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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
12cリリース4 (12.1.0.4)
B65085-14
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14 Enterprise ManagerでのBI Publisherの構成

Oracle Business Intelligence (BI) Publisherは、高度にフォーマットされたあらゆるドキュメントを作成、管理および配布するためのオラクル社の主要レポート・ツールです。BI Publisherは、Enterprise Manager Cloud Control 12cに標準で付属しています。

この章の内容は次のとおりです。

14.1 概要

Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)以降、Enterprise Managerとともに、BI Publisherバイナリがデフォルトでインストールされるようになりました。BI Publisherの構成は、configureBIPスクリプトを使用して実行します。configureBIPスクリプトによって次の操作が実行されます。

  • BI Publisherスキーマを、Enterprise Managerリポジトリ・データベースにインストールします。

  • BI Publisherを、Enterprise Managerと同じWebLogicサーバー・ドメインに統合します。


注意:

BI Enterprise Edition (BIEE)のソフトウェアのみのインストールを実行する必要はありません。Enterprise Managerを含むMiddlewareホームには、BIEEのどのバージョンもインストールしないでください。

このプロセスは、BIPという名前のプライマリBI Publisherサーバーを構成します。プライマリBI Publisherサーバーの名前は常にBIPになります。

  • ページ区切りおよびヘッダー/フッターを使用した、高度にフォーマットされた業務用レポート。

  • PDF、Excel、PowerPoint、WordおよびHTMLの各レポート形式。

  • Enterprise Managerリポジトリに対する独自のカスタム・レポートの開発(読取り専用のリポジトリ・アクセス)。

  • Enterprise Managerセキュリティとの統合。

  • Enterprise Managerの各管理者に対する異なるレベルのBI Publisher機能の付与。

  • 電子メールやFTPなど、BI Publisherのスケジュール機能の使用および配信メカニズムの使用。


注意:

情報パブリッシャ(IP)レポート作成フレームワークは、Enterprise Manager 12c Cloud Controlで引き続きサポートされますが、Enterprise Manager 12cリリース1 (12.1.0.1)では非推奨になりました。今後はIPフレームワークを使用したレポート開発は行われません。

14.1.1 制限事項

レポートとデータ・ソースを使用する場合は、次の制限事項が適用されます。

  • 即時使用可能なレポートは編集できません。

  • 即時使用可能なレポートをコピーする場合、そのコピーが将来の製品リリースでも使用できる保証はありません。

14.2 BI Publisherの構成およびEnterprise Manager 12cとの統合

次の手順は、BI PublisherとEnterprise Managerの両方に精通していることを前提としています。Enterprise Managerの詳細は、『Oracle Enterprise Manager基本インストレーション・ガイド』および『Oracle Enterprise Managerアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。


追加情報:

BI Publisher記憶域の構成方法の詳細は、Enterprise Manager管理者ガイドのBI Publisherの高可用性に関する説明を参照してください。

BI Publisherレポートの開発方法の詳細は、『Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』を参照してください。


14.2.1 Enterprise Managerおよび必要なインフラストラクチャのインストール

BI Publisherに必要なリソースをサポートするには、1つ目のOMSシステム(BI Publisherが最初にインストールされ、最終的に構成される場所)に、Enterprise Managerの要件に加えて次の追加要件が必要です。

  • 最小で+1.5GBのRAM、最良のパフォーマンスを実現するには4から5GBのRAMを推奨します。

  • Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)以降、BI Publisherのフットプリントが大幅に削減されたため、ディスク領域の特定の要件はなくなりました。

追加のリソース要件については、次のサポート・ノートを参照してください。

10gまたは11gの本番環境でBI Publisher Enterpriseを実行するために必要なサーバーの数を決定する方法(ドキュメントID 948841.1)

14.2.1.1 configureBIPスクリプトを使用したBI PublisherとEnterprise Managerの統合

BI PublisherとEnterprise Managerを統合するには、ドメイン構成を変更する必要があります。ただし、最初にEnterprise Managerの高可用性に関するドキュメントで説明する標準の手順を使用して、次のコマンドによってEnterprise Managerをバックアップする必要があります。

emctl exportconfig oms [-sysman_pwd <sysman password>]
          [-dir <backup dir>]     Specify directory to store backup file
          [-oms_only]             Specify OMS-only backup on Admin Server host
          [-keep_host]            Specify to backup hostname if no slb defined
                                  (Use this option only if recovery will be done
                                   on machine that responds to this hostname)

重要:

configureBIPスクリプトは、Oracleミドルウェア・ホームを所有しているオペレーティング・システム・ユーザーとして実行する必要があります。

configureBIPをUNIXスーパーユーザー(root)として実行しないでください。


configureBIPの実行には、2つのシナリオがあります。

  • シナリオ1: Enterprise Managerリリース4 (12.1.0.4)でのBI Publisherの新規の構成

    次のいずれかの条件を満たす場合は、新規の構成を使用します。

    • 初めてEnterprise Manager 12cをインストールする。Enterprise Manager 12cの以前のバージョンはインストールしていない。

    • 以前のバージョンのEnterprise Manager 12cからEnterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)にアップグレードするが、過去に適切なバージョンのBI Publisherのインストールと、以前のバージョンのEnterprise Manager 12cとの統合は行っていない。

  • シナリオ2: Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)のBI Publisherの構成を、Enterprise Manager 12cの以前のインストールからEnterprise Managerリリース4 (12.1.0.4)にアップグレードします。

    次の条件の両方に該当する場合は、アップグレード構成モードでconfigureBIPスクリプトを使用します。

    • 以前のリリースであるEnterprise Manager 12cリリース2 (12.1.0.2)またはEnterprise Manager 12cリリース3 (12.1.0.3)から、Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)にアップグレード済である。

    • Enterprise Manager 12cの以前のインストールが適切なバージョンのBI Publisherと統合されている。

configureBIPスクリプトを操作するには、次の資格証明が必要です。

  • SYSDBA権限を持つOracleアカウント(通常はSYSアカウント)

  • このアカウントのデータベース・パスワード

  • WebLogic管理サーバーのパスワード


重要:

新しい12.1.0.4 Enterprise ManagerインストールからconfigureBIPを実行していることを確認します。

操作を続行する前に、前述の資格証明を必ず収集してください。

configureBIPの標準モードおよびアップグレード・モードの両方を次の2つの項で詳しく説明します。configureBIPスクリプトは、インストール・シナリオに適したモードで操作してください。

14.3 Enterprise Managerリリース4 (12.1.0.4)でデプロイされたBI Publisherを構成

Enterprise Managerリリース4 (12.1.0.4)でBI Publisherの新規の構成を実行するには、次の手順を実行します。このスクリプトは、次の2つの重要な機能を実行します。

