Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 12cリリース1 (12.1.0.1) B65085-03 |
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この章では、.rpm
ファイルを使用してOracle Management Agent (管理エージェント)をインストールする方法について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
.rpm
ファイルを使用した管理エージェントのインストールでは、主に管理エージェントのサイレント・インストールを実行します。この方法では、.rpm
ファイルを宛先ホストの一時ディレクトリにダウンロードして、レスポンス・ファイルを使用しないで宛先ホストに直接インストールします。宛先ホストに直接インストールするので、少数の管理エージェントを1つずつインストールするのに最も適しています。
インストールが完了すると、エージェント・ベース・ディレクトリに次のデフォルトの内容が含まれています。
<agent_base_directory> |_____core |_____12.1.0.1.0 |_____plugins |_____agent_inst |_____sbin |_____plugins.txt |_____agentimage.properties
注意: .rpm ファイルを使用すると、ベア・メタル・ホストのオペレーティング・システムのプロビジョニング中に管理エージェントをインストールすることもできます。詳細は、Oracle Enterprise Managerのソフトウェアとサーバーのプロビジョニングとパッチ適用についての管理者ガイド を参照してください。このガイドは、次の場所のEnterprise Managerドキュメント・ライブラリから入手できます。
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注意: 管理エージェントを別のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合、まず、管理エージェントとプラグインをアンインストールし、新しいOracle Management Serviceを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合に行われます。 |
管理エージェントをインストールする前に、次の点に留意してください。
OMSホストから管理エージェント・ソフトウェアを入手して、インストール用に宛先ホストに転送します。管理エージェント・ソフトウェアは、インストールに必要なコア・バイナリ、編集して渡すレスポンス・ファイルおよびconfigure.pl
スクリプトを含みます。
デフォルトでは、OMSホストは、OMSを実行しているプラットフォームの管理エージェント・ソフトウェアを含みます。たとえば、OMSホストがLinux x86である場合、デフォルトで使用できる管理エージェント・ソフトウェアは、Linux x86用のみです。
OMSが実行されているプラットフォームとは異なるプラットフォームに管理エージェントをインストールする場合は、自己更新コンソールを使用して必要なプラットフォームのソフトウェアをダウンロードしてください。
自己更新とそれを使用したソフトウェアのダウンロード方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の自己更新に関する章を参照してください。
一度に1つのホストにのみインストールできるので、少数のホストにのみインストールする場合はこの方式を使用してください。
インストール・プロセスの一部としてインストール前スクリプトまたはインストール後スクリプトを実行できません。インストールの終了後、手動で実行できます。
デフォルトでは、.rpm
ファイルは、次のタイプのプラグインのみ構成します。
管理エージェント・ソフトウェアがデプロイされているOMSで構成されたすべての検出プラグイン
Oracleホームの検出プラグイン
Oracleホームの監視プラグイン
2つの管理エージェントを同じホストにインストールしないでください。OMSとの通信が中断されます。
管理エージェントをインストールする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。
表6-1 RPMファイルを使用してOracle Management Agentをインストールするための前提条件
要件 | 説明 |
---|---|
ハードウェアの要件 |
ハード・ディスク領域および物理メモリー要件を満たしていることを確認します。詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のハードウェア要件に関する章を参照してください。 |
オペレーティング・システム要件 |
My Oracle Supportで使用できるEnterprise Manager Certification Matrixに示されている動作保証済オペレーティング・システムにのみ管理エージェントをインストールしていることを確認します。 このマトリックスにアクセスするには、次の手順に従います。
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すべてのオペレーティング・システム固有のパッケージをインストールしていることを確認します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのパッケージ要件に関する章を参照してください。 |
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管理エージェントのインストール先のホストに適切なユーザーおよびオペレーティング・システム・グループが作成されていることを確認します。 詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成に関する章を参照してください。 |
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タイムゾーン要件 |
ホストのタイムゾーンが正しく設定されていることを確認します。ホストのタイムゾーンを確認するには、次のコマンドを実行します。
表示されたタイムゾーンが正しくない場合は、
たとえば、Bashシェルで、タイムゾーンをAmerica/New_Yorkに設定するには、次のコマンドを実行します。
使用できるタイムゾーンは 注意: 管理エージェントのインストール中に間違ったタイムゾーンの設定に関する前提条件チェックの警告を無視した場合、管理エージェントのインストール後、ホストで正しいタイムゾーンを設定する必要があります。インストール後のタイムゾーンの設定の詳細は、インストール後の作業に関する項を参照してください。 |
パス検証の要件 |
すべてのコマンドの場所へのパスを検証します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのコマンド場所の検証に関する付録を参照してください。 |
