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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1.0.1)
B65084-03
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B コマンドの場所の検証

この章では、スタンドアロンのOracle Management Agent(管理エージェント)をインストールする前に検証する必要のあるプロパティ・ファイルとそのファイルに含まれるコマンドの場所について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。

プロパティ・ファイルの概要

管理エージェントをインストールするたびに、platformInfo.propertiesファイルで示されたプロパティ・ファイルが、特定のApplication Programming Interfaces(API)を正常に実行するために必要なコマンドのデフォルトの場所とともにロードされます。たとえば、ping実行可能ファイルなどです。この項では、このようなプロパティ・ファイルについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

platformInfo.propertiesファイルからロードされるプロパティ・ファイル

表B-1に、platformInfo.propertiesファイルからロードされるプロパティ・ファイルを示します。

表B-1 platformInfo.propertiesファイルからロードされるプロパティ・ファイル

ロード順序 プロパティ・ファイル名 タイプ 説明

1

Paths.properties

汎用

このファイルにリストされているコマンドを実行するたびに渡される必要がある引数が含まれます。

2

sPaths.properties

汎用

オペレーティング・システムに関係なく、実行する必要のあるすべてのコマンドのパスが含まれます。

3

ssPaths_<platform>.properties

オペレーティング・システム固有

特定のオペレーティング・システムに対して実行する必要のあるコマンドが含まれます。たとえば、ssPaths_linux_zseries64.propertiesです。

Microsoft Windowsの場合、Cygwinバイナリのパスは、ssPaths_msplats.propertiesファイルにハードコードされています。Cygwinをc:\cygwin(デフォルトの場所)以外の場所にインストールすると、管理エージェントのインストールが失敗する可能性があります。この問題を解決するには、Cygwinをデフォルトのディレクトリ(c:\cygwin)にインストールするか、Cygwinバイナリへの正しいパスを使用してこのプロパティ・ファイルを更新する必要があります。

4

userPaths.properties

汎用

コマンド・パスを指定するために使用されるすべての変数が含まれます。使用する変数はコメント解除して、適切な値を指定する必要があります。


次の点に留意してください。

  • platformInfo.propertiesファイル内に示されているプロパティ・ファイルは、昇順に1つずつロードされます。これによって、ロードされる最後のファイルで指定されているコマンドの場所により、前にロードされたプロパティ・ファイル内の同じキーに指定されている値が上書きされます。

    たとえば、spaths.propertiesssPaths.propertiesの前にロードされます。sPaths.propertiesファイル内で、ping実行可能ファイルのデフォルトの場所がusr/bin/pingで、ssPaths.propertiesファイル内の同じ実行可能ファイルの場所がusr/sbin/pingの場合、後者のファイルの値が前のファイルより優先されます。

  • その他のコマンド変数を含める場合、次のいずれかを実行できます。

    • sPaths.propertiesssPaths_<platform>.propertiesまたはuserPaths.propertiesで追加コマンドの変数を指定します。

    • 追加のコマンド変数を使用して新規プロパティ・ファイルを作成します。その新規のプロパティ・ファイルの名前をplatforminfo.propertiesで指定します。

ロードされるその他のプロパティ・ファイル

表B-2は、ロードされるその他のプロパティ・ファイルを示しています。

表B-2 ロードされるその他のプロパティ・ファイル

プロパティ・ファイル名 タイプ 説明

system.properties

汎用

アプリケーションの動作やパフォーマンスの制御に役立つプロパティが含まれています。たとえば、次のプロパティが含まれます。

  • oracle.system.prov.threadpoolsize

    アプリケーションで作成され、宛先ホスト上で並行してコマンドを実行するスレッド数。設定されるデフォルトのスレッド・プール・サイズの値は32です。このプロパティでスレッド・プール・サイズに適切な値を指定できます。

  • oracle.sysman.prov.threadpoolmaxsize

    ワークロードによって動的に増加するスレッド数。アプリケーションで使用されるデフォルト値は256です。このプロパティでスレッド・プール・サイズに適切な最大値を指定できます。

ignoreMessages.txt

汎用

設定で無視できることがわかっているエラー・メッセージがエラー・ストリームに表示される場合、ignoreMessages.txtファイルでこれらのメッセージを更新できます。

一般に、コマンドを実行した際のエラー・ストリームにデータが含まれている場合、コマンドが失敗したことを示しています。ただし、エラー・ストリーム内のデータは必ずしもエラーに対応していません。このため、エラー・メッセージを無視するには、これらのメッセージ(バナーを含む)をignoreMessages.txtファイルに追加する必要があります。

たとえば、リモート・ホストで/usr/local/bin/sudoを実行する場合、エラー・ストリームに次のメッセージが書き込まれます。このようなエラー・メッセージをignoreMessages.txtファイルに追加できます。

Administrator. It usually boils down to these two things:#1) Respect the privacy of others.#2) Think before you type.Password:

これは単なる警告で、実行したコマンドの失敗を示すものではありません。



注意:

これらのファイルのデータ形式では、1行につき1つのプロパティのみを制御します。プロパティ値は、variable=valueの形式で指定する必要があります。

コマンドの場所の検証

プロパティ・ファイルで指定されるデフォルトのコマンドの場所は、ホストとオペレーティング・システム間で異なる場合があります。したがって、管理エージェントをインストールする前にコマンドの場所を検証することが重要です。

コマンドの場所を検証する手順は次のとおりです。

  1. OMSホームの次の場所にあるplatformInfo.propertiesファイルにアクセスし、プラットフォームに対して検証が必要なプロパティ・ファイルを記録します。

    $<OMS_HOME>/oui/prov/resources

  2. 手順(1)で記録したプロパティ・ファイルにアクセスし、次の変数に記載されたコマンドの場所が、OMSホストの有効な場所と一致していることを検証します。

    • SSH_PATH

    • SCP_PATH

    • SH_PATH

    • PING_PATH

  3. 手順(1)で記録したプロパティ・ファイルにアクセスし、次の変数に記載されたコマンドの場所が、宛先ホストの有効な場所とも一致していることを検証します。

    • SCP_PATH

    • SH_PATH

    • SSH_PATH

    • CHMOD_PATH

    • MKDIR_PATH

    • RM_PATH