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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
12cリリース2 (12.1.0.2)
B65085-06
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7 Oracle Management Agentのクローニング

この章では、既存のOracle Management Agent (管理エージェント)をクローニングする方法について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

概要

Oracle Management Agent (管理エージェント)は、Enterprise Manager Cloud Controlのコア・コンポーネントの1つで、Enterprise Managerシステムで管理対象外ホストを管理対象ホストに変換できます。管理エージェントはプラグインと連携することにより、管理対象ホスト上で実行されているターゲットを監視します。

したがって、ホスト上で実行されているターゲットを監視するには、Oracle Management Agentをインストールして最初にこの管理対象外ホストを管理対象ホストに変換してから、監視を開始するためにそのホストで実行中のターゲットを手動で検出する必要があります。

ただし、他のインストール・タイプを使用してインストールする管理エージェントは常に、以前に実行したカスタマイズ構成や実行されている他の管理エージェントに適用した個別パッチのない、新規インストールです。

十分にテストされ、事前にパッチが適用されて実行中の既存の管理エージェントと同一の追加管理エージェントをインストールする場合は、既存のインスタンスをクローニングするのが最善のオプションです。これにより、フレッシュ・インストールにパッチを何度も適用し、最新の状態にするためにかかる時間と労力が節約されます。

グラフィック・モードまたはサイレント・モードで既存の管理エージェントをクローニングできます。

当然、環境内に1つ以上の管理エージェントが存在すること、および追加管理エージェントをクローニングするすべてのホストからそのソフトウェア・バイナリにアクセスできることが前提条件となります。このため、このインストール・タイプは、環境に追加管理エージェントのみをインストールする場合に使用してください。

管理エージェントのインストール後、ターゲットを監視するには、そのターゲットを、「自動検出の結果」ページ、「ターゲットの手動追加」ページまたは監視するターゲット用に提供されている検出ウィザードを使用して、Enterprise Manager Cloud Controlに追加する必要があります。

Enterprise Manager Cloud Control,のターゲットの検出の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの管理者ガイドのターゲットの追加に関する章を参照してください。

インストールが完了すると、エージェント・ベース・ディレクトリに次のデフォルトの内容が含まれています。

<agent_base_directory>
    |_____core
         |_____12.1.0.2.0
    |_____plugins
    |_____plugins.txt
    |_____agent_inst
    |_____sbin
    |_____agentimage.properties

注意:

既存の管理エージェントを新しいOracle Management Service (OMS)に対して再指定する場合、まず、管理エージェントとプラグインを削除し、新しいOMSを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムに移行する場合に行われます。

既存の管理エージェントを新しいOMSに対して再指定する場合、管理エージェントの監視対象ターゲット、ターゲットの履歴および管理エージェントの履歴は移行できません。監視対象ターゲットおよび履歴データは失われます。


開始前

Oracle Management Agentをインストールする前に、次の点に留意してください。

前提条件

管理エージェントをクローニングする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

表7-1 Oracle Management Agentをクローニングするための前提条件

要件 説明

ハードウェアの要件

ハード・ディスク領域および物理メモリー要件を満たしていることを確認します。詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のハードウェア要件に関する章を参照してください。

ソフトウェアの要件

(グラフィック・モードのみ)

(Microsoft Windowsの場合) Cygwin 1.7が宛先ホストにインストールされていることを確認します。詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のCygwinのインストールに関する章を参照してください。

注意: Microsoft Windows Server 2008およびMicrosoft Windows Vistaでcygwin.batを実行する際は、必ず管理者モードで起動してください。これを行うには、cygwin.batファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

オペレーティング・システム要件

管理エージェントは、「My Oracle Support」のEnterprise Managerの動作保証マトリックスに記載された動作保証済のオペレーティング・システムにのみインストールしてください。

Enterprise Managerの動作保証マトリックスにアクセスするには、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』で説明している手順を実行します。

今後のサポート対象プラットフォームの詳細は、My Oracle Supportのノート793512.1を参照してください。

注意: Oracle Solaris 10を使用する場合、アップデート9以上がインストールされていることを確認します。インストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

cat /etc/release

次のような出力が表示されます。ここで、s10s_u6は、アップデート6 (インストールがサポートされていない更新レベル)がインストールされていることを示します。

Solaris 10 10/08 s10s_u6wos_07b SPARC

パッケージ要件

すべてのオペレーティング・システム固有のパッケージをインストールしていることを確認します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのパッケージ要件に関する章を参照してください。

ユーザーおよびオペレーティング・システム・グループの要件

管理エージェントのインストール先のホストに適切なユーザーおよびオペレーティング・システム・グループが作成されていることを確認します。

詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成に関する章を参照してください。

/etc/hostsファイル要件

ホストの/etc/hostsファイルでIPアドレス、完全修飾名および短縮名が次の形式で使用されていることを確認します。

172.16.0.0 example.com mypc

宛先ホストの要件

宛先ホストにOMSを実行しているホストからアクセスできることを確認します。

宛先ホストとOMSが実行されているホストが別のネットワーク・ドメインに属している場合、宛先ホストの/etc/hostsファイルを更新して、そのホストのIPアドレス、完全修飾名および短縮名を含む1行を追加していることを確認します。

たとえば、完全修飾ホスト名がexample.comで、短縮名がmypcの場合は、/etc/hostsファイル内に次の行を追加します。

172.16.0.0 example.com mypc

宛先ホストの資格証明の要件

(グラフィック・モードのみ)

同じオペレーティング・システムを実行しているすべての宛先ホストに同じ資格証明セットが使用されていることを確認します。たとえば、Linuxオペレーティング・システムを実行しているすべての宛先ホストに同じ資格証明セットを使用する必要があります。

ウィザードは、同じユーザー・アカウントを使用して、管理エージェントをインストールします。同じオペレーティング・システムを実行しているホストで異なる資格証明を使用している場合、2つの異なるデプロイメント・セッションを使用します。

接続先ホストのタイムゾーン要件

(グラフィック・モードのみ)

接続先ホストのタイムゾーンが正しく設定されていることを確認します。接続先ホストのタイムゾーンを確認するには、OMSホストにログインし、次のコマンドを実行します。

ssh -l <install_user> <destination_host_name> /bin/sh -c 'echo $TZ'

タイムゾーンが正しく表示されない場合、接続先ホストにログインし、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、接続先ホストにタイムゾーンを設定します。

