この章では、リリース11または12のすべてのバージョンのBusiness Transaction Managementをリリース12.1.0.7へインプレース・アップグレードする方法について説明します。インプレース・アップグレードとは、構成の設定を編集せずにコンポーネントを単に新しいものと置き換えるアップグレードです。
次のコンポーネントをアップグレードすると、Business Transaction Managementを完全にアップグレードすることになります。
3つのすべてのセントラル・サーバー、つまりメイン・サーバー(btmMain.ear)、パフォーマンス・サーバー(btmPerformanceServer.ear)およびトランザクション・サーバー(btmTransactionServer.ear)
すべてのモニター(btmMonitor.ear)
すべてのオブザーバ
これらのコンポーネントのいずれかがリリース11よりも古い場合は、この章の手順でアップグレードを実行しないでください。かわりに、My Oracle Support (http://support.oracle.com)で、インストールのアップグレードの支援を依頼するサービス・リクエストを入力してください。
Business Transaction Managementシステムのコンポーネントをアップグレードする順序は重要で、インストールしたコンポーネントのリリース・バージョンおよびリリース12.1.0.7のモニターがオブザーバをサポートしているかどうかに依存します。そのため、次に進む前に以下のステップを完了してください。
セントラル・サーバー、モニターおよびオブザーバのリリース番号を書きとめます。
インストール済のオブザーバのリリースを判別するには、オブザーバのNanoAgent.logファイルを開き、リリース番号を表示している次の行を探します。次に例を示します。
INFO: Release 11.1.0.4: build 25237 of b21 (11.1.0.4/147754) on 2011-05-13
NanoAgent.logファイルの場所の詳細は、第14章「オブザーバ・エラーおよびデバッグ情報のロギング」を参照してください。
セントラル・サーバーおよびモニターのリリース番号は、配布ZIPファイルのnanoagentディレクトリにあるREADME.txtファイルにあります。
リリース12.1.0.7のモニターがオブザーバをサポートしているかどうかを判別します。
オブザーバがリリース12.1.0.2以上の場合、サポートされています。
オブザーバがリリース11.xの場合、サポートされていません。
オブザーバがリリース12.xで12.1.0.2より古い場合、Business Transaction Management (BTM)保証マトリックスを確認する必要があります。このドキュメントは、http://support.oracle.com
からオンラインで参照できます。オブザーバがこの文書に表示されている場合、リリース12.1.0.7でサポートされています。表示されていない場合、サポートされていません。
次のシナリオを読んでアップグレード手順のステップの順番を決定し、第2.2項「セントラル・サーバーおよびモニターのアップグレード」および第2.3項「オブザーバのアップグレード」でアップグレード手順についての詳しい説明を参照します。
すべてのコンポーネントが最新である場合
セントラル・サーバーおよびモニターがリリース12.1.0.3以上で、リリース12.1.0.7がオブザーバをサポートしている場合、次のようにローリング・アップグレードを実行できます。
セントラル・サーバー – すべてのセントラル・サーバーを一斉に停止してアップグレードし、再起動します。
モニター – モニターを停止してアップグレードし、再起動します。モニターは1つずつ、または一斉にアップグレードできます。
オブザーバ – (省略可能)オブザーバを停止してアップグレードし、再起動します。オブザーバは1つずつ、または一斉にアップグレードできます。
セントラル・サーバーおよびモニターは古いが、オブザーバはサポートされている場合
セントラル・サーバーおよびモニターがリリース12.1.0.3より古く、リリース12.1.0.7がオブザーバをサポートしている場合、次の順序でアップグレード手順を実行します。
セントラル・サーバーおよびモニター – すべてのセントラル・サーバーおよびモニターを一斉に停止してアップグレードし、再起動します。
オブザーバ – (省略可能)オブザーバを停止してアップグレードし、再起動します。オブザーバは1つずつ、または一斉にアップグレードできます。
オブザーバがサポートされていない場合
オブザーバが古く、リリース12.1.0.7でサポートされていない場合、次のどちらかのアップグレード・パスに従います。
すべてのセントラル・サーバー、モニターおよびオブザーバを一斉に停止してアップグレードし、再起動します。
まず、オブザーバをリリース12.1.0.7がサポートしているが、モニターより新しくないリリース(オブザーバは関連付けられているモニターよりも新しいリリースにしてはいけません)にアップグレードします。次に、セントラル・サーバーおよびモニターをリリース12.1.0.7にアップグレードします。(省略可能)最後に、オブザーバをリリース12.1.0.7にアップグレードします。
