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Oracle® Enterprise Managerライフサイクル管理ガイド
12cリリース5 (12.1.0.5)
B66837-13
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42 ソフトウェア・デプロイメントへのパッチ適用

パッチ適用は、製品ライフサイクルの重要フェーズの1つで、ソフトウェア製品をバグ修正で常に更新できます。オラクル社では、製品保守を支援するため、様々な種類のパッチを定期的にリリースしています。しかし、パッチ適用は、複雑でリスクが伴い、多くの時間を必要とし、停止時間も含まれるため、以前からずっとライフサイクルで最も難易度の高いフェーズでした。様々な方法でパッチを特定し、データベースにパッチを適用できますが、残念ながら課題は変わらず同じままです。

この章では、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)の新しいパッチ管理ソリューションでこれらのパッチ管理の課題に対処する方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。

42.1 新しいパッチ管理ソリューションの概要

この項では、次の項目について説明します。

42.1.1 現在のパッチ管理における課題の概要

Cloud Controlによって提供される新しいパッチ管理ソリューションを理解する前に、データベースへのパッチ適用に現在使用している一部のツールと、それらのツールを使用しているときに発生する可能性がある課題について時間をとって確認してください(表42-1)。

表42-1 現在のパッチ管理ツールおよび課題

方法 説明 課題

OPatch

Oracle Database、管理エージェント、SOAなどのOracle製品とともにインストールされるOracle固有のツール。

  • 公開するパッチの特定が難しい

  • 一度に1つのOracleホームにしかパッチを適用できない

  • パッチ適用前およびパッチ適用後のスクリプト処理に対して提供されるサポートに制限がある

カスタム・スクリプト

OPatch、SQLPlusなどに基づいて開発されたユーザー作成のスクリプト。

  • 公開するパッチの特定が難しい

  • 単一サーバーでのみ使用可能

  • 新しいバージョンおよび構成のニーズを満たすのにかなりの保守オーバーヘッドが必要

デプロイメント・プロシージャ

パッチ適用操作を自動化するためにCloud Controlによって提供されるデフォルトのプロシージャ

  • 選択するデプロイメント・プロシージャについて混乱

  • デプロイメント・プロシージャで選択したパッチおよびターゲットの検証範囲に制限がある

  • ローリング・モードとパラレル・モードでのパッチ適用にデプロイメント・プロシージャが異なる

  • パッチの競合の処理が難しい


42.1.2 新しいパッチ管理ソリューションについて

Cloud Controlでは、停止時間が最小限でこれまでになく簡単に使用できる大幅に改善されたパッチ管理ソリューションを使用することにより、第42.1.1項で説明されている課題に対処しています。新しいパッチ管理ソリューションには次の利点があります。

  • パッチ適用フローがMy Oracle Support (MOS)と統合されたため、推奨の確認、パッチの検索、パッチの公開をすべて同じユーザー・インタフェースを使用して実行できます。

    ただし、Cloud Controlは、いずれのデータもMOSにアップロードしません。MOSを使用するのは、最新の更新をダウンロードする場合のみです。

  • デプロイメント・プロシージャの自動選択やパッチ競合の分析など、パッチ計画を使用してパッチ適用ワークフローの完全なエンドツーエンド編成。このため、必要な手動作業が最小限になります。パッチ計画の詳細は、第42.1.3項を参照してください。

  • デザイナとオペレータ間の責任の分担が明確。デザイナはパッチ計画の作成、テスト・システムでのテストおよびパッチ・テンプレートとしての保存に集中できます。オペレータは、本番システムでパッチを公開するためにテンプレートからパッチ計画を作成することに集中できます。

  • 環境の適用性、パッチ計画の検証、検証による問題を解決するパッチの自動受信についてパッチを簡単に確認できます。

  • 正常に分析されたまたはデプロイ可能なパッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存できます。テンプレートには、ソース・パッチ計画から保存された事前決定済の一連のパッチおよびデプロイメント・オプションが含まれます。

  • スタンドアロン(単一インスタンス)のデータベース・ターゲット、Oracle Real Application Clusters (RAC)ターゲット、Oracle Data GuardターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)用のホーム外パッチ適用。


    注意:

    • Oracle Exadataの一部ではないOracle RACターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲットへのホーム外パッチ適用は、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされている場合のみサポートされています。

    • Oracle Data Guardターゲットへのホーム外パッチ適用は、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.6 Enterprise Managerがデプロイされている場合のみサポートされています。


  • オフラインとオンラインの両モードで、ローリングやパラレルなどのフレキシブルなパッチ適用オプション。

図42-1に、Cloud Controlコンソールから「パッチと更新版」画面へのアクセス方法を示します。

図42-1 「パッチと更新版」画面へのアクセス

「パッチと更新版」画面へのアクセス

42.1.3 パッチ計画の概要

この項では、次の項目について説明します。

42.1.3.1 パッチ計画について

パッチ計画は、1つ以上のターゲットに1グループとして適用するパッチの統合リストを作成するのに役立ちます。パッチ計画では、構成変更管理プロセスの主要ステップに対応する状態(ステータス)を保持します。表示権限のある管理者またはロールがパッチ計画にアクセスできます。

パッチ計画では、次のパッチ・タイプをサポートします。

  • パッチ・セット


    注意:

    • Oracle Database 10gリリース2 (10.2.0.x)およびOracle Database 11gリリース1 (11.1.0.x)用のパッチ・セットが使用できます。パッチ計画を使用してこれらのパッチ・セットを適用できます。ただし、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.x)用のパッチ・セットは完全インストール(フル・リリース)であり、データベース・アップグレード機能を使用して適用する必要があります。データベース・アップグレード機能はホーム外パッチ適用方式に従います。

    • パッチ・セットは、Oracle WebLogic Serverターゲット、Oracle Fusion ApplicationターゲットおよびOracle SOAインフラストラクチャ・ターゲットではサポートされません。


  • パッチ(個別)

    • 個別パッチ: 必要に応じて提供される単一のバグ修正、またはバグ修正のコレクションが含まれます。また、顧客固有のセキュリティ・バグ修正用の個別パッチも含まれます。

    • 診断パッチ: 単一の修正またはバグ修正のコレクションの診断または検証を支援します。

    • パッチ・セット更新(PSU): 特定の製品またはコンポーネント用の、影響が大きくリスクが低い証明された修正のコレクションが含まれます。

    • クリティカル・パッチ・アップデート(CPU): セキュリティ・バグ修正のコレクションが含まれます。


注意:

パッチ・セットとパッチの両方を1つのパッチ・プランに追加することはできません。かわりに、パッチ・セットに対して1つのパッチ計画、パッチに対して別のパッチ計画を作成できます。

計画のターゲットにパッチを追加できるのは、パッチのリリースとプラットフォームが追加対象のターゲットと同一の場合のみです。追加するパッチの製品が、パッチの追加対象のターゲットに関連付けられている製品と異なる場合は、警告が表示されます。警告は表示されますが、計画にパッチを追加できます。

計画には、任意のターゲットに対する任意のパッチを含めることができます。また、計画ではOracle Database、Fusion Middleware、Cloud Controlのパッチを各環境と比較して検証し、インストールされたパッチに競合がないかどうかをチェックします。

パッチ計画は、追加するパッチに応じて、パッチの適用に使用する適切なデプロイメント・プロシージャを自動的に選択します。各種データベース・ターゲット・タイプに使用するパッチ適用デプロイメント・プロシージャの詳細は、表42-2を参照してください。


注意:

  • パッチ計画は、現在ハードウェアまたはオペレーティング・システム・パッチ適用では利用できません。

  • 表示権限のある管理者またはロールがパッチ計画にアクセスできます。パッチ計画およびパッチ・テンプレートに必要なロールおよび権限の詳細は、第42.2.2項を参照してください。


42.1.3.2 パッチ計画のタイプについて

この項では、パッチ計画のタイプについて説明します。内容は次のとおりです。

デプロイ可能な計画とデプロイ不可能な計画

パッチ計画は、デプロイできてもデプロイできなくてもかまいません。

  • パッチ計画は次のような場合にデプロイできます。

    • 同じタイプのパッチ(同種パッチ)のみが含まれている場合。

    • パッチ適用がサポートされ、構成が似ており、同じ製品タイプ、プラットフォームおよびバージョンのターゲット(同種ターゲット)が含まれている場合。

    • 計画内でその他の競合がない場合。

  • デプロイ可能な計画について示した条件のいずれかを満たしていないパッチ計画が、デプロイ不可能な計画です。パッチ計画をデプロイできない場合は、パッチ計画を使用してパッチをデプロイすることはできませんが、一部の分析やチェックの実行、パッチのダウンロード、それらのパッチの手動での適用は可能です。

エラー計画

パッチ計画にOracle Management Agent (Management Agent)のターゲットとパッチが含まれている場合は、一部のManagement Agentで分析が失敗し、パッチ計画が2つの計画に分割されます。分析が成功したManagement Agentとそれに関連付けられたパッチは、元の計画に保持されます。失敗したターゲットとそれに関連付けられたパッチは、新しいエラー計画に移動されます。デプロイメント・オプションもエラー計画にコピーされます。エラー計画には、パッチと更新版ページからアクセスできます。

42.1.3.3 計画の作成ウィザードについて

図42-2に、パッチ計画の作成、表示および変更ができる計画の作成ウィザードを示します。

図42-2 計画の作成ウィザード

図42-2については前後の文で説明しています。

ウィザードには次の画面があります。

画面1: 計画の情報

一意の計画名、予定デプロイメント日、簡単な説明など、計画に関する基本情報を指定できます。また、パッチ計画にアクセスできる管理者またはロールを追加できます。

画面2: パッチ

パッチがパッチ計画にすでに含まれているかを確認し、パッチを計画に手動で追加し、パッチを適用する必要があるターゲットを関連付けることができます。

画面3: デプロイメント・オプション

ニーズに合ったデプロイメント・オプションを使用してパッチ計画を構成できます。このステップはすべてのターゲット・タイプに共通ですが、このステップで表示されるデプロイメント・オプションは、パッチ計画で選択されているターゲット・タイプによって異なります。

すべてのターゲット・タイプで、パッチのデプロイにカスタマイズされたデプロイメント・プロシージャを選択し、使用される資格証明を指定できます。データベース・ターゲットでは、パッチの格納にデフォルト以外のステージングの場所を選択でき、パッチがすでにステージングされている場合はステージング・プロセスをスキップできます。スタンドアロン(単一インスタンス)のデータベース・ターゲット、Oracle RACデータベース・ターゲット、Oracle Data GuardターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)では、ホーム外パッチ適用とホーム内パッチ適用のどちらかを選択できます。Oracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructureのターゲットでは、システムの停止時間を制御するために、ローリング・モードまたはパラレル・モードのどちらでパッチを適用するかを選択できます。

画面4: 検証

パッチ計画を検証し、問題なくパッチを公開できるかどうかを判断できます。基本的に、Oracleのパッチ情報、システム上のパッチのインベントリ(Configuration Managerで収集)および候補パッチの情報を使用して、次のチェックを実行できます。

  • パッチ競合チェック

    • パッチ計画に追加されたパッチとOracleホームにすでに存在するパッチとの競合

    • パッチ計画内のパッチ間の競合

  • ターゲットの健全性チェック

    • ターゲットのステータスおよび構成チェック

    • OPatchおよびOUIチェック

    • インベントリの健全性チェック(ロック、アクセスなど)

    • ハード・ディスク領域チェック

    • クラスタ検証チェック(cluvfy、srvctl config)

    • SQLPlusチェック(サンプルSQL付き)


    注意:

    Oracle WebLogicターゲットの場合、OPatchおよびOUIチェックのかわりに、SmartUpdateバージョン・チェックを実行する必要があります。

競合のチェックに加えて、計画にリストされたパッチ間のパッチ競合のチェックもできます。

画面5: レビューおよびデプロイ

パッチ計画に指定した詳細を確認し、計画をデプロイできます。また、実行した処理ですべてのターゲットがどんな影響を受けたか把握できるように、影響を受けたすべてのターゲットを確認できます。

42.1.4 パッチ・テンプレートの概要

この項では、次の項目について説明します。

42.1.4.1 パッチ・テンプレートについて

パッチ・テンプレートは、パッチ管理ソリューションのもう1つの重要な側面です。パッチ・テンプレートは、正常に分析されたまたはデプロイ可能な既存のパッチ計画に基づいて事前に設計され、ターゲットが選択されていない計画を作成するのに役立ちます。パッチ・テンプレートには、ソース・パッチ計画から保存された事前決定済の一連のパッチおよびデプロイメント・オプションが含まれ、まったく新しいターゲットのセットを選択できます。

このように、パッチ・デザイナは、一連のパッチでパッチ計画を作成して自分の環境でテストし、正常に分析されたパッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存してパッチ・オペレータに公開できます。パッチ・オペレータは、テンプレートからパッチ計画を作成して別のターゲットのセットを追加し、再帰的方法でパッチを本番環境に公開できます。

このように、新しいパッチ計画の作成に必要な時間と作業を減らし、パッチ・デザイナは正常に分析され、承認された計画のみをパッチ・オペレータに公開します。


注意:

パッチ・テンプレートの作成権限とテンプレートの作成に使用されるパッチ計画の表示権限を持っている管理者またはロールが、パッチ・テンプレートを作成できます。

42.1.4.2 テンプレートの編集ウィザードについて

図42-3に、パッチ計画テンプレートの内容を表示して、説明を編集できるテンプレートの編集ウィザードを示します。

図42-3 テンプレートの編集ウィザード

計画テンプレートの作成ウィザード

パッチ計画テンプレートを表示または編集するには、テンプレートの編集ウィザードを開きます。ウィザードには次の画面があります。

画面1: 計画の情報

テンプレートに関する一般情報を表示し、説明やデプロイメント日を編集できます。

画面2: パッチ

パッチ計画テンプレートに含まれているパッチのリストを表示できます。ここにリストされるパッチは、テンプレートを作成するために選択したソース・パッチ計画からコピーされたパッチです。

画面3: デプロイメント・オプション

パッチ計画テンプレートで構成されているデプロイメント・オプションを表示できます。

42.1.5 パッチ適用にサポートされているターゲット、リリースおよびデプロイメント・プロシージャ

表42-2に、新しいパッチ管理ソリューションを使用して異なるプラットフォームにパッチを適用できるターゲットおよびそのリリースと、ターゲット・タイプに応じてパッチ計画が自動的に選択するデフォルトのデプロイメント・プロシージャを示します。デプロイメント・プロシージャは、パッチ計画でのみサポートされます。「デプロイメント・プロシージャ・マネージャ」ページで公開されますが、単独で選択して実行することはできません。常にパッチ計画を作成して実行する必要があります。


注意:

Oracle WebLogic Serverターゲットにパッチを適用する前に、次の前提条件を満たす必要があります。
  1. OMSにEnterprise Manager for My Oracle Support 12.1.0.5プラグインが適用されていることを確認します。これは、複数OMS環境ではすべてのOMSインスタンスに適用する必要があります。

  2. Oracle WebLogic Serverターゲットを監視するOMSおよび管理エージェントに、Enterprise Manager for Oracle Fusion Middleware 12.1.0.4プラグインが適用されていることを確認します。


表42-2 パッチ適用にサポートされているターゲットおよびリリース

サポートされているターゲット・タイプ サポートされているターゲットおよびリリース サポートされているプラットフォーム サポートされているデフォルトのデプロイメント・プロシージャ

Oracle Database

Oracle Database (スタンドアロン) 10gリリース1から11gリリース2

すべてのプラットフォーム

Oracleデータベースへのパッチ適用

Oracle Automated Storage Management (Oracle ASM) 10gリリース1から11gリリース2

すべてのプラットフォーム

スタンドアロンOracle ASMへのパッチ適用

Oracle Real Application Cluster (Oracle RAC) 10gリリース1から11gリリース2

すべてのプラットフォーム

  • Oracle RACデータベースへのパッチ適用(ローリング)

  • Oracle RACデータベースへのパッチ適用(すべてのノード)

Oracle RAC One Node 10gリリース1から11gリリース2

すべてのプラットフォーム

Oracle RACデータベースへのパッチ適用 - パラレル

Oracle Exadata RAC Databases脚注 1 11gリリース2 (11.2.0.1、11.2.0.2および11.2.0.3)

すべてのプラットフォーム

デフォルトのデプロイメント・プロシージャはありません。動的に作成されます。

Oracle Restart 10gリリース1から11gリリース2

すべてのプラットフォーム

Oracle Restartへのパッチ適用

Oracle Clusterware 10gリリース1から11gリリース1

Microsoft Windowsを除くすべてのプラットフォーム

  • Oracleクラスタウェアへのパッチ適用(ローリング)

  • Oracleクラスタウェアへのパッチ適用(すべてのノード)

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2

Microsoft Windowsを除くすべてのプラットフォーム

  • Oracleクラスタウェアへのパッチ適用(ローリング)

  • Oracleクラスタウェアへのパッチ適用(すべてのノード)


Oracle Database 12c Multitenant Database (コンテナ・データベースおよびプラガブル・データベース)

