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x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  x86 ベースシステムのブートおよびシャットダウン (概要)

システムのブートおよびシャットダウンの新機能

管理用に提供された driver.conf ファイル

ビットマップコンソールのサポート

ブートおよびシャットダウンアニメーション

高速リブート

x86: 32 ビットカーネルのサポートの削除

x86 ベースシステムのブートおよびシャットダウン (トピックマップ)

x86 ベースシステムをブートするためのガイドライン

システムをブートする理由

サービス管理機構とブート

SMF 使用時のブート動作に関する変更

実行レベルの動作

システムがマルチユーザー状態 (実行レベル 3) にブートされたときの処理

実行レベルとマイルストーンの使い分け

Oracle Solaris ブートアーキテクチャーの概要

x86 ブートプロセスの動作

GRUB ベースのブート

GRUB のコンポーネント

GRUB メニューの目的と機能

GRUB デバイス命名規則

x86 および GRUB ブートの用語

2.  指定された状態への x86 ベースシステムのブート (タスク)

3.  システムのシャットダウン (手順)

4.  x86 ベースシステムのリブート (タスク)

5.  x86 ベースシステムのネットワークからのブート (作業)

6.  x86 ベースシステム上のブートパラメータの変更 (タスク)

7.  x86 プラットフォーム上での ZFS ブート環境の作成、管理、およびこのブート環境からのブート (タスク)

8.  x86 ベースシステムのブート可能状態の維持 (タスク)

9.  x86 ベースシステムのブートのトラブルシューティング (タスク)

索引

実行レベルの動作

システムの「実行レベル」(「init 状態」とも呼ばれる) は、ユーザーが使用できるサービスとリソースを定義します。システムが一度に持つことのできる実行レベルは 1 つだけです。

Oracle Solaris には、次の表で説明する 8 つの実行レベルがあります。デフォルトの実行レベル 3 は、/etc/inittab ファイルに指定されています。

表 1-3 Oracle Solaris の実行レベル

実行レベル
init 状態
タイプ
目的
0
電源切断状態
電源切断
オペレーティングシステムをシャットダウンして、システムの電源を安全に落とせるようにします。
s または S
シングルユーザー状態
シングルユーザー
一部のファイルシステムがマウントされ使用可能な状態で、シングルユーザーとして動作します。
1
システム管理状態
シングルユーザー
すべての使用可能なファイルシステムにアクセスします。ユーザーログインは使用できません。
2
マルチユーザー状態
マルチユーザー
通常の運用に使用します。複数のユーザーがシステムとすべてのファイルシステムにアクセスできます。NFS サーバーデーモンを除く、すべてのデーモンが動作します。
3
NFS リソースを共有したマルチユーザーレベル
マルチユーザー
NFS リソースを共有する通常の運用に使用します。これがデフォルトの実行レベルです。
4
マルチユーザー状態 (予備)
マルチユーザー
デフォルトでは構成されていませんが、顧客用に使用できます。
5
電源切断状態
電源切断
オペレーティングシステムをシャットダウンしてシステムの電源を安全に落とせるようにします。可能であれば、この機能をサポートしているシステムでは電源を自動的に切断します。
6
リブート状態
リブート
システムをシャットダウンして実行レベル 0 にしたあと、NFS リソースを共有するマルチユーザーレベル (または inittab ファイルに指定されたデフォルトの実行レベル) でリブートします。

また、svcadm コマンドを使用してシステムの実行レベルを変更することもできます。その場合は、実行するときのマイルストーンを選択してください。次の表に、各マイルストーンに対応する実行レベルを示します。

表 1-4 実行レベルと SMF マイルストーン

実行レベル
SMF マイルストーンの FMRI
S
milestone/single-user:default
2
milestone/multi-user:default
3
milestone/multi-user-server:default

システムがマルチユーザー状態 (実行レベル 3) にブートされたときの処理

  1. init プロセスが開始され、環境変数を設定するために svc:/system/environment:init SMF サービス内に定義されているプロパティーを読み取ります。デフォルトでは、TIMEZONE 変数だけが設定されます。

  2. initinittab ファイルを読み取り、次の処理を行います。

    1. action フィールドが sysinit になっているすべてのプロセスエントリを実行して、ユーザーがシステムにログインする前に特殊な初期化がすべて行われるようにします。

    2. 起動アクティビティーを svc.startd に渡します。

    init プロセスが inittab ファイルを使用する方法についての詳細は、init(1M) のマニュアルページを参照してください。

実行レベルとマイルストーンの使い分け

一般に、マイルストーンまたは実行レベルを変更する手順はめったに実行されません。必要な場合、実行レベルを変更するために init コマンドを使用するとマイルストーンも変更され、これは使用するのに適切なコマンドです。init コマンドはまた、システムをシャットダウンするのにも適しています。

ただし、none マイルストーンを使用してシステムをブートすると、起動時の問題をデバッグするときに非常に役立つ場合があります。none マイルストーンと同等の実行レベルはありません。詳細は、『Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク』の「どのサービスも起動しないでブートする方法」を参照してください。