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Oracle Solaris Studio 12.3: パフォーマンスアナライザ Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルに関する制限事項
ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルによる実行時のひずみと実行時間の拡大
Java プログラミング言語で書かれたアプリケーションの実行時のひずみと実行時間の拡大
Oracle Solaris プラットフォーム上での dbx による動作中のプロセスからのデータの収集
collect コマンドを使用してコマンド行からコレクタを実行するには、次のコマンドを使用します。
% collect collect-options program program-arguments
ここで、collect-options は collect コマンドのオプションで、program はデータ収集対象のプログラム名、program-arguments はプログラムの引数です。ターゲットプログラムは通常、バイナリ実行可能ファイルまたはスクリプトです。
引数なしで呼び出された場合、collect は、実験のデフォルトの構成を含む使用法の概要を表示します。
プロファイルに使用可能なオプションの一覧およびすべてのハードウェアカウンタの名前の一覧を取得するには、collect -h コマンドをほかの引数を指定せずに入力します。
% collect -h
ハードウェアカウンタの一覧については、「ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルデータ」を参照してください。「ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルに関する制限事項」も参照してください。
これらのオプションは、収集されるデータの種類を制御します。データの種類については、「コレクタが収集するデータの内容」を参照してください。
データ収集オプションを指定しなかった場合、デフォルトは -p on で、デフォルトのプロファイル間隔 (約 10 ミリ秒) で時間ベースのプロファイルが行われます。このデフォルト設定は、-h オプションを使用することによってのみ無効にできます。
時間ベースのプロファイルを明示的に無効とし、すべてのトレースとハードウェアカウンタオーバーフロープロファイルを有効にしなかった場合、collect コマンドは警告メッセージを出力し、大域データだけを収集します。
時間ベースのプロファイルデータを収集します。option に使用できる値は次のとおりです。
off - 時間ベースのプロファイルを無効にします。
on - デフォルトのプロファイル間隔 (約 10 ミリ秒) で時間ベースのプロファイルを有効にします。
lo[w] - 低分解能プロファイル間隔 (約 100 ミリ秒) で時間ベースのプロファイルを有効にします。
hi[gh] - 高分解能プロファイル間隔 (約 1 ミリ秒) で時間ベースのプロファイルを有効にします。高分解能のプロファイルについては、「時間ベースのプロファイルに関する制限事項」を参照してください。
[+]value - 時間ベースのプロファイルを有効にし、プロファイル間隔を value に設定します。value のデフォルトの単位はミリ秒です。value は、整数または浮動小数点数として指定できます。オプションとして、数値の後ろに接尾辞 m を付けてミリ秒単位を選択するか、u を付けてマイクロ秒単位を選択することができます。プロファイル間隔は、時間の分解能の倍数である必要があります。時間の分解能値よりも大きな値であっても倍数でない場合は、端数が切り捨てられます。時間の分解能値よりも小さな値の場合は、警告メッセージが出力され、時間の分解能に設定されます。
SPARC プラットフォームでは、ハードウェアカウンタのプロファイルと同様に、値の前に + 記号を付けると、時間ベースのデータ空間プロファイルが有効になります。ただし、ハードウェアカウンタプロファイリングでは、より信頼性の高いデータが提供されます。
collect コマンドは、デフォルトで時間ベースのプロファイルデータを収集します。
Linux 上でのマルチスレッドアプリケーションの時間プロファイリングに関する注意事項については、「時間ベースのプロファイルに関する制限事項」を参照してください。
ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルデータを収集します。カウンタ定義の数はプロセッサによって異なります。
このオプションは、ハードウェアカウンタをサポートするマシン上で実行されている Oracle Solaris および Linux オペレーティングシステム上で使用できます。