すべてのプラットフォーム

デフォルトのデプロイメント・プロシージャはありません。内部的に起動されます。

Oracle WebLogic Server

Oracle WebLogic Server 10g リリース3 (10.3.1)、(10.3.2)、(10.3.3)、(10.3.4)、(10.3.5)、(10.3.6)および12c リリース1 (12.1.1)、(12.1.2)、(12.1.3)

すべてのプラットフォーム

  • パラレル・モードでOracle WebLogic Serverにパッチを適用

  • ローリング・モードでOracle WebLogic Serverにパッチを適用

Oracle Fusion Applications

Oracle Fusion Applications 11gリリース1 (11.1.1.5.1)および(11.1.2.0.0) (RUP1)

すべてのプラットフォーム

Oracle Fusion Applicationsのパッチ適用

Oracle Application Server

Oracle Application Server 10gリリース1

すべてのプラットフォーム

アプリケーション・サーバーへのパッチ適用

Oracle SOAインフラストラクチャ

Oracle SOAインフラストラクチャ 11g リリース1 (11.1.1.1.0 - 11.1.1.7.0)および12c リリース1 (12.1.3.0.0)

すべてのプラットフォーム

  • パラレル・モードでOracle SOAインフラストラクチャにパッチを適用

  • ローリング・モードでOracle SOAインフラストラクチャにパッチを適用

Oracle Identity Management (Oracle Access Management ServerおよびOracle Identity Management Serverターゲットのみサポートされます)

Oracle Identity Management 11gリリース2 (11.1.2.2.0)

すべてのプラットフォーム

パッチ適用IDM

Oracle Siebel (Siebel ServerおよびSiebel Gateway Serverターゲットのみサポートされます)

Oracle Siebel 8.1.1.9、8.1.1.10、8.1.1.11および8.2.x

すべてのプラットフォーム

パッチ適用Siebelターゲット


脚注 1 Oracle Exadata Database Machine推奨のバンドル・パッチに対して排他的にテストされます。


注意:

  • Oracle Data Guardで構成されたプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースにもパッチを適用できます。これらのターゲットにパッチを適用する方法の詳細は、第42.4.9項を参照してください。

  • Oracleデータベース・ホーム所有者と異なるユーザーによってリスナーが起動されたOracleデータベースのパッチ適用はサポートされていません。そのようなデータベースにパッチを適用するには、データベース・リスナーを停止し、データベース・ホーム所有者として再起動してから、パッチ計画を使用して必要なパッチを適用します。


42.1.6 サポートされているパッチ適用モードの概要

この項では、次のパッチ適用モードについて説明します。

42.1.6.1 オンライン・モードおよびオフライン・モードでのパッチ適用の概要

パッチ適用のオンライン・モードとオフライン・モードのどちらにするか柔軟に選択できます。

オンライン・モード

オンライン・モードは、Cloud Controlがインターネット接続を使用してMy Oracle Support (MOS)に接続できる場合に便利です。このモードを使用すると、適用するパッチについての推奨を確認し、パッチを直接MOSで手動で検索してパッチ計画に追加できます。さらに、コミュニティ情報、ナレッジ記事、サービス・リクエストなどにアクセスできます。また、直接MOSからマージ・マッチとのパッチ競合を自動的に解決することもできます。

Cloud Controlは、いずれのデータもMOSにアップロードしないことに注意してください。MOSを使用するのは、最新の更新をダウンロードする場合のみです。

オフライン・モード

オフライン・モードは、Cloud ControlがMy Oracle Supportに接続できない場合に便利です。このモードを使用すると、ソフトウェア・ライブラリに手動でアップロードされたパッチを検索し、パッチ計画に追加できます。オフライン・モードでは、次の操作を実行できません。

  • My Oracle Supportからのパッチの検索およびダウンロード

  • パッチに関する追加情報の表示

  • コミュニティ情報、ナレッジ記事、サービス・リクエストへのアクセス

  • 関連アクティビティ・リージョンの表示


注意:

デフォルトでは、パッチ適用モードはオンラインに設定されています。モードをオフラインに切り替えるには、「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択してから、「オフライン・パッチ」を選択します。「接続」については、「オフライン」を選択します。

42.1.6.2 インプレース・モードおよびホーム外モードでのパッチ適用の概要

インプレース・モードとホーム外モードのパッチ適用を選択できる柔軟性があります。

インプレース・モード

インプレース・モードのパッチ適用は、データベース・ホームに直接パッチを適用するパッチ適用メカニズムです。このモードでは、パッチの適用前に、そのデータベース・ホームから実行されているすべてのデータベース・インスタンスを停止します。つまり、停止時間があります。パッチの適用後に、すべてのデータベース・インスタンスを再起動します。すべてのデータベース・インスタンスに同じ方法でパッチが適用されます。このモードでは、パッチを適用したOracleホームは元のデータベース・ホームであり、コピーではないため、問題がある場合はリカバリの時間が長くなります。

図42-4に、Oracleホームから実行されている複数のデータベース・インスタンスがインプレース・パッチ適用モードでどのようにパッチが適用されるかを図示します。

図42-4 インプレース・モードのパッチ適用

インプレース・モードのパッチ適用

ホーム外モード

ホーム外モードのパッチ適用は、既存のデータベース・ホームをクローニングして、元のホームではなくクローニングしたホームにパッチを適用するパッチ適用メカニズムです。クローニングしたホームにパッチを適用すると、データベース・インスタンスを移行してクローニングしたホームから実行できます。これによって停止時間が最小限になることが保証されます。


重要:

  • ホーム外パッチ適用は、スタンドアロン(単一インスタンス)のデータベース・ターゲット、Oracle RACデータベース・ターゲット、Oracle Data GuardターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)でサポートされています。

    Oracle Exadataの一部ではないOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲットにホーム外モードでパッチを適用するには、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerが必要です。ホーム外モードでOracle Data Guardターゲットにパッチ適用するには、Oracle Databaseプラググイン用の12.1.0.6 Enterprise Managerが必要です。

  • クローニングされたホームに、SQL文を含む(パッチ計画に追加されていない)特定の追加パッチが含まれていると、データベース・インスタンスをクローニングされたホームに移行する際、それらのパッチに対するSQL文は自動的に実行されません。これらのパッチでは、SQL文を手動で実行する必要があります。


データベース・インスタンスの移行中、データ・センターで許容できる停止時間に応じて、すべてのインスタンスを移行するか、一部のインスタンスのみを移行するかを選択できます。あるセッションでごく少数のインスタンスのみを移行することにした場合は、次のセッションで残りを必ず移行します。このように、移行アクティビティを分割するので、データ・センターでの停止時間を制御できます。これは、Oracleホームから実行されているデータベース・インスタンスが複数ある場合、特に便利です。


注意:

計画の作成ウィザードを使用してパッチ計画を作成する間に、移行するデータベース・インスタンスを選択します。選択したデータベース・インスタンスは、パッチ計画がデプロイ状態にあるときに移行されます。移行に少数のデータベース・インスタンスのみを選択した場合、別のパッチ計画を作成して他のインスタンスを移行します。「デプロイメント・オプション」ページで、既存のホームを選択し、移行が必要な他のデータベース・インスタンスを選択します。

停止時間が最小で問題がある場合のリカバリが簡単であるため、いつでもホーム外パッチ適用をお薦めします。クローン・ホームに問題がある場合、必ず元のデータベース・ホームに戻ることができます。


注意:

ホーム外パッチ適用モードで、Oracle RACターゲット、Oracle単一インスタンス・データベース・ターゲットまたはOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)にパッチを適用した場合、計画の作成ウィザードから元のホームに直接スイッチバックできます。このウィザードには、スイッチバック操作を実行できる「スイッチバック」ボタンがあります。ただし、他のターゲット・タイプにはこの操作は実行できません。

図42-5に、Oracleホームから実行されている複数のデータベース・インスタンスがホーム外パッチ適用モードでどのようにパッチが適用されるかを図示します。

図42-5 ホーム外モードのパッチ適用

図42-5については前後の文で説明しています。

注意:

また、必要なパッチを持つ新しいOracleホームを取得するには、プロビジョニング・デプロイメント・プロシージャを使用して(必要なパッチを持つ)ソフトウェア・イメージから直接プロビジョニングし、分析およびパッチ適用後ステップにパッチ計画を使用します。この実行方法の詳細は、第42.4.3項を参照してください。

42.1.6.3 ローリング・モードおよびパラレル・モードでのパッチ適用の概要

Oracle Real Application Cluster (Oracle RAC)ターゲット、Oracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)、Oracle Data Guardターゲット、Oracle WebLogic Serverターゲット、Oracle Fusion ApplicationターゲットまたはOracle SOAインフラストラクチャ・ターゲットにパッチを適用する場合、ローリング・モードまたはパラレル・モードのどちらでクラスタのインスタンスにパッチを適用するかを選択できます。

ローリング・モード

ローリング・モードは、クラスタのノードに個別に(1つずつ)パッチを適用するパッチ適用方法です。たとえば、5つのノードがあるクラスタウェア・ターゲットにパッチを適用する場合、1つ目のノードを停止し、パッチを適用してから再起動します。その後、すべてのノードに正常にパッチが適用されるまでプロセスは次のノードにロールオーバーされます。


注意:

パッチのReadMeには、ローリング・モードを使用してパッチを適用できるかどうかについて明記されています。そのため、このモードを使用するのは、ReadMeにそれが記載されている場合のみです。

図42-6に、ローリング・モードの使用時に、2つのノードがあるOracle RACターゲットにどのようにパッチが適用されるかを図示します。

図42-6 ローリング・モードのパッチ適用

図42-6については前後の文で説明しています。

パラレル・モード

パラレル・モードは、すべてのノードに一度に(まとめて)パッチを適用するパッチ適用方法です。この方法では、すべてのノードを停止し、同時にすべてのノードにパッチを適用します。

図42-7に、パラレル・モードの使用時に、2つのノードがあるOracle RACターゲットにどのようにパッチが適用されるかを図示します。

図42-7 パラレル・モードのパッチ適用

図42-7については前後の文で説明しています。

42.1.7 パッチ適用ワークフローの理解

次の図に、Cloud Controlコンソールの統合された機能によって提供されるパッチ管理ソリューションのワークフロー全体を示します。

新しいパッチ管理ソリューション
ステップ ステップ名 説明 参照リンク
ステップ1 インフラストラクチャの設定 パッチを公開するための前提条件を満たしてインフラストラクチャを設定します。基本的に、パッチ計画およびパッチ・テンプレートを作成するための管理者ロールを作成し、他の必須および任意の前提条件を満たしてオンラインまたはオフラインのパッチ適用設定を行います。 第42.2項「パッチ適用のインフラストラクチャの設定」
ステップ2 パッチの特定 適用するパッチに関する推奨を表示し、適用するパッチを特定します。(無数の顧客からの)コミュニティ情報にアクセスします。 第42.3項「適用するパッチの特定」
ステップ3 パッチの適用 パッチとそれに関連付けられたターゲットでパッチ計画を作成して前提条件チェックを実行し、競合についてパッチを分析して問題を解決した後、正常に分析された計画をパッチ・テンプレートとして保存します。次に、パッチ・テンプレートから新しいパッチ計画を作成し、それを使用してパッチを環境にデプロイします。 42.4項「パッチの適用」

42.2 パッチ適用のインフラストラクチャの設定

この項では、パッチ適用のインフラストラクチャの設定方法について説明します。パッチの公開を開始する前にこれらの前提条件を満たしてください。

デザイナ・アイコン

この項は主に、いつでもパッチを公開できるようにインフラストラクチャを維持するパッチ管理者またはパッチ・デザイナに対するものです。これは、パッチを適用する方法(オンラインまたはオフライン)を決定している場合、ほとんど1回かぎりのタスクです。


この項の内容は次のとおりです。

42.2.1 パッチ適用のためのインフラストラクチャの基本要件

第2章の説明に従って、インフラストラクチャの基本要件を満たしてください。この章では、必須と任意の両方の要件について説明しています。


注意:

パッチを適用するターゲットをMicrosoft Windowsホストにデプロイする場合、ターゲットのパッチを適用する前にCygwinがターゲット・ホストにインストールされていることを確認する必要があります。

ホストへのCygwinのインストール方法の詳細は、『Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。


42.2.2 パッチ適用に必要なロールを持つ管理者の作成

表42-3に、パッチ計画およびパッチ・テンプレートの使用に必要なロールおよび最小限の権限を示します。これらのロールは、Cloud Controlで使用できるデフォルトのロールです。作成する必要はありませんが、これらのロールに基づいて管理者を明示的に作成する必要があります。詳細は、2.4項を参照してください。

表42-3 パッチ計画およびパッチ・テンプレートを使用するためのロールおよび権限

ロール パッチ計画の範囲 パッチ・テンプレートの範囲 パッチ計画およびパッチ・テンプレートの権限 ターゲット権限 リソース権限 実装の推奨

パッチ管理者

作成、表示、変更、削除

作成、表示、変更、削除

FULL_ANY_PATCH_PLAN

FULL_ANY_PLAN_TEMPLATE

GRANT_PRIV_PATCH_PLAN

操作の任意のターゲット

(あるいは、パッチを適用する特定のターゲットを選択し、それにオペレータ権限を付与できます。)

  • リソース・タイプ: デプロイメント・プロシージャ

    権限: 作成

  • リソース・タイプ: ジョブ・システム

    権限: 作成

  • リソース・タイプ: ソフトウェア・ライブラリ・エンティティ

    権限: 任意のソフトウェア・ライブラリ・エンティティの管理

パッチ・デザイナおよびパッチ・オペレータの各ロールを作成および管理する場合は、必須。

SUPER ADMINまたはSYSMANとしてこれらのロールを直接作成することもできます。

パッチ・デザイナ

作成、表示

作成、表示

FULL_PATCH_PLAN

FULL_PLAN_TEMPLATE

- 同上 -

- 同上 -

アクセス権を付与し、制限もある場合は、必須。

あるいは、パッチ・デザイナ・ロールを持つEMユーザーを作成できます。

パッチ・オペレータ

作成

表示

CREATE_PATCH_PLAN

VIEW_ANY_PLAN_TEMPLATE

- 同上 -

- 同上 -

- 同上 -


42.2.3 オンライン・モードでパッチを適用するためのインフラストラクチャの設定(MOSに接続済)

Cloud Controlがオンラインのとき(MOSに接続しているとき)にターゲットへのパッチ適用を選択した場合、次の設定要件を満たしてください。

42.2.3.1 パッチ適用のためのオンライン・モードの有効化


注意:

  • これは、Cloud Controlでのパッチ適用に対するデフォルト・モードです。そのため、初めにこの設定を手動で設定する必要はありません。ただし、ある理由でオフライン・モードに設定し、オンライン・モードにリセットする場合は、この項に記載されている手順に従ってください。

  • Cloud Controlは、いずれのデータもMOSにアップロードしません。MOSを使用するのは、最新の更新をダウンロードする場合のみです。


オンライン・モードでターゲットにパッチを適用するには、Cloud Controlの接続設定を「オンライン」モードに設定する必要があります。これを実行するには、パッチ管理者ロールを持つユーザーとしてログインし、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「オフライン・パッチ」を選択します。

  2. 「接続」については、「オンライン」を選択します。

42.2.3.2 My Oracle Support用のプロキシ詳細の登録

オンライン・モードでは、Cloud ControlはMOSに接続し、パッチ、パッチ・セットおよびARUシード・データ(製品、プラットフォーム、リリース、コンポーネント、動作保証詳細、パッチ推奨など)をダウンロードします。このために、Cloud Controlでは、OMSホストで設定したインターネット接続を使用してMOSに接続します。ただし、環境でプロキシ・サーバーを設定している場合は、プロキシの詳細を登録する必要があります。MOSの「プロキシ設定」ページを使用して、My Oracle Support用のプロキシ詳細を登録できます。


注意:

Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース3 (12.1.0.3)以降、My Oracle Supportからsupport.oracle.comに直接アクセスするようになりました。これは、このURLへのネットワーク・アクセスを提供するか、My Oracle SupportにアクセスするクライアントからこのURLにプロキシ・アクセスを付与する必要があることを意味します。

My Oracle Support (MOS)用のプロキシ詳細を登録するには、次の手順を実行します。

  1. 「設定」メニューから、「プロキシ設定」を選択してから、「My Oracle Support」を選択します。

  2. OMSがプロキシ・サーバーを使用せずにMOSに直接接続する必要がある場合は、次の手順を実行します。

    1. 「プロキシなし」を選択します。

    2. 「テスト」をクリックして、OMSがMOSに直接接続できるかどうかをテストします。

    3. 接続が成功した場合、「適用」をクリックしてプロキシ設定をリポジトリに保存します。

  3. OMSがプロキシ・サーバーを使用してMOSに接続する必要がある場合は、次の手順を実行します。

    1. 「手動プロキシ構成」を選択します。

    2. 「https」にプロキシ・サーバーのホスト名を、「ポート」に適切なポート値を指定します。

    3. 指定したプロキシ・サーバーがセキュリティ・レルムまたはログイン資格証明(あるいはその両方)を使用して構成されている場合、「パスワード/拡張設定」を選択してから、「レルム」、「ユーザー名」および「パスワード」に値を指定します。

    4. 「テスト」をクリックして、指定したプロキシ・サーバーを使用してOMSがMOSに接続できるかどうかをテストします。

    5. 接続が成功した場合、「適用」をクリックしてプロキシ設定をリポジトリに保存します。


注意:

  • 設定でプロキシ・サーバーを使用している場合、aru-akam.oracle.com、ccr.oracle.com、login.oracle.com、support.oracle.comおよびupdates.oracle.comに接続できることを確認します。

    Microsoftプロキシ・サーバーに基づいたNTLM (NT LAN Manager)はサポートされていません。Microsoftプロキシ・サーバーに基づいたNTLMを使用している場合、前述のサイトにアクセスできるようにするには、プロキシ・サーバーの認証されていないサイト・プロパティに前述のURLを追加します。

  • MOSのプロキシ設定ページで指定したMOSプロキシ・サーバーの詳細は、複数のOMS環境内のすべてのOMSに適用されます。


42.2.4 オフライン・モードでパッチを適用するためのインフラストラクチャの設定(MOSに未接続)

Cloud Controlがオフラインのとき(My Oracle Supportに接続していないとき)にターゲットへのパッチ適用を選択した場合、次の設定要件を満たしてください。

42.2.4.1 パッチ適用のためのオフライン・モードの有効化

オフライン・モードでターゲットにパッチを適用するには、Cloud Controlの接続設定を「オフライン」モードに設定する必要があります。次の手順を実行します。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「オフライン・パッチ」を選択します。

  2. 「接続」については、「オフライン」を選択します。


注意:

Cloud Controlがオフライン・モードで実行されたら、インターネット接続しているホストから最新のEnterprise Managerカタログ・ファイルをダウンロードして、そのカタログ・ファイルをローカル・ホストに転送し、管理リポジトリにアップロードする必要があります。この方法の詳細は、第42.2.4.2項および第42.2.4.3項を参照してください。

42.2.4.2 インターネット接続が可能な別のホストからのEnterprise ManagerカタログのZIPファイルのダウンロード

オフライン・モードでは、インターネット接続が可能な別のホストを使用し、em_catalog.zipファイルをMy Oracle Supportから手動でダウンロードする必要があります。次のURLを使用して、最新のカタログ・ファイルをダウンロードします。

https://updates.oracle.com/download/em_catalog.zip

最新のパッチ、手動でダウンロードする必要があるパッチなどの影響を受けるターゲットに関する情報は、カタログのZIPファイルから入手できます。

42.2.4.3 インターネット接続が不可能な使用ホストからのEnterprise ManagerカタログのZIPファイルのアップロード

前項の説明に従ってカタログのZIPファイルをダウンロードしたら、FTPまたは他のファイル転送方法を使用して、ダウンロードした最新のem_catalog.zipファイルをローカル・ホストに転送して戻します。これで、ローカル・ホストからCloud Controlにログインして、ZIPファイルをアップロードできるようになります。次の手順を実行します。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「オフライン・パッチ」を選択します。

  2. 「参照」をクリックして、最新のem_catalog.zipファイルの場所を指定します。

  3. 「アップロード」をクリックして、管理リポジトリにファイルをアップロードします。

    「アップロード」をクリックすると、「My Oracle Supportからのリフレッシュ」ジョブが作成され、Enterprise Managerジョブ・システムに送信されます。

42.2.4.4 Oracle Software Libraryへのパッチのアップロード

オフライン・モードでターゲットにパッチを適用する場合、ソフトウェア・ライブラリから検索、選択、パッチ計画への追加を実行できるように、パッチとそのメタデータ・ファイルがすでにソフトウェア・ライブラリに格納されている必要があります。このために、まずパッチとそのメタデータ・ファイルをMy Oracle Supportから手動でダウンロードし、次にソフトウェア・ライブラリにアップロードする必要があります。

この項では、次の項目について説明します。

My Oracle Supportからのパッチのダウンロード

My Oracle Supportからパッチとそのメタデータ・ファイルをダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. My Oracle Support (https://support.oracle.com/)にログインし、「パッチと更新版」タブをクリックします。

  2. 「パッチと更新版」ページの「パッチ検索」セクションで、検索するパッチ番号を入力し(図42-8を参照)、「検索」をクリックします。

    図42-8 パッチの検索

    図42-8については前後の文で説明しています。
  3. 「パッチの簡易検索結果」ページで、ダウンロードするパッチのある行を選択します。「ダウンロード」をクリックします。ファイル・ダウンロードダイアログで、パッチZIPファイルの名前をクリックして、そのファイルをローカル・ホストにダウンロードします。「パッチ・メタデータのダウンロード」をクリックし、「パッチ・メタデータのダウンロード」ダイアログで「ダウンロード」をクリックしてパッチ・メタデータ・ファイルをダウンロードします。このステップについては、図42-9で説明します。


    注意:

    パッチのZIPファイルおよびメタデータXMLファイルを管理エージェント・ホストに転送することをお薦めします。管理エージェントは、OMSマシン上のエージェントでもターゲット・ホスト上のエージェントでもかまいません。これらのファイルは、管理エージェント・ホストからソフトウェア・ライブラリにアップロードします。

    図42-9 My Oracle Supportからのパッチのダウンロード

    図42-9については前後の文で説明しています。

Cloud Controlコンソールを使用したソフトウェア・ライブラリへのパッチのアップロード

このメソッドを使用すると、1回につき1つのパッチのみをアップロードできます。そのため、このメソッドは、いくつかのパッチをアップロードする必要がある場合にのみ使用してください。また、このメソッドは、アップロードするパッチのサイズが小さい場合に使用してください。

Cloud Controlコンソールを使用してパッチをソフトウェア・ライブラリにアップロードするには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「保存されたパッチ」の順に選択します。

  2. 「アップロード」をクリックします。

  3. 「パッチZIPファイル」で、ローカル・ホストにダウンロードするパッチZIPファイルの場所を指定します。ダウンロードするパッチZIPファイルにPatchSearch.xmlファイル(パッチID、製品、プラットフォーム、言語などのパッチ・メタデータ情報を含むファイル)が含まれている場合、「パッチ・メタデータ」に値を指定する必要はありません。ただし、ダウンロードするパッチZIPファイルにPatchSearch.xmlファイルが含まれておらず、パッチ・メタデータ・ファイルをローカル・ホストに別にダウンロードする場合、「パッチ・メタデータ」にパッチ・メタデータ・ファイルの場所を指定します。

    UNIXベースのオペレーティング・システムで、次のコマンドを実行してPatchSearch.xmlファイルがパッチのzipファイルに含まれているかどうかを確認します。

    unzip -l <patch zip file path> | grep PatchSearch.xml

    パッチのメタデータ・ファイルのダウンロード方法の詳細は、第42.2.4.4項を参照してください。

  4. 「アップロード」をクリックして、パッチをソフトウェア・ライブラリにアップロードします。

これらの手順については、図42-10に示します。

図42-10 ソフトウェア・ライブラリへのパッチのアップロード

図42-10については前後の文で説明しています。

注意:

パッチのサイズが大きすぎるためアップロードできないというエラー・メッセージが表示された場合、EM CLIを使用してパッチをアップロードするか(第42.2.4.4項で説明)、または次のコマンドを実行してOMSを再起動し、パッチのアップロードを再試行します。

emctl set property -name "oracle.sysman.emSDK.ui.trinidad.uploadedfilemaxdiskspace" -sysman_pwd sysman -value 2589934592

-valueに指定した値がバイト単位であり、アップロードするパッチのサイズよりも大きいことを確認してください。


EM CLIを使用したソフトウェア・ライブラリへのパッチのアップロード

このメソッドを使用すると、複数のパッチを1回でアップロードできます。また、このメソッドは、Cloud Controlコンソールを使用してパッチをアップロードするよりも高速です。このため、このメソッドは、複数のパッチを1回でアップロードする場合、またはアップロードするパッチのサイズが大きい場合に使用してください。

EM CLIを使用してソフトウェア・ライブラリにパッチをアップロードするには、次の手順を実行します。

  1. アップロード用としてダウンロードしたパッチ・ファイルが置かれているホストでEM CLIを設定します。

    デフォルトでは、すべてのOMSホストでEM CLIが設定されています。OMSを実行していないホストでのEM CLIの設定方法の詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』の「コマンドライン・インタフェースの概要およびインストール」の章を参照してください。

  2. EM CLIのインストール場所からEM CLIにログインします。

    <emcli_install_location>/emcli login -username=<username> -password=<password>
    

    次に例を示します。

    <emcli_install_location>/emcli login -username=sysman -password=2benot2be


    注意:

    EM CLIログイン・ユーザーにADD_TARGET権限が付与されていることを確認します。

  3. EM CLIを同期します。

    <emcli_install_location>/emcli sync
    
  4. 動詞upload_patchesを実行して、必要なパッチをソフトウェア・ライブラリにアップロードします。

    <emcli_install_location>/emcli upload_patches 
                                   -location=<patch_location> | -patch_files=<metadata_file_path;ZIP_file path;second_part_of_ZIP_file_path;>
                                   -from_host=<host_name> 
                                   [-cred_name=<credential_name> [-cred_owner=<credential_owner>]] 
    

    [ ]が付いているパラメータはオプションです。

    -from_hostオプションを使用して、ダウンロードしたパッチZIPファイルとメタデータ・ファイルが置かれているホストを指定します。-locationオプションを使用すると、-from_hostで指定したホストにおけるダウンロードしたパッチ・ファイルの場所を指定できます。-locationを指定すると、指定した場所に置かれているパッチZIPファイルとメタデータ・ファイルがすべてソフトウェア・ライブラリにアップロードされます。このため、このオプションを使用すると、複数のパッチを1回でソフトウェア・ライブラリにアップロードできます。次に例を示します。

    ./emcli upload_patches -location=/scratch/aime/patches -from_host=h1.example.com 
    

    この例では、ホストh1.example.com上の/scratch/aime/patchesに置かれているすべてのパッチZIPファイルとメタデータ・ファイルがソフトウェア・ライブラリにアップロードされます。

    -patch_filesオプションを使用して、パッチZIPファイルとそのメタデータ・ファイルの絶対パスを指定します。このオプションを使用する場合、指定できるのは1つのパッチZIPファイルのみです。このため、このオプションを使用すると、1回につき1つのパッチのみをアップロードできます。また、-cred_nameオプションを使用して、指定したホストにアクセスするのに使用する必要がある名前付き資格証明を指定します。さらに、-cred_ownerオプションを使用して、指定した名前付き資格証明の所有者を指定します。-cred_nameオプションを指定していない場合は、通常の優先資格証明を使用してホストにアクセスします。-cred_ownerオプションを指定していない場合、資格証明の所有者は現在のユーザーであると判断されます。次に例を示します。

    ./emcli upload_patches -patch_files="/scratch/p13741363_112310_Linux-x86-64_M.xml;/scratch/p13741363_112310_Linux-x86-64.zip" -from_host=h1.example.com -cred_name=AIMECRED -cred_owner=SYSMAN
    

    この例では、SYSMANが所有する名前付き資格証明AIMECREDを使用して、ホストh1.example.com上に置かれているパッチZIPファイルp13741363_112310_Linux-x86-64.zipとメタデータ・ファイルp13741363_112310_Linux-x86-64_M.xmlをソフトウェア・ライブラリにアップロードしています。


    注意:

    動詞upload_patchesで、-locationオプションまたは-patch_filesオプションのいずれかを指定します。ただし、両方は指定しないでください。-locationオプションを指定すると、複数のパッチを1回でアップロードできるため、このオプションを使用することをお薦めします。

    動詞upload_patchesの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli help upload_patches
    

42.2.5 環境の分析およびターゲットにパッチを適用できるかどうかの確認

パッチ計画を作成してターゲットにパッチを適用する前に、パッチ適用機能レポートを表示して環境を分析し、パッチを適用するターゲットがパッチ適用操作に適しているかどうかを確認することをお薦めします。これらのレポートには、パッチ適用できるターゲットとパッチ適用できないターゲットのサマリーが記載されており、デプロイ可能なパッチ計画の作成に役立ちます。パッチ適用できない、設定内のターゲットの問題を識別し、それらの問題に対する推奨事項を提案します。

パッチ適用機能レポートは、Oracle Database、Oracle WebLogic ServerおよびOracle SOAインフラストラクチャのターゲットで使用できます。


注意:

Oracle Fusion Middlewareターゲット(Oracle WebLogic ServerおよびOracle SOAインフラストラクチャのターゲット)のパッチ適用機能レポートを表示するには、Enterprise Manager for Oracle Fusion Middleware 12.1.0.4プラグインを設定にデプロイする必要があります。

パッチ適用機能レポートを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「レポート」「情報パブリッシャ・レポート」の順に選択します。

  2. 「情報パブリッシャ・レポート」の下にあるすべてのブランチを表示するには、「すべて開く」をクリックします。

  3. Oracle Databaseターゲットのパッチ適用機能レポートを表示するには、「デプロイおよび構成」ブランチの下の「パッチ適用の自動化レポート」サブ・ブランチで、「EMターゲットのパッチ適用機能レポート」を選択します。

  4. Oracle Fusion Middleware (Oracle WebLogic ServerおよびOracle SOAインフラストラクチャ)ターゲットのパッチ適用機能レポートを表示するには、「デプロイおよび構成」ブランチの下の「パッチ適用の自動化レポート」サブ・ブランチで、「EMターゲットのパッチ適用機能レポート」をクリックします。


注意:

プロパティの欠落に関連するエラーがある場合は、第42.5.1.1項で説明されている回避策でエラーを解決します。サポートされない構成に関連するエラーがある場合は、第42.5.1.2項で説明されている回避策でエラーを解決します。

42.3 適用するパッチの特定

この項では、適用するパッチの特定方法について説明します。

デザイナ・アイコン

この項は主に、各種パッチ・リリースの把握、推奨の検索、環境に公開するパッチの特定を行うパッチ・デザイナに対するものです。


この項の内容は次のとおりです。

42.3.1 パッチ推奨について

パッチ推奨は、潜在的なシステム上の問題と、システム・パフォーマンスの向上やシステム停止の回避を支援する推奨に関するプロアクティブな通知です。

「パッチ推奨」リージョンでは、すべての推奨パッチへのポータルが提供されます。棒グラフから推奨パッチのリストにドリルダウンし、それらのパッチの詳細を表示したり、パッチをダウンロードしたり、またはパッチ計画にパッチを追加できます。棒グラフには、検出された問題の数が要約されています(1つの問題は1つのターゲットに対する1つの推奨に対応します)。

「パッチ推奨」セクションに記載されているパッチは、MOS内で提供されたパッチのコレクションで、1つのグループとして1つ以上のターゲットに適用できます。使用環境向けの最新のパッチを使用して「パッチ推奨」セクションを最新の状態に維持するために、パッチ適用ジョブの発行時にパッチ警告の一部として実行される構成コレクション手順と呼ばれる手順があります。基本的に、構成コレクションを使用すると、パッチまたはロールバックの追加が原因で発生する変更を収集できます。これらの更新は、管理エージェントを介してOMSに伝達されます。管理エージェントは最終的に「パッチの推奨」リージョンの更新をサポートします。


注意:

Enterprise Manager 12c以降、パッチ適用の最後にトリガーされる構成コレクションは非同期的に行われます。つまり、計画の実行が完了してもコレクションは完了しない可能性があります。このような場合、エンタープライズ用のパッチ推奨の再計算が必要な場合があります。また、ターゲット・コレクションが正しく行われなかった場合も、パッチ推奨の再計算が必要な場合があります。

次の手順を実行します。

  1. 次のEM CLIコマンドを実行し、パッチ計画のターゲット情報を取得します。

    emcli get_patch_plan_data -name=<name of the plan>
    
  2. 次の手順を実行し、ターゲットに計画がデプロイされた時刻を確認します。

    1. 「エンタープライズ」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「パッチと更新版」をクリックします。

    2. 「パッチと更新版」ページで、「計画」セクションからパッチ計画を選択します。

    3. 計画の作成ウィザードから、「確認およびデプロイ」を選択します。

    4. リンクをクリックし、デプロイの詳細を追跡します。

    5. ジョブUIページからジョブの開始時刻をメモします。

  3. 構成管理側で、次の属性を使用して、次のようにMGMT$ECM_CURRENT_SNAPSHOTSビューを使用してコレクションのタイムスタンプを計算します。

    start_timestamp  - timestamp of the collection (in target timezone)
    last_upload_timestamp (in DB timezone) when a collection was processed for this snapshot type.
    

