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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド
12c リリース2 (12.1.0.2)
B65084-06
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8 Oracle Management Agentのインストール

この章では、Oracle Management Agent(管理エージェント)をインストールする方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。

概要

Oracle Management Agent (管理エージェント)は、Enterprise Manager Cloud Controlのコア・コンポーネントの1つで、Enterprise Managerシステムで管理対象外ホストを管理対象ホストに変換できます。管理エージェントはプラグインと連携することにより、管理対象ホスト上で実行されているターゲットを監視します。

したがって、ホスト上で実行されているターゲットを監視するにはいつでも、Oracle Management Agentをインストールして最初にこの管理対象外ホストを管理対象ホストに変換してから、監視を開始するためにそのホストで実行中のターゲットを手動で検出する必要があります。

管理エージェントをインストールするには、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールからアクセスできるホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用します。管理エージェントを大量にデプロイするには、このウィザードの使用をお薦めします。

図8-1で、ホスト・ターゲットの追加ウィザードへのアクセス方法を説明します。

図8-1 ホスト・ターゲットの追加ウィザード

ホスト・ターゲットの追加ウィザード

ホスト・ターゲットの追加ウィザードは、GUIを多用した対話形式の画面を提供するアプリケーションです。アクセスするには、次のいずれかを行います。

このウィザードを使用すると、各種プラットフォームの複数のホストで、インストール前スクリプトおよびインストール後スクリプトを実行するオプションとともに、次のことが可能です。


注意:

この章では、ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用した新しい管理エージェントのデプロイ方法についてのみ説明します。既存のインスタンスのクローニング、および共有インスタンスを使用した管理エージェントのデプロイの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

ターゲットを監視するには、そのターゲットを、「自動検出の結果」ページ、「ターゲットの手動追加」ページまたは監視するターゲットに提供されている検出ウィザードを使用して、Enterprise Manager Cloud Controlに追加する必要があります。

Enterprise Manager Cloud Controlでのターゲットの検出について詳しくは、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』のターゲット追加についての章を参照してください。

インストールが完了すると、エージェント・ベース・ディレクトリに次のデフォルトの内容が含まれています。

<agent_base_directory>
    |_____core
         |_____12.1.0.2.0
    |_____plugins
    |_____agent_inst
    |_____sbin
    |_____plugins.txt
    |_____plugins.txt.status
    |_____agentimage.properties

注意:

既存の管理エージェントを新しいOracle Management Service (OMS)に再指定する場合は、まず、管理エージェントとプラグインをアンインストールし、新しいOMSを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムに移動する場合に行われます。

既存の管理エージェントを新しいOMSに再指定するときに、管理エージェントにより監視されているターゲット、ターゲット履歴および管理エージェント履歴は移動できません。監視対象ターゲットおよび履歴データは失われます。


始める前に

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して管理エージェントのインストールを開始する前に、次の点を考慮します。


注意:

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して管理エージェントをインストールせずに、サイレント・モードで手動により管理エージェントをインストールできます。サイレント・モードで管理エージェントをインストールする方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

前提条件

この項では、ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して管理エージェントをインストールする前に満たす必要がある前提条件を説明します。この章の内容は次のとおりです。

汎用前提条件の確認

表8-1は、ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して管理エージェントをインストールする前に満たす必要がある全般的な前提条件の一覧です。

表8-1 Oracle Management Agentをインストールするための前提条件

要件 説明

ハードウェア要件

第3章に示されているハード・ディスク領域と物理メモリーの要件を満たしていることを確認します。

ソフトウェアの要件

(Microsoft Windowsの場合)第6章の説明に従って、接続先ホストにCygwin 1.7をインストールしたことを確認します。

注意: Microsoft Windows Server 2008およびMicrosoft Windows Vistaでcygwin.batを実行している場合は、必ず管理モードで呼び出します。これを行うには、cygwin.batファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

オペレーティング・システム要件

My Oracle SupportのEnterprise Manager動作保証マトリックスに示されている動作保証済オペレーティング・システムにのみ管理エージェントをインストールしていることを確認します。

Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスするには、付録Eで概説する手順に従います。

将来サポートされるプラットフォームについては、My Oracle SupportのNote 793512.1を参照してください。

注意: Oracle Solaris 10を使用する場合、アップデート9以上がインストールされているか確認してください。インストールされたかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

cat /etc/release

次のような出力が表示されます。ここで、s10s_u6は、インストールでサポートされる更新レベルでないアップデート6がインストールされていることを示します。

Solaris 10 10/08 s10s_u6wos_07b SPARC

パッケージ要件

第4章にあるとおりに、必ずすべてのオペレーティング・システム固有のパッケージをインストールしてください。

ユーザーおよびオペレーティング・システム・グループの要件

第5章の説明に従って、必要なオペレーティング・システムのグループとユーザーを作成します。

接続先ホストの要件

接続先ホストが、OMSが実行されているホストからアクセス可能であることを確認します。

接続先ホストとOMSが実行されているホストが別々のネットワーク・ドメインに属する場合、接続先ホスト上の/etc/hostsファイルを更新して、そのホストのIPアドレス、そのホストの完全修飾名、およびホストの短縮名を含む行を追加します。

たとえば、完全修飾ホスト名がexample.comで、短縮名がmypcの場合は、/etc/hostsファイル内に次の行を追加します。

172.16.0.0 example.com mypc

接続先ホストの資格証明の要件

同じオペレーティング・システム上で実行中のすべての接続先ホストが、同じ資格証明のセットを持っていることを確認します。たとえば、Linuxオペレーティング・システム上で実行中のすべての接続先ホストは、同じ資格証明のセットを持っている必要があります。

ウィザードは、同じユーザー・アカウントを使用してManagement Agentをインストールします。異なる資格証明を持つ同じオペレーティング・システム上でホストが実行中の場合、2つのデプロイメント・セッションを別にしてください。

権限の要件

  • 指定するエージェント・ベース・ディレクトリが空で、書込み権限があることを確認します。

  • インスタンス・ディレクトリが空で、書込み権限があることを確認します。

接続先ホストのタイムゾーン要件

接続先ホストのタイムゾーンが正しく設定されていることを確認します。接続先ホストのタイムゾーンを確認するには、OMSホストにログインし、次のコマンドを実行します。

ssh -l <install_user> <destination_host_name> /bin/sh -c 'echo $TZ'

