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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B63031-03
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D 論理SQLリファレンス

この付録には、Oracle BIサーバーで認識される論理SQL文の構文および使用方法の情報が記載されています。Oracle BIサーバーの論理SQLには、標準SQLの他に、AGOTODATEEVALUATEなどの特殊関数(SQL拡張)が含まれています。論理SQL問合せはプレゼンテーション・レイヤー・オブジェクトに解決されます。

この付録の内容は次のとおりです。

Oracle Business Intelligenceの論理SQLについて

Oracle BIサーバーは、クライアント・ツールからSQLのSELECT文を受け入れます。また、Oracle BI管理ツールを使用すると、複雑な式を使用した論理列を定義できます。この付録では、派生列を作成するために管理ツールで使用可能なSELECT文および式の構文とセマンティクスについて説明します。

プレゼンテーション・レイヤーおよびビジネス・モデルとマッピング・レイヤーがもたらす抽象化により、クライアントは論理SQLのみを指定してデータを問合せできるため、実際の物理ソースとの相互作用はOracle BIサーバーによって処理されます。各データ・ソース・タイプと通信する必要がある複数のソース言語の複雑さが、ユーザーおよびクライアントから隠されます。

「分析」エディタの「詳細設定」タブの「実行されるSQL」セッションを表示すると、特定の分析に対するOracle BIプレゼンテーション・サービスによって実行される論理SQL問合せをアンサーで表示できます。適切な権限がある場合は、「管理」タブの「セッションの管理」ページを表示すれば、SQLを表示することもできます。詳細を参照するには、「セッションの管理」ページの「ログの表示」をクリックします。

また、アンサーには、論理SQLを実行できる場所もあります。適切な権限がある場合は、「管理」タブの「SQLの実行」ページを使用して、SQLコードを入力してOracle BIサーバーに送信できます。分析に階層列、メンバー選択またはグループが含まれていない場合、「分析」エディタの「詳細設定」タブの「高度なSQL句」フィールドを使用できます。「新規フィルタ」ダイアログでSQLを入力することもできます。

Oracle BI Publisher、Oracle Hyperion Interactive Reporting、Oracle BI Add-in for Microsoft Office、Essbaseなど他のクライアントは、論理SQLを表示してOracle BIサーバーに実行するための独自のインタフェースを提供しています。

SQL構文とセマンティクス

この項では、SQL構文とセマンティクスについて説明します。トピックは次のとおりです。

SELECT文の構文と使用上の注意

SELECT文(問合せ指定とも呼ばれる)は、Oracle BI Serverを介して意思決定支援システムを問い合せる方法です。SELECT文では、問合せに一致する表がクライアントに返されます。結果が行と列の形式で格納されるため、表と言えます。

SELECT文はSQL(Structured Query Language)データベースへの問合せの基礎となります。Oracle BIサーバーは論理リクエストを受け入れてリポジトリ内のオブジェクトに問い合せます。ユーザー(または問合せツール)は標準のSQL SELECT文を使用して論理リクエストを作成します。サーバーは、論理リクエストを1つ以上のデータ・ソースに対する物理問合せに変換し、論理リクエストに一致するよう結果を組み合せて、エンド・ユーザーに応答を返します。

論理SQLのSELECT文は、表を結合する必要がないという点で標準SQLとは異なります。問合せに指定される結合条件はすべて無視されます。結合条件はOracle BIリポジトリ内に事前定義されています。

この項では、SELECT文と個々の句の定義の基本構文について説明します。構文の説明は、Oracle BIサーバー固有の基本構文と機能のみを対象としています。SQL構文の詳細な説明は、サード・パーティのSQLに関する参考文献または使用しているデータベースのベンダーが提供しているSQLに関するリファレンス・マニュアルを参照してください。Oracle Databaseの場合は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

この項の構成は、次のとおりです。

「SELECT文の基本構文」

次に、SELECT文の構文を示します。

SELECT [DISTINCT] select_list
FROM from_clause
[WHERE search_condition]
[GROUP BY column {, column}
     [HAVING search_condition]]
[ORDER BY column {, column}]

説明:

select_listはリクエストに指定される列のリストです。詳細は、「SELECTリスト構文」を参照してください。

FROM from_clauseはリクエストの表のリストです。リクエストの特定の結合情報をオプションで含みます。詳細は、「FROM句の構文」を参照してください。

WHERE search_conditionでは条件テストを生成するための条件の任意の組合せを指定します。WHERE句は、特定の質問に回答する結果を取得するためにリクエストを制約するフィルタとして機能します。選択する列とともに、フィルタにより結果に含まれる内容が決定されます。詳細は、「WHERE句の構文」を参照してください。

GROUP BY column {, column}ではデータ・ソースに定義された表に属する列(または別名)を指定します。詳細は、GROUP BY句の構文を参照してください。

HAVING search_conditionでは条件テストを生成するための条件の組合せを指定します。構文はWHERE句と同じです。

ORDER BY column {, column}では結果を並べ替える列を指定します。詳細は、「ORDER BY句の構文」を参照してください。

使用上の注意

Oracle BIサーバーはSELECT文を論理リクエストとして処理します。SELECT文で集計データをリクエストする場合、サーバーによってGROUP BY句が自動的に仮定されます。問合せに指定される結合条件はすべて無視されます。結合条件はすべてOracle BIリポジトリ内で事前定義されています。

Oracle BIサーバーは、コメントについて次のSQL構文を受け入れます。

  • Cスタイル・コメント(/* */)

  • 1行コメントに対する二重スラッシュ(//)

  • 1行コメントに対する番号記号(#)

サブ問合せのサポート

Oracle BIサーバーは、論理リクエスト内の特定のサブ問合せと、UNIONUNION ALLINTERSECTおよびEXCEPT操作をサポートします。この機能により、回答可能なビジネス上の質問範囲が拡大し、問合せの生成が容易になり、複数のビジネス・モデル間で問合せを実行できるようになります。

Oracle BIサーバーは、任意の条件式(WHEREHAVINGまたはCASE文など)において次のサブ問合せ述語をサポートします。

IN, NOT IN
Any, >=Any, =Any, <Any, <=Any, <>Any
All, >=All, =All, <All,<=All, <>All
EXISTS, NOT EXISTS

アンサーで、上級ユーザーおよび開発者は「分析」エディタの「詳細設定」タブの「高度なSQL句」フィールドを使用して、様々なSQL句(GROUP BYHAVINGDISTINCTなど)を指定し、Oracle BIサーバーに送信されるSQL問合せに含めることができます。分析に階層列、選択またはグループが含まれている場合、特定の「高度なSQL句」フィールドが使用できません。

SELECTリスト構文

select_list は、リクエストの列をリストします。すべての列は単一のビジネス・モデルから派生している必要があります。表名を含めることができます(Table.Columnなど)。これは列名がビジネス・モデル内で一意の場合はオプションです。列名に空白が含まれる場合は、列名を二重引用符で囲みます。Oracle BIサーバーでは常に個別の問合せが実行されるため、DISTINCTキーワードを含める必要はありません。集計ルールはサーバーで認識され、集計は自動的に実行されるため、集計が行われる列に集計関数(SUMなど)を含める必要はありません。

構文 

...
* |
  (column | expr) [[AS] alias]
  {, (column | expr) [[AS] alias] }
...