セントラル・サーバーおよびモニターの両方のアップグレードした後に、可能なかぎりオブザーバをアップグレードする必要があります。オブザーバがリリース12よりも古い場合、アップグレードは必須です。オブザーバがリリース12でまだサポートされている場合、アップグレードは省略可能です。なお、オブザーバをアップグレードしない場合は、アップグレードされたオブザーバによる新機能を活用することはできません。
注意: リリース12.1.0.3よりも古いセントラル・サーバーをアップグレードすると、新しく作成したオブザーバ通信ポリシーにオブザーバ認証フィールドが追加されます。このオブザーバ認証フィールドは、デフォルトで有効になっています。オブザーバ認証を使用する場合、オブザーバもアップグレードする必要があります。12.1.0.3より古いリリースのオブザーバは、自分自身を認証することができません。オブザーバを12.1.0.3以上にアップグレードしない場合は、作成するすべての新しいポリシーでオブザーバ認証フィールドを無効にする必要があります。そうしないと、オブザーバはモニターに接続できません。 |
Business Transaction Managementシステムのアップグレード完了後に、「機能のアップグレードの問題」という名前のオンライン・ヘルプのトピックに目を通してください。このトピックでは、実行可能なアップグレードに関するタスクおよびアップグレード後のシステムの動作変更点についての情報が提供されています。最初に管理コンソールで「ヘルプ」→「ヘルプ」を選択することによって、このトピックを見つけることができます。オンライン・ヘルプが開いたら、目次ペインで「Oracle Business Transaction Managementの概要」に進み、「機能のアップグレードの問題」の項までスクロール・ダウンします。
「機能のアップグレードの問題」のトピックでは、次のような問題について説明しています。
新しいプローブ・タイプの活用
破損したトランザクションの修復
非推奨のプローブに関連するアーティファクトの識別と削除
注意: RMIコールを監視する必要がない場合、アップグレード手順を開始する前にRMIプローブを非アクティブ化することを推奨します。ほとんどのアプリケーションは、JAX-RPC、JAX-WS、EJBおよびJMSのような高レベルAPIを通してRMIを使用しています。ご使用のアプリケーションがこれらの高レベルAPIを通してのみRMIを使用している場合、RMIプローブを非アクティブ化する必要があります。ただし、ご使用のアプリケーションが直接RMIを呼び出している場合、アクティブ化したままにしておく必要があります。RMIプローブを非アクティブ化するには、最初にオブザーバ通信ポリシーを開きます。ポリシーの「アクティブ・プローブ」セクションには、各プローブ・タイプに対して「検出の有効化」および「検出時に監視」チェック・ボックスが表示されています。RMIについて、両方のチェック・ボックスを選択解除します。複数のオブザーバ通信ポリシーを使用している場合、各ポリシーについてこの作業を実行する必要があります。 RMIプローブの非アクティブ化後、検出されているすべてのRMIコンポーネントを登録解除する必要があります。RMIコンポーネントを登録解除するには、Business Transaction Managementコンソールでコンポーネント(サービスとしてモデル化)を選択し、「変更」→「Your_Service 登録の削除」を選択します。Your_ServiceはRMIコンポーネントの名前です。または、unregister CLIコマンドを使用することもできます。詳細は、Business Transaction Managementオンライン・ヘルプを参照してください。 |
インストール済のBusiness Transaction Managementをアップグレードするには、以下の手順を実行します。
Business Transaction Managementデータベースおよび構成データをバックアップします。
このタスクの実行方法については、オンライン・ヘルプのトピック「Business Transaction Managementのバックアップおよび復元」を参照してください。最初に管理コンソールで「ヘルプ」→「ヘルプ」を選択することによって、このトピックを見つけることができます。オンライン・ヘルプが開いたら、目次ペインで「Oracle Business Transaction Managementの管理」→「Business Transaction Managementのバックアップおよび復元」に進みます。
注意: オンライン・ヘルプにアクセスするには、セントラル・サーバーが実行中である必要があります。 |
各セントラル・サーバーおよびモニターの永続記憶域ディレクトリをバックアップします。
永続記憶域ディレクトリの場所については、オンライン・ヘルプのトピック「永続的データ」を参照してください。最初に管理コンソールで「ヘルプ」→「ヘルプ」を選択することによって、このトピックを見つけることができます。オンライン・ヘルプが開いたら、目次ペインで「Oracle Business Transaction Managementの管理」→「永続的データ」に進みます。
Business Transaction Managementセントラル・サーバーおよびモニターがインストールされているすべてのWebLogicドメインが、Java Required Files (JRF)テンプレートを含んでいることを確認します。(12.1.0.3のインストールをアップグレードしている場合は、この要件をすでに満たしています。)
