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Oracle Solaris 11 インストールマニュアルページ Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
- 自動インストールマニフェストファイル形式
/usr/share/install/ai.dtd.1
自動インストーラ (AI) は、カスタマイズ可能でハンズフリーの Oracle Solaris のインストールメカニズムを提供し、インストールパラメータの説明として XML ベースのファイル形式を使用します。このインストールパラメータファイルは AI マニフェストと呼ばれます。インストールは、ディスクの配置やシステムにインストールされるソフトウェアなど、さまざまな方法でカスタマイズできます。
AI マニフェストには、次のセクションがあります。
自動インストール設定。インストール時に使用される設定を指定します。
ディスクの配置。インストールのディスクの配置を指定します。
ソフトウェア。インストールするソフトウェアパッケージを指定します。
ブート構成 (x86 のみ)。GRUB ブートメニューの構成方法を指定します。
その他の構成。システムにインストールするその他の構成コンポーネントを指定します。
これらのセクションについて、次により詳しく説明します。
新しい AI マニフェストを作成するには、テンプレートまたは関連インストールサービスイメージからのデフォルトのマニフェストのコピーを使用します。たとえば、インストールサービスイメージが imagepath にある場合、次のファイルを使用できます。
このインストールサービスの元のデフォルトの AI マニフェスト。
カスタマイズの例を含む注釈付きのサンプル AI マニフェスト。
installadm export コマンドを使用して、インストールサービスにすでに存在するマニフェストのコピーを取得できます。
AI マニフェストは、zoneadm install コマンドを使用した非大域ゾーンのインストールにも使用されます。このコマンドに AI マニフェストファイルを渡して、ゾーンのインストールをカスタマイズできます。非大域ゾーンのインストールには、AI マニフェストの指定のサブセットのみが適用されます。これらの指定について、次のセクションで説明します。
AI マニフェストを補足して、Service Management Facility (SMF) 構成プロファイルがあります。これらのプロファイルは、ホスト名、ネットワーク、ルートおよび初期ユーザーアカウント設定などのインストールされるシステムのシステム構成を指定します。
インストールサービス、AI マニフェスト、および構成プロファイルの詳細については、installadm(1M) マニュアルページおよび『Oracle Solaris 11 システムのインストール』のパート III「インストールサーバーを使用したインストール」を参照してください。構成プロファイルのファイル形式については、smf(5)を参照してください。
ai_instance 要素には次の属性があります。
このマニフェストインスタンスの名前。
インストール時にリモートファイルにアクセスするために使う HTTP プロキシ。インストール時にアクセスされるリモートファイルの例には、Image Packaging System (IPS) パッケージリポジトリ内のソフトウェアパッケージがあります。http_proxy の値は、http://myproxy.mycompany.com:8080/ などの HTTP URI です。
この属性は、非大域ゾーンのインストール時に適用できず、指定した場合には無視されます。
インストール後に自動的にリブートするかどうかを指定するフラグ。auto_reboot のデフォルト値は false です。auto_reboot が false の場合、インストールは、手動のリブートを待機します。
auto_reboot が true の場合、インストールの成功時に、新しくインストールされたブート環境でマシンが自動的にリブートします。
この属性は、非大域ゾーンのインストール時に適用できず、指定した場合には無視されます。
次の例に ai_instance 要素の使用方法を示します。
<auto_install> <ai_instance name='default' auto_reboot='true' http_proxy='http://myproxy.mycompany.com:8080/'> <!-- target and software sections --> </ai_instance> </auto_install>
AI では、インストール先の完全な自動選択から、ディスクの配置の詳細な制御まで、幅広くディスクを指定できます。
target 要素はディスクの配置を指定します。target 要素を指定していない場合のデフォルトのディスクの配置は、次の特性があります。
1 つのディスク全体が、Oracle Solaris OS のインストールに使われます。このディスクは通常ブートディスクまたは最初のディスクです。
x86 の場合、ディスクのすべての内容を使用する fdisk パーティションが割り当てられます。fdisk パーティションの詳細については、fdisk(1M) マニュアルページを参照してください。
SPARC のディスクのフルサイズであり、x86 の fdisk パーティションのフルサイズである単一スライス 0 が割り当てられます。
完全なスライス 0 を使用する単一のルートプールが作成されます。
領域を使用できる場合、スワップボリュームとダンプボリュームがルートプールに作成されます。
target 要素は次の構造になります。
<!-- zero or one target element --> <target> <!-- zero or more disk elements --> <disk ...> </disk> <logical ...> <!-- zero or more zpool elements --> <zpool ...> </zpool> </logical> </target>
target 要素の子要素を使用して、ディスクと論理配置を指定できます。
ディスクの指定は、非大域ゾーンのインストール時に適用できず、指定した場合には無視されます。
一部のディスクの配置要素には、size サブ要素があります。size 要素は次の形式になります。
<size val="size" start_sector="start_sector"/>
start_sector 値は、新しいパーティションやスライスの目的の開始セクターを指定する数値です。start_sector 属性が省略されている場合、インストーラは指定された size を格納するために十分な大きさの最初の場所を検索します。
size の値は、次のいずれかの接尾辞の付いた数値です。
s または sec: セクター
b: バイト
k または kb: キロバイト (2 10)
m または mb: メガバイト (2 20)
g または gb: ギガバイト (2 30)
t または tb: テラバイト (2 40)
p または pb: ペタバイト (2 50)
e または eb: エクサバイト (2 60)
z または zb: ゼタバイト (270)
このセクションの残りでは、disk 要素と logical 要素について詳しく説明します。
Oracle Solaris OS をインストールするクライアント上の場所を指定しない場合、AI はそのクライアントのデフォルトの場所を選択します。
