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Oracle® Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド
12c リリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64
E61771-02
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9 ユーザー・フローの使用

この章では、ネットワーク・トラフィックを監視するときのユーザー・フローの役割について説明します。また、ユーザー・フローを構成する要素(ステップ、条件、イベントなど)やRUEIでのそれらのレポートについても説明します。

9.1 ユーザー・フローの概要

ユーザー・フローとは、1つの論理タスクを定義したWebページの集合です。タスクを完了するために実行する必要がある複数のステップで構成されます。たとえば、予約ユーザー・フローには次のステップが定義されます。

  1. 航路と日付の詳細。

  2. 乗客と船舶の詳細。

  3. 支払いの詳細。

  4. 確認書。

個々のステップは複数のWebページで構成される場合があります。たとえば、上記の支払いの詳細ステップでは、使用できる支払い方法(クレジット・カードや銀行振込みなど)ごとに独立したページを定義できます。ユーザー・フローは、ビジターが最後のステップに到達したときに完了したとみなされます。また、ステップは主にページに関して定義されますが、他のディメンション(SiebelのメソッドまたはEBSの職責やアクションなど)に関しても定義できます。

管理を容易にするために、ユーザー・フローはカテゴリにグループ分けされます。たとえば、予約、パンフレット請求、CRMアクティビティなどのために個別のカテゴリを定義できます。

条件とイベント

ユーザー・フローのステップは条件に関して定義されます。条件は、ステップに到達したとみなされるために満たす必要がある要件です。各条件はイベントに基づいて定義されます。イベントはディメンション値を使用して指定されます。

たとえば、上記の支払いの詳細ステップについて考えてみます。通常、このステップにはいくつかの異なる条件が定義され、それぞれが別の支払方法に対応しています。ステップに到達したとみなされるためには、ユーザー・セッション中にこれらの条件の1つだけが満たされる必要があります。各条件はイベント(つまり、特定のディメンション値)を使用して定義されます。条件が満たされたとみなされるためには、イベントが実現する必要があります。ある条件が満たされたとみなされるには、その条件について定義されたすべてのイベントが実現する必要があることに注意してください。

オプション・ステップと必須ステップ

ユーザー・フロー内のステップは、オプションまたは必須として構成できます。たとえば、ステップA、B、CおよびDを持つユーザー・フローを定義し、パスA > B > C > D、A > B > D、A > BおよびA > C > Dを可能とします。この場合、ステップBおよびCはオプションで、ステップAおよびDは必須です。ビジターがパスA > B > Dを進んだ場合、ユーザー・フローではA > B > C (スキップ) > Dとレポートされます。ユーザー・フローの最初と最後のステップはオプションとして定義できません。

外部ページとアボート・ページ

ビジターがユーザー・フローを完了する途中でステップとして定義されていないページにナビゲートすることがあります。このようなページは外部ページと呼ばれます。この場合、ビジターがユーザー・フローを実際にアボートしようとしているのか、ユーザー・フローに戻ることが許可されるのかを判別する必要があります(たとえば、ヘルプ・ページで操作方法を調べた後など)。ただし、ビジターが特定の外部ページにナビゲートしたときは、ユーザー・フローがアボートされたとみなす必要があります。このようなページはアボート・ページと呼ばれます。

最初のステップには特に注意する必要があります。ビジターが最初のステップに戻った場合、現在のユーザー・フローをアボートして新しいユーザー・フローを開始しようとしているのか、現在のユーザー・フローを完了する意図がまだあるのかを判別する必要があります。たとえば、上記の予約ユーザー・フローでは、ビジターが支払いの詳細ステップにいたときに、航路と日付の選択ステップに戻ることを選択した場合は、現在のユーザー・フローを中止して新しいユーザー・フローを開始しようとしていると考えられます。

アイドル時間とタイムアウト

ビジターは特定の時間内(たとえば5分間)でユーザー・フロー・ステップを完了することが予期されます。時間内に完了しないと、ユーザー・フローはアイドルとみなされます。ただし、ステップによっては時間が長くかかることがあるため(たとえば、ビジターが情報を読むための時間が必要な場合など)、ユーザー・フローの各ステップについて許容されるビジターのアイドル時間を構成できます。