これらのドメインのいずれかがJRFテンプレートを含んでいない場合、ドメインを拡張してテンプレートを追加します。JRFテンプレートがドメインに含まれてない場合は、サーバーを開始する際に次の例外が発生します。
java.lang.ClassNotFoundException: oracle.security.jps.wls.listeners.JpsApplicationLifecycleListener
注意: JRFテンプレートは、Oracle Application Development Framework (ADF)ランタイムの一部です。つまり、JRFテンプレートを含むようにドメインを拡張する前に、ADFランタイムをWebLogicにインストールする必要があります。ADFランタイムをインストールする際には、WebLogicのバージョンと一致したリリース・バージョンをインストールするよう注意してください。ADFランタイムは、次の場所からダウンロードできます。http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/adf/downloads/index.html |
Business Transaction Managementセントラル・サーバーおよびモニターを含む配布アーカイブを見つけ、任意のディレクトリ(以降、Install_Dirと表記)に解凍します。
配布アーカイブはBTM_Servers_*.zipという名前です。「*」はBusiness Transaction Managementのバージョン番号です。
UNIX系オペレーティング・システム向けの省略可能なセキュリティ・ステップ – 配布アーカイブの構成ファイルに、機能を維持できる最も制限の厳しいレベルの権限を設定したい場合、次のステップを実行します。
Install_Dirのトップ・レベルにあるsetPermissions.shを探します。
このスクリプトには、すべての標準ファイルのファイル権限を「所有者 – read/delete」、すべてのディレクトリを「所有者 - read/execute/delete」、すべてのスクリプトを「所有者 – read/execute/delete」に設定するコマンドが含まれています。
注意: これらは非常に制限の厳しい権限レベルです。たとえば、ファイルを読み取ることができるのは所有者のみです。 |
コマンドラインで、Install_Dirのトップ・レベルから次のコマンドを実行します。
source setPermissions.sh
このコマンドによって、スクリプト・ファイル内のコマンドが実行され、解凍したアーカイブ内のすべてのファイルおよびディレクトリの権限が設定されます。
セントラル・サーバーおよびモニターのEARファイルをアップグレードします。
リリース12.1.0.3以上からアップグレードする場合、すべてのセントラル・サーバーおよびモニターのEARファイルを一斉にアップグレードするか、すべてのセントラル・サーバーのEARファイルをアップグレードした後にモニターのEARファイルを1つずつアップグレードすることができます。
12.1.0.3より古いリリースからアップグレードする場合、すべてのセントラル・サーバーおよびモニターのEARファイルを一斉にアップグレードする必要があります。
セントラル・サーバーおよびモニターのEARファイルを一斉にアップグレードする場合は、次の手順を実行します。
すべてのセントラル・サーバーおよびモニター(btmMain.ear、btmPerformanceServer.ear、btmTransactionServer.earおよびbtmMonitor.ear)を停止します。
すべてを停止する必要があります。
Business Transaction Managementコンポーネントの停止については、第13章「Business Transaction Managementの起動および停止」を参照してください。
アプリケーション・サーバーのデプロイメント・ツールとInstall_Dir\archivesにある新しいEARファイルを使用して、各セントラル・サーバーおよびモニターを再デプロイします。
セントラル・サーバーおよびモニターを再起動します。
12.1.0.7より古いリリースからアップグレードする場合、セントラル・サーバーの再起動によってBusiness Transaction Managementデータのインプレース・アップグレードが開始されます。このプロセスの間、システムにパフォーマンスの低下が発生したり、データが一時的に使用できなくなる可能性があります。このプロセスは、30分以内に完了します。単に12.1.0.7のインストールにパッチを適用する場合、システムは通常の速度で起動します。
Business Transaction Managementコンポーネントの起動については、第13章「Business Transaction Managementの起動および停止」を参照してください。
すべてのBusiness Transaction Managementユーザーに、Webブラウザのキャッシュをフラッシュするよう通知します。
管理コンソールには、多くのAdobe Flashウィジェットが含まれています。Webブラウザは通常このようなウィジェットをキャッシュし、キャッシュをフラッシュするかWebブラウザを再起動するまでキャッシュされた古いウィジェットを使用し続けます。
セントラル・サーバーのEARファイルをアップグレードしてからモニターのEARファイルをアップグレードする場合は、次の手順を実行します。