  • ステップ1 - コマンドの呼出しと資格証明の収集

  • ステップ2 - SYSMAN_BIPLATFORMという名前のBI Publisherデータベース・スキーマの作成。これは、Oracleリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して実現します。

  • ステップ3 - Enterprise Managerを含むWebLogicドメインの拡張によるBI Publisherの包含と、BI Publisherの構成

ステップ1: コマンドの呼出しと資格証明の収集

  1. (Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)の現行インストールの) OMSインスタンスのORACLE_HOME/oms/binディレクトリから、コマンドラインでconfigureBIPスクリプトを実行します。次に例を示します。

    cd /oracle/middleware/oms/bin
    configureBIP
    
  2. 必要な資格証明の入力が要求されます。

  3. 標準モードの場合は、スクリプトによってリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)が実行され、BI Publisherのデータベース・スキーマが作成されます。

  4. BI Publisher管理対象サーバーで使用するポート(1つは非SSLポート、もう1つはSSLポート)の2つの値を入力するように要求されます。Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)の場合、これらのポートの値を両方とも提供する必要があります。

  5. 次にドメインの拡張操作が実行されます。

  6. BI Publisherを含むEnterprise Managerは、configureBIPを実行する前に、以前と同じロック・モードに設定されます。これを行うにはコマンド"emctl secure {lock | unlock}を実行します。

  7. Enterprise Managerが停止および起動されます。

  8. Enterprise Manager提供のBI Publisherレポートが、新しくインストールされたBI Publisher Webアプリケーションにデプロイされます。

  9. Enterprise Manager WebLogicドメイン・ターゲットがリフレッシュされて、新しく追加されたBI Publisherターゲットが含まれるようになります。

  10. emctl exportconfig omsを使用してEnterprise Managerのバックアップを実行します。

    このバックアップは、em/sysman/backupサブディレクトリ下の、インスタンス・ホーム・ディレクトリに格納されます。configureBIPスクリプトの実行中に作成されたバックアップは、configureBIP実行後の、このディレクトリの最新ファイルになります。

ステップ2: リポジトリ構成ユーティリティ(RCU)の実行

BI Publisherを初めてインストールすると、RCUを使用してスキーマが作成されます。次のような出力が表示されるはずです。

Creating SYSMAN_BIPPLATFORM Schema in EM Repository Database
 
Configuring BI Publisher in Oracle Home located in /oracle/middleware/Oracle_BI1 ... 
Processing command line ....
Repository Creation Utility - Checking Prerequisites
Checking Global Prerequisites
Repository Creation Utility - Checking Prerequisites
Checking Component Prerequisites
Repository Creation Utility - Creating Tablespaces
Validating and Creating Tablespaces
Repository Creation Utility - Create
Repository Create in progress.
Percent Complete: 0
Percent Complete: 10
Percent Complete: 30
Percent Complete: 50
Percent Complete: 50
Percent Complete: 100
Repository Creation Utility: Create - Completion Summary
Database details:
Connect Descriptor                      : (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=em.example.com)(PORT=15044)))(CONNECT_DATA=(SID=emsid)))
Connected As                    : sys
Prefix for (prefixable) Schema Owners : SYSMAN
RCU Logfile                     : /oracle/middleware/oms/cfgtoollogs/bip/emBIPLATFORM.log
Component schemas created:
Component                       Status  Logfile         
Business Intelligence Platform          Success /oracle/middleware/oms/cfgtoollogs/bip/biplatform.log 
 
Repository Creation Utility - Create : Operation Completed

Successfully created SYSMAN_BIPLATFORM schema...

ステップ3: WebLogicドメインの構成

このステップの実行が成功すると、次のような画面出力が表示されます。

Configuring BI Publisher in Oracle Home located in /oracle/work/middleware/Oracle_BI1 ... 
Extending domain with BI Publisher. This operations can take some time. Do not interrupt this command while it is running...
Locking Enterprise Manager ...
OMS Console is locked. Access the console over HTTPS ports.
Restart OMS.
Restarting Enterprise Manager ...
Stopping Enterprise Manager, this can take some time  ...
Starting Enterprise Manager. This operation can take some time. Do not interrupt this command while it is running.
OMS Started Successfully
BI Publisher server named :BIP: running at https://em.example.com:9702/xmlpserver.
Registering BI Publisher with Enterprise Manager and deploying reports...
Performing automatic backup of Enterprise Manager.
Successfully backed up Enterprise Manager.
Successfully setup BI Publisher with Enterprise Manager

14.4 12.1.0.4ミドルウェア・ホームで以前のBI Publisherホームから新BI PublisherへとBI Publisherの構成をアップグレード


重要:

アップグレードの前に、BI Publisherサーバーを停止します。Enterprise Managerのアップグレード・プロセスを開始する前までに、WLSコンソールを使用してBI Publisherサーバー・プロセスを停止しておく必要があります。これを実行していない場合は、手動でシステム・コマンドを使用してBI Publisherサーバー・プロセスを正常に停止する必要があります。たとえば、UNIXでは、killコマンドを(-9引数を指定せずに)使用します。

Enterprise Managerリリース4 (12.1.0.4)でBI Publisherのアップグレード構成を実行するには、次の手順を実行します。このスクリプトは、次の2つの重要な機能を実行します。

  • ステップ1 - コマンドの呼出しと資格証明の収集

  • ステップ2 - SYSMAN_BIPLATFORMという名前のBI Publisherデータベース・スキーマのアップグレード。これは、Oracleパッチ・セット・アシスタント(PSA)を使用して実現します。

  • ステップ3 - Enterprise Managerを含むWebLogicドメインの拡張によるBI Publisherの包含と、BI Publisherの構成

(Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)の現行インストールの) OMSインスタンスのORACLE_HOME/binディレクトリから、-upgradeコマンドライン引数を使用してconfigureBIPスクリプトを実行します。次に例を示します。

cd /oracle/middleware/oms/bin
configureBIP -upgrade

オプション: スクリプトで、次に示す手順6(レポートと特定の構成データの移行)を実行しない場合は、オプションのコマンドライン引数を指定できます。その場合は、次の構文を使用してconfigureBIPを実行します。

configureBIP -upgrade -nomigrate

  1. 必要な資格証明の入力が要求されます。

  2. スクリプトは、以前のEnterprise Manager 12cインストールのドメインへの完全ディレクトリ・パスを求めます。このインストールにはBI Publisherのレポート定義と特定の構成データがすでに含まれています。