    開始タイムスタンプと最後の更新されたタイムスタンプ属性の組合せにより、コレクションがいつ行われたのかを確認できるため、「パッチ推奨」リージョンで使用可能な情報が最新のものであるかどうかを確認できます。


「パッチと更新版」ページには、デフォルトで「推奨パッチ」リージョンが表示されます。このリージョンを編集してそのコンテンツをフィルタできます。

推奨パッチの詳細を表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「パッチ推奨」リージョンで、目的のパッチに関連する棒グラフをクリックします。


    注意:

    「パッチ推奨」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「パッチ推奨」リージョンをドラッグします。

    あるいは、「すべての推奨」をクリックして、「パッチの推奨」ページにすべての推奨を表示します。「パッチの推奨」ページには、Cloud Controlターゲットで現在使用できる推奨がすべて表示されます。

  3. 「パッチ推奨」ページで、表示する推奨パッチを選択してコンテキスト・メニューを表示します。コンテキスト・メニューから、「全画面」をクリックします。

42.3.2 パッチ適用のためのナレッジ記事について

ナレッジ記事は、My Oracle Supportで公開されているドキュメントです。これらの記事は、お知らせまたは既知の問題に対する回避策のいずれかです。

既知の問題に対する回避策について説明しているナレッジ記事によっては、パッチ番号が記載されている場合があります。このパッチ番号をメモし、それぞれ第42.3.4項第42.3.5項で説明しているように、My Oracle SupportまたはOracleソフトウェア・ライブラリで検索することができます。

あるいは、ナレッジ記事のパッチ番号をクリックすることもできます。この操作で「パッチ検索」ページが表示されます。「パッチ検索」ページで、パッチのコンテキスト・メニューから、「計画に追加」をクリックし、パッチを新しいパッチ計画に追加する場合は「新規に追加」を選択するか、パッチを既存のパッチ計画に追加する場合は「既存に追加」を選択します。

42.3.3 パッチ適用のためのサービス・リクエストについて

サービス・リクエストは、My Oracle Supportで発生するサポート・リクエストで、問題のレポートおよび追跡と、これらの問題を解決する際にオラクル社からオンライン支援を受けるためのものです。

既知の問題に対する回避策について説明しているサービス・リクエストによっては、パッチ番号が記載されている場合があります。このパッチ番号をメモし、それぞれ第42.3.4項第42.3.5項で説明しているように、My Oracle SupportまたはOracleソフトウェア・ライブラリで検索することができます。

あるいは、ナレッジ記事のパッチ番号をクリックすることもできます。この操作で「パッチ検索」ページが表示されます。「パッチ検索」ページで、パッチのコンテキスト・メニューから、「計画に追加」をクリックし、パッチを新しいパッチ計画に追加する場合は「新規に追加」を選択するか、パッチを既存のパッチ計画に追加する場合は「既存に追加」を選択します。

42.3.4 My Oracle Supportでのパッチの検索

ブログ、Oracle Technologyフォーラムなどの外部ソースや同僚から、パッチが存在していることをすでに把握している場合は、検索機能を使用してそれらのパッチを検索します。検索機能を使用すると、より柔軟な拡張検索を実行できます。また、頻繁に使用される検索を保存したり、既存の保存済検索に基づいて検索するなどの機能があります。これにより、検索時間を短縮し、効率的に検索を実行できます。

My Oracle Supportでパッチを検索するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「パッチ検索」リージョンで、使用する検索パラメータを入力して「検索」をクリックします。


    注意:

    「パッチ検索」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「パッチ検索」リージョンをドラッグします。

    あるいは、「保存」タブを使用して、以前に保存した検索を検索できます。また、「最近」タブを使用して、最近実行した同一の(または類似の)検索にアクセスできます。

    パッチ検索が完了すると、結果が「パッチ検索結果」ページに表示されます。このページでは、パッチを選択してローカル・ホスト(デスクトップ)またはソフトウェア・ライブラリにダウンロードできます。


注意:

My Oracle Supportでパッチを検索する他の方法については、My Oracle Supportヘルプを参照してください。

42.3.5 Oracleソフトウェア・ライブラリでのパッチの検索

デフォルトでは、「パッチと更新版」画面でパッチを検索すると、Cloud Controlはそのホストで使用できるインターネット接続を使用してMy Oracle Supportに接続し、リクエストされたパッチをMy Oracle Supportで検索します。これは、デフォルトでは検索機能がオンライン・モードで実行するように設定されているためです。

しかし、ホストにインターネット接続が設定されていない場合、Oracle Software Library (ソフトウェア・ライブラリ)で検索を実行できるように、オフライン・モードに切り替える必要があります。

オフライン・モードに切り替えるには、次の手順を実行します。

  1. 「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「オフライン・パッチ」を選択します。

  2. 「接続」については、「オフライン」を選択します。


注意:

オフライン・モードでは、次の操作を実行できません。
  • My Oracle Supportからのパッチの検索およびダウンロード

  • パッチのマージによるパッチ競合の解決

  • 関連アクティビティ・リージョンの表示

  • クイックリンクへのアクセス

  • アップグレード計画の表示または作成


ソフトウェア・ライブラリでパッチを検索するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「ソフトウェア・ライブラリ・パッチ検索」リージョンで、使用する検索パラメータを入力して「検索」をクリックします。


    注意:

    「パッチ検索」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「パッチ検索」リージョンをドラッグします。

    パッチ検索が完了すると、結果が「パッチ検索結果」ページに表示されます。

42.4 パッチの適用

この項では、パッチでパッチ計画を作成してパッチ・テンプレートとして保存し、そのテンプレートから新しいパッチ計画を作成してパッチを適用する方法について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

42.4.1 パッチ計画の作成

デザイナ・アイコン

この項は主に、パッチ計画を作成するパッチ・デザイナに対するものです。


パッチ計画を作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページで、適用するパッチを特定します(第42.3項を参照)。

  3. 「パッチ推奨」ページまたは「パッチ検索」ページで(パッチを特定した方法による)、パッチ計画に追加するパッチを選択します。

  4. コンテキスト・メニューから、「計画に追加」をクリックして「新規に追加」を選択します。


    注意:

    パッチ計画をすでに作成し、そのパッチ計画にパッチを追加する場合は、「既存に追加」を選択できます。

  5. 「新規計画の作成」ウィンドウで、パッチ計画の一意の名前を入力して「計画の作成」をクリックします。

    選択したパッチと、そのパッチが関連付けられているターゲットが計画に追加されます。


    注意:

    • 選択したパッチが他のターゲットに影響する場合は、影響を受けるターゲットも追加するように要求されます。

    • パッチ計画の作成時、Cloud Controlでシステム・ターゲットのメンバーであるターゲットを追加できます。これを実行すると、そのシステムの他のメンバー・ターゲットが、パッチ計画に自動的に追加されます。システムとは、相互に機能することでアプリケーションをホスティングする、一連のインフラストラクチャ・コンポーネント(ホスト、データベース、アプリケーション・サーバーなど)を指します。Cloud Controlでは、システムとその中の各コンポーネントは、監視可能な個々のターゲット・タイプとしてモデル化されています。

    • Oracle WebLogic Serverでは、Enterprise Manager for Oracle Fusion Middleware 12.1.0.4プラグインをデプロイしている場合、単一のパッチ計画に任意の数のWebLogicドメイン・ターゲットを追加できます。Enterprise Manager for Oracle Fusion Middleware 12.1.0.4プラグインをデプロイしていない場合、単一のパッチ計画に追加できるWebLogicドメイン・ターゲットは1つのみです。新しいプラグインのデプロイ方法または既存のプラグインのアップグレード方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

      パッチ計画に追加するWebLogicドメイン・ターゲットが共有ドメインの場合、パッチが適用されるドメインと共有されるドメインで稼働する管理サーバーおよび管理対象サーバーはすべて、自動的に同じパッチ計画に追加されます。

    • Oracle SOAインフラストラクチャ・ターゲットでは、SOAターゲットにパッチを適用するために停止する必要のあるすべてのSOA WebLogicドメインが、影響を受けるターゲットとしてパッチ計画に追加されます。したがって、それらの各ドメインで稼働している管理サーバーおよび管理対象サーバーも影響を受け、パッチ計画を作成する際、影響を受けるその他のターゲットとされます。


42.4.2 パッチ計画へのアクセス

デザイナ・アイコン

この項は主に、自分が作成したパッチ計画にアクセスするパッチ・デザイナに対するものです。


第42.4.1項で作成したパッチ計画にアクセスするには、次の方法のいずれかを使用します。

方法1: 「計画」リージョンからパッチ計画にアクセスする方法

「計画」リージョンからパッチ計画にアクセスするには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、表示するパッチ計画をクリックします。あるいは、パッチ計画を選択し、コンテキスト・メニューで「表示」をクリックします。計画の作成ウィザードが表示されます。

    計画表をフィルタするには、プリファレンスに応じて「すべての計画タイプ」または「パッチ」を選択します。計画を検索するには、検索ボックスに計画名または計画名の一部を入力して、「検索」ボタンをクリックします。


    注意:

    • 「計画」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「計画」リージョンをドラッグします。

    • 自分が作成した計画のみを表示するには、「計画」リージョンの人のアイコンをクリックします。


方法2: 「パッチ推奨」リージョンからパッチ計画にアクセスする方法

「パッチ推奨」リージョンからパッチ計画にアクセスするには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「パッチ推奨」リージョンで、「すべての推奨」をクリックします。


    注意:

    「パッチ推奨」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「パッチ推奨」リージョンをドラッグします。

  3. 「パッチ推奨」ページの表には、計画にすでに含まれているパッチが「計画内」列に計画アイコンとともに表示されます。アイコンをクリックすると、パッチが関連付けられているすべての計画が表示されます。計画をクリックすると、計画の作成ウィザードが表示されます。

42.4.3 パッチ計画の分析、準備およびデプロイ

デザイナ・アイコン

この項は主に、パッチ計画を分析し、パッチを公開するためにデプロイするパッチ・デザイナに対するものです。


第42.4.1項で作成したパッチ計画を分析してデプロイする(またはパッチ・テンプレートとして保存する)には、次の手順を実行します。

  1. 第42.4.2項で説明する方法のうち1つを使用してパッチ計画にアクセスします。

    Cloud Controlに計画の作成ウィザードが表示されます。

  2. 計画の情報ページで、次のようにします。

    1. 「概要」セクションで、パッチ計画名を検証します。必要な場合は、計画名を編集できます。

    2. (オプション)パッチ計画に関する簡単な説明を入力します。

    3. (オプション)「アクセス許可対象」セクションで、「追加」をクリックして管理者またはロールに現在のパッチ計画へのパッチ計画アクセス権限を付与します。

      「管理者に権限を追加」ウィンドウで、管理者またはロール、付与するアクセス権限を選択して、「権限の追加」をクリックします。


      注意:

      • パッチ計画内から、Cloud Controlで以前に作成した管理者またはロールにパッチ計画権限のみを付与できます。パッチ計画内から管理者またはロールを作成することはできません。パッチ計画およびパッチ・テンプレートに必要なロールおよび権限の詳細は、第42.2.2項を参照してください。

      • 管理者またはロールを削除するには、「アクセス許可対象」セクションで、削除する管理者またはロールを選択して「削除」をクリックします。


    4. 「次へ」をクリックします。

  3. 「パッチ」ページで、次のようにします。

    1. パッチ計画に追加したパッチを確認します。構成の推奨パッチは、自動的にパッチ計画に追加されます。また、手動で追加したパッチも表示されます。

      Oracle Exadataの一部であるOracle Grid Infrastructureターゲットにパッチを適用する際に、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされている場合、1つのExadataバンドル・パッチと、任意の数の個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを単一のパッチ計画に追加できます。このシナリオでは、パッチ計画の作成の間にExadataバンドル・パッチを追加し、その後個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを追加パッチとして追加するようにします。

      Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされていない場合、個別パッチはすでにExadataバンドル・パッチを含むパッチ計画に追加できません。

      Oracle Exadataの一部でないOracle Grid Infrastructureターゲットにパッチを適用する際に、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされている場合、1つのグリッド・インフラストラクチャ・パッチ・セット更新(PSU)と、任意の数の個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを単一のパッチ計画に追加できます。このシナリオでは、パッチ計画の作成の間にグリッド・インフラストラクチャPSUを追加し、その後個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを追加パッチとして追加するようにします。

      Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされていない場合、個別パッチはすでにグリッド・インフラストラクチャPSUを含むパッチ計画に追加できません。

      パッチ計画にすでにあるパッチと追加のターゲットを関連付けるには、第42.6.7項で説明する手順に従います。

      パッチの詳細を表示するには、パッチを選択してコンテキスト・メニューから「表示」をクリックします。分析およびデプロイメントからパッチを一時的に削除するには、「抑制」をクリックします。これでパッチはパッチ計画には残りますが、分析およびデプロイメントの対象とはみなされません。

    2. 「次へ」をクリックします。


    注意:

    Oracleデータベース・ホーム所有者と異なるユーザーによってリスナーが起動されたOracleデータベースのパッチ適用はサポートされていません。そのようなデータベースにパッチを適用するには、データベース・リスナーを停止し、データベース・ホーム所有者として再起動してから、パッチ計画を使用して必要なパッチを適用します。

  4. 「デプロイメント・オプション」ページで、次のようにします。

    1. 「パッチ適用方法」セクションで、使用するパッチのモードを選択します。

      スタンドアロン(単一インスタンス)のデータベース・ターゲット、Oracle RACターゲット、Oracle Data GuardターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)では、ホーム内パッチ適用とホーム外パッチ適用のどちらかを選択できます。Oracle Exadataの一部ではないOracle RACターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲットへのホーム外パッチ適用は、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされている場合のみ使用可能です。Oracle Data Guardターゲットへのホーム外パッチ適用は、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされている場合のみサポートされています。

      Oracle WebLogic Server、Oracle Fusion ApplicationsおよびOracle SOAインフラストラクチャ・ターゲットに対しては、提供されるパッチ適用メカニズムはインプレース・パッチ適用のみです。ホーム外パッチ適用は、これらのターゲットには提供されていません。インプレース・パッチ適用およびホーム外パッチ適用の詳細は、第42.1.6.2項を参照してください。

      データベースの既存のOracleホームをクローニングし、元のOracleホームではなくクローニングしたOracleホームにパッチを適用する場合、「ホーム外」を選択します。元のOracleホームをクローニングせずに、ターゲットの既存の元のOracleホームに直接パッチを適用する場合、「ホーム内」をクリックします。

      また、Oracle RACターゲット、Oracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)、Oracle Data Guardターゲット、Oracle WebLogic Serverターゲット、Oracle Fusion ApplicationターゲットおよびOracle SOAインフラストラクチャ・ターゲットには、ローリング・モードまたはパラレル・モードのどちらでパッチを適用するかを選択できます。ローリング・モードおよびパラレル・モードでのターゲットへのパッチ適用の詳細は、第42.1.6.3項を参照してください。

      一度にターゲットの単一ノードにパッチを適用する場合は、「ローリング」を選択します。これはデフォルトのオプションで、停止時間はほとんどありません。ローリング・モードでターゲットにパッチを適用する際は、各ノードにパッチが適用された後、パッチ適用デプロイメント・プロシージャの実行を一時休止することもできます。この方法の詳細は、第42.6.13項を参照してください。

      同時にターゲットのすべてのノードにパッチを適用する場合は、「パラレル」を選択します。これは、ある程度の時間、システム全体を停止するため停止時間があります。ただし、すべてのターゲット・ノードが同時にパッチ適用されるため、このプロセスは時間がかかりません。

    2. (スタンドアロンのデータベース・ターゲット、Oracle RACターゲット、Oracle Data GuardターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲットの場合のみ表示されます)「パッチ適用対象」セクションで、次を実行します。

      インプレース・パッチ適用を選択した場合、パッチを適用するOracleホームの詳細を確認します。デフォルトでは、すべてのデータベース・インスタンスが移行されます。

      ホーム外パッチ適用を選択した場合、クローニング対象のOracleホームに対して「新規ロケーションの作成」をクリックし、書込み権限のある空の場所へのパスを入力します。ターゲットにパッチが適用されるホスト上の任意のディレクトリにOracleホームをクローニングできます。場所の指定後にその場所を変更する場合は、「編集」をクリックします。

      スタンドアロン・データベース・ターゲット、Oracle RACターゲット、Oracle Data GuardターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)には、すべてを移行するオプションと、指定されたOracleホームから作成された一部のデータベース・インスタンスのみを移行するオプションがあります。移行する対象を選択します。


      注意:

      • クローニングされたOracleホームにパッチが適用され、データベース・インスタンスがクローニングされたOracleホームに移行されたら、元のOracleホームを保持するか、そのOracleホームから実行されているターゲットが他にない場合は削除するかを選択できます。

      • クローニングされたホームに、SQL文を含む(パッチ計画に追加されていない)特定の追加パッチが含まれていると、データベース・インスタンスをクローニングされたホームに移行する際、それらのパッチに対するSQL文は自動的に実行されません。これらのパッチでは、SQL文を手動で実行する必要があります。


    3. ステージング先セクションで、次のようにします。

      パッチをターゲットに適用する前に、ウィザードを使用してソフトウェア・ライブラリから一時的な場所にパッチをステージングする場合、「パッチのステージング」セクションで「はい」を選択します。ステージの場所を指定します。適用するパッチをすでに手動でステージングしている場合、「パッチのステージング」で「いいえ」を選択します。パッチを手動でステージングするには、パッチをダウンロードし、パッチをステージングする場所(親ディレクトリ)に移動し、パッチのZIPファイルと同じ名前でサブディレクトリを作成してから、パッチのZIPファイルの内容をこのサブディレクトリに抽出してください。「ステージングの場所」に親ディレクトリを指定します。ステージング場所が共有の場所である場合、「共有場所」を選択します。

      たとえば、パッチ699099.zip,をダウンロードし、ステージング場所の親ディレクトリが/u01/app/oracle/em/stagepatchの場合は、この親ディレクトリ内に699099という名前のサブディレクトリを作成し、その中に内容を解凍します。ステージングの場所として/u01/app/oracle/em/stagepatchを指定します。


      重要:

      WebLogic Server 10.3.6またはそれ以前のバージョンのターゲットへのパッチの適用の際に、カスタムのステージング場所を指定している場合、指定した場所は無視され、選択したパッチはSmartUpdateで構成されたデフォルトのディレクトリ(つまり<WEBLOGIC_HOME>/utils/bsu/cache_dir)にステージングされます。

      「ルート・コンポーネントのステージング」セクションで、ウィザードがパッチを適用するルート・コンポーネントをステージングするかどうかを指定します。ルート・コンポーネントは、実行に対してroot権限を必要とする、一連のPerlスクリプト(デプロイメント・プロシージャのディレクティブ・ステップの一部)です。Oracle Databaseターゲットにパッチを適用するには、ルート・コンポーネントが必要です。

      ウィザードを使用してルート・コンポーネントをステージングする場合は、「ルート・コンポーネントのステージング」「はい」を選択し、ルート・コンポーネントをステージングする場所(パッチ・ディスパッチャの場所)を指定します。root_dispatcher.shおよびpatching_root_dispatcher.shが、この場所にコピーされます。ただし、すでにルート・コンポーネントをステージングしている場合、「ルート・コンポーネントのステージング」「いいえ」を選択し、ルート・コンポーネントを適用する場所、つまりパッチ・ディスパッチャの場所を指定します。パッチ・ディスパッチャの場所を共有している場合、「共有のディスパッチャの場所」を選択します。

      パッチを適用するコンポーネントを手動でステージングする方法の詳細は、第42.6.8項を参照してください。

    4. 「資格証明情報」セクションに、必要な資格証明を入力します。優先資格証明を使用することも、別の資格証明を使用することもできます。

      Oracle WebLogic ServerターゲットおよびOracle SOAインフラストラクチャ・ターゲットにパッチを適用するには、次の資格証明セットが必要です。

      - Oracle WebLogicドメインの管理者資格証明: これらの資格証明は、ドメイン内のすべての管理対象サーバーを監視する、そのドメインの管理サーバーに接続するために必要です。

      - Oracle WebLogic Serverホーム資格証明: これらの資格証明は、異なるホストに存在するすべてのOracleホームに接続するために必要です。

      また、「Weblogicドメインの管理者資格証明のオーバーライド」およびWebLogicホームの優先資格証明のオーバーライドを選択することにより、既存の資格証明のオーバーライドを選択することもできます。ただし、優先資格証明をオーバーライドする場合、その資格証明を検証する必要があります。Oracle WebLogic Serverターゲットでは、Oracle WebLogic Serverホーム資格証明のみを検証できます。管理者資格証明は検証できません。


      注意:

      資格証明の検証は、管理エージェントが停止するか、資格証明が不適切な場合に失敗します。

      Enterprise Manager Cloud Control 12c リリース4 (12.1.0.4)では、セキュアな管理エージェント・ターゲットへパッチを適用する際に、通常のOracleホームの資格証明は必要ありません。特定のタスクを実行するために、管理エージェント・ターゲットに適用するパッチが、rootユーザー・アクセスを必要とする場合は、管理エージェント・ターゲットに特権Oracleホーム資格証明を指定する必要があります。

      パッチを適用する管理エージェント・ターゲットがセキュアでない場合、パッチを適用するすべての管理エージェント・ターゲットに優先管理エージェント・ホスト資格証明を設定する必要があります。管理エージェント・ターゲットに優先ホスト資格証明を設定するには、「設定」メニューから、「セキュリティ」を選択し、次に「優先資格証明」を選択します。Select the 「エージェント」ターゲット・タイプを選択して、次に「優先資格証明の管理」をクリックします。必要な管理エージェント・ターゲットに優先ホスト資格証明を設定します。

    5. (オプション)「カスタマイズ」セクションを使用して、パッチ計画が使用するデフォルトのデプロイメント・プロシージャをカスタマイズし、カスタマイズしたデプロイメント・プロシージャを使用してターゲットにパッチを適用します。

      デフォルトでは、パッチ計画では、Oracleが提供する静的なデプロイメント・プロシージャ、または動的に生成されるOPlanベースのデプロイメント・プロシージャを使用してパッチを適用します。


      注意:

      OPlanは、動的デプロイメント・プロシージャを作成および実行してターゲットにパッチを適用する独立したツールです。Linux x64、Solaris x64、Solaris SPARCおよびAIXの各プラットフォームにデプロイされた、バージョン11.2.0.2.0以上のOracle Databaseターゲットへのパッチ適用をサポートします。

      システムに、Oracle Database 12.1.0.6プラグイン(またはこれ以上のバージョン)向けのEnterprise Managerがデプロイされている場合、動的に生成されるデプロイメント・プロシージャは、Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部であるものと、Oracle Exadataの一部ではないもの)、Oracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Data Guardターゲットに、ホーム内とホーム外の両方のパッチ適用モードでパッチを適用するために使用されます。ただし、システムに、Oracle Database 12.1.0.6プラグイン向けのEnterprise Managerがデプロイされていない場合、動的に生成されるデプロイメント・プロシージャは、Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部であるものと、Oracle Exadataの一部ではないもの)、およびOracle RACデータベース・ターゲットにホーム外パッチ適用モードでパッチを適用するためにのみ使用されます。静的デプロイメント・プロシージャは、他のすべてのパッチ適用操作で使用されます。この両方のタイプのデプロイメント・プロシージャをカスタマイズし、カスタマイズしたデプロイメント・プロシージャを使用してターゲットにパッチを適用することを選択できます。

      パッチ適用手順が静的デプロイメント・プロシージャから構成される場合は、「類似作成および編集」をクリックしてデフォルトのデプロイメント・プロシージャをカスタマイズします。カスタマイズしたデプロイメント・プロシージャを使用するには、「デプロイメント・オプション」ページの「カスタマイズ」セクションに表示されたリストからカスタマイズしたプロシージャを選択します。詳細は、42.6.12.1項を参照してください。

      パッチ適用手順がOPlanに基づく動的に生成されたデプロイメント・プロシージャから構成される場合は、「生成されたパッチ適用デプロイメント・プロシージャに追加されるカスタム・ステップの指定」を選択し、デプロイメント・プロシージャを編集します。動的に生成されたデプロイメント・プロシージャの編集方法は、第42.6.12.2項を参照してください。

      Oracle WebLogic ServerまたはOracle SOA Infrastructureのターゲットにパッチを適用する場合、サーバーがデフォルトで停止されない場合に強制的に停止されるタイムアウト値を設定できます。デフォルトでは、停止時間は30分です。これは、「シャットダウンのタイムアウト(分単位)」フィールドに値を入力することで変更できます。タイムアウト値を設定し、この値がリアルタイム・システムの監視に基づいていることを確認することをお薦めします。適用しているSOA InfrastructureのパッチにSQLアプリケーションの機能が含まれている場合は、「インストール後SQLスクリプト・メタデータ」フィールドに、使用されるSQLスクリプトへの絶対パスを指定する必要があります。SQLスクリプトの場所に関する詳細は、各パッチのそれぞれのReadmeドキュメントを参照してください。入力したSQLスクリプトがJDBCに準拠していることを確認してください。

      Windowsホストで実行されているSOAインフラストラクチャ・ターゲットにパッチを適用するには、SOAパッチ内のSQLファイルに相対パスを提供するために、次の図に表示されている%FMW_ORACLE_HOME%環境変数を必ず使用してください。

      soa_infra_sql.gifについては前後の文で説明しています。

      絶対パスを指定したり、%ORACLE_HOME%環境変数を使用すると、エラーが発生します。また、Windowsホストで実行されているSOAインフラストラクチャ・ターゲットへのパッチ適用を実行する前に、パッチを適用するSOAインスタンス・ホームから実行されているすべてのサーバーを停止する必要があります。SOAインスタンス・ホーム外で実行されているサーバーのみを停止すると、エラーが発生します。

    6. 「通知」セクションに、パッチ計画がスケジュール済、開始、アクションが必要、一時停止、成功、失敗の場合に、電子メール通知を有効化するかどうかを指定します。

      電子メール通知を有効化するには、「パッチ適用プロセス時に通知の電子メールを受信」を選択して、必要なオプションを選択します。送信者または受信者の電子メール・アドレスが設定されていないという内容の警告のメッセージが表示される場合は、警告に記載されているアクションを実行してください。

    7. 「ロールバック」セクションで、「計画内のパッチをロールバックします」を選択し、計画にリストされているパッチをデプロイするかわりにロールバックします。

      ロールバック操作は、管理エージェント、Oracle WebLogicサーバー、Oracle SOA Infrastructure、Oracle Restart、単一インスタンスOracle Database、Oracle RACデータベース、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Exadataの一部であるOracle Grid Infrastructureターゲットのみをサポートします。

      パッチをロールバックする方法の詳細は、第42.6.14項を参照してください。


      注意:

      • Oracle WebLogic Serverターゲットでは、パッチ適用およびロールバックはドメイン・レベルで発生します。ロールバック対象としてOracle WebLogic Serverターゲットを選択すると、管理サーバーおよび決定対象サーバーとともにドメインがロールバックされます。ロールバックするインスタンスを選択することや、ロールバックしないインスタンスをドメインから選択解除することはできません。

      • SOAインフラストラクチャ・ターゲットでは、パッチ適用およびロールバックはインスタンス・ホーム・レベルで発生します。つまり、パッチを適用するSOA Oracleホーム・インスタンスを選択したり、既存のパッチのロールバックを開始する位置を選択できます。ロールバック対象のSOAホームから実行されているサーバーが他にある場合、それらのサーバーすべてと対応するドメイン、ロールバック可能なSQLメタデータ・スクリプトもロールバックされます。一部のSQLメタデータ・スクリプトはロールバックできません。この場合、パッチ(Oracleホーム内のビット)はロールバックされますが、SQLは変更されずにそのまま保持されます。

        SOA構成にパッチを適用する際、パッチ適用が管理対象サーバーの1つで失敗し、他の管理対象サーバーで成功した場合、パッチが正常に適用されたすべての管理対象サーバーからパッチを削除する自動ロールバック処理は行われません。ただし、失敗について通知はされるため、手動でパッチをロールバックできます。


      通常、パッチをロールバックする理由は次のとおりです。

      - Oracleホームのパッチと競合している受信パッチを強制的に適用したが、後でその適用したパッチをアンインストールする場合。

      - 適用したパッチが要件を十分に満たしていない場合(パッチによってバグが修正される可能性がありますが、同時に、プロセスに他のバグが侵入します)。

    8. 「競合チェック」セクションで、分析ステージでパッチ計画内のパッチの競合を検索する際に、Oracle自動リリース更新(ARU)が使用される、ARU競合チェックを有効化または無効化するかを指定します。また、デプロイ時にパッチ競合が発生した場合に、パッチ適用手順で実行する必要のあるアクションを指定します。

      競合発生時にパッチ適用手順で、計画のデプロイを停止する場合は、「競合」「競合で停止」を、競合しているパッチをロールバックして受信パッチを適用する場合は、強制適用を、競合していないパッチのみを適用して競合しているパッチの適用をスキップする場合は、「競合のスキップ」を選択します。

    9. 「次へ」をクリックします。

  5. 「検証」ページで、「分析」をクリックして競合をチェックします。「検証」画面で実行されるチェック内容の詳細は、第42.1.3.3項を参照してください。

  6. 「レビューおよびデプロイ」ページで詳細を確認し、次のいずれかを実行します。

    • ホーム外パッチ適用モードでデータベース・ターゲットにパッチを適用している場合は、「準備」をクリックします。この操作は、基本的に、ソースOracleホームをクローニングし、パッチを適用します。この状況が発生した場合、ソースOracleホームおよびデータベース・インスタンスは稼働中です。

      「準備」をクリックすると、「デプロイの確認」ダイアログ・ボックスが表示され、「準備」操作をスケジュールできます。「準備」を選択します。「準備」操作を即時に開始する場合は、「即時」を選択します。「準備」操作を後で開始するようにスケジュールする場合は、「後で」を選択し、時間を指定します。「送信」をクリックします。

      「準備」操作に成功したら、「デプロイ」をクリックします。この操作は、基本的に、ソースOracleホームからクローニングおよびパッチ適用したOracleホームにデータベース・インスタンスを切り替えます。「準備」および「デプロイ」操作では、停止時間を最小化できます。

      「デプロイ」をクリックすると、「デプロイの確認」ダイアログ・ボックスが表示され、「デプロイ」操作をスケジュールできます。「デプロイ」を選択します。「デプロイ」操作を即時に開始する場合は、「即時」を選択します。「デプロイ」操作を後で開始するようにスケジュールする場合は、「後で」を選択し、時間を指定します。「送信」をクリックします。


      注意:

      ホーム外パッチ適用モードでOracleホームにパッチを適用するかわりに、(必要なパッチが存在する)ソフトウェア・ライブラリに保存したソフトウェア・イメージから直接Oracleホームをプロビジョニングできます。これを実行するには、次の手順に従います。
      1. 「Oracleデータベースのプロビジョニング」デプロイメント・プロシージャを使用して、ソフトウェア・ライブラリに保存したソフトウェア・イメージをホスト上の必要な場所にプロビジョニングします。

      2. パッチ計画を作成します。プロビジョニングしたOracleホームの一部であるすべてのパッチをこの計画に追加します。

      3. 「デプロイメント・オプション」ページの「パッチ適用対象」セクションで、プロビジョニングしたOracleホームの場所を指定します。

      4. 計画を分析およびデプロイします。

        データベース・インスタンスが以前のOracleホームから新しくプロビジョニングしたOracleホームに切り替わり、パッチ適用後ステップが実行されます。


    • 他のモードで他のターゲットにパッチを適用する場合は、「デプロイ」をクリックします。

      「デプロイ」をクリックすると、「デプロイの確認」ダイアログ・ボックスが表示され、「デプロイ」操作をスケジュールできます。「デプロイ」を選択します。「デプロイ」操作を即時に開始する場合は、「即時」を選択します。「デプロイ」操作を後で開始するようにスケジュールする場合は、「後で」を選択し、時間を指定します。「送信」をクリックします。


    注意:

    • 「準備」または「デプロイ」操作をスケジューリングすると、「レビューおよびデプロイ」ページの「準備」または「デプロイ」ボタンの名前が「再スケジュール」に変更されます。「準備」または「デプロイ」操作を再スケジュールする場合は、「再スケジュール」をクリックし、「送信」をクリックします。

    • 「準備」または「デプロイ」操作をスケジューリングした後、スケジュールを破棄してパッチ計画を最後の有効な状態に戻す場合は、「スケジュールの停止」をクリックします。

    • 「準備」または「デプロイ」操作のスケジュールは、パッチ計画デプロイメント・オプションまたはパッチ・ターゲットを編集した場合には破棄されます。この場合は、パッチ計画を再度検証する必要があります。


    OPlanはターゲットにパッチを適用するために動的にデプロイメント・プロシージャを作成し実行する独立したツールで、多くのパッチ適用操作で使用されています。パッチ計画用のOPlanのreadmeファイルには、パッチ計画の段階的な実行手順についての詳しい情報が含まれています。Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Managerがデプロイされている場合、このファイルを表示できます。このファイルを表示するには、「レビューおよびデプロイ」ページでパッチ適用ステップの隣に表示されている「ダウンロード」リンクをクリックします。


注意:

正常に分析またはデプロイされたパッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存するには、第42.4.5項を参照してください。

42.4.4 パッチ計画のデプロイ後に元のOracleホームにスイッチバック

ホーム外パッチ適用モードで、Oracle RACターゲット、Oracle単一インスタンス・データベース・ターゲットまたはOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)にパッチを適用した後、なんらかの理由により、元のホームにスイッチバックする必要がある場合、計画の作成ウィザードにある「スイッチバック」オプションを使用できます。このオプションを使用する利点は、クローニングおよびパッチ適用したOracleホームからパッチを実際にロールバックしないことです。この場合、パッチなしで存在する元の古いOracleホームにスイッチバックするのみです。


注意:

  • 「スイッチバック」オプションは、Oracle RAC、Oracle単一インスタンス・データベースおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部かどうかにはかかわりません)に対してのみ、およびこれらのターゲットがホーム外パッチ適用モードでパッチ適用されている場合にのみ使用できます。

  • スイッチバックできるのは、パッチ計画が正常に分析およびデプロイされた場合のみです。


パッチ計画のデプロイ後に元のOracleホームにスイッチバックするには、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」領域で、Oracle RAC、Oracle単一インスタンス・データベースまたはOracle Grid Infrastructureターゲットへのパッチ適用に使用する正常に分析およびデプロイされたパッチ計画をクリックします。あるいは、パッチ計画を選択し、コンテキスト・メニューで「表示」をクリックします。計画の作成ウィザードが表示されます。

  3. 計画の作成ウィザードの「レビューおよびデプロイ」ページで、「スイッチバック」をクリックします。

42.4.5 正常に分析されたまたはデプロイされたパッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存

デザイナ・アイコン

この項は主に、オペレータが承認されたパッチや事前定義されたデプロイメント・オプションで新しいパッチ計画を作成するために使用できるよう、正常に分析されたまたはデプロイされたパッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存するパッチ・デザイナに対するものです。


パッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存するには、42.4.3項に記載されている手順(1)から手順(5)を実行し、手順(6)の「レビューおよびデプロイ」ページで「テンプレートとして保存」をクリックします。新規計画テンプレートの作成ダイアログで、パッチ・テンプレートの一意の名前を入力して「テンプレートの作成」をクリックします。

ベスト・プラクティス

管理者が多く、長期間にわたって大規模に公開する必要がある場合、ベスト・プラクティスとしてこの方法を実行することをお薦めします。大規模なデータ・センターがある場合は、パッチ・デザイナとして、パッチ計画を作成していくつかのデータベースにパッチを適用し、パッチが正常に適用されるかテストしてから、計画をテンプレートとして保存します。後で、パッチ・オペレータにこれらのテンプレートからパッチ計画を作成させ、データ・センターの残りのデータベースに同じセットのパッチを公開できるようにします。


42.4.6 パッチ・テンプレートからのパッチ計画の作成およびパッチの適用

正常に分析されたまたはデプロイされたパッチ計画がパッチ・テンプレートとして保存されると、テンプレートからパッチ計画を作成し、パッチを適用するターゲットを関連付け、新しく作成したパッチ計画をデプロイできます。

これは、まったくのオプションのステップです。パッチを公開するのに、パッチ計画をテンプレートとして保存する必要はありません。第42.4.3項の説明に従って、パッチ計画から直接パッチを公開できます。

オペレータ・アイコン

この項は主に、パッチを公開するためにパッチ・テンプレートからパッチ計画を作成するパッチ・オペレータに対するものです。


方法1

パッチ・テンプレートからパッチ計画を作成するには、次の方法のいずれかを使用します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、パッチ計画の作成元として使用するパッチ・テンプレートを選択します。

  3. コンテキスト・メニューから、「計画の作成」を選択します。

  4. テンプレートから計画を作成ダイアログで、パッチ計画の一意の名前を入力してパッチを適用するターゲットを選択し、「計画の作成」をクリックします。

  5. 「パッチと更新版」ページに戻り、「計画」リージョンで、使用するパッチ計画をクリックします。あるいは、パッチ計画を選択し、コンテキスト・メニューで「表示」をクリックします。計画の作成ウィザードが表示されます。

  6. 計画の作成ウィザードの「検証」ページに移動し、「再分析」をクリックして新たにターゲットが関連付けられたパッチ計画を分析します。

  7. パッチ計画が正常に分析されたら、「検証」ページで「次へ」をクリックします。

  8. 「レビューおよびデプロイ」ページで、「デプロイ」をクリックします。

方法2

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、次のいずれかを実行します。

    • パッチ・テンプレートを選択します。コンテキスト・メニューから、「表示」を選択します。テンプレートの編集ウィザードが表示されます。

    • パッチ・テンプレートの名前をクリックします。テンプレートの編集ウィザードが表示されます。

  3. テンプレートの編集ウィザードで、「計画の作成」をクリックします。

  4. テンプレートから計画を作成ダイアログで、パッチ計画の一意の名前を入力してパッチを適用するターゲットを選択し、「計画の作成」をクリックします。

  5. 「パッチと更新版」ページに戻り、「計画」リージョンで、使用するパッチ計画をクリックします。あるいは、パッチ計画を選択し、コンテキスト・メニューで「表示」をクリックします。計画の作成ウィザードが表示されます。

  6. 計画の作成ウィザードの「検証」ページに移動し、「再分析」をクリックして新たにターゲットが関連付けられたパッチ計画を分析します。

  7. パッチ計画が正常に分析されたら、「検証」ページで「次へ」をクリックします。

  8. 「レビューおよびデプロイ」ページで、「デプロイ」をクリックします。

42.4.7 Oracle Grid Infrastructureターゲットへのパッチ適用

パッチ計画を使用してOracle Grid Infrastructureターゲットにパッチを適用できます。次の手順を実行します。

  1. 第42.3項の説明に従って、適用するOracle Grid Infrastructureパッチ・セット更新(PSU)または個別パッチを特定します。

  2. 第42.4.1項の説明に従って、パッチ計画を作成します。

  3. 第42.4.3項の説明に従って、パッチ計画を分析およびデプロイします。


    重要:

    • Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされている場合、1つのグリッド・インフラストラクチャPSUと、任意の数の個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを単一のパッチ計画に追加できます。このシナリオでは、パッチ計画の作成の間にグリッド・インフラストラクチャPSUを追加し、その後個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを追加パッチとして追加するようにします。

      Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされていない場合、個別パッチはすでにグリッド・インフラストラクチャPSUを含むパッチ計画に追加できません。

    • 管理対象のRACデータベースのバージョンが異なり、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされている場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットにグリッド・インフラストラクチャPSUを適用できます。このプラグインがデプロイされておらず、管理対象のRACデータベースのバージョンが異なる場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットにグリッド・インフラストラクチャPSUを適用できません。

      たとえば、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされ、バージョン11.2.0.3のグリッド・インフラストラクチャで構成されているグリッド・インフラストラクチャ・ターゲットがバージョン11.2.0.2および11.2.0.3のRACデータベースを管理している場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットに11.2.0.3グリッド・インフラストラクチャPSUを適用できます。この場合、グリッド・インフラストラクチャ・バイナリおよび11.2.0.3 RACデータベースにはパッチが適用されますが、11.2.0.2 RACデータベースには適用されません。グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットに11.2.0.2グリッド・インフラストラクチャPSUを適用することも可能です。この場合、11.2.0.2 RACデータベースにはパッチが適用されますが、グリッド・インフラストラクチャ・バイナリおよび11.2.0.3 RACデータベースには適用されません。


42.4.8 Oracle Exadataへのパッチ適用

パッチ計画を使用すると、Exadataデータベース・マシンで稼働しているOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Clusterware)にパッチを適用できます。

Exadataパッチ適用は、インプレース・パッチ適用とホーム外パッチ適用の2つのモードで実行できますが、付随する停止時間がより短くなるため、ホーム外パッチ適用メカニズムを使用することをお薦めします。

サポートされているExadataリリースの詳細は、第42.1.5項を参照してください。

ただし、パッチ計画では、Exadataデータベース・マシンの計算ノード・エンティティ(オペレーティング・システムおよびファームウェアなど)には、そのストレージ・セルとともにパッチを適用しません。パッチを適用するのは、マシンで稼働している関連付けられたOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructure (Oracle Clusterware)ターゲットのみです。


注意:

Oracle RACターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Clusterware)に適用される、Oracle Exadata Database Machine推奨のバンドル・パッチは、Cloud Controlでテストされ、動作保証されています。

そのため、Exadataデータベース・マシン推奨のバンドル・パッチでパッチ計画を作成するとき、Exadataデータベース・マシンで稼働しているクラスタ・ターゲットまたはOracle RACデータベース・ターゲットを必ず追加してください。パッチ計画は、Exadataデータベース・マシンとのアソシエーションを自動的に認識し、そのマシンで稼働している影響を受けるターゲットをすべて追加するように要求します。たとえば、クラスタ・ターゲットを選択すると、そのクラスタに含まれていてExadataデータベース・マシンで稼働しているOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲットをすべて追加するように要求されます。

Exadataデータベース・マシンにパッチを適用するには、次の手順を実行します。

  1. 適用する必要があるExadataデータベース・マシン推奨のバンドル・パッチを特定します(第42.3項を参照)。

  2. 第42.4.1項の説明に従って、パッチ計画を作成します。

  3. Exadataデータベース・マシンで稼働しているクラスタ・ターゲットまたはOracle RACデータベース・ターゲットを追加し、第42.4.3項の説明に従って、パッチ計画を分析およびデプロイします。

    次の図に、Exadataデータベース・マシン推奨のバンドル・パッチを新しいパッチ計画に追加し、クラスタ・ターゲット、その他すべての関連付けられたOracle RACデータベース・ターゲットおよびOracle Grid Infrastructureターゲットを選択する方法を図示します。

    図42-11 パッチ計画へのExadataデータベース・マシンのバンドル・パッチの追加

    図42-11については前後の文で説明しています。

    重要:

    • Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされている場合、1つのExadataバンドル・パッチと、任意の数の個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを単一のパッチ計画に追加できます。このシナリオでは、パッチ計画の作成の間にExadataバンドル・パッチを追加し、その後個別グリッド・インフラストラクチャおよびOracle Databaseパッチを追加パッチとして追加するようにします。

      Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされていない場合、個別パッチはすでにExadataバンドル・パッチを含むパッチ計画に追加できません。

    • 管理対象のRACデータベースのバージョンが異なり、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされている場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲット(Oracle Exadataの一部)にExadataバンドル・パッチを適用できます。このプラグインがデプロイされておらず、管理対象のRACデータベースのバージョンが異なる場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットにExadataバンドル・パッチを適用できません。

      たとえば、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされ、バージョン11.2.0.3のグリッド・インフラストラクチャで構成されているグリッド・インフラストラクチャ・ターゲット(Oracle Exadataの一部)がバージョン11.2.0.2および11.2.0.3のRACデータベースを管理している場合、グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットに11.2.0.3 Exadataバンドル・パッチを適用できます。この場合、グリッド・インフラストラクチャ・バイナリおよび11.2.0.3 RACデータベースにはパッチが適用されますが、11.2.0.2 RACデータベースには適用されません。グリッド・インフラストラクチャ・ターゲットに11.2.0.2 Exadataバンドル・パッチを適用することも可能です。この場合、11.2.0.2 RACデータベースにはパッチが適用されますが、グリッド・インフラストラクチャ・バイナリおよび11.2.0.3 RACデータベースには適用されません。


Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットのExadataのホーム外パッチ適用

Exadataのホーム外パッチ適用メカニズムを使用すると、既存のOracleホームのコピーを作成し、クローニングしたOracleホームにパッチを適用することにより、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットにパッチを適用できます。クローニングしたホームにパッチを適用すると、インスタンスを移行してクローニングしたホームから実行できます(つまり、インスタンスの切替え中、停止時間は最小限になり、長時間にはなりません)。

図42-12に、Exadataデータベース・マシンで実行されているOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットがどのようにホーム外パッチ適用モードでパッチが適用されるかを示します。

図42-12 クラスタのホーム外パッチ適用

図42-12については前後の文で説明しています。

これらのインスタンスの移行は、次のモードで実行できます。

  • 完全移行: データ・センター内で実行されているすべてのデータベース・インスタンスを1回のセッションで移行することを選択する場合、これは完全移行と呼ばれます。

  • 部分移行: データ・センター内で許容される停止時間に基づいて一部のインスタンスのみを1回のセッションで移行することを選択する場合、これは部分移行と呼ばれます。ただし、残りのインスタンスは後続のセッションで必ず移行する必要があります。この方法は、Oracleホーム外で実行されているインスタンスが複数ある場合、特に便利です。


注意:

Exadataデータベース・マシンで実行されているOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットの完全移行または部分移行の実行方法の手順については、第42.4.3項を参照してください。

「スイッチバック」は、Exadataマシンで実行されているOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACターゲットで使用可能なオプションです。このオプションを使用すると、なんらかの問題がある場合に、新しくクローニングしたOracleホームのインスタンスを元のOracleホームに切り替えることができます。

スイッチバックを実行する方法の詳細は、第42.4.4項を参照してください。

42.4.9 Oracle Data Guardターゲットへのパッチ適用

この項では、Oracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUをOracle Data Guardターゲットの様々な構成に適用する方法を説明します。ホーム内パッチ適用モードまたはホーム外パッチ適用モードのどちらでOracle Data Guardターゲットにパッチを適用するかを選択できます。

内容は次のとおりです。

42.4.9.1 Oracle Data Guardへのパッチ適用ワークフロー

プライマリおよびスタンバイのデータベースが同じクラスタから実行されている場合、次の手順に従います。

  1. 必要なパッチを検索して、クラスタ・ターゲットを選択してパッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

プライマリおよびスタンバイのデータベースが異なるクラスタから実行されている場合、次の手順に従います。

  1. 必要なパッチを検索して、スタンバイ・データベースを含むクラスタ・ターゲットを選択してパッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. (オプション)スタンバイ・データベースが新規のプライマリ・データベースになるように、データベース・スイッチオーバーを実行します(この逆の場合も同様です)。データベースの停止時間を短縮できるスイッチオーバーの実行

    データベース・スイッチオーバーを実行する方法の詳細は、『Oracle® Data Guard Broker』を参照してください。

  5. 必要なパッチを検索して、プライマリ・データベース(またはスイッチオーバーを実行した場合は新規のスタンバイ・データベース)を含むクラスタ・ターゲットを選択して別のパッチ計画を作成します。

  6. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  7. 計画を分析およびデプロイします。


重要:

  • 最初にスタンバイ・データベースにパッチを適用してから、プライマリ・データベースにパッチを適用することをお薦めします。

  • 複数のスタンバイ・データベースで構成された環境の場合、最初にすべてのスタンバイ・データベースにパッチを適用してから、プライマリ・データベースにパッチを適用します。スイッチオーバーを実行する場合は、最初に1つのスタンバイ・データベースにパッチを適用してからスイッチオーバーを実行し、次に残りのスタンバイ・データベースと新規のスタンバイ・データベースにパッチを適用します。


42.4.9.2 Oracle Data Guardへのパッチ適用シナリオ

この項では、様々なシナリオでのOracle Data Guardへのパッチ適用手順を説明します。

シナリオ1: プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースがRACデータベースの場合。

表42-4では、プライマリおよびスタンバイのデータベースがRACデータベースの場合に、Oracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUを適用する手順を示します。

表42-4 Oracle Data Guardへのパッチ適用(RAC - RAC)

プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースの構成 パッチの適用方法

プライマリおよびスタンバイのRACデータベースが同じクラスタから実行されている場合。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、クラスタ・ターゲットを選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

プライマリおよびスタンバイのRACデータベースが異なるクラスタから実行されている場合。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、スタンバイRACデータベースが含まれるクラスタ・ターゲットを選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. (オプション)スタンバイRACデータベースが新規のプライマリ・データベースになるように、データベース・スイッチオーバーを実行します(この逆の場合も同様です)。

    データベース・スイッチオーバーを実行する方法の詳細は、『Oracle® Data Guard Broker』を参照してください。

  5. 必要なOracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUを検索して、プライマリRACデータベース(またはスイッチオーバーを実行した場合は新規のスタンバイ・データベース)を含むクラスタ・ターゲットを選択して別のパッチ計画を作成します。

  6. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  7. 計画を分析およびデプロイします。

2つのプライマリRACデータベース(P1およびP2)が、2つの異なるクラスタ(C1およびC2)からそれぞれに実行されている場合。スタンバイRACデータベース(S1およびS2)は、それぞれC2およびC1から実行されています。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、1つ目のクラスタ・ターゲット(C1)を選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、2つ目のクラスタ・ターゲット(C2)を選択して、別のパッチ計画を作成します。

  5. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  6. 計画を分析およびデプロイします。

注意: クラスタにパッチを適用する順序は問題ではないため、C1、C2の順でも、C2、C1の順でもかまいません。


シナリオ2: プライマリ・データベースがRACデータベースで、スタンバイ・データベースが、Cluster Ready Services (CRS)ターゲットまたは単一インスタンスの高可用性(SIHA)ターゲットによって管理されている単一インスタンス・データベースの場合。

表42-5では、プライマリ・データベースがRACデータベースで、スタンバイ・データベースがCRSターゲットまたはSIHAターゲットで管理される単一インスタンスのデータベースの場合、Oracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUを適用する手順を示します。

表42-5 Oracle Data Guardへのパッチ適用(RAC - SIDB)

プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースの構成 パッチの適用方法

プライマリRACデータベースおよびスタンバイの単一インスタンス・データベースが同じクラスタから実行されている場合。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、クラスタ・ターゲットを選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

プライマリRACデータベースおよびスタンバイの単一インスタンス・データベースが異なるクラスタから実行されている場合。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、スタンバイの単一インスタンス・データベースが含まれるクラスタ・ターゲットを選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. (オプション)単一インスタンスのスタンバイ・データベースが新規のプライマリ・データベースになるように、データベース・スイッチオーバーを実行します(この逆の場合も同様です)。

    データベース・スイッチオーバーを実行する方法の詳細は、『Oracle® Data Guard Broker』を参照してください。

  5. 必要なOracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUを検索して、プライマリRACデータベース(またはスイッチオーバーを実行した場合は新規のスタンバイ・データベース)を含むクラスタ・ターゲットを選択して別のパッチ計画を作成します。

  6. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  7. 計画を分析およびデプロイします。

2つのプライマリRACデータベース(P1およびP2)が、2つの異なるクラスタ(C1およびC2)からそれぞれに実行されている場合。スタンバイの単一インスタンス・データベース(S1およびS2)は、それぞれC2およびC1から実行されています。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、1つ目のクラスタ・ターゲット(C1)を選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、2つ目のクラスタ・ターゲット(C2)を選択して、別のパッチ計画を作成します。

  5. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  6. 計画を分析およびデプロイします。

注意: クラスタにパッチを適用する順序は問題ではないため、C1、C2の順でも、C2、C1の順でもかまいません。


シナリオ3: プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースが、CRSまたはSIHAターゲットによって管理されている単一インスタンス・データベースの場合。

表42-6では、プライマリおよびスタンバイのデータベースがCRSターゲットまたはSIHAターゲットで管理される単一インスタンスのデータベースの場合、Oracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUを適用する手順を示します。