すべてのセントラル・サーバー(btmMain.ear、btmPerformanceServer.earおよびbtmTransactionServer.ear)を停止します。
Business Transaction Managementコンポーネントの停止については、第13章「Business Transaction Managementの起動および停止」を参照してください。
アプリケーション・サーバーのデプロイメント・ツールとInstall_Dir\archivesにある新しいEARファイルを使用して、各セントラル・サーバーを再デプロイします。
セントラル・サーバーを再起動します。
12.1.0.7より古いリリースからアップグレードする場合、セントラル・サーバーの再起動によってBusiness Transaction Managementデータのインプレース・アップグレードが開始されます。このプロセスの間、システムにパフォーマンスの低下が発生したり、データが一時的に使用できなくなる可能性があります。このプロセスは、30分以内に完了します。単に12.1.0.7のインストールにパッチを適用する場合、システムは通常の速度で起動します。
Business Transaction Managementコンポーネントの起動については、第13章「Business Transaction Managementの起動および停止」を参照してください。
すべてのBusiness Transaction Managementユーザーに、Webブラウザのキャッシュをフラッシュするよう通知します。
管理コンソールには、多くのAdobe Flashウィジェットが含まれています。Webブラウザは通常このようなウィジェットをキャッシュし、キャッシュをフラッシュするかWebブラウザを再起動するまでキャッシュされた古いウィジェットを使用し続けます。
モニター(btmMonitor.ear)を停止し、Install_Dir\archivesにある新しいEARファイルを使用して再デプロイし、再起動します。
この手順は、すべてのモニターに対して一斉に実行することも、各モニターに対して個別に実行することも可能です。
(省略可能)セントラル・サーバーおよびモニターのアップグレードが完了してシステムが落ち着いた後、次の項の手順に従ってオブザーバをアップグレードすることができます。
前の項で説明されているように、オブザーバのアップグレードの前にBusiness Transaction Managementセントラル・サーバーおよびモニターをアップグレードする必要があります。
注意: 本インストレーション・ガイドでは、オブザーバをリリース12.1.0.7に含まれているバージョンにアップグレードする手順を説明しています。オブザーバを以前のリリースのバージョンにアップグレードしたい場合は、以前のリリースのインストレーション・ガイドを参照してください。特に、WebLogic 9.2、WebSphere、JBossまたはASP.NET向けのオブザーバをアップグレードする場合は、リリース12.1.0.2.2向けのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
オブザーバのアップグレード手順は、アプリケーション・サーバーおよびオブザーバのタイプによって異なります。オブザーバをアップグレードする手順の詳細は、次の項を参照してください。
この項では、WebLogic 10.3アプリケーション・サーバーにインストールされたオブザーバをアップグレードする方法について説明します。
リリース12.1.0.3以前では、WebLogic 10.3サーバーにインストールする様々なオブザーバが提供されていました。各オブザーバには、特定の種類のコンポーネントを監視することができる一連のプローブが含まれていました。たとえば、JavaEEオブザーバにはJavaEEコンポーネントを監視するプローブが含まれ、SOAオブザーバにはSOAコンポーネントを監視するプローブが含まれていました。現在のリリースでは、WebLogic 10.3サーバーへのインストール用に提供されているのは、「ユニバーサル」オブザーバおよびOracle Service Bus 10gR3用オブザーバの2つのみです。これらのオブザーバは、次のZIPファイルにパッケージ化されています。
BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zip – このZIPファイルには、ユニバーサル・オブザーバが含まれています。次のオブザーバをアップグレードする際に、このZIPファイルを使用します。
WebLogic 10.3用のJavaEEオブザーバ
Oracle Fusion Applicationsオブザーバ
Oracle SOA Suiteオブザーバ
Oracle Service Bus 11gR1オブザーバ
ユニバーサル・オブザーバは、JavaEE、Oracle SOA Suite、Oracle Service Bus 11gR1およびOracle Fusion Applications (ADF-UI、ADF-BCおよびSOAデプロイメント)を監視できます。