    • Kornシェルの場合:

      TZ=<value>

      export TZ

    • BourneシェルまたはBashシェルの場合:

      export TZ=<value>

    • Cシェルの場合:

      setenv TZ <value>

    たとえば、Bashシェルで、タイムゾーンをAmerica/New_Yorkに設定するには、次のコマンドを実行します。

    export TZ='America/New_York'

    Microsoft Windowsで稼働する宛先ホストにタイムゾーンを設定するには、「スタート」メニューから、「コントロール パネル」を選択します。「日付と時刻」をクリックし、「タイムゾーン」タブを選択します。表示されたドロップダウン・リストからタイムゾーンを選択します。

    使用できるタイムゾーンの一覧を確認するには、中央エージェント(OMSホストにインストールされた管理エージェント)の<AGENT_HOME>/sysman/adminディレクトリにあるsupportedtzs.lstファイルにアクセスします。

    注意: Microsoft Windows Server 2003で稼働するホストに管理エージェントをインストールするときに、アジア/コルカタ・タイムゾーンを使用してエラーが発生する場合には、My Oracle Supportノート1530571.1を参照してください。

  2. SSHデーモンを再起動します。

    接続先ホストがUNIXベースのオペレーティング・システムで実行されている場合、次のコマンドを実行します。

    sudo /etc/init.d/sshd restart

    接続先ホストがMicrosoft Windowsのオペレーティング・システムで実行されている場合、次のコマンドを実行します。

    cygrunsrv -E sshd

    cygrunsrv -S sshd

  3. OMSホストにログインして次のコマンドを実行し、SSHサーバーがTZ環境変数にアクセスできるかどうかを確認します。

    ssh -l <install_user> <destination_host_name> /bin/sh -c 'echo $TZ'

注意: クローニングを実行中に間違ったタイムゾーンの設定に関する前提条件チェックの警告を無視した場合、管理エージェントのクローニング後、宛先ホストで正しいタイムゾーンを設定する必要があります。クローニング後のタイムゾーンの設定の詳細は、「クローニング後」を参照してください。

タイムゾーン要件

(サイレント・モードのみ)

ホストのタイムゾーンが正しく設定されていることを確認します。ホストのタイムゾーンを確認するには、次のコマンドを実行します。

echo $TZ

表示されたタイムゾーンが正しくない場合は、agentDeploy.shまたはagentDeploy.batスクリプトを実行する前に、次のコマンドを実行して正しいタイムゾーンを設定します。

  • Kornシェルの場合:

    TZ=<value>

    export TZ

  • BourneシェルまたはBashシェルの場合:

    export TZ=<value>

  • Cシェルの場合:

    setenv TZ <value>

たとえば、Bashシェルで、タイムゾーンをAmerica/New_Yorkに設定するには、次のコマンドを実行します。

export TZ='America/New_York'

Microsoft Windowsで稼働する宛先ホストにタイムゾーンを設定するには、「スタート」メニューから、「コントロール パネル」を選択します。「日付と時刻」をクリックし、「タイムゾーン」タブを選択します。表示されたドロップダウン・リストからタイムゾーンを選択します。

使用できるタイムゾーンの一覧を確認するには、中央エージェント(OMSホストにインストールされた管理エージェント)の<AGENT_HOME>/sysman/adminディレクトリにあるsupportedtzs.lstファイルにアクセスします。

注意:

  • Microsoft Windows Server 2003で稼働するホストに管理エージェントをインストールするときに、アジア/コルカタ・タイムゾーンを使用してエラーが発生する場合には、My Oracle Supportノート1530571.1を参照してください。

  • クローニングを実行中に間違ったタイムゾーンの設定に関する前提条件チェックの警告を無視した場合、管理エージェントのクローニング後、ホストで正しいタイムゾーンを設定する必要があります。クローニング後のタイムゾーンの設定の詳細は、「クローニング後」を参照してください。

sudo/pbrun/sesu/su SSH要件

(グラフィック・モードのみ)

(UNIXの場合のみ)

使用している権限委任ツールで、SSH経由のリモート・コマンドの実行に擬似端末が必要な場合は、必ず$<OMS_HOME>/sysman/prov/agentpush/agentpush.propertiesファイルのoracle.sysman.prov.agentpush.enablePtyプロパティをtrueに設定してください。pbrun、sesu、suなどの権限委任ツールの多くは、デフォルトで、リモート・コマンドの実行に擬似端末を必要とします。

注意: 権限委任ツールにsudoを使用している場合、oracle.sysman.prov.agentpush.enablePtyプロパティをtrueに設定しないときは、次のいずれかを実行します。

  • /etc/sudoersファイルにDefaults visiblepwを含めるか、「インストールの詳細」ページの「権限委任設定」で、sudoコマンドを-Sオプション付きで入力します。

    「インストールの詳細」ページにアクセスする方法の詳細は、「グラフィック・モードのクローニング」を参照してください。

  • /etc/sudoersファイル内のDefaults requirettyをコメント化します。

sudo/pbrun/sesu/suの要件(Rootユーザーの場合)

(グラフィック・モードのみ)

(UNIXの場合のみ)

  • インストール・ユーザーにidコマンドおよびagentdeployroot.shスクリプトをrootとして実行する権限があることを確認します。権限委任ツールの構成ファイルで権限を付与します。

    たとえば、権限委任ツールにsudoを使用している場合は、/etc/sudoersファイルに次の内容を追加して、必要な権限を付与します。

    oracle ALL=(root) /usr/bin/id, /home/oracle/agentibd/*/agentdeployroot.sh

    ここで、oracleはインストール・ユーザー、/home/oracle/agentibdはエージェント・ベース・ディレクトリです。

  • 管理エージェントのインストールには、/etc/sudoersファイルに次のエントリは不要です。ただし、このエントリは、Enterprise Managerでプロビジョニングとパッチ適用を実行するために必要です。したがって、管理エージェントをインストールする前にこのエントリを削除する場合、管理エージェントのインストール後に、このエントリを戻してください。

    (root)/oracle/product/oms12c/agent/agent_inst/bin/nmosudo

sudo/pbrun/sesu/suの要件(ロックされたアカウント・ユーザーの場合)

(グラフィック・モードのみ)

(UNIXの場合のみ)

