページとは無関係に動的サーバー相互作用URLにアクセスできます。このアプローチには、関連するヒットベースの情報がすぐに見つかるという利点があります。たとえば、JavaまたはPHPベースのコールの監視のみに関心があることを指定できます。これは、診断ユーティリティ(CAMMおよびAD4Jなど)の専用サポートを提供する強力なクリックアウト機能によって補われます。
URL診断の構成はアプリケーション・レベルまたはスイート・レベルで指定します。詳細は8.3.21項「問題分析グループ内のレポートの制御」および3.2.5項「問題分析のためのスイートURL診断」に記載されています。
スイート・カテゴリのビュー(表3-4を参照)では、監視対象スイートの運用に関する詳細な情報が提供されます。各スイート・グループが表示されるかどうかは、構成される少なくとも1つのスイート・インスタンスによって異なります。
インストールおよび構成されている各スイート・タイプについても診断グループを作成でき、アプリケーションに関して「URL診断」グループ(3.2.4項「問題分析のためのURL診断」を参照)で得られる情報と同等の情報が提供されます。
注意: 「スイートURL診断」グループで収集されたデータを他のグループ(「失敗したURL」や「遅いURL」など)で利用することはできません。 |
スイートURL診断グループの作成の制御
デフォルトでは、スイートURL診断データ・グループは作成されません。作成を有効にするには、次の手順を実行します。
目的のスイート・タイプについて少なくとも1つのインスタンスが定義済であることを確認します。
「構成」→「一般」→「詳細設定」→「スイートURL診断」の順に選択します。目的のスイート・タイプをクリックします。図3-7に示すようなダイアログが表示されます。
選択したスイート・タイプのURL診断グループに対して、レポートを有効にするか無効にするかを指定します。デフォルトでは、これは無効です。次に、「保存」をクリックします。
有効にしたスイートURL診断グループ内のデータを使用できるかどうかは、定義されたデータ保存ポリシーによって異なります(12.10項「データ保存ポリシーの指定」を参照)。
データ・ブラウザの各グループはビジネス関連かIT関連のいずれか(あるいはその両方)です。データ・ブラウザにアクセスできるのは、対応する「分析」アクセス・レベル(以上)の権限を持つユーザーのみです。各データ・ブラウザ・グループのユーザー・タイプ割当てを表3-4に示します。
表3-4 データ・ブラウザ・グループのユーザー・タイプ
カテゴリ | グループ | ビジネス | IT |
---|---|---|---|
アプリケーション |
Overall |
||
すべてのページ |
X |
X |
|
すべてのセッション |
X |
X |
|
ユーザー・フロー完了 |
X |
X |
|
ユーザー・フロー・アクティビティ |
X |
X |
|
監視対象KPI |
X |
X |
|
ADFフレームワーク |
X |
X |
|
Fusion Applications |
X |
X |
|
Webcenter |
X |
X |
|
E-Business (Forms) |
X |
X |
|
Siebel |
X |
X |
|
PeopleSoft |
X |
X |
|
JD Edwards EnterpriseOne |
X |
X |
|
FC Direct Banking |
X |
X |
|
FC Universal Banking |
X |
X |
|
WebLogic Portal |
X |
X |
|
アプリケーション |
Problem analysis |
||
サービス・テスト |
X |
X |
|
URL診断 |
X |
||
失敗したURL |
X |
||
失敗したページ |
X |
X |
|
遅いURL |
X |
||
ADFフレームワーク診断 |
X |
||
Fusion Applications診断 |
X |
||
Webcenter診断 |
X |
||
E-Business (Forms)診断 |
X |
||
Siebel診断 |
X |
||
PeopleSoft診断 |
X |
||
JD Edwards EnterpriseOne診断 |
X |
||
FC Direct Banking診断 |
X |
||
FC Universal Banking診断 |
X |
||
Weblogic Portal診断 |
X |
||
サービス |
Overall |
||
すべての関数 |
X |
||
Problem analysis |
|||
失敗した関数 |
X |
||
処理の遅い関数 |
X |