BTMObserver_Wls_10.3_Osb11gR1_*.zip – このZIPファイルは、Oracle Service Bus 10gR3用のオブザーバをWebLogic 10.3サーバーへインストールする際に使用します。ZIPファイル名には文字列「Osb11gR1」が含まれていますが、このオブザーバはOracle Service Bus 10gR3をサポートしていることに注意してください。このオブザーバは、Oracle Service Bus 11gR1では推奨されません(11gR1では、BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zipを使用する必要があります)。
制限付きのオブザーバ(JavaEEオブザーバなど)をユニバーサル・オブザーバにアップグレードすると、システムは新しいタイプのコンポーネントを検出して監視できるようになります。システムおよび監視要件によっては、新しいタイプのコンポーネントを監視する必要があるかもしれません。ユニバーサル・オブザーバにアップグレードする前に、必要に応じてオブザーバ通信ポリシーのアクティブなプローブの見直しおよび調整をする必要があります。このトピックの詳細は、「機能のアップグレードの問題」という名前のオンライン・ヘルプのトピックに目を通してください。最初に管理コンソールで「ヘルプ」→「ヘルプ」を選択することによって、このトピックを見つけることができます。オンライン・ヘルプが開いたら、目次ペインで「Oracle Business Transaction Managementの概要」に進み、「機能のアップグレードの問題」の項までスクロール・ダウンします。
注意: JavaEE、Oracle Fusion Applications、Oracle SOA SuiteまたはOracle Service Busのみを監視する更新されたバージョンのオブザーバが必要な場合は、My Oracle Support (http://support.oracle.com)で支援を依頼するサービス・リクエストを入力してください。 |
3つのアップグレード・パスに対して、別々の手順が提供されています。使用する手順は、インストール済のオブザーバのタイプおよびリリース・バージョン、WebLogicサーバーがノード・マネージャ構成かスクリプト構成かによって異なります。選択できる手順は、次のとおりです。
第2.3.1.1項「12.1.0.2.2以降のオブザーバ、OSB 10gR3用オブザーバ、JavaEE用12.1.0.2.0オブザーバのアップグレード」
第2.3.1.2項「ノード・マネージャ構成サーバー上のSOAまたはOSB 11gR1用12.1.0.2.0オブザーバあるいはJavaEE用11または12.1.0.1オブザーバのアップグレード」
第2.3.1.3項「スクリプト構成サーバー上のSOAまたはOSB 11gR1用12.1.0.2.0オブザーバあるいはJavaEE用11または12.1.0.1オブザーバのアップグレード」
WebLogicサーバー上の次のオブザーバをアップグレードするには、この手順を使用します。
リリース12.1.0.6ユニバーサル・オブザーバ
リリース12.1.0.5ユニバーサル・オブザーバ
リリース12.1.0.4ユニバーサル・オブザーバ
リリース12.1.0.3ユニバーサル・オブザーバ
リリース12.1.0.2.2のすべてのオブザーバ
JavaEE用リリース12.1.0.2.0オブザーバ
Oracle Service Bus 10gR3用オブザーバ
お使いの環境および監視ニーズに適切なオブザーバ配布ZIPファイルを探します。
オブザーバがインストールされているWebLogicアプリケーション・サーバーを停止します。
WL_HOME\nanoagentディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。
文字列WL_HOMEはWebLogicサーバーのホーム・ディレクトリを表し、WebLogicのインストール・ディレクトリにあるweblogic92、wlserver_10.0またはwlserver_10.3のいずれかのディレクトリです。
WL_HOME\nanoagentディレクトリを削除します。
オブザーバの配布ZIPファイルをWL_HOMEに解凍します。
ZIPファイルを解凍すると、nanoagentおよびsecurity_add_onsという名前のディレクトリが作成されます。nanoagentディレクトリには、bin、configおよびlibという名前の3つのサブディレクトリが含まれています。
WebLogicを実行しているユーザー・アカウントが、最低でも以下の権限を持っていることを確認します。
nanoagent/configおよびnanoagent/libディレクトリの読取り権限(UNIX系システムでは、トラバース権限も必要)
libディレクトリ内のすべてのJARファイルの読取り権限
最初にオブザーバをインストールする際に、ノード・マネージャを使用したのではなくスクリプト・ファイルを編集した場合は、新しいオブザーバのスクリプト・ファイルをnanoagentディレクトリにあるバックアップ・コピーのオブザーバ・スクリプト・ファイルで置き換えます。ノード・マネージャを使用する場合は、この手順をスキップします。
Windowsシステムでは、オブザーバ・スクリプト・ファイルは次の場所にあります。
WL_HOME\nanoagent\bin\nanoEnvWeblogic.cmd
UNIX系システムでは、オブザーバ・スクリプト・ファイルは次の場所にあります。
WL_HOME/nanoagent/bin/nanoEnvWeblogic.sh
WebLogicサーバーを再起動します。
