ヘッダーをスキップ
Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
12cリリース1 (12.1.0.1)
B65085-03
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

5 サイレント・モードでのOracle Management Agentのインストール

この章では、Oracle Management Agent (管理エージェント)をサイレント・モードでインストールする方法について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

概要

サイレント・モードの管理エージェントのインストールは、ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用してインストールする場合の代替方法です。ホスト・ターゲットの追加ウィザードでは、GUIが豊富な質問画面を使用して、すべてのインストール詳細を指定する必要がありますが、サイレント・モードでは、レスポンス・ファイルを使用してインストール詳細を指定し、そのレスポンス・ファイルに示された情報とデプロイメント・スクリプト(agentDeploy.sh、Windowsの場合はagentDeploy.bat)を使用して管理エージェントをホストにインストールする必要があります。

レスポンス・ファイルおよびデプロイメント・スクリプトは、管理エージェント・ソフトウェアの一部として使用できます。レスポンス・ファイルを作成するかわりに、デプロイメント・スクリプトの起動中に個別の引数として値を渡すこともできます。

サイレント・モードのインストールは、宛先ホストに追加の管理エージェントをインストールする場合に最も適していて、宛先ホスト自体からEnterprise Manager Cloud Controlコンソールでホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用する必要がありません。

インストールが完了すると、エージェント・ベース・ディレクトリに次のデフォルトの内容が含まれています。

<agent_base_directory>
    |_____core
         |_____12.1.0.1.0
    |_____plugins
    |_____plugins.txt
    |_____plugins.txt.status
    |_____agent_inst
    |_____sbin
    |_____agentimage.properties

注意:

管理エージェントを別のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合、まず、管理エージェントとプラグインをアンインストールし、新しいOracle Management Serviceを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合に行われます。

開始前

管理エージェントをインストールする前に、次の点に留意してください。

前提条件

管理エージェントをインストールする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

表5-1 サイレント・モードでOracle Management Agentをインストールするための前提条件

要件 説明

ハードウェアの要件

ハード・ディスク領域および物理メモリー要件を満たしていることを確認します。詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のハードウェア要件に関する章を参照してください。

ソフトウェアの要件

(Microsoft Windowsの場合)Cygwinが宛先ホストにインストールされていることを確認します。詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のCygwinのインストールに関する章を参照してください。

オペレーティング・システム要件

My Oracle Supportで使用できるEnterprise Manager Certification Matrixに示されている動作保証済オペレーティング・システムにのみ管理エージェントをインストールしていることを確認します。

このマトリックスにアクセスするには、次の手順に従います。

  1. My Oracle Supportにログインして、「動作保証」タブをクリックします。

  2. 「動作保証」ページの「動作保証検索」リージョンで、「製品」リストからEnterprise Manager Cloud Controlを選択します。

  3. 「リリース」リストから12.1.0.1.0を選択して、「検索」をクリックします。

    注意: Oracle Solaris 10を使用する場合、アップデート9以上がインストールされていることを確認します。インストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

    cat /etc/release

    次のような出力が表示されます。ここで、s10s_u6は、アップデート6がすでにインストールされていることを示しています。

    Solaris 10 10/08 s10s_u6wos_07b SPARC

パッケージの要件

すべてのオペレーティング・システム固有のパッケージをインストールしていることを確認します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのパッケージ要件に関する章を参照してください。

ユーザーおよびオペレーティング・システム・グループの要件

管理エージェントのインストール先のホストに適切なユーザーおよびオペレーティング・システム・グループが作成されていることを確認します。

詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成に関する章を参照してください。

/etc/hostsファイル要件

ホストの/etc/hostsファイルでIPアドレス、完全修飾名および短縮名が次の形式で使用されていることを確認します。

172.16.0.0 example.com mypc

タイムゾーン要件

ホストのタイムゾーンが正しく設定されていることを確認します。ホストのタイムゾーンを確認するには、次のコマンドを実行します。

echo $TZ

表示されたタイムゾーンが正しくない場合は、agentDeploy.shまたはagentDeploy.batスクリプトを実行する前に、次のコマンドを実行して正しいタイムゾーンを設定します。