説明:

*FROM句内の結果表のすべての列を示します。

columnはデータ・ソースに定義される表に属する列(または別名)です。

exprは任意の有効なSQL式です。

注意: アンサーでは、*を使用して「分析」エディタの「詳細設定」タブからすべての列を選択することはできません。かわりに、特定の列を指定する必要があります。

FROM句の構文

Oracle BIサーバーは、任意の有効なSQL FROM句の構文を受け入れます。FROM句の作成を容易にするため、テーブル・リストのかわりにサブジェクト・エリアの名前を指定できます。リクエストで検索する列とOracle BIリポジトリの構成に基づいて、適切な表と適切な結合指定が決定されます。

WHERE句の構文

Oracle BIサーバーは、任意の有効なSQL WHERE句の構文を受け入れます。結合はすべてOracle BIリポジトリ内で構成されるため、WHERE句に結合条件を指定する必要はありません。WHERE句で指定された結合条件はすべて無視されます。

Oracle BIサーバーは、任意の条件式(WHEREHAVINGまたはCASE文など)において次のサブ問合せ述語をサポートします。

IN, NOT IN
Any, >=Any, =Any, <Any, <=Any, <>Any
All, >=All, =All, <All,<=All, <>All
EXISTS, NOT EXISTS

GROUP BY句の構文

Oracle BIサーバーの自動集計機能により、GROUP BY句を発行する必要はありません。GROUP BY句が指定されていない場合は、GROUP BY指定によって、SELECTリスト内のすべての非集計列がデフォルトで使用されます。SELECTリスト内で集計関数を明示的に使用する場合は、異なる列にGROUP BY句を指定できます。Oracle BIサーバーにより、GROUP BY句で指定されたレベルに基づいて結果が計算されます。

Oracle BI Serverに対するリクエストでGROUP BY句を使用する方法の詳細な説明と例については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』を参照してください。

ORDER BY句の構文

Oracle BIサーバーは、SELECTリスト内の順序による列の参照(ORDER BY 3, 1, 5など)を含め、任意の有効なSQL ORDER BY句の構文を受け入れます。

また、次の構文を使用して問合せのNULLのソート順を変更できます。

ORDER BY col1 NULLS LAST, ORDER BY col2 NULLS FIRST

SELECT_PHYSICALの構文と使用上の注意

SELECT_PHYSICALコマンドには、メタデータ・リポジトリの物理レイヤー内のオブジェクトに直接問い合せたり、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーまたはプレセンテーション・レイヤーに対して問合せ内の文をネストするための機能があります。

SELECT_PHYSICAL問合せはプレセンテーション・レイヤーおよびビジネス・モデルとマッピング・レイヤーを回避しますが、Oracle BIサーバーは、データベースに渡す前に、SELECT_PHYSICAL問合せに対して分析、解釈および問合せの生成を行います。

SELECT_PHYSICALコマンドには、次の制約があるOracle BIサーバーの標準SQLで許可されている任意の要素を含めることができます。

  • SELECT_PHYSICALコマンドは、リポジトリのビジネス・モデルとマッピング・レイヤーまたはプレセンテーション・レイヤーの構造を明示的に参照しません。

  • SELECT_PHYSICALコマンドは、 潜在論理変換をリクエストしません。

  • SELECT_PHYSICALコマンドには、特定の集計関数を含めることはできません。 - 詳細は、「SELECT_PHYSICAL問合せでサポートされていない集計関数」を参照してください。


注意:

SELECT_PHYSICAL文はキャッシュされません。


専用の物理接続を通じてすべてのSELECT問合せがSELECT_PHYSICAL問合せとして処理されるように、Oracle BI ServerへのODBC接続を設定することができます。これを行うには、Oracle BI ServerのODBCデータ・ソースで「リクエストを物理レイヤーに送信」を選択します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインテグレーターズ・ガイド』の他のクライアントとOracle Business Intelligenceとの統合に関する項を参照してください。

SELECT_PHYSICAL文は物理リクエスト・エンティティとして記録されます。

この項のトピックは次のとおりです。

SELECT_PHYSICAL文の構文

SELECT_PHYSICAL問合せの基本構文は「SELECT文の基本構文」と等価で、次のようにSELECTという語がSELECT_PHYSICALという用語に置き換えられています。

SELECT_PHYSICAL [DISTINCT] select_list
FROM from_clause
[WHERE search_condition]
[GROUP BY column {, column}
     [HAVING search_condition]]
[ORDER BY column {, column}]

注意:

SELECT_PHYSICAL文は標準のANSI SQL SELECT文とほとんど同じです。たとえば、SELECT_PHYSICAL集計問合せで、 GROUP BY句も、関連するHAVING句も省略できません。


SELECT_PHYSICAL問合せで、FROMリスト内の表名は完全修飾されている必要があります。完全修飾された各表名は、リポジトリの物理レイヤー内の表名と一致している必要があります。

完全修飾された表名は、4つまでのコンポーネント(データベース名、カタログ名、スキーマ名および表名)で構成されます。各コンポーネントを二重引用符(")で囲み、コンポーネント間セパレータとしてピリオド(.)を使用します。たとえば、SQL Server表の"SQL_DB"."My_Catalog"."My_Schema"."Customers"、キューブ表の"FoodMart"..."Sales"などです。

SELECT_PHYSICALコマンドの様々な句およびサブ句の詳細は、「SELECT文の基本構文」を参照してください。

SELECT_PHYSICAL問合せでサポートされていない集計関数

次の集計関数は、SELECT_PHYSICAL問合せでサポートされていません。

  • AGO

  • BOTTOMN

  • FILTER

  • FIRST

  • LAST

  • RCOUNT

  • RMAX

  • RMIN

  • RSUM

  • TODATE

  • TOPN

SELECT_PHYSICALでサポートされている問合せ

Oracle BIサーバーは次のタイプの論理問合せについてSELECT_PHYSICALの使用をサポートしています。

  • 標準の非集計問合せ

    標準の非集計SELECT_PHYSICALコマンドは、標準の非集計SELECTコマンドと同じルールに従います。また、文字列関数、数学関数、カレンダ日時関数などのスカラー関数も含めることができます。例:

    SELECT_PHYSICAL productid, categoryid
    FROM "My_DB"."My_Schema"."products"
    WHERE categoryid > 5;
    
    SELECT_PHYSICAL LEFT(productname,10)
    FROM "My_DB"."My_Schema"."products"
    WHERE productname is not null;
    
  • 集計関数を含む問合せ

    一般に、SELECT問合せでサポートされているすべての集計関数は、SELECT_PHYSICAL問合せでもサポートされています。このルールに対する例外のリストについては、「SELECT_PHYSICAL問合せでサポートされていない集計関数」を参照してください。

    SELECT_PHYSICALコマンドでサポートされている集計の場合、各集計には、GROUP BY句またはBY句を使用して明示的に指定された集計レベルが必要です。例:

    SELECT_PHYSICAL employeeid, SUM(quantity by)
    FROM "My_DB"."My_Schema"."employees"; 
    