値リストの使用時に、表示されたリストに列を追加できます。表示されたデータにインジケータ列を追加するには、「値」メニューから「割合の表示」または「成長率の表示」を選択します。これらのオプションを使用できるかどうかは、現在表示されているリストによって異なります。また、リストをレポートとして表示(「ビュー」メニューから「レポートとして開く」を選択)した場合も、列が引き継がれます。
ソート順序の変更
値リストの上部にある列ヘッダーを選択して、ソート順序を変更することもできます。ビューは、選択した列を昇順でソートしたものに変更されます。列ヘッダーを再クリックすると、ソート順序が降順になります。列ヘッダー内の順序記号は、現在の順序を示しています。例を図3-8に示します。
包含フィルタと除外フィルタ
値リストでは、項目を右クリックして図3-9に示すメニューを開くこともできます。
次のオプションがあります。
値の選択: 包含フィルタとして選択した値をフィルタ・パネルに追加します。つまり、選択した値と一致する値のみがブラウザに表示されます。
値の除外: 除外フィルタとして選択した値をフィルタ・パネルに追加します。つまり、選択した値と一致しない値のみがブラウザに表示されます。
検索機能を使用して、現在表示されているデータセット内での文字列の有無を検索できます。図3-10にこれを示します。
検索機能では、完全一致または部分文字列として指定した検索パターンとの一致が行われます。したがって、検索パターンfireを指定すると、すべてのfireの出現の他に、firefox、x-fireおよびsefirewallの出現とも一致します。
その後、複数セクションコマンド・ボタンをクリックしてから、必要な結果をそれぞれクリックすることにより、1つ以上の結果を使用してデータをフィルタできます。
必要な値を選択したら、画面の下部にあるツールバーを使用して、値を包含フィルタと除外フィルタのいずれにするかを指定できます。また、このツールバーでは、現在定義されているすべてのフィルタを反転したり解除することもできます。
前述のように、検索対象は現在表示されているデータに制限されます。検索を拡張するには、現在のビューを変更するか、適用されているフィルタを解除して、検索を再実行します。一致が見つからなかった場合は、「結果が見つかりません」というポップアップ・ダイアログが表示されます。
注意: 検索機能では、ワイルドカード文字(*など)の使用はサポートされていません。すべての文字がリテラルとして扱われます。結果リストは値リストであり、値リストと同じ機能を持ちます(3.4項「値リストの使用」を参照)。 |
階層ビュー機能は、「データの参照」、「レポート」および「ダッシュボード」内で使用できるトグルとして実装されています。これは(異なる詳細レベルに対するズーム・インまたはズーム・アウトで使用される)レポート内でのビュー・ディメンションの表示方法を制御します。
無効の場合(デフォルト)、ディメンション内のアクティブな詳細レベルのみが表示されます。有効にすると、アクティブな(ズーム)レベルに至るまでのすべてのレベルが表示されます。最低レベルの詳細(ページ名)にズームインしていて、階層ビューが無効になっているアプリケーション・ディメンションのレポートの例としては、次のものがあります。
次は同じレポートですが、階層ビューが有効になっています。
表3-6 階層ビューが有効化されているアプリケーション・ディメンション
アプリケーション | ページ・グループ | ページ名 | ページ・ビュー |
---|---|---|---|
Twiki |
Home |
index.html |
10 |
Twiki |
サービス |
index.html |
4 |
Twiki |
FAQ |
index.html |
1 |
階層ビューの有効化/無効化は、ツールバー上のアイコンを使用するか、次に示す「ビュー」メニューで設定できます。
グラフのデータをソートするには、グラフの下にある凡例から該当するディメンションを選択します。図3-12にこれを示します。
値リスト内でのソートの詳細は、3.4項「値リストの使用」を参照してください。
また、「データ」メニュー内の「ソート」オプションを使用して、指定したソート仕様を元に戻したり(ソートから削除)、現在のソート仕様を反転できます(「ソートの反転」)。
データ・ブラウザを使用するとき、タスクバーの「戻る」アイコンと「進む」アイコン(表3-1を参照)を使用すると、それまでの選択動作を元に戻したりやり直したりすることができます。この方法で、直前の動作(フィルタの設定など)を元に戻すことができます。表示するための動作をすべて繰り返す必要はありません。この機能を使用するときは、次の点に注意してください。
記憶できる動作は最大で20です。
セッション診断機能では、「診断の終了」アイコンを使用すると、診断機能を開始する直前のデータ・ブラウザの位置に戻ります。それまでの動作は選択履歴に保存されます。