  • インストール・ユーザーに/bin/shをロックされたアカウント・ユーザーとして実行する権限があることを確認します。権限委任ツールの構成ファイルで権限を付与します。

    たとえば、権限委任ツールにsudoを使用している場合は、/etc/sudoersファイルに次の内容を追加して、必要な権限を付与します。

    login_user1 ALL=(oracle) /bin/sh

    ここで、login_user1はSSHログイン・ユーザー、oracleはロックされたアカウント・ユーザーおよびインストール・ユーザーです。

    ロックされたアカウント・ユーザーとして/bin/shを実行する権限をインストール・ユーザーに付与する場合は、oracle.sysman.prov.agentpush.pdpShellOutEnabledプロパティをfalseに設定し、id、chmod、cp、mkdir、rm、tar、emctl、agentDeploy.sh、runInstallerおよびunzipをロックされたアカウント・ユーザーとして実行する権限がインストール・ユーザーにあることを確認します。権限委任ツールの構成ファイルで権限を付与します。

    たとえば、権限委任ツールにsudoを使用している場合は、/etc/sudoersファイルに次の内容を追加して、必要な権限を付与します。

    login_user1 ALL=(oracle) /usr/bin/id, /bin/chmod, /bin/cp, /bin/mkdir, /bin/rm, /bin/tar, /home/oracle/agentibd/agent_inst/bin/emctl, /home/oracle/agentibd/*/agentDeploy.sh, /home/oracle/agentibd/*/prereq_stage/core/12.1.0.2.0/oui/bin/runInstaller, /home/oracle/agentibd/*/unzip, /home/oracle/agentibd/*/unzipTmp/unzip

    ここで、login_user1はSSHログイン・ユーザー、oracleはロックされたアカウント・ユーザーおよびインストール・ユーザー、および/home/oracle/agentibdはエージェント・ベース・ディレクトリです。

  • 管理エージェントのインストールには、/etc/sudoersファイルに次のエントリは不要です。ただし、このエントリは、Enterprise Managerでプロビジョニングとパッチ適用を実行するために必要です。したがって、管理エージェントをインストールする前にこのエントリを削除する場合、管理エージェントのインストール後に、このエントリを戻してください。

    (root)/oracle/product/oms12c/agent/agent_inst/bin/nmosudo

権限要件

  • 指定するエージェント・ベース・ディレクトリが空で、書込み権限があることを確認します。

  • インスタンス・ディレクトリが空で、書込み権限があることを確認します。

PATH環境変数要件

(グラフィック・モードのみ)

宛先ホスト上で、次の内容を確認します。

  • (Microsoft Windowsの場合) PATH環境変数内でCygwinソフトウェアの場所が他のソフトウェアの場所よりも前に指定されていることを確認します。最初のエントリであることを確認した後、SSHデーモン(sshd)を再起動します。

  • (UNIXの場合)宛先ホストで、PATH環境変数内にSCPバイナリ(/usr/bin/scpなど)が存在することを確認します。

パス検証の要件

すべてのコマンドの場所へのパスを検証します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイドのコマンド場所の検証に関する付録を参照してください。

CLASSPATH環境変数の要件

CLASSPATH環境変数の設定を解除します。インストールの完了後、常にこの変数を元の値にリセットできます。

一時ディレクトリの領域要件

実行可能ファイルがコピーされる一時ディレクトリに、400MBの領域が割り当てられていることを確認します。

デフォルトでは、環境変数TMPまたはTEMPに設定されている一時ディレクトリの場所が適用されます。両方が設定されている場合、TEMPが適用されます。いずれも設定されていない場合、UNIXホストは/tmp、Microsoft Windowsホストはc:\Tempとしてデフォルト値が適用されます。

エージェント・ベース・ディレクトリの要件

エージェント・ベース・ディレクトリが空で、1GB以上の空き領域があることを確認します。

ディレクトリ名に空白が含まれていないことを確認します。

インストールしているユーザーがエージェント・ベース・ディレクトリを所有していることを確認します。インストールしているユーザーまたはルート・ユーザーがすべての親ディレクトリを所有していることを確認します。ルート・ユーザーがルート・ディレクトリを所有していることを確認します。

たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが/scratch/OracleHomes/agentで、インストールしているユーザーがoracleの場合、/scratch/OracleHomes/agentディレクトリはoracleが、scratchおよびOracleHomesディレクトリはoracleまたはrootユーザーが、ルート・ディレクトリ(/)はrootユーザーが所有している必要があります。

エージェントのベース・ディレクトリがマウントされている場合、setuidがオンになってマウントされていることを確認します。

デフォルトのSSHポートの要件

(グラフィック・モードのみ)

SSHデーモンがすべての宛先ホストのデフォルト・ポート(22)で実行されていることを確認します。ポートを確認するには、次のコマンドを実行します。

netstat -anp | grep <port_no>

ポートがデフォルト以外のポートである場合、つまり22以外のポートの場合、OMSホームに存在する次のファイル内のSSH_PORTプロパティを更新してください。

$<OMS_HOME>/oui/prov/resources/Paths.properties

ソフトウェア可用性の要件

(グラフィック・モードのみ)

既存の管理エージェントをクローニングする場合

使用している環境でOracle Management Agent 12cがすでに実行されていることを確認します。実行されているプラットフォームが、クローニングの宛先ホストのプラットフォームと同じであることを確認します。

共有Oracleホームを使用して管理エージェントをインストールする場合

マウント済の共有場所にマスター・エージェントとしてすでにOracle Management Agent 12cがインストールされていることを確認します。

インストール・ベース・ディレクトリの要件

(グラフィック・モードのみ)

「インストールのベース・ディレクトリ」フィールドに指定するエージェント・ベース・ディレクトリが空であり、書込み権限を持っていることを確認します。

plugins.txtファイルの更新要件

(サイレント・モードのみ)

(後で追加プラグインを管理エージェントにデプロイした場合のみ)

デフォルトでは、管理エージェントをインストールすると、Oracleホームの検出プラグイン、Oracleホームの監視プラグインおよび管理エージェントがデプロイされているOMSで構成されたすべての検出プラグインで自動的に構成されます。ただし、管理エージェントのインストール後に追加のプラグインをデプロイする場合は、管理エージェントをクローニングする前に、plugins.txtファイルを編集し、追加のプラグインに関する情報をファイルに追加する必要があります。次の手順を実行します。