    SELECT_PHYSICAL employeeid, SUM(quantity)
    FROM "My_DB"."My_Schema"."employees"
    GROUP BY employeeid
    HAVING SUM(quantity) > 100;
    
  • サブ問合せ

    Oracle BIサーバーは、次のタイプの問合せをサポートしています。

    • 親問合せとサブ問合せの両方がSELECT_PHYSICALを使用する問合せ。

    • 親問合せがSELECTを使用し、サブ問合せがSELECT_PHYSICALを使用する問合せ。

    サブ問合せは、Case文に組み込まれたフィルタとプロジェクションの両方でサポートされています。

    例:

    SELECT_PHYSICAL *
    FROM "My_DB"."My_Schema"."products" 
    WHERE supplierid IN
     (SELECT_PHYSICAL supplierid 
      FROM "My_DB"."My_Schema"."suppliers");
    
    SELECT productid 
    FROM snowflakesales.product 
    WHERE categoryid IN
     (SELECT_PHYSICAL categoryid 
      FROM "My_DB"."My_Schema"."categories");
    
    SELECT CASE WHEN b.categoryid IN
     (SELECT_PHYSICAL a.categoryid 
      FROM "My_DB"."My_Schema"."products" a)
     THEN b.categoryid END 
    FROM categories b;
    
  • 派生表を含む問合せ

    SELECT問合せとSELECT_PHYSICAL問合せの両方で、FROM句に派生表を含めることができます。SELECTまたはSELECT_PHYSICALを使用して、表を派生できます。例:

    SELECT_PHYSICAL COUNT(DISTINCT t.rto) 
    FROM
     (SELECT_PHYSICAL employeeid AS id, reportsto AS rto 
      FROM "My_DB"."My_Schema"."employees") t;
    
    SELECT productid, categoryid 
    FROM
     (SELECT_PHYSICAL productid, categoryid
      FROM "My_DB"."My_Schema"."products" a
      LEFT OUTER JOIN "My_DB"."My_Schema"."categories" b
      ON a.categoryid = b.categoryid);
     
    
    SELECT y.cid, sum(x.qty) 
    FROM
     (SELECT productid pid, categoryid cid, qtysold qty 
      FROM sales.product) x
     RIGHT OUTER JOIN 
     (SELECT_PHYSICAL CASE categoryid WHEN 1 THEN null ELSE categoryid END cid 
      FROM "My_DB"."My_Schema"."categories") y
     ON x.cid = y.cid
     GROUP BY y.cid;
    
  • クロスデータベース問合せ

    SELECT_PHYSICALを使用して、様々なデータベース内の表を結合できます。例:

    SELECT_PHYSICAL a.productid, b.categoryid 
    FROM "My_DB"."My_Schema"."products" a
    FULL OUTER JOIN
    "My_DB2"."My_Schema"."categories" b
    ON a.categoryid = b.categoryid
    

NATURAL_JOINキーワードの使用方法

SELECT_PHYSICAL問合せはNATURAL JOIN構文をサポートします。これにより、事前定義した結合式を使用できます。ADFデータ・ソースの場合、ADFのViewLinkがアクティブになります。ただし、NATURAL JOIN結合タイプは論理表ソース用に公開されません(LEFT OUTER JOINなど)。

SELECT_PHYSICAL問合せ内のNATURAL JOINキーワードのみ使用できます。Oracle Business IntelligenceでのNATURAL JOINの動作はANSI NATURAL JOINとは異なります。次に、結合がNATURAL JOIN構文の有無によりどのように実行されるかを示します。

SELECT PHYSICAL *
FROM A, B;

この例では、(結合がメタデータに定義されている場合でも)AB間の結合は実行されません。

SELECT_PHYSICAL *
FROM A NATURAL JOIN B;

この例では、AB間の物理結合は実行されます。ADFデータ・ソースの場合、基礎となるViewLinkで定義された結合式が使用されます。

SELECT_PHYSICAL *
FROM C, A NATURAL JOIN B;

この例では、CがメタデータでAに結合されている場合でも、AB間の結合のみアクティブになります。CとAの結合は使用されません。

SELECT_PHYSICALの特殊な使用方法

次の例に示すように、SELECT_PHYSICALコマンドでセッション変数およびINDEXCOL関数を使用できます。

SELECT_PHYSICAL VALUEOF(NQ_SESSION.REGION) 
FROM "My_DB"."My_Schema"."products";

SELECT_PHYSICAL INDEXCOL(VALUEOF(NQ_SESSION.INDEXCOLINDEX), productid, categoryid)
FROM "My_DB"."My_Schema"."products";

返される行の制限とオフセット

FETCH句を使用すると、SELECT文によって返される行数を制約でき、OFFSET句を使用すると、指定した行数を結果セットの先頭からスキップできます。両方の句ともオプションで、組み合せて使用することも、単独で使用することもできます。FETCH句とOFFSET句はSELECT文の要素で、最後に配置されます。

これらの句は、大規模な結果セット(大規模なディメンションの場合など)がある状況で、たとえば最初の100行をユーザーに表示する場合に役立ちます。制限に達するとOracle BIサーバーで処理が停止されるため、全体的なパフォーマンスが向上し、リソースが維持されます。さらに、多くの場合、バックエンド・データベースに制限がプッシュされるため、データベースで問合せが最適化されます。

両方の句とも技術的にはORDER BY句なしで使用できますが、結果が非確定的になります。そのため、これらの句を使用する際は常にORDER BYを指定してください。

OFFSETが未指定の場合のデフォルト値は0(ゼロ)で、結果が最初の行から返されることを意味します。FETCHが未指定の場合は、返される行数に制限がないことを意味します。

これらの句は、WHERE句、集計、HAVING句、ウィンドウ分析関数およびORDER BY句の後に評価されます。これらの句は、SELECTに加えてSELECT_PHYSICALでも使用できます。

OFFSET句の構文

OFFSET n ROW[S]

nは、結果セットの先頭からスキップする行数です。nは0(ゼロ)より大きい値にする必要があります。

FETCH句の構文

FETCH FIRST | NEXT n ROW[S] ONLY

nは取得する行数です。nは0 (ゼロ)より大きい値にする必要があります。

通常、制限句をオフセット句とは別に使用する場合はFIRSTを使用しますが、制限句をオフセット句と組み合せて使用する場合はNEXTを使用します。

例 

SELECT employeeid, firstname, revenue 
FROM sales.employee
ORDER BY revenue desc
OFFSET 2 ROWS 
FETCH NEXT 4 ROWS ONLY

次の表に、OFFSET句とFETCH句を指定しない場合の結果セット全体を示します。OFFSET句とFETCH句を指定した場合は、太字で示した行のみが返されます。

Employeeid FirstName Revenue

4

Margaret

250187.45

3

Janet

213051.30

1

Nancy

202143.71

2

Andrew

202143.71

7

Robert

177749.26

8

Laura

141295.99

9

Anne

133301.03

6

Michael

82964.00

5

Steven

78198.10


FETCH句とOFFSET句に関する制限事項

UNION ALL集合演算子のブロック内ではORDER BY句が無視されるため、このような問合せでFETCH句とOFFSET句を使用すると非確定的になります。このような問合せではFETCH句とOFFSET句を使用しないでください。