セッション・アイドル時間(12.8項「セッション・レポートの制御」を参照)では、ビジターが非アクティブになってからセッションが終了したとみなされるまでの時間が指定されることに注意してください。デフォルトでは60分です。ただし、ステップのアイドル時間は、特定のユーザー・フロー・ステップ内でビジターが非アクティブになる時間のみを指します。セッションのアイドル時間がユーザー・フローで経過すると、ユーザー・フローのタイムアウトとしてレポートされます。

9.2 ユーザー・フローの定義

新しいユーザー・フローを定義するには、ビジネス・レベルの「完全」権限が必要です。次を実行します。

  1. 「構成」「アプリケーション」「ユーザー・フロー」の順に選択します。現在定義されているユーザー・フローのカテゴリがウィンドウの左側にリストされます。ツールバーの「新規ユーザー・フロー」コマンド・ボタンをクリックします。図9-1に示すダイアログが表示されます。

    図9-1 「ユーザー・フローの追加」ダイアログ

    図9-1の説明は次にあります。
    「図9-1 「ユーザー・フローの追加」ダイアログ」の説明


    注意:

    既存のユーザー・フローではステップの追加または削除を行うことはできません。ユーザー・フローが基づいているデータ・アクセス権限も変更できません。したがって、ユーザー・フローを構成する前に、要件を反映するように注意深く設計することをお薦めします。

  2. ユーザー・フローの名前を指定します。名前はすべてのユーザー・フローを通じて一意にする必要があり、長さは255文字までに制限されます。定義できるユーザー・フローの最大数は200であることに注意してください。

  3. 「カテゴリ」メニューを使用して、ユーザー・フローを収めるカテゴリを選択します。新しいカテゴリに収める場合は、「新規カテゴリ」ボタンをクリックして新しいカテゴリの名前を指定します。

  4. 「データ・アクセス」メニューを使用して、ユーザー・フローを特定のアプリケーションまたはスイートにバインドするか、汎用にするかを指定します。データ・アクセス・フィルタの使用方法は、14.7項「モジュールにおける許可データの有効範囲の管理」に記載されています。これらの定義を後で変更できないので注意してください。

  5. 「レポート・オプション・ステップ」チェック・ボックスを使用して、累積ユーザー・フロー情報をレポートする際にオプションのステップを含める必要があるかどうかを指定します。デフォルトではレポートされます。

  6. 必須ユーザー・フロー・ステップごとに、「新規ステップの追加」をクリックします。図9-2に示すダイアログが表示されます。1つのユーザー・フローに含めることができるステップの最大数は15であることに注意してください。

    図9-2 「ユーザー・フロー・ステップの追加」ダイアログ

    図9-2の説明は次にあります。
    「図9-2 「ユーザー・フロー・ステップの追加」ダイアログ」の説明

  7. ステップの名前を指定します。これはこの新規ユーザー・フロー内で一意にする必要があります。ユーザー・フロー・レポートで読みやすくするためにステップ名は短くすることをお薦めします(9.7項「ユーザー・フローのレポート方法の概要」を参照)。

  8. ビジターが非アクティブになってからステップがタイムアウトしたとみなされるまでの時間(分)を指定します。デフォルトでは10分です。ステップのアイドル時間は、ステップで必要な読取りの時間やビジターが実行する必要がある他の操作(計算や選択など)に対応できるようによく検討することをお薦めします。デフォルトのユーザー・フロー・ステップのアイドル時間は、9.5項「デフォルトのステップ・アイドル時間の指定」に記載される手順を使用して指定できます。

    このステップがユーザー・フローの最初または最後のステップでない場合は、「オプション」チェック・ボックスを使用して、ユーザー・フローの一部としてビジターがこのステップを完了する必要があるかどうかを指定できます。デフォルトでは、ステップは必須です(チェック・ボックスは選択されていません)。