タイムゾーンが正しく表示されない場合、接続先ホストにログインし、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、接続先ホストにタイムゾーンを設定します。

    • Kornシェルの場合:

      TZ=<value>

      export TZ

    • BourneシェルまたはBashシェルの場合:

      export TZ=<value>

    • Cシェルの場合:

      setenv TZ <value>

    たとえば、Bashシェルで、タイムゾーンをAmerica/New_Yorkに設定するには、次のコマンドを実行します。

    export TZ='America/New_York'

    宛先ホストがMicrosoft Windows上で実行されている場合は、「スタート」メニューから「コントロール パネル」を選択します。「日付と時間」をクリックし、「タイムゾーン」タブを選択します。表示されるドロップダウン・リストから、タイムゾーンを選択します。

    使用できるタイムゾーンのリストを表示するには、セントラル・エージェント(OMSホストへインストールした管理エージェント)の<AGENT_HOME>/sysman/adminディレクトリにある、supportedtzs.lstファイルにアクセスします。

    注意: Microsoft Windows Server 2003で稼働するホストに管理エージェントをインストールするときに、アジア/コルカタ・タイムゾーンを使用してエラーが発生する場合には、My Oracle Supportノート1530571.1を参照してください。

  2. SSHデーモンを再起動します。

    接続先ホストがUNIXベースのオペレーティング・システムで実行されている場合、次のコマンドを実行します。

    sudo /etc/init.d/sshd restart

    接続先ホストがMicrosoft Windowsのオペレーティング・システムで実行されている場合、次のコマンドを実行します。

    cygrunsrv -E sshd

    cygrunsrv -S sshd

  3. OMSホストにログインして次のコマンドを実行し、SSHサーバーがTZ環境変数にアクセスできるかどうかを確認します。

    ssh -l <install_user> <destination_host_name> /bin/sh -c 'echo $TZ'

注意: 管理エージェントのインストール中に間違ったタイムゾーンの設定に関する前提条件チェックの警告を無視した場合、管理エージェントのインストール後、接続先ホストで正しいタイムゾーンを設定する必要があります。インストール後のタイムゾーンの設定の詳細は、インストール後の作業に関する項を参照してください。

sudo/pbrun/sesu/su SSH要件

(UNIXの場合のみ)

使用している権限委任ツールでSSHを介したリモート・コマンドの実行に擬似ターミナルが必要な場合は、$<OMS_HOME>/sysman/prov/agentpush/agentpush.propertiesファイルでoracle.sysman.prov.agentpush.enablePtyプロパティをtrueに設定したことを確認します。pbrun、sesu、suなどのほとんどの権限委任ツールでは、デフォルトで、リモート・コマンドの実行に擬似ターミナルが必要です。

注意: sudoを権限委任ツールとして使用し、oracle.sysman.prov.agentpush.enablePtyプロパティをtrueに設定しない場合は、次のいずれかを行います。

  • /etc/sudoersファイルにDefaults visiblepwを含めるか、「インストールの詳細」ページで「権限委任設定」-Sオプションを指定したsudoコマンドを入力します。

    「インストールの詳細」ページへのアクセス方法は、「インストールの手順」を参照してください。

  • /etc/sudoersファイルでDefaults requirettyをコメント・アウトします。

sudo/pbrun/sesu/su要件(Rootユーザーの場合)

(UNIXの場合のみ)

  • インストール・ユーザーに、idコマンドとagentdeployroot.shスクリプトをrootとして呼び出す権限があることを確認します。権限委任ツールの構成ファイルで権限を付与します。

    たとえば、sudoを権限委任ツールとして使用している場合は、/etc/sudoersファイルに次の文を含めて必要な権限を付与します。

    oracle ALL=(root) /usr/bin/id, /home/oracle/agentibd/*/agentdeployroot.sh

    ここで、oracleはインストール・ユーザーであり、/home/oracle/agentibdはエージェント・ベース・ディレクトリです。

  • 管理エージェントのインストールには、/etc/sudoersファイルに次のエントリは不要です。ただし、このエントリは、Enterprise Managerでプロビジョニングとパッチ適用を実行するために必要です。したがって、管理エージェントをインストールする前にこのエントリを削除する場合、管理エージェントのインストール後に、このエントリを戻してください。

    (root)/oracle/product/oms12c/agent/agent_inst/bin/nmosudo

sudo/pbrun/sesu/su要件(ロック済アカウント・ユーザーの場合)

(UNIXの場合のみ)

  • インストール・ユーザーに、ロック済アカウント・ユーザーとして/bin/shを呼び出す権限があることを確認します。権限委任ツールの構成ファイルで権限を付与します。

    たとえば、sudoを権限委任ツールとして使用している場合は、/etc/sudoersファイルに次の文を含めて必要な権限を付与します。

    login_user1 ALL=(oracle) /bin/sh

    ここで、login_user1はSSHログイン・ユーザーで、oracleはロック済アカウントおよびインストール・ユーザーです。

    インストール・ユーザーにロック済アカウント・ユーザーとして/bin/shを呼び出す権限を付与しない場合は、oracle.sysman.prov.agentpush.pdpShellOutEnabledプロパティをfalseに設定し、インストール・ユーザーにid、chmod、cp、mkdir、rm、tar、emctl、agentDeploy.sh、runInstallerおよびunzipをロック済アカウント・ユーザーとして呼び出す権限があることを確認します。権限委任ツールの構成ファイルで権限を付与します。

    たとえば、sudoを権限委任ツールとして使用している場合は、/etc/sudoersファイルに次の文を含めて必要な権限を付与します。

    login_user1 ALL=(oracle) /usr/bin/id, /bin/chmod, /bin/cp, /bin/mkdir, /bin/rm, /bin/tar, /home/oracle/agentibd/agent_inst/bin/emctl, /home/oracle/agentibd/*/agentDeploy.sh, /home/oracle/agentibd/*/prereq_stage/core/12.1.0.2.0/oui/bin/runInstaller, /home/oracle/agentibd/*/unzip, /home/oracle/agentibd/*/unzipTmp/unzip

    ここで、login_user1はSSHログイン・ユーザー、oracleはロック済アカウントおよびインストール・ユーザー、/home/oracle/agentibdはエージェント・ベース・ディレクトリです。

  • 管理エージェントのインストールには、/etc/sudoersファイルに次のエントリは不要です。ただし、このエントリは、Enterprise Managerでプロビジョニングとパッチ適用を実行するために必要です。したがって、管理エージェントをインストールする前にこのエントリを削除する場合、管理エージェントのインストール後に、このエントリを戻してください。

