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Oracle® Real User Experience Insightインストレーション・ガイド
12cリリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64
E61774-01
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B 汎用データベース・インスタンスの設定

この付録では、RUEIレポータで使用するためにOracleデータベース・インスタンスを手動で設定する方法について説明します。RUEIでは、Oracle Databaseバージョン11gR2および12cリリース1がサポートされています。

この付録では、詳細な手順の説明ではなく、汎用データベース・インスタンスで必要な手順を説明しています。したがって、Oracleデータベースの実践的な知識が必要です。

プラットフォームのサポート

リモート・データベースのデプロイメント用に各種のプラットフォームがサポートされていますが、比較的少数ユーザーによる大量クエリー用に設計された高性能なプラットフォームを使用すれば、最適なデプロイメント・ソリューションを実現できます。

B.1 概要

完了後、次のパラメータと設定を新しいOracleデータベース・インスタンス用に指定する必要があります。

  • RUEI_DB_INST: 新しいデータベース・インスタンス名(/etc/ruei.confファイルで指定されている)。第2.4.1項「RUEI構成ファイル」を参照してください。

  • インスタンスは、Data_Warehouse.dbcテンプレートに基づきます。

  • インスタンス文字セットは、AL32UTF8に設定する必要があります。

  • パフォーマンス上の理由から、recyclebinおよびaudit_trail機能は無効にしておく必要があります。

  • redologファイル・サイズを監視し、必要に応じてサイズを調整します。

次の各項では、これらの要件ごとに詳細を説明します。sysdba認可が必要なことに注意してください。

SQLスクリプトの場所

この付録の残りの部分で説明する手順にかわる方法として参照されるSQLスクリプトは、RUEIディストリビューションzipの抽出後の/root/RUEI/extra/sql_scripts/ディレクトリにあります。

B.2 データベース・インスタンスの作成

次の説明では、Oracleデータベース・インスタンスをコマンド行で作成することを想定しています。ただし、適切なユーティリティを使用して、必要なパラメータを指定できます。

/root/RUEI/121/db_templates/ディレクトリ内にあるruei_database.dbtテンプレート(ブロック・サイズ32K)を使用して、これらを次の内容と一致させる必要があります。

dbca -silent -createDatabase -gdbName RUEI_DB_INST -sid RUEI_DB_INST \
-characterSet AL32UTF8 -templateName ruei_database.dbt -databaseType DATA_WAREHOUSING \
-redoLogFileSize 500 -initParams recyclebin=off -initParams audit_trail=none

または、Linuxプラットフォーム上で、次のようにruei-prepare-db.shスクリプトを(Oracleユーザーとして)実行し、Oracleデータベース・インスタンスを作成することもできます。

./ruei-prepare-db.sh create_database

TSDEFAULT表領域以外に、RUEIレポータ・システムには2つの追加表領域を作成する必要があります。

B.3 表領域の作成

続行する前に、デフォルトの表領域(参照用の名前TSDEFAULT)、構成表領域(デフォルトはUXCONF)および統計表領域(デフォルトはUXSTAT)に名前を選択したことを確認します。後の2つの名前は、RUEI_DB_TSCONF変数とRUEI_DB_TSSTAT変数をそれぞれ使用して/etc/ruei.confファイルで設定する必要もあります。リモート・データベースやプロセッサなど、RUEI環境のすべてのコンポーネントには、同じ表領域名を使用する必要があります。

パフォーマンス上の理由から、圧縮表領域を使用することを強くお薦めします。次のコマンドを使用すると、TSDEFAULT表領域を作成できます。デフォルトのデータファイル場所が使用されますが、データファイルに別の場所を指定することもできます。

create tablespace TSDEFAULT datafile 'uxdefault01.dbf' size 5M reuse autoextend ondefault compress;

次のコマンド行命令を使用すると、TSDEFAULT表領域で圧縮を有効にできます。

alter tablespace TSDEFAULT default compress;

必要なデータベース・サイズは500GB(以上)です。必要なディスク領域は、指定されたレポータ・データ保存ポリシーによって異なります(「構成」「一般」、次に「詳細設定」、そして「レポータ・データ保持ポリシー」を選択)。