  1. インストール・ベース・ディレクトリに存在するplugins.txtファイルを開きます。

    注意: plugins.txtファイルが存在しない場合、それを作成する必要があります。

  2. 管理エージェントにデプロイしたすべての追加プラグインに対して、次の形式でエントリを追加します。

    <plug-in_id>|<plug-in_version>||<plug-in_type>

    たとえば、oracle.sysman.oh|12.1.0.2.0||discoveryPluginになります。

    第1フィールドはプラグインID、第2フィールドはプラグイン・バージョン、第3フィールドは空白、第4フィールドはプラグイン・タイプをそれぞれ指定しています。検出プラグインではプラグイン・タイプとしてdiscoveryPluginを指定し、監視プラグインではプラグイン・タイプとしてagentPluginを指定する必要があります。

    注意: プラグインID、プラグイン・バージョンおよびプラグイン・タイプを確認するには、インストール・ベース・ディレクトリに存在するpluginsディレクトリを参照してください。プラグインごとに、プラグインのID、タイプおよびバージョンに基づいた名前のサブディレクトリが表示されます。

    たとえば、oracle.sysman.db.discovery.plugin_12.1.0.2.0ディレクトリに含まれるプラグインの場合、oracle.sysman.dbがプラグインIDで、12.1.0.2.0がプラグイン・バージョンであり、discoveryはこのプラグインが検出プラグインであることを示します。このディレクトリに含まれるプラグインについては、plugins.txtファイルに次のエントリを追加する必要があります。

    oracle.sysman.db|12.1.0.2.0||discoveryPlugin

  3. plugins.txtファイルを保存します。

ジョブ・システム要件

クローニングするソース管理エージェントでジョブ・システムが有効になっていることを確認します。

インストール・ユーザーの要件

中央インベントリ所有者と管理エージェントをインストールするユーザーが異なる場合、両者が同じグループに属していることを確認します。

また、インベントリ所有者と所有者が属するグループに中央インベントリに対する読取りおよび書込み権限があることも確認します。

たとえば、インベントリ所有者がabcで、管理エージェントをインストールするユーザーがxyzの場合、abcxyzが同じグループに属し、双方が中央インベントリに対する読取りおよび書込みアクセスを持っていることを確認してください。

中央インベントリ(oraInventory)の要件

  • 中央インベントリに100MBの領域が割り当てられていることを確認します。

  • 中央インベントリ・ディレクトリが共有ファイル・システム上にないことを確認します。すでに共有ファイル・システム上にある場合は、共有ファイル・システム以外の場所に新しいインベントリを作成してください。オプションで、共有ファイル・システムにインストールされていた製品を、共有ファイル・システム以外の場所に作成した新しいインベントリに移行できます。

  • すべてのリモート・ホスト上のoraInventoryに対して読取り権限、書込み権限および実行権限があることを確認します。リモート・ホスト上のデフォルト・インベントリ(通常は/etc/oraInst.loc)に対してこれらの権限がない場合、ホスト・ターゲットの追加ウィザードの「追加パラメータ」フィールドのいずれかのオプションを使用して、別のインベントリの場所のパスを指定してください。ただし、これらのパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。

    INVENTORY_LOCATION=<absolute_path_to_inventory_directory>

    -invPtrLoc <absolute_path_to_oraInst.loc>

ポート要件

「使用されるデフォルト・ポート」で説明されているデフォルトのポートを使用できることを確認します。

エージェント・ユーザー・アカウント権限

(Microsoft Windowsのみ)

(Microsoft Windowsの場合)Microsoft Windowsベースのオペレーティング・システム上に管理エージェントをインストールする場合、エージェント・ユーザー・アカウントに次を実行する権限があることを確認します。

  • オペレーティング・システムの一部として機能

  • プロセスのメモリー割当ての調整

  • プロセス・レベル・トークンの置換え

  • バッチ・ジョブとしてログオン

エージェント・ユーザーにこれらの権限があることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 「ローカル セキュリティ ポリシー」を起動します。

    「スタート」 メニューから「設定」をクリックし、「コントロール パネル」を選択します。「コントロール パネル」ウィンドウから「管理ツール」を選択し、「管理ツール」ウィンドウから「ローカル セキュリティ ポリシー」を選択します。

  2. 「ローカル セキュリティ ポリシー」ウィンドウで、ツリー構造から「ローカル ポリシー」を開き、「ユーザー権利の割り当て」を開きます。

cmd.exeの権限

(Microsoft Windowsの場合)Microsoft Windowsベースのオペレーティング・システム上に管理エージェントをインストールする場合、バッチ・ジョブを実行するユーザー・アカウントにCmd.exeプログラムの読取り権限および実行権限を付与していることを確認します。これはMicrosoftからの制約事項です。

この制約事項、および権限を付与する方法の詳細は、次のMicrosoft WebサイトへのURLにアクセスしてください。

http://support.microsoft.com/kb/867466/en-us

インストール前/インストール後スクリプトの要件

(グラフィック・モードのみ)

インストールとともに実行するインストール前スクリプトとインストール後スクリプトがOMSホスト、宛先ホストまたは宛先ホストにアクセスできる共有場所で使用可能であることを確認します。

ブラウザ要件

(グラフィック・モードのみ)

  • 「My Oracle Support」のEnterprise Managerの動作保証マトリックスに記載されている動作保証済のブラウザを必ず使用してください。

    Enterprise Managerの動作保証マトリックスにアクセスするには、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』で説明している手順を実行します。

  • Microsoft Internet Explorer 8または9を使用する場合、次の手順を実行します。

    • 互換表示モードを無効にします。これを行うには、Microsoft Internet Explorerの「ツール」メニューの「互換表示」をクリックして、有効な場合は無効にします。また、「互換表示設定」をクリックして、Enterprise Manager Cloud ControlコンソールURLを登録解除します。

    • XMLHTTPを有効にします。これを行うには、「ツール」メニューから「インターネット オプション」をクリックします。「詳細設定」タブをクリックして、「セキュリティ」見出しの「ネイティブ XMLHTTP サポートを有効にする」を選択して有効にします。


クローニング手順

この項の内容は次のとおりです。

グラフィック・モードのクローニング

グラフィック・モードで管理エージェントをクローニングするには、次の手順に従います。

  1. Cloud Controlで、次のいずれかの操作を行います。

    • 「設定」メニューから、「ターゲットの追加」を選択し、「自動検出の結果」をクリックします。「自動検出の結果」ページで、Enterprise Manager Cloud Controlで監視するホストを選択し、「昇格」をクリックします。