注 - 2.6.32 より大きいバージョンを持つ Linux カーネルを実行している Linux バージョンでは、ハードウェアカウンタプロファイリングで PerfEvents フレームワークが使用されるため、カーネルパッチは必要ありません。
perfctr フレームワークを使用する以前の Linux システムでは、必要な perfctr パッチをシステムにインストールする必要があります。このパッチは、Web 上で「perfctr パッチ」を検索することによって見つけることができます。インストール方法の指示は、パッチのダウンロード場所にある tar ファイルに含まれています。コレクタは、ユーザーレベルの libperfctr.so ライブラリを LD_LIBRARY_PATH 環境変数の値を使用して検索したあと、32 ビットバージョンでは /usr/local/lib、/usr/lib、および /lib、また 64 ビットバージョンでは /usr/local/lib64、/usr/lib64、および /lib64 で検索します。
使用可能なカウンタの一覧を取得するには、ほかの引数を指定せずに collect -h を端末ウィンドウに入力します。カウンタの一覧については、「ハードウェアカウンタリスト」を参照してください。ほとんどのシステムでは、カウンタが一覧に記載されていない場合でも、16 進数または 10 進数の数値で指定できます。
カウンタ定義には、プロセッサがハードウェアカウンタの属性をサポートしているかどうかに応じて、次のいずれかの形式を使用できます。
[+]counter_name[/ register_number][,interval ]
[+]counter_name[~ attribute_1=value_1]...[~attribute_n =value_n][/ register_number][,interval ]
プロセッサ固有の counter_name には、次のいずれかを指定できます。
カウンタ名の別名
生の名前
10 進数または 16 進数の数値
複数のカウンタを指定する場合、それらのカウンタは異なるレジスタを使用する必要があります。同じレジスタが指定された場合、collect コマンドはエラーメッセージを出力して終了します。
ハードウェアカウンタがメモリーアクセスに関連するイベントをカウントする場合、カウンタ名の前に + 記号を付けて、カウンタのオーバーフローを発生させた命令の実際のプログラムカウンタアドレス (PC) の検索をオンにすることができます。バックトラッキングは SPARC プロセッサ上で、load、store、load-store のいずれかのタイプのカウンタでのみ機能します。検索が成功すると、仮想 PC、物理 PC、および参照された有効アドレスがイベントデータパケットに格納されます。
一部のプロセッサでは、属性オプションをハードウェアカウンタと関連付けることができます。プロセッサが属性オプションをサポートしている場合は、collect -h コマンドをほかの引数を指定せずに実行すると、属性名を含むカウンタ定義が一覧表示されます。属性値は、10 進数または 16 進数形式で指定できます。
間隔 (オーバーフロー値) は、ハードウェアカウンタがオーバーフローしてオーバーフローイベントが記録されたときにカウントされたイベントまたはサイクルの数です。間隔は、次のいずれかに設定できます。
on または NULL 文字列 - デフォルトのオーバーフロー値。これは、collect -h をほかの引数を指定せずに入力することによって判定できます。すべての raw カウンタのデフォルト値は同じであるため、特定のカウンタにもっとも適した値ではない可能性があることに注意してください。
hi[gh] - 選択したカウンタの高分解能値で、デフォルトのオーバーフロー値の約 1/10 です。旧バージョンのソフトウェアとの互換を図るため、h の省略形もサポートされています。
lo[w] - 選択したカウンタの低分解能値で、デフォルトのオーバーフロー値の約 10 倍です。
interval - 特定のオーバーフロー値で、10 進数または 16 進数形式の正の整数です。
デフォルトでは、各カウンタに定義済みの通常のしきい値が使用されます。これらの値はカウンタの一覧に表示されます。「ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルに関する制限事項」も参照してください。
-p オプションを明示的に指定せずに -h オプションを使用すると、時間ベースのプロファイルが無効となります。ハードウェアカウンタデータと時間ベースデータの両方を収集するには、 -h オプションと -p オプションの両方を指定する必要があります。
同期待ちトレースデータを収集します。option に使用できる値は次のとおりです。
all - しきい値 0 で同期待ちトレースを有効にします。このオプションは、すべての同期イベントの記録を強制的に有効にします。