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実行可能ファイルがコピーされる一時ディレクトリに、400MBの領域が割り当てられていることを確認します。 デフォルトでは、環境変数 |
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エージェント・ベース・ディレクトリの要件 |
インストールしているユーザーがエージェント・ベース・ディレクトリを所有していることを確認します。 ディレクトリ名に空白が含まれていないことを確認します。 インストールしているユーザーまたはルート・ユーザーがすべての親ディレクトリを所有していることを確認します。ルート・ユーザーがルート・ディレクトリを所有していることを確認します。 たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが エージェントのベース・ディレクトリがマウントされている場合、 |
権限要件 |
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ポート要件 |
「使用されるデフォルト・ポート」で説明されているデフォルトのポートを使用できることを確認します。 |
インストール・ユーザーの要件 |
中央インベントリ所有者と管理エージェントをインストールするユーザーが異なる場合、両者が同じグループに属していることを確認します。 また、インベントリ所有者と所有者が属するグループに中央インベントリに対する読取りおよび書込み権限があることも確認します。 たとえば、インベントリ所有者がabcで、管理エージェントをインストールするユーザーがxyzの場合、abcとxyzが同じグループに属し、双方が中央インベントリに対する読取りおよび書込みアクセスを持っていることを確認してください。 |
中央インベントリ(oraInventory)の要件 |
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.rpm
ファイルを使用して管理エージェントをインストールするには、次の手順を実行します。
OMSホストで、OMSホームからEMCLIクライアントにログインします。各OMSインストールでEMCLIクライアントをデフォルトで使用できるため、クライアントを個別にインストールする必要がありません。
$<OMS_HOME>/bin/emcli login -username=<username> -password=<password>
次に例を示します。
$<OMS_HOME>/bin/emcli login -username=sysman -password=2benot2be
$<OMS_HOME>/bin/emcli sync
管理エージェント・ソフトウェアがOMSホストで使用できるプラットフォームを特定します。
$<OMS_HOME>/bin/emcli get_supported_platforms
このコマンドは、管理エージェント・ソフトウェアがOMSホストで使用できるすべてのプラットフォームをリストします。例6-1は、コマンドの出力例を示しています。
例6-1 異なるプラットフォームで使用できるソフトウェアを示す出力
--------------------------------------------------- Version = 12.1.0.1.0 Platform Name = Linux x86 --------------------------------------------------- Version = 12.1.0.1.0 Platform Name = Oracle Solaris on x86-64 (64-bit) --------------------------------------------------- Version = 12.1.0.1.0 Platform Name = HP-UX PA-RISC (64-bit) ---------------------------------------------------
管理エージェントをインストールするプラットフォームの出力が示されている場合、次の手順に進みます。それ以外の場合は、自己更新コンソールを使用して、必要なプラットフォームのソフトウェアをダウンロードします。
自己更新とそれを使用したソフトウェアのダウンロード方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の自己更新に関する章を参照してください。
Oracleソフトウェア・ライブラリからOMSホストの一時ディレクトリに管理エージェントの.rpm
ファイルをダウンロードします。
$<OMS_HOME>/bin/emcli get_agentimage_rpm -destination=<download_directory> -platform="<platform>" -version=<version>
次に例を示します。
./emcli get_agentimage_rpm -destination=/tmp -platform="Linux x86" -version=12.1.0.1.0
注意: コマンドでは、次のことに注意してください。
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このコマンドは、入力した宛先ディレクトリにコア管理エージェントの.rpm
ファイルをダウンロードします。たとえば、oracle-agt-12.1.0.1.0-1.0.i386.rpm
などです。
ダウンロードした.rpm
ファイルを管理エージェントをインストールする宛先ホストの一時ディレクトリ(/tmp
)に転送します。任意のFTPソフトウェアを使用して、ファイルを転送できます。たとえば、FileZillaなどです。
宛先ホストで、rootユーザーとして.rpm
ファイルを実行して、管理エージェントをインストールします。
rpm -ivh <download_directory>/<rpm_file>
次に例を示します。
rpm -ivh /tmp/oracle-agt-12.1.0.1.0-1.0.i386.rpm
注意: コマンドの出力内容は次のとおりです。Preparing... ########################################### [100%] Running the prereq 1:oracle-agt ########################################### [100%] Follow the below steps to complete the agent rpm installation: 1. Edit the properties file: /usr/lib/oracle/agent/agent.properties with the correct values 2. Execute the command /etc/init.d/config.pl |
表6-2の説明に従って、agent.properties
ファイルを編集します。次の場所にこのファイルがあります。
/usr/lib/oracle/agent/agent.properties