  • Kornシェルの場合:

    TZ=<value>

    export TZ

  • BourneシェルまたはBashシェルの場合:

    export TZ=<value>

  • Cシェルの場合:

    setenv TZ <value>

たとえば、Bashシェルで、タイムゾーンをAmerica/New_Yorkに設定するには、次のコマンドを実行します。

export TZ='America/New_York'

使用できるタイムゾーンは<AGENT_HOME>/sysman/admin/supportedtzs.lstにリストされています。

注意: 管理エージェントのインストール中に間違ったタイムゾーンの設定に関する前提条件チェックの警告を無視した場合、管理エージェントのインストール後、ホストで正しいタイムゾーンを設定する必要があります。インストール後のタイムゾーンの設定の詳細は、インストール後の作業に関する項を参照してください。

SUDO要件

(UNIXのみ)rootとして/bin/shを起動するSUDO権限があることを確認します。

PATH環境変数要件

(Microsoft Windowsの場合)宛先ホストのPATH環境変数内でcygwinソフトウェアの場所が他のソフトウェアの場所よりも前に指定されていることを確認します。最初のエントリであることを確認した後、SSHデーモン(sshd)を両方のホストで再起動します。

パス検証の要件

すべてのコマンドの場所へのパスを検証します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのコマンド場所の検証に関する付録を参照してください。

CLASSPATH環境変数の要件

CLASSPATH環境変数の設定を解除します。インストールの完了後、常にこの変数を元の値にリセットできます。

ポート要件

「使用されるデフォルト・ポート」で説明されているデフォルトのポートを使用できることを確認します。

一時ディレクトリの領域要件

実行可能ファイルがコピーされる一時ディレクトリに、400MBの領域が割り当てられていることを確認します。

デフォルトでは、環境変数TMPまたはTEMPに設定されている一時ディレクトリの場所が適用されます。両方が設定されている場合、TEMPが適用されます。いずれも設定されていない場合、UNIXホストは/tmp、Microsoft Windowsホストはc:\Tempとしてデフォルト値が適用されます。

エージェント・ベース・ディレクトリの要件

エージェント・ベース・ディレクトリが空であることを確認します。

ディレクトリ名に空白が含まれていないことを確認します。

インストールしているユーザーがインストール・ベース・ディレクトリを所有していることを確認します。インストールしているユーザーまたはルート・ユーザーがすべての親ディレクトリを所有していることを確認します。ルート・ユーザーがルート・ディレクトリを所有していることを確認します。

たとえば、インストール・ベース・ディレクトリが/scratch/OracleHomes/agentで、インストールしているユーザーがoracleの場合、/scratch/OracleHomes/agentディレクトリはoraclescratchおよびOracleHomesディレクトリはoracleまたはrootユーザー、ルート・ディレクトリ(/)はrootユーザーが所有している必要があります。

エージェントのベース・ディレクトリがマウントされている場合、setuidがオンになってマウントされていることを確認します。

エージェント・インスタンス・ホームの要件

レスポンス・ファイルで指定するエージェント・インスタンス・ホームの場所が空であることを確認します。

権限要件

  • エージェント・ベース・ディレクトリが空であることを確認し、エージェント・ベース・ディレクトリにアクセスするすべてのユーザーがエージェント・ベース・ディレクトリまでのすべてのディレクトリの読取り権限および実行権限を持っていることを確認します。

    たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが/home/john/oracle/software/agent/の場合、主にhomejohnoraclesoftwareおよびagentのすべてのディレクトリに読取り権限および実行権限が必要です。

  • エージェント・インスタンス・ホームに対する書込み権限を持っていることを確認します。

  • 一時ディレクトリに対する書込み権限を持っていることを確認します。

インストール・ユーザーの要件

中央インベントリ所有者と管理エージェントをインストールするユーザーが異なる場合、両者が同じグループに属していることを確認します。

また、インベントリ所有者と所有者が属するグループに中央インベントリに対する読取りおよび書込み権限があることも確認します。

たとえば、インベントリ所有者がabcで、管理エージェントをインストールするユーザーがxyzの場合、abcxyzが同じグループに属し、双方が中央インベントリに対する読取りおよび書込みアクセスを持っていることを確認してください。