表42-6 Oracle Data Guardへのパッチ適用(SIDB - SIDB)

プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースの構成 パッチの適用方法

プライマリおよびスタンバイの単一インスタンス・データベースが同じクラスタから実行されている場合。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、クラスタ・ターゲットを選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

プライマリおよびスタンバイの単一インスタンス・データベースが異なるクラスタから実行されている場合。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、スタンバイの単一インスタンス・データベースが含まれるクラスタ・ターゲットを選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. (オプション)単一インスタンスのスタンバイ・データベースが新規のプライマリ・データベースになるように、データベース・スイッチオーバーを実行します(この逆の場合も同様です)。

    データベース・スイッチオーバーを実行する方法の詳細は、『Oracle® Data Guard Broker』を参照してください。

  5. 必要なOracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUを検索して、単一インスタンスのプライマリ・データベース(またはスイッチオーバーを実行した場合は新規のスタンバイ・データベース)を含むクラスタ・ターゲットを選択して別のパッチ計画を作成します。

  6. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  7. 計画を分析およびデプロイします。

2つのプライマリの単一インスタンス・データベース(P1およびP2)が、2つの異なるクラスタ(C1およびC2)からそれぞれに実行されている場合。スタンバイの単一インスタンス・データベース(S1およびS2)は、それぞれC2およびC1から実行されています。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、1つ目のクラスタ・ターゲット(C1)を選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、2つ目のクラスタ・ターゲット(C2)を選択して、別のパッチ計画を作成します。

  5. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  6. 計画を分析およびデプロイします。

注意: クラスタにパッチを適用する順序は問題ではないため、C1、C2の順でも、C2、C1の順でもかまいません。


シナリオ4: プライマリRACデータベース(P1)および、CRSまたはSIHAターゲットによって管理されているプライマリの単一インスタンス・データベース(P2)が、2つの異なるクラスタ(C1およびC2)からそれぞれに実行されている場合。CRSまたはSIHAターゲットによって管理されているスタンバイの単一インスタンス・データベース(S1およびS2)は、それぞれC2およびC1から実行されています。

この構成に、Oracle Grid InfrastructureのPSUまたはOracle DatabaseのPSUを適用するには、次の手順に従います。

  1. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、1つ目のクラスタ・ターゲット(C1)を選択して、パッチ計画を作成します。

  2. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  3. 計画を分析およびデプロイします。

  4. Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseの必要なPSUを検索し、2つ目のクラスタ・ターゲット(C2)を選択して、別のパッチ計画を作成します。

  5. 必要なデプロイメント・オプションを指定します。

  6. 計画を分析およびデプロイします。


注意:

クラスタにパッチを適用する順序は問題ではないため、C1、C2の順でも、C2、C1の順でもかまいません。

42.4.10 Oracle Identity Managementターゲットへのパッチ適用

パッチ計画を使用して、Identity Management Lifecycleツールを使用してプロビジョニングされたOracle Access Management ServerおよびOracle Identity Management Serverターゲットにパッチを適用できます。他のOracle Identity Managementターゲットのパッチ適用はサポートされていません。

パッチ計画を使用して、Oracle Access Management ServerおよびOracle Identity Management Serverターゲット(ID管理ライフサイクル・ツールを使用してプロビジョニング)にパッチを適用するには、Identity Management Pack Plusのライセンスが必要です。また、OMS、およびOracle Access Management ServerとOracle Identity Management Serverターゲットがデプロイされているホストで実行されているすべての管理エージェントに、Oracle Fusion Middlewareプラグイン向けのEnterprise Manager 12.1.0.6がデプロイされている必要があります。

パッチ計画を使用してOracle Access Management ServerおよびOracle Identity Management Serverターゲットにパッチを適用するには、次の手順に従います。

  1. 第42.3項の説明に従って、適用するパッチを特定します。

  2. 第42.4.1項の説明に従って、パッチ計画を作成します。

  3. 第42.4.3項の説明に従って、パッチ計画を分析およびデプロイします。

42.4.11 Oracle Siebelターゲットへのパッチ適用

パッチ計画を使用して、Siebel Gateway ServerおよびSiebel Serverターゲットにパッチを適用できます。他のOracle Siebelターゲットのパッチ適用はサポートされていません。Siebel Gateway ServerおよびSiebel Serverターゲットにパッチを適用するには、12.1.0.5 Enterprise Manager for Oracle Siebelプラグインがシステムにデプロイされている必要があります。

パッチ計画を使用してSiebel Gateway ServerおよびSiebel Serverターゲットにパッチを適用するには、次の手順に従います。

  1. 第42.3項の説明に従って、適用するパッチを特定します。

  2. 第42.4.1項の説明に従って、パッチ計画を作成します。

  3. 第42.4.3項の説明に従って、パッチ計画を分析およびデプロイします。

42.5 パッチ適用に関する問題の診断および解決

この項では、次の項目について説明します。

42.5.1 ターゲット関連エラーの回避策

この項ではターゲット関連エラーの回避策について説明し、内容は次のとおりです。

42.5.1.1 プロパティの欠落エラーの回避策

表42-7に、発生する可能性のあるプロパティの欠落エラーと、それを解決するために試行できる回避策を示します。

表42-7 プロパティの欠落エラーと回避策

問題 解決策

ターゲット・プロパティのバージョンが空

ターゲットが正しく構成されていないか、ターゲットが使用できない可能性があります。ターゲットを再構成するか、メトリック収集エラーをチェックします。

Oracle Management Agentによって収集されたターゲット情報が不適切または不完全。

この問題を解決するには、動的プロパティを再計算し、管理リポジトリがホストの最新構成で更新されるようにホスト構成をリフレッシュします。次の手順を実行します。

  1. 動的プロパティを再計算するには、次のいずれかを実行します。

    オプションA: 管理エージェントを停止して再起動します。ターゲット・モデルを理解する必要がないため、このオプションの方が簡単です。

    $ emctl stop agent

    $ emctl start agent

    クラスタの場合は、クラスタのすべてのノードで管理エージェントを再起動します。

    オプションB: すべてのターゲットの動的プロパティをリロードします。監視のためのブラックアウトや停止時間がないため、このオプションの方が適切です。

    管理エージェントで監視されているターゲットのリストを表示するには、次のコマンドを実行します。

    $ emctl config agent listtargets

    特定のターゲットの動的プロパティをリロードするには、次のコマンドを実行します。

    $ emctl reload agent dynamicproperties [<Target_name>:<Target_Type>]

    次に例を示します。

    $ emctl reload agent dynamicproperties oradb:oracle_database

    $ emctl reload agent dynamic properties racdb_1:rac_database

    $ emctl reload agent dynamicproperties crs:cluster

    $ emctl reload agent dynamic properties wls:weblogic_j2eeserver

    $ emctl reload agent dynamicproperties server1.xyz.com:host

  2. 管理リポジトリを最新の構成情報で更新するには、「エンタープライズ」メニューから、「構成」「ホスト構成のリフレッシュ」の順に選択します。「ホスト構成のリフレッシュ」ページで、構成を更新する必要があるホストを選択して「ホストのリフレッシュ」をクリックします。

検出時に収集されたターゲット情報が不適切または不完全であるため、ターゲットが正しく検出されない。

この問題を解決するには、ドメインを再検出し、ドメイン内のすべてのターゲットが効率的に検出されるようにします。次の手順を実行します。

  1. 適切な資格証明を使用してドメインのホームページにログインします。たとえば、Farm01_base_domainなどです。

  2. (Farm01_base_domain)ホームページで、「ファーム」メニューから「WebLogicドメインのリフレッシュ」を選択し、後続のすべてのページで「OK」をクリックし、プロセスを完了します。プロセスが正常に完了すると、ドメインのホームページがリフレッシュされ、すべてのターゲットが再度検出されます。


42.5.1.2 サポートされない構成エラーの回避策

表42-8に、発生する可能性のあるサポートされていない構成エラーと、それを解決するために試行できる回避策を示します。

表42-8 サポートされない構成エラーの回避策

問題 回避策

Oracle RACインスタンスにOracle RACデータベースが関連付けられていない

Oracle RACターゲットを再検出し、Oracle RACインスタンスをOracle RACデータベースに追加します。

データベースがOMSによって仲介されない

ターゲット検出が不適切です。Cloud Controlからターゲットを削除し、クラスタ内のすべての管理エージェントで再検出します。


42.5.2 パッチ適用に関する一般的な問題

パッチ計画の分析またはデプロイ時に、次の事柄に該当する場合、エラーが発生することがあります。

  • OMSまたは管理エージェントが停止している場合

  • ソフトウェア・ライブラリが正しく構成されていない場合

  • My Oracle Supportへの接続がない(オンライン・モード)場合

  • 管理リポジトリがない場合

  • 収集がない場合

  • ホストまたはOracleホーム・セキュリティの問題がある場合

  • 固有のOPatchまたはSQLのエラーがある場合

  • パッチ計画が異種パッチ(個別パッチとパッチ・セットの組合せなど)で構成される場合

  • (Oracle WebLogicターゲットの場合のみ)SmartUpdateツールに固有の問題がある場合。

  • (Oracle WebLogicターゲットの場合のみ) OMSにレポートするOracle WebLogicターゲットの検出に問題がある場合

これらのエラーは、次の場所に表示されます。

  • 計画の作成ウィザードの「検証」ページまたは「確認」ページのヘッダー・セクション(図42-13)

  • 「検証」ページの解決する問題セクション(図42-14)

  • 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョン(図42-15)。

図42-13 「検証」ページに表示されるパッチ計画のエラー

図42-13については前後の文で説明しています。

図42-14 解決する問題セクションに表示されるパッチ計画のエラー

図42-14については前後の文で説明しています。

図42-15 「計画」リージョンに表示されるパッチ計画のエラー

図42-15については前後の文で説明しています。

42.5.3 パッチ適用に関する問題の解決

表42-9に、パッチ計画が処理される様々なフェーズ、フェーズが取りうる状態、エラーを診断および解決する方法を示します。


注意:

第F.2項に記載されているトラブルシューティングのヒントも参照してください。

表42-9 パッチ適用に関する問題の診断

フェーズ 状態 診断および解決方法

分析

分析の実行中

該当なし

分析エラー

次のログ・ファイルを参照します。

<gc_inst>/sysman/log/emoms.log

問題が解決していません

計画の作成ウィザードの「検証」ページで、解決する問題セクションにリストされる問題を確認します。

解決する問題セクションで、エラー・メッセージが「詳細結果をここに表示」をクリックする必要があることを示している場合は、クリックします。プロシージャ・アクティビティ・ステータス・ページの「ステータスの詳細」表で、各ステップのステータスを確認します。ログの詳細を表示するには、ステータスをクリックします。

検出された競合

計画の作成ウィザードの「検証」ページで、解決する問題セクションにリストされる問題を確認します。

解決する問題セクションで、エラー・メッセージが「詳細結果をここに表示」をクリックする必要があることを示している場合は、クリックします。プロシージャ・アクティビティ・ステータス・ページの「ステータスの詳細」表で、各ステップのステータスを確認します。ログの詳細を表示するには、ステータスをクリックします。

デプロイの準備完了

該当なし

準備

準備中

該当なし

準備エラー

次のログ・ファイルを参照します。

<gc_inst>/sysman/log/emoms.log

準備に失敗しました

「検証」ページで、「詳細結果をここに表示」をクリックします。プロシージャ・アクティビティ・ステータス・ページの「ステータスの詳細」表で、各ステップのステータスを確認します。ログの詳細を表示するには、ステータスをクリックします。

準備に成功しました

該当なし

デプロイ

デプロイ中

該当なし

デプロイ・エラー

次のログ・ファイルを参照します。

<gc_inst>/sysman/log/emoms.log

デプロイに失敗しました

「検証」ページで、「詳細結果をここに表示」をクリックします。プロシージャ・アクティビティ・ステータス・ページの「ステータスの詳細」表で、各ステップのステータスを確認します。ログの詳細を表示するには、ステータスをクリックします。

デプロイに成功しました

該当なし


42.5.4 パッチのロールバック

パッチをロールバックする場合は、適用したパッチとともにパッケージされたReadMeに記載されているロールバック手順に従ってください。

ロールバック機能は、管理エージェント、Oracle WebLogicサーバー、Oracle SOA Infrastructure、Oracle Restart、単一インスタンスOracle Database、Oracle RACデータベース、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Exadataの一部であるOracle Grid Infrastructureの各ターゲットをサポートします。ロールバックの手順の詳細は、第42.6.14項を参照してください。他のすべてのターゲットでは、Cloud Controlはパッチの自動ロールバックをサポートしていないため、手動でパッチをロールバックする必要があります。

42.6 その他の実行可能パッチ適用タスク

この項では、パッチ計画とともに実行できるその他のタスクについて説明します。特に、次の内容について説明します。

42.6.1 パッチ・テンプレートの表示または変更

パッチ・テンプレートを表示または変更するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、次のいずれかを実行します。

    • パッチ・テンプレートを選択します。コンテキスト・メニューから、「表示」を選択します。テンプレートの編集ウィザードが表示されます。

    • パッチ・テンプレートの名前をクリックします。テンプレートの編集ウィザードが表示されます。


注意:

  • パッチ・テンプレートを作成した管理者とCloud Controlのスーパー管理者が、パッチ・テンプレートを変更できます。

  • パッチ・テンプレートで編集できるのは、説明とデプロイメント日のみです。


42.6.2 デプロイされたパッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存

パッチ計画をすでに分析およびデプロイし、そのパッチ計画をパッチ・テンプレートとして保存する場合は、次の方法のいずれかを使用します。

方法1

create_template.gifについては前後の文で説明しています。
  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、正常に分析されたデプロイ可能なパッチ計画を選択します。コンテキスト・メニューが表示されます。


    注意:

    パッチ・テンプレートは、一度に1つのパッチ計画からのみ作成できます。

  3. コンテキスト・メニューから、「テンプレートの作成」を選択します。「新規計画テンプレートの作成」ダイアログが表示されます。

  4. テンプレートの一意の名前を入力し、続いて「テンプレートの作成」をクリックします。


    注意:

    計画を選択するとき、次の場合には「テンプレートの作成」オプションは表示されません。
    • デプロイ不可能なパッチ計画、または、未分析か、分析後にエラーが発生したデプロイ可能なパッチ計画を選択した場合。

    • 選択したパッチ計画を表示する権限がない場合。

    • テンプレートを作成する権限がない場合。


方法2

create_template1.gifについては前後の文で説明しています。
  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、次のいずれかを実行します。

    • 正常に分析されたデプロイ可能なパッチ計画を選択します。コンテキスト・メニューから、「表示」を選択します。計画の作成ウィザードが表示されます。

    • 正常に分析されたデプロイ可能なパッチ計画の名前をクリックします。計画の作成ウィザードが表示されます。

  3. 計画の作成ウィザードの「レビューおよびデプロイ」ページで、「テンプレートとして保存」をクリックします。

  4. テンプレートの一意の名前を入力し、続いて「テンプレートの作成」をクリックします。


注意:

一意の名前を持つパッチ・テンプレートのみを作成する必要があります。

42.6.3 パッチ・テンプレートからのパッチのダウンロード

パッチ・テンプレートからパッチをダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、パッチ・テンプレートを選択します。

  3. コンテキスト・メニューから、「表示」を選択します。テンプレートの編集ウィザードが表示されます。

  4. テンプレートの編集ウィザードの「パッチ」ページで、パッチ番号をクリックします。「パッチ詳細」ページが表示されます。

  5. パッチ詳細ページで、「ダウンロード」をクリックします。

42.6.4 パッチ計画の削除

パッチ計画を削除するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、削除するパッチ計画をクリックします。コンテキスト・メニューから、「削除」をクリックします。


    注意:

    「計画」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「計画」リージョンをドラッグします。

42.6.5 パッチ・テンプレートの削除

パッチ・テンプレートを削除するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、1つ以上のパッチ・テンプレートを選択します。コンテキスト・メニューが表示されます。

  3. コンテキスト・メニューから「削除」を選択します。


注意:

パッチ・テンプレートを作成した管理者とCloud Controlのスーパー管理者が、パッチ・テンプレートを変更できます。

42.6.6 デプロイ可能なパッチ計画へのデプロイ不可能なパッチ計画の変換

デプロイ不可能なパッチ計画をデプロイ可能にするには、パッチ計画を、同種のパッチおよびターゲットのみが含まれるデプロイ可能なより小さい計画に分割します。


注意:

詳細は、第F.2.6.1項を参照してください。

42.6.7 パッチ計画のパッチへの追加ターゲットの関連付け

追加ターゲットをパッチ計画のパッチに関連付けるには、次の方法のいずれかを使用します。

方法1

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「計画」リージョンで、パッチが属するパッチ計画を選択します。表示されるコンテキスト・メニューから、「表示」を選択します。


    注意:

    「計画」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「計画」リージョンをドラッグします。

  3. 計画の作成ウィザードの「パッチ」ページで、「パッチの追加」をクリックします。検索の編集ウィンドウが表示されます。

  4. 「検索の編集」ウィンドウで、追加ターゲットを関連付けるパッチを検索します。

  5. 追加するパッチを選択して「この計画に追加」をクリックします。パッチを計画に追加ウィンドウが表示されます。

  6. 「パッチを計画に追加」ウィンドウで、パッチに関連付ける追加ターゲットを検索して選択し、「パッチを計画に追加」をクリックします。


    注意:

    必ず同種ターゲットのみを選択してください。

    Oracle WebLogic Serverでは、Enterprise Manager for Oracle Fusion Middleware 12.1.0.4プラグインをデプロイしている場合、単一のパッチ計画に任意の数のWebLogicドメイン・ターゲットを追加できます。Enterprise Manager for Oracle Fusion Middleware 12.1.0.4プラグインをデプロイしていない場合、単一のパッチ計画に追加できるWebLogicドメイン・ターゲットは1つのみです。新しいプラグインのデプロイ方法または既存のプラグインのアップグレード方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

    パッチ計画に追加するWebLogicドメイン・ターゲットが共有ドメインの場合、パッチが適用されるドメインと共有されるドメインで稼働する管理サーバーおよび管理対象サーバーはすべて、自動的に同じパッチ計画に追加されます。


方法2

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「パッチ推奨」リージョンで、グラフをクリックします。


    注意:

    「パッチ推奨」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「パッチ推奨」リージョンをドラッグします。

  3. 「パッチ推奨」ページで、パッチを選択します。

  4. コンテキスト・メニューから「計画に追加」「既存に追加」の順に選択し、パッチに追加する計画を選択します。

    選択したパッチと、そのパッチが関連付けられているターゲットが既存の計画に追加されます。

方法3

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「パッチと更新版」の順に選択します。

  2. 「パッチと更新版」ページの「検索」リージョンで、パッチ計画に追加するパッチを検索します。


    注意:

    「検索」リージョンが表示されない場合は、右上隅から「ページのカスタマイズ」をクリックし、ページに「検索」リージョンをドラッグします。

  3. 「パッチ検索」ページで、詳細を表示するパッチをクリックします。

  4. パッチ詳細ページで、「計画に追加」「既存に追加」の順にクリックし、パッチを追加する計画を選択します。

    選択したパッチと、そのパッチが関連付けられているターゲットが既存の計画に追加されます。

42.6.8 パッチを適用するルート・コンポーネントの手動によるステージング

Oracle Databaseターゲットにパッチを適用するには、管理エージェント・ユーザーは、rootユーザーとして、perl、patching_root_dispatcher.sh、root_dispatcher.shおよびidエンティティを実行できる必要があります。これらのエンティティは、パッチを適用するルート・コンポーネントの一部を構成しています。

Oracle Databaseターゲットにパッチを適用中に、パッチを適用するルート・コンポーネントは、デフォルトで、(%emd_emstagedir%によって定義される場所で)自動的にターゲット・ホストにステージングされます。ただし、パッチ・プロセスを開始する前に、パッチを適用するルート・コンポーネントをカスタムの場所に手動でステージングする場合は、次の手順に従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「ソフトウェア・ライブラリ」の順に選択します。

  2. Patching/Common/DB/All/Generic/Componentsに移動します。

  3. 「アクション」メニューから「ルート・コンポーネント」を選択し、「ステージング・エンティティ」を選択します。

  4. ホスト(パッチを適用するルート・コンポーネントをステージングする場所)、およびディスパッチャの場所、つまり、パッチを適用するルート・コンポーネントのステージング先として指定したホストの場所を指定します。「発行」をクリックして、パッチを適用するルート・コンポーネントを手動でステージングします。


    重要:

    パッチを適用するルート・コンポーネントをカスタムの場所で手動でステージングする前に、パッチを適用するユーザーに、カスタムのパッチ・ディスパッチャの場所およびpatching_root_dispatcher.shに対する読取りおよび実行権限が付与されていることを確認します。


  5. パッチ・ディスパッチャの場所にrootComponent/component/patchingサブディレクトリを作成します。

  6. patching_root_dispatcher.shを除くすべてのファイルをディスパッチャの場所から<dispatcher_location>/rootComponent/component/patchingにコピーします。


注意:

パッチを適用するルート・コンポーネントを手動でステージングした後、必要なOracle Databaseパッチを適用するために作成するパッチ計画にこれを指定する必要があります。作成したパッチ計画の「デプロイ・オプション」ページにアクセスします。「ステージングの場所」セクションで、「ルート・コンポーネントのステージング」「いいえ(ステージ済)」を選択し、パッチを適用するルート・コンポーネントを手動でステージングしたディスパッチャの場所を指定します。ディスパッチャが共有の場所である場合、「共有のディスパッチャの場所」を選択します。

42.6.9 パッチ適用のためのルート・ユーザー・アクセスの制限

Enterprise Manager Cloud Control 12c リリース4 (12.1.0.4)では、管理エージェント・ユーザーに対する制限されたrootアクセス権を指定できるため、管理エージェント・ユーザーがrootとして実行できるコマンドは、すべてのコマンドではなく特定のコマンドのみとなります。これを実行するには、etc/sudoersポリシー・ファイルを編集します。

Oracle Databaseターゲットにパッチを適用するには、管理エージェント・ユーザーは、rootユーザーとして、perl、patching_root_dispatcher.sh、root_dispatcher.shおよびidエンティティを実行できる必要があります。これらのエンティティは、パッチを適用するルート・コンポーネントの一部を構成しています。

制限されたrootアクセス権を管理エージェント・ユーザー(aime)に指定して、このユーザーがperl、patching_root_dispatcher.sh、root_dispatcher.shおよびidエンティティのみをrootユーザーとして実行できるようにするには、etc/sudoersファイルを次のコンテンツが含まれるように編集します。

Cmnd_Alias <command_alias> = \
      <agent_home>/sbin/nmosudo DEFAULT_PLUGIN DEFAULT_FUNCTIONALITY DEFAULT_SUBACTION DEFAULT_ACTION perl *, \
      <agent_home>/sbin/nmosudo DEFAULT_PLUGIN DEFAULT_FUNCTIONALITY DEFAULT_SUBACTION DEFAULT_ACTION <dispatcher_loc>/patching_root_dispatcher.sh *,\
      <agent_home>/sbin/nmosudo DEFAULT_PLUGIN DEFAULT_FUNCTIONALITY DEFAULT_SUBACTION DEFAULT_ACTION <dispatcher_loc>/root_dispatcher.sh *,\
      <agent_home>/sbin/nmosudo DEFAULT_PLUGIN DEFAULT_FUNCTIONALITY DEFAULT_SUBACTION DEFAULT_ACTION id
 
aime ALL=(root) <command_alias>
root ALL=(ALL) ALL

<command_alias>は、aimerootとして実行できるエンティティを説明するエイリアスを表します。

<agent_home>は、管理エージェントのホームを表します。

<dispatcher_loc>は、パッチを適用するルート・コンポーネントがステージングされるパッチ・ディスパッチャの場所を表します。デフォルトでは、パッチを適用するルート・コンポーネントは、%emd_emstagedir%で自動的にステージングされます。自動ステージングにカスタムの場所を選択した場合、または(第42.6.9項の説明に従って)パッチを適用するルート・コンポーネントをカスタムの場所に手動でステージングした場合、<dispatcher_loc>にこの場所を指定していることを確認してください。または、デフォルトの場所、つまり%emd_emstagedir%を指定します。

42.6.10 パッチ競合の解決

パッチ計画のパッチが、相互に競合しているか、Oracleホームのパッチと競合している場合、次のいずれかの方法を実行して競合を解決できます。

  • 競合している各パッチのマージ・パッチをリクエストします。これを実行するには、検証ページの「パッチのリクエスト」をクリックします。

  • Oracleホームで競合しているパッチをロールバックし、受信パッチを強制的に適用します。これを実行するには、「デプロイメント・オプション」ページの拡張パッチ・オプション・セクションで、「競合解決」リストから受信パッチの強制適用を選択します。

  • 競合しているパッチをスキップします。これを実行するには、「デプロイメント・オプション」ページの拡張パッチ・オプション・セクションで、「競合解決」リストから「競合するパッチのスキップ」を選択します。

42.6.11 パッチ適用操作の結果の分析

一定期間にわたって実行したパッチ適用操作の結果を分析する場合は、EMデプロイ可能なパッチ計画実行サマリーを実行します。このレポートには、過去に保持していたデプロイ可能な計画とデプロイ不可能な計画の数と、デプロイ可能な計画の内訳(成功と失敗の数、分析済とデプロイ済の数など)が表示されます。

EMデプロイ可能なパッチ計画実行サマリー・レポートを実行するには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「レポート」「情報パブリッシャ・レポート」の順に選択します。

  2. 「情報パブリッシャ・レポート」ページの表で、「デプロイおよび構成」「パッチ適用の自動化レポート」の順に開き、「EMデプロイ可能なパッチ計画実行サマリー」を選択します。

42.6.12 パッチ適用デプロイメント・プロシージャのカスタマイズ

この項では、パッチ適用デプロイメント・プロシージャをカスタマイズする方法について説明します。一般的なデプロイメント・プロシージャのカスタマイズ方法は、第51章を参照してください。この章では、カスタマイズの概要、デプロイメント・プロシージャの様々なカスタマイズ方法などについて詳しく説明しています。

デフォルトでは、パッチ計画では、Oracleが提供する静的なデプロイメント・プロシージャ、または動的に生成されるOPlanベースのデプロイメント・プロシージャを使用してパッチを適用します。これらの両方の種類のデプロイメント・プロシージャをカスタマイズできます。この項の内容は次のとおりです。

42.6.12.1 静的パッチ適用デプロイメント・プロシージャのカスタマイズ

デフォルトの静的なデプロイメント・プロシージャをカスタマイズし、ターゲットへのパッチ適用に使用するには、次の手順に従います。

  1. 「デプロイ・オプション」ページにアクセスします。

  2. 「カスタマイズ」セクションで、「類似作成および編集」をクリックします。

  3. デプロイメント・プロシージャを編集し(デプロイメント・プロシージャに、手動ステップを追加することもできます)、一意のカスタムの名前で保存します。

    デプロイメント・プロシージャの編集および保存方法は、第51.2項を参照してください。

  4. カスタマイズされたデプロイメント・プロシージャを使用するには、「デプロイ・オプション」ページの「カスタマイズ」セクションに戻り、カスタマイズしたデプロイメント・プロシージャを選択します。

    カスタマイズしたデプロイメント・プロシージャを編集する場合は、「カスタマイズ」セクションで、カスタマイズしたデプロイメント・プロシージャを選択し、「カスタマイズ」をクリックします。

42.6.12.2 動的パッチ適用デプロイメント・プロシージャのカスタマイズ

動的に生成されたデプロイメント・プロシージャをカスタマイズし、ターゲットへのパッチ適用に使用するには、次の手順に従います。

  1. 「デプロイ・オプション」ページにアクセスします。

  2. 「カスタマイズ」セクションで、「生成されたパッチ適用デプロイメント・プロシージャに追加されるカスタム・ステップの指定」を選択します。

    デプロイメント・プロシージャの各プレースホルダ・ステップでは、3つのカスタム・ステップ、ディレクティブ・ステップ(ソフトウェア・ライブラリに格納されたディレクティブを実行できる)、ホスト・コマンド・ステップ(パッチ・ターゲットでコマンド・スクリプトを実行できる)および手動ステップ(ユーザーに手動の手順を提供できる)を追加できます。

  3. プレースホルダ・ステップに追加するすべてのカスタム・ステップを選択し、「有効化」をクリックします。

    有効にしたカスタム・ステップを無効にするには、カスタム・ステップを選択し、「無効化」をクリックします。

  4. 追加するカスタム・ステップを選択し、「編集」をクリックします。

    選択したカスタム・ステップがディレクティブ・ステップの場合は、「カスタム・ステップの編集」ダイアログ・ボックスが表示され、実行するディレクティブの詳細を指定できます。新規ディレクティブまたは表示されているのとは異なるディレクティブを指定するには、「ディレクティブ名」の横に表示されているアイコンをクリックします。ソフトウェア・ライブラリに存在する必要なディレクティブを検索して選択し、「選択」をクリックします。「ディレクティブのプロパティ」セクションで、各ディレクティブ・プロパティに対して値を指定するか、変数(動的に生成されたデプロイメント・プロシージャで定義されます)を選択します。「資格証明」セクションで、「資格証明の使用方法」に対して、カスタム・ディレクティブ・ステップの実行に使用する必要のある資格証明を選択します。「OK」をクリックします。

    選択したカスタム・ステップがホスト・コマンド・ステップの場合は、「カスタム・ステップの編集」ダイアログ・ボックスが表示され、パッチ・ターゲットで実行するコマンド・スクリプトの詳細を指定できます。「スクリプト」に、パッチ・ターゲットで実行するコマンドを指定します。「インタプリタ」に、指定したコマンド・スクリプトの実行に使用する必要のあるインタプリタの完全パスを指定します。「資格証明の使用方法」で、カスタム・ホスト・コマンド・ステップの実行に使用する必要のある資格証明を選択します。「OK」をクリックします。

    選択したカスタム・ステップが手動ステップの場合は、「カスタム・ステップの編集」ダイアログ・ボックスが表示され、デプロイメント・プロシージャの実行中にユーザーに手動の手順を提供できます。「手順」で、ユーザーがこのカスタム・ステップで実行する必要のある手動タスクの手順を指定します。「OK」をクリックします。指定した手順は、デプロイメント・プロシージャのこのカスタム・ステップが実行されたときに表示されます。

  5. 有効にしたすべてのカスタム・ステップに対してステップ4を繰り返します。

42.6.13 ローリング・モードでのターゲットへのパッチ適用中のパッチ適用プロセスの一時休止

ローリング・モードでターゲットにパッチを適用する際は、各ノードにパッチが適用された後、パッチ適用デプロイメント・プロシージャの実行を一時休止することもできます。この機能は、パッチ適用プロセスを次のノードで開始する前にパッチ適用ノードがあるホストでクリーンアップを実行する場合、パッチがノードに正常に適用されるかを確認する場合などに便利です。


重要:

この機能は、Oracle Databaseプラグイン用に12.1.0.5 Enterprise Manager以上がデプロイされている場合のみ使用できます。

この機能を使用するには、次の手順を実行します。

  1. 第42.6.12.1項の説明に従って、カスタム静的デプロイメント・プロシージャを作成します。「類似作成プロシージャ」ページで「プロシージャ・ステップ」タブの「ユーザー確認の待機」オプションを選択し、「保存」をクリックします。

  2. ローリング・モードでターゲットにパッチを適用するためにパッチ計画を作成する際に、(「デプロイメント・オプション」ページの「カスタマイズ」タブでこのカスタム・デプロイメント・プロシージャを指定して)カスタム・デプロイメント・プロシージャを使用します。

    ノードにパッチが適用されると、パッチ適用デプロイメント・プロシージャは一時休止し、「プロシージャ・アクティビティ」ページから実行を再開できます。

42.6.14 パッチのロールバック

パッチをロールバックするには、新規パッチ計画を作成し、ロールバックする関連パッチを選択し、ロールバック・チェック・ボックスを選択します。これには次の手順を実行します。


注意:

ロールバック機能は、次のターゲットでサポートされています。
  • Oracle Management Agents

  • Oracle WebLogic Server

  • Oracle単一インスタンス・データベース

  • Oracle SOAインフラストラクチャ

  • Oracle Restart

  • Oracle RACデータベース

  • Oracle Grid Infrastructure

  • Oracle Exadataの一部であるOracle Grid Infrastructureターゲット


  1. Cloud Controlで、「エンタープライズ」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「パッチと更新版」をクリックします。

  2. パッチと更新版ページの「パッチ検索」領域に、ロールバックするパッチを入力します。

  3. 「パッチを計画に追加」ダイアログ・ボックスに計画の一意の名前を入力し、パッチをロールバックするすべてのターゲットを選択します。

  4. 「計画の作成」をクリックします。

  5. 「計画の作成」ウィザードで、「デプロイ・オプション」ページを選択します。

  6. デプロイメント・オプション・ページの、「パッチ適用方法」セクションで「ホーム内」を選択し、「ロールバック」セクションで「計画内のパッチをロールバックします」を選択します。「次へ」をクリックします。

  7. 検証ページで、「分析」をクリックして計画を検証します。分析が成功したら、「次へ」をクリックします。

  8. 「レビューおよびデプロイ」ページで、パッチ計画に対して指定した詳細を確認し、「ロールバック」をクリックして、計画に指定された対応するターゲットで選択済のパッチをロールバックします。

42.7 エンドツーエンド・ユースケース: データ・センターのパッチ適用

Enterprise Managerを使用してデータ・センター全体にパッチを公開する方法を説明するエンドツーエンド・ユースケースは、付録Eを参照してください。

42.8 サービス・プールとしてのデータベースのパッチ適用

サービス・プールとしてデータベースのパッチを適用するには、プール・メンテナンス・オプションを使用する必要があります。サービス・プールとしてデータベースのパッチを適用する方法の詳細は、『Enterprise Manager Cloud管理ガイド』の第18章「データベース・プールの保守」を参照してください。

また、エンタープライズ全体でソフトウェアを標準化して同種ソフトウェア構成を使用し、サブスクリプションに基づくソフトウェア・メンテナンスを実行するには、ソフトウェア標準化アドバイザ機能を使用します。