データ・ブラウザを離れて他のモジュール(たとえば、構成モジュールまたはレポート・モジュール)を使用しても、データ・ブラウザに戻ると選択履歴が保存されています。
「戻る」アイコンを使用して選択を元に戻し、新しい選択を行うと、その時点よりも後の選択履歴は廃棄されます。
「ビュー」メニューの「戻る/進むの履歴のリセット」オプションを選択すると、記憶されている表示動作をリセットできます。
データ・ブラウザ・ウィンドウの上部にあるフィルタ・パネルを使用して、表示する情報のプロファイルを制限できます。例を図3-13に示します。
フィルタ・パネルの最初の項目は常に、情報が必要な日付または期間になります。図3-13の例では、期間/年の2007がこれに相当します。この項目は、最上位レベルのフィルタとなり、カレンダで変更できます(2.6項「カレンダの使用方法」を参照)。
その後、追加のフィルタを設定できます。フィルタには、包含フィルタと除外フィルタの2種類があります。包含フィルタは、フィルタ内のデータ値と一致するデータ・アイテムのみを表示することを指定します。除外フィルタは、フィルタ内のデータ値とは一致しないデータ・アイテムのみを表示することを指定します。
たとえば、図3-13のフィルタ・プロファイルでは、クライアントの場所がLiechtensteinであり、クライアント・ブラウザがFirefoxでない2007年の情報のみを表示するように指定しています。
異なるディメンションに対するフィルタは、論理AND句の一部とみなされますが、同じディメンションに対する複数のフィルタは、論理OR句の一部とみなされることに注意してください。たとえば、2つの包含クライアント・ブラウザ・フィルタ(「Firefox」用のフィルタと「Chrome」用のフィルタ)を作成すると、KPIはFirefoxブラウザとChromeブラウザの両方によるリクエストを渡します。
データ・ブラウザ・ウィンドウ内の任意のデータ・アイテムは、フィルタとして定義できます。それには、データ・アイテムを右クリックして、図3-9に示すメニューを開きます。フィルタは定義した後、クリックして図3-14に示すコンテキスト・メニューを使用し、自由に変更できます。
次のオプションがあります。
フィルタの反転: 現在定義されているすべてのフィルタの設定を変更します(上記を参照)。
注意: フィルタは、定義した順序で適用されます。この順序は、フィルタ・パネルでのフィルタの表示順序でもあり、定義後には変更できません。フィルタの順序を変更するには、フィルタを解除してから、必要な順序で定義しなおす必要があります。 |
レポート・フィルタとしてマーク: このオプションの使用方法は、3.9項「フィルタの使用」に記載されています。
すべて削除: 現在定義されているすべてのフィルタを削除します。
値リストでは、複数の値を選択できます。それには、複数選択コマンド・ボタンをクリックしてから、関連リンクを除く必要な値をそれぞれクリックします。選択した項目はハイライト表示されます。例を図3-17に示します。
必要な値を選択したら、画面の下部にあるツールバーを使用して、値を包含フィルタと除外フィルタのいずれにするかを指定できます。また、このツールバーでは、現在定義されているすべてのフィルタを反転したり解除することもできます。
データ・ブラウザから作成したレポートでは、レポート・フィルタを使用できます。レポートに含める情報に対してレポート・フィルタを指定しておくと、レポートを開いたユーザーが、レポートのコンテンツを表示するときに、定義済のフィルタを使用できます。
たとえば、(「すべてのセッション」グループおよび「クライアント|1ブラウザ当たりのページ・ビュー」サブグループを介して)ブラウザ・タイプ情報を表示する場合、ユーザーが特定のブラウザ・タイプを選択できるレポートを作成できます。フィルタを定義する手順は、次のとおりです。
表示された場所のリストから値を選択し、それをフィルタとして定義します。
さらにフィルタを追加するには、表3-1で説明されているツールバーのフィルタ・アイコンをクリックし、「追加」をクリックして追加のフィルタを定義します。変更終了後、「保存」をクリックします。
フィルタ・パネルに表示された各フィルタを右クリックして、メニューから「レポート・フィルタとしてマーク」を選択します。例を図3-16に示します。
注意: 複数のフィルタを使用したレポートを設計する場合は、レポートの外観を損わないように注意してください。 |
「ビュー」メニューから「レポートとして開く」を選択し、必要なレポートの構造を確定します。これで、選択したフィルタがレポート内に表示されます。例を図3-17に示します。