中央インベントリ(oraInventory)要件

  • 中央インベントリに100MBの領域が割り当てられていることを確認します。

  • Oracleインベントリ(oraInventory)が共有場所にないことを確認します。/etc/oraInst.locファイルを使用する場合、ここで指定されたインベントリの場所が共有場所を指し示していないことを確認します。指し示している場合、My Oracle Supportノート1092645.1に示されている手順に従って、共有されていない場所に変更します。

  • すべてのリモート・ホスト上のoraInventoryに対して読取り権限、書込み権限および実行権限があることを確認します。

    リモート・ホストのデフォルトのインベントリ(通常、/etc/oraInst.locファイルに示されている場所)にこれらの権限がない場合、表5-3の説明に従ってINVENTORY_LOCATIONまたは-invPtrLoc引数を使用してかわりのインベントリの場所のパスを入力してください。これらのパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされないことに注意してください。

エージェント・ユーザー・アカウント権限(Microsoft Windowsの場合)

(Microsoft Windowsの場合)Microsoft Windowsベースのオペレーティング・システム上に管理エージェントをインストールする場合、エージェント・ユーザー・アカウントに次を実行する権限があることを確認します。

  • オペレーティング・システムの一部として機能

  • 割当ての拡大

  • プロセス・レベル・トークンの置換え

  • バッチ・ジョブとしてログオン

エージェント・ユーザーにこれらの権限があることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 「ローカル セキュリティ設定」を起動します。

    「スタート」 メニューから「設定」をクリックし、「コントロール パネル」を選択します。「コントロール パネル」ウィンドウから「管理ツール」を選択し、「管理ツール」ウィンドウから「ローカル セキュリティ設定」を選択します。

  2. 「ローカル セキュリティ設定」ウィンドウのツリー構造から「ローカル ポリシー」を展開し、次に「ユーザー権利の割り当て」を展開します。

cmd.exeの権限(Microsoft Windowsの場合)

(Microsoft Windowsの場合)Microsoft Windowsベースのオペレーティング・システム上に管理エージェントをインストールする場合、バッチ・ジョブを実行するユーザー・アカウントにCmd.exeプログラムの読取りおよび実行権限を付与していることを確認します。これはMicrosoftからの制約事項です。

この制約事項、および権限を付与する方法の詳細は、次のMicrosoft WebサイトへのURLにアクセスしてください。

http://support.microsoft.com/kb/867466/en-us


インストール手順

サイレント・モードで管理エージェントをインストールするには、次の手順に従います。

  1. OMSホストで、OMSホームからEMCLIクライアントにログインします。各OMSインストールでEMCLIクライアントをデフォルトで使用できるため、クライアントを個別にインストールする必要がありません。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli login -username=sysman -password=<password>

    次に例を示します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli login -username=sysman -password=2benot2be


    注意:

    ユーザー名は、常にsysmanにする必要があります。他のユーザー名前を入力しないでください。

  2. EMCLIを同期化します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli sync

  3. 管理エージェント・ソフトウェアがOMSホストで使用できるプラットフォームを特定します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli get_supported_platforms

    このコマンドは、管理エージェント・ソフトウェアがOMSホストで使用できるすべてのプラットフォームをリストします。例5-1は、コマンドの出力例を示しています。

    例5-1 異なるプラットフォームで使用できるソフトウェアを示す出力

    ---------------------------------------------------
    Version = 12.1.0.1.0
    Platform Name = Linux x86
    ---------------------------------------------------
    Version = 12.1.0.1.0
    Platform Name = Oracle Solaris on x86-64 (64-bit)
    ---------------------------------------------------
    Version = 12.1.0.1.0
    Platform Name = HP-UX PA-RISC (64-bit)
    ---------------------------------------------------
    

    管理エージェントをインストールするプラットフォームの出力が示されている場合、次の手順に進みます。それ以外の場合は、自己更新コンソールを使用して、必要なプラットフォームのソフトウェアをダウンロードします。