  3. ここではBI Publisherの以前のリリースからアップグレードしているので、スクリプトによってパッチ・セット・アシスタント(PSA)の手順が実行され、BI Publisherのデータベース・スキーマがアップグレードされます。

  4. BI Publisher管理対象サーバーで使用するポートの、2つの必要な値を入力するように要求されます。1つは非SSLポート、もう1つはSSLポートです。

  5. 次にドメインの拡張と新しいBI Publisherの構成が実行されます。この手順ではBI Publisher管理対象サーバーは起動されません。

  6. 必要に応じて、以前のリリースのEnterprise Manager 12cにインストールされていたBI Publisherの以前のインストールから、レポートと特定の構成データが移行されます。

  7. 次にBI Publisher管理対象サーバーが起動されます。

  8. BI Publisherを含むEnterprise Managerは、configureBIPを実行する前に、以前と同じロック・モードに設定されます。これを行うにはコマンド"emctl secure {lock | unlock}を実行します。

  9. Enterprise Managerが、BI Publisherを含めて、停止および起動されます。

  10. Enterprise Manager提供のBI Publisherレポートが、新しくインストールされたBI Publisher Webアプリケーションにデプロイされます。

  11. Enterprise Manager WebLogicドメイン・ターゲットがリフレッシュされて、新しく追加されたBI Publisherターゲットが含まれるようになります。

  12. Enterprise Manager提供のBI Publisherレポートが、新しくインストールされたBI Publisher Webアプリケーションにデプロイされます。

  13. 最後の手順では、emctl exportconfig omsコマンドを使用してEnterprise Managerのバックアップを実行します。


注意:

Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)でBI Publisher 11.1.1.6.0にアップグレードすると、既存のBI Publisherスキーマは以前のバージョンから11.1.1.7.0にアップグレードされます。つまり、アップグレードの実行時に、既存のBI PublisherスケジュールはすべてBI Publisherの新しいインストールに引き継がれます。

ステップ1 - コマンドの呼出しと資格証明の収集

ステップ1により、次の出力が生成されます。

Configuring BI Publisher Version "11.1.1.7.0" to work with Enterprise Manager
Logging started at /oracle/work/middleware/oms/cfgtoollogs/bip/bipca_20140227144257.log.
This command is meant to be run from Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4. Please confirm? (Y|N):y
Before this command is run, a backup of Enterprise Manager should be performed using the :emctl exportconfig oms: command. Have you made a valid backup of Enterprise Manager (yes/no) [no] ? yes
Enter sysdba user name (sys):
Enter sysdba user password:
Enter Administration Server user password:
Enter the fully qualified path to the domain you are upgrading from: /oracle/EM12cR3/gc_inst/user_projects/domains/GCDomain
Upgrading from a prior release of BI Publisher With a file-system repository Located at: //oracle/EM12cR3/gc_inst/user_projects/domain/GCDomain
Configuring BI Publisher in Oracle Home located in /oracle/work/middleware/Oracle_BI1 ...

ステップ2 - BI Publisherデータベース・スキーマのアップグレード

このスキーマの名前はSYSMAN_BIPLATFORMです。この操作は、Oracleパッチ・セット・アシスタント(PSA)を使用して実行されます。

パッチ・セット・アシスタントが起動して、BI Publisherスキーマがアップグレードされます。次のような出力が生成されます。

EM 12c BIPLATFORMversion 11.1.1.6.0  schema detected. Begin upgrade process to version 11.1.1.7.0
Begin to execute Oracle Fusion Middleware Patch Set Assistant (PSA) ... 
PSA returns with status: 0
Successfully upgraded SYSMAN_BIPLATFORM schema...

ステップ3 - Enterprise Managerを含むWebLogicドメインの拡張によるBI Publisherの包含と、BI Publisherの構成

このスクリプトの処理が成功すると、次のような画面出力が生成されます。

Enter an integer between 9701 and 49152 for the BI Publisher HTTP server port. (9701):
Enter an integer between 9713 and 49152 for the BI Publisher HTTPS server port. (9702)):
Extending domain with BI Publisher. This operations can take some time. Do not interrupt this command while it is running...
Migrating BI Publisher Filesystem repository from "/ /oracle/EM12cR3/user_projects/domains/GCDomain/config/bipublisher/repository" to "/oracle/gc_inst/user_projects/domains/GCDomain/config/bipublisher/repository"...
Starting the Upgraded BI Publisher Managed Server...
Locking Enterprise Manager ...
OMS Console is locked. Access the console over HTTPS ports.
Restart OMS.
Restarting Enterprise Manager ...
Stopping Enterprise Manager, this can take some time  ...
Starting Enterprise Manager. This operation can take some time. Do not interrupt this command while it is running.
OMS Started Successfully
BI Publisher server named :BIP: running at https://slc03sag.example.com:9702/xmlpserver.
Registering BI Publisher with Enterprise Manager and deploying reports...
Performing automatic backup of Enterprise Manager.
Successfully backed up Enterprise Manager.
Successfully setup BI Publisher with Enterprise Manager

14.5 BI PublisherとEnterprise Managerの統合の確認


注意:

高可用性環境で(サーバー・ロード・バランサ(SLB)の背後で) Enterprise Managerを実行している場合は、次の点に注意してください。
  • 最初のBI PublisherサーバーがプライマリOMSシステムで構成された場合、サーバー・ロード・バランサの背後にある他のすべてのEnterprise ManagerシステムでBI Publisherを構成する必要があります。

  • Enterprise Managerシステムに動作中のOMSがある場合、および対応するBI Publisherサーバーが構成されていない場合や動作していない場合、Enterprise ManagerからのBI Publisherのレポートの実行が失敗することがあります。この場合、追加のEnterprise ManagerシステムでBI Publisherを構成してください。BI Publisherがすでに追加のシステムで構成されている場合は、Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティ(EMCTL)を使用して起動します。

  • 複数のBI Publisherサーバーの構成の詳細は、第20章「複数のBI Publisherサーバーの実行」を参照してください。


新規の構成モードとアップグレード構成モードのいずれでも検証を実行できます。

  1. スーパー管理者としてEnterprise Managerにログインします。

  2. 「エンタープライズ」メニューから「レポート」を選択し、次に「BI Publisher Enterpriseレポート」を選択します。

    BI PublisherとEnterprise Managerが統合される前に、次のような「BI Publisherレポート」ページが表示されます。

    Enterprise Managerの事前統合
  3. BI Publisherの構成後、次の図のように、Enterprise Manager提供のすべてのBI Publisherレポートを表示したツリー・リストが表示されます。

