システムのブートおよびシャットダウンの新機能

Oracle Solaris 11 リリースで追加されたブート機能は次のとおりです。

• 「管理用に提供された driver.conf ファイル」

• 「ビットマップコンソールのサポート」

• 「ブートおよびシャットダウンアニメーション」

• 「x86: 32 ビットカーネルのサポートの削除」

管理用に提供された driver.conf ファイル

/kernel および /platform ディレクトリ内にあるベンダー提供の元のファイルを変更することなく、ドライバ構成ファイル (driver.conf) によって管理上のローカルな変更を補うことができます。この拡張機能により、システムのアップグレード中にローカルな構成を保持しやすくなります。新しい /etc/driver/drv ディレクトリに driver.conf ファイルを追加することによって、ドライバ構成にローカルな変更を提供できるようになりました。ブート時に、システムは /etc/driver/drv にそのドライバの構成ファイルがないかチェックします。見つかった場合、システムはベンダー提供の構成と、管理用に提供された変更を自動的にマージします。

マージされたプロパティーを表示するには、prtconf コマンドに新しい -u オプションを付けて使用します。-u オプションによって、指定されたドライバについての元のプロパティー値と変更されたプロパティー値の両方を表示できます。詳細は、prtconf(1M) のマニュアルページを参照してください。手順については、『Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク』の「デバイスのデフォルトのプロパティー値とカスタマイズされたプロパティー値を表示する方法」を参照してください。

次の補足情報も参照してください。

• driver.conf(4)

• driver(4)

• 『Writing Device Drivers』

• ddi_prop_exists(9F)

• ddi_prop_lookup(9F)

ビットマップコンソールのサポート

Oracle Solaris 11 は、x86 ベースのシステムで、古い VGA (Video Graphics Array) 640-480 16 色コンソールよりも高い解像度と色数をサポートします。このサポートは、従来の BIOS および VESA (Video Electronics Standards Association) オプション読み取り専用メモリー (ROM) を使用するシステムを対象に提供されます。サポートは、物理または仮想コンソールとしてグラフィックカードまたはフレームバッファーが使用されるときに限られることに注意してください。シリアルコンソールの動作への影響はありません。

詳細は、「ビットマップコンソールのサポート」を参照してください。

ブートおよびシャットダウンアニメーション

ブートプロセス中にシステム上で表示される進捗状況インジケータは、次の場合に自動的に割り込まれます:

• カーネルデバッガに移行した。

• システムパニックが発生した。

• 入力が必要な Oracle Solaris サービスのサービス管理機能 (SMF) がブートプロセスに割り込んだ。

• GDM (GNOME Desktop Manager) のログイン画面が表示された。

システムをブートするときに console=graphics オプションが指定され、かつ X.org サーバーによってシャットダウンがトリガーされた場合は、シャットダウンプロセス中に進捗ステータスインジケータが表示されます。svc:/system/boot-config SMF サービスの新しい splash-shutdown プロパティーを false に設定することにより、進捗状況インジケータを非表示にすることができます。手順については、「シャットダウンアニメーションの無効化」を参照してください。

高速リブート

高速リブートでは、カーネルをメモリー内に読み込んでからそのカーネルに切り替えるインカーネルブートローダーが実装されます。ファームウェアおよびブートローダーのプロセスがバイパスされ、システムを数秒以内でリブートできるようになります。

高速リブート機能は SMF によって管理され、ブート構成サービス svc:/system/boot-config を通して実装されます。boot-config サービスは、デフォルトのブート構成パラメータを設定または変更する手段を提供します。config/fastreboot_default プロパティーを true に設定すると、システムは高速リブートを自動的に実行するため、 reboot -f コマンドを使用する必要はありません。このプロパティーの値は、x86 プラットフォームでは true に設定されています。SPARC プラットフォーム上での高速リブートのデフォルト動作を変更する方法を含むタスク関連の情報については、「x86 ベースシステム上のリブートプロセスの高速化」を参照してください。

x86: 32 ビットカーネルのサポートの削除

Oracle Solaris 11 では、x86 プラットフォームでの 32 ビットカーネルのサポートが削除されました。その結果、32 ビットの x86 プラットフォーム上では Oracle Solaris 11 をブートできません。32 ビットハードウェアを含むシステムは、64 ビットハードウェアにアップグレードするか、または引き続き Oracle Solaris 10 を実行する必要があります。