アップグレード時には、旧リリースのEnterprise Managerで作成された「通知ルール」が、最初に「通知ルール」で定義されたターゲットに作用する、対応するインシデント・ルールセットに自動的に移行されます。 インシデント・ルールセットの詳細は、付録Aを参照してください。
ただし、Enterprise Manager Cloud Controlでターゲット・タイプ・モデリングが変更されている場合は、手動でルールを調整する必要があります。この付録では、ルールセットを手動で調整する方法を説明します。
特に、次の内容について説明します。
旧リリースのEnterprise Managerでは、「OMSとリポジトリ」が、環境内のすべてのOMSに対して定義される共通のターゲット・タイプでした。また、異なるOMSに対して収集されたメトリックは、この共通のターゲット・タイプ内に表示されていました。
しかし、Enterprise Manager Cloud Controlでは、ターゲット・タイプ「OMSとリポジトリ」に加えて、環境内の各OMSを表す新しいターゲット・タイプ、「Oracle Management Service」が導入されました。これにより、環境内に5つのOMSがある場合は、ターゲット・タイプ「OMSとリポジトリ」が1つ、およびターゲット・タイプ「Oracle Management Service」のインスタンスが5つ(OMSごとに1つ)表示されます。
ターゲット・タイプ「OMSとリポジトリ」では、環境内のすべてのOMSに共通するメトリックが取得されるのに対して、ターゲット・タイプ「Oracle Management Service」では、各OMSに固有のメトリックが取得されます。
表31-1に、メトリックのリスト、新しいターゲット・タイプ「Oracle Management Service」の導入のために行われた変更、および変更ごとに実行する必要があるアクションを示します。
表31-1 メトリックに対する変更および必要な更新
変更タイプ | 変更摘要 | 影響を受けるメトリック | 必要なアクション |
---|---|---|---|
一部のメトリックは、同じターゲット・タイプ(「OMSとリポジトリ」)用に保持されています。 |
保持されているメトリックは次のとおりです。
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変更する必要はありません。 |
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一部のメトリックは、個別のターゲット・タイプ(「Oracle Management Service」)に移動しました。 |
移動したメトリックは次のとおりです。
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異なるターゲット・タイプに移動したメトリックに対応する、新しいインシデント・ルールを設定します。 |
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一部のメトリックは、わかりやすい名前に変更されました。 |
名前が変更されたメトリックは次のとおりです。
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名前が変更されたメトリックに設定されているインシデント・ルールを更新します。 |
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一部のメトリックは、Enterprise Manager Cloud Controlでサポートされないため、廃止されました。 |
廃止されたメトリックは次のとおりです。
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廃止されたメトリックをインシデント・ルールから削除します。 |
移動したメトリックに設定されているインシデント・ルールをEnterprise Manager Cloud Controlの個別のターゲット・タイプ「Oracle Management Service」に更新するには、次の手順を実行します。
Cloud Controlで、「設定」メニューから「インシデント」 を選択して「インシデント・ルール」をクリックします。
「インシデント・ルール」ページで、Oracle Management Service(OMS)用に作成されたインシデント・ルールを選択し、「編集」をクリックします。
「ルール・セットの編集」ページの「ルール」タブで、移動したメトリックに作用するイベント・ルールを選択し、「編集」をクリックします。
選択したインシデント・ルール・セットのインシデント・ルールを編集できる、Enterprise Managerのルールの編集ウィザードが表示されます。
ルールの編集ウィザードで、次の手順を実行します。
「イベントの選択」ページで、表31-1の2行目にリストされているメトリックを選択し、「削除」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
「アクションの追加」ページおよび「名前と説明の指定」ページで、何も変更せずに「次へ」をクリックします。
「確認」ページで「続行」をクリックします。
「保存」をクリックします。
