この章では、Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EM CLI)の次のトピックについて説明します。
EM CLIでは2つのインストール可能なキットを提供しています。
このキットでは標準モードのみサポートしています。
このキットでは3つのモードをすべてサポートしていますが、Jythonベースのスクリプトを指定できるのは対話モードとスクリプト・モードのみです。
EM CLIは、Enterprise Managerフレームワーク機能へのアクセスに使用される2つのコンポーネントで構成されています。
EM CLIクライアントは、特定のOracle Management Service (OMS)にEM CLI Verbを送信するコマンドライン・プログラム(Sun Java JREベース)です。EM CLIクライアントは、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールと同等のコマンドラインとして機能します。EM CLIクライアントは、管理対象のネットワーク内にある任意のシステムにダウンロードできます。
EM CLI Oracle Management Services (OMS)
EM CLI OMSは、OMSに自動的にインストールされ、EM CLIクライアントとOMS間の通信パイプの役目をはたします。
EM CLIクライアントは、管理対象のネットワーク内にある任意のシステムにダウンロードできます。EM CLIクライアントは、特定のOracle Management Service (OMS)にEM CLI Verbを送信するコマンドライン・プログラム(Sun Java JREベース)です。EM CLIクライアントは、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールと同等のコマンドラインとして機能します。EM CLI OMSは、OMSに自動的にインストールされ、EM CLIクライアントとOMS間の通信パイプの役目をはたします。
EM CLIの設定と実行の説明については、第2章「EM CLIのダウンロードとデプロイ」を参照してください。
注意: EM CLIでは、JRockit JVMをサポートしていません。 |
EM CLI OMSは、OMSに自動的にインストールされますが、EM CLIクライアントの部分はダウンロードして設定する必要があります。次の手順では、EM CLIクライアントのダウンロードについて説明します。EM CLIクライアント・キットは一般の人がアクセスして使用できますので、認証は必要ありません。
第1章で説明したように、EM CLIクライアントには、標準のEM CLIとスクリプト・オプション付きのEM CLIの2つのキットがあります。EM CLIスクリプト・オプションには、EM CLI標準キットにあるすべての機能に加えて、Jython用Jythonインタプリタ・スクリプトのサポート(第3章を参照)があります。
次の各項では、これら2つのキットのダウンロードおよびデプロイ方法について説明します。
EM CLIクライアントをダウンロードする前に、次のシステム要件を満たしていることを確認してください。
Enterprise Manager 12c Cloud Controlフレームワーク
Sun Java JREバージョン1.6.0_43以上
Solaris、Linux、HPUX、Tru64、AIX、またはNTFS対応のWindowsを実行するワークステーション
注意: EM CLIでは、JRockit JVMをサポートしていません。 |
標準EM CLIのみのEM CLIクライアントをダウンロードするには、次の手順を実行します。
次のいずれかの方法で、標準EM CLIクライアント・キットemclikit.jarを入手します。
このキットは、次の場所の12.1.0.3以降の任意のCloud Controlのインストール場所からダウンロードします。
https://<your_em_host:port>/em/public_lib_download/emcli/kit/emclikit.jar
次に例を示します。
wget --no-check-certificate https://<your_em_host:port>/em/public_lib_download/emcli/kit/emclikit.jar
このキットをCloud Controlコンソールからダウンロードします。
「設定」メニューの「コマンドライン・インタフェース」をクリックします。
「EM CLI Standard」セクションで 「EM CLIキットをワークステーションにダウンロードします。」というリンクをクリックします。
JAVA_HOME
環境変数を設定し、PATH
に含まれていることを確認します。Sun Java JRE 1.6.0_43以上を実行している必要があります。次に例を示します。
Linuxプラットフォーム:
setenv JAVA_HOME /usr/local/packages/j2sdk1.6.0_43
Windowsプラットフォーム:
C:\Users>set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_43
emclikit.jarを使用し、任意のディレクトリにEM CLI標準キットをインストールします。EM CLIがインストールされる場所はEM CLIホーム(またはEM CLIクライアント・ディレクトリ)と呼ばれます。