インストールのデフォルトの場所は、各クライアント上で見つかった、サイズの要件を満たす最初のディスクです。ディスクのサイズが必要なサイズ以上である場合、インストーラは、そのディスクをインストールの場所として選択します。ディスクのサイズが必要なサイズ未満である場合、インストーラは、次のディスクをチェックします。サイズの要件を満たすディスクが見つからない場合、そのクライアントに対する自動インストールは失敗します。/system/volatile/install_log にあるインストールログに、そのシステムのディスクの選択プロセスの詳細が示されます。
target セクションの disk セクションはインストールの場所を指定します。
ディスクの指定は、非大域ゾーンのインストール時に適用できず、指定した場合には無視されます。
ディスクは、次のいずれかの選択条件のタイプを使用して選択できます。
グループ 1: ディスク名または IP アドレスなどの決定的条件。次の「ターゲットデバイス名」で説明するように <disk_name> サブ要素を使用するか、次の「ISCSI ターゲットデバイス」で説明するように <iscsi> サブ要素を使用します。
グループ 2: ディスクサイズやベンダーなどの非決定的条件。次の「ターゲットデバイスのプロパティー」で説明するように <disk_prop> サブ要素を使用します。
グループ 3: boot_disk キーワードなどのキーワード条件。次の「ターゲットデバイスのキーワード」で説明するように <disk_keyword> サブ要素を使用します。
これら 3 つのグループのうち 1 つのグループからの条件だけを指定できます。グループ 2 選択条件を使用する場合、複数の条件を指定できます。たとえば、サイズとベンダーの両方を指定できます。グループ 1 選択条件を使用する場合、それらの条件のうち 1 つだけを指定できます。
ターゲットデバイス名disk_name 要素を使用して、iSCSI デバイスでないデバイスのターゲットデバイス名を指定します。disk_name 要素には次の属性があります。
name 属性はターゲットデバイスの名前を指定します。
name_type 属性はターゲットデバイス名のタイプを指定します。name_type 属性は次のいずれかの値を持ちます。
これは c0t0d0 などの CTD 名か、c0t2000002037CD9F72d0 などの MPXIO 名です。この名前のタイプは、一般に format(1M) コマンドを実行する場合に見られます。
<disk_name name="c0t0d0" name_type="ctd"/>
これは、name_type 属性が省略された場合のデフォルトのターゲットデバイス名のタイプです。
これは、format (1M) コマンドによって設定可能なボリューム識別子です。
<disk_name name="MY_BOOT_DISK" name_type="volid"/>
これは、/devices ディレクトリに相対的なデバイスパスです。
<disk_name name="/devices/pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@0,0" name_type="devpath"/>
これは、-iEn オプションを使用した iostat(1M) コマンドからの出力の「Device Id」に見つかるデバイス識別子です。
<disk_name name="id1,sd@TSun_____STK_RAID_INT____F0F0F0" name_type="devid"/>
これは、-o cR オプションを使用した croinfo(1M) コマンドからの出力で見つかる CRO (シャーシ、受容体、占有装置) 構成からの受容体値です。
<disk_name name="SYS/1" name_type="receptacle"/>
インストールターゲットとして iSCSI ディスクを指定するには、iscsi 要素を使用します。iscsi 要素には次の属性があります。
source 属性は、iSCSI 構成データのソースを指定します。source 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
この値は、この AI マニフェストを示します。これは、source 属性に値が指定されていない場合のデフォルトです。
source 属性が省略されているか、source 属性の値が manifest である場合、target_lun 属性と target_ip 属性が指定されている必要があります。
この値は、DHCP rootpath パラメータに情報を指定して、iSCSI 情報が提供される DHCP の使用を示します。
source 属性の値が dhcp の場合、ほかの iscsi 属性を指定しないでください。
<iscsi source="dhcp"/>
target_name 属性は、次の例に示すように、iSCSI ターゲットの IQN (iSCSI Qualified Name) または EUI (Extended Unique Identifier) を指定します。
iqn.1986-03.com.sun:02:a4a694bc-6de2-ee50-8979-e25ba29acb86
target_name 属性が指定されていない場合、AI はiscsiadm(1M) を sendtargets モードで使用します。
<iscsi target_lun="0" target_ip="192.168.1.34"/>
target_name 属性が指定されていない場合、AI は静的検出を使用します。
<iscsi target_name="iqn.1986-03.com.sun:02:a4a694bc-6de2-ee50-8979-e25ba29acb86" target_lun="0" target_ip="192.168.1.34"/>
iSCSI ターゲットで複数の LUN を提供している場合、target_lun に整数値を指定して、使用する LUN を指定します。LUN 番号は 0 からインデックス付けされます。最初の LUN を指定するには、0 の target_lun 値を指定します。
提供されている LUN が 1 つだけの場合は、この属性を省略できます。
指定しない場合、デフォルトの 3260 (iSCSI 標準ポート) の target_port が使用されます。この属性を使用して、代替のポート番号を指定できます。
この属性の値はサーバーの IP アドレスです。
<iscsi target_lun="0" target_ip="192.168.1.34"/>
ターゲットデバイスのプロパティーを指定するには、disk_prop 要素を指定します。複数のプロパティーを指定できます。AI は指定された条件に基づいて、もっとも一致するものを見つけようとします。
disk_prop 要素の属性を使用して、ターゲットプロパティーを指定します。disk_prop 要素には次の属性があります。
ターゲットディスクのタイプ。取り得る値には、SCSI、ATA、および USB があります。この値では、大文字と小文字は区別されません。
format(1M) コマンドの inquiry メニューオプションによって表示されるベンダー。
<disk_prop dev_vendor="Sun"/>
-o cA オプションを使用した croinfo(1M) コマンドからの出力で見つかる CRO (シャーシ、受容体、占有装置) 構成からのシャーシ値。
<disk_prop dev_chassis="SYS"/>
ディスクの最小サイズ。値は数字とサイズの単位です。
<disk_prop dev_size="100gb"/>
disk_prop 要素を使用して、ディスク検索をさらに制限するために、複数の属性を同時に指定できます。次の例では、ディスクの選択を 100G バイト以上のサイズの Hitachi ドライブに制限しています。
<disk_prop dev_vendor="HITACHI" dev_size="100gb"/>ターゲットデバイスのキーワード