    図には、Enterprise Managerコンソールから表示されたBIPレポートが表示されます。

    この図は、プラグインがすべてインストールされた後のレポート・リストを示しています。レポート・リストは、インストールされたプラグインの数によってサイズが異なります。

  4. 提供されているEnterprise Managerサンプル・レポートをクリックし、「指定したタイプのターゲット」を選択します。

  5. Enterprise Manager資格証明を使用してBI Publisherにログインします。

  6. 画面にはサンプルのレポートが表示されます。PDFレポート生成や電子メール配信など、BI Publisherのすべての機能を使用できます。

14.6 Enterprise Manager管理者に対するBI Publisherへのアクセスの許可

BI Publisherは、WebLogicを介して、Enterprise Manager用に構成されているセキュリティ・モデルを共有します。セキュリティ・モデルは、BI Publisherへのアクセス認証と、BI Publisherの様々な機能へのアクセス権限の設定という2つの目的で使用します。次の項目を後述の各項で説明します。

14.6.1 Enterprise Manager認証セキュリティ・モデル

統合すると、BI PublisherレポートがEnterprise Managerのセキュリティ・モデルに準拠します。Enterprise Managerは、Oracle® Enterprise Managerセキュリティ・ガイドで定義されている、様々なセキュリティ・モデルをサポートします。

Enterprise Manager 12cがサポートしているセキュリティ・モデルの概要は次のとおりです。

  1. リポジトリベースの認証

  2. エンタープライズ・ユーザー・セキュリティベース(EUS)の認証

  3. Oracle Access Manager(OAM) SSO

  4. Oracle Single Sign-On(OSSO)ベースの認証

  5. LDAP認証オプション: Oracle Internet DirectoryおよびMicrosoft Active Directory

14.6.2 BI Publisherセキュリティ・モデル

BI Publisherは、Enterprise Managerと統合されると、Enterprise Managerと同じセキュリティ・モデルを共有します。

セキュリティ・モデル1: リポジトリベースの認証(認証にOracle Databaseを使用)。

セキュリティ・モデル2: エンタープライズ・ユーザー・セキュリティ認証(EUS) (認証にOracle Databaseを使用)。このセキュリティ構成では、Oracle Databaseが認証をLDAPサーバーに委任します。ただし、このLDAPサーバーにWebLogicが直接アクセスすることはなく、そのためBI PublisherはLDAPサーバーに直接アクセスしません。

残り3つのセキュリティ・モデルでは、WebLogicが直接アクセスする、基礎となるLDAPサーバーを使用してユーザーを認証します。

このドキュメントでは、BI Publisherセキュリティ・モデルを次の2つのカテゴリのいずれかに分類します。

  1. リポジトリベースの認証

  2. 基礎となるLDAPベースの認証


    注意:

    BI Publisherのセキュリティ・モデルが基礎となるLDAPベースの認証を使用するように構成されている場合、BI Publisher固有の構成を追加する必要はありません。たとえば、BI Publisherの「管理」画面にアクセスしてセキュリティ・モデルをLDAPに変更する必要はありません。Enterprise ManagerとBI Publisherは、同じWebLogicドメインで構成されているため、自動的に同じセキュリティおよび認証メカニズムを共有します。


    重要:

    Enterprise Managerが以前にLDAPサーバーまたはSSOサーバーを使用するように構成されていた場合、このLDAPまたはSSOの構成手順を繰り返す必要があります。これは、必要なBI Publisher構成の詳細を組み込むために必要です。

BI Publisherレポートに適用される主なセキュリティ属性は次のとおりです。

これらの各セキュリティ属性の詳細を次の各項で説明します。

14.6.3 BI Publisherの権限

Enterprise Managerには、オラクル社提供の特定のBI Publisherカタログ・オブジェクトが付属しています。これらのカタログ・オブジェクトは次の要素で構成されています。

  • フォルダ

  • レポート(レイアウト定義および変換)

  • データ・モデル(Enterprise Managerリポジトリに対するSQL問合せ)

  • サブテンプレート(すべてのレポート出力の各ページの上部に表示される標準のEnterprise Managerヘッダー)

これらのカタログ・オブジェクトは、BI PublisherがインストールされてEnterprise Managerに統合されると作成されます。これらは、「Enterprise Manager Cloud Control」フォルダにあります。これらのカタログ・オブジェクトは、次に説明するロール/グループを組み合せた特定の権限で作成され、目的のセキュリティ・モデルを達成します。

14.6.4 BI PublisherのOPSSアプリケーション・ロール

ドメイン・ポリシー・ストア(OPSS)を使用すると、BI Publisherカタログのオブジェクトに対するEnterprise Manager管理者のアクセス権や、BI Publisherの「管理」ボタンへの条件付きアクセス権を制御できます。

OPSSは、システムおよびアプリケーションに固有のポリシーのリポジトリです。OPSSの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド』を参照してください。ドメインには、そのドメインにデプロイしたすべてのアプリケーションで使用できるすべてのポリシー(および資格証明)を格納するストアが1つあります。Enterprise ManagerとBI Publisherはいずれも同じドメイン内にある個別アプリケーションなので、Enterprise Manager管理者がBI Publisherにアクセスして使用するには、BI Publisher固有のOPSSアプリケーション・ロールが付与されている必要があります。

BI Publisherがインストールされると、OPSSアプリケーション・ロールが4つ作成されます。これら4つのOPSSアプリケーション・ロールは、「Enterprise Manager Cloud Control」フォルダにあるBI Publisherカタログ・オブジェクトの権限と組み合され、次の各項に示すルールを達成します。また、基礎となるLDAP認証セキュリティ・モデルを使用すると、これらのOPSSアプリケーション・ロールにLDAPグループをマップできます。

リポジトリベースの認証セキュリティ・モデルでは、BI Publisherに対するEnterprise Manager管理者のアクセス権を制御するためだけに、ドメイン・ポリシー・ストア(OPSS)が使用されます。

14.6.5 BI Publisher機能へのアクセス認証とアクセス制限

次にOPSSアプリケーション・ロールを示し、Enterprise Managerに付属のBI Publisherカタログ・オブジェクトに配置される効果的なセキュリティ・モデルについて説明します。

  • なし - BI Publisherロールを持たないEnterprise Manager管理者は、BI Publisherがサポートしている任意の配信チャネルを介して(ただし、構成済でBI Publisherのシステム管理者がアクセス可能であること) BI Publisherレポートにアクセスできます。たとえば、構成済であれば、すべてのユーザーがBI PublisherレポートをBI Publisherのスケジュール機能および電子メール配信メカニズムを介して受信できます。

  • EMBIPViewer - このBI Publisherロールを持つEnterprise Manager管理者は、電子メールを受信できるだけでなく、Enterprise Manager提供のBI Publisherレポートを表示することもできます。