  9. ステップに到達したとみなされるために満たす必要がある最初のステップ条件を指定します。条件のイベントごとに、「ディメンション・レベル」および「値」メニューを使用して、チェックされるディメンションと保持する必要がある値を選択します。目的の値が「値」メニューにない場合は、横にある「検索」アイコンをクリックして探すことができます。

    オプションとして、「除外」チェック・ボックスを使用すると、定義したディメンション・レベル=のペアを除外するように適用できます。つまり、定義したイベントが満たされない場合に、イベントが達成されたとみなされます。たとえば、特定のページが表示されない場合です。次に、「保存」をクリックします。図9-1に示したダイアログに戻ります。

  10. 必要に応じて、新規ステップの下の「新規条件の追加」をクリックして、ステップで必要な追加の条件を定義します。図9-3に示すダイアログが表示されます。

    図9-3 ユーザー・フロー・ステップ条件の追加

    図9-3の説明は次にあります。
    「図9-3 ユーザー・フロー・ステップ条件の追加」の説明

    必要な条件イベントごとにディメンション・レベル=値のペアを指定します。次に、「追加」をクリックします。ステップに到達したとみなされるためには定義された1つの条件のみを達成する必要がありますが、条件が満たされたとみなされるためには条件内のすべてのイベントが達成される必要があります。次に、「保存」をクリックします。図9-1に示したダイアログに戻ります。

  11. 図9-1「中断条件」タブをクリックして、ユーザー・フローがアボートされたとみなされる状況を指定します。図9-4に示すダイアログが表示されます。

    図9-4 ユーザー・フロー中断条件セクション

    図9-4の説明は次にあります。
    「図9-4 ユーザー・フロー中断条件セクション」の説明

    次のチェック・ボックスがあります。

    • 最初のユーザー・フロー・ステップ: ビジターが最初のステップに戻った場合にユーザー・フローがアボートされたとみなすかどうかを指定します。デフォルトでは選択されていません。

    • すべての外部ページ: 選択されたユーザー・フロー内のステップとして定義されていないページにビジターがナビゲートした場合に、ユーザー・フローがアボートされたとみなすかどうかを指定します。デフォルトでは選択されていません。

    • その他すべての最初のユーザー・フロー・ステップ: 別のユーザー・フローの最初のステップとして定義されているページにビジターがナビゲートした場合に、ユーザー・フローがアボートされたとみなすかどうかを指定します。デフォルトでは選択されていません。

    必要に応じて、「追加」をクリックして、ビジターがナビゲートした場合にユーザー・フローがアボートされたとみなす特定のページ(またはディメンション)を指定します。

  12. 必要に応じて、「通貨値」タブをクリックし、図9-5に表示される「通貨ソース」メニューと「ソース値」フィールドを使用して、ユーザー・フローでレポートされる通貨価値が基づくソースを指定します。「通貨書式」メニューを使用して、値が解釈されるソースを指定します。選択した書式によって、レポートは変更されないことに注意してください。この機能の使用方法の詳細は、9.6項「ユーザー・フローへの通貨価値の割当て」に記載されています。

    図9-5 ユーザー・フロー詳細セクション

    図9-5の説明は次にあります。
    「図9-5 ユーザー・フロー詳細セクション」の説明

    通貨価値は、URL引数、XPath式、ヘッダー、Cookie、カスタム・タグまたはカスタム関数から導出できます。XPath問合せの使用方法の詳細は、付録F「XPath問合せの使用」に記載されています。また、通貨値のレポートに使用される書式設定を指定できます。

  13. 次に、「保存」をクリックします。新規ユーザー・フローの監視は5分以内に開始されます。新しいユーザー・フローの概要が表示されます。

イベント・ステップの処理方法の概要

レポートされるユーザー・フロー情報を分析するときは、RUEIがユーザー・フロー・アクティビティを処理する順序を理解することが重要です。この順序をまとめると次のようになります。

  • RUEIは、ビジターがユーザー・フローで進んだかどうかを判別しようとします。つまり、ビジターが次のステップに移動したかどうかを判別しようとします。移動した場合、それに応じてレポートされる進捗が更新されます。