    自己更新とそれを使用したソフトウェアのダウンロード方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の自己更新に関する章を参照してください。

  4. Oracleソフトウェア・ライブラリからOMSホストの一時ディレクトリに管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードします。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli get_agentimage -destination=<download_directory> -platform="<platform>" -version=<version>

    次に例を示します。

    ./emcli get_agentimage -destination=/tmp -platform="Linux x86" -version=12.1.0.1.0


    注意:

    コマンドでは、次のことに注意してください。
    • -destinationは、管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードするOMSホストのディレクトリです。この場所への書込み権限を持っていることを確認します。

      宛先ディレクトリの名前に2つ以上の用語が空白で区切られている場合は、二重引用符でディレクトリ名を囲んでください。

      たとえば、宛先ディレクトリの名前が/tmp/linux agentimageの場合、-destination="/tmp/linux agentimage"のように値を入力します。

    • -platformは、ソフトウェアをダウンロードするプラットフォームで、ソフトウェアをOMSホストで使用できる以前の手順で示されたプラットフォームのいずれかと一致する必要があります。

    • -versionは、ダウンロードする管理エージェント・ソフトウェアのバージョンで、オプションの引数です。この引数を渡さない場合、デフォルトのバージョンはOMSバージョンになります。


    このコマンドは、入力した宛先ディレクトリにコア管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードします。たとえば、Linux x86の場合、12.1.0.1.0_AgentCore_46.zipファイルが表示されます。このコア・ソフトウェアの内容の詳細は、「ダウンロードした管理エージェント・ソフトウェアの内容の理解」を参照してください。

  5. ダウンロードしたZIPファイルを管理エージェントをインストールする宛先ホストの一時ディレクトリ(/tmp)に転送します。任意のFTPソフトウェアを使用して、ファイルを転送できます。たとえば、FileZillaなどです。

  6. 宛先ホストで、UNZIPユーティリティを使用して、ZIPファイルの内容を抽出します。

    unzip /tmp/<software_zip_file> -d <software_extract_location>

    次に例を示します。

    unzip /tmp/12.1.0.1.0_AgentCore_46.zip -d /tmp/agtImg

  7. 表5-2の説明に従って、agent.rspレスポンス・ファイルを編集します。

    <software_extract_location>/agent.rsp

  8. デプロイメント・スクリプトを起動して、レスポンス・ファイルを渡します。

    <software_extract_location>/agentDeploy.sh AGENT_BASE_DIR=<absolute_path_to_agentbasedir> RESPONSE_FILE=<absolute_path_to_responsefile>


    注意:

    • レスポンス・ファイルを作成するかわりに、デプロイメント・スクリプトの起動中にすべての引数を明示的に渡す場合。

      ただし、必須の引数は、OMS_HOSTEM_UPLOAD_PORT,およびAGENT_REGISTRATION_PASSWORDです。

      次に例を示します。

      /tmp/agtImg/agentDeploy.sh AGENT_BASE_DIR=/scratch/agent12c OMS_HOST=example.com EM_UPLOAD_PORT=14511 AGENT_REGISTRATION_PASSWORD=2bornot2b

    • デプロイメント・スクリプトの起動中に引数を渡す場合、二重引用符でこれらの値を指定する必要はありません。ただし、レスポンス・ファイルで使用する場合、二重引用符で値を囲む必要があります(引数b_startAgentを除く)。

    • エージェント・ベース・ディレクトリおよびレスポンス・ファイル(またはインストール詳細の個別の必須引数)を渡す以外に、デプロイメント・スクリプトでサポートされている他のオプションも渡すことができます。詳細は、「agentDeploy.sh (agentDeploy.bat)でサポートされるオプションの理解」を参照してください。


  9. 要求された場合、ルート・スクリプトを実行します。詳細は、「インストール後」を参照してください。


注意:

インストールが成功したにもかかわらず、前提条件エラー・ファイルに例外が含まれている場合、その例外トレースは無視できます。この問題は、操作でコレクション内にないキーを使用してコレクションから要素を取得しようとした場合に発生します。この例外は無視できます。