ほとんどのRUEIデプロイメントでは、TSDEFAULT表領域に複数のデータファイルが必要になります。デフォルトのデータファイル場所が使用されますが、データファイルに別な場所を指定できる点に注意してください。次のコマンドを使用して、追加のデータファイルを追加します。

alter tablespace TSDEFAULT add datafile 'user02.dbf' size 5M autoextend on;

TSDEFAULT表領域以外に、2つの追加表領域をレポータ・システムおよび処理エンジン・システムに作成する必要があります。

  • RUEI_DB_TSCONF: RUEI構成情報を含んでいます。通常は1GB未満のサイズです。

  • RUEI_DB_TSSTAT: 内部用のRUEI統計情報を含んでいます。通常は数GBのサイズです。

これら2つの表領域の名前は固定されており、変更でません。必要な表領域は次のコマンドを使用して作成できます。

create tablespace RUEI_DB_TSCONF datafile 'uxconf01.dbf' size 5M reuse autoextend on default compress;
create tablespace RUEI_DB_TSSTAT datafile 'uxstat01.dbf' size 5M reuse autoextend on default compress;

または、この項で説明されているコマンドを使用するかわりに、prepdb_tablespaces.sql SQLスクリプトを実行して、表設定を実行できます。スクリプトには3つの入力変数を設定する必要があり、それぞれは構成可能な表領域名です。

B.4 Oracle Database保守スケジュール変更

デフォルトでは、Oracleデータベースの保守タスクは22:00に実行するように設定されています。これはデータベース全体のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことがあります。したがって、監視する環境内でのトラフィック量によっては、トラフィック/ロード量の少ない時間帯(たとえば03:00)に、この種の保守タスクのスケジュールを変更する必要があるかもしれません。予定された保守タスクのスケジュール変更方法については、次の場所にある『Oracle Database管理者ガイド』をを参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E11882_01/server.112/e17120/toc.htm

prepdb_maintenance_schedule.sql SQLスクリプトを実行して、記載されている手順を実行することもできます。

B.5 SQLパッケージのインストール

RUEIは、追加のパッケージをインストールする必要があります。次のコマンドを発行して、これらをインストールできます。

./ruei-prepare-db.sh sql_packages

または、sql_scriptsディレクトリのux_dbms_lock.sqlおよびux_dbms_session.sqlスクリプトを使用して、パッケージを手動でインストールできます。

B.6 RUEIデータベース・ユーザーの作成

この項では、RUEIデータベース・ユーザーの作成および割り当てる必要がある権限を説明します。RUEIデータベース・ユーザーは、RUEI_DB_USER設定(/etc/ruei.confファイル内)で指定します。最小の必要な権限を受け取ります。ただし、dbms_crypto権限は、コレクタが使用しているSSL秘密鍵の暗号化に必要です。また、RUEIは自動の1日24時間、週7日の環境で通常動作するため、PASSWORD_LIFE_TIME権限を無制限に設定する必要があります。次の例に、RUEIデータベース・ユーザーを最小の必要な権限で作成する方法を示します。

create user RUEI_DB_USER
         identified by PASSWORD
         default tablespace TSDEFAULT
         temporary tablespace TEMP
         profile DEFAULT
         quota 500G on TSDEFAULT;

alter user RUEI_DB_USER
         quota unlimited on RUEI_DB_TSCONF
         quota unlimited on RUEI_DB_TSSTAT;

alter profile DEFAULT
         limit PASSWORD_LIFE_TIME unlimited;

grant    create session,
         create sequence,
         create table,
         create trigger,
         create view,
         create synonym,
         create database link,
         create procedure,
         create materialized view,
         create type
         to RUEI_DB_USER;

grant execute on dbms_crypto to RUEI_DB_USER;
grant execute on ux_dbms_lock to RUEI_DB_USER;
grant execute on ux_dbms_session to RUEI_DB_USER;

または、この項で説明されているコマンドを使用するかわりに、prepdb_user.sql SQLスクリプトを実行して、RUEIデータベース・ユーザー構成を実行できます。スクリプトには3つの入力変数を設定する必要があり、それぞれは構成可能な表領域名です。