    (root)/oracle/product/oms12c/agent/agent_inst/bin/nmosudo

ロックされたアカウント要件

ロックされたアカウント・ユーザー(oracle)にログイン・ユーザーのホーム・ディレクトリの読取り権限があることを確認します。

デフォルトSSHポート要件

SSHデーモンがすべての宛先ホストのデフォルト・ポート(つまり22)で実行中であることを確認します。ポートを確認するには、次のコマンドを実行します。

netstat -anp | grep <port_no>

ポートがデフォルト以外のポート、つまり22以外のポートの場合、OMSホームに存在する次のファイル内のSSH_PORTプロパティを更新してください。

$<OMS_HOME>/oui/prov/resources/Paths.properties

PATH環境変数要件

接続先ホスト上で、次のようにします。

  • (Microsoft Windowsの場合) PATH環境変数内でCygwinソフトウェアの場所が他のソフトウェアの場所よりも前に指定されていることを確認します。最初のエントリであることを確認した後、SSHデーモン(sshd)を再起動します。

  • (UNIXの場合) 接続先ホストで、PATH環境変数内にSCPバイナリ(/usr/bin/scpなど)が存在することを確認します。

CLASSPATH環境変数の要件

CLASSPATH環境変数の設定を解除します。インストールの完了後、常にこの変数を元の値にリセットできます。

ソフトウェア可用性の要件

インストールするManagement Agentのソフトウェアが、Oracleソフトウェア・ライブラリ(ソフトウェア・ライブラリ)で使用可能なことを確認します。

  • Oracle Management Service 12cを実行しているのと同じプラットフォームで実行するホストにOracle Management Agent 12cをインストールする場合、そのリリースおよびプラットフォームの管理エージェント・ソフトウェアは、ソフトウェア・ライブラリでデフォルトで利用可能です。したがって、ユーザーによる処理は不要です。

  • Oracle Management Service 12cを実行しているプラットフォームとは異なるプラットフォームで実行するホストにOracle Management Agent 12cをインストールする場合、対象プラットフォームの管理エージェント・ソフトウェアが、自己更新コンソールを使用してソフトウェア・ライブラリにダウンロードおよび格納されることを確認します。

    管理エージェント・ソフトウェアを自己更新コンソールを使用してダウンロードおよび適用する方法の詳細は、「管理エージェント・ソフトウェアの前提条件の確認」を参照してください。

パス検証の要件

付録Bの説明に従って、すべてのコマンドの場所へのパスを確認します。

一時ディレクトリの領域要件

実行可能ファイルがコピーされる一時ディレクトリに、400MBの領域が割り当てられていることを確認します。

デフォルトでは、環境変数TMPまたはTEMPに設定された一時ディレクトリの場所が使用されます。両方が設定済の場合、TEMPが使用されます。何も設定されていなければ、次のデフォルト値が使用されます: UNIXホストの場合は/tmp、Microsoft Windowsホストの場合はc:\Temp

エージェント・ベース・ディレクトリの要件

  • 指定するエージェント・ベース・ディレクトリが空であり、少なくとも1GBの空き領域があることを確認します。

    以前に実行したデプロイメント・セッションがなんらかの理由で失敗した場合、エージェント・ベース・ディレクトリにADATMP_<timestamp>サブディレクトリがある可能性があります。この場合は、サブディレクトリを削除して新しいデプロイメント・セッションを開始するか、「ホスト・ステータスの追加」ページから失敗したセッションを再実行します。

  • ディレクトリ名に空白が含まれていないことを確認します。

  • インストールしているユーザーがエージェント・ベース・ディレクトリを所有していることを確認します。インストールするユーザーまたはrootユーザーが、すべての親ディレクトリの所有者であることを確認してください。rootユーザーがrootディレクトリの所有者であることを確認します。

    たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが/scratch/OracleHomes/agentで、インストールしているユーザーがoracleの場合、/scratch/OracleHomes/agentディレクトリはoracleが、scratchおよびOracleHomesディレクトリはoracleまたはrootユーザーが、ルート・ディレクトリ(/)はrootユーザーが所有している必要があります。

  • エージェントのベース・ディレクトリがマウントされている場合、setuidがオンになってマウントされていることを確認します。

中央インベントリ(oraInventory)の要件

  • 中央インベントリに100MBの領域が割り当てられていることを確認します。

  • 中央インベントリ・ディレクトリが共有ファイル・システムにないことを確認します。それがすでに共有ファイル・システムにある場合は、共有されていないファイル・システムに新しいインベントリを作成します。オプションで、以前に共有ファイル・システムにインストールした製品を共有されていないファイル・システムのこの新しいインベントリに移行できます。

  • すべてのリモート・ホストのoraInventoryに対して、読取り書込みおよび実行権限を持っていることを確認します。リモート・ホスト上のデフォルト・インベントリ(通常は/etc/oraInst.loc)に対してこれらの権限がない場合、ホスト・ターゲットの追加ウィザードの「追加パラメータ」フィールドのいずれかのオプションを使用して、別のインベントリの場所のパスを指定してください。ただし、これらのパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされないことに注意してください。

    INVENTORY_LOCATION=<absolute_path_to_inventory_directory>

    -invPtrLoc <absolute_path_to_oraInst.loc>

インストール・ユーザー要件

  • 中央インベントリ所有者と管理エージェントをインストールするユーザーが異なる場合、双方が同じグループに属していることを確認します。

  • また、インベントリ所有者と所有者が属するグループに中央インベントリに対する読取りおよび書込み権限があることも確認します。

    たとえば、インベントリ所有者がabcで、管理エージェントをインストールするユーザーがxyzの場合、abcxyzが同じグループに属し、双方がインベントリに対する読取りおよび書込みアクセスを持っていることを確認してください。

エージェント・ユーザー・アカウント権限(Microsoft Windowsの場合)

(Microsoft Windowsの場合)Microsoft Windowsベースのオペレーティング・システム上に管理エージェントをインストールする場合、エージェント・ユーザー・アカウントに次を実行する権限があることを確認します。

  • オペレーティング・システムの一部として機能

  • プロセスのメモリー割当ての調整

  • プロセス・レベル・トークンの置換え

  • バッチ・ジョブとしてログオン

エージェント・ユーザーにこれらの権限があることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 「ローカル セキュリティ ポリシー」を起動します。