Enterprise Manager Cloud Controlバージョン12.1.0.4.0以降の場合:
Linuxプラットフォームでは、次を入力します。
$JAVA_HOME/bin/java -jar emclikit.jar -install_dir=<em_cli_home_dir>
Windowsプラットフォームでは、次を入力します。
%JAVA_HOME%\bin\java -jar emclikit.jar -install_dir=<em_cli_home_dir>
Enterprise Manager Cloud Controlバージョン12.1.0.4.0より前の場合:
Linuxプラットフォームでは、次を入力します。
$JAVA_HOME/bin/java -jar emclikit.jar client
-install_dir=<em_cli_home_dir>
Windowsプラットフォームでは、次を入力します。
%JAVA_HOME%\bin\java -jar emclikit.jar client
-install_dir=<em_cli_home_dir>
EM CLIがインストールされている<em_cli_home_dir>ディレクトリに移動し、特定のOMS用にEM CLIクライアントを構成するSetup Verbの使用方法を知るためにemcli help設定を実行します。
共有ディレクトリ環境の構成方法の詳細は、第2.2.4項「共有ディレクトリでのEM CLIの使用」を参照してください。
EM CLIのスクリプトまたは対話モードのデフォルトの動作は、永続しない、ディスクにユーザー・セッション情報をまったく格納しない独自のセッションを作成するために使用します。EM CLIをスクリプトまたは対話モードで設定した場合、-autologinまたは-trustallなどそのオプションに渡した値は新しいセッションで使用されます。EM CLIを設定していない場合またはこれらのオプションをsetup Verbで渡していない場合、スクリプトの実行前またはEM CLIを対話モードで起動する前にEM CLIクライアントのプロパティを設定する必要があります。
EM CLIを-autologinオプションで設定した場合、スクリプトは自動ログインしたユーザーとして実行されます。このスクリプトでは、Verb内でlogin()を使用せずにそれから直接関数として呼び出すことができます。
EM CLIを-autologinオプションを使用せずに設定した場合、login()関数を使用する必要があります。スクリプトでパスワードが引数として渡されない場合、スクリプトの実行中にパスワードを求められます。
-trustallオプションを使用してEM CLIを設定する場合、EMCLI_TRUSTALLまたはEMCLI_CERT_LOCは必要ありません。
標準EM CLI用および対話およびスクリプト対応EM CLI用にEM CLIクライアントをダウンロードするには、次の手順を実行します。
次のいずれかの方法で、EM CLIクライアント・キットemcliadvancedkit.jarを入手します。
このキットは、次の場所の12.1.0.3以降の任意のCloud Controlのインストール場所からダウンロードします。
https://<your_em_host:port>/em/
public_lib_download/emcli/kit/emcliadvancedkit.jar
次に例を示します。
wget --no-check-certificate https://<your_em_host:port>/em/
public_lib_download/emcli/kit/emcliadvancedkit.jar
このキットをCloud Controlコンソールからダウンロードします。
「設定」メニューの「コマンドライン・インタフェース」をクリックします。
スクリプト・オプション付きEM CLIセクションで 「スクリプト・オプション付きのEM CLIキットをワークステーションにダウンロードします。」というリンクをクリックします。
JAVA_HOME
環境変数を設定し、PATH
に含まれていることを確認します。Sun Java JRE 1.6.0_43以上を実行している必要があります。次に例を示します。
Linuxプラットフォーム:
setenv JAVA_HOME /usr/local/packages/j2sdk1.6.0_43
Windowsプラットフォーム:
C:\Users>set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_43
emcliadvancedkit.jarを使用して、スクリプト・モードでEM CLIをインストールします。EM CLIがインストールされる場所はEM CLIホーム(またはEM CLIクライアント・ディレクトリ)と呼ばれます。
Enterprise Manager Cloud Controlバージョン12.1.0.4.0以降の場合:
Linuxプラットフォームでは、次を入力します。
$JAVA_HOME/bin/java -jar emcliadvancedkit.jar
-install_dir=<em_cli_home_dir>
Windowsプラットフォームでは、次を入力します。
%JAVA_HOME%\bin\java -jar emcliadvancedkit.jar
-install_dir=<em_cli_home_dir>