disk_keyword 要素を使用して、システムのブートディスクをターゲットディスクとして指定できます。
<disk_keyword key="boot_disk"/>
key 属性でサポートされている値は boot_disk のみです。
ディスクを配置するもっとも簡単な方法は、whole_disk 属性を true に設定して、インストールにディスク全体を使用することです。
もっと複雑なディスクの配置の場合は、パーティション (x86 システムの場合のみ) とスライスを指定できます。
disk 要素には次の属性があります。
この属性のデフォルト値は false です。whole_disk が false の場合、パーティションまたはスライスを定義する必要があります。既存のパーティションまたはスライスの action 属性に delete 値を指定して、それらを削除しないかぎり、パーティションまたはスライスが保持されます。
whole_disk が true の場合、既存のパーティションまたはスライスの action 属性に preserve 値を指定して、それらを保持しないかぎり、パーティションまたはスライスが削除されます。
次の例では、インストールにディスク全体を使用することを指定しています。
<disk whole_disk="true"> <disk_name name="c0t0d0" name_type="ctd"/> </disk>
in_zpool 属性は、AI マニフェストの logical セクションに定義されている ZFS プールにこのディスクをリンクします。in_zpool 属性の値は、対応する zpool 要素の name 属性の値に一致している必要があります。
ここで、in_zpool 属性を指定した場合、下位パーティションまたはスライスに in_zpool を指定しないでください。
in_vdev 属性は、AI マニフェストの logical セクションに定義されている仮想デバイスにこのディスクをリンクします。in_vdev 属性の値は対応する vdev 要素の name 属性の値に一致している必要があります。
ここで、in_vdev 属性を指定した場合、下位パーティションまたはスライスに in_vdev を指定しないでください。
パーティションは x86 システムにインストールする場合にのみ指定できます。SPARC システムでパーティションを指定すると、インストールが失敗します。partition 要素には次の属性があります。
name 属性は fdisk パーティション番号です。値 1、2、3、および 4 はプライマリパーティションです。いずれかのプライマリパーティションが拡張パーティションの場合、値 5 から 32 を論理パーティションに指定できます。
指定した action が use_existing_solaris2 でないかぎり、name 属性が必要です。
action 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
これはパーティションのデフォルトのアクションです。create アクションは、指定した名前でパーティションを作成するようにインストーラに指示します。同じ名前のパーティションがすでに存在する場合、その既存のパーティションが最初に削除されます。
delete アクションは、名前付きのパーティションを削除するようにインストーラに指示します。名前付きのパーティションが存在しない場合、delete アクションはスキップされ、警告メッセージが出力されます。
preserve アクションは、名前付きパーティションを変更しないでおくようにインストーラに指示します。このアクションは、一般に、別のオペレーティングシステムが同じディスク上の別の場所にインストールされている場合に使われます。
use_existing_solaris2 アクションは、既存の Solaris2 パーティションを使うようにインストーラに指示します。インストーラは、既存の Solaris2 パーティションを検索します。
use_existing_solaris2 を指定した場合、name 属性と part_type 属性が無視されます。
part_type は fdisk パーティションタイプです。デフォルト値は 191 で、Solaris2 パーティションのパーティションタイプです。可能なパーティションタイプの詳細については、fdisk(1M) コマンドを参照してください。
in_zpool 属性は、AI マニフェストの logical セクションに定義されている ZFS プールにこのパーティションをリンクします。in_zpool 属性の値は、対応する zpool 要素の name 属性の値に一致している必要があります。
in_zpool 属性を指定する場合、関連 disk 要素または下位の slice 要素に in_zpool を指定しないでください。
in_vdev 属性は、AI マニフェストの logical セクションに定義されている仮想デバイスにこのパーティションをリンクします。in_vdev 属性の値は対応する vdev 要素の name 属性の値に一致している必要があります。
in_vdev 属性を指定する場合、関連 disk 要素または下位の slice 要素に in_vdev を指定しないでください。
パーティションには、パーティションのサイズを指定する size サブ要素を指定できます。size 要素の使用方法の詳細については、「ディスクの配置」の初めを参照してください。
次の例では、デフォルトの属性値を使用して、10G バイトの Solaris2 パーティションを作成しています。
<disk> <disk_name name="c0t0d0" name_type="ctd"/> <partition name="1"> <size val="10gb"/> </partition> </disk>
サイズを指定しない場合、親要素のサイズが使われます。
preserve、delete、および use_existing_solaris2 アクションでは size の指定は必要ありません。
スライスx86 システムの場合、パーティション定義内に、スライスが含まれている必要があります。
slice 要素には次の属性があります。
name 属性はスライス番号です。値は 0 - 7 です。
action 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
これはスライスのデフォルトのアクションです。create アクションは、指定した名前でスライスを作成するようにインストーラに指示します。同じ名前のスライスがすでに存在する場合、その既存のスライスが最初に削除されます。
delete アクションは、名前付きのスライスを削除するようにインストーラに指示します。名前付きのスライスが存在しない場合、delete アクションはスキップされ、警告メッセージが出力されます。
preserve アクションは、名前付きスライスを変更しないでおくようにインストーラに指示します。このアクションは、一般にデータが前のインストールから存在する場合に使用します。
この属性のデフォルト値は false です。is_swap が false の場合、インストーラはルートプールにスワップボリュームを作成します。
is_swap が true の場合、名前付きスライスがスワップデバイスとして使われます。is_swap が true の場合、in_zpool 属性または in_vdev 属性を使用しないでください。
この属性のデフォルト値は false です。
force が true の場合、インストーラはすでに使用中の可能性があるスライス (たとえば、既存の ZFS ストレージプールで使われているスライスなど) を無視して、名前付きのスライスに指定されたアクションを実行し続けます。