演算子

2つのタイプの演算子(SQL論理演算子および数学演算子)があります。

SQL論理演算子

次のSQL論理演算子は式間の比較を指定するために使用されます。

  • Between: 条件の境界を決定するために使用されます。それぞれの境界は式で、それらが「より小さい」や「より大きい」で表される場合は、(「以下」や「以上」とは対照的に)境界の範囲には境界の制限値は含まれません。条件を否定する場合は、BETWEENの前にNOTを付けることができます。

  • In: 列値と一連の値との比較を指定します。

  • Is Null: 列値とNULL値との比較を指定します。

  • Like: リテラル値との比較を指定します。通常、ワイルドカード文字とともに使用して、ゼロ文字以上の任意の文字列(%)に一致するか、任意の単一の文字(_)と一致することを示します。

数学演算子

数学演算子は、式要素を組み合せて式内の特定のタイプの比較を作成するために使用されます。

表D-1に演算子をリストし、式での使用方法を説明します。

表D-1 演算子

演算子 説明

+


加算用のプラス記号。

-

減算用のマイナス記号。

*


乗算用の乗算記号。

/


除算用の除算記号。

||


文字列の連結。

(

左カッコ。

)

右カッコ。

>

大なり記号。値が比較対象より大きいことを示します。

<


小なり記号。値が比較対象より小さいことを示します。

=


等号。同じ値であることを示します。

<=


以下記号。値が比較対象と同じか、比較対象より小さいことを示します。

>=

以上記号。値が比較対象と同じか、比較対象より大きいことを示します。

<>

等しくありません。値が比較対象より大きいか小さいが、異なることを示します。

AND

AND結合。1つ以上の条件の共通部分で複合条件を生成することを示します。

OR

OR結合。1つ以上の条件の結合で複合条件を生成することを示します。

NOT

NOT結合。条件が満たされないことを示します。

,

カンマ。リスト内の要素を区切るために使用されます。


条件式

式は、ある形式から別の形式に値を変換する条件式を作成するための構築ブロックです。式は次のとおりです。

CASE (Switch)

この形式のCASE文はCASE(Lookup)形式とも呼ばれます。expr1の値が検証され、次にWHEN式の値が検証されます。expr1の値がいずれかのWHEN式の値と一致する場合は、対応するTHEN式にその値が割り当てられます。

どのWHEN式とも値が一致しない場合は、ELSE式に指定されているデフォルト値が割り当てられます。ELSE式が指定されていない場合は、ELSE NULLが自動的に追加されます。

expr1が複数のWHEN句内の式と一致する場合は、最初に一致した式のみが割り当てられます。


注意:

CASE文では、ANDORよりも優先されます。


構文 

CASE expr1
     WHEN expr2 THEN expr3
     {WHEN expr... THEN expr...}
     ELSE expr
END 

説明:

CASEで、CASE文を開始します。1つの式、1つ以上のWHEN文とTHEN文、ELSE文(オプション)、およびENDキーワードを指定する必要があります。

WHENで、満たす条件を指定します。

THENで、対応するWHEN式が満たされる場合に割り当てる値を指定します。

ELSEでは、満たされるWHEN条件がない場合に割り当てる値を指定します。省略すると、ELSE NULLが指定されたものとみなされます。

ENDで、CASE文を終了します。

例 

CASE Score-par
  WHEN -5 THEN 'Birdie on Par 6'
  WHEN -4 THEN 'Must be Tiger'
  WHEN -3 THEN 'Three under par'
  WHEN -2 THEN 'Two under par'
  WHEN -1 THEN 'Birdie'
  WHEN 0 THEN 'Par'
  WHEN 1 THEN 'Bogey'
  WHEN 2 THEN 'Double Bogey'
  ELSE 'Triple Bogey or Worse'
END

この例では、WHEN文は厳密な等式を反映する必要があります。たとえば、比較演算子は許可されないため、WHEN < 0 THEN 'Under Par'というWHEN条件は使用できません。

CASE (If)

この形式のCASE文は、各WHEN条件を評価して、それが満たされる場合、対応するTHEN式の値を割り当てます。

一致するWHEN条件がない場合は、ELSE式に指定されているデフォルト値が割り当てられます。ELSE式が指定されていない場合は、ELSE NULLが自動的に追加されます。


注意:

CASE文では、ANDORよりも優先されます。


構文 

CASE 
     WHEN request_condition1 THEN expr1
     {WHEN request_condition2 THEN expr2}
     {WHEN request_condition... THEN expr...}
     ELSE expr
END 

説明:

CASEで、CASE文を開始します。1つ以上のWHEN文とTHEN文、ELSE文(オプション)、およびENDキーワードを指定する必要があります。

WHENで、満たす条件を指定します。

THENで、対応するWHEN式が満たされる場合に割り当てる値を指定します。

ELSEでは、満たされるWHEN条件がない場合に割り当てる値を指定します。省略すると、ELSE NULLが指定されたものとみなされます。

ENDで、CASE文を終了します。

例 

CASE
  WHEN score-par < 0 THEN 'Under Par'
  WHEN score-par = 0 THEN 'Par'
  WHEN score-par = 1 THEN 'Bogie'
  WHEN score-par = 2 THEN 'Double Bogey'
  ELSE 'Triple Bogey or Worse'
END

Switch形式のCASE文とは異なり、If形式のWHEN文では比較演算子が許可されます。たとえば、WHEN < 0 THEN 'Under Par'というWHEN条件を使用できます。

リテラルの表現

リテラルとは、任意のデータ型に対応するNULLでない値です。リテラルは通常定数値です。つまり、何も変更せずに、文字どおりそのまま使用される値です。リテラル値は、それが表すデータ型に準拠する必要があります。

SQLでは、SQL文でリテラルを表現するメカニズムが用意されています。このトピックでは、SQLで各種リテラルを表現する方法について説明します。

文字リテラル

文字リテラルは、CHARACTERまたはVARCHARのデータ型の値を表します。文字リテラルを表現するには、文字列を一重引用符(')で囲みます。リテラルの長さは、一重引用符の間の文字数で決定されます。

例 

'Oracle BI Server'

'abc123'

日時リテラル

SQL 92標準では、次の形式で3種類の型指定された日時リテラルが定義されています。

DATE 'yyyy-mm-dd'
TIME 'hh:mm:ss'
TIMESTAMP 'yyyy-mm-dd hh:mm:ss'

型指定された日時リテラルを表現するには、前述の例に示したように、キーワードのDATETIMEまたはTIMESTAMPを使用して、その後に一重引用符で囲んだ日時文字列を指定します。値が1桁の場合でも、年以外のすべてのコンポーネントには2桁が必要です。

例 

DATE '2000-08-15'
TIME '11:55:25'
TIMESTAMP '1999-03-15 11:55:25'