      Enterprise Manager Cloud Controlにホストの追加ウィザードが表示され、既存の管理エージェントをクローニングするオプションが選択できるようになります。

    • 「設定」メニューから、「ターゲットの追加」を選択し、「ターゲットの手動追加」をクリックします。「ターゲットの手動追加」ページで、「ホスト・ターゲットの追加」を選択し、「ホストの追加」をクリックします。

      Enterprise Manager Cloud Controlにホストの追加ウィザードが表示され、既存の管理エージェントをクローニングするオプションが選択できるようになります。

  2. ホストとプラットフォーム・ページで、次を実行します。

    1. このセッションに割り当てられたデフォルトの名前のままにするか、選択した一意の名前を入力します。入力するカスタム名は直観的な名前にすることができ、必ずしもデフォルトの名前と同じフォーマットにする必要はありません。例: add_host_operation_1

      一意のデプロイメント・アクティビティ名によって、このデプロイメント・セッションで指定されたクローニング詳細を保存し、新規セッションですべての詳細を入力しなおすことなく、将来再利用できます。

    2. 「追加」をクリックし、管理エージェントをクローニングするホストの完全修飾名およびプラットフォームを選択します。


      注意:

      • ホストの完全修飾ドメイン名を入力することをお薦めします。監視のため、Enterprise Manager Cloud Controlは、ここで入力した正確な名前でホストおよび管理エージェントを追加します。

      • 行当たり入力するホスト名は1つのみにする必要があります。複数のホスト名をカンマで区切って入力することはサポートされていません。

      • 入力するホスト名にアンダースコアがないことを確認する必要があります。


      または、「ファイルからロード」をクリックしてファイルに格納されたホスト名を追加するか、「検出されたホストから追加」をクリックしてEnterprise Managerで検出されたホストのリストからホスト名を追加できます。ホスト名エントリをホスト・ファイルに表示する方法の詳細は、「ホスト・リスト・ファイルの形式」を参照してください。


      注意:

      「検出されたホストの追加」をクリックして検出されたホストのリストからホストを追加すると、ホストのプラットフォームが自動的に検出されて表示されます。自動検出で受信したヒントおよびOMSホストのプラットフォームを含む要素の組合せを使用して、プラットフォーム名が検出されます。このデフォルトのプラットフォーム名は提案なので、次の手順に進む前にプラットフォームの詳細を確認することを強くお薦めします。

      ソース・ホストおよび宛先ホストが同じプラットフォームで稼働している場合のみクローニングできるため、表の最初の行の最初のホストのプラットフォームを設定し、「プラットフォーム」リストから、「すべてのホストで同一」を選択します。これにより、最初のホストに選択したプラットフォーム名が表の残りのホストにも設定されます。


      注意:

      OMSホストが稼働しているプラットフォームとは別のプラットフォームに管理エージェントをクローニングする場合、そのプラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアがOracleソフトウェア・ライブラリ(ソフトウェア・ライブラリ)で入手可能なことを確認してください。必要なプラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアがソフトウェア・ライブラリから入手できない場合は、自己更新コンソールを使用してソフトウェアを取得および適用してください。

      自己更新コンソールにアクセスするには、「設定」メニューから、「拡張性」を選択し、「自己更新」を選択します。最新の管理エージェントのソフトウェアを入手するには、「エージェント・ソフトウェア」をクリックし、必要なソフトウェアを選択してから「ダウンロード」をクリックします。

      自己更新コンソールを使用してプラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアを取得および適用する方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。


    3. 「次へ」をクリックします。

  3. 「インストールの詳細」ページで、次のようにします。

    1. 「デプロイメント・タイプ」セクションで、既存のエージェントのクローニングを選択します。「ターゲットの選択」で、懐中電灯アイコンをクリックして、クローニングする管理エージェントを選択します。


      注意:

      共通の済ドライブを複数のホストが共有している場合、管理エージェントのインストールは2つの異なるフェーズに分けられます。
      1. ホスト・ターゲットの追加ウィザードで、デプロイメント・タイプ「既存のエージェントのクローニング」を選択し、ドライブが共有されているホストに管理エージェントをクローニングします。

      2. ホスト・ターゲットの追加ウィザードで、デプロイメント・タイプ「共有エージェントへのホストの追加」を選択し、共有されているマウント済ドライブにアクセスできる他のすべてのホストに管理エージェントをインストールします。(ここでは、前の手順でマスター・エージェントまたは共有エージェントとしてクローニングした管理エージェントを選択します。)


      図7-1は、この手順を示しています。

      図7-1 管理エージェントのクローニング

      図7-1の説明が続く
      「図7-1 管理エージェントのクローニング」の説明

    2. 表から、共通のプラットフォーム名でグループ化されたホストを示す最初の行を選択します。

    3. 「インストールの詳細」セクションで、ステップ3 (b)で選択したホストに共通するインストールの詳細を指定します。「インストールのベース・ディレクトリ」に、管理エージェントのソフトウェア・バイナリ、セキュリティ・ファイルおよびインベントリ・ファイルをコピーするエージェント・ベース・ディレクトリへの絶対パスを入力します。

      たとえば、/usr/home/software/oracle/agentHomeなどです。

      入力したパスが存在しない場合は、指定されたパスにディレクトリが作成され、管理エージェントのソフトウェア・バイナリ、セキュリティ・ファイルおよびインベントリ・ファイルがその場所にコピーされます。


      注意:

      インストールのベース・ディレクトリは、基本的にはエージェント・ベース・ディレクトリです。指定するディレクトリが空であることを確認します。以前に実行したデプロイメント・セッションがなんらかの理由で失敗した場合、インストール・ベース・ディレクトリにADATMP_<timestamp>サブディレクトリがある可能性があります。この場合、サブディレクトリを削除してデプロイメント・セッションを新たに開始するか、失敗したセッションを「ホスト・ステータスの追加」ページから再試行します。

    4. 「インスタンス・ディレクトリ」で、デフォルトのインスタンス・ディレクトリの場所のままにするか、すべての管理エージェント関連の構成ファイルを格納できるディレクトリを選択し、そこへの絶対パスを入力します。