マウス・ポインタをフィルタ上に置いてフィルタをハイライト表示し、メニューから「フィルタ・タイプの編集」を選択します。図3-18に示すようなダイアログが表示されます。
「フィルタ・タイプの編集」ダイアログに表示されたチェック・ボックスを使用してフィルタを設定し、ユーザーがレポートを開くときに選択できるようにしておきます。定義したレポート・フィルタごとにチェック・ボックスが表示されます。次に、「適用」をクリックします。
2.11項「新規レポートの作成」の説明に従って、レポートを保存します。
レポートの実行
レポートが開かれ、レポート・フィルタが有効になると、レポートをフィルタするための1つ以上の値を選択できます。例を図3-19に示します。
必要な結果のみを表示するようフィルタを組み合せて、より複雑なロジックを持つフィルタ・セットを作成するのに役立つ場合があります。たとえば、2つのIPアドレスのいずれかからの結果のみを表示するが、アプリケーション言語が英語である結果のみを表示するフィルタを作成できます。この例を図3-17に示します。
拡張フィルタを作成するには:
表3-1で説明されているツールバーのフィルタ・アイコンをクリックして、現在適用されているすべてのフィルタを表示します。
フィルタ画面の「拡張モード」ボタンをクリックします。
新規フィルタを作成するには、プラス・アイコンをクリックします。
新規グループを作成するには、グループ・プラス・アイコン(+)をクリックします。各グループには独自のロジックがあり、たとえば、「OR」グループには、個々のフィルタ基準のいずれかを満たす場合に結果を生成するフィルタ・セットを含めることができます。
「AND」」から、「OR」にグループを変更するには、グループ・ラベル・テキストをクリックします。たとえば、「AND」をクリックすると、そのグループ・ロジックは「OR」に変更されます。
これらの拡張フィルタはレポートで使用できますが、ダッシュボードまたはKPI定義では使用できません。
ある期間に関するデータを、同等の期間と比較できると便利な場合があります。たとえば、トラフィック・レベルの比較またはページ・エラーの発生率を比較できます。次を実行します。
「データの参照」を選択し、目的のグループを選択します。
カレンダ・コントロールを使用して、有効な期間を選択します。これらのコントロールの使用方法は、2.6項「カレンダの使用方法」に記載されています。比較する2つの期間をオーバーラップさせないでください。たとえば、それぞれが2日間からなる2つの期間を比較するとき、両期間の間隔が1日しか離れていない場合は比較できません。
オフセットの比較メニューを使用して、有効な期間に対して比較する期間を選択します。使用可能なオプションは選択した期間単位(日、週、月)によって異なります。直前の50期間まで選択対象とすることが可能です。
「ビューの選択」パネルから目的のビューを選択します。図3-21に期間の比較の例を示します。
必要に応じて、ツールバーの「棒チャート」、「折れ線チャート」または「値」アイコンを使用して、比較のグラフを変更します。ただし、他のグラフ(円グラフなど)は比較には使用できず、棒グラフや折れ線グラフの表示データには制限事項が適用されます。値リストでは、比較分析用の行が追加作成されます。本期間の値が比較期間の値よりも大きい場合、比率値は緑色で表示されます。それ以外の場合は、赤色で表示されます。例を図3-22に示します。
データ・ブラウザに現在表示されているデータは、スプレッドシートなど、様々なアプリケーションにエクスポートできます。データのエクスポートの操作を開始するには、「エクスポートとして開く」アイコンをクリックするか、「ビュー」メニューから「エクスポートとして開く」を選択して、エクスポート・ウィンドウを開きます。現在のデータが表示された新しいウィンドウが開きます。例を図3-23に示します。
多数の項目のエクスポート
Microsoft Excelへは最大で5000の項目を直接エクスポートできます。この制限の回避策として、次の手順を実行することをお薦めします。
目的のビューをレポートとして保存します。それには、ツールバーの「レポートとして開く」アイコンをクリックし、開いたウィンドウの「ファイル」メニューから「新規として保存」オプションを選択します。
「システム」→レポート・データのエクスポートの順に選択します。新たに作成されたレポートを選択します。この機能の使用方法は、2.13項「レポート・データのエクスポート」に記載されています。
レポートの選択時に表示されたURLをコピーし、その末尾に文字列&output=xls
を追加します。
作成したURLを使用して、完成したMicrosoft Excelエクスポートにアクセスします。