レスポンス・ファイルの作成

表5-2は、レスポンス・ファイルに含む必要がある様々なパラメータを示しています。

表5-2 サイレント・モードでOracle Management Agentをインストールするためのレスポンス・ファイルの作成

パラメータ 説明

OMS_HOST

OMSホスト名を入力します。

たとえば、OMS_HOST="example.com"です。

EM_UPLOAD_PORT

アップロード・ポート(HTTPまたはHTTPS)を入力して、OMSと通信します。

たとえば、EM_UPLOAD_PORT="14511"などです。

AGENT_REGISTRATION_PASSWORD

Enterprise Managerシステムを結合する新しい管理エージェントを登録するパスワードを入力します。

デフォルトでは、OMSと管理エージェント間の通信が保護され、システムの一部になる前にEnterprise Managerシステムを結合する新しい管理エージェントを認証する必要があります。ここで入力するパスワードは、新しい管理エージェントを認証するために使用されます。

たとえば、AGENT_REGISTRATION_PASSWORD="Wel456come"などです。

AGENT_INSTANCE_HOME

すべての管理エージェント関連の構成ファイルを格納できる宛先ホストのディレクトリの場所を入力します。このパラメータには、次のいずれかを実行できます。

  • 空白のままにしておきます。

    この場合、デフォルトでは、agent_instというインスタンス・ディレクトリがエージェント・インストール・ベース・ディレクトリに作成されます。

    たとえば、インストール・ベース・ディレクトリが/john/oracle/の場合、デフォルトのインスタンス・ディレクトリは/john/oracle/agent_instです。

  • カスタム・ディレクトリの絶対パスを入力します。

    カスタムの場所を入力できますが、インスタンス・ベース・ディレクトリ内にインスタンス・ディレクトリを保持することをお薦めします。

    たとえば、AGENT_INSTANCE_HOME="/john/oracle/instance_dir/inst_mydir"などです。

AGENT_PORT

管理エージェント・プロセスを起動する空きポートを入力します。HTTPとHTTPSの両方に同じポートが使用されます。

たとえば、AGENT_PORT="1832"などです。

値を入力しない場合、3872または1830から1849の間の空きポートが適用されます。

b_startAgent

インストールして構成した後に管理エージェントを自動的に起動する場合、TRUEを入力します。それ以外の場合はFALSEを入力します。

たとえば、b_startAgent=TRUEなどです。

ORACLE_HOSTNAME

エージェントをインストールするホストの完全修飾ドメイン名を入力します。

たとえば、ORACLE_HOSTNAME="example.com"です。

s_agentHomeName

管理エージェント用に作成された表示するOracleホームの名前を入力します。

たとえば、s_agentHomeName="agent12gR1"などです。

s_agentServiceName 

カスタマイズされた管理エージェント・サービス名を入力します。このフィールドを空のままにすると、デフォルトはOracle+<oracle_home_name>+Agentになります。


agentDeploy.sh (agentDeploy.bat)でサポートされるオプションの理解

表5-3は、agentDeploy.shスクリプトでサポートされるオプションを示しています。Microsoft Windowsでは、これらのオプションはagentDeploy.batファイルで利用できます。

表5-3 agentDeploy.sh/agentDeploy.batでサポートされるオプションの理解

オプション 説明

-prereqOnly

前提条件チェックのみを実行します。実際に管理エージェントをインストールしないでください。

使用している環境が正常な管理エージェントのインストールのすべての前提条件チェックを満たしているかどうかを確認する場合、このオプションが便利です。

-ignorePrereqs

前提条件チェックの実行をスキップします。すでに-prereqOnlyオプションを使用して前提条件を確認し、ソフトウェア・バイナリをインストールするだけの場合に使用してください。

-invPtrLoc

インベントリ詳細を格納するOracle Inventoryディレクトリを考慮します。OraInventoryディレクトリの場所を含むoraInst.locファイルの絶対パスを入力します。

重要: このオプションの値を入力する場合、INVENTORY_LOCATIONオプションを使用しないでください。このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされないことにも注意してください。

