リブートプロセスの高速化

Oracle Solaris の高速リブート機能は、SPARC プラットフォームと x86 プラットフォームの両方でサポートされます。SPARC ベースシステムの高速リブート機能は、x86 ベースのシステムとは異なる方法で動作します。x86 ベースのシステムでは、高速リブートはデフォルトです。SPARC システムでは、動作はサポートされていますが、システムの高速リブートを起動するには、reboot コマンドで -f オプションを指定する必要があります。

SPARC システムで、reboot コマンドの -f オプションを使用すると、ブートプロセスが高速化され、特定の POST テストがスキップされます。x86 ベースのシステムでは、この機能はデフォルトで有効であり、システムの高速リブートを起動するために reboot コマンドの -f オプションを使用する必要はありません。

注 - SPARC での高速リブートは、特定のシステムタイプのみに適用可能です。sun4v システムでは、リブートが実際には POST を伴わないハイパーバイザ再起動であるため、高速リブートは不要です。

高速リブート機能は、ブート構成 SMF サービスの svc:/system/boot-config を通して実装されます。このサービスは、デフォルトのブート構成プロパティーを設定または変更するための手段を提供します。config/fastreboot_default property プロパティーを true に設定すると、reboot -f コマンドを使用する必要なく、システムは高速リブートを自動的に実行します。SPARC プラットフォームでは、このプロパティーはデフォルトで false に設定されています。SPARC システムで高速リブートをデフォルトの動作にする手順については、「高速リブート機能のデフォルト動作の変更」を参照してください。

注 - SPARC システムでは、boot-config サービスに、action_authorization および value_authorization として solaris.system.shutdown 権限も必要です。

SPARC システムの高速リブートを開始する方法

boot-configサービスの config/fastreboot_default プロパティーが false に設定されている場合 (デフォルトの動作) は、次の手順で SPARC システムの高速リブートを開始します。高速リブート機能のデフォルト動作を変更し、システムのリブート時に高速リブートが自動的に開始されるようにするには、「高速リブート機能のデフォルト動作の変更」を参照してください。

root 役割になります。
次のコマンドを入力してシステムの高速リブートを開始します:
```
# reboot -f
```

x86 ベースのシステムで高速リブートを開始する方法

注 - この Oracle Solaris リリースでは、高速リブートは x86 ベースのシステムでデフォルトの動作モードです。以前は、x86 ベースのシステムで高速リブートを起動するには、reboot コマンドで -f オプションを指定して、システムの高速リブートを起動する必要がありました。このオプションを指定する必要はなくなりました。

root 役割になります。
システムの高速リブートを起動するには、次のどちらかのコマンドを入力します:
```
# reboot
```
```
# init 6
```

高速リブート機能のデフォルト動作の変更

boot-config サービスの config/fastreboot_default プロパティーを使用すると、reboot コマンドまたは init 6 コマンドのいずれかが使用されている場合のシステムの自動高速リブートが有効になります。config/fastreboot_default プロパティーを true に設定すると、reboot -f コマンドを使用する必要なく、システムは高速リブートを自動的に実行します。デフォルトでは、このプロパティーの値は SPARC システムでは false に、x86 ベースのシステムでは true に設定されています。

boot-config サービスの一部であるプロパティーを構成するには、svccfg および svcadm コマンドを使用します。

たとえば、SPARC システムでプロパティーの値を true (有効) に設定するには、次のコマンドを入力します:

# svccfg -s "system/boot-config:default" setprop config/fastreboot_default=true
# svcadm refresh svc:/system/boot-config:default

プロパティーの値を true に設定すると高速リブートプロセスが有効になり、特定の POST テストがバイパスされます。このプロパティーが true に設定されているときは、reboot コマンドで -f オプションを使用してシステムの高速リブートを起動する必要はありません。

SMF を介したブート設定サービスの管理については、svcadm(1M) および svccfg(1M) のマニュアルページを参照してください。

高速リブートが有効化済みのシステムの標準リブートの開始

boot-config サービスのプロパティーを再設定する必要なしに、高速リブート機能が有効化されたシステムをリブートするには、次のように、reboot コマンドで -p オプションを使用します:

# reboot -p

SPARC システムのリブートについては、『SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』の第 4 章「SPARC ベースシステムのリブート (手順)」を参照してください。

x86 ベースシステムのリブートについては、『x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』の第 4 章「x86 ベースシステムのリブート (タスク)」を参照してください。

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