エクスポート・ウィンドウ(図3-23)には、エクスポート可能なRAWデータが表示されます。ここで、データのエクスポート方法をカスタマイズできます。それには、エクスポート・ウィンドウ内で右クリックして「編集」を選択します。図3-24に示すようなダイアログが表示されます。
このダイアログでは、データ列の順序やデータ列での値の表示順序を変更したり、Microsoft Excelエクスポートに表示する追加の列を指定できます。
「データ列」フィールドと「値列」フィールドでは、リストを使用して、1次索引列と1次索引列に表示するデータ列を追加できます。各リストで使用可能なデータ列と値列の選択は、使用しているビュー・グループによって厳密に決定されます。たとえば、すべてのクライアント・グループでデータを表示している場合は、Webサイトおよびページのデータ列は、ドメインとWebサイトの場合にのみ選択できます。ただし、「すべてのページ」グループで作業している場合は、ページ・コンテンツやページ・ユーザー・フローなどの項目に追加のデータ列も使用できます。各ビュー・グループ内のエクスポート可能なデータ列と値列の詳細は、付録E「データ・アイテムの概要」を参照してください。
「割合」チェック・ボックスでは、レポートされる値が占める割合構成を示す列を、エクスポートに追加するかどうかを指定できます。
「増加」チェック・ボックスでは、レポートされるメトリックの実増値を示す列を、エクスポートに追加するかどうかを指定できます。
移動合計チェック・ボックスを使用すると、ユーザー・フローの累積合計を示す列をエクスポートに追加するかどうかを指定できます。このオプションは、(「ユーザー・フロー完了」グループの「ユーザー・フロー」ビューから使用可能な)ファンネル・グラフにのみ適用されます。
データ列の選択項目の横にある「上へ」、「下へ」および「削除」アイコンを使用して、ソート順序階層を制御したり、データの索引としてのデータ列を削除できます。同様に、値列フィールド内の同じコントロールを使用して、エクスポートでの値列の表示順序を並べ替えられます。
エクスポートは、新規ファイルまたは既存ファイルに保存したり、既存のエクスポートに追加できます。
カスタム・ディメンションを使用すると、データ・ブラウザのビューに独自のユーザー定義ディメンションを追加できます。この新しいディメンションは、レポートおよびエクスポートにおいてのみでなくKPIでも使用できるようになります。たとえば、組織の仕入先をより簡単に追跡および分析できるように、supplierというディメンションを追加できます。この機能を使用して、主要業務で顧客転換率が最も高い商品の仕入先や、組織のWebサイトで最もページ・ビューの多い仕入先を判別できます。問題ベースのカスタム・ディメンションは、主にアプリケーションをデバッグする目的のために使用することに注意してください。
注意: カスタム・ディメンションは、ページベース、セッションベース、機能ベース、ユーザー・フロー・ベースまたは問題ベースにすることができます。KPIはリアルタイム・データに基づくため、セッションベースのカスタム・ディメンションはKPIのメトリックとしては使用できません。ただし、ページベースのカスタム・ディメンションはKPIフィルタとして使用できます。 |
カスタム・ディメンションのレポート
各カスタム・ディメンションには一意の名前があり、ページ、セッション、機能、ユーザー・フローまたは問題をベースとしています。カスタム・ディメンションにより、レポートが行われるデータ・ブラウザ・グループが決まります。また、次の項で説明するように、ディメンション情報がページ・ビュー間でどのように保存されるかが決まります。データ・ブラウザ・グループにおけるカスタム・ディメンションのレポートを、表3-7に示します。
表3-7 データ・ブラウザ・グループにおけるカスタム・ディメンションのレポート
ソース | すべてのページ | キー・ページ | すべてのセッション | 失敗したページ | 失敗したURL | 遅いURL | 処理の遅い関数 | すべての関数 | 失敗した関数 | (名前付き)スイート | URL診断 | すべてのユーザー・フロー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ページ |
X |
X |
X |
X |
X |
X |
X |
X |
||||
ページ(セッション対応) |
X |
X |
X |
X |
X |
X |
X |
|||||
セッション |
X |
X |
X |
X |
X |
X |
||||||
機能 |
X |
X |
||||||||||
問題分析 |
X |
X |
X |
X |
||||||||
ユーザー・フロー |
X |
セッションベース・カスタム・ディメンション情報をリアルタイムで(セッションと同じ日に)再確認すると、レポートされるユーザー名が変わることがあります。複数日について同じ情報を表示すると、レポートされるユーザー名はセッションの最後に検出されたユーザー名に基づきます。