    「スタート」 メニューから「設定」をクリックし、「コントロール パネル」を選択します。「コントロール パネル」ウィンドウから「管理ツール」を選択し、「管理ツール」ウィンドウから「ローカル セキュリティ ポリシー」を選択します。

  2. 「ローカル セキュリティ ポリシー」ウィンドウで、ツリー構造から「ローカル ポリシー」を開き、「ユーザー権利の割り当て」を開きます。

cmd.exeの権限(Microsoft Windowsの場合)

(Microsoft Windowsの場合)Microsoft Windowsベースのオペレーティング・システム上に管理エージェントをインストールする場合、バッチ・ジョブを実行するユーザー・アカウントにcmd.exeプログラムの読取りおよび実行権限を付与していることを確認します。これはMicrosoftからの制約事項です。

この制約事項、および権限を付与する方法の詳細は、次のMicrosoft WebサイトへのURLにアクセスしてください。

http://support.microsoft.com/kb/867466/en-us

インストール前/インストール後スクリプトの要件

インストールにあたって実行するインストール前およびインストール後のスクリプトが、OMSホストか接続先ホスト、または接続先ホストからアクセス可能な共有の場所にあることを確認します。

ブラウザの要件

  • My Oracle SupportのEnterprise Manager動作保証マトリックスに示されている動作保証済ブラウザを使用していることを確認します。

    Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスするには、付録Eの手順に従います。

  • Microsoft Internet Explorer 8または9を使用する場合、次のようにします。

    • 互換表示モードを無効にします。これを行うには、Microsoft Internet Explorerの「ツール」メニューで、「互換表示」が有効になっていれば無効にします。また、「互換表示設定」をクリックして、Enterprise Manager Cloud ControlコンソールのURLを登録解除します。

    • XMLHTTPを有効にします。これを行うには、「ツール」メニューから「インターネット オプション」をクリックします。「詳細設定」タブをクリックして、「セキュリティ」見出しの下で、「ネイティブ XMLHTTP サポートを有効にする」を選択して有効にします。


管理エージェント・ソフトウェアの前提条件の確認

管理エージェントをホストにインストールするには、ホスト・プラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアがOracle Software Library (ソフトウェア・ライブラリ)で利用できる必要があります。管理エージェント・ソフトウェアが利用できない場合、自己更新コンソールを使用して取得する必要があります。


重要:

管理エージェントのインストール対象となるホストが、OMSホストと同じプラットフォーム上で実行されている場合は、管理エージェント・ソフトウェアを取得する必要はありません。デフォルトでは、OMSホスト・プラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアはソフトウェア・ライブラリで利用できます。

この項では、自己更新コンソールを使用して様々なプラットフォームの管理エージェント・ソフトウェアを取得または更新する方法を説明します。この章の内容は次のとおりです。

オンライン・モードでの管理エージェント・ソフトウェアの取得

Enterprise ManagerがMy Oracle Supportへインターネット経由でアクセスできる場合は、オンライン・モードで実行していることになります。

Enterprise Managerがオンライン・モードで実行していることを確認するには、「オフライン・パッチ」ページにアクセスします。このページにアクセスするには、「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択してから、「オフライン・パッチ」を選択します。


注意:

Enterprise Managerをオフライン・モードで実行している場合、管理エージェント・ソフトウェアをオフライン・モードで取得する方法の詳細は、「オフライン・モードでの管理エージェント・ソフトウェアの取得」を参照してください。

Enterprise Managerをオンライン・モードで実行しているときに、自己更新コンソールを使用して管理エージェント・ソフトウェアを取得または更新するには、次の手順に従ってください。

  1. 自己更新が設定されていることを確認します。

    自己更新を設定するには、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

  2. 「設定」メニューで、「拡張性」「自己更新」の順に選択します。

  3. タイプは、「エージェント・ソフトウェア」を選択し、「アクション」メニューから「開く」を選択します。エージェント・ソフトウェア更新ページに、各種の管理エージェント・ソフトウェアが表示されます。

  4. 使用可能な更新のリストから更新を選択します。OMSホストのプラットフォームに一致するエントリ以外のすべてのエントリが、「使用可能」というステータスを表示します。

  5. 「ダウンロード」をクリックします。「スケジュール・ダウンロード」ダイアログ・ボックスが開きます。

  6. 更新をいつダウンロードするか選択します。次のオプションがあります。

    • 即時

    • 後で(指定した時刻)

    • ダウンロードが完了したとき通知を送信するかどうか

  7. 「選択」をクリックします。ソフトウェア・ライブラリに、管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードするためのEnterprise Managerジョブが作成されます。

    Enterprise Managerでは、Oracle Enterprise Managerストアからのアーカイブのダウンロードが開始します。ダウンロードが終了するまで待ちます(オフライン・モードのときは、システムは指定した場所から読込みを開始します)。

    ダウンロードが完了すると、確認ページが表示されます。

  8. ダウンロードが完了したら、管理エージェントを選択して「適用」をクリックします。この手順によって、ソフトウェア・ライブラリ内の管理エージェント・ソフトウェアをステージングして、ホスト上への管理エージェントのインストールで使用するホスト・ターゲットの追加ウィザードで使用できるようにします。

オフライン・モードでの管理エージェント・ソフトウェアの取得

Enterprise ManagerがMy Oracle Supportへインターネット経由でアクセスしていない場合は、オフライン・モードで実行していることになります。

Enterprise Managerがオフライン・モードで実行していることを確認するには、「オフライン・パッチ」ページにアクセスします。このページにアクセスするには、「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」を選択してから、「オフライン・パッチ」を選択します。


注意:

Enterprise Managerをオンライン・モードで実行している場合に、管理エージェント・ソフトウェアをオンライン・モードで取得する方法の詳細は、「オンライン・モードでの管理エージェント・ソフトウェアの取得」を参照してください。

Enterprise Managerをオフライン・モードで実行しているときに、自己更新コンソールを使用して管理エージェント・ソフトウェアを取得または更新するには、次の手順に従ってください。

  1. 自己更新が設定されていることを確認します。

    自己更新を設定するには、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

  2. 「設定」メニューで、「拡張性」「自己更新」の順に選択します。

  3. 自己更新ホームページで、「更新の確認」をクリックします。メッセージが表示され、すべての更新のカタログをダウンロードするためにアクセスされるURLが示されます。