Enterprise Manager Cloud Controlバージョン12.1.0.4.0より前の場合:
Linuxプラットフォームでは、次を入力します。
$JAVA_HOME/bin/java -jar emcliadvancedkit.jar client
-install_dir=<em_cli_home_dir>
Windowsプラットフォームでは、次を入力します。
%JAVA_HOME%\bin\java -jar emcliadvancedkit.jar client
-install_dir=<em_cli_home_dir>
EM CLIがインストールされている<em_cli_home_dir>ディレクトリに移動し、特定のOMS用にEM CLIクライアントを構成するsync Verbの使用方法を知るためにemcli help syncを実行します。
注意: デフォルトでは、スクリプト・モードでEM CLIを使用する場合、ユーザー・セッション情報はディスクには格納されません。Enterprise Manager向けに製品グレードのJythonモジュールを構築する目的に適した形で開発されています。EM CLIキットとともに出荷されているスクリプト・モードのreadme.txtファイルを参照してください。 |
同じEM CLIディレクトリに別のEnterprise Managerユーザーがアクセスしている場合の競合の問題を避けるには、次の構成が推奨されます。
次の例に示すとおりLinuxオペレーティング・システムのexportコマンドを使用して、EMCLI_OPTS環境変数を設定します。
export EMCLI_OPTS="-Duser.home=/home/user/cli -Demcli.state.dir=/home/user/cli"
これは環境変数なので、オペレーティング・システムに応じて、これをセッションで永続的に設定できます。
次の推奨事項を念頭に入れ、setupコマンドを起動します。
-dirオプションを使用してディレクトリ場所を定義してユーザーごとに別のEM CLI状態ディレクトリを使用します。
-verb_jars_dirオプションを使用してディレクトリ場所を定義してユーザーごとに別のverb jarsディレクトリを使用します。
次に例を示します。
$EMCLI_INSTALL_HOME/emcli setup -url=https://omsmachine.example.com:em_port/em -username="admin" -dir="/home/user/cli" -verb_jars_dir="/home/user/cli"
EM CLIクライアントをダウンロードしてインストールしたら、EM CLIを使用する準備は完了です。この時点で、インストール・ディレクトリの場所からEM CLIクライアントを実行できますが、かわりにインストール・ディレクトリの場所をPATH
に追加してもEM CLIクライアントを実行できます。
インストール直後は、基本的な操作Verbのみがインストールされています。
argfile: Verbとオプションが1つのファイルに含まれているEM CLI Verbを実行します。
help: EM CLI Verbのコマンドライン・ヘルプにアクセスします。
login: ログインしてOMSとのセッションを確立します。
logout - Enterprise ManagerのEM CLIクライアントからログアウトします。
setup: 特定のOMSとともに動作するようにEM CLIを構成します。
(このVerbに関する重要な情報については、第2.3.2項「OMSへのEM CLIクライアントの接続」を参照してください。)
status: EM CLI setupの詳細を示します。
sync: EM CLIクライアントとOMSを同期します。
version: EM CLI VerbのバージョンまたはEM CLIクライアントのバージョンをリストします。
EM CLIには、様々なレベルで役立つ総合的なコマンドライン・ヘルプが組み込まれています。ヘルプはどのEM CLIクライアントからも使用でき、使用可能なすべてのVerbのリスト、各Verbの概要、構文、使用例が表示されます。コマンドライン・ヘルプは、EM CLIの最も信頼できる情報ソースです。
Verbを標準モードで起動するには、Verbの前にemcliコマンドを配置します。たとえば、使用可能なすべてのVerbの概要に関するhelpを起動するには、次のコマンドの1つを入力します。
Linuxプラットフォーム:
./emcli help
Windowsプラットフォーム:
>.\emcli help
または、次のVerb名のコマンドを入力して、Verbの詳細な説明、Verbのパラメータとオプション、および使用例を表示します。
Linuxプラットフォーム:
./emcli help login
Windowsプラットフォーム:
>.\emcli help login
注意: EM CLIがインストールされているディレクトリをPATH環境変数に設定すると、./ (Linuxの場合)または.\(Windowsの場合)を使用することなく、EM CLIを実行できます。 |
対話モードでコマンドラインVerbにアクセスするには、まずEM CLIコマンド・プロンプトを起動する必要があります。
$>./emcli
Verbを起動するには、Verb名の後にカッコを付けます。たとえば、helpを起動するには次のコマンドを入力します。
emcli> help()