INVENTORY_LOCATION

インベントリ詳細を格納するOracle Inventoryディレクトリを考慮します。OraInventoryディレクトリの絶対パスを入力します。

重要:

  • このオプションの値を入力する場合、-invPtrLocオプションを使用しないでください。

  • HPおよびSolarisプラットフォームに/var/opt/oracle/oraInst.locおよび他のすべてのUNIXプラットフォームに/etc/oraInst.locファイルをすでに使用している場合、このオプションを使用しないでください。

  • このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。

-help

コマンドライン・ヘルプを表示して、デプロイメント・スクリプトの使用方法を説明します。

-debug

エラーのデバッグおよび解決に役立つ詳細なデバッグ・メッセージを記録します。

-ignoreUnzip

管理エージェント・ソフトウェアのソフトウェア・バイナリの抽出をスキップします。バイナリを再コピーしないで使用できるバイナリを構成するだけの場合に使用してください。

-softwareOnly

ソフトウェア・バイナリのみをインストールして、インストールを構成しません。管理エージェントのソフトウェアのみのインストールを実行する場合に使用してください。詳細は、第9章を参照してください。

注意: ZIPファイルを使用してクローニングしている場合、このオプションは適用されません。

-configOnly

ソフトウェア・バイナリを構成して、ソフトウェア・バイナリをインストールしません。構成のみがコピーされたソフトウェア・バイナリに実行されるため、-softwareOnlyオプションを使用してソフトウェアのみのインストールを実行した場合に使用してください。詳細は、第9章を参照してください。

注意: ZIPファイルを使用してクローニングしている場合、このオプションは適用されません。

-forceConfigure

OMSを使用できない場合でも、強制的に管理エージェントを構成します。OMSをインストールする前に管理エージェントをインストールし、渡すレスポンス・ファイルのパラメータOMS_HOSTおよびEM_UPLOAD_PORTにそれぞれ示されている同じホストおよびポートに後でOMSをインストールする場合のみ、このオプションを使用してください。

このオプションを渡す場合、-configOnly,、-softwareOnlyおよび-prereqOnlyを渡さないでください。

注意: このオプションを渡すと、HTTP (保護されていない)通信を使用するために管理エージェントが構成されます。管理エージェントおよびOMS間のセキュアなHTTPS通信を確立するため、OMSが使用可能になった後に管理エージェントを手動で保護する必要があります。


ダウンロードした管理エージェント・ソフトウェアの内容の理解

表5-4は、管理エージェントをインストールする前にダウンロードするコア管理エージェント・ソフトウェアの内容を示しています。

表5-4 ダウンロードした管理エージェント・ソフトウェアの内容

ファイル 説明

12.1.0.1.0_PluginsOneoffs_<platform id>.zip

OMSとともにインストールされたすべての検出プラグイン、Oracleホームの検出プラグインおよびOracleホームの監視プラグインを含むプラグインZIPファイル。

agentcoreimage.zip

コア・エージェント・ビットおよびエージェントsetuidバイナリを含むアーカイブ済ZIPファイル。

agentDeploy.sh/agentDeploy.bat

管理エージェントをデプロイするために使用されるスクリプト。

unzip

ZIPファイルのアーカイブを解除するために使用されるユーティリティ。

Agentimage.properties

バージョンやプラットフォームIDなどを取得するために使用されるプロパティ・ファイル。

agent.rsp

管理エージェントをインストールするために編集して渡すレスポンス・ファイル。


インストール後

管理エージェントのインストール後、次の手順を実行します。

  1. (UNIXオペレーティング・システムのみ)プロンプトが表示されたら、rootユーザーとして次のスクリプトを実行します。SUDO権限を持っていない場合、SUDO権限を持つ管理者にこれらのスクリプトの実行を依頼してください。

    • これがホストにインストールした最初のOracle製品である場合、oraInstroot.sh (Windowsの場合はoraInstroot.bat)スクリプトを、管理エージェント・ホームで使用可能なoraInst.locファイルで指定されたインベントリの場所から実行します。