  4. インターネット接続できるコンピュータから、メッセージに記載されていたURLを使用してカタログ・ファイルをダウンロードします。


    注意:

    ファイルを解凍しないでください。

  5. ダウンロードしたファイルを、次のいずれかの方法でコピーします。

    • 管理エージェントおよびEM CLIがインストールされている任意のホストへ

    • Oracle Management Service (OMS)ホストへ(OMSホスト・マシンには即時利用可能なEM CLIが構成されているので設定は必要ありません)

  6. 12.1 MOSのhome/binディレクトリにナビゲートし、EMCLIにログインし、インストール・ユーザーとして次のコマンドを実行します。例:

    ./emcli login -username=sysman
    
  7. emcli synchronizeを実行します(必須)。

  8. emcli import_update_catalogコマンドを実行して、更新するOracle Management Serviceインスタンスまたは管理エージェントに、アーカイブをインポートします。例:

    ./emcli import_update_catalog -omslocal  -file=zip file absolute path
    

    ヒント:

    複数のOMS設定の場合、オプションの詳細は、emcli help import_update_catalogを実行します。

  9. 自己更新ホームページに戻り、リフレッシュを行って、「使用可能な更新」列の新規更新数を確認します。

  10. タイプは、「エージェント・ソフトウェア」を選択し、「アクション」メニューから「開く」を選択します。エージェント・ソフトウェア更新ページに、各種の管理エージェント・ソフトウェアが表示されます。

  11. 使用可能な更新のリストから更新を選択します。OMSホストのプラットフォームに一致するエントリ以外のすべてのエントリが、「使用可能」というステータスを表示します。

  12. 「ダウンロード」をクリックします。URLおよび手順を含むメッセージが表示されます。

  13. インターネット接続可能なコンピュータで、手順12のURLからファイルをダウンロードします。次のいずれかの操作を実行します。

    • 管理エージェント・ホストにファイルをコピーし、手順12の指示に従います。

    • Oracle Management Serviceホストにファイルをコピーし、手順12の指示に従います。

    この段階で、自己更新ホームページでは、更新は「ダウンロード」状態で表示されます。

  14. ダウンロードが完了したら、管理エージェントを選択して「適用」をクリックします。この手順によって、ソフトウェア・ライブラリ内の管理エージェント・ソフトウェアをステージングして、ホスト上への管理エージェントのインストールで使用するホスト・ターゲットの追加ウィザードで使用できるようにします。

インストールの手順

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して新規管理エージェントをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 管理エージェントをインストールするホストのプラットフォームの管理エージェント・ソフトウェアがソフトウェア・ライブラリで利用できることを確認します。

    プラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアを取得する方法の詳細は、「管理エージェント・ソフトウェアの前提条件の確認」を参照してください。

  2. Cloud Controlで、次のいずれかの操作を行います。

    • 「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「自動検出の結果」の順にクリックします。「自動検出の結果」ページで、Enterprise Manager Cloud Controlで監視するホストを選択し、「昇格」をクリックします。

    • 「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択します。「ターゲットの手動追加」ページで、「ホスト・ターゲットの追加」を選択し、「ホストの追加」をクリックします。

  3. ホストとプラットフォーム・ページで、次を実行します。

    1. このセッションに割り当てられたデフォルトの名前のままにするか、選択した一意の名前を入力します。入力するカスタム名は直観的な名前にすることができ、必ずしもデフォルトの名前と同じフォーマットにする必要はありません。たとえば、add_host_operation_1のようになります。

      セッション名

      一意のデプロイメント・アクティビティ名によって、このデプロイメント・セッションで指定されたインストール詳細を保存し、新規セッションですべての詳細を入力しなおすことなく、将来再利用できます。

    2. 「追加」をクリックし、管理エージェントをインストールするホストの完全修飾名を入力してプラットフォームを選択します。

      ホストを追加する「追加」ボタン

      注意:

      • ホストのドメインの完全修飾名を入力するようお薦めします。Enterprise Manager Cloud Controlは監視目的で、ここで入力された正確な名前とともにホストと管理エージェントを追加します。

      • 行当たり入力するホスト名は1つのみにする必要があります。複数のホスト名をカンマで区切って入力することはサポートされていません。

      • ホスト名にアンダースコア("_")が含まれていないことを確認する必要があります。

      • プラットフォーム名の後にエージェント・ソフトウェア使用不可とある場合、そのプラットフォームのソフトウェアがOMSホストでは使用できず、自己更新コンソールを使用してダウンロードおよび適用しなければならないことを示します。自己更新コンソールにアクセスするには、「設定」メニューから、「拡張性」を選択し、「自己更新」をクリックします。

        自己更新コンソールを使用した最新ソフトウェアのダウンロードおよび適用の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。


      または、「ファイルからロード」をクリックしてファイルに格納されたホスト名を追加するか、「検出されたホストから追加」をクリックしてEnterprise Managerで検出されたホストのリストからホスト名を追加できます。ホスト・ファイルでホスト名のエントリがどのように表示されるべきかについては、「ホスト・リスト・ファイルのフォーマット」を参照してください。

      ファイルからロードと検出されたホストの追加のオプション

      注意:

      「検出されたホストの追加」をクリックして検出されたホストのリストからホストを追加すると、そのホストのプラットフォームが自動的に検出されて表示されます。プラットフォーム名は、自動検出から得られたヒントやOMSホストのプラットフォームなど、複数の要素の組合せを使用して検出されます。このデフォルトのプラットフォーム名は提案であり、次の手順に進む前に必ずプラットフォームの詳細を確認することをお薦めします。

      プラットフォーム名を修正していて、すべてのホストが同じプラットフォームで稼働している場合、この表の最初のホストのプラットフォームを設定し、「プラットフォーム」リストから、「すべてのホストで同一」を選択します。これにより、最初のホストに選択したプラットフォーム名が表の残りのホストにも設定されます。

      プラットフォームの情報

      注意:

      • 自動検出の結果ページからこのページ(ホストとプラットフォーム・ページ)にアクセスする場合、そのページで選択したホストが表に自動的に表示されます。その場合、ホスト名およびそのプラットフォームの検証のみ行う必要があります。

      • OMSが稼働しているプラットフォームとは別のプラットフォームに管理エージェントをインストールしている場合、そのプラットフォームのソフトウェアがあることを確認してください。このソフトウェアがない場合、Enterprise Manager Cloud Control内の自己更新コンソールに移動して、ソフトウェアをダウンロードし、適用します。詳細は、表8-1のソフトウェア可用性の前提条件を参照してください。