特定のVerbのヘルプを探すには、helpコマンドに一重引用符とカッコで囲んだVerbを付けて呼び出します。
emcli>help('login')
注意: スクリプト・モードおよび対話モードでは、setupおよびsyncコマンドは使用できません。 |
ヒント: EM CLI Clientのスクリプト・モードおよび対話モードでVerbを呼び出す方法の具体的な例については、拡張キットに同梱されたreadme.txtファイルをお読みください。 |
スクリプトを呼び出すには、まずEM CLIコマンド・プロンプトを起動する必要があります。
$>./emcli
スクリプトを実行するには、emcli
と入力し、次の例に示すようにスクリプトの場所を指定します(my_script.py
は有効なPythonスクリプトの完全なパスです)。
%emcli @my_script.py
注意: スクリプト・モードおよび対話モードでは、setupおよびsyncコマンドは使用できません。 |
ヒント: EM CLI Clientのスクリプト・モードおよび対話モードでVerbを呼び出す方法の具体的な例については、拡張キットに同梱されたreadme.txtファイルをお読みください。 |
EM CLI管理サービスを実行するOMSにEM CLIクライアントを接続するには、setup Verbを実行する必要があります。setup
を実行すると、利用可能なすべてのVerb関連コマンドライン・ヘルプがEM CLI管理サービスからインストールされます。EMCLIをスクリプト・オプション付きでインストールした場合、setupコマンドのかわりにsyncコマンドを使用できます。
1回のEM CLIクライアントのインストールによって、複数のOMSで動作できます。ただし、EM CLIは、いつでも特定のOMSで動作できます。どちらのシナリオでも、OMSごとにEM CLIクライアントを設定する必要があります。その後、特定のOMS用にEM CLIクライアント・ディレクトリとして指定したディレクトリにEMCLI_STATE_DIR環境変数を設定する必要もあります。
EM CLIクライアントをOMSに接続するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを入力するか、第5章「Verbリファレンス」で対応するVerbを参照して、setupおよびsync Verbとそのオプションの構文を理解します。
この例のように、最低限必要なパラメータを使用してsetup Verbを入力します。
コマンドラインEM CLI:
./emcli setup -url=http://omsmachine.example.com:em_port/em
-username=em_user
スクリプトおよび対話対応のEM CLI:
./emcli sync -url=http://omsmachine.example.com:em_port/em
-username=em_user -trustall
証明書をダウンロード済であれば、環境変数EMCLI_CERT_LOCを使用して指定できます。この場合、-trustallオプションは必要ありません。
注意: Enterprise Managerへのブラウザ経由のログインに使用しているURLを指定します。 |
手順1で確認したとおり、setup Verbには、次の重要なオプションを含むいくつかのオプションがあります。
-autologin
-noautologin
自動ログイン・モードでは、セッションがタイムアウトになると、EM CLIは自動的にログインします。デフォルトの非自動ログイン・モードでは、デフォルトのセッション・タイムアウト期間の45分間の間にEM CLIコマンドが実行されなかった場合、Verbを実行するには、login Verbを使用してログインする必要があります。
EM CLIクライアントがEM CLI管理サービスに接続した後にプロンプトが表示されたら、Enterprise Manager用のユーザー・パスワードを入力します。
setup
Verbの実行後、「Emcliの設定に成功しました」というメッセージが表示され、EM CLIを使用できるようになります。
HTTPプロキシ・サーバーからEM CLIを使用する場合は、必要なプロキシのホストおよびポート情報をEM CLIに提供する追加の環境変数(EMCLI_OPTS
)を設定する必要があります。この例では、WindowsおよびUNIXオペレーティング・システムでEMCLI_OPTS
環境変数を設定する方法を示します。
EM CLIでは、操作中に生成された情報メッセージとエラー・メッセージを記録するログ・ファイルが作成されます。この例のすべてのログが生成されるわけではありません。ログは必要に応じて作成および追加され、EM CLI.の起動の間保持されます。ログ・ファイルは、EM CLI操作に影響を与えることなく、いつでも安全に削除できます。ログを使用すると、実行時エラーのトラブルシューティングに役立ちます。
注意: デフォルトでは、.emcli.logは例外やエラーが発生したり、デバッグが有効の場合のみ生成されます。それ以外の場合、ファイルは存在しません。 |
この例では、ログ・ファイルが生成される場合の場所を示します。
<EM_CLI_Instance_Home>/.emcli.log <EM_CLI_Instance_Home>/.emcli.log.1
<EM_CLI_Instance_Home>
は、setup
Verbを最後に実行したときに-dir
オプションで指定されたディレクトリです(.emcli