calibrate - 同期待ちトレースを有効にし、実行時に測定を行うことによってしきい値を設定します。on と等価です。
off - 同期待ちトレースを無効にします。
on - 同期待ちトレースを有効にし、デフォルトのしきい値 (実行時の測定により値を決定) に設定します。calibrate と等価です。
Java プログラムでは同期待ちトレースデータは記録されず、指定するとエラーとして処理されます。
Oracle Solaris では、次の関数がトレースされます。
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Linux では、次の関数がトレースされます。
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ヒープトレースデータを収集します。option に使用できる値は次のとおりです。
on - ヒープの割り当て要求および割り当て解除要求のトレースを有効にします。
off - ヒープトレースを無効にします。
デフォルトでは、ヒープのトレースは無効です。ヒープトレースは Java プログラムについてはサポートされず、指定するとエラーとして処理されます。
MPI 実験の収集を指定します。collect コマンドのターゲットは mpirun コマンドである必要があります。また、mpirun コマンドのオプションは、-- オプションを使って mpirun コマンドによって実行されるターゲットプログラムと分けて指定されることが必要です。(mpirun コマンドでは常に -- オプションを使用することで、collect コマンドとそのオプションを mpirun コマンド行の先頭に追加し、実験を収集できます。)この実験には通常の名前が付けられ、親の実験と呼ばれます。ディレクトリには MPI プロセスのそれぞれについて、ランクにより命名されたサブ実験が含まれます。
option に使用できる値は次のとおりです。
MPI-version - MPI 実験の収集を有効にします。指定された MPI バージョンが使用されます。MPI バージョンは、OMPT、CT、OPENMPI、MPICH2、MVAPICH2 のいずれかであることが必要です。Oracle Message Passing Toolkit は OMPT または CT を使用して指定できます。
off - MPI 実験の収集を無効にします。
デフォルトでは、MPI 実験の収集は無効になっています。MPI 実験の収集が有効な場合、-m オプションのデフォルト設定は on に変更されます。
collect -h コマンドをほかのオプションを指定せずに入力するか、または -M オプションで認識されないバージョンを指定した場合は、MPI のサポートされているバージョンが出力されます。
MPI トレースデータを収集します。option に使用できる値は次のとおりです。
on - MPI トレース情報を有効にします。
off - MPI トレース情報を無効にします。
MPI トレースは、デフォルトで無効です。ただし -M オプションが有効な場合は、デフォルトで有効になります。通常、MPI 実験は -M オプションで収集され、MPI トレースのユーザー制御は不要です。MPI 実験の収集を行うが、MPI トレースデータは収集しない場合、明示的なオプションの -M MPI-version -m off を使用します。
呼び出しがトレースされる MPI 関数とトレースデータをもとに計算されるメトリックの詳細については、「MPI トレースデータ」を参照してください。
標本パケットを定期的に記録します。option に使用できる値は次のとおりです。
off - 定期的標本収集を無効にします。
on - 定期的標本収集を有効にし、デフォルトの標本収集間隔 (1 秒) を設定します。
デフォルトでは、1 秒間隔による定期的標本収集が有効になります。
カウントデータを記録します (Oracle Solaris システムの場合のみ)。
option には次のいずれかの値を指定できます。
on - 関数と命令のカウントデータの収集を有効にします。カウントデータおよびシミュレートされたカウントデータは、実行可能ファイルと、その実行可能ファイルが静的にリンクしている、計測されるすべての共有オブジェクトに対して記録されます。動的に開かれる共有オブジェクトは、シミュレートされたカウントデータに含まれません。
関数や行などのカウントメトリックスに加えて、さまざまな命令の使用率の概要をパフォーマンスアナライザの「命令頻度」タブで、または er_print ifreq コマンドを使用して表示できます。
off - カウントデータの収集を無効にします。
static - ターゲットの実行可能ファイル、および静的にリンクされている共有オブジェクト内で、すべての命令が 1 回だけ実行されたという前提で実験を生成します。