  • 次のステップに直接進んでいない場合は、後続の各ステップ(オプション・ステップの場合)に進んだかどうかがチェックされます。進捗が判別されると、レポートされます。

  • 進捗が判別されなかった場合は、現在のステップがチェックされます。これが失敗すると、先行するすべてのステップ(オプション・ステップの場合)がチェックされます。進捗が判別されると、レポートされます。

  • ここまですべてのチェックでユーザー・トランザクションの進捗が確認できない場合は、アボート条件がチェックされます。条件が一致すると、ユーザー・フローがアボートされたとレポートされます。一致しない場合、ユーザー・フローの現在のステータスが、外部アクティビティとしてレポートされます。

ベスト・プラクティス

ユーザー・フローを定義するときは特に次の点に注意することをお薦めします。

  • ビジターが最後のステップに到達したときにユーザー・フローが完了したとみなされるため、最後のステップとして確認ページまたは完了のページを必ず定義する必要があります。

  • オプション・ステップを定義するときは、承認されたナビゲーションが行われるようにWebサイトを構成してください。

  • ユーザー・フローを定義するときはステップ・アイドル時間に特に注意することをお薦めします。ステップのアイドル時間をセッションのアイドル時間よりも長く定義すると、セッションのアイドル時間が優先され、セッションのアイドル時間を超過したユーザー・フローがタイムアウトとしてレポートされることに注意してください。

  • フリー・テキスト機能を使用する場合は、ユーザー・フローの定義を慎重に確認して、すべての属性が定義済のデータ・アクセス制限内にあるようにすることを強くお薦めします。属性(ページ名など)が1つでもこれらの制限外にある場合は、データ・アクセス制限の強制によって、それが使用できなくなります。

9.3 ユーザー・フローの変更

既存のユーザー・フローではステップの追加または削除を行うことはできません。ユーザー・フローが基づいているデータ・アクセス権限も変更できません。したがって、ユーザー・フローを構成する前に、要件を反映するように注意深く設計することをお薦めします。

ステップの条件およびステップの他の情報(名前、場所、アボート条件、通貨価値など)は変更できることに注意してください。ユーザー・フローを変更する手順は、次のとおりです。

  1. 「構成」「アプリケーション」「ユーザー・フロー」の順に選択します。ウィンドウの左側で適切なカテゴリとユーザー・フローをクリックします。選択したユーザー・フローの概要が表示されます。例を図9-6に示します。

    図9-6 ユーザー・フロー概要

    図9-6の説明は次にあります。
    「図9-6 ユーザー・フロー概要」の説明

  2. 「編集」コマンド・ボタンをクリックします。図9-1に示すようなダイアログが表示されます。

  3. オプションとして、ステップのコンテキスト・メニューで「編集」を選択し、名前、アイドル時間またはオプションと必須の設定を変更します。前述のように、ユーザー・フローは少なくとも2つのステップを含む必要があります。最初のステップと最後のステップは必須です。次に、「保存」をクリックします。

  4. オプションとして、個々のステップ条件をクリックして変更することもできます。または、横にある「削除」アイコンをクリックすると削除できます。ステップ内の「新規条件の追加」項目をクリックして、ステップに追加の条件を定義することもできます。

    次に、「保存」をクリックします。ユーザー・フロー定義の変更は5分以内に有効になります。

9.4 ユーザー・フローのコピー

既存のユーザー・フローに行える変更は限られているため、ウィンドウの左側でユーザー・フローのコンテキスト・メニューの下にある「コピー」オプションを使用すると便利です。特に、このオプションを使用すると、問題のあるユーザー・フローのwhat-if分析を実行できます。

たとえば、ユーザー・フロー内の特定のステップでのアボート率が高い場合があります。ビジターのブラウザの言語設定に問題が関係しているのではないかと考えます。コピー機能を使用して、ユーザー・フローの複製を作成し、必要なステップ定義を変更します。その後、元のユーザー・フローと変更したユーザー・フローの結果を比較して、ユーザー・フローの変更によって改善したかどうかを確認します。

重要:

ユーザー・フローをコピーするときにデータ・アクセス設定を変更する場合、新規ユーザー・フローの定義を慎重に確認して、すべての属性が変更後のデータ・アクセス制限内にあるようにすることを強くお薦めします。属性(ページ名など)が1つでもこれらの制限外にある場合は、データ・アクセス制限の強制によって、それが使用できなくなります。

9.5 デフォルトのステップ・アイドル時間の指定

新しいユーザー・トランザクションが作成されるたびに、そのトランザクションのステップにアイドル時間が割り当てられます。これは、ビジターが非アクティブになってからステップがタイムアウトしたとみなされるまでの時間です。デフォルトは10分です。ただし、「構成」「一般」「詳細設定」「セッション処理」デフォルトのユーザー・フロー・ステップの時間の順に選択して、デフォルトを変更できます。この設定の変更は新規ユーザー・トランザクション定義のみに適用されることに注意してください。既存のユーザー・フローには影響しません。

9.6 ユーザー・フローへの通貨価値の割当て

パフォーマンス問題の実際のコストを把握するために、終了したユーザー・フローに通貨価値を割り当てることができます。終了したユーザー・フローとは、完了したユーザー・フロー、タイムアウトしたユーザー・フローまたはアボートされたユーザー・フローです。たとえば、この機能を使用すると、ユーザー・フローの損失に関してサーバー・アップグレードのコストを判別できます。通貨価値のソースは、カスタム・ディメンションと同様の方法で指定されます(3.12項「カスタム・ディメンションの使用」を参照)。様々なユーザー・フローの通貨価値の比較例を図9-7に示します。

図9-7 ユーザー・フロー通貨価値合計の概要の例

図9-7の説明は次にあります。
「図9-7 ユーザー・フロー通貨価値合計の概要の例」の説明

重要:

ユーザー・フローに通貨価値を割り当てるときは、次の点に注意してください。

  • 選択した要素の通貨価値を判別するとき、先行するスペースはすべて削除されます。数字が出現してから次に数字以外の文字が出現するまでの部分が、値として取得されます。たとえば、?Basket=99.99 US dollarsという要素は99と計算されます。

  • 値が、負の数、232よりも大きい、または文字列であると判別されると、0が返されます。

  • 基礎となる要素(リクエスト・ヘッダーなど)は、ユーザー・フローの間に変化することがあります。図9-8に示す状況を考えます。ユーザー・フローAが開始したとき、通貨価値は0でした。ユーザー・フローが進行するにつれ、通貨価値は80、120、90と変化します。完了時には通貨価値90がレポートされます。

    図9-8 レポートされる通貨価値の計算

    図9-8の説明は次にあります。
    「図9-8 レポートされる通貨価値の計算」の説明

9.7 ユーザー・フローのレポート方法の概要

このじょうご型の図では、選択したユーザー・フローに関する一般的な情報が得られます。選択した期間のユーザー・フローでのビジターの推移が示されます。例を図9-9に示します。

図9-9 ユーザー・フローのじょうご型図の例

図9-9の説明は次にあります。
「図9-9 ユーザー・フローのじょうご型図の例」の説明

選択したユーザー・フローの最新ステータスのさらに詳しい情報は、じょうご型図で確認できます。特に、現在各ステップを使用しているビジター数、ビジターがステップで行ったWebアクション(ページ・ロードやエラーなど)の状況、タイムアウトしたステップとアボートされたステップの数が表示されます。レポートされた各項目(外部ページなど)をクリックして、セッション診断機能内に表示できます。例を図9-10に示します。

図9-10 ユーザー・フロー・ステータスの詳細の例

図9-10の説明が続きます
「図9-10 ユーザー・フロー・ステータスの詳細の例」の説明

ユーザー・フロー内のオプション・ステップは点線で示されます。ステップで発生した特定のエラーに関する詳しいセッション情報を含む診断情報は、ステップ内の「ステップのエラー」インジケータをクリックすると表示されます。レポートされた数の悪いページ・ビューの診断情報も使用できます。この機能の使用方法の詳細は、9.1項「ユーザー・フローの概要」に記載されています。