in_zpool 属性は、AI マニフェストの logical セクションに定義されている ZFS プールにこのスライスをリンクします。in_zpool 属性の値は、対応する zpool 要素の name 属性の値に一致している必要があります。
in_zpool 属性を指定する場合、関連 partition 要素または disk 要素に in_zpool を指定しないでください。
in_vdev 属性は、AI マニフェストの logical セクションに定義されている仮想デバイスにこのスライスをリンクします。in_vdev 属性の値は対応する vdev 要素の name 属性の値に一致している必要があります。
in_vdev 属性を指定する場合、関連 partition 要素または disk 要素に in_vdev を指定しないでください。
スライスには、スライスのサイズを指定する size サブ要素を指定できます。size 要素の使用方法の詳細については、「ディスクの配置」の初めを参照してください。サイズを指定しない場合、親要素のサイズが使われます。
次の例では、SPARC システムに、デフォルトの属性値を使用した 20G バイトのスライスと、4G バイトのスワップスライスを作成しています。
<disk> <disk_name name="c0t0d0" name_type="ctd"/> <slice name="0"> <size val="20gb"/> </slice> <slice name="1" is_swap="true"> <size val="4gb"/> </slice> </disk>
次の例は、x86 システムの例と同じです。
<disk> <disk_name name="c0t0d0" name_type="ctd"/> <partition name="1"> <slice name="0"> <size val="20gb"/> </slice> <slice name="1" is_swap="true"> <size val="4gb"/> </slice> </partition> </disk>
スワップスライスは、上述の「スライス」に示すように、slice 要素の is_swap 属性を true に設定して明示的に定義できます。
プール内のボリュームは、上述の「ZFS ボリューム」に示すように、zvol 要素の use 属性を swap または dump に設定して、スワップボリュームまたはダンプボリュームとして明示的に定義できます。
デフォルトで、スワップボリュームとダンプボリュームは、領域が使用できれば自動的に作成されます。
メモリーが少ないシステムでは、ボリュームは少量のメモリーオーバーヘッドが発生するため、スワップスライスの方がスワップボリュームより好ましい場合があります。
スワップまたはダンプを明示的に指定し、スワップボリュームまたはダンプボリュームが自動的に作成されないようにする場合、logical 要素の次の属性を true に設定します。
この属性のデフォルト値は false です。noswap が false の場合、領域があれば、インストーラは自動的にルートプールにスワップボリュームを作成します。
noswap が true の場合、スワップボリュームは自動的に作成されません。
この属性のデフォルト値は false です。nodump が false の場合、領域があれば、インストーラは自動的にルートプールにダンプボリュームを作成します。
nodump が true の場合、ダンプボリュームは自動的に作成されません。
target セクションの logical セクションを使用して、任意の数の ZFS ストレージプールを指定します。
logical 要素の zpool サブ要素を使用して、複数のプールを定義できます。これらのプールのうち 1 つだけをルートプールにできます。複数のルートプールを定義すると、インストールが失敗します。
zpool 要素で、AI マニフェストにルートプールを定義し、ターゲットディスク、パーティション、またはスライスを定義しない場合、上述の「インストールの場所」で説明されているとおりに、インストーラがターゲットを選択します。この選択は自動的にルートプールに割り当てられます。
ターゲットディスク、パーティション、またはスライスを AI マニフェストに指定している場合、zpool をこれらのディスク、パーティション、またはディスクの少なくとも 1 つに関連付ける必要があります。この関連付けを作成するには、disk 要素、partition 要素、または slice 要素の in_zpool 属性を使用します。
zpool 要素には次の属性があります。
これは新しいプールの名前です。この値は、zpool create コマンドに渡すことができる名前にする必要があります。
この名前は、ディスク、パーティション、またはスライスを zpool の構成要素デバイスとして定義する場合に、disk、partition、または slice 要素の in_zpool 属性の値として使用されることがあります。
action 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
これは、zpool のデフォルトのアクションです。create アクションは、指定した名前でプールを作成するようにインストーラに指示します。
delete アクションは、名前付きのプールを削除するようにインストーラに指示します。
preserve アクションは、名前付きプールを変更しないでおくようにインストーラに指示します。このアクションは、非ルートプールにのみ指定できます。
action 属性の値は、次の場合に、preserve にする必要があります。
下位のいずれかの filesystem の action 属性の値が preserve である。
下位のいずれかの zvol の action 属性の値が preserve である。
下位のいずれかの zvol の action 属性の値が use_existing である。
use_existing アクションは、既存のルートプールをインストールするようにインストーラに指示します。既存のボリュームまたはファイルシステム (データセット) が保持されます。
この属性のデフォルト値は false です。is_root が false の場合、データプールが定義されます。
is_root が true の場合、名前付きプールに新しいブート環境が作成されます。
mountpoint 属性は、プールの最上位ファイルシステムのマウントポイントを指定します。デフォルトのマウントポイントは /poolname です。マウントポイントは絶対パスにする必要があります。
新しいプールの ZFS プロパティーを設定するには、pool_options 要素を使用します。同様に、自動作成された ZFS データセットの ZFS プロパティーを設定するには、dataset_options 要素を使用します。pool_options 要素と dataset_options 要素には、option サブ要素があります。各 option 要素には、name 属性と value 属性があります。これらの名前と値のペアで設定されたプロパティーは、zpool(1M) コマンドで適用されるものと同じ制限を受けます。次の例に、これらのプロパティーの設定方法を示します。
<logical> <zpool name="rpool" is_root="true"> <pool_options> <option name="listsnaps" value="on"/> <option name="delegation" value="off"/> </pool_options> <dataset_options> <option name="atime" value="on"/> <option name="compression" value="on"/> </dataset_options> </zpool> </logical>