      たとえば、/usr/home/software/oracle/agentHome/agent_instなどです。

      カスタムの場所を入力する場合、そのディレクトリに書込み権限があることを確認してください。インストールのベース・ディレクトリ内のインスタンス・ディレクトリを保持することをお薦めします。

      入力したパスが存在しない場合は、指定されたパスにディレクトリが作成され、管理エージェントに関連するすべての構成ファイルがその場所にコピーされます。

    5. 「名前付き資格証明」リストから、資格証明がOMSとリモート・ホスト間のSSH接続を設定し、各リモート・ホストに管理エージェントをインストールするのに使用できる適切なプロファイルを選択します。


      注意:

      • 資格証明プロファイルがない場合、または資格証明プロファイルはあるが「名前付き資格証明」リストで見つからない場合、このリストに対するプラス・アイコンをクリックします。名前付き資格証明の新規作成ウィンドウに、資格証明を入力し、適切なプロファイル名で格納して、管理エージェントのインストールに選択および使用できるようにします。また、作成している名前付き資格証明から、インストールの実行権限を持つ別のユーザーに切り替えるには、実行権限を設定します。

      • このリストに対するプラス・アイコンが無効な場合、資格証明があるプロファイルを作成する権限がありません。この場合、管理者に連絡して、新規プロファイルの作成権限を付与してもらうようリクエストするか、プロファイルを作成してもらい、「名前付き資格証明」リストにプロファイルを表示するアクセス権を付与してもらうようリクエストします。

      • OMSとリモート・ホスト間のSSH公開キー認証を手動で設定している場合、ユーザー・アカウントのパスワードがない可能性があります。この場合、仮パスワードを使用して、名前付き資格証明を作成します。パスワード・フィールドは空のままにしないでください。


    6. 「権限委任設定」で、rootスクリプトの実行に使用する権限委任設定を検証します。デフォルトでは、Enterprise Manager Cloud Controlで構成されている権限委任設定に設定されます。

      たとえば、「権限委任設定」フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      /usr/bin/sudo -u %RUNAS% %COMMAND%
      /usr/bin/sesu - %RUNAS% -c "%COMMAND%"
      /usr/bin/pbrun %PROFILE% -u %RUNAS% %COMMAND%
      /usr/bin/su - %RUNAS% -c "%COMMAND%"
      

      「権限委任設定」フィールドを空白のままにしておくと、ウィザードではrootスクリプトが実行されないため、インストール後に手動で実行する必要があります。手動の実行の詳細は、「クローニング後」を参照してください。

      この設定は、選択した名前付き証明の「別名実行」属性で設定されたユーザーとしてのインストールの実行にも使用されます(この名前付き資格証明の作成時にユーザーを設定している場合)。


      注意:

      権限委任設定での%RUNAS%は、ルート・スクリプトを実行するルート・ユーザー、および名前付き資格証明の「別名実行」属性で設定された、インストールを実行するユーザーとしての権限を持ちます。

    7. 「ポート」で、管理エージェントの通信用に割り当てられたデフォルトのポート(3872)のままにするか、選択したポートを入力します。

      入力するカスタム・ポートはビジー状態ではない必要があります。不明な場合、このフィールドを空白にしておくことができます。Enterprise Manager Cloud Controlによって、1830 - 1849の範囲から最初の使用可能な空きポートが自動的に割り当てられます。

    8. (オプション)「オプションの詳細」セクションで、実行するインストール前スクリプトおよびインストール後スクリプトを使用できるアクセス可能な場所への絶対パスを入力します。インストール前スクリプトまたはインストール後スクリプトを1つのみ指定できることに注意してください。

      スクリプトをrootとして実行するには、「Rootとして実行」を選択します。管理エージェントをインストールするホスト上ではなく、OMSが実行されているホスト上にスクリプトがある場合、「OMSのスクリプト」を選択します。この場合、スクリプトはOMSホストから接続先ホストにコピーされてから、接続先ホストで実行されます。

    9. (オプション)「追加パラメータ」で、インストール時に渡す追加パラメータの空白区切りのリストを入力します。サポートされている追加パラメータの完全なリストは、表7-2を参照してください。

      たとえば、インベントリ・ポインタの場所ファイルを指定する場合、-invPtrLocの後ろにファイルの場所への絶対パスを入力します。このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされないことに注意してください。

    10. 表にある他のすべての行に対して、ステップ3 (b)からステップ3 (i)までを繰り返します。

    11. 「次へ」をクリックします。

  4. 確認ページで、指定した詳細を確認し、詳細に問題がない場合、「エージェントのデプロイ」をクリックして、管理エージェントをクローニングします。

    詳細を変更する場合、変更を加えるページに到達するまで、「戻る」をクリックします。

    「エージェントのデプロイ」をクリックして、デプロイメント・セッションを送信すると、「ホスト・ステータスの追加」ページが自動的に表示され、デプロイメント・セッションの進行を監視できます。


    注意:

    「ホスト・ステータスの追加」ページで、ソース・エージェント・イメージのコピーに失敗しましたというエラー・メッセージが表示されている場合、OMSホームの次のログ・ファイルを参照してください。

    $<OMS_HOME>/sysman/prov/agentpush/<timestampdir>/applogs/deployfwk.log

    通常、このエラーは、クローニングしているソース管理エージェントでジョブ・システムが有効になっていない場合に発生します。ジョブ・システムが有効になっていることを確認してください。


サポートされる追加パラメータ

表7-2は、グラフィック・モードでの管理エージェントのクローニングでサポートされる追加パラメータを示しています。

表7-2 サポートされる追加パラメータ

パラメータ 説明

INVENTORY_LOCATION

中央インベントリ(oraInventory)の絶対パスを入力します。

たとえば、INVENTORY_LOCATION=$HOME/oraInventoryなどです。

注意: このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。

このパラメータは中央インベントリ・ポインタ/etc/oraInst.loc (または/var/opt/oracle/oraInst.loc)が存在しない場合にのみ使用されます。

-invPtrLoc

中央インベントリ(oraInventory)の場所を含むインベントリ・ファイルの絶対パスを入力します。

たとえば、-invPtrLoc /tmp/oraInst.locなどです。

注意: このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。

s_agentSrvcName

(Microsoft Windowsのみ)管理エージェント・サービスのカスタム名を入力します。

Microsoft Windowsのサービスとして各管理エージェントが表示され、各管理エージェントにデフォルトのサービス名が使用されます。識別するためにカスタム名を割り当てる場合、このパラメータを使用します。