デフォルトでは、カウントデータの収集を無効にします。ほかの種類のデータについて、カウントデータを収集することはできません。
bit 計測のディレクトリを指定します。このオプションは Oracle Solaris システム上でのみ使用可能であり、-c オプションも同時に指定されている場合にのみ意味があります。
bit() 計測から除外するライブラリを指定します。ここで指定したものは、ライブラリが実行可能ファイルにリンクされているか、dlopen() によって読み込まれるかにかかわらず、除外されます。このオプションは Oracle Solaris システム上でのみ使用可能であり、-c オプションも同時に指定されている場合にのみ意味があります。-N オプションは複数指定できます。
スレッドアナライザ用に、データ競合検出またはデッドロック検出のデータを収集します。次のいずれかの値を指定できます。
race - データ競合検出のデータを収集します。
deadlock - デッドロックと潜在的デッドロックのデータを収集します。
all - データ競合検出とデッドロック検出のデータを収集します。
off - スレッドアナライザのデータを無効にします。
collect -r コマンドとスレッドアナライザの詳細は、『Oracle Solaris Studio 12.3: スレッドアナライザユーザーズガイド』および tha(1) のマニュアルページを参照してください。
これらのオプションは、実験データの収集方法を制御します。
派生プロセスのデータを記録するかどうかを制御します。option に使用できる値は次のとおりです。
on - 関数 fork、exec、およびそのバリアントによって作成される派生プロセスについてのみ実験を記録します。
all - すべての派生プロセスについて実験を記録します。
off - 派生プロセスの実験を記録しません。
= regexp - 指定された正規表現と名前または系統が一致する、派生プロセスの実験をすべて記録します。
デフォルトでは、-F on オプションが設定されるので、コレクタは、fork(2)、fork1(2)、fork(3F)、vfork(2)、および exec(2) 関数とそのバリアントの呼び出しによって作成されたプロセスを追跡します。vfork への呼び出しは、内部で fork1 への呼び出しに置換されます。
MPI 実験では、デフォルトで派生も追跡されます。
-F all オプションを指定すると、コレクタは、system(3C)、system(3F)、sh(3F)、posix_spawn(3p)、posix_spawnp(3p)、および popen(3C)、および同様の関数の呼び出しによって作成されたものを含むすべての派生プロセス、そして関係する派生プロセスを追跡します。
-F '= regexp ' オプションを指定すると、コレクタはすべての派生プロセスを追跡します。派生名またはサブ実験名が指定の正規表現と一致する場合、コレクタはサブ実験を作成します。正規表現については、regexp(5) のマニュアルページを参照してください。
派生プロセスのデータを収集するとき、コレクタは、派生プロセスごとに新しい実験を親の実験内に 1 つ開きます。これらの新しい実験は、次のように、下線、文字、および数字を実験接尾辞に追加することで命名されます。
文字「f」は fork、「x」は exec、「c」はそのほかの派生プロセスをそれぞれ表します。
数字は、fork または exec (成功したかどうかに関係なく)、あるいはその他の呼び出しのインデックスです。
たとえば、初期プロセスの実験名が test.1.er の場合、3 回目の fork の呼び出しで作成された子プロセスの実験は test.1.er/_f3.er です。この子プロセスが新しいイメージを実行した場合、対応する実験名は test.1.er/_f3_x1.er となります。その子プロセスが popen 呼び出しを使用して別のプロセスを作成した場合、実験名は test.1.er/_f3_x1_c1.er です。
MPI 実験の場合、親実験にはほかの実験の場合と同じ規則を使用して名前が付けられますが、サブ実験名は M_r m.er という形式になります。ここで、m は MPI ランクです。
アナライザと er_print ユーティリティーは、親実験が読み込まれると、自動的に派生プロセスの実験を読み込み、データ画面に派生を表示します。
コマンド行から特定のサブ実験のデータを表示のために選択するには、そのサブ実験のパス名を er_print または analyzer コマンドへの引数として明示的に指定します。指定するパスには、親の実験名と、親ディレクトリ内の派生実験名を含める必要があります。
たとえば、test.1.er 実験の 3 回目の fork のデータを表示する場合は、次のように指定します。
er_print test.1.er/_f3.er
analyzer test.1.er/_f3.er