    3. 「次へ」をクリックします。

  4. 「インストールの詳細」ページで、次のようにします。

    1. 「デプロイメント・タイプ」セクションで、新規エージェント・インストールを選択します。

      インストール・タイプ

      注意:

      共通の済ドライブを複数のホストが共有している場合、管理エージェントのインストールは2つの異なるフェーズに分けられます。
      1. ホスト・ターゲットの追加ウィザードで、デプロイメント・タイプ「フレッシュ・エージェント・インストール」を選択し、ドライブが共有されているホストに管理エージェントをインストールします。

      2. ホスト・ターゲットの追加ウィザードで、デプロイメント・タイプ「共有エージェントへのホストの追加」を選択し、共有されているマウント済ドライブにアクセスできる他のすべてのホストに管理エージェントをインストールします。(ここでは、前の手順でマスター・エージェントまたは共有エージェントとしてインストールした管理エージェントを選択します)。


    2. 表から、共通のプラットフォーム名でグループ化されたホストを示す最初の行を選択します。

    3. 「インストールの詳細」セクションで、ステップ3 (b)で選択したホストに共通するインストールの詳細を指定します。「インストールのベース・ディレクトリ」に、管理エージェントのソフトウェア・バイナリ、セキュリティ・ファイルおよびインベントリ・ファイルをコピーするエージェント・ベース・ディレクトリへの絶対パスを入力します。

      例: /u01/app/Oracle/

      入力するパスが存在しない場合は、アプリケーションによって、指定したパスにディレクトリが作成され、管理エージェント・ソフトウェア・バイナリ、セキュリティ・ファイルおよびインベントリ・ファイルがそこにコピーされます。


      注意:

      インストールのベース・ディレクトリは、基本的にはエージェント・ベース・ディレクトリです。指定するディレクトリが空であることを確認します。以前に実行したデプロイメント・セッションがなんらかの理由で失敗した場合、エージェント・ベース・ディレクトリにADATMP_<timestamp>サブディレクトリがある可能性があります。この場合は、サブディレクトリを削除して新しいデプロイメント・セッションを開始するか、「ホスト・ステータスの追加」ページから失敗したセッションを再実行します。

    4. 「インスタンス・ディレクトリ」で、デフォルトのインスタンス・ディレクトリの場所のままにするか、すべての管理エージェント関連の構成ファイルを格納できるディレクトリを選択し、その絶対パスを入力します。

      たとえば、/u01/app/Oracle/agent_instです。

      カスタムの場所を入力する場合、そのディレクトリに書込み権限があることを確認してください。エージェント・ベース・ディレクトリ内にインスタンス・ディレクトリを保持することをお薦めします。

      入力するパスが存在しない場合は、アプリケーションによってディレクトリが指定したパスに作成され、すべての管理エージェント関連構成ファイルがそこに格納されます。

    5. 「名前付き資格証明」リストから、資格証明がOMSとリモート・ホスト間のSSH接続を設定し、各リモート・ホストに管理エージェントをインストールするために使用できる適切なプロファイルを選択します。

      名前付き資格証明

      注意:

      • 資格証明プロファイルがない場合、または資格証明プロファイルはあるが「名前付き資格証明」リストで見つからない場合、このリストに対するプラス・アイコンをクリックします。名前付き資格証明の新規作成ウィンドウに、資格証明を入力し、適切なプロファイル名で格納して、管理エージェントのインストールに選択および使用できるようにします。また、作成している名前付き資格証明から、インストールの実行権限を持つ別のユーザーに切り替えるには、実行権限を設定します。

      • このリストに対するプラス・アイコンが無効な場合、資格証明があるプロファイルを作成する権限がありません。この場合、管理者に連絡して、新規プロファイルの作成権限を付与してもらうようリクエストするか、プロファイルを作成してもらい、「名前付き資格証明」リストにプロファイルを表示するアクセス権を付与してもらうようリクエストします。

      • OMSとリモート・ホスト間のSSH公開鍵認証を手動で設定している場合、ユーザー・アカウントのパスワードがない可能性があります。この場合は、ダミーのパスワードで名前付き資格証明を作成してください。パスワード・フィールドは空のままにしないでください。


    6. 「権限委任設定」で、rootスクリプトの実行に使用する権限委任設定を検証します。デフォルトでは、Enterprise Manager Cloud Controlで構成されている権限委任設定に設定されます。

      たとえば、「権限委任設定」フィールドに次のいずれかを指定できます。

      /usr/bin/sudo -u %RUNAS% %COMMAND%
      /usr/bin/sesu - %RUNAS% -c "%COMMAND%"
      /usr/bin/pbrun %PROFILE% -u %RUNAS% %COMMAND%
      /usr/bin/su - %RUNAS% -c "%COMMAND%"
      

      「権限委任設定」フィールドを空白のままにした場合、ルート・スクリプトはウィザードによって実行されません。インストール後に手動で実行する必要があります。スクリプトの手動での実行について詳しくは、「インストール後の作業」を参照してください。

      この設定は、選択した名前付き証明の「別名実行」属性で設定されたユーザーとしてのインストールの実行にも使用されます(この名前付き資格証明の作成時にユーザーを設定している場合)。


      注意:

      権限委任設定での%RUNAS%は、ルート・スクリプトを実行するルート・ユーザー、および名前付き資格証明の「別名実行」属性で設定された、インストールを実行するユーザーとしての権限を持ちます。

    7. 「ポート」で、管理エージェントの通信用に割り当てられたデフォルトのポート(3872)のままにするか、選択したポートを入力します。

      入力するカスタム・ポートはビジー状態ではない必要があります。不明な場合、このフィールドを空白にしておくことができます。Enterprise Manager Cloud Controlによって、1830 - 1849の範囲から最初に使用可能な空きポートが自動的に割り当てられます。

    8. (オプション)「オプションの詳細」セクションで、実行するインストール前スクリプトおよびインストール後スクリプトを使用できるアクセス可能な場所への絶対パスを入力します。サポートされているのはシェル・スクリプトのみであり、インストール前スクリプトまたはインストール後スクリプトを1つのみ指定できることに注意してください。

      スクリプトをrootとして実行するには、「Rootとして実行」を選択します。管理エージェントをインストールするホスト上ではなく、OMSが実行されているホスト上にスクリプトがある場合、「OMSのスクリプト」を選択します。この場合、スクリプトはOMSホストから接続先ホストにコピーされてから、接続先ホストで実行されます。