ディメンション情報の保存
前に説明したように、カスタム・ディメンションが基づくエンティティ(ページ、セッション、機能、ユーザー・フローまたは問題)によって、ディメンション内の情報がページ・ビュー間で保存される方法が決まります。ここでは、選択した方法がカスタム・ディメンション情報のレポートにどのように影響するかを詳しく説明します。サンプルのビジター・セッションのデータに基づいて説明します。各サンプル・セッションは、販売カタログを含む監視対象のWebサイトを参照します。カタログ内のどのコレクションをビジターが表示しているかという情報を取得するために、3レベルのカスタム・ディメンションが定義されています。これら3つのレベルは3つの引数a、bおよびcから導出されます。
カスタム・ディメンションがページベースとして指定されると、表3-8の値がレポートされます。
表3-8 ページベースのカスタム・ディメンション情報の保存
入力 | ディメンション・レベル | ||
---|---|---|---|
1(a) |
2 (b) |
3 (c) |
|
a=男性用 |
男性用 |
'(値なし)' |
'(値なし)' |
a=男性用、b=コート |
男性用 |
コート |
'(値なし)' |
a=男性用、b=コート、c=冬物 |
男性用 |
コート |
冬物 |
a=男性用、b=帽子 |
男性用 |
帽子 |
'(値なし)' |
a=男性用、b=帽子、c=フェルト帽 |
男性用 |
帽子 |
フェルト帽 |
a=子供用 |
子供用 |
'(値なし)' |
'(値なし)' |
この方法を使用しているとき、カスタム・ディメンション・レベルについてレポートすると、現在のページ・ビューの情報のみが使用されることがわかります。前のページ・ビューから継承される情報はありません。
カスタム・ディメンションがページベース(セッション対応)として指定されると、表3-9の値がレポートされます。
表3-9 ページベース(セッション対応)のカスタム・ディメンション情報の保存
入力 | ディメンション・レベル | ||
---|---|---|---|
1(a) |
2 (b) |
3 (c) |
|
a=男性用 |
男性用 |
'(値なし)' |
'(値なし)' |
(a=男性用、)b=コート |
男性用 |
コート |
'(値なし)' |
(a=男性用、)(b=コート、)c=冬物 |
男性用 |
コート |
冬物 |
(a=男性用、)b=帽子 |
男性用 |
帽子 |
'(値なし)' |
(a=男性用、)(b=帽子、)c=フェルト帽 |
男性用 |
帽子 |
フェルト帽 |
a=子供用 |
子供用 |
'(値なし)' |
'(値なし)' |
ここでは、カスタム・ディメンションのレベル情報がページ・ビューにないと、情報が前のページ・ビューから継承されていることがわかります。継承はカッコによって示されます。カッコ内の情報は現在のページ・ビューには含まれないため、前のページ・ビューから導出されています。
カスタム・ディメンションがセッションベースとして指定されると、表3-10の値がレポートされます。
表3-10 セッションベースのカスタム・ディメンション情報の保存
入力 | ディメンション・レベル | ||
---|---|---|---|
1(a) |
2 (b) |
3 (c) |
|
b=コート |
'(値なし)' |
コート |
'(値なし)' |
b=コート、c=冬物 |
'(値なし)' |
コート |
'(値なし)' |
c=冬物 |
'(値なし)' |
'(値なし)' |
冬物 |
...... |
'(値なし)' |
'(値なし)' |
'(値なし)' |
この例では、カスタム・ディメンション情報の継承が発生していないことがわかります。また、この方法を使用すると1つのページ・ビューしかレポートできないことに注意してください。これは、カスタム・ディメンション情報が存在する最初のページ・ビューです。このケースでは、これは表示履歴の最初のページです('(値なし)' » コート » '(値なし)')。他のページ・ビューのすべてのカスタム・ディメンション情報は廃棄されます。表3-8、表3-9および表3-10は、いずれも1つのセッションを参照していることに注意してください。
カスタム・ディメンションの説明
必要に応じて、ディメンション・レベルでレポートされる一意の各ソース値に対して一連の翻訳を定義することもできます。たとえば、表3-11に示すように、サービスベースのカスタム・ディメンションである「サーバーID」を定義して、それに説明を関連付けることができます。
カスタム・ディメンションの定義
カスタム・ディメンションを定義する手順は、次のとおりです。