もう一つの方法として、関心のある派生の実験の明示的な名前を入れた実験グループファイルを用意する方法もあります。詳細は、「実験グループ」を参照してください。
アナライザで特定の派生プロセスを検査するには、親実験を読み込み、「表示」メニューから「フィルタの管理」を選択します。「フィルタの管理」ダイアログボックスに実験の一覧が、親実験と派生実験が選択された状態で表示されます。対象とする派生実験を除くすべての実験の選択を解除します。
注 - 派生プロセスが追跡されている間に親プロセスが終了した場合、まだ実行している派生のデータ収集は継続されます。それに従って親の実験ディレクトリは拡大を続けます。
また、スクリプトのデータを収集して、スクリプトの派生プロセスを追跡することもできます。詳細は、「スクリプトからのデータの収集」を参照してください。
ターゲットプログラムが JVM の場合に Java プロファイルを有効にします。option に使用できる値は次のとおりです。
on - JVM のプロファイルデータを記録し、Java HotSpot 仮想マシンでコンパイルされたメソッドを認識するほか、Java 呼び出しスタックも記録します。
off - Java プロファイルデータを記録しません。
path - JVM のプロファイルデータを記録し、指定された path にインストールされた JVM を使用します。
ターゲットが JVM マシンである場合、プロファイルデータを取得するには -j on を使用する必要があります。
-j on オプションは、.class ファイルまたは .jar ファイルに関するデータを収集する場合は必要ありません。ただし、java 実行可能ファイルへのパスが、JDK_HOME 環境変数または JAVA_PATH 環境変数のどちらかに入っていることが前提となります。それから collect コマンド行でターゲットの program を .class ファイルまたは .jar ファイルとして指定します。拡張子は付けても付けなくてもかまいません。
JDK_HOME または JAVA_PATH 環境変数で java 実行可能ファイルのパスを定義できない場合や、Java HotSpot 仮想マシンによってコンパイルされたメソッドの認識を無効にしたい場合は、-j オプションを使用できます。このオプションを使用する場合、collect コマンド行で指定する program は Java 仮想マシンで、JDK 6、Update 18 またはそれ以降の必要があります。collect コマンドは、Java プロファイルに指定された JVM のバージョンを検証します。
プロファイルで使用するために JVM へ渡される追加引数を指定します。-J オプションを指定し、Java プロファイルを指定しない場合、エラーが生成され、実験は実行されません。java_argument に複数の引数が含まれる場合、全体を引用符でくくる必要があります。この引数は、空白またはタブで区切られた一連のトークンで構成される必要があります。各トークンは、別々の引数として JVM へ渡されます。JVM へのほとんどの引数は、「-」文字で始まる必要があります。
signal という名前のシグナルがプロセスへ送信されたときに、標本パケットを記録します。
シグナルは、完全なシグナル名、先頭文字 SIG を省いたシグナル名、またはシグナル番号のいずれの形式でも指定できます。ただし、プログラムが使用するシグナル、または実行を終了するシグナルは指定しないでください。推奨するシグナルは SIGUSR1 および SIGUSR2 です。 SIGPROF は、時間プロファイリングが指定されている場合でも使用できます。シグナルは、kill コマンドを使用してプロセスに送信できます。
-l および -y の両方のオプションを使用する場合は、それぞれのオプションに異なるシグナルを使用する必要があります。
プログラムに独自のシグナルハンドラがあるときにこのオプションを使用する場合は、-l で指定するシグナルが、阻止されたり無視されたりすることなく、確実にコレクタのシグナルハンドラに渡されるようにする必要があります。
シグナルについては、signal(3HEAD) のマニュアルページを参照してください。
データ収集の時間範囲を指定します。
duration は単独の数値として指定でき、オプションとして m または s 接尾辞を付け、実験終了までの時間が分単位か秒単位かを示すこともできます。 デフォルトでは、所要時間は秒です。所要時間 はハイフンで区切られた 2 つの数で指定することもできます。これは、1 つ目の時間が経過するまでデータ収集を停止し、そして、データ収集を始める時間を示しています。2 つ目の時間が経過すると、データ収集が終了されます。2 つ目の時間がゼロの場合、初めてプログラムが停止したあと、そのプログラムの実行の終わりまで、データの収集が実行されます。実験が終了しても、ターゲットプロセスは最後まで実行できます。