数値リテラル

数値リテラルは、数値データ型(INTEGERDECIMALFLOATなど)の値を表します。数値リテラルを表現するには、数値をSQL文の一部として入力します。

数値リテラルは一重引用符で囲まないでください。一重引用符で囲むと、リテラルを文字リテラルとして表現することになります。

次の数値リテラルがあります。

整数リテラル

整数定数をリテラルとして表現するには、整数をSQL文の一部として入力します(たとえば、SELECTリスト内で入力します)。整数の前にプラス記号(+)かマイナス記号(-)を付けると、その整数がそれぞれ正の数であるか負の数であるかを示すことができます。記号なしの整数は正の数とみなされます。

例 

234
+2
567934
小数リテラル

小数リテラルを表現するには、小数を入力します。小数の前にプラス記号(+)かマイナス記号(-)を付けると、その小数がそれぞれ正の数であるか負の数であるかを示すことができます。記号なしの小数は正の数とみなされます。

例 

1.223
-22.456
+33.456789
浮動小数点リテラル

浮動小数点数をリテラル定数として表現するには、小数リテラルの後に、文字E(大文字と小文字のどちらでも可)と、指数が正か負かを示すためのプラス記号(+)またはマイナス記号(-)を続けて入力します。整数部、文字Eおよび指数の符号の間に空白は許可されません。

例 

333.456E-
1.23e+

変数

SQL文に変数を使用および設定できます。これを行うには、SQL文の先頭に変数を指定します。

構文 

SET VARIABLE variable_name = variable_value; SELECT_statement

nqcmdユーティリティの問合せを実行する場合、デリミタとしてコロンを使用します。その他の場合には、セミコロンまたはコロンを使用できます。

例 

SET VARIABLE LOGLEVEL = 3; SELECT Products.Brand, Measures.Dollars FROM "Products"

SET VARIABLE DISABLE_CACHE_HIT=1, LOGLEVEL = 3, WEBLANGUAGE='en': SELECT
Products.Brand, Measures.Dollars FROM "Products"

集計関数、集計実行関数および時系列関数

この項では、集計関数、集計実行関数および時系列関数について説明します。

集計関数

集計関数は、複数の値に対して操作を実行しサマリー結果を作成します。

次の集計関数があります。

AGGREGATE AT

指定するレベルに基づいて列を集計します。AGGREGATE ATを使用すると、メジャーの集計がWHERE句に関係なく、常にキーワード ATの後に指定したレベルで確実に実行されます。

構文 

AGGREGATE(expr AT level [, level1, levelN])

説明:

exprは、1つ以上のメジャー列を参照する任意の式です。

levelは、集計するレベルです。オプションで、複数のレベルを指定できます。

1番目の引数で指定したメジャーのメジャー・レベルとして使用されるレベルを含むディメンションのレベルを指定できません。たとえば、「month」は「yearly_sales」のメジャー・レベルとして使用される同じ時間ディメンションからのものであるため、この関数でAGGREGATE(yearly_sales AT month)と指定することはできません。

例 

次に、AGGREGATE AT関数と実行結果の例を示します。

SELECT month, year, AGGREGATE(sales AT Year)FROM timeseriestestingWHERE year = 1994 AND month = 12

結果:

Month    Year    AGGREGATE AT year12       1994    7396Row count: 1

AGGREGATE AT演算子は常に述語の前に実行されるため、キーワード ATの後に指定された時間レベルの正確な合計を常に返します。

AVG

結果セット内で式の平均値を計算します。引数として数値式を指定する必要があります。

AVGの分母は集計された列数であることに注意してください。このため、通常、Oracle Business Intelligenceの計算でAVG(x)を使用するには誤りです。かわりに、分子と分母の両方(x/y)を制御できるように式を手動で指定してください。

構文 

AVG(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

AVGDISTINCT

式のすべての個別の値の平均を計算します。引数として数値式を指定する必要があります。

構文 

AVG(DISTINCT numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

BOTTOMN

式引数の最下位のnの値を1からn番目までランク付けします。1が最下位の数値です。BOTTOMN関数は、結果セットに返される値を操作します。リクエストには、BOTTOMN式を1つのみ含めることができます。

構文 

BOTTOMN(numExpr, integer)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

integerは任意の正の整数です。結果セットに表示されるランキングの最下位数を表し、1が最低ランクです。

COUNT

式のNULL以外の値を含む行数を計算します。通常、式は列名です。その場合、その列のNULL以外の値を含む行数が返されます。

構文:

COUNT(expr)

説明:

exprは任意の式です。

COUNTDISTINCT

個別の処理をCOUNT関数に追加します。

構文 

COUNT(DISTINCT expr)

説明:

exprは任意の式です。

COUNT(*)

行数をカウントします。

構文 

COUNT(*)

例 

たとえば、Factsという表に200,000,000行あった場合、サンプル・リクエストでは次のような結果が返されます。

SELECT COUNT(*) FROM Facts

結果:

200000000

MAX

数値式引数に一致する行の最大値(最も高い数値)を計算します。

構文 

MAX(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

MEDIAN

数値式引数に一致する行のメジアン(中央)値を計算します。偶数行がある場合、メジアンは2つの中央行の平均です。通常、この関数はdouble値を返します。

構文 

MEDIAN(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

MIN

数値式引数に一致する行の最小値(最も低い数値)を計算します。

構文 

MIN(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

NTILE

ユーザー指定範囲内での値のランクを決定します。範囲内のランクを示す整数が返されます。つまり、結果のソートされたデータ・セットは、各タイルにほぼ同数の値がある複数のタイルに分割されます。

numTiles = 100を指定したNTileは、一般に「パーセンタイル」(1から100までの範囲の数値で、100がこの分割の最高値)と呼ばれる値を返します。この値はOracle BI PERCENTILE関数の結果とは異なります。この関数は、SQL 92では「パーセント・ランク」というもので、0から1の値を返します。

構文 

NTILE(numExpr, numTiles)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

numTilesは、タイルの数を表すNULL以外の正の整数です。

numExpr引数がNULLではない場合、この関数はリクエストした範囲内のランクを表す整数を返します。

PERCENTILE

数値式引数に一致する各値のパーセント・ランクを計算します。パーセンタイル・ランクの範囲は、0(1番目のパーセンタイル)から1(100番目のパーセンタイル)です。

パーセンタイルは結果セットの値に基づいて計算されます。

構文 

PERCENTILE(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

RANK

数値式引数に一致する各値のランクを計算します。最も高い数にはランク1が割り当てられ、次に続くランクには2、3、4などの連続した整数が割り当てられます。ある値が等しい場合、同じランクが割り当てられます(例: 1、1、1、4、5、5、7...)。

ランクは結果セットの値に基づいて計算されます。

構文 

RANK(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

STDDEV

値のセットの標準偏差が返されます。通常、戻り型はdoubleです。STDEV_SAMPSTDDEVの類義語です。

構文 

STDDEV([ALL | DISTINCT] numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

ALLが指定されると、セット内のすべてのデータに対して標準偏差が計算されます。

DISTINCTが指定されると、計算のすべての偏差は無視されます。

何も指定しない(デフォルト)場合、すべてのデータが考慮されます。

STDDEV_POP

母分散と標準偏差の計算式を使用して、値のセットの標準偏差が返されます。

構文 

STDDEV_POP([ALL | DISTINCT] numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