ユーザー・フローの最も詳細な情報は、「フロー遷移」表示で得られます。例を図9-11に示します。

図9-11 ユーザー・フロー遷移の詳細の例

図9-11の説明が続きます
「図9-11 ユーザー・フロー遷移の詳細の例」の説明

ステップにおける外部アクティビティのレベル、アボート、タイムアウト、オプション・ステップのスキップなど、ステップ間の遷移について豊富な情報が提供されます。「アイドル」項目は、ステップを使用しているが、定義されたステップ・アイドル時間よりも非アクティブな状態が続いているビジター数を示すことに注意してください。これらのビジターが1時間以内にアクティビティを再開すると、「アイドル・リターン」項目に表示されます。再開しない場合は、タイムアウトとみなされてステップが停止します。

ユーザー・フロー・ステータス(図9-10)およびユーザー・フロー遷移(図9-11)にレポートされる数の導出方法を理解するには、図9-12に表示されているセッション情報の例を考慮してください。3つのユーザー(X、YおよびZ)が参照するページが表示されます。ユーザー・フローは監視され、ページP1、P2およびP3に対応する3つのステップで構成されます。

図9-12 ユーザー・フローのレポートの例

図9-12の説明が続きます
「図9-12 ユーザー・フローのレポートの例」の説明

各ユーザー・セッションが進むと、各ステップの真上にある矢印がステップを開始するユーザーの数を示し、ステップ内の数が参照されたステップ・ページの合計数を示し、右側の3つの数値が外部、外部者リターンおよび停止したユーザー・フローの数を示します。表示されたページに関連するエラーがある場合、ページ名の後にアスタリスク(*)で示されます。

P4はヘルプ・ページで、P5は中断ページとみなされます。このため、P4が検出されると外部が(ステップAで)レポートされ、P5が検出されると停止したユーザー・フローがレポートされます。ユーザーがP4から戻ると、外部リターンがレポートされることにも注意してください。

ユーザーXおよびユーザーYのユーザー・フローは10:20で完了し、ユーザーZはタイムアウトします。このため、停止したユーザー・フローは11:20でレポートされます。タイムアウトしたユーザー・フローをレポートされるデータに含める場合、十分な期間を選択する必要があります。

ユーザー・フローの累積レポート

選択した期間のユーザー・フローのレポートおよびユーザー・フローの累積レポートの違いを理解してください。選択したステップにレポートするページ・ロード時間を考慮してください。これは、選択した期間中のステップのページ・ビューのロード時間(秒単位)を示します。ただし、中断したステップの合計ページ・ロード時間がレポートされる場合、選択した期間に関係なく、そのステップのすべての中断したページ・ビューの合計ロード時間を表します。停止したステップの合計ページ・ロードがタイムアウトおよび中断したステップ・ページ・ビューのページ・ロードの合計を表すことに注意してください。

図9-13 終了したユーザー・フローのレポート方法の概要

図9-13の説明が続きます
「図9-13 終了したユーザー・フローのレポート方法の概要」の説明

ローリング・サム・レポート

ファンネル・グラフ(ユーザー・フロー完了グループ内のユーザー・フロー・ビューで使用可能)内で、「ローリング・サムの表示」「値」メニュー内で使用できます。選択されると、ユーザー・フローの累積合計を示す追加の列が表示されます。この列は、エクスポート時にも使用できます。

期間レポート

ユーザー・フロー完了グループ内の多くのビューにより、ユーザー・フローの期間を把握できます。例を図9-14に示します。

図9-14 ユーザー・フローのアクティブ/アイドル時間ビュー

図9-14の説明が続きます
「図9-14 ユーザー・フローのアクティブ/アイドル時間ビュー」の説明

これらのビューを使用する場合は、次の点に注意してください。

  • ユーザー・フローがアイドルになる場合(定義済のステップのアイドル時間に基づく)、最後のページ・ビュー時間およびステップのアイドル時間の間の時間が「アクティブ」としてマークされ、この後の時間が「アイドル」としてレポートされます。このため、異なる定義済のステップのアイドル時間の2つの同じユーザー・フローには、異なるフロー期間およびフロー・アイドル時間で同じセッションがレポートされます。

