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SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
1. SPARC ベースシステムのブートおよびシャットダウン (概要)
2. 指定された状態への SPARC ベースシステムのブート (手順)
5. SPARC ベースシステムのネットワークからのブート (手順)
SPARC ベースシステムのネットワークからのブート (作業マップ)
SPARC ベースステムをネットワークからブートするための要件
OpenBoot PROM へのネットワークブート引数の設定
OpenBoot PROM でのネットワークブート引数の指定方法
6. SPARC ベースシステムでのブートパラメータの変更 (手順)
7. SPARC プラットフォームでの ZFS ブート環境の作成と管理、およびこのブート環境からのブート (手順)
8. SPARC ベースシステムのブート可能状態の維持 (手順)
次の理由により、システムのネットワークからのブートが必要になることがあります。
Oracle Solaris をインストールするため
復旧のため
Oracle Solaris で使用されるネットワーク構成ブート方法は動的ホスト構成プロトコル (DHCP) です。
この Oracle Solaris リリースでの DHCP の動作に関する一般的な情報と、DHCP サーバーを設定するための具体的な情報については、『Oracle Solaris の管理: IP サービス』のパート II「DHCP」を参照してください。
ネットワークデバイスの場合、ローカルエリアネットワーク (LAN) 上でブートするプロセスと WAN 上でブートするプロセスは多少異なっています。どちらのネットワークブートシナリオでも、PROM によってブーター (この場合 inetboot) がブートサーバーまたはインストールサーバーからダウンロードされます。
LAN 上でブートするとき、ファームウェアは DHCP を使用して、ブートサーバーとインストールサーバーのいずれかを検出します。次に、Trivial File Transfer Protocol (TFTP) が使用されて、ブーター (この場合 inetboot) がダウンロードされます。
WAN 上でブートするときは、ファームウェアは DHCP または NVRAM プロパティーを使用して、システムをネットワークからブートするために必要なインストールサーバー、ルーター、およびプロキシを検出します。ブーターのダウンロードに使用されるプロトコルは HTTP です。さらに、定義済みの非公開鍵を使ってブーターの署名が確認される場合もあります。
ブートサーバーが利用できれば、どのようなシステムもネットワークからブートできます。スタンドアロンのシステムがローカルディスクからブートできない場合、そのシステムを復旧目的でネットワークからブートしなければならないことがあります。
Oracle Solaris を復旧目的でインストールするために SPARC ベースシステムのネットワークブートを実行するには、DHCP サーバーが必要です。
クライアントのネットワークインタフェースの構成に必要な情報は、DHCP サーバーから提供されます。自動インストーラ (AI) サーバーを設定している場合は、そのサーバーも DHCP サーバーにすることができます。または、別の DHCP サーバーを設定できます。詳細については、『Oracle Solaris の管理: IP サービス』のパート II「DHCP」を参照してください。
また、tftp サービスを提供するブートサーバーも必要です。
eeprom ユーティリティーの network-boot-arguments パラメータを使用すれば、WAN ブートを実行するときに PROM によって使用される構成パラメータを設定できます。PROM に設定したネットワークブート引数は、あらゆるデフォルト値よりも優先されます。DHCP を使用する場合、これらの引数も、所定のパラメータについて DHCP サーバーによって提供された構成情報よりも優先されます。
ネットワークからブートするように Oracle Solaris システムを手動で構成する場合、システムがブートするために必要なすべての情報をクライアントシステムに提供する必要があります。
PROM が必要な情報には次のものが含まれます。
ブートクライアントの IP アドレス
ブートファイルの名前
ブートファイルイメージを提供するサーバーの IP アドレス
さらに、使用するデフォルトルーターのサブネットマスクおよび IP アドレスを提供することが必要な場合もあります。
ネットワークブートで使用する構文は次のとおりです。
[protocol,] [key=value,]*
使用するアドレス検索プロトコルを指定します。
構成パラメータを属性ペアとして指定します。
次の表に、network-boot-arguments パラメータに指定できる構成パラメータを示します。
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始める前に
システムをネットワークからブートするために必要なすべての予備的作業を完了します。詳細は、「SPARC ベースステムをネットワークからブートするための要件」を参照してください。
# eeprom network-boot-arguments="protocol,hostname=hostname"
たとえば、ブートプロトコルとして DHCP を使用し、ホスト名 mysystem.example.com を使用するには、network-boot-arguments パラメータの値を次のように設定します。
# eeprom network-boot-arguments="DHCP,hostname=mysystem.example.com"
# init 0
ok boot net
注 - この方法で network-boot-arguments パラメータを指定した場合、PROM コマンド行で引数を指定する必要はありません。指定すると、指定済みの network-boot-arguments パラメータに設定されたほかの値は無視されます。
Oracle Solaris 11 では、Oracle Solaris をインストールするためにネットワークからブートするとき、使用されるネットワーク構成ブート方法は DHCP です。DHCP を使用してシステムをネットワークからブートするには、DHCP ブートサーバーをネットワーク上で利用できる必要があります。
boot コマンドを実行するとき、DHCP プロトコルを使用した SPARC ベースシステムブートを指定できます。あるいは、NVRAM 別名を設定することによって、システムをリブートしてもこの情報を PROM レベルで保存できます。
次の nvalias コマンドの例では、デフォルトで DHCP を使ってブートするように、ネットワークデバイスの別名を設定します。
ok nvalias net /pci@1f,4000/network@1,1:dhcp
結果として、boot net と入力するだけで、システムは DHCP を使用してブートします。
注意 - nvalias コマンドと nvunalias コマンドの構文を十分理解するまでは、nvalias コマンドを使用して NVRAMRC ファイルを変更しないでください。 |
始める前に
DHCP 構成を設定するための前提条件となるタスクをすべて実行します。「SPARC ベースステムをネットワークからブートするための要件」を参照してください。
Oracle Solaris をインストールするためにシステムをネットワーク経由でブートする場合は、最初に AI クライアントイメージをダウンロードし、そのイメージに基づいてインストールサービスを作成します。手順については、『Oracle Solaris 11 システムのインストール』のパート III「インストールサーバーを使用したインストール」を参照してください。
# init 0
ok boot net:dhcp
注 - デフォルトで DHCP を使用してブートするように PROM 設定を変更した場合、次に示すように boot net と指定するだけでかまいません。
ok boot net