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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
12cリリース3 (12.1.0.3)
B65086-09
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4 使用の開始

この章では、Enterprise Manager 12cリリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1を適用済]および12cリリース2 (12.1.0.2)を12cリリース3 (12.1.0.3)にアップグレードするための高度なプロセスについて説明します。

この章の具体的な内容は次のとおりです。


注意:

バンドル・パッチ1を未適用の12cリリース1 (12.1.0.1)から12cリリース3 (12.1.0.3)へは直接アップグレードできません。このようなリリースをアップグレードするには、次の手順に従います。
  1. OMSにバンドル・パッチ1を適用します。

  2. OMSのプラグインをバンドル・パッチ1のプラグイン・バージョンにアップグレードします。

  3. 管理エージェントのプラグインをバンドル・パッチ1のプラグイン・バージョンにアップグレードします。

  4. バンドル・パッチ1がパッチ適用されたOMSを12cリリース3 (12.1.0.3)にアップグレードします。

手順(1)から手順(3)については、Oracle Enterprise Managerバンドル・パッチ1適用ガイドに説明されている手順に従ってください。手順(4)については、第II部で説明されている手順に従ってください。



警告:

旧リリース(10.2.0.5または11.1.0.1)からの2システム・アップグレードが進行中の間は、12cリリース1 (12.1.0.1)または12cリリース2 (12.1.0.2)をアップグレードしないでください。アップグレードが進行中の間はステータスが保留中状態のスタンドアロン管理エージェントが存在する可能性があるため、アップグレードが完全に終わるまで待機します。


4.1 単一OMSでHA以外の環境でのEnterprise Managerのアップグレード

表4-1に、単一OMSでHA (高可用性)以外の環境において、Enterprise Managerを12cリリース3 (12.1.0.3)にアップグレードする手順を示します。

表4-1 単一OMSでHA以外の環境でのEnterprise Managerのアップグレード

手順番号 手順 プロシージャ

手順1

準備


(a)

1システム・アップグレード方式について学習します。

第2.1項


(b)

開始する前に理解しておく必要のある重要事項を確認します。

第3章


手順2

Oracle Management ServiceおよびOracle Management Repositoryのアップグレード


(a)

次の前提条件を満たします。

  • Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のEnterprise Manager Cloud Controlのインストールに関する章で説明されているOracle Management Service関係の前提条件を満たします。

  • 12cリリース3 (12.1.0.3)へのアップグレードはアウトオブプレース・アップグレードであるため、ホストが、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』に記載されている12cリリース3 (12.1.0.3)固有のハードウェア要件を満たしていることを確認します。ここで、ホストとは、アップグレードする現在のEnterprise Managerを実行しているホストを表します。

  • 第3.2項で示されている、サポートされているプラットフォームのみでアップグレードを行うようにします。

  • Enterprise Managerで使用されるポートが、1024以下の値に設定されていないことを確認します。この値以下に設定されている場合、アップグレードは失敗します。1024以下のポートは、一般にルート・ユーザー(スーパー・ユーザー)用に予約されています。このため、ポートは1024より大きくしてください。

  • アップグレードするEnterprise Manager Cloud Control 12cインストールにBI Publisherがインストール済の場合は、WebLogic管理コンソールを使用してBIPという名前のBI Publisher管理対象サーバーを停止します。手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

  • OMS (ミドルウェア・ホームおよびインベントリ)、管理リポジトリおよびソフトウェア・ライブラリをバックアップします。アップグレードが失敗した場合、常にバックアップを使用してリストアできます。

    バックアップの手順は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

  • アップグレードに関連する既知の問題およびその他の重要な要素を理解するには、My Oracle Supportのノート1568143.1を参照してください。

  • 電子メール通知を受信するために使用しているシステム既知のルール・セットのコピーを作成します(「類似作成」操作を使用します)。そうしないと、ルール・セットに対して作成された電子メール・サブスクリプションが失われることになります。


(b)

未処理のデータベース・サービスのインスタンス作成リクエストがあるか確認します。進行中のリクエストがある場合は、完了するまで待ちます。スケジュールされているリクエストについては、一時停止します。

これを行うには、次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlで、「エンタープライズ」メニューから、「クラウド」「セルフ・サービス・ポータル」の順に選択します。

  2. インフラストラクチャ・クラウド・セルフ・サービス・ポータル・ページで、ページ・タイトルのすぐ下で、「マイ・データベース」を選択してデータベース・リクエストのみを参照します。

  3. 「リクエスト」表で、進行中のリクエストについては完了するまで待ちます。スケジュールされているリクエストについては、一時停止します。

    スケジュールされたリクエストを一時停止するには、リクエスト名をクリックします。「デプロイ」タブをクリックします。そこにリストされたデプロイメント・プロシージャをクリックして、一時停止します。


(c)

管理リポジトリ内の表でスナップショットが作成されていないことを確認します。

これを確認するには、管理リポジトリにSYSMANユーザーとしてログインし、次のSQL問合せを実行します。

select master , log_table from all_mview_logs where log_owner='<EM_REPOS_USER>

次に例を示します。

select master , log_table from all_mview_logs where log_owner='SYSMAN'