次のコマンドを実行して、インストールを完了します。
/etc/init.d/config.pl
注意: インストールが成功したにもかかわらず、前提条件エラー・ファイルに例外が含まれている場合、その例外トレースは無視できます。この問題は、操作でコレクション内にないキーを使用してコレクションから要素を取得しようとした場合に発生します。この例外は無視できます。 |
表6-2は、レスポンス・ファイルに含む必要がある様々なパラメータを示しています。
表6-2 RPMファイルを使用してOracle Management Agentをインストールするためのレスポンス・ファイルの作成
パラメータ | 説明 |
---|---|
s_OMSHost |
(必須)接続先のOMSのホスト名を入力します。 |
s_OMSPort |
(必須)アップロード・ポート(HTTPまたはHTTPS)を入力して、OMSと通信します。 |
AGENT_REGISTRATION_PASSWORD |
(必須)Enterprise Managerシステムを結合する新しい管理エージェントを登録するパスワードを入力します。 デフォルトでは、OMSと管理エージェント間の通信が保護され、システムの一部になる前にEnterprise Managerシステムを結合する新しい管理エージェントを認証する必要があります。ここで入力するパスワードは、新しい管理エージェントを認証するために使用されます。 |
agentUserName |
(必須)管理エージェントをインストールするユーザー名を入力します。 |
agentUserGroup |
(必須)管理エージェント・ユーザーが属す必要があるグループを入力します。 |
OraInvLoc |
(オプション)管理エージェント・ユーザーに書込み権限がある中央インベントリの絶対パスを入力します。 次に例を示します。
注意: このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。 |
BASEDIR |
(オプション)管理エージェントをインストールするエージェント・ベース・ディレクトリの絶対パスを入力します。 次に例を示します。
エージェント・ベース・ディレクトリのパスを入力しない場合、デフォルトで管理エージェントが次の場所にインストールされます。
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ORACLE_HOSTNAME |
(仮想ホストのみ)管理エージェントをインストールする仮想ホスト名を入力します。 |
管理エージェントのインストール後、次の手順を実行します。
管理エージェントのインスタンス・ホームに移動して次のコマンドを実行すると、管理エージェントが動作していることを確認するメッセージが表示されます。
$<INSTANCE_HOME>/bin/emctl status agent
注意: なんらかの理由で管理エージェントのステータスが停止中の場合、管理エージェントのインスタンス・ホームから次のコマンドを実行して、手動で管理エージェントを起動してください。
|
管理エージェントに移動して次のコマンドを実行すると、EMDアップロードが正常に完了したことを確認するメッセージが表示されます。
$<INSTANCE_HOME>/bin/emctl upload agent
すべてのプラグインが正常にインストールされたかどうかを確認します。これを行うには、管理エージェント・ホームから次のログ・ファイルにアクセスして、警告: プラグイン構成に失敗しましたという文を検索します。
$<AGENT_HOME>/cfgtoollogs/cfgfw/CfmLogger-<timestamp>.log
次に例を示します。
/u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/cfgtoollogs/cfgfw/CfmLogger-<timestamp>.log
文が見つかった場合、管理エージェント・ホームからAgentPluginDeploy.pl
スクリプトを実行して、問題を解決します。
$<AGENT_HOME>/perl/bin/perl <AGENT_HOME>/bin/AgentPluginDeploy.pl -oracleHome <AGENT_HOME> -agentDir <AGENT_BASE_DIR> -pluginIdsInfoFile <AGENT_BASE_DIR>/plugins.txt -action configure -emStateDir <AGENT_INSTANCE_HOME>
次に例を示します。
/u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/perl/bin/perl /u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/bin/AgentPluginDeploy.pl -oracleHome /u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/ -agentDir /u01/app/Oracle/ -pluginIdsInfoFile /u01/app/Oracle/plugins.txt -action configure -emStateDir /u01/app/Oracle/agent_inst
間違ったタイムゾーンの設定に関する前提条件チェックの警告を無視した場合、次の手順を実行します。
必要なホストの正しいタイムゾーンを設定します。
ホストのタイムゾーンを設定する方法の詳細は、表6-1のタイムゾーン要件に関する項目を参照してください。
ホストに存在する管理エージェントを削除します。
管理エージェントのアンインストールの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。
ホストに管理エージェントをインストールします。
デフォルトでは、ホストおよび管理エージェントは、監視のためにEnterprise Manager Cloud Controlコンソールに自動的に追加されます。ただし、そのホストで実行中のターゲットは、自動的に検出および監視されません。
その他のターゲットを監視するには、そのターゲットを、「自動検出の結果」ページ、「ターゲットの手動追加」ページまたは監視するターゲットに提供されている検出ウィザードを使用して、Enterprise Manager Cloud Controlに追加する必要があります。
Enterprise Manager Cloud Control,のターゲットの検出の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの管理者ガイドのターゲットの追加に関する章を参照してください。
注意: 管理エージェントを別のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合、まず、管理エージェントとプラグインをアンインストールし、新しいOracle Management Serviceを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合に行われます。 |