    9. (オプション)「追加パラメータ」で、インストール時に渡す追加パラメータの空白区切りのリストを入力します。サポートされている追加パラメータの詳細なリストは、表8-2を参照してください。

      たとえば、インベントリ・ポインタの場所ファイルを指定する場合、-invPtrLocの後ろにファイルの場所への絶対パスを入力します。ただし、このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされないことに注意してください。

    10. 表にある他のすべての行に対して、ステップ3 (b)からステップ3 (i)までを繰り返します。

    11. 「次へ」をクリックします。

  5. 「確認」ページでインストール用に指定した詳細を確認し、次のいずれかを実行します。

    • 詳細を変更する場合、変更を加えるページに到達するまで、「戻る」をクリックします。

    • なんらかの理由でデプロイメント・セッションを取り消す場合、「取消」をクリックします。「ターゲットの手動追加」ページに自動的に移動します。

    • 詳細に問題がない場合、「エージェントのデプロイ」をクリックして管理エージェントをインストールします。デプロイメント・セッションの進捗を監視できる「ホスト・ステータスの追加」ページに自動的に移動します。

      実行中のデプロイメント・セッションを取り消す場合、「ホスト・ターゲットの追加」ページで「取消」をクリックします。セッションを取り消すと、そのセッションの追跡や再開はできないことに注意してください。ただし、リモート・ホストで現在起動されているコマンドは、完了まで実行が続けられます。


注意:

なんらかの理由でインストールに失敗した場合は、ログ・ファイルを確認します。ログ・ファイルへのアクセス方法は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

ホストごとにログ・ファイルが1つ生成されるため、複数のホストに管理エージェントをインストールした場合は、すべてのログ・ファイルを確認してください。


ホスト・リスト・ファイルのフォーマット

ホスト・ターゲットの追加ウィザードで「ファイルからロード」をクリックして、リストされたホストをファイルに追加します。ただし、選択したファイルのフォーマットが次のいずれかであることを確認します。

  • ホスト名のみ。

    次に例を示します。

    host1.example.com

    host2.example.com

  • ホスト名の後ろにプラットフォーム名が続く。

    次に例を示します。

    host1.example.com linux_x64

    host2.example.com aix

    サポートされているプラットフォーム名は、linux_x64、linux、solaris、hpunix、hpi、linux64_zseries、aix、linux_ppc64、windows_x64、solaris_x64、win32です。

サポートされているその他のパラメータ

表8-2は、新しい管理エージェントのインストールでサポートされている追加パラメータの一覧です。

表8-2 サポートされている追加パラメータ

パラメータ 説明

INVENTORY_LOCATION

中央インベントリ(oraInventory)の絶対パスを入力します。

例: INVENTORY_LOCATION=$HOME/oraInventory

注意: このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。

このパラメータは、中央インベントリ・ポインタ/etc/oraInst.loc (または/var/opt/oracle/oraInst.loc)が存在しない場合にのみ使用されます。

-invPtrLoc

中央イベントリ(oraInventory)の場所が記述されたインベントリ・ファイルの絶対パスを入力します。

例: -invPtrLoc /tmp/oraInst.loc

注意: このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。

s_agentSrvcName

(Microsoft Windowsの場合のみ) 管理エージェント・サービスのカスタム名を入力します。

すべての管理エージェントはMicrosoft Windowsではサービスとして表示され、それぞれにデフォルトのサービス名があります。カスタム名を割り当てて識別する場合は、このパラメータを使用してください。

例: s_agentSrvcName=agentsrvc1

注意: Microsoft Windowsホストにインストールされている12cリリース1 (12.1.0.1)の管理エージェントを12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードし、別の管理エージェントを同じホストにインストールし、別のOMSにレポートする場合は、s_agentSrvcNameパラメータを必ず指定します。

b_startAgent=false

インストールして構成した後に管理エージェントを自動的に起動しない場合は、このパラメータを指定します。

このパラメータを指定しない場合、インストールして構成した後に管理エージェントが自動的に起動します。

b_secureAgent=false

インストール後に管理エージェントをセキュリティで保護しない場合は、このパラメータを指定します。

このパラメータを指定した場合は、EM_UPLOAD_PORTパラメータを使用してOMS HTTPポートも指定してください。

例: b_secureAgent=false EM_UPLOAD_PORT=4899

このパラメータを指定しない場合、インストール後に管理エージェントが自動的にセキュリティで保護されます。


インストール後の作業

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して管理エージェントをインストールした後で、次の手順を実行します。

  1. 「ホスト・ステータスの追加」ページでインストールを検証します。デプロイメント操作の各段階における進行、初期化リモートの前提条件チェックエージェント・デプロイを確認します。


    注意:

    ホスト・ターゲットの追加ウィザードで、「エージェントのデプロイ」をクリックして、1つ以上の管理エージェントをインストールすると、ホスト・ステータスの追加ページが自動的に表示されます。

    すべてのデプロイメント・セッションの進行の詳細を表示したり追跡するには、「設定」メニューから「ターゲットの追加」を選択し、「ターゲットの手動追加」をクリックします。「ターゲットの手動追加」ページで、「ホスト・ターゲットの追加」を選択し、「ホスト結果の追加」をクリックします。


    特定のフェーズが失敗したか警告とともに終了した場合、エージェント・デプロイ詳細セクションの各フェーズに指定された詳細を確認し、次のうちの1つを実行します。

    • 警告または失敗を無視し、必要な場合、セッションを続行します。

      • チェックを正常にクリアしたリモート・ホストのみで管理エージェントのデプロイを続行することを選択し、警告または失敗のステータスを持つホストは無視できます。これを行うには、「続行」をクリックし、「失敗したホストは無視して続行」を選択します。

      • 警告または失敗のステータスを持つホストを含むすべてのホストで、管理エージェントのデプロイを続行することを選択できます。これを行うには、「続行」をクリックし、「すべてのホストで続行」を選択します。

    • エラーの説明を慎重に確認し、原因を理解し、Oracle推奨のアクションを実行することで、問題を解決します。

      • インストール詳細が同じである管理エージェントのデプロイを再試行することを選択できます。これを行うには、「再試行」をクリックし、「同じ入力を使用して再試行」を選択します。