  • EMBIPScheduler - このBI Publisherロールを持つEnterprise Manager管理者は、電子メールを受信できますが、EMBIPViewerロールも持つ場合は、Enterprise Manager提供のBI Publisherレポートをスケジュール設定できます。

  • EMBIPAuthor - このBI Publisherロールを持つEnterprise Manager管理者は、電子メールの受信やEnterprise Manager提供のBI Publisherレポートの表示が可能で、新しいレポートを各自のプライベート・フォルダに作成できます。また、Enterprise Manager提供のBI Publisherレポートを個人フォルダにコピーして、カスタマイズすることも可能です。

  • EMBIPAdministrator(スーパーユーザー) - このBI Publisherロールを持つEnterprise Manager管理者は、BI Publisherへの完全なアクセス権があります。

次の図は、前述のロールの階層を示したものです。


注意:

BI Publisherの「管理」ボタンへのアクセス権は、OPSSアプリケーション・ロールを介して付与されます。このボタンは、BI Publisherで詳細構成(電子メール・サーバーの設定など)を実行する場合に使用します。

図はロールのBIP階層を示しています。

Enterprise Managerのスーパー管理者

リポジトリベースの認証セキュリティ・モデルを使用すると、Enterprise Managerのすべてのスーパー管理者にOPSSアプリケーション・ロールEMBIPAdministratorが自動的に付与され、BI Publisherを設定できるようになります。

基礎となるLDAP認証セキュリティ・モデルを使用すると、Enterprise Managerのスーパー管理者にBI PublisherへのEMBIPAdministratorアクセス権限は自動的に付与されません。基礎となるLDAPベース認証セキュリティ・モデル環境で、Enterprise Manager管理者にBI Publisherへのアクセスを許可する詳細は、16.x項を参照してください。

14.7 BI Publisher機能へのアクセス制限

前の項で説明した4つのOPSSアプリケーション・ロールの付与は、使用しているBI Publisherセキュリティ・モデルによって若干異なります。確認のため、BI Publisherがサポートしている2つのセキュリティ・モデルを次に示します。

  • リポジトリベースの認証

  • 基礎となるLDAPベースの認証

14.7.1 wlstを使用したリポジトリベースの認証モードによるEnterprise Manager管理者へのBI Publisher OPSSアプリケーション・ロールの付与

EM CLIコマンドを使用して、Enterprise Manager管理者に1つ以上のOPSSアプリケーション・ロールを付与します。次の使用例は、EM CLIを使用して、JERRYおよびLESLIEという名前のEnterprise Manager管理者に表示および作成のアクセス権を付与する方法を示しています。


注意:

エンタープライズ・ユーザー・セキュリティ(EUS)はユーザーの認証にLDAPサーバーを使用しますが、これはデータベースによって厳密に処理されます。そのため、この項の説明はEUSを使用する場合にも適用されます。

スクリプトを実行する手順は次のとおりです。

  1. Enterprise ManagerのEM CLIからEnterprise Managerに接続します

  2. emcli grant_bipublisher_rolesを実行して、Enterprise ManagerユーザーにBI Publisherのアクセス権を付与します。

セッションの例

$ emcli login -username=sysman
Enter password : 
Login successful
$ emcli sync
Synchronized successfully
$ emcli grant_bipublisher_roles  -roles="EMBIPViewer;EMBIPAuthor" -users="JERRY;LELSIE"
EMBIPViewer role successfully granted to JERRY
EMBIPViewer role successfully granted to LESLIE
EMBIPAuthor role successfully granted to JERRY
EMBIPAuthor role successfully granted to LESLIE

BI Publisherレポートへの表示アクセス権の取消し

次のセッション例では、ユーザーJERRYからBI Publisherレポートの表示アクセス権を取り消します。

$ emcli login -username=sysman
Enter password : 
Login successful
$ emcli sync
Synchronized successfully
$ emcli revoke_bipublisher_roles -roles="EMBIPViewer" -users=JERRY
EMBIPViewer role successfully revoked from JERRY

14.7.2 OPSSへの変更の伝播時間

Enterprise Manager管理者のBI Publisherアクセス権限(EMBIPViewerEMBIPAdministratorEMBIPSchedulerEMBIPAuthor)を変更する場合、スーパー管理者は、変更内容がOPSSに伝播して有効になるまで15分以上待機する必要があります。変更内容は、管理者が次にBI Publisherにログインした時点で有効になります。

14.8 基礎となるLDAP認証セキュリティ環境でのEnterprise Manager管理者に対するBI Publisherへのアクセスの許可

Enterprise ManagerとBI Publisherは個別のアプリケーションです。基礎となるLDAPベースの認証モデル(エンタープライズ・ユーザー・セキュリティ(EUS)を除く)を使用すると、外部LDAPサーバーに定義されたLDAPグループもBI Publisherへのアクセス権を管理するために使用できます。これらのLDAPグループごとに、BI Publisherへのアクセス権のレベルを変えることができます。これにより、1つ以上のLDAPグループのメンバーとしてLDAPユーザーを追加できるようになり、BI Publisherの適切な機能がそのユーザーに公開されます。これらのLDAPグループは、作成するか既存のものを使用する必要があり、「Enterprise Manager Cloud Control」フォルダのカタログ・オブジェクトの権限で調整されます。


注意:

この項の説明は、エンタープライズ・ユーザー・セキュリティ(EUS)を使用するようにEnterprise Managerを構成している場合には適用されません。第14.7.1項「wlstを使用したリポジトリベースの認証モードによるEnterprise Manager管理者へのBI Publisher OPSSアプリケーション・ロールの付与」を参照してください。


注意:

BI PublisherとEnterprise Managerは同じWebLogicドメイン内で構成されるため、BI Publisherアプリケーションで特別なLDAP構成を実行する必要はありません。LDAPの構成は、次の手順で十分です。

基礎となるLDAPベースの認証セキュリティ・モデルでは、次の手順を実行する必要があります。

  • LDAPサーバーの管理者は、任意の名前を付けた4つの外部グループを使用する必要があります。これらのグループは階層的にグループ化する必要があります。既存のグループを使用するか、新しいグループを作成できます。


    重要:

    グループ名はすべて大文字にする必要があります。

    グループ名の例:

    • EMBIPADMINISTRATOR

    • EMBIPVIEWER

    • EMBIPSCHEDULER

    • EMBIPAUTHOR

  • LDAPサーバーの管理者は、前述の階層図に示した必要な階層構造を実現するために、次のような変更を加える必要があります。前述のLDAPグループ名を例に説明します。