WebLogic 10.3ノード・マネージャ構成環境で次のオブザーバを最新のリリースにアップグレードするには、この手順を使用します。
Oracle SOA Suite用リリース12.1.0.2.0オブザーバ
Oracle Service Bus 11gR1用リリース12.1.0.2.0オブザーバ
JavaEE用リリース11または12.1.0.1オブザーバ
ユニバーサル・オブザーバ用の配布ZIPファイル(BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zip)を探します。
WebLogic管理コンソール(デフォルトのURLは、http://machine_name:7001/console)を開きます。
管理対象サーバーのクラスパスから、WL_HOME/nanoagent/lib/bootstrap/ap-nano-bootstrap.jarを削除します(この設定はアップグレード元のバージョンのオブザーバによってリクエストされましたが、最新のリリース用に削除する必要があります)。
「ドメイン構造」ペイン(左側)で、「環境」→「サーバー」に移動します。
「サーバー」表で、管理対象サーバーをクリックします。
「構成 / サーバーの起動」タブを表示します。
「ロックして編集」をクリックします。
注意: この手順は、本番環境での操作を想定しているため、WebLogicサーバーの「ロックを自動取得して変更をアクティブ化」の設定は無効になっていることを前提としています。ただし、開発環境ではこの設定が有効である場合も考えられます。その場合は、変更を行うために「ロックして編集」をクリックする必要はなく、保存後に変更をアクティブ化する必要もありません。 |
クラスパス・フィールドから次のようにエントリを削除します。
Windowsシステムでは、次の文字列を削除します。
WL_HOME\nanoagent\lib\bootstrap\ap-nano-bootstrap.jar
UNIX系システムでは、次の文字列を削除します。
WL_HOME/nanoagent/lib/bootstrap/ap-nano-bootstrap.jar
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「構成 / サーバーの起動」タブが表示された状態で、WebLogic起動引数を次のように編集します。
次のように、「引数」フィールドからJVM引数を削除します(これらの設定は以前のリリースのオブザーバによってリクエストされましたが、最新のリリース用に削除する必要があります)。
Windowsシステムでは、次の引数を削除します。
-Daspectwerkz.classloader.preprocessor=com.amberpoint.nanoagent.plugins.APAspectPreProcessor -javaagent:
WL_HOME\nanoagent\lib\bootstrap\aspectwerkz-jdk5-2.0.jar
UNIX系システムでは、次の引数を削除します。
-Daspectwerkz.classloader.preprocessor=com.amberpoint.nanoagent.plugins.APAspectPreProcessor -javaagent:
WL_HOME/nanoagent/lib/bootstrap/aspectwerkz-jdk5-2.0.jar
次のようにJVM引数を「引数」フィールドに追加することによって、オブザーバ・ブートストラップ・モジュールをサーバーに構成します。
Windowsシステムでは、次の引数を追加します。
-javaagent:WL_HOME\nanoagent\lib\bootstrap\ap-nano-bootstrap.jar
UNIX系システムでは、次の引数を追加します。
-javaagent:WL_HOME/nanoagent/lib/bootstrap/ap-nano-bootstrap.jar
「保存」をクリックし、「変更のアクティブ化」をクリックします。
次のステータスを受信します。
「すべての変更がアクティブ化されました。再起動は不要です。設定が正常に更新されました。」
オブザーバがインストールされているWebLogic管理対象サーバーを停止します。
WL_HOME\nanoagentディレクトリをWebLogic管理対象サーバーから削除します。
文字列WL_HOMEはサーバーのホーム・ディレクトリを表し、サーバーのインストール・ディレクトリにあるwlserver_10.3ディレクトリです。この手順を忘れないようにするため、文字列WL_HOMEをWebLogicホーム・ディレクトリの実際のパスで置き換えます。
オブザーバの配布ZIPファイルをWL_HOMEに解凍します。
ZIPファイルを解凍すると、bin、configおよびlibの3つのサブディレクトリを含むnanoagentという名前のディレクトリが作成されます。
WebLogicサーバーを実行しているユーザー・アカウントが、最低でも以下の権限を持っていることを確認します。
nanoagent/configおよびnanoagent/libディレクトリの読取り権限(UNIX系システムでは、トラバース権限も必要)
libディレクトリ内のすべてのJARファイルの読取り権限
オブザーバを最初にインストールする際に<filter>および<filter-mapping>要素をWebアプリケーションのweb.xmlファイルに挿入した場合は、これらの要素を削除する必要があります。