プールには、任意の数の仮想デバイス冗長グループ (vdev 要素)、ZFS データセット (filesystem 要素)、または ZFS ボリューム (zvol 要素) を定義できます。プールにブート環境 (be 要素) を指定できます。次のセクションで、vdev、filesystem、zvol、および be 要素について説明します。
仮想デバイス冗長グループzpool のサイズまたは構造を定義するには、vdev 要素を使用します。それぞれ異なる冗長タイプの複数の vdev 要素を指定できます。
zpool に複数の vdev 要素が含まれている場合、in_zpool 属性で定義されている disk、partition、または slice 要素で、in_vdev 属性を使用する必要があります。
vdev 名が AI マニフェスト全体で一意の場合は、ディスク、パーティション、またはスライスの in_zpool 属性を省略できます。
zpool に含まれる vdev 要素が 1 つだけの場合、disk、partition、または slice の in_vdev 属性を省略できます。
vdev 要素には次の属性があります。
これは新しい vdev の名前です。
この名前は、ディスク、パーティション、またはスライスを vdev の構成要素デバイスとして定義する場合に、disk、partition、または slice 要素の in_vdev 属性の値として使用する必要があります。
redundancy 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
これがデフォルト値です。redundancy が mirror であるか、指定されていない場合、含まれるすべてのデバイスが相互にミラーであるとみなされます。
これらのいずれかの値を持つグループ内のデバイスは、RAIDZ グループの定義に使われます。
このグループ内のデバイスは、障害発生時のホットスペアとみなされます。
このグループ内のデバイスは、プールのキャッシュを提供します。
このグループ内のデバイスはログに使用されます。logmirror を指定した場合、デバイスはミラーです。
redundancy が none の場合、冗長性は定義されません。複数のデバイスがこのグループに含まれている場合、これらのデバイスはストライプ化されます。
ルートプールは、次のいずれかの構成としてのみ定義できます。
デバイスが 1 つで redundancy タイプが none。この構成では、複数のデバイスがサポートされません。
デバイスが複数で redundancy タイプが mirror。
vdev にデバイスを追加するには、disk、partition、または slice 要素の in_zpool 属性と in_vdev 属性を使用します。次の例では、2 つのディスクでミラー化される rpool というルートプールを指定します。
<disk whole_disk="true" in_zpool="rpool" in_vdev="mirrored"> <disk_name name="c0t0d0" name_type="ctd"/> </disk> <disk whole_disk="true" in_zpool="rpool" in_vdev="mirrored"> <disk_name name="c1t0d0" name_type="ctd"/> </disk> <logical> <zpool name="rpool" is_root="true"> <vdev name="mirrored" redundancy="mirror"/> </zpool> </logical>
参照しているプールや仮想デバイスが明確な場合、in_zpool 属性または in_vdev 属性のいずれかを省略できます。
ファイルシステム (データセット)ZFS プール内に ZFS ファイルシステムまたはデータセットを定義するには、filesystem 要素を使用します。
filesystem 要素には次の属性があります。
これは、zpool に対して相対的な、新しい filesystem の名前です。たとえば、rpool という名前の zpool 内の filesystem の名前が export である場合、ZFS データセット名は rpool/export になります。
filesystem の in_be 属性が true の場合、この名前はブート環境のルートデータセットに相対的になります。
action 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
これは、filesystem のデフォルトのアクションです。create アクションは、指定した名前でファイルシステムを作成するようにインストーラに指示します。
delete アクションは、名前付きのファイルシステムを削除するようにインストーラに指示します。
preserve アクションは、名前付きファイルシステムを変更しないでおくようにインストーラに指示します。filesystem に preserve を指定する場合、関連付けられた zpool に preserve を指定する必要があります。
mountpoint 属性は、新しいファイルシステムのマウントポイントを指定します。マウントポイントを指定しない場合、ファイルシステムはその親からマウントポイントを継承します。
この属性のデフォルト値は false です。in_be が false の場合、新しいデータセットがすべてのブート環境で共有されます。
in_be が true の場合、各ブート環境内にこの新しいデータセットの個別のコピーが作成されます。in_be が true の場合、name 属性の値はブート環境のルートデータセットに相対的になります。
filesystem に ZFS データセットプロパティーを設定するには、options サブ要素を使用します。編集可能な任意の ZFS ファイルシステムプロパティーを設定できます。filesystem の options 要素の使い方は、下の例に示すように、zpool の dataset_options 要素の使い方に似ています。
<logical> <zpool name="rpool" is_root="true"> <filesystem name="export"> <options> <option name="compression" value="off"/> <option name="dedup" value="on"/> <options> </filesystem> </zpool> </logical>
子 filesystem は親 filesystem に設定されているプロパティーが明らかに異なって設定されていないかぎり、そのプロパティーを継承します。これは ZFS ファイルシステムのデフォルトの動作です。
ZFS ボリュームZFS プール内に ZFS ボリュームを定義するには、zvol 要素を使用します。zvol は一般に、スワップデバイスまたはダンプデバイスに使用しますが、ほかの用途もあります。
zvol 要素には次の属性があります。
これは、新しい ZFS ボリュームの名前です。
action 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
これは、zvol のデフォルトのアクションです。create アクションは、指定した名前で ZFS ボリュームを作成するようにインストーラに指示します。
delete アクションは、名前付きのボリュームを削除するようにインストーラに指示します。