    EMBIPADMINISTRATORをEMBIPAUTHORのメンバーに設定

    EMBIPADMINISTRATORをEMBIPSCHEDULERのメンバーに設定

    EMBIPAUTHORをEMBIPVIEWERのメンバーに設定


注意:

LDAPでは、用語と概念が逆に見えて混乱する場合があります。たとえば、EMBIPAUTHORSグループにEMBIPADMINISTRATORSグループのメンバーを作成する場合などです。

BI Publisherおよびそのカタログ・オブジェクトへのアクセス権を付与するには、LDAPサーバーの管理者が、それぞれのLDAPユーザーを前述の1つ以上のLDAPグループのメンバーにする必要があります。

14.8.1 BI PublisherのOPSSアプリケーション・ロールに対するLDAPグループのマッピング

前述のOPSSアプリケーション・ロールに4つのLDAPグループをマップするには、EM CLIを使用してLDAPグループをマップする必要があります。


注意:

Enterprise Manager 12cに対するBI Publisherの以前のインストールから、Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)に対するBI Publisher 11.1.1.7.0にアップグレードして、LDAPグループの名前が変更されていない場合、以前のOPSSアプリケーション権限が新しいインストールに継承されるため、この手順は不要です。

セッションの例

emcli grant_bipublisher_roles -roles="EMBIPViewer" -external_role="EMBIPVIEWER"
EMBIPViewer successfully granted to EMBIPVIEWER
emcli grant_bipublisher_roles -roles="EMBIPAuthor" -external_role="EMBIPAUTHOR"
EMBIPAuthor successfully granted to EMBIPAUTHOR
emcli grant_bipublisher_roles -roles="EMBIPScheduler" -external_role="EMBIPSCHEDULER"
EMBIPScheduler successfully granted to EMBIPSCHEDULER
emcli grant_bipublisher_roles -roles="EMBIPAdministrator" -external_role="EMBIPADMINISTRATOR"
EMBIPAdministator successfully granted to EMBIPADMINISTRATOR

14.9 Secure Socket Layer (SSL)証明書を使用したBI Publisherの保護

BI WebLogic Serverには、デフォルト・アイデンティティ・キーストア(DemoIdentity.jks)とデフォルト信頼キーストア(DemoTrust.jks)が構成されています。また、WebLogic Serverは、JDKのcacertsファイルのCA証明書を信頼します。このデフォルトのキーストア構成は、テストや開発を目的とする場合に適しています。ただし、これらのキーストアは本番環境では使用しないでください。

Enterprise Managerが以前に、emctl secure wlsコマンドを使用してSSL証明書で保護されていた場合、BI Publisherを構成した後でこのコマンドを再発行する必要があります。このコマンドの使用方法の詳細は、Enterprise Managerの管理者ガイドを参照してください。

14.10 BI Publisherの管理

BI Publisherの設定の構成手順については、BI Publisherのマニュアルを参照してください。

共通の管理タスク:

14.11 BI Publisher構成後の構成後処理手順

プラグイン固有のレポートのインストール

Enterprise Managerに表示されるBI Publisherのいくつかのレポートは、特定のプラグインに属しています。これらのレポートを使用するには、これらのプラグインをインストールする必要があります。プラグインは、Enterprise Manager 12cで動作するようにBI Publisherを構成する前または後にインストールできます。Enterprise Managerプラグインは様々なメカニズムを使用してインストールできます。これらのメカニズムはすべて、プラグインの一部であるBI Publisherレポートのインストールをサポートしています。


注意:

インストールの詳細は、『Oracle Enterprise Manager基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

BI Publisherを構成する前にEnterprise Managerのプラグインがインストールされていた場合、これらの新しいBI PublisherレポートをEnterprise ManagerからBI Publisherにデプロイする必要があります。これには、次のコマンドを使用できます。

emcli deploy_bipublisher_reports

このコマンドの完全な使用方法と例を参照するには、次を実行します。

emcli help deploy_bipublisher_reports

14.12 EMBIP*ロール: フォルダおよびカタログ・オブジェクトへのアクセス権の付与

デフォルトでは、付属のセキュリティ・モデル(第14.6.5項で説明)が「Enterprise Manager Cloud Control」フォルダ内のBI Publisherカタログ・オブジェクトに適用されます。これは、このフォルダ内に存在するカタログ・モデルがデフォルト設定の権限で設定されるためです。第14.6.3項を参照してください。このフォルダの外部にあるBI Publisherカタログ・オブジェクトには、これらと同じ権限は自動的に含まれません。たとえば、BI Publisherには「サンプル」という名前の共有フォルダに多くのレポートが用意されています。このフォルダへのアクセス権をEMBIPAdministrator以外のEnterprise Manager/BI Publisherユーザーに付与することが望ましい場合は、BI Publisherスーパー管理者(EMBIPAdministrator)がこのフォルダの権限を変更する必要があります。この操作を実行するには、「サンプル」フォルダを選択し、タスク・バーの左下隅の「権限」を選択します。次に、4つの権限(EMBIPAdministrator、EMBIPViewer、EMBIPAuthor、EMBIPScheduler)を追加し、その権限に適切なアクセス権(たとえば、EMBIPViewerにはレポートの表示アクセス権やオンライン実行アクセス権など)を付与する必要があります。管理者は、付属のEnterprise Managerレポート(指定したタイプのターゲットなど)のいずれかに基づいて、付与する適切な権限をモデル化できます。

EMBIPAuthorのOPSSアプリケーション・ロールを持つ各ユーザーは、それぞれのプライベート・フォルダにレポートを作成できます。これらのレポートを他のユーザーが使用することはできません。


注意:

共有フォルダの「Enterprise Manager Cloud Control」には、Enterprise Manager提供のBI Publisherレポートが含まれ、そのために予約されています。カスタム開発されたレポートはこのフォルダ階層に追加できません。Enterprise Managerに付属のデフォルトのセキュリティ・モデルでは特にこれが禁止されています。


注意:

Enterprise Managerの「BI Publisher Enterpriseレポート」メニュー(「エンタープライズ」メニュー→「レポート」「BI Publisher Enterpriseレポート」を選択)に表示されるのは、「Enterprise Manager Cloud Control」フォルダ内のレポートのみです。

BI Publisher管理者(EMBIPAdministrator)が「Enterprise Manager Cloud Control」フォルダの外部に新しい共有フォルダを作成したい場合、この操作が可能です。これらのレポートは、Enterprise Managerの「BI Publisher Enterpriseレポート」メニューには表示されませんが、前述のように、適切な権限が付与されている場合は、他のEnterprise Manager管理者にも表示されます。