デバッガがプロセスに接続できるよう、exec システムコールの終了時にターゲットプロセスを停止したままにします。dbx をプロセスに接続した場合は、dbx コマンドの ignore PROF と ignore EMT を使用して、収集シグナルが確実に collect コマンドに渡されるようにします。
signal という名前のシグナルで、データの記録を制御します。このシグナルがプロセスに送信されると、一時停止状態 (データは記録されない) と記録状態 (データは記録される) が切り替わります。ただし、このスイッチの状態に関係なく、標本ポイントは常に記録されます。
シグナルは、完全なシグナル名、先頭文字 SIG を省いたシグナル名、またはシグナル番号のいずれの形式でも指定できます。ただし、プログラムが使用するシグナル、または実行を終了するシグナルは指定しないでください。推奨するシグナルは SIGUSR1 および SIGUSR2 です。 SIGPROF は、時間プロファイリングが指定されている場合でも使用できます。シグナルは、kill コマンドを使用してプロセスに送信できます。
-l および -y の両方のオプションを使用する場合は、それぞれのオプションに異なるシグナルを使用する必要があります。
-y オプションに r 引数 (省略可能) を指定した場合、コレクタは記録状態で起動します。-y オプションが使用されていない場合、コレクタは記録状態で起動します。
プログラムに独自のシグナルハンドラがあるときにこのオプションを使用する場合は、-y で指定するシグナルが、阻止されたり、無視されたりすることなく、確実にコレクタのシグナルハンドラに渡されるようにする必要があります。
シグナルについては、signal(3HEAD) のマニュアルページを参照してください。
これらのオプションは、コレクタによって生成される実験を制御します。
記録する実験の名前として experiment_name を使用します。experiment_name 文字列は文字列「.er」で終わる必要があり、そうでない場合、collect ユーティリティーはエラーメッセージを出力して終了します。
-o オプションを指定しない場合、実験名を「stem.n.er」(stem は文字列、n は数値) の形式で指定します。-g オプションでグループ名を指定した場合、stem を「.erg」接尾辞なしのグループ名に設定します。グループ名を指定していない場合、stem を文字列「test」に設定します。
collect コマンドを、MPI ジョブの実行に使用されるコマンドの 1 つ、たとえば mpirun から起動し、-M MPI-version オプションおよび -o オプションを指定しない場合、そのプロセスの MPI ランクを定義するために使用された環境変数から、名前に使用されている n の値を使用します。それ以外の場合、現在使用されている最も大きい整数値に 1 を加えた値を n に設定します。
名前が「stem.n.er」の形式で指定されておらず、与えられた名前がすでに使用されている場合、エラーメッセージが表示され、実験は実行されません。名前が「stem.n .er」の形式で、与えられた名前がすでに使用されている場合、現在使用されている最も大きい数値より 1 大きい n の値に対応する名前で、実験が記録されます。名前が変更された場合、警告が表示されます。
directory-name というディレクトリに実験を格納します。このオプションは個別の実験にのみ適用され、実験グループには適用されません。ディレクトリが存在しない場合、collect ユーティリティーはエラーメッセージを出力して終了します。-g オプションでグループが指定されている場合、グループファイルも directory-name へ書き込まれます。
データ収集をできるだけ軽くするには、レコードデータをローカルファイルに記録し、-d オプションを使用してデータ格納ディレクトリを指定するのが最適です。ただし、クラスタ上の MPI 実験では、すべてのプロセスから、記録されたすべてのデータが親の実験に書き込まれるため、親の実験がどのプロセスからでも同じパスに存在する必要があります。
待ち時間の長いファイルシステムに書き込まれる実験は特に問題が発生しやすく、標本データが収集される場合 (デフォルトの -S on オプション) には特に、非常に低速になることがあります。待ち時間の長い接続を経由して記録を行う必要がある場合には、標本データを無効にしてください。
実験を group-name という実験グループに含めます。group-name の末尾が .erg でない場合、collect ユーティリティーはエラーメッセージを出力して終了します。グループが存在する場合は、そのグループに実験が追加されます。group-name が絶対パスでない場合、-d でディレクトリを指定されていれば、実験グループがディレクトリ directory-name に、それ以外の場合は現在のディレクトリに格納されます。