ALLが指定されると、セット内のすべてのデータに対して標準偏差が計算されます。

DISTINCTが指定されると、計算のすべての偏差は無視されます。

何も指定しない(デフォルト)場合、すべてのデータが考慮されます。

SUM

数値式引数に一致するすべてのデータを加算して得られる合計を計算します。

構文 

SUM(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

SUMDISTINCT

数値式引数に一致するすべての値を個別に加算して得られる合計を計算します。

構文 

SUM(DISTINCT numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

TOPN

式引数の最上位のnの値を1からn番目までランク付けします。1が最上位の数値です。TOPN関数は、結果セットに返される値を操作します。リクエストには、TOPN式を1つのみ含めることができます。

構文 

TOPN(numExpr, integer)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

integerは任意の正の整数です。結果セットに表示されるランキングの最上位数を表し、1が最高ランクです。

集計実行関数

集計実行関数は、入力として一連のレコードを取得するという点で集計関数と似ていますが、一連のレコード全体に対して単一の集計を出力するかわりに、そこまでに処理されたレコードに基づく集計を出力します。

この項では、Oracle BIサーバーでサポートされている集計実行関数について説明します。次の関数があります。

MAVG

現在の行を含めて、結果セットのデータの最後のn行の移動平均を計算します。

最初の行の平均は、最初の行の数値式と同じです。2番目の行の平均は、最初の2つの行のデータ平均を取得することで計算されます。3番目の行の平均は、最初の3つの行のデータ平均を取得することで計算されます。このようにn番目の行に到達するまで同様に実行されます。平均は最後のn行のデータに基づいて計算されます。

構文 

MAVG(numExpr, integer)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

integerは任意の正の整数です。最後のn行のデータ平均を表します。

MSUM

現在の行を含めて、データの最後のn行の移動合計を計算します。

最初の行の合計は、最初の行の数値式と同じです。2番目の行の合計は、最初の2つの行のデータ合計を取得することで計算されます。3番目の行の合計は、最初の3つの行のデータ合計を取得することで計算され、同様に続いて実行されます。n番目の行に到達すると、合計は最後のn行のデータに基づいて計算されます。

構文 

MSUM(numExpr, integer)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

integerは任意の正の整数です。最後のn行のデータ平均を表します。

例 

この例では、MSUM関数を使用する問合せと問合せ結果を示します。

select month, revenue, MSUM(revenue, 3) as 3_MO_SUM from sales_subject_area

結果:

MONTH    REVENUE    3_MO_SUM
JAN      100.00     100.00
FEB      200.00     300.00
MAR      100.00     400.00
APRIL    100.00     400.00
MAY      300.00     500.00
JUNE     400.00     800.00
JULY     500.00     1200.00
AUG      500.00     1400.00
SEPT     500.00     1500.00
OCT      300.00     1300.00
NOV      200.00     1000.00
DEC      100.00     600.00

RSUM

そこまでに処理されたレコードに基づいて累計を計算します。最初の行の合計は、最初の行の数値式と同じです。2番目の行の合計は、最初の2つの行のデータ合計を取得することで計算されます。3番目の行の合計は、最初の3つの行のデータ合計を取得することで計算され、同様に続いて実行されます。

構文 

RSUM(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

アンサーでは、次の代替構文も使用できます。

RSUM(expression1 [BY expression2[, expression3[, ...]]])

説明:

expression1, expression2, expression3 ...は、任意の列参照または列参照での算術式です。

BY句により、RSUMの計算はBY列のいずれかの値が前の行と異なる行で再度開始します。

例 

この例では、RSUM関数を使用する問合せと問合せ結果を示します。

SELECT month, revenue, RSUM(revenue) as RUNNING_SUM from sales_subject_area

結果:

MONTH    REVENUE    RUNNING_SUM
JAN      100.00     100.00
FEB      200.00     300.00
MAR      100.00     400.00
APRIL    100.00     500.00
MAY      300.00     800.00
JUNE     400.00     1200.00
JULY     500.00     1700.00
AUG      500.00     2200.00
SEPT     500.00     2700.00
OCT      300.00     3000.00
NOV      200.00     3200.00
DEC      100.00     3300.00

RCOUNT

入力として一連のレコードを取得して、そこまでに処理されたレコード数をカウントします。

構文 

RCOUNT(expr)

説明:

exprは任意のデータ型の式です。

アンサーでは、次の代替構文も使用できます。

RCOUNT(expression1 [BY expression2[, expression3[, ...]]])

説明:

expression1, expression2, expression3 ...は、任意の列参照または列参照での算術式です。

BY句により、RCOUNTの計算はBY列のいずれかの値が前の行と異なる行で再度開始します。

例 

この例では、RCOUNT関数を使用する問合せと問合せ結果を示します。

select month, profit, RCOUNT(profit) from sales_subject_area where profit > 200

結果:

MONTH    PROFIT    RCOUNT(profit)
MAY      300.00    2
JUNE     400.00    3
JULY     500.00    4
AUG      500.00    5
SEPT     500.00    6
OCT      300.00    7

RMAX

入力として一連のレコードを取得して、そこまでに処理されたレコードに基づいて最大値を表示します。指定するデータ型はソートできるデータ型である必要があります。

構文 

RMAX(expr)

説明:

exprは任意のデータ型の式です。データ型は関連付けられたソート順を持つデータ型である必要があります。

アンサーでは、次の代替構文も使用できます。

RMAX(expression1 [BY expression2[, expression3[, ...]]])

説明:

expression1, expression2, expression3 ...は、任意の列参照または列参照での算術式です。

BY句により、RMAXの計算はBY列のいずれかの値が前の行と異なる行で再度開始します。

例 

この例では、RMAX関数を使用する問合せと問合せ結果を示します。

SELECT month, profit, RMAX(profit) from sales_subject_area

結果:

MONTH    PROFIT    RMAX(profit)
JAN      100.00    100.00
FEB      200.00    200.00
MAR      100.00    200.00
APRIL    100.00    200.00
MAY      300.00    300.00
JUNE     400.00    400.00
JULY     500.00    500.00
AUG      500.00    500.00
SEPT     500.00    500.00
OCT      300.00    500.00
NOV      200.00    500.00
DEC      100.00    500.00

RMIN

入力として一連のレコードを取得して、そこまでに処理されたレコードに基づいて最小値を表示します。指定するデータ型はソートできるデータ型である必要があります。

構文 

RMIN(expr)

説明:

exprは任意のデータ型の式です。データ型は関連付けられたソート順を持つデータ型である必要があります。

アンサーでは、次の代替構文も使用できます。

RMIN(expression1 [BY expression2[, expression3[, ...]]])