preserve アクションは、名前付き zvol を変更しないでおくようにインストーラに指示します。zvol に preserve を指定する場合、関連付けられた zpool に preserve を指定する必要があります。
この値をスワップデバイスまたはダンプデバイスに指定した場合、既存のボリュームが再利用されます。zvol に use_existing を指定する場合、関連付けられた zpool に preserve を指定する必要があります。
use 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
これがデフォルト値です。use が none の場合、zvol が作成されますが、インストール時には使用されません。
use が swap の場合、zvol が作成され、スワップデバイスとして使用されます。zvol はインストール時にもスワップデバイスとして使用されます。
use が dump の場合、zvol が作成され、ダンプデバイスとして使用されます。zvol はインストール時にもダンプデバイスとして使用されます。
zvol のサイズを指定するには、size サブ要素を使用します。size 要素の使用方法の詳細については、「ディスクの配置」セクションの初めを参照してください。
zvol に ZFS ボリュームオプションを設定するには、options サブ要素を使用します。zvol の options 要素の使い方は、下の例に示すように、zpool の dataset_options 要素の使い方に似ています。
<logical> <zpool name="rpool" is_root="true"> <zvol name="swap"> <options> <option name="compression" value="off"/> <options> </zvol> </zpool> </logical>ブート環境
インストール時のブート環境の作成方法を指定するには、be 要素を使用します。
be 要素には、1 つの属性があります。
これは、インストーラによって作成される新しいブート環境の名前です。be 要素を指定しない場合、このブート環境のデフォルトの名前は、solaris になります。
インストーラはブート環境サブシステムによって提供されている自動名前付け機能を利用します。既存のターゲット領域にインストールする場合 (たとえば、ゾーンのインストール時)、be 要素の name 属性によって指定された名前のブート環境がすでに存在する可能性があります。指定したブート環境名がすでに存在する場合、この名前は新しい名前を生成するためのベースとして使われます。たとえば、be を指定せず、solaris という名前のブート環境がすでに存在する場合、新しいブート環境には、solaris-n という名前が付けられます。ここで、n は、すでに存在していないブート環境名を形成するためのカウント順の先頭の整数です。
ブート環境は、ZFS データセットとして作成され、ZFS プロパティーを設定できます。ブート環境に ZFS プロパティーを設定するには、次の例に示すように、options サブ要素を使用します。
<logical> <zpool name="rpool" is_root="true"> <be name="installed_be"> <options> <option name="compression" value="on"/> <option name="dedup" value="on"/> <options> </be> </zpool> </logical>
software 要素はインストールするソフトウェアを指定します。software セクションは、次の情報を指定します。
ソフトウェアソースのタイプ
ソースの場所
インストールまたはアンインストールするソフトウェアパッケージの名前
インストールするオプションのソフトウェアのコンポーネント
イメージプロパティー
IPS リポジトリにアクセスするために必要な SSL キーと証明書
software 要素には次の属性があります。
これは software インスタンスの名前です。この名前はこの AI マニフェストのすべての software インスタンスの中で一意である必要があります。
これは、ソフトウェアソースのタイプです。
type 属性は、次のいずれかの値を持ちます。type を指定しない場合のデフォルト値は IPS です。
IPS: IPS パッケージリポジトリ
P5I: IPS パッケージファイル
SVR4: SVR4 パッケージ
CPIO: cpio アーカイブ
software 要素には次の属性があります。
<!-- one or more software elements --> <software> <!-- zero or one destination element This element is only used when type is IPS or P5I. --> <destination> <!-- image properties and optional software components --> </destination> <!-- one or more source elements IPS type: only one source element --> <source> <!-- one or more publisher or dir elements IPS, P5I, and SVR4 types: one or more publisher/origin elements CPIO types: one or more dir elements --> </source> <!-- zero or more software_data elements At least one software_data element must have an action of install. P5I type: zero software_data elements --> <software_data> <!-- one or more name elements --> </software_data> </software>
type 属性を指定しない場合のデフォルトのインストールタイプは IPS です。
タイプ IPS のインストールの場合、単一の source 要素のみを指定できます。
source 要素を使用して、パッケージのインストールに使用するパブリッシャーを指定します。複数のパブリッシャーを指定できます。各パブリッシャーには少なくとも 1 つの起点が必要です。各パブリッシャーには複数の起点とミラーを指定できます。
AI マニフェストにパブリッシャーが定義されている順番で、インストールする IPS パッケージのパブリッシャーが検索され、インストールされたシステムにパブリッシャーが設定されます。
非大域ゾーンをインストールする場合、ゾーンによってシステムリポジトリが使用されます。AI マニフェストに指定されたパブリッシャーは、システムリポジトリによって提供されたパブリッシャーの後に、AI マニフェスト内の順番で追加されます。システムリポジトリの詳細については、pkg(1) および pkg.sysrepo(1m) を参照してください。
次の例では、複数のパブリッシャーを指定しており、そのうちの 1 つにミラーと起点があります。
<software type="IPS"> <source> <publisher name="solaris"> <origin name="http://pkg.oracle.com/solaris/release"/> <mirror name="http://localpkg.mycompany.com/solaris"/> </publisher> <publisher name="internal-software"> <origin name="http://internalsoft.mycompany.com/"/> </publisher> </source> </software>