ターゲットプロセスで使用されるロードオブジェクトを、記録済み実験に保管またはコピーするかどうかを管理します。option に使用できる値は次のとおりです。
off – ロードオブジェクトを実験に保管しません。
on – ロードオブジェクトを実験に保管します。
copy – ロードオブジェクト (ターゲット、およびターゲットが使用するすべての共有オブジェクト) を実験にコピーして保管します。
実験データが記録されたマシンとは異なるマシンに実験データをコピーするか、異なるマシンから実験データを読み取る場合は、 - A copy を指定します。このオプションを使用しても、ソースファイルまたはオブジェクトファイル (.o) は実験にコピーされません。これらのファイルが、実験の検査に使用するマシンからアクセス可能で、変更されていないことを確認してください。
記録するプロファイルデータの量を sizeM バイトに制限します。この制限は、時間ベースのプロファイルデータ、ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルデータ、および同期待ちのトレースデータの合計に適用されますが、標本ポイントには適用されません。この制限値は概数にすぎないので、この値を超えることは可能です。
制限に達すると、それ以上のプロファイルデータは記録されませんが、ターゲットプロセスが終了するまで実験はオープン状態となります。定期的な標本収集が有効である場合、標本ポイントの書き込みが継続されます。
約 2G バイトの制限を付けるには、たとえば、-L 2000 を指定します。指定するサイズは、ゼロより大きい必要があります。
デフォルトでは、記録されるデータサイズに制限はありません。
collect 自体の全出力を指定された file に付加しますが、生成されたターゲットからの出力はリダイレクトしません。ファイルが /dev/null に設定されている場合は、エラーメッセージを含む collect の全出力が抑制されます。
これらの collect コマンドオプションはさまざまな目的で使用されます。
dbx が指定された process_id のプロセスに接続し、データを収集してから、スクリプト上で dbx を起動するためのスクリプトを作成します。プロファイルデータのみを指定でき、トレースデータは指定できません。時間指定の実行 (-t オプション) はサポートされません。
実験の notes ファイルにコメントを追加します。最大 10 個の -C オプションを指定できます。notes ファイルの内容は、実験のヘッダーの先頭に付加されます。
ターゲットを実行しませんが、ターゲットが実行されれば生成されたはずの実験の詳細を出力します。このオプションは「ドライラン」オプションです。
パフォーマンスアナライザの Readme のテキストバージョンを端末ウィンドウに表示します。readme が見つからない場合は、警告が出力されます。これ以降に指定した引数は検査されず、これ以外の処理は行われません。
collect コマンドの現在のバージョンを表示します。これ以降に指定した引数は検査されず、これ以外の処理は行われません。
collect コマンドの現在のバージョンと、実行中の実験に関する詳細情報を表示します。
Oracle Solaris プラットフォームの場合のみ、collect ユーティリティーで -P pid オプションを使用して、指定された PID を持つプロセスに接続し、そのプロセスからデータを収集できます。collect コマンドのそのほかのオプションは dbx 用のスクリプトに変換され、そのスクリプトを起動してデータが収集されます。時間ベースのプロファイルデータ (-p オプション) とハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルデータ (-h オプション) だけを収集できます。トレースデータはサポートされていません。
-p オプションを明示的に指定せずに -h オプションを使用すると、時間ベースのプロファイルが無効となります。ハードウェアカウンタデータと時間ベースデータの両方を収集するには、 -h オプションと -p オプションの両方を指定する必要があります。
コマンド行からプログラムを起動していて、バックグラウンドで実行している場合は、シェルによってその PID が標準出力に出力されます。それ以外の場合、次のコマンドを入力してプログラムの PID を判定できます。
% ps -ef | grep program-name
% collect -P pid collect-options
コレクタのオプションについては、「データ収集オプション」を参照してください。時間ベースのプロファイルについては、「-p option」を参照してください。ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイルについては、-h optionを参照してください。