作成されたスナップショットが表にある場合、マスター表およびスナップショットの詳細が表示されます。次に例を示します。

SQL> master log_table

em-violations em$violation_log

スナップショットがある場合は、SYSMANユーザーとして次のコマンドを実行して削除します。

SQL> Drop snapshot log on <master>

次に例を示します。

SQL> Drop snapshot log on em-violations

(d)

(クリティカルな必須手順)

Oracle Database 11gリリース1 (11.1.0.7)または11gリリース2 (11.2.0.1)に管理リポジトリが構成されている場合は、次のパッチがデータベースに適用されていることを確認してください。My Oracle Supportにアクセスすると、これらのパッチを検索できます。ご使用のデータベース・リリースおよびプラットフォーム用のパッチが見つかったら、ダウンロードして適用します。手順については、そのパッチに関連付けられたReadMeファイルを参照してください。これらのパッチを適用しない場合、アップグレードが失敗し、この失敗は修正することができません。

Oracle Database 11リリース1 (11.1.0.7)の場合:

  • UNIXプラットフォームでは、パッチ8405205を適用します。

  • Microsoft Windows (32ビット)プラットフォームでは、パッチ9082702またはパッチ16345861 (Microsoft Windows bundle# 52)を適用します(Microsoft Windows 32ビット用のパッチ8405205が含まれます)。

  • Microsoft Windows (64ビット)プラットフォームでは、パッチ9082709またはパッチ16345862を適用します。パッチ16345862はパッチ9082709を含む上位セットであるため、いずれか一方のみの適用で十分です。

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.1)の場合

  • Unixプラットフォームでは、PSU 9352237 (Oracle Databaseの11.2.0.1.1パッチ・セット更新)を適用

    Linuxプラットフォームの場合、PSU 9352237のかわりに、パッチ8405205を適用することを選択できます。Linuxプラットフォームでパッチ8405205を適用済の場合は、PSU 9352237を適用する必要はありません。このPSUにはパッチ8405205が含まれています。スタンドアロン・パッチとしてのパッチ8405205は、Linuxプラットフォームでのみ使用可能で、その他のUnixプラットフォームでは使用できません。

  • Microsoft Windows (32ビット)プラットフォームでは、パッチ9595784を適用

  • Microsoft Windows (64ビット)プラットフォームでは、パッチ9595786を適用

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)、11gリリース2 (11.2.0.3)および10gリリース2 (10.2.0.5)の場合

汎用パッチ11061801を適用します。

注意: なんらかの理由でこれらのパッチを適用しない場合やアップグレードに失敗する場合は、My Oracle Supportのノート1568107.1を参照して、ログ・ファイルでエラーを確認し、問題を解決してから処理を続行してください。


(e)

[複数OMSアップグレードの場合、最初のOMSアップグレードのみでこの手順を実行してください]

既存のOMSから既存の管理リポジトリにemkeyをコピーします。これを実行するには、アップグレードしようとしている古いOMSホームで次のコマンドを実行します。

$<OMS_HOME>/bin/emctl config emkey -copy_to_repos [-sysman_pwd <sysman_pwd>]

emkeyがコピーされているかどうか検証するには、次のコマンドを実行します。

$<OMS_HOME>/bin/emctl status emkey

emkeyがコピーされている場合、次のメッセージが表示されます。

The EMKey  is configured properly, but is not secure.
Secure the EMKey by running "emctl config emkey -remove_from_repos".

(f)

OMSインスタンス用のデフォルトの即時実行可能なメモリー設定を変更している場合、変更を保持して、アップグレード時に失われないようにします。

変更を保持するには、次の手順を実行します。

  1. すべてのOMSインスタンス上で次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl set property -name 'JAVA_EM_MEM_ARGS' -value '<java_memory_arguments>'

    次に例を示します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl set property -name 'JAVA_EM_MEM_ARGS' -value '-Xms256m -Xmx1740m'

  2. すべてのOMSインスタンスを再起動します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl stop oms -all

    $<OMS_HOME>/bin/emctl start oms


(g)

これからアップグレードするOMSを停止します。また、これに接続されているその他のOMSインスタンスも停止します。

  • グラフィック・モードでアップグレードする場合は、第5.1項の手順(12)の注意の説明に従って、後からOMSを停止できます。

  • ソフトウェアのみをインストールし、後からグラフィック・モードでアップグレードする場合は、第5.3.3項の手順(4)の注意に従って、後からOMSを停止できます。

  • サイレント・モードでアップグレードする場合は、OMSをただちに停止します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl stop oms -all


(h)

管理エージェントがメトリック収集のために管理リポジトリに接続しないように、「管理サービスとリポジトリ」ターゲットを監視する管理エージェントを停止します。この管理エージェントを停止しないと、OMSアップグレードが失敗する可能性があります。


(i)