14.13 Enterprise Managerリポジトリへのアクセス

すべてのBI Publisherレポートには、Enterprise Managerリポジトリへの読取り専用アクセス権が付与されます。このアクセスは、EMREPOSという名前のBI Publisherデータ・ソースを経由します。このアクセスは、Enterprise ManagerユーザーMGMT_VIEW (Enterprise Manager公開のMGMT$データベース・ビューへの読取りアクセス権を持つ特別な内部Enterprise Managerユーザー)を経由します。また、レポートの実行時に、レポートを実行しているユーザーのターゲット・レベルのセキュリティにさらに制限されます。たとえば、ユーザーJOEにhostabcおよびdatabase3へのターゲット・レベルのアクセス権がある場合、ユーザーJOEがBI Publisherレポート(任意のレポート)を実行すると、これら2つのターゲットに関連付けられているターゲット・レベルのデータしか表示できません。

14.14 トラブルシューティング

次の各項では、Enterprise Manager/BI Publisherの統合で問題が発生した場合に使用できる一般的な方法を説明します。

14.14.1 configureBIPの再実行

新規のBI Publisher構成中またはBI Publisher構成アップグレードの実行中に、configureBIPの再実行が必要になることがあります。configureBIPコマンドを実行する前に、次のコマンドを使用してBI Publisherを停止します。

emctl stop oms -bip_only

14.14.2 BI Publisherログ・ファイルの場所

次のログ・ファイルを使用すると、問題の発生時点までトレースできます。

14.14.2.1 configureBIPログ・ファイル

場所: ORACLE_HOME(oms)/cfgtoollogs/bip/*

  • データベースでのBI Publisherスキーマの作成/アップグレード

    • "emBIPLATFORM.log

    • "emBIPLATFORMcreate_<date>.log

    • "biplatform.log

    • "emBIPLATFORMcreate.err

  • BI Publisherが統合されたEnterprise Managerドメインの拡張

    • "bipca_<date>.log

14.14.2.2 Enterprise Manager BI PublisherツリーおよびEM CLIログ・ファイルの出力

emoms.trc

emoms.log

ログ・ファイル内で「BIP」(すべて大文字)を検索すると、BI Publisher統合に固有のメッセージが見つかります。

14.14.2.3 BI Publisherランタイム

場所: ドメイン・ホーム。たとえば、gc_inst/user_projects/domains/GCDomainなどです。

  • servers/BIP/logs/*

  • servers/BIP/logs/bipublisher.log

14.14.3 その他のトラブルシューティング

BI Publisherは正常に実行できるが、BI PublisherをEnterprise Managerに登録できない場合は、次を実行すると登録を再試行できます。

emcli login -username=<admin username> -password=<admin password>
emcli sync
emcli setup_bipublisher -proto=http[s] -host=<bip_host> -port=<bip_port>
-uri=xmlpserver

14.14.4 Enterprise Managerが提供するすべてのBI Publisherレポートの再デプロイ

BI Publisherをインストールし、Enterprise Managerで動作するように構成した後でプラグインをインストールすると、次のコマンドを使用して、プラグインに含まれているBI PublisherレポートをEnterprise ManagerのインストールからBI Publisherにデプロイできます。

emcli login –username=sysman
Password: <pw>
emcli sync
emcli deploy_bipublisher_reports –force

この手順は、BI Publisherのレポートが破損した場合のリストアにも使用できます。

14.14.5 BI Publisherのデバッグの有効化

BI Publisherをトラブルシューティングするとき、問題を解決するためにBI Publisherの詳しいデバッグ情報が必要なケースがあります。WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用してBIPデバッグを有効化できます。デバッグを有効化すると、前に説明した標準の場所(bipublisher.logなど)に詳しい診断とエラーの情報が送信されます。プライマリBI Publisherサーバーのデバッグを有効化する手順を次に説明します。


注意:

次のコマンド例で、BIPはプライマリBI Publisherサーバーの名前です。デバッグを必要とするBI Publisherサーバーが複数ある場合、BIPを個々のサーバー名(BIP2またはBIP3など)で置き換えます。

BI Publisherのデバッグが終了したら、必ずデバッグを無効にしてください。

14.14.5.1 BI Publisherのデバッグの有効化

  1. WLSTを実行する前に、WebLogic Serverがデモンストレーション用の信頼キーストアのCA証明書を信頼するようにWLST環境プロパティを設定します。

    Linux sh/bash:

    export WLST_PROPERTIES="-Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust"

    Linux csh/tcsh:

    setenv WLST_PROPERTIES "-Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust"

    Windows:

    set WLST_PROPERTIES=-Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust

  2. WLSTに接続します。

    Linux:

    $MW_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh

    Windows:

    %MW_HOME%\oracle_common\common\bin\wlst.cmd

  3. 次のWLSTセッション例に示すコマンドを実行して、デバッグを有効化します。

    ...
    ...
    Initializing WebLogic Scripting Tool (WLST) ...
    Welcome to WebLogic Server Administration Scripting Shell
    Type help() for help on available commands
    wls:/offline> connect('weblogic','<pw>','t3s://host:port')
    ...
    ...
    Successfully connected to Admin Server 'EMGC_ADMINSERVER' that belongs to domain 'GCDomain'.
    wls:/GCDomain/serverConfig> setLogLevel(target='BIP',logger='oracle.xdo',level='TRACE:32')
    wls:/GCDomain/serverConfig> getLogLevel(logger='oracle.xdo',target='BIP')
    TRACE:32
    wls:/GCDomain/serverConfig> exit()
    

14.14.5.2 BI Publisherのデバッグの無効化

BI Publisherのデバッグが終了したら、ログ・レベルをデフォルト設定に戻す必要があります。

  1. WLSTに接続します。

  2. 次のWLSTセッション例に示すコマンドを実行して、デバッグを無効化します。

    wls:/offline> connect('weblogic','<pw>','t3s://host:port')
    ...
    ...
    Successfully connected to Admin Server 'EMGC_ADMINSERVER' that belongs to domain 'GCDomain'.
    wls:/GCDomain/serverConfig> setLogLevel(target='BIP',logger='oracle.xdo',level=' 'WARNING:1')
    wls:/GCDomain/serverConfig> getLogLevel(logger='oracle.xdo',target='BIP')
    'WARNING:1'
    

14.15 Enterprise Managerの管理 - BI Publisherの接続資格証明

Enterprise ManagerからBI Publisherにアクセスする場合、レポート定義を取得、表示および管理するために2つの製品間に直接接続が必要です。たとえば、「エンタープライズ」メニューから「レポート」を選択し、次に「BI Publisher Enterpriseレポート」を選択します。次の図に示すようなEnterprise Manager Cloud Control共有フォルダ内のBI Publisherレポートを示すツリー・ビューが表示されます。