web.xmlファイルから削除する要素は、次のとおりです。
<filter> <filter-name>ORACLE_BTM_WEB_APP_OBSERVER</filter-name> <filter-class> com.amberpoint.nanoagent.bootstrap.servlet.FilterHandlerBootstrap </filter-class> </filter> <filter-mapping> <filter-name>ORACLE_BTM_WEB_APP_OBSERVER</filter-name> <url-pattern>/*</url-pattern> </filter-mapping>
WebLogicサーバーを再起動します。
WebLogic 10.3スクリプト構成環境で次のオブザーバを最新のリリースにアップグレードするには、この手順を使用します。
Oracle SOA Suite用リリース12.1.0.2.0オブザーバ
Oracle Service Bus 11gR1用リリース12.1.0.2.0オブザーバ
JavaEE用リリース11または12.1.0.1オブザーバ
注意: 最初にオブザーバをインストールした際は、WebLogicインストールで定義されているすべてのサーバーにインストールしたか、特定のドメインのサーバーにインストールしたかのどちらかです。グローバル・インストールという用語は、オブザーバをすべてのサーバーにインストールすることを示し、ドメイン・インストールという用語はオブザーバを特定のドメインにインストールすることを示します。 |
次の手順で、nanoagentディレクトリおよびその内容を置換します。オブザーバをグローバル・インストールでインストールした場合、nanoagentディレクトリはWebLogicサーバーのホーム・ディレクトリ、すなわちWebLogicのインストール・ディレクトリにあるwlserver_10.3ディレクトリにあります。
オブザーバをドメイン・インストールでインストールした場合、nanoagentディレクトリはドメイン・ディレクトリの中にあります。この場合、オブザーバをインストールした各ドメインでこの手順を繰り返す必要があります。
ユニバーサル・オブザーバ用の配布ZIPファイル(BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zip)を探します。
オブザーバがインストールされているWebLogicアプリケーション・サーバーを停止します。
オブザーバ・スクリプト・ファイルのバックアップ・コピーを作成します。
オブザーバ・スクリプト・ファイルとは、nanoagent/binディレクトリ内にあるnanoEnvWeblogic.cmdまたはnanoEnvWeblogic.shファイルです。
nanoagentディレクトリを削除します。
nanoagentディレクトリを削除したディレクトリにオブザーバ配布ZIPファイルを解凍します。
ZIPファイルを解凍すると、bin、configおよびlibの3つのサブディレクトリを含むnanoagentという名前のディレクトリが作成されます。
WebLogicを実行しているユーザー・アカウントが、最低でも以下の権限を持っていることを確認します。
nanoagent/configおよびnanoagent/libディレクトリの読取り権限(UNIX系システムでは、トラバース権限も必要)
libディレクトリ内のすべてのJARファイルの読取り権限
新しいオブザーバ・スクリプト・ファイルを編集用に開き、設定をコピーするためにバックアップ・コピーを開きます。
新しいオブザーバ構成ファイルのNANOAGENT_HOMEおよびNANOAGENT_CONFIGURATION_URL変数の値が、バックアップ・コピーの値と一致していることを確認します。
オブザーバを最初にインストールする際に<filter>および<filter-mapping>要素をWebアプリケーションのweb.xmlファイルに挿入した場合は、これらの要素を削除する必要があります。
web.xmlファイルから削除する要素は、次のとおりです。
<filter> <filter-name>ORACLE_BTM_WEB_APP_OBSERVER</filter-name> <filter-class> com.amberpoint.nanoagent.bootstrap.servlet.FilterHandlerBootstrap </filter-class> </filter> <filter-mapping> <filter-name>ORACLE_BTM_WEB_APP_OBSERVER</filter-name> <url-pattern>/*</url-pattern> </filter-mapping>
WebLogicサーバーを再起動します。
この項では、WCF用オブザーバをアップグレードする方法について説明します。
オブザーバ配布ファイル(BTMObserver_Iis_7.5_DotNet4_*.zip)を一時ディレクトリ(以降、observer_tempと表記)に解凍します。
ZIPファイルを解凍すると、configおよびlibの2つのサブディレクトリを含むnanoagentディレクトリが作成されます。libディレクトリには、オブザーバのDLLファイルが含まれています。
新しいDLLのバージョン番号を書きとめます。
バージョン番号を調べるには、いずれか1つのDLLファイルのWindowsプロパティ・ダイアログ・ボックスを開き、バージョン・タブをクリックします。