      • インストール詳細が変更された管理エージェントのデプロイを再試行することを選択できます。これを行うには、「再試行」をクリックし、「入力を更新して再試行」を選択します。


    注意:

    実行中のデプロイメント・セッションを取り消す場合、「取消」をクリックします。セッションを取り消すと、そのセッションの追跡や再開はできないことに注意してください。ただし、リモート・ホストで現在起動されているコマンドは、完了まで実行が続けられます。

  2. 必要があれば、手動でインストールを検証します。

    1. 管理エージェントのホームに移動して次のコマンドを実行すると、管理エージェントが動作していることを確認するメッセージが表示されます。

      $<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl status agent


      注意:

      管理エージェントのステータスがなんらかの理由で停止状態の場合は、管理エージェントを手動で起動してください。

      $<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl start agent


    2. 管理エージェントのホームに移動して次のコマンドを実行すると、EMDアップロードが正常に完了したことを確認するメッセージが表示されます。

      $<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl upload

  3. すべてのプラグインが正常にインストールされたか確認します。これを行うには、管理エージェント・ホームから次のログ・ファイルにアクセスし、警告:プラグイン構成に失敗しました。という文を検索します。

    $<AGENT_HOME>/cfgtoollogs/cfgfw/CfmLogger-<timestamp>.log

    次に例を示します。

    $/u01/agent/core/12.1.0.2.0/cfgtoollogs/cfgfw/CfmLogger-<timestamp>.log

    この文が見つかったら、管理エージェント・ホームからAgentPluginDeploy.plスクリプトを実行して、問題を解決します。

    $<AGENT_BASE_DIR>/agent/core/12.1.0.2.0/perl/bin/perl <AGENT_BASE_DIR>/agent/core/12.1.0.2.0/bin/AgentPluginDeploy.pl -oracleHome <AGENT_BASE_DIR>/agent/core/12.1.0.2.0 -agentDir <AGENT_BASE_DIR> -pluginIdsInfoFile <AGENT_BASE_DIR>/plugins.txt -action configure -emStateDir <AGENT_INSTANCE_HOME>

    次に例を示します。

    /u01/agent/core/12.1.0.2.0/perl/bin/perl /u01/agent/core/12.1.0.2.0/bin/AgentPluginDeploy.pl -oracleHome /u01/agent/core/12.1.0.2.0/ -agentDir /u01/agent -pluginIdsInfoFile /u01/agent/plugins.txt -action configure -emStateDir /u01/agent/agent_inst

  4. 制限的な権限委任プロバイダ(PDP)構成設定がある場合は、PDP構成ファイルにnmosudoの場所を入力します。

    Enterprise Managerでは、SUDOやPowerBrokerなど、特定のユーザーが特定のコマンドを実行することを管理者が制限できるPDPがサポートされます。

    Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース2 (12.1.0.2)では、nmosudoはエージェント・ベース・ディレクトリ内のsbinディレクトリにあります。たとえば、<AGENT_BASE_DIRECTORY>/sbin/nmosudoなどです。Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1を適用または未適用]では、nmosudoはエージェント・インスタンス・ディレクトリにあります。たとえば、<AGENT_INSTANCE_DIRECTORY>/bin/nmosudoなどです。

    したがって、Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース2 (12.1.0.2)管理エージェントをインストールする場合は、nmosudoの新しい場所を更新するようにPDP構成ファイルを変更する必要があります。

    たとえば、SUDOをPDPとして使用する場合、通常、SUDOの構成ファイルは/etc/sudoersです。このファイルで、次のエントリをnmosudoへの新しい場所に更新します。

    sudouser ALL : oracle /eminstall/basedir/sbin/nmosudo * 
    
  5. (UNIXオペレーティング・システムの場合のみ)root権限やSUDO/PBRUNバイナリ、SUDO/PBRUN権限がないことに関する前提条件チェックの警告を無視した場合、インストールが行われた各ホストから、rootユーザーとして手動で次のスクリプトを実行します。SUDO/PBRUN権限を持っていない場合、権限を持つ管理者にこれらのスクリプトの実行を依頼してください。

    • これがホストにインストールした最初のOracle製品である場合、oraInstroot.shスクリプトを、管理エージェントのホームで使用可能なoraInst.locファイルで指定されたインベントリの場所から実行します。

      たとえば、oraInst.locファイルで指定されたインベントリの場所が$HOME/oraInventoryである場合、次のコマンドを実行します。

      $HOME/oraInventory/oraInstRoot.sh


      注意:

      rootユーザーでない場合は、SUDO/PBRUNを使用してrootユーザーに変更します。たとえば、次のようなコマンドを実行します。

      /usr/bin/sudo $HOME/oraInventory/oraInstRoot.sh


    • 管理エージェント・ホームからroot.shスクリプトを実行します。

      $<AGENT_HOME>/root.sh


      注意:

      rootユーザーでない場合は、SUDO/PBRUNを使用してrootユーザーに変更します。たとえば、次のようなコマンドを実行します。

      /usr/bin/sudo $<AGENT_HOME>/root.sh


  6. 誤ったタイムゾーンに関する警告を前提条件チェックで無視した場合は、次のコマンドを実行して、表示される手順に従ってください。

    $<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl resetTZ agent

  7. デフォルトでは、ホストおよび管理エージェントは、監視のためにEnterprise Manager Cloud Controlコンソールに自動的に追加されます。ただし、そのホストで実行中のターゲットは、自動的に検出および監視されません。

    その他のターゲットを監視するには、そのターゲットを、「自動検出の結果」ページ、「ターゲットの手動追加」ページまたは監視するターゲットに提供されている検出ウィザードを使用して、Enterprise Manager Cloud Controlに追加する必要があります。

    Enterprise Manager Cloud Controlでのターゲットの検出の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。


注意:

  • Oracle Management Agents 12cリリース1または2 (12.1.0.x)がSolarisの9uxおよび10uxオペレーティング・システムで頻繁にハングしたり、反応しない場合は、My Oracle SupportにあるドキュメントID 1427773.1を参照してください。

  • 既存の管理エージェントを新しいOracle Management Service (OMS)に再指定する場合は、まず、管理エージェントとプラグインをアンインストールし、新しいOMSを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムに移動する場合に行われます。

    既存の管理エージェントを新しいOMSに再指定するときに、管理エージェントにより監視されているターゲット、ターゲット履歴および管理エージェント履歴は移動できません。監視対象ターゲットおよび履歴データは失われます。