B.7 データベース・トリガーの作成

RUEIでは、追加のデータベース・トリガーを作成する必要があります。これらのトリガーは、次のコマンドを使用して作成します。

./ruei-prepare-db.sh create_triggers

あるいは、sql_scriptsディレクトリ内のprepdb_triggers.sqlスクリプトを使用して、手動でトリガーを作成することもできます。

B.8 接続データの設定

Oracleデータベースを定義したら、接続データの設定が必要です。これには、RUEIホーム・ディレクトリ(RUEI_DATA)内に、sqlnet.oraおよびtnsnames.oraという2つのファイルが必要です。

次の例は、sqlnet.oraファイルの内容を示しています。

NAMES.DIRECTORY_PATH = (TNSNAMES)
SQLNET.WALLET_OVERRIDE = TRUE
WALLET_LOCATION = (SOURCE=(METHOD=FILE)(METHOD_DATA=(DIRECTORY=/var/opt/ruei)))
DIAG_SIGHANDLER_ENABLED = FALSE

DIRECTORY設定が、/etc/ruei.confファイルで指定されたRUEIデータ・ファイル(RUEI_DATA)を示していることを確認してください。

次の例は、tnsnames.oraファイルの内容を示しています。

uxinsight=(DESCRIPTION=
  (ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=localhost.localdomain)(PORT=1521)))
  (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=ruei)))

前述の例では、uxinsight/etc/ruei.confファイルで指定されたデータベースの別名(RUEI_DB_TNSNAME)です。HOST設定がご使用のデータベースを示していることを確認します。ホスト名を指定する場合は、/etc/hostsの設定でも指定されていることを確認してください。ただしIPアドレスも指定できます。

第8章「処理エンジンのインストール」の説明に従って処理エンジンをインストールした場合、プロセッサ・エンジンが中央レポータ・データベースに接続するための追加のエントリが必要です。処理エンジン・ホストのtnsnames.ora内に次のような別名を追加します。

config=(DESCRIPTION=
  (ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=reporter-hostname)(PORT=1521)))
  (CONNECT_DATA=(SID=ruei)))

configは、処理エンジン・ホストの/etc/ruei.conf構成ファイル内のRUEI_DB_TNSNAME_CFGで指定されている別名です。

B.9 Oracleウォレットの設定

RUEIの処理部分では、Oracleデータベースへの非対話式のアクセスが必要です。このために、Oracle autologinウォレットを使用してパスワードを安全に保存します。

次のコマンドを使用して、データベース・システム上にOracleウォレットを作成します。

mkstore -wrl /tmp -create

ウォレット・パスワードの入力を求められます。

(空の)ウォレットを作成したら、次のコマンドを使用して、RUEI_DB_TNSNAMEおよびRUEI_DB_USERの資格証明をOracleウォレットに追加する必要があります。

mkstore -wrl /tmp -createCredential RUEI_DB_TNSNAME RUEI_DB_USER

ewallet.p12およびcwallet.ssoという2つのウォレットをレポータ・システム上のRUEI_DATAディレクトリに移動する必要があります。両方のファイルがRUEI_USERRUEI_GROUPの所有権を持っている必要があります。ewallet.p12RUEI_USERだけに読取り可能で、cwallet.ssoRUEI_USERRUEI_GROUPの両方で読取り可能な必要があります。Linuxでは、次のコマンドを発行することでこれが可能です。

chown RUEI_USER:RUEI_GROUP *wallet*
chmod 600 ewallet.p12
chmod 640 cwallet.sso

Oracleデータベース・インスタンスが正しく設定されると、パスワードを入力しなくてもデータベースに入れるようになるはずです。レポータ・システム上のRUEI_USERは、次のようにデータベース・インスタンスにアクセスできます。

sqlplus /@$RUEI_DB_TNSNAME

この手順が失敗する場合は、この付録に記載した情報を慎重に確認してからRUEIのデプロイメントに進んでください。

第8章「処理エンジンのインストール」の説明に従って処理エンジンをインストールした場合、プロセッサがレポータ・データベースに対して認証できるように、ウォレット内に追加のエントリが必要です。

Oracleウォレットに資格証明を追加するには、次のコマンドを使用します。

mkstore -wrl /RUEI_DATA -createCredential RUEI_DB_TNSNAME_CFG RUEI_DB_USER