gacutil.exeまたはWindowsエクスプローラを使用して、observer_temp\nanoagent\libからグローバル・アプリケーション・キャッシュ(GAC、通常はC:\WINDOWS\assembly)にすべてのDLLファイルをコピーします。
テキスト・エディタを使用して、最初にオブザーバをインストールする際に追加したオブザーバ構成コードを含むアプリケーション構成ファイルを開きます。
ファイルは、machine.configまたはweb.configファイルのどちらかです。
アプリケーション構成ファイルで、2回出現し、オブザーバのDLLバージョン番号を示しているVersion属性を探します。
Version属性を含む要素は </behaviorExtensions>要素の中にあり、次のようになっています。
<add name="APEPInterceptor" type="AmberPoint.NanoAgent.DotNet.Wcf.APEPBehaviorExtnElem, AmberPoint.NanoAgentWCF, Version=64000.64000.25233.19024, Culture=neutral, PublicKeyToken=d8685c0afbb35893"/> <add name="APServiceInterceptor" type="AmberPoint.NanoAgent.DotNet.Wcf.APServiceBehaviorExtnElem, AmberPoint.NanoAgentWCF, Version=64000.64000.25233.19024, Culture=neutral, PublicKeyToken=d8685c0afbb35893"/>
新しいオブザーバDLLのバージョン番号と一致するようにVersion属性の設定を編集し、保存してファイルを閉じます。
注意: オブザーバをマシン上の複数のweb.configファイルに構成した場合は、各ファイルのVersion属性を編集します。 |
省略可能 – 古いオブザーバのDLLをGACから削除します(マシン上の他のオブザーバに使用されている場合を除く)。
各オブザーバDLLの名前は、文字列「AmberPoint」で始まります。DLLを削除するには、右クリックしてアンインストールを選択します。
注意: ASP.NET用のオブザーバは、WCF用のオブザーバと同じDLLの多くを使用します。マシン上にASP.NET用のオブザーバをインストールしている場合は、そこで使用されているバージョンのDLLは削除しないでください。 |
この項では、Oracle Enterprise Gateway用オブザーバをアップグレードする方法について説明します。
Enterprise Gatewayサーバーを停止します。
オブザーバに関係するすべてのJARファイルをOEG_HOME/ext/libから削除します。OEG_HOMEはEnterprise Gatewayサーバーのホーム・ディレクトリ(最上位のインストール・ディレクトリ)です。
オブザーバ関連のJARファイルは、「ap-」から始まるファイルと、次のファイルです。
orahttp_client_1.0.0.jar orawsdl_1.0.0.jar xstream-1.2.2.jar
オブザーバZIPファイル(BTMObserver_OEG_11.1.1.6_OEG_*.zip)を一時ディレクトリ(以降、observer_tempと表記します)に解凍します。
ZIPファイルを解凍すると、config、libおよびscriptsという名前の3つのディレクトリが作成されます。
libディレクトリにあるすべてのJARファイルをOEG_HOME/ext/libにコピーします。
テキスト・エディタで、OEG_HOME/system/conf/jvm.xmlを開き、<JVMSettings>要素内を次のように変更します。
次の行(<JVMSettings>要素の最初の子要素)を探します。
<SystemProperty name="AP_NANO_CONFIG_URL" value="http://Host_Name:Port_Number/btmmonitor/agent/agent/"/>
<JVMSettings>要素の2番目、3番目および4番目の子要素として、次の行を追加します。
<SystemProperty name="AP_NANO_HOME" value="$VDISTDIR/NanoAgent"/> <SystemProperty name="AP_NANO_LOG_BASEDIR" value="$VDISTDIR/NanoAgent"/> <SystemProperty name="AP_NANO_CLASSLOADER_BASEDIR" value="$VDISTDIR/ext/lib"/>
省略可能 – オブザーバ構成ラベルでオブザーバのターゲットを指定する場合は、<JVMSettings>要素の5番目の子要素として次の行を追加します。
<SystemProperty name="ap.nano.config.label" value="My_Label_String"/>
My_Label_Stringは、このオブザーバで使用するラベルの文字列で置換します。オブザーバのターゲット指定の詳細は、第8.5項「オブザーバ通信ポリシーの適用」を参照してください。
Enterprise Gatewayサーバーを再起動します。