  • ユーザーがステップの後にアクティブになった後、ステップのアイドル時間がアクティブ時間に含まれます。ユーザーがユーザー・フローの外部に移動して戻らなかった場合も、ステップ・アイドル時間がアクティブ時間に含まれます。その場合は、セッションがタイムアウトとして報告されます。

9.8 サービス・テスト・セッションのユーザー・フローへの変換

「サービス・テスト診断」グループ(8.6項「サービス・テスト・トラフィックのレポート」を参照)では、選択したサービス・テスト・セッションをRUEIユーザー・フローに変換することができます。こうすると、監視対象のユーザー・フローがすべてのユーザー・フロー・グループ内でレポートされるという利点が得られます。監視対象の他のユーザー・フローと直接比較できるだけでなく、レポート機能が強化されます。

サービス・テスト・セッションをRUEIユーザー・フローに変換するには、ビジネス・レベルの「完全」権限が必要です。次を実行します。

  1. 「データの参照」、「サービス・テスト」グループの順に選択し、「サービス・テスト診断」機能を選択します。カレンダ・コントロール(2.6項「カレンダの使用方法」を参照)を使用して、目的の期間を選択します。表示範囲としては1日(または未満)を選択する必要があります。この制限外で検索しようとするとエラーが発生します。図9-15に示す検索パネルが表示されます。

    図9-15 「サービス・テスト診断」検索機能

    図9-15の説明は次にあります。
    「図9-15 「サービス・テスト診断」検索機能」の説明

    セッション診断機能の概要は、4.1項「概要」を参照してください。

  2. 必要に応じて、使用可能な基準を使用し、指定期間についてリストされるサービス・テスト・セッションを制限します。次に、「検索」をクリックします。検索結果がウィンドウの主要部に表示されます。例を図9-16に示します。

    図9-16 サービス・テスト診断

    図9-16の説明は次にあります。
    「図9-16 サービス・テスト診断」の説明

  3. ユーザー・フローに変換するサービス・テスト・セッションをクリックして選択します。そのセッションの詳細が表示されます。例を図9-17に示します。

    図9-17 サービス・テスト・セッションの詳細

    図9-17の説明は次にあります。
    「図9-17 サービス・テスト・セッションの詳細」の説明

  4. ツールバーの「ユーザー・フローの作成」コマンド・ボタンをクリックし、選択したサービス・テスト・セッションをRUEIユーザー・フローに変換します。図9-18に示すダイアログが表示されます。

    図9-18 「サービス・テスト・セッションからユーザー・フローを追加」ダイアログ

    図9-18の説明は次にあります。
    「図9-18 「サービス・テスト・セッションからユーザー・フローを追加」ダイアログ」の説明

  5. 新しいユーザー・フローの名前を指定します。これは選択したユーザー・フロー・カテゴリ内で一意にする必要があります。デフォルトは、監視対象のサービス・テスト名です。

  6. 新しいユーザー・フローを収めるするカテゴリを指定します。既存のカテゴリでも新規カテゴリでもかまいません。デフォルトは「サービス・テスト」です。

  7. 変換処理では、基礎となるサービス・テスト・セッションから論理ユーザー・フローを構築することに注意してください。そのため、ステップ内で同じページ名が複数回出現すると、それらはページごとに統合され、ステップ内で個別の条件を構成します。また、サービス・テスト・セッション内で前後にスキップするように見えるステップは、オプション・ステップとみなされます。したがって、新規ユーザー・フローの構造を慎重に確認して、それが要件を満たしていることを確実にする必要があります。次に、「保存」をクリックします。

重要:

サービス・テスト・セッションをユーザー・フローに変換するときは、次の点に注意してください。

  • 新規ユーザー・フローのステップは最大15に制限されます。この制限を超えるステップを含むサービス・テスト・セッションは、自動的に切り捨てられます。

  • 変換されたユーザー・フローには少なくとも2つのステップが含まれる必要があります。