たとえば、s_agentSrvcName=agentsrvc1などです。

注意: Microsoft Windowsホストにインストールされている12cリリース1 (12.1.0.1)の管理エージェントを12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードする場合、同じホスト上に別の管理エージェントをインストールするには、必ずs_agentSrvcNameパラメータを指定してください。

EM_STAGE_DIR

一時的なプロビジョニング・アドバイザ・フレームワーク(PAF)・ステージング・ディレクトリとして作成できるカスタムの場所の絶対パスを入力します。

デフォルトでは、管理エージェントをインストールするたびに、デプロイメント・プロシージャに関連するソフトウェア・ライブラリ・エンティティをコピーするためにPAFステージング・ディレクトリが作成されます。デフォルトでは、この場所はスクラッチ・パスの場所(/tmp)です。この場所はプロビジョニングのアクティビティにのみ使用されます。エンティティはデプロイメント・プロシージャ用にコピーされ、デプロイメント・プロシージャが終了すると削除されます。

この場所をカスタムの場所でオーバーライドする場合、このオプションを渡して、カスタムの場所を入力できます。

次に例を示します。

EM_STAGE_DIR=/home/john/software/oracle/pafdir

b_startAgent=false

管理エージェントをインストールして構成した後に自動的に起動しないようにするには、このパラメータを指定します。

このパラメータを指定しないと、管理エージェントはインストールして構成した後に自動的に起動します。

b_secureAgent=false

インストールした後に管理エージェントを保護しない場合は、このパラメータを指定します。

このパラメータを指定する場合は、EM_UPLOAD_PORTパラメータを使用して、OMS HTTPポートも必ず指定してください。

たとえば、b_secureAgent=false EM_UPLOAD_PORT=4899などです。

このパラメータを指定しないと、管理エージェントはインストールした後に自動的に保護されます。


ホスト・リスト・ファイルの形式

ホスト・ターゲットの追加ウィザードで、 「ファイルからロード」をクリックして、ファイルにリストされているホストを追加します。ただし、選択するファイルが次のいずれかの形式であることを確認します。

  • ホスト名のみ。

    例 :

    host1.example.com

    host2.example.com

  • ホスト名にプラットフォーム名が続く。

    例 :

    host1.example.com linux_x64

    host2.example.com aix

    サポートされているプラットフォーム名は、linux_x64、linux、solaris、hpunix、hpi、linux64_zseries、aix、linux_ppc64、windows_x64、solaris_x64、win32です。

サイレント・モードのクローニング

管理エージェントを手動でクローニングするには、次の手順に従います。

  1. 表7-3の説明に従って、環境変数を設定します。

  2. エージェント・ベース・ディレクトリに移動します。

    cd $AGENT_BASE_DIR


    注意:

    デフォルトでは、管理エージェントをインストールすると、Oracleホームの検出プラグイン、Oracleホームの監視プラグインおよび管理エージェントがデプロイされているOMSで構成されたすべての検出プラグインで自動的に構成されます。ただし、管理エージェントのインストール後に追加のプラグインをデプロイする場合は、管理エージェントをクローニングする前に、plugins.txtファイルを編集し、追加のプラグインに関する情報をファイルに追加する必要があります。

    これは、「前提条件」に記載されている前提条件です。この前提条件を満たしていない場合、次の手順を実行します。

    1. インストール・ベース・ディレクトリに存在するplugins.txtファイルを開きます。

      注意: plugins.txtファイルが存在しない場合、それを作成する必要があります。

    2. 管理エージェントにデプロイしたすべての追加プラグインに対して、次の形式でエントリを追加します。

      <plug-in_id>|<plug-in_version>||<plug-in_type>

      たとえば、oracle.sysman.oh|12.1.0.2.0||discoveryPluginになります。

      第1フィールドはプラグインID、第2フィールドはプラグイン・バージョン、第3フィールドは空白、第4フィールドはプラグイン・タイプをそれぞれ指定しています。検出プラグインではプラグイン・タイプとしてdiscoveryPluginを指定し、監視プラグインではプラグイン・タイプとしてagentPluginを指定する必要があります。

      注意: プラグインID、プラグイン・バージョンおよびプラグイン・タイプを確認するには、インストール・ベース・ディレクトリに存在するpluginsディレクトリを参照してください。プラグインごとに、プラグインのID、タイプおよびバージョンに基づいた名前のサブディレクトリが表示されます。

      たとえば、oracle.sysman.db.discovery.plugin_12.1.0.2.0ディレクトリに含まれるプラグインの場合、oracle.sysman.dbがプラグインIDで、12.1.0.2.0がプラグイン・バージョンであり、discoveryはこのプラグインが検出プラグインであることを示します。このディレクトリに含まれるプラグインについては、plugins.txtファイルに次のエントリを追加する必要があります。

      oracle.sysman.db|12.1.0.2.0||discoveryPlugin

    3. plugins.txtファイルを保存します。


  3. エージェント・ベース・ディレクトリ内のディレクトリとファイルを圧縮し、一時ディレクトリにZIPファイルを作成します。

    zip -r $T_WORK/agentcoreimage.zip core sbin plugins plugins.txt agentimage.properties

  4. 一時ディレクトリに移動します。

    cd $T_WORK

  5. agentDeploy.shを一時ディレクトリにコピーします。

    cp $AGENT_HOME/sysman/install/agentDeploy.sh .