機能ベースのカスタム・ディメンションの場合は、「構成」→「サービス」→「カスタム・ディメンション」の順に選択します。アプリケーションベースのカスタム・ディメンションの場合は、「構成」→「アプリケーション」→「カスタム・ディメンション」の順に選択します。現在定義されているカスタム・ディメンションのリストが表示されます。ユーザー・フローベースのカスタム・ディメンションは最大で2個、ページベースまたはセッションベースのカスタム・ディメンションは最大で5個定義できます。機能ベースのカスタム・ディメンションは最大で10個定義できます。「新規ディメンション」コマンド・ボタンをクリックします。図3-25に示すようなダイアログが表示されます。
新しいディメンションに一意の名前を指定します。定義したカスタム・ディメンションが組み込まれる画面(データ・ブラウザやレポートなど)では、ディメンションの名前にアスタリスク(*)が付けられます。
「基準」メニューを使用して、ディメンションのベースとするエンティティ・タイプを指定します。機能ベースのディメンションの場合は、機能がベースとして自動的に選択され、変更できません。アプリケーションベースのディメンションの場合は、ベースとしてページ、ページ(セッション対応)、セッション、ユーザー・フローまたは問題分析を選択できます。これらのオプションの使用方法は前の項に記載されています。ページベース、セッションベース、ユーザー・フローベースまたは問題ベースのカスタム・ディメンションは最大で5個定義でき、機能ベースのカスタム・ディメンションは最大で10個定義できます。
「レベル数」メニューを使用して、保存するディメンション情報のレベルを指定します。デフォルトでは、定義したカスタム・ディメンションに対して保存される情報は1レベルのみです。ただし、この機能を使用することで、保存するセッション情報の階層を構築できます。たとえば、国、リージョンおよび市区町村の3つのレベルを使用して、ユーザーの場所に関する情報を取得できます。最大で4つのレベルがサポートされます。
「カスタム・ディメンションが有効です」チェック・ボックスを使用して、このカスタム・ディメンションの処理を有効化または無効化します。
表示される「レベル」タブに、ディメンション・レベルの名前を指定します。カスタム・ディメンションを格納するRUEI表内の列名を、「DB列名」フィールドに入力します。
「ソースの追加」をクリックして次の画面に入力し、1つ以上のソースをカスタム・ディメンションに追加します。
「ソース」メニューと「ソース値」フィールドを使用して、ディメンションを検索する範囲を指定し、検索でXPath式、ヘッダー、Cookie、HTMLタイトル、URL、URL引数(リクエスト)、またはカスタム・タグあるいは関数を使用するかどうかも指定します。XPath問合せの使用方法の詳細は、付録F「XPath問合せの使用」に記載されています。ソースがURL引数の場合は、RAW入力(元の入力)が使用されます。ただし、HTTPヘッダーの場合は、ASCII入力のみが許可されます。非ASCII文字は、レポート時にアンダースコア(_)文字で置き換えられます。エンコーディング・サポートの詳細は、付録G「各国語サポートの使用」を参照してください。
カスタム・タグまたはカスタム関数のオプションを選択した場合は、タグまたは関数の名前を「ソース値」フィールドに指定する必要があります。カスタム関数の場合は、最初のパラメータのみが使用されることに注意してください。パラメータは単一引用符または二重引用符で囲む必要があります。次に例を示します。
wiViewState("wi_menu_main_menu");
カスタム・タグおよびカスタム関数がページ内でどのように解釈されるかの詳細は、付録A「タグ付け規則」を参照してください。
次に、「保存」をクリックします。定義したカスタム・ディメンションの概要が表示されます(図3-27を参照)。
必要に応じて、カスタム・ディメンションの規則指定を編集できます。そのためには、既存のソースをクリックします。図3-29に示すダイアログが表示されます。
規則指定の概要は、第8.3.5項「規則指定機能の使用方法」を参照してください。
必要に応じて、ディメンション・レベルでレポートされる一意の各ソース値に対して一連の翻訳を定義することもできます。それには、「新規翻訳の追加」をクリックします。図3-29に示すダイアログが表示されます。
必要なソース値とその説明を指定します。次に、「保存」をクリックします。
インポートする説明のリストが非常に大きい場合は、図3-27の下部のツールバーにあるコントロールを使用して画面をスクロールできます。また、検索機能を使用して、必要な説明を検索できます。検索文字列には、ソース値または説明を指定できます。ワイルドカード文字(*など)の使用はサポートされておらず、すべての文字がリテラルとして扱われます。