説明:

expression1, expression2, expression3 ...は、任意の列参照または列参照での算術式です。

BY句により、RMINの計算はBY列のいずれかの値が前の行と異なる行で再度開始します。

例 

この例では、RMIN関数を使用する問合せと問合せ結果を示します。

select month, profit, RMIN(profit) from sales_subject_area

結果:

MONTH    PROFIT    RMIN(profit)
JAN      400.00    400.00
FEB      200.00    200.00
MAR      100.00    100.00
APRIL    100.00    100.00
MAY      300.00    100.00
JUNE     400.00    100.00
JULY     500.00    100.00
AUG      500.00    100.00
SEPT     500.00    100.00
OCT      300.00    100.00
NOV      200.00    100.00
DEC      100.00    100.00

時系列関数

時系列関数は、時系列的なディメンションを操作します。時系列関数は、標準のSQLデータ操作関数ではなく、ユーザー指定のカレンダ表に基づいてAGO関数、TODATE関数およびPERIODROLLING関数を計算します。

特定のディメンションに時系列関数を使用するには、時間ディメンションとしてディメンションを指定し、1つ以上のキーを1つ以上のレベルで時系列キーとして設定する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』を参照してください。

次の関数があります。

AGO

現在の時刻から指定された期間に遡って集計値を計算する時系列集計関数です。たとえば、AGOを使用すると、現四半期の各月の売上および対応する1つ前の四半期の売上を生成できます。

時系列関数は、関数のレベル以下の時間ディメンションのメンバーを操作します。そのため、指定されたレベル以下のメンバーを一意に識別する列が1つ以上、問合せに計画されている必要があります。または、問合せに対して、指定されたレベル以下の単一のメンバーを指定するフィルタを適用できます。関数のレベルの詳細は、AGO関数レベルについてを参照してください。

すべてのAGO関数で同じレベルの引数を使用する場合、複数のAGO関数をネストできます。TODAT関数とAGO関数がそれぞれ同じレベルの引数を使用する場合は、1つのTODATE関数と複数のAGO関数を正しくネストできます。

構文 

AGO(expr, [time_level], offset)

説明:

exprは、1つ以上のメジャー列を参照する式です。

time_levelはオプションの引数で、四半期、月、年などの期間のタイプを指定します。

アンサーには、time_levelのプレゼンテーション階層からプレゼンテーション・レベルを指定します。

offsetは、時間的推移を表す整数リテラルです。

例 

次の例では、昨年の売上が返されます。

SELECT Year_ID, AGO(sales, year, 1)
AGO関数レベルについて

AGO関数のレベルは、[time_level]引数を使用して明示的に指定することをお薦めします。

[time_level]引数を明示的に指定しない場合、デフォルトのレベルは次のように決定されます:

  • 式で使用されるメジャーが(管理ツールで設定したように)時間ディメンションのレベル・ベースのメジャーである場合は、同じレベルがデフォルトのAGOレベルとみなされます。

  • それ以外の場合、式で使用されるメジャーの粒度は、論理リクエストに表示されているメジャーのBY句の判断に従って、デフォルトのAgoレベルになります。

    たとえば、次の問合せの結果:

    SELECT year, AGO(sales, 1) WHERE quarter=1
    

    これは、次のように解釈されます。

    SELECT year, AGO(sales, year_level, 1) WHERE quarter=1
    

指定の問合せに対するデフォルトのAGOレベルは、問合せログの論理リクエスト・セクションで確認できます。

PERIODROLLING

x単位の時間から始まり、現在の時刻からy単位の時間で終わる期間のメジャーの合計を計算します。たとえば、PERIODROLLINGを使用して、現在の四半期前の特定の四半期で始まり、現在の四半期後の特定の四半期で終わる期間の売上を計算できます。

時系列関数は、関数のレベル以下の時間ディメンションのメンバーを操作します。そのため、指定されたレベル以下のメンバーを一意に識別する1つ以上の列が問合せに計画されている必要があります。または、問合せに対して、指定されたレベル以下の単一のメンバーを指定するフィルタを適用できます。関数のレベルの詳細は、「PERIODROLLING関数で使用されるレベルの決定」を参照してください。

PERIODROLLING関数内に、AGO関数とTODATE関数をネストできません。また、PERIODROLLINGFIRSTFIRST_PERIODLASTおよびLAST_PERIOD関数はネストできません。

PERIODROLLING内に他の集計関数(RANKTOPNPERCENTILEFILTERRSUMなど)を含めると、PERIODROLLING関数は内側にプッシュされます。たとえば、PERIODROLLING(TOPN(measure))は、TOPN(PERIODROLLING(measure))として実行されます。

構文 

PERIODROLLING(measure, x ,y [,hierarchy])

説明:

measureは、メジャー列の名前です。

xは、現在の時刻からのオフセットを指定する整数です。過去に遡るオフセットを示すには、整数の前にマイナス記号(-)を付けます。

yは、この関数が計算する時間単位の数を指定します。現在の時刻を指定するには、0を入力します。

hierarchyは、yr、mon、dayなど、時間ウィンドウの計算に使用する時間ディメンション内の階層の名前を指定するオプションの引数です。このオプションは、時間ディメンション内に複数の階層がある場合、または複数の時間ディメンションを区別する場合に便利です。

最大限にロール・バックまたはロール・フォワードする場合は、キーワードUNBOUNDを使用します。たとえば、関数PERIODROLLING (measure, -UNBOUND, 0)では、世の初めから現在に至るまでの期間で合計されます。

PERIODROLLING関数とAGGREGATE AT関数を組み合せて、PERIODROLLING関数のレベルを明示的に指定できます。たとえば、問合せレベルは日ですが、前月と当月の合計を検索する場合は、次のように指定します。

SELECT year, month, day, PERIODROLLING(AGGREGATE(sales AT month), -1)

例 

SELECT Month_ID, PERIODROLLING(monthly_sales, -1, 1)

SELECT Month_ID, PERIODROLLING(monthly_sales, -UNBOUND, 2)

SELECT Month_ID, PERIODROLLING(monthly_sales, -UNBOUND, UNBOUND)
PERIODROLLING関数で使用されるレベルの決定

PERIODROLLING関数に使用される時間単位(オフセット)は関数のレベルと呼ばれます。この値は、最初の引数内のメジャーのメジャー・レベル、および関数が属する問合せの問合せレベルによって決定されます。管理ツールにメジャーのメジャー・レベルを設定できます。関数に使用されるメジャーのメジャー・レベルが設定されている場合、そのメジャー・レベルが関数のレベルとして使用されます。メジャー・レベルは、関数のストレージ単位とも呼ばれます。

管理ツールにメジャー・レベルが設定されていない場合は、問合せレベルが使用されます。問合せレベルは、関数の問合せ単位とも呼ばれます。次の例では、問合せレベルは月ですが、PERIODROLLING関数では、3月から4月までの各市の先月、当月、次月の合計が計算されます。

SELECT year, month, country, city, PERIODROLLING(sales, -1, 1)
WHERE month in ('Mar', 'Apr') AND city = 'New York' 

時間ディメンションに複数の階層がある場合は、PERIODROLLING関数内でhierarchy引数を指定する必要があります。例:

SELECT year, fiscal_year, month, PERIODROLLING(sales, -1, 1, "fiscal_time_hierarchy")

この例では、PERIODROLLING関数のレベルはfiscal_yearです。

TODATE

指定された期間の最初から現在の表示時刻までのメジャーを集計する時系列集計関数です。たとえば、この関数を使用すると、過去1年間の売上を計算できます。

時系列関数は、関数で指定されたレベル以下の時間ディメンションのメンバーに対して機能します。そのため、指定されたレベル以下のメンバーを一意に識別する1つ以上の列が、問合せに計画されている必要があります。または、問合せに対して、指定されたレベル以下の単一のメンバーを指定するフィルタを適用できます。