  6. UNZIPユーティリティを一時ディレクトリにコピーします。

    cp $AGENT_HOME/bin/unzip

  7. agentimage.propertiesを一時ディレクトリにコピーします。

    cp $AGENT_BASE_DIR/agentimage.properties

  8. 転送されるすべての内容を含む最終的なZIPファイルを一時ディレクトリに作成します。

    zip -r agent.zip $T_WORK/*

  9. ファイル転送ユーティリティ(たとえば、FTPなど)を使用して、宛先ホストのインストール・ベース・ディレクトリにZIPファイルを転送します。

  10. ZIPファイルの内容を抽出します。

  11. 表6-3の説明に従って、同じディレクトリにagent.rspというレスポンス・ファイルを作成します。


    注意:

    作成するレスポンス・ファイルには任意の名前が付けられ、必ずしもagent.rspである必要はありません。わかりやすくするため、この章ではagent.rspという名前を使用します。また、レスポンス・ファイルを作成するかわりに、デプロイメント・スクリプトの起動中に個別の引数で値を渡すことができます。ただし、レスポンス・ファイルを作成して情報を取得することをお薦めします。

  12. デプロイメント・スクリプトを起動して、レスポンス・ファイルを渡します。

    <Agent_Base_Directory>/agentDeploy.sh AGENT_BASE_DIR=<absolute_path_to_agentbasedir> RESPONSE_FILE=<absolute_path_to_responsefile>


    注意:

    • レスポンス・ファイルを作成するかわりに個別の引数で値を渡す場合、次のように必須引数の一部を使用して、デプロイメント・スクリプトを起動します。

      <Agent_Base_Directory>/agentDeploy.sh AGENT_BASE_DIR=<absolute_path_to_agentbasedir> OMS_HOST=<oms_hostname> EM_UPLOAD_PORT=<em_upload_port> AGENT_REGISTRATION_PASSWORD=<password>

    • エージェント・ベース・ディレクトリおよびレスポンス・ファイル(またはインストール詳細の個別の必須引数)を渡す以外に、デプロイメント・スクリプトでサポートされている他のオプションも渡すことができます。詳細は、「agentDeployスクリプトでサポートされるオプションの理解」を参照してください。


ZIPファイルを使用してエージェントをクローニングするための環境変数の設定

表7-3は、設定する必要がある環境変数を示し、それらの設定方法を説明しています。

表7-3 ZIPファイルを使用してエージェントをクローニングするための環境変数の設定




AGENT_BASE_DIR

クローニングする管理エージェントのインストール・ベース・ディレクトリに設定します。

  • bash端末で、次のコマンドを実行します。

    export AGENT_BASE_DIR=<absolute_path_to_agent_install_base_dir>

    次に例を示します。

    export AGENT_BASE_DIR=/u01/app/Oracle/software/agent

  • 他の端末で、次のコマンドを実行します。

    setenv AGENT_BASE_DIR <absolute_path_to_agent_install_base_dir>

    次に例を示します。

    setenv AGENT_BASE_DIR /u01/app/Oracle/software/agent

AGENT_HOME

管理エージェントのOracleホームに設定します。

次に例を示します。

/u01/app/Oracle/software/agent/core/12.1.0.2.0

  • bash端末で、次のコマンドを実行します。

    export AGENT_HOME=<absolute_path_to_agent_home>

    次に例を示します。

    export AGENT_HOME=/u01/app/Oracle/software/agent/core/12.1.0.2.0

  • 他の端末で、次のコマンドを実行します。

    setenv AGENT_HOME <absolute_path_to_agent_home>

    次に例を示します。

    setenv AGENT_HOME /u01/app/Oracle/software/agent/core/12.1.0.2.0

T_WORK

/tmp/clone_workに設定します。

  • bash端末で、次のコマンドを実行します。

    export T_WORK=/tmp/clone_work

  • 他の端末で、次のコマンドを実行します。

    setenv T_WORK /tmp/clone_work


クローニング後

管理エージェントをクローニングした後は、次の手順を実行します。

  1. (グラフィック・モードのみ)「ホスト・ステータスの追加」ページのインストールを確認します。デプロイ操作のフェーズである初期化リモートの前提条件チェックおよびエージェント・デプロイに行われた進行状況を確認します。


    注意:

    ホスト・ターゲットの追加ウィザードで、「エージェントのデプロイ」をクリックして、1つ以上の管理エージェントをインストールすると、ホスト・ステータスの追加ページが自動的に表示されます。

    詳細を表示するか、すべてのデプロイメント・セッションの進行状況を追跡する場合、「設定」メニューから「ターゲットの追加」を選択して、「ターゲットの手動追加」をクリックします。「ターゲットの手動追加」ページで、「ホスト・ターゲットの追加」を選択し、「ホスト結果の追加」をクリックします。


    特定のフェーズが失敗したか警告とともに終了した場合、エージェント・デプロイ詳細セクションの各フェーズに指定された詳細を確認し、次のうちの1つを実行します。

    • 警告または失敗を無視し、必要な場合、セッションを続行します。

      • チェックを正常にクリアしたリモート・ホストのみで管理エージェントのデプロイを続行することを選択し、警告または失敗のステータスを持つホストは無視できます。これを行うには、「続行」をクリックして、「失敗したホストは無視して続行」を選択します。

      • 警告または失敗のステータスを持つホストを含むすべてのホストで、管理エージェントのデプロイを続行することを選択できます。これを行うには、「続行」をクリックして、「すべてのホストで続行」を選択します。

    • エラーの説明を慎重に確認し、原因を理解し、Oracle推奨のアクションを実行することで、問題を解決します。

      • インストール詳細が同じである管理エージェントのデプロイを再試行することを選択できます。これを行うには、「再試行」をクリックして、「同じ入力を使用して再試行」を選択します。

      • インストール詳細が変更された管理エージェントのデプロイを再試行することを選択できます。これを行うには、「再試行」をクリックして、「入力を更新して再試行」を選択します。


    注意:

    ソース・エージェント・イメージのコピーに失敗しましたというエラー・メッセージが表示されている場合、OMSホームの次のログ・ファイルを参照してください。

    $<OMS_HOME>/sysman/prov/agentpush/<timestampdir>/applogs/deployfwk.log

    通常、このエラーは、クローニングしているソース管理エージェントでジョブ・システムが有効になっていない場合に発生します。ジョブ・システムが有効になっていることを確認してください。


  2. 「インストール後」の説明に従って、インストールを確認します。


注意:

  • Oracle Management Agent 12cリリース1または2 (12.1.0.x)が頻繁にハングする、またはSolaris 9uxおよび10uxオペレーティング・システムで応答しない場合、My Oracle SupportのドキュメントID 1427773.1を参照してください。

  • 既存の管理エージェントを新しいOracle Management Service (OMS)に対して再指定する場合、まず、管理エージェントとプラグインを削除し、新しいOMSを使用して管理エージェントとプラグインを再デプロイします。これは通常、テスト環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムから本番環境のEnterprise Manager Cloud Controlシステムに移行する場合に行われます。

    既存の管理エージェントを新しいOMSに対して再指定する場合、管理エージェントの監視対象ターゲット、ターゲットの履歴および管理エージェントの履歴は移行できません。監視対象ターゲットおよび履歴データは失われます。