OMSと管理リポジトリをアップグレードします。グラフィック・モードとサイレント・モードのどちらでアップグレードするかを選択できます。ある時点でソフトウェア・バイナリをインストールし、後でグラフィック・モードまたはサイレント・モードでアップグレードすることも選択できます。

emkeyをコピーしていないことを示すエラー・メッセージが表示される場合は、次の手順を実行します。

  1. 古いOMSから古い管理リポジトリにemkeyをコピーします。これを実行するには、アップグレードしようとしている古いOMSホームから次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl config emkey -copy_to_repos_from_file -repos_conndesc <conndesc> -repos_user <username> [-repos_pwd <pwd>] -emkey_file <OMS_HOME>/sysman/config/emkey.ora

    次に例を示します。

    /u01/software/oracle/middleware/oms/bin/emctl config emkey -copy_to_repos_from_file -repos_conndesc (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=dbhost.mydomain.com)(PORT=1521)))(CONNECT_DATA=(SID=emrepos12))) -repos_user sysman -emkey_file /u01/software/oracle/middleware/oms/sysman/config/emkey.ora

    注意: ここで、管理リポジトリの詳細は、アップグレードしようとしている既存の管理リポジトリの詳細です。<OMS_HOME>は、アップグレードしようとしているOMSホームです。

  2. OMSおよび管理リポジトリのアップグレードを再試行します。

重要: 古いOMSをアップグレードした後すぐに、古いOMSとともにインストールされた管理エージェント(つまり中央エージェント)をアップグレードしてください。この管理エージェントをアップグレードするには、エージェント・アップグレード・コンソールを使用します。

単一OMS環境の場合は、第5.1項第5.2項第5.3項または第5.4項を参照してください。

複数OMS環境(追加のOMSインスタンスあり)の場合は、第5.5項を参照してください。

(j)

アップグレードするEnterprise Manager Cloud Control 12cインストールにBI Publisherがインストール済の場合は、BI Publisherをインストールしてバージョン11.1.1.6.0にアップグレードする必要があります。このインストールおよびアップグレードは、Enterprise Manager 12cリリース3 (12.1.0.3)の新しいインストールでBI Publisherを使用できるようにするために必要です。このアップグレードの詳細は、Oracle Enterprise Managerアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイドを参照してください。具体的には、ガイドで指定されている適切なタイミングで、-upgradeフラグをconfigureBIPコマンドに渡します。手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。


手順3

Oracle Management Agentのアップグレード


(a)

管理エージェントのアップグレードを開始する前に理解しておく必要のある重要事項を確認します。

第6.2項


(b)

前提条件を満たします。

第6.3項


(c)

手順(2g)で停止した管理エージェントを確実に再起動します。


(d)

管理エージェントをアップグレードします。

重要: 古いOMSをアップグレードした後すぐに、古いOMSとともにインストールされた管理エージェント(つまり中央エージェント)をアップグレードしてください。この管理エージェントをアップグレードするには、エージェント・アップグレード・コンソールを使用します。

第6.4項


手順4

アップグレード後のタスクの実行


(a)

アップグレード後のタスクを実行します。

第12.5.1項


(b)

カスタム証明書を使用してOracle WebLogic Serverを再構成します。

第12.5.13項


(c)

遅延データ移行ジョブのステータスを追跡します。

第12.6.2項


(d)

不要な中央エージェントを削除します。

第12.12.2項


(e)

アプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)・エンジンと、JVM診断(JVMD)エンジンをアップグレードします。

第7章


(f)

古いOMSホームを削除します。

第12.14項



4.2 複数OMSでHA以外の環境でのEnterprise Managerのアップグレード

複数OMSでHA (高可用性)以外の環境において、Enterprise Managerを12cリリース3 (12.1.0.3)にアップグレードする手順は、第5.5項を参照してください。

4.3 HA環境(プライマリおよびスタンバイ・サイト)でのEnterprise Managerのアップグレード

表4-2に、HA (高可用性)環境で、プライマリおよびスタンバイEnterprise Managerサイトを12cリリース3 (12.1.0.3)にアップグレードする手順を示します。

表4-2 HA環境でのプライマリおよびスタンバイEnterprise Managerサイトのアップグレード

手順番号 手順 プロシージャ

手順1

スタンバイEnterprise Managerの削除


(a)

すべての追加スタンバイOMSインスタンスを削除します。

『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』「追加のスタンバイOMSインスタンスの削除」に関する項

(b)

最初のスタンバイOMSを削除します。

『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』「最初のスタンバイOMSの削除」に関する項

手順2

プライマリEnterprise Managerのアップグレード



プライマリEnterprise Managerサイト、OMSおよび管理エージェントの両方をアップグレードします。

第4.1項


手順3

スタンバイEnterprise Managerの再デプロイ



スタンバイWebLogic Domainまたはストレージ・レプリケーションのいずれかを使用してOMS環境を再作成します。

重要: スタンバイWebLogicドメインを使用する場合は、プライマリ・サイトおよび古いスタンバイ・サイトに使用したものとは別のドメイン名で再作成してください。

詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』「Enterprise Managerの障害時リカバリ」を参照してください。