Enterprise Managerの「インシデント・ルール」ページが表示されます。
「インシデント・ルール」ページで「ルール・セットの作成」をクリックします。
「ルール・セットの作成」ページで、ルール・セットの一意の名前を入力します。
「ターゲット」タブで、「すべてのターゲットのタイプ」→「Oracle Management Service」を選択します。
「ルール」タブで「作成」をクリックします。
「作成するルールのタイプを選択」ダイアログで、「イベント・ルール」を選択して「続行」をクリックします。
新しいインシデント・ルール・セットを作成できる、Enterprise Mangerの新規ルールの作成ウィザードが表示されます。
新規ルールの作成ウィザードで、次の手順を実行します。
「イベントの選択」ページで、「イベント・タイプ」リストから「メトリック・アラート」を選択します。
注意: メトリック「管理サービスのステータス」に対して、「イベント・タイプ」リストから「ターゲット可用性」を選択します。 |
「特定のメトリック・アラート」を選択して「追加」をクリックします。
「特定のメトリック・アラートを選択」ダイアログで、次の手順を実行します。
「検索」リージョンの「ターゲット・タイプ」リストから「Oracle Management Service」を選択し、「検索」をクリックします。
表31-1の2行目にリストされている移動したメトリックを、表から選択します。
「重大度と修正処理のステータス」 リージョンの「重大度」リストから、適切な重大度レベルを選択します。
「OK」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
「アクションの追加」ページおよび「名前と説明の指定」ページで、何も変更せずに「次へ」をクリックします。
「確認」ページで「続行」をクリックします。
「保存」をクリックします。
Enterprise Managerの「インシデント・ルール」ページが表示されます。
注意: OMS用に作成されている他のすべてのインシデント・ルールに対して、この手順を繰り返します。 |
Enterprise Manager Cloud Controlで名前が変更されたメトリックに対して設定されているインシデント・ルールを更新するには、次の手順を実行します。
Cloud Controlで、「設定」メニューから「インシデント」 を選択して「インシデント・ルール」をクリックします。
「インシデント・ルール」ページで、Oracle Management Service(OMS)用に作成されたインシデント・ルールを選択し、「編集」をクリックします。
「ルール・セットの編集」ページの「ルール」タブで、名前が変更されたメトリックに作用するイベント・ルールを選択し、「編集」をクリックします。
選択したインシデント・ルール・セットのインシデント・ルールを編集できる、Enterprise Managerのルールの編集ウィザードが表示されます。
ルールの編集ウィザードで、次の手順を実行します。
「イベントの選択」ページで、表31-1の3行目にリストされているメトリックを選択し、「削除」をクリックします。
「追加」をクリックします。
「特定のメトリック・アラートを選択」ダイアログで、次の手順を実行します。
「検索」リージョンの「ターゲット・タイプ」リストから「OMSとリポジトリ」を選択し、「検索」をクリックします。
表31-1の3行目にリストされている、名前が変更されたメトリックを、表から選択します。
「重大度と修正処理のステータス」 リージョンの「重大度」リストから、適切な重大度レベルを選択します。
「OK」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
「アクションの追加」ページおよび「名前と説明の指定」ページで、何も変更せずに「次へ」をクリックします。
「確認」ページで「続行」をクリックします。
注意: OMS用に作成されている他のすべてのインシデント・ルールに対して、この手順を繰り返します。 |
廃止されたメトリックをインシデント・ルールから削除するには、次の手順を実行します。
Cloud Controlで、「設定」メニューから「インシデント」 を選択して「インシデント・ルール」をクリックします。
「インシデント・ルール」ページで、Oracle Management Service(OMS)用に作成されたインシデント・ルールを選択し、「編集」をクリックします。
「ルール・セットの編集」ページの「ルール」タブで、メトリック・アラート・イベント・ルールを選択して「編集」をクリックします。
選択したインシデント・ルール・セットのインシデント・ルールを編集できる、Enterprise Managerのルールの編集ウィザードが表示されます。
ルールの編集ウィザードで、次の手順を実行します。
「イベントの選択」ページで、表31-1の最後の行にリストされているメトリックを選択し、「削除」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
「アクションの追加」ページおよび「名前と説明の指定」ページで、何も変更せずに「次へ」をクリックします。
「確認」ページで「続行」をクリックします。
注意: OMS用に作成されている他のすべてのインシデント・ルールに対して、この手順を繰り返します。 |