      たとえば、oraInst.locファイルで指定されたインベントリの場所が$HOME/oraInventoryである場合、次のコマンドを実行します。

      $HOME/oraInventory/oraInstRoot.sh


      注意:

      自身がrootユーザーではない場合、SUDOを使用して、rootユーザーに変更してください。たとえば、次のようなコマンドを実行します。

      /usr/local/bin/sudo $HOME/oraInventory/oraInstRoot.sh


    • 管理エージェント・ホームからroot.sh (Microsoft Windowsの場合はroot.bat)スクリプトを実行します。

      $<AGENT_HOME>/root.sh


      注意:

      自身がrootユーザーではない場合、SUDOを使用して、rootユーザーに変更してください。たとえば、次のようなコマンドを実行します。

      /usr/local/bin/sudo $<AGENT_HOME>/root.sh


  2. インストールを確認します。

    1. 管理エージェント・ホームに移動して次のコマンドを実行すると、管理エージェントが動作していることを確認するメッセージが表示されます。

      $<INSTANCE_HOME>/bin/emctl status agent


      注意:

      なんらかの理由で管理エージェントのステータスが停止中の場合、管理エージェントのOracleホームから次のコマンドを実行して、手動で管理エージェントを起動してください。

      $<INSTANCE_HOME>/bin/emctl start agent


    2. 管理エージェント・ホームに移動して次のコマンドを実行すると、EMDアップロードが正常に完了したことを確認するメッセージが表示されます。

      $<INSTANCE_HOME>/bin/emctl upload agent

  3. すべてのプラグインが正常にインストールされたかどうかを確認します。これを行うには、管理エージェント・ホームから次のログ・ファイルにアクセスして、警告: プラグイン構成に失敗しましたという文を検索します。

    $<AGENT_HOME>/cfgtoollogs/cfgfw/CfmLogger-<timestamp>.log

    次に例を示します。

    /u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/cfgtoollogs/cfgfw/CfmLogger-<timestamp>.log

    文が見つかった場合、管理エージェント・ホームからAgentPluginDeploy.plスクリプトを実行して、問題を解決します。このコマンドでは、すべての<AGENT_HOME>の参照が管理エージェント・ホームを指しています。

    $<AGENT_HOME>/perl/bin/perl <AGENT_HOME>/bin/AgentPluginDeploy.pl -oracleHome <AGENT_HOME> -agentDir <AGENT_BASE_DIR> -pluginIdsInfoFile <AGENT_BASE_DIR>/plugins.txt -action configure -emStateDir <AGENT_INSTANCE_HOME>

    次に例を示します。

    /u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/perl/bin/perl /u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/bin/AgentPluginDeploy.pl -oracleHome /u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0/ -agentDir /u01/app/Oracle/ -pluginIdsInfoFile /u01/app/Oracle/plugins.txt -action configure -emStateDir /u01/app/Oracle/agent_inst

  4. 間違ったタイムゾーンの設定に関する前提条件チェックの警告を無視した場合、次の手順を実行します。

    1. 必要なホストの正しいタイムゾーンを設定します。

      ホストのタイムゾーンを設定する方法の詳細は、表5-1のタイムゾーン要件に関する項目を参照してください。

    2. ホストに存在する管理エージェントを削除します。

      管理エージェントのアンインストールの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

    3. ホストに管理エージェントをインストールします。

  5. デフォルトでは、ホストおよび管理エージェントは、監視のためにEnterprise Manager Cloud Controlコンソールに自動的に追加されます。ただし、そのホストで実行中のターゲットは、自動的に検出および監視されません。

    その他のターゲットを監視するには、そのターゲットを、「自動検出の結果」ページ、「ターゲットの手動追加」ページまたは監視するターゲットに提供されている検出ウィザードを使用して、Enterprise Manager Cloud Controlに追加する必要があります。

    Enterprise Manager Cloud Control,のターゲットの検出の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの管理者ガイドのターゲットの追加に関する章を参照してください。


注意:

管理エージェントを別のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合、まず、管理エージェントとプラグインをアンインストールし、新しいOracle Management Serviceを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlに移動する場合に行われます。