というサブディレクトリが追加されます)。現在の<EM_CLI_Instance_Home>
ディレクトリは、設定サマリーを表示するsetup
Verbを実行することで確認できます。
ログ・ファイルは、最大0.5 MBに制限されています。EM CLIでは2つのログ・ファイルを切り替えて使用します。どちらかのファイルが0.5MBの上限に達するともう一方のファイルへの書込みが始まります。emcli.log.1
が初めて一杯になると、古い方のログ・ファイルが上書きされます。
この例では、ログ・ファイルが生成される場合の場所を示します。
setup
Verbの実行時に構成ディレクトリを指定しない(-dir
オプションを省略する)場合、.emcli
構成ディレクトリがユーザーのローカル・ホーム・ディレクトリ内にあるとみなされます。ログ・ファイルは.emcli
ディレクトリのルート・レベルに置かれます。.emcli
ディレクトリはローカルに置く必要があります(リモートへのマウントは不可)。
例2-4 setup Verbでローカル構成ディレクトリを指定する(-dir=<local directory>)
local.dir/.emcli/.emcli.log local.dir/.emcli/.emcli.log.1
この例では、構成ディレクトリは、setup
Verbの実行時に-dir
オプションを使用して指定されています。ユーザーのホーム・ディレクトリがリモートでマウントされている場合(たとえば、NFSを介して)に、この方法でローカル構成ディレクトリを指定できます。
環境変数として設定できる次の変数を使用して、ログ・ファイルのディレクトリとログ・レベルを必要に応じて指定できます。
EMCLI_LOG_LOC — ログ・ファイルのディレクトリを任意の場所に設定します。
EMCLI_LOG_LEVEL — ログ・レベルをあらかじめ設定します。許可されている値は降順で次のとおりです。
SEVERE(最上位レベル)
WARNING
INFO
CONFIG
FINE
FINER
FINEST(最下位レベル)
また、ログの記述をオフにするにはレベルOFF、すべてのメッセージのログの記録を有効にするにはレベルALLを使用します。
EM CLIが特定のOMSで動作するようにするには、setup Verbを実行してEM CLIを構成します。これは、この特定のOMSのための1回かぎりの操作です。
例2-5 CLIとEnterprise Manager間の認証
>emcli setup –url="http[s]://host:port/em" –username="<username>" [-trustall] [-novalidate] >please enter password:
setup
Verbをオプションなしで起動して、EM CLIクライアントからOMS接続情報を調べることができます。次に例を示します。
$ emcli setup Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4. Copyright (c) 1996, 2014 Oracle Corporation and/or its affiliates. All rights reserved. Instance Home : /private/emcli/setup/.emcli Verb Jars Home : /private/emcli/setup/.emcli EM URL : https://myomshost.us.example.com:5416/em EM user : user1 Trust all certificates : true Auto login : false
setupコマンドよりも詳細な情報が提供される、statusコマンドを起動することもできます。
$ emcli status Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4. Copyright (c) 1996, 2014 Oracle Corporation and/or its affiliates. All rights reserved. Instance Home : /private/emcli/setup/.emcli Verb Jars Home : /private/emcli/setup/.emcli Status : Configured EMCLI Home : /private/MWHome/oms/bin EMCLI Version : 12.1.0.4.0 Sun Java JRE Home : /private/MWHome/jdk16/jdk Sun Java JRE Version : 1.6.0_43 Log file : /private/emcli/setup/.emcli/.emcli.log EM URL : https://myomshost.us.example.com:5416/em EM user : sysman Auto login : false Trust all certificates : true
HTTPS接続ハンドシェイクのSSLサーバーによる認証フェーズ中のOMS認証では、EM CLIは次のキーストアで信頼できる証明書を検索します。
CONFIG_DIR/.emcli/.localkeystore user.home/.emcli/.keystore JRE_HOME/lib/security/cacerts