説明のリストのインポート
それぞれの説明を別々に定義するかわりに、(図3-27の下部にある)ツールバーの「アップロード・リスト」アイコンをクリックして、説明のリストを含むファイルをインポートできます。図3-30に示すダイアログが表示されます。
「参照」ボタンを使用し、目的のファイルを検索して選択します。必要に応じて、「ファイル・エンコーディング」メニューを使用し、ファイルのキャラクタ・エンコーディングを指定します。各国語のキャラクタ・セットのサポートの詳細は、付録G「各国語サポートの使用」を参照してください。サポートされていないエンコーディングが検出された場合、またはトランスコーディングに失敗した場合は、エラーがレポートされます。ファイルには、ソース値とその説明をタブで区切って、1行に1つの説明のみを含めることができます。次に、「マージ」をクリックします。
注意: また、カスタム・ディメンション機能を使用して、標準ディメンションの機能を再定義することもできます。 |
カスタム・ディメンションでレポートされるフォールバック値
カスタム・ディメンションでは、次の2つのフォールバック値をレポートできます。
'(値なし)': カスタム・ディメンションに定義されたソースがページまたは関数コール内で見つからなかったことを示します。
不明: 定義済のソースがページまたは関数コールの指定期間後に定義されたことを示します。たとえば、カスタム・ディメンションが月曜日の1:00PMに定義された場合、日次ビューには1:00PMより前の期間については「不明」と示されます。週と月のビューでは、カスタム・ディメンションが定義される前の期間について簡単にレポートされます。
カスタム・ディメンションを削除する手順は、次のとおりです。
アプリケーションベースのディメンションの場合は、「構成」→「アプリケーション」→「カスタム・ディメンション」の順に選択します。機能ベースのディメンションの場合は、「構成」→「サービス」→「カスタム・ディメンション」の順に選択します。現在定義されているカスタム・ディメンションのリストが表示されます。目的のカスタム・ディメンションを右クリックし、メニューから「削除」を選択します。
カスタム・ディメンションをKPIまたはレポートでフィルタとして使用している場合は、カスタム・ディメンションを削除すると、関連付けられているKPIまたはレポートも削除されることを警告するメッセージが表示されます。「はい」または「いいえ」をクリックします。
RUEIデータ・ブラウザには、カスタム・レポートやデータ・エクスポート定義の基礎として使用できる一連の標準ビューが含まれています。レポートまたはデータ・エクスポート定義をカスタマイズした場合、そのカスタマイズ内容をデータ・ブラウザで使用できるように、カスタマイズ済ビューとして保存できます。新しく作成したカスタマイズ済ビューは、図3-3に示すパネルのカスタム分類またはサブグループ内のオプションとして表示されます。
注意: カスタマイズ済ビューは、値の表としてのみ表示されます。 |
カスタマイズ済ビューを作成するには、保存済のレポートまたはエクスポートを使用する方法と、エクスポート定義を編集する方法の2通りあります。
注意: カスタマイズされたビューを作成できるのは、管理者アクセス権を持つユーザーだけです。データ・ブラウザ・アクセス権を持つすべてのユーザーは、カスタマイズされたビューをすべて表示できます。 |
保存されているレポートを使用してカスタマイズされたビューを作成するか、エクスポートするには:
2.11項「新規レポートの作成」の説明に従ってレポートを作成するか、3.11項「データのエクスポート」の説明に従ってデータ・エクスポート定義を作成します。
「レポート」を選択してからレポートまたはエクスポート定義を選択して、手順1で作成したレポートまたはエクスポート定義を開きます。
値の表を右クリックして「参照」をクリックし、データ・ブラウザに移動します。
(表3-1に示す)「保存」アイコンをクリックします。
エクスポート定義を使用してカスタマイズ済ビューを作成する手順は、次のとおりです。
3.11項「データのエクスポート」の説明に従って、データ・エクスポート定義を作成します。
図3-23に示すエクスポート定義を表示する場合、値の表を右クリックして「編集」をクリックします。
ディメンションを追加するなどして、エクスポート定義を変更します。
変更済のエクスポート定義が表示された状態で、値の表を右クリックして「参照」をクリックすると、データ・ブラウザに移動します。
(表3-1に示す)「保存」アイコンをクリックします。手順3でエクスポート定義を変更していない場合、「保存」アイコンは表示されません。