Enterprise Managerを介して表示されるBI Publisherレポート

configureBIPスクリプトを実行してEnterprise Managerと統合するようBI Publisherを初めて構成すると、必要な資格証明を持つ専用のWebLogicユーザーがインストールや構成を行うためだけに自動的に作成されます。Enterprise Manager 12c Cloud Controlリリース12.1.0.1以上、これらの資格証明をEMCTLコマンドconfig omsを使用して構成できます。

動詞の構文

emctl config oms -store_embipws_creds [-admin_pwd <weblogic_pwd>] [-embipws_user <new_embipws_username>] [-embipws_pwd <new_embipws_pwd>]

config omsコマンドを使用すると、インストールされているBI Publisher WebサーバーへのアクセスにEnterprise Managerで使用されるパスワードを変更できます。必要に応じてユーザー名も変更できます。config omsコマンドの実行には、WebLogic管理ユーザーのパスワードが必要です。

注意1 - config omsコマンドでは、Enterprise ManagerとBI Publisherの接続に必要なユーザーの資格証明のみ変更します。Enterprise ManagerとBI Publisherの接続の資格証明は、ユーザーによってこれ以外に使用される資格証明と一致する必要があります。たとえば、Enterprise Managerユーザー(データベース認証)、LDAPユーザー、WebLogic Serverユーザーなどです。対応するアプリケーションやコンソールを使用して、インストールされている資格証明ストア内でユーザーの作成や管理を行います。

注意2: このコマンドは、BI Publisherがインストールされている場合にのみ使用できます。

注意3: EMGC_OMSnnnnやBIPnnnnなどの管理対象サーバーを再起動する必要はありません。

WebLogicでサポートされる有効な資格証明は、そのユーザーがEMBIPAdministrators権限も持つ(OPSSまたはLDAP内のいずれか)場合に使用できます。

例: (LDAP資格証明ストアをベースとする)シングル・サインオン(SSO)を使用するようEnterprise Managerを構成したとします。次の手順で、資格証明の更新プロセスを示します。

  1. LDAPユーザーを作成します。たとえば、EM_BIP_INTERNAL_USERを作成し、このLDAPユーザーにXYZ123などのパスワードを割り当てます。

  2. EM_BIP_INTERNAL_USERをEMBIPADMINISTRATORS LDAPグループのメンバーにします。LDAPグループおよびEnterprise ManagerとBI Publisherの統合の詳細は、第14.8項「基礎となるLDAP認証セキュリティ環境でのEnterprise Manager管理者に対するBI Publisherへのアクセスの許可」を参照してください。

  3. EMCTL config omsコマンドを実行します。

    emctl config oms -store_embipws_creds -embipws_user EM_BIP_INTERNAL_USER 
    Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 2
    Copyright (c) 1996, 2012 Oracle Corporation.  All rights reserved.
    Enter Admin User's Password: <pw>
    Enter new password that Enterprise Manager will use to connect to BI Publisher: XYZ123
    Successfully updated credentials used by Enterprise Manager to connect to BI Publisher.
    

    EM_BIP_INTERNAL_USERのパスワードを後でLDAPサーバーで変更する場合、-store_embipws_credsオプションを使用してconfig omsコマンドを実行し、このLDAPユーザーのパスワードを変更できます。次の例では、パスワードはABC123に変更されます。

    emctl config oms -store_embipws_creds
    Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 2
    Copyright (c) 1996, 2012 Oracle Corporation.  All rights reserved.
    Enter Admin User's Password: <pw>
    Enter new password that Enterprise Manager will use to connect to BI Publisher : ABC123
    Successfully updated credentials used by Enterprise Manager to connect to BI Publisher.
    

14.16 BI Publisherサーバーの管理

BI Publisherは、OMSおよびAdminServerを含む同じWebLogicドメインで個別の管理対象サーバーとして動作します。BI Publisherの構成後は、Enterprise Managerのemctlコマンドを使用してBI Publisherを管理することもできます。

使用例:

       emctl start oms 
         Starts the Oracle Application Server components required 
         to run the Management Service application.
         Specifically, this command starts the Oracle HTTP Server, 
         Oracle Management Service, BI Publisher server and 
         applications associated with it. 
 
       emctl start oms -bip_only
         Starts just the BI publisher server.
 
       emctl stop oms [-all] [-force] 
         Stops Oracle Management Service.
            -all :  Additionally Stops BI publisher server and 
                    Admin server
            -force : kills the process instead of gracefull shutdown
                    (not recommended)
 
       emctl stop oms -bip_only [-force] 
         Stops BI Publisher server only
            -force : kills the process instead of gracefull shutdown 
                    (not recommended)
 
       emctl status oms
         Displays a message indicating whether Oracle Management 
         Service and BI Publisher are running. 
 
       emctl status oms -bip_only
         Displays a message indicating whether BI Publisher is 
         running. 
 
       emctl status oms -details [-sysman_pwd <pwd>]
         Displays status of Oracle Management Service. It displays 
         detailed information which includes :
           1) Http and Https upload port for Console and Pbs. and 
              respective URL.
           2) Instance Home Location
           3) Oracle Management Service Log directory
           4) Software Load Balancer
           5) Administration Server machine, port and URL
           6) Oracle BI Publisher details 
           -sysman_pwd : Enterprise Manager SYSMAN Password. If not 
                        provided, you will be prompted for this

14.17 BI Publisherの使用

BI Publisherの使用に関する包括的な情報は、BI Publisherドキュメント・ライブラリを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/bi-publisher/documentation/index.html

14.18 Enterprise Manager 12.1.0.4とともにインストールされなかったBI Publisherの削除

重要: Enterprise Manager 12.1.0.4のインストールが完了するまで、この項の手順を開始しないでください。

この章の手順に従ってBI PublisherをEnterprise Manager (12.1.0.2または12.1.0.3)の以前のリリースから12.1.0.4にアップグレードし、Enterprise Managerの以前のリリースにBI Publisher 11.1.1.6も含まれている場合、BI Publisher Oracle Homeの以前のインストールをOMSホームの以前のインストールとともに安全に削除できます。ベスト・プラクティスとしては、以前のBI Publisher Oracleホームと関連するOracleホームも削除することをお薦めします(膨大な量のディスク・スペースを使用するため)。

以前のEnterprise Managerソフトウェアを削除するタイミングおよび様々な削除方法など、Enterprise Managerのアップグレードの詳細は、『Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド』を参照してください。