CONFIG_DIR
は、setup
Verbを最後に実行したときに-dir
オプションで指定されたディレクトリです(.emcli
というサブディレクトリが追加されます)。
Sun Java JREインストールのJRE_HOME
は、通常、JAVA_HOME/jre
です。
キーストアは、Sun Java JREのkeytool
コマンドで管理できます。このツールの詳細は、ご使用のSun Java JRE VMインストールのセキュリティ・マニュアルまたは(本文作成時点では)次のURLを参照してください。
http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/tooldocs/solaris/keytool.html
リストのキーストアの中には、存在しないものもあります。
次のいずれかの方法で、EM CLIに資格証明を提供できます。
使用時に資格証明を提供します。資格証明の詳細は、loginおよびlogout Verbを参照してください。
シェル・スクリプトからEM CLI Verbを実行する場合などのように、EM CLIクライアントを実行しているホスト・システムに資格証明を常時置いておきます。
注意: 資格証明の安全性は、OSのファイル・システムで保護するしかないので、資格証明を常時ホストに置いておくのは、ホストがセキュアなEM CLIクライアントの場合のみにしてください。また、EM CLIユーザーのホーム・ディレクトリがNFS上または安全性が確保されていないファイル・システムにマウントされている場合は、永続的な資格証明は使用しないでください。 |
EM CLIクライアントは、特定の構成ファイルと、Verbのクライアント側実装をEM CLIクライアント・システムにインストールします。EM CLIクライアントの構成ファイルには、OMS URL、Enterprise Managerユーザー名、Enterprise Managerパスワードなどの情報が含まれます。
デフォルトで、EM CLIクライアントはセキュア・モードで設定されています。このモードでは、EM CLIでEM CLIクライアント・ディスクにEnterprise ManagerまたはSSOパスワードが格納されません。emcli setup -noautologinコマンドは、セキュア・モードでEM CLIクライアントを設定します。デフォルトでは、-noautologinはtrueです。したがって、EM CLIクライアントをセキュア・モードで設定する場合は、これを指定する必要はありません。セキュア・モードでは、動作していないためにEM CLIセッションがタイムアウトになった場合、Verbを起動する前に、明示的なログイン(login Verbを使用)が必要です。
EM CLIをセキュアではない自動ログイン・モードで設定する場合、emcli setup -autologinコマンドを使用します。このモードでは、動作していないためにEM CLIセッションがタイムアウトになった場合、Verbを実行する必要があるときに、EM CLIは自動的にセッションを再確立します。ただし、emcli logoutを実行して明示的にログアウトした場合、emcli loginを使用して明示的に再度ログインする必要があります。
注意: -scriptオプションに関する次の情報をスクリプト・モードと混同しないでください。 |
スクリプトによるVerb出力を簡単に解析するために、出力データを生成するすべてのVerbに-script
オプションを使用できます。-script
オプションを使用すると、すべての出力列がタブで区切られ(NULL以外の値で)、すべての行は改行で区切られます。デフォルトの列と行のセパレータは、-scriptのかわりに
-format
オプションを使用して上書きできます。
[-script|-format="name:<format type>;column_separator:<separator_text>;row_separator:<separator_text>"]
サポートされている-format
オプションを、表2-1に示します。
表2-1 サポートされている-formatオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
出力を整形表示します。 |
|
|
|
Verb出力の列は |
|
Verb出力の行は |
|
Verb出力の列は |
|
列がカンマ、行が改行で区切られた表が生成されます。 |
-script
は、-format="name:script;column_separator:\u0009;row_separator:\u000A"
と同じです。
列と行のセパレータの値は、1つ以上の文字列として指定されます。どの文字も、Unicodeシーケンス\uXXXX
(X
は16進値)で表すことができます。
注意: ASCII文字セットは\u00XX
で表されます。XX
は00から7Fの値です。たとえば、タブ文字は\u0009
で、改行文字は\u000A
で表されます。
pretty
書式タイプには属性がありません。
script
モードでは、セパレータ文字列を含むVerb出力のセルがあった場合、その文字列のUnicode値に置き換えられ、出力の解析に必要なスクリプトが壊れるのを防ぎます。
script
は、セパレータを指定できる唯一の書式タイプです。
セパレータは単一の文字にせずに、この例に示すとおり、Unicodeシーケンスで分離された通常の文字で指定することもできます。