software_data 要素を使用して、インストールまたはアンインストールするパッケージを指定します。action 属性は、次の 2 つのうちいずれかの値を持ちます。
name サブ要素に指定されている IPS パッケージをインストールします。action 属性が指定されていない場合は、これがデフォルトになります。少なくとも 1 つの software_data 要素に、インストールのアクションが必要です。
name サブ要素に指定されている IPS パッケージを削除します。
action 属性のその他の値は、IPS インストールでサポートされていません。
次の例に示すように、これらのアクションごとに、name 要素に 1 つ以上のパッケージを指定できます。
<software_data> <!-- defaults to install action --> <name>pkg:/entire</name> <name>pkg:/group/system/solaris-large-server</name> </software_data> <software_data action="uninstall"> <name>pkg:/unwanted/pkg</name> </software_data>
.p5i ファイルは、IPS パブリッシャー、パッケージ、ミラーなどを記述するファイルです。
1 つ以上の .p5i ファイルを処理するように指定するには、次の例に示すように、publisher 要素に起点としてファイルを指定します。
<software type="P5I"> <source> <publisher> <origin name="/somewhere/image1.p5i"/> <origin name="/somewhere/image2.p5i"/> </publisher> </source> </software>
この AI マニフェストに、IPS タイプソフトウェアセクションもない場合、.p5i ファイルに起点が指定されていることを確認してください。
インストールするパッケージの指定は、P5I インストールでサポートされていません。そのため、software_data 要素はタイプ P5I の software 要素でサポートされません。
SVR4 転送の場合、SVR4 パッケージサブディレクトリまたは SVR4 パッケージデータストリームファイルを格納するディレクトリを、ファイルディレクトリパスまたは FILE URI を使用して指定する必要があります。SVR4 パッケージデータストリームファイルは HTTP URI を使用して指定することもできます。
<software type="SVR4"> <source> <publisher> <origin name="/somedir"/> </publisher> </source> </software>
software_data 要素は、実行されるアクションを指定するために使用します。action 属性は、次の 2 つのうちいずれかの値を持ちます。
ソースからファイルを新しいブート環境にコピーします。action 属性が指定されていない場合は、これがデフォルトになります。少なくとも 1 つの software_data 要素に、インストールのアクションが必要です。
新しいブート環境からファイルを削除します。
action 属性のその他の値は、SVR4 インストールではサポートされていません。
次の例に示すように、これらのアクションごとに、name 要素に 1 つ以上のパッケージを指定できます。
<software type="SVR4"> <source> <publisher> <origin name="/somedir"/> </publisher> </source> <software_data> <!-- defaults to install action --> <name>ORGpackage1</name> <name>ORGpackage2</name> </software_data> <software_data action="uninstall"> <name>ORGpackage8</name> </software_data> </software>
CPIO 転送の場合、ソースディレクトリを指定する必要があります。転送先ディレクトリは、インストール時の新しいブート環境のマウントポイントに設定されます。
<software type="CPIO"> <source> <dir path="/somedir"/> </source> </software>
software_data 要素は、実行されるアクションを指定するために使用します。action 属性は、次のいずれかの値を持ちます。
ソースからファイルを新しいブート環境にコピーします。action 属性が指定されていない場合は、これがデフォルトになります。少なくとも 1 つの software_data 要素に、インストールのアクションが必要です。
name 要素を使用して、コピー元のファイルまたはディレクトリを指定します。name 要素に指定されるパスは、ソースに相対的になります。
<software_data> <!-- defaults to install action --> <name>path/relative/to/source</name> <name>another/path/relative/to/source</name> </software_data>
新しいブート環境からファイルを削除します。
name 要素を使用して、削除されるファイルまたはディレクトリを指定します。name 要素に指定されるパスは、宛先に相対的になります。
<software_data action="uninstall"> <name>path/relative/to/destination</name> </software_data>
destination 要素と image サブ要素を使用して、次の情報を指定します。
インストールするオプションのソフトウェアのコンポーネント
イメージプロパティー
SSL キーおよび証明書
destination セクションは、IPS および P5I インストールタイプにのみ適用されます。destination 要素には image サブ要素を 1 つだけ指定できます。
SSL キーおよび証明書image 要素の属性を使用して、クライアント SSL 認証を使用するパブリッシャーに必要な SSL キーおよび証明書を指定します。ここに指定したキーと証明書は、AI マニフェストに最初に定義されているパブリッシャーに適用されます。
この属性は、次の pkg コマンドにマップします。
pkg set-publisher -k ssl_key
ssl_key 属性の値は ssl_key です。pkg set-publisher コマンドの詳細については、pkg(1) マニュアルページを参照してください。
この属性は、次の pkg コマンドにマップします。
pkg set-publisher -c ssl_cert
ssl_cert 属性の値は ssl_cert です。
インストールするオプションのソフトウェアコンポーネントを指定するには、image 要素の facet サブ要素を使用します。ファセットは、個別のソフトウェアパッケージではありませんが、ロケール、ドキュメント、デバッグ情報を含むファイルなどの開発ファイルなど、特定のソフトウェアパッケージのオプションのコンポーネントです。たとえば、1 つか 2 つの言語のみをインストールするように指定することで、領域を節約できます。IPS ファセットの詳細については、pkg(1) マニュアルページを参照してください。
facet 要素には、ブール型の set 属性と IPS ファセットの名前の値があります。
<facet set="true|false">facet_name</facet>
次の例では、パッケージのドイツ語と英語のファセットのみをインストールするように指定しています。例では、まずロケールをインストールしないように指定し、次に、ドイツ語と英語のロケールをインストールするように指定しています。
<destination> <image> <!-- de-select all locales --> <facet set="false">facet.locale.*</facet> <!-- specify specific locales to install --> <!-- install German and English only --> <facet set="true">facet.locale.de</facet> <facet set="true">facet.locale.de_DE</facet> <facet set="true">facet.locale.en</facet> <facet set="true">facet.locale.en_US</facet> </image> </destination>イメージプロパティー
このインストールで作成する新しいイメージの IPS イメージプロパティーを指定するには、image 要素の property サブ要素を使用します。
property 要素には、ブール型の val 属性とプロパティーの名前の値があります。
<property val="true|false">property_name</property>
設定できるプロパティーについては、pkg(1) マニュアルページの「イメージプロパティー」セクションを参照してください。
AI マニフェストを使用して、インストール先のシステムの GRUB ブートメニューの構成方法を変更できます。
このセクションは、ゾーンのインストールには適用されず、非大域ゾーンのインストール時に無視されます。
GRUB ブートメニューを変更するには、boot_mods 要素と boot_entry サブ要素を使用します。
boot_mods 要素には次の属性があります。
title 属性の値は、この boot_mods 要素の boot_entry サブ要素で指定されたブートエントリのベースタイトルです。この属性値は、/etc/release の先頭行またはインストールメディアから自動的に生成される名前を上書きします。
timeout 属性の値は、この boot_mods 要素のデフォルトの boot_entry が選択されるまで待つ秒数です。
SPARC システムでは、title 属性のみを設定できます。SPARC システムでは、このセクションのその他のすべての設定が無視されます。
ブートメニューに 1 つ以上のメニュー項目を追加するには、boot_entry サブ要素を使用します。これらのメニュー項目は、インストーラによって自動的に生成されるメニュー項目に追加されます。
boot_entry 要素には次の属性があります。
ブール値が true に設定されている場合、このメニュー項目がブート時にデフォルトで選択されるオプションになります。この属性のデフォルト値は false です。
複数の boot_entry 要素の default_entry が true に設定されている場合、それらの最後のエントリがブート時にデフォルトで選択されるオプションになります。
この属性には、次の 2 つのうちいずれかの値を設定できます。
生成されるブートメニューの末尾にエントリを配置します。これがデフォルトの配置です。
生成されるブートメニューの先頭にエントリを配置します。
boot_entry メニュー項目は、次のサブ要素によって定義されます。
この要素は必須です。この要素は、boot_mods 要素に指定されたタイトルの末尾に追加されるテキストを定義します。
この要素は省略可能です。この要素は、ブートローダーによってカーネルに渡される一連の値です。
次の例では、メニューの最後のエントリで、20 秒後に自動的に選択される「Boot Testing Default Boot Entry」というブートメニューエントリを指定しています。
<boot_mods title="Boot Testing" timeout="20"> <boot_entry default_entry="true"> <title_suffix>Default Boot Entry</title_suffix> </boot_entry> </boot_mods>
configuration 要素は、非大域ゾーンの構成をサポートします。大域ゾーンシステムをインストールする場合、大域ゾーンのインストール後に、AI マニフェストに指定されたゾーン構成を使用して、非大域ゾーンがシステムにインストールされます。
configuration 要素には次の属性があります。
インストールする構成のタイプ。AI によってサポートされるタイプは zone のみです。
構成に指定される名前。この名前は、AI マニフェストのすべての構成要素で一意である必要があります。タイプ zone の構成の場合、この名前は、ゾーンの zonename としても使われます。
AI がこの構成要素の構成ファイルをダウンロードする場所。値は HTTP または FILE URI の指定です。タイプ zone の構成の場合、この値は、zonecfg export コマンドから生成されるゾーン構成ファイルを示している必要があります。
次の指定では、zone1 をインストールクライアントにインストールします。
<configuration type="zone" name="zone1" source="http://myserver.com/configs/zone1/config"/>
ゾーンの構成とインストールの詳細については、『Oracle Solaris 11 システムのインストール』の第 12 章「ゾーンのインストールと構成」を参照してください。
カスタマイズなしのデフォルトのシステムインストールの指定。この AI マニフェストは、参考用にのみシステムに提供されています。新しい AI マニフェストを作成するには、関連インストールサービスイメージからこのファイルのコピーを使用します。インストールサービスからこのファイルをコピーする方法については、「説明」セクションを参照してください。
カスタマイズなしのデフォルトのゾーンインストール。このファイルは、zoneadm install コマンドによって、非大域ゾーンをインストールするためのデフォルトのマニフェストとして使われます。
詳細がコメントアウトされているテンプレート AI マニフェスト。このファイルは、実行可能ないくつかのカスタマイズの例を提供しています。このファイルは、参考用にのみシステムに提供されています。新しい AI マニフェストを作成するには、関連インストールサービスイメージからこのファイルのコピーを使用します。インストールサービスからこのファイルをコピーする方法については、「説明」セクションを参照してください。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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installadm(1M), beadm(1M), pkg(1), grub(5), prtconf(1M), format(1M), zfs(1M), zpool(1M), pkg.sysrepo(1m), smf(5), zoneadm(1M), zonecfg(1M)
『Oracle Solaris 11 システムのインストール』のパート III「インストールサーバーを使用したインストール」