別のTODATE関数内に、TODATE関数をネストできません。TODAT関数とAGO関数がそれぞれ同じレベルの引数を使用する場合は、1つのTODATE関数と複数のAGO関数を正しくネストできます。

TODATEは、一部のデータベースでサポートされているTO_DATE SQL関数とは異なります。TO_DATEを使用して、DATEデータ型に変更しないでください。かわりに、CAST関数を使用します。詳細は、「CAST」を参照してください。

構文 

TODATE(expr, time_level)

説明:

exprは、1つ以上のメジャー列を参照する式です。

time_levelは、四半期、月、年などの期間のタイプです。

例 

次の例は、年初から今月までの売上を返します。

SELECT Year_ID, Month_ID, TODATE(sales, year)

文字列関数

文字列関数は様々な文字操作を行い、文字列に対して動作します。次の関数があります。

ASCII

単一文字列を、0から255の対応するASCIIコードに変換します。文字式が複数の文字に評価される場合は、式の最初の文字に対応するASCIIコードが返されます。

構文 

ASCII(strExpr)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

BIT_LENGTH

指定された文字列の長さをビット単位で返します。各Unicode文字の長さは2バイトです(16ビットに相当)。

構文 

BIT_LENGTH(strExpr)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

CHAR

0から255の数値を、ASCIIコードに対応する文字値に変換します。

構文 

CHAR(numExpr)

説明:

numExprは、0から255の数値に評価される任意の式です。

CHAR_LENGTH

指定された文字列の長さを文字数で返します。先頭と末尾の空白は、文字列の長さとして計算されません。

構文 

CHAR_LENGTH(strExpr)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

CONCAT

この関数には2つの形式があります。最初の形式は、2つの文字列を連結します。2番目の形式は、文字列の連結文字を使用して、3つ以上の文字列を連結します。

形式1(2つの文字列を連結する場合)の構文 

CONCAT(strExpr1, strExpr2)

説明:

strExprsは、カンマで区切られた文字列に評価される任意の式です。

例 

この例では、リクエストに対して返される結果が示されています。

SELECT DISTINCT CONCAT('abc', 'def') FROM employee
CONCAT('abc', 'def')

結果:

abcdef

形式2(3つ以上の文字列を連結する場合)の構文 

CONCAT(strExpr1, strExpr2 || strExpr3)

説明:

strExprsは文字列に評価される式で、カンマおよび文字列連結演算子||(2本の縦棒)で区切って指定します。最初に、strExpr2strExpr3が連結されて中間の文字列が生成されます。次に、CONCAT文字列によってstrExpr1とこの中間の文字列が連結されて最終の文字列が生成されます。

例 

この例では、リクエストに対して返される結果が示されています。

SELECT DISTINCT CONCAT('abc','def' || 'ghi') FROM employee

結果:

abcdefghi

INSERT

指定された文字列を、別の文字列の指定された場所に挿入します。

構文 

INSERT(strExpr1, integer1, integer2, strExpr2)

説明:

strExpr1は、文字列に評価される任意の式です。ターゲットの文字列を示します。

integer1は、2番目の文字列が挿入される、ターゲットの文字列の先頭からの文字数を表す任意の正の整数です。

integer2は、2番目の文字列によって置換される、ターゲットの文字数を表す任意の正の整数です。

strExpr2は、文字列に評価される任意の式です。ターゲットの文字列に挿入される文字列を示します。

例 

最初の文字列の2番目の位置(数値2に該当)から開始し、3つの文字(数値23および4)が文字列abcdに置換されます。

SELECT INSERT('123456', 2, 3, 'abcd') FROM table

結果:

1abcd56
1abcd56
...

LEFT

文字列の左側から、指定された文字数を返します。

構文 

LEFT(strExpr, integer)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

integerは、文字列の左側から返す文字数を表す任意の正の整数です。

例 

この例では、文字列123456の左端から3文字が返されます。

SELECT LEFT('123456', 3) FROM table

結果:

123
123
...

LENGTH

指定された文字列の長さを文字数で返します。末尾の空白文字を除いた長さが返されます。

構文 

LENGTH(strExpr)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

LOCATE

別の文字列での文字列の数値位置を返します。文字列が検索される文字列で見つからない場合、関数は値0を返します。

検索の開始位置を指定する場合は、整数の引数を含めます。返される数値位置は、整数の引数の値に関係なく、文字列内の最初の文字位置を1として数えることで決定されます。

構文 

LOCATE(strExpr1, strExpr2 [, integer])

説明:

strExpr1は、文字列に評価される任意の式です。検索する文字列を示します。

strExpr2は、文字列に評価される任意の式です。検索される文字列を示します。

integerは、文字列の検索を開始する位置を表す任意の正(ゼロ以外)の整数です。整数の引数はオプションです。

例 

この例では、文字列abcdefで文字dの数値位置として4が返されます。

LOCATE('d', 'abcdef')

この例では、検索される文字列内で文字gが見つからないため、0が返されます。

LOCATE('g', 'abcdef')

この例では、文字列abcdefで文字dの数値位置として4が返されます。検索は、文字列の3番目の文字であるcから開始されます。返される数値位置は、文字aの位置を1として数えることで決定されます。

LOCATE('d' 'abcdef', 3)

この例では、文字列内で、文字bが検索の開始位置の前にあるため、0が返されます。

LOCATE('b' 'abcdef', 3)

LOWER

文字列を小文字に変換します。

構文 

LOWER(strExpr)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

OCTET_LENGTH

指定された文字列のビット数を、基数8の単位(バイト数)で返します。

構文 

OCTET_LENGTH(strExpr)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

POSITION

文字式でのstrExpr1の数値位置を返します。strExpr1が見つからない場合、関数は0を返します。関連情報は、「LOCATE」も参照してください。

構文 

POSITION(strExpr1 IN strExpr2)

説明:

strExpr1は、文字列に評価される任意の式です。ターゲット文字列で検索する文字列を示します。

strExpr2は、文字列に評価される任意の式です。検索されるターゲット文字列を示します。

例 

この例では、文字列abcdefで文字dの位置として4が返されます。

POSITION('d', 'abcdef')

この例では、文字列123456で数値9が見つからないため、数値9の位置として0が返されます。

POSITION('9', '123456')

REPEAT

指定された式をn回繰り返します。

構文 

REPEAT(strExpr, integer)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

integerは、文字列を繰り返す回数を表す任意の正の整数です。

例 

この例では、abcを4回繰り返します。

REPEAT('abc', 4)

REPLACE

指定された文字式の1つ以上の文字を、別の1つ以上の文字で置換します。

構文 

REPLACE(strExpr1, strExpr2, strExpr3)

説明:

strExpr1は、文字列に評価される任意の式です。これは、文字が置換される文字列です。

strExpr2は、文字列に評価される任意の式です。この2番目の文字列は、1番目の文字列で置換される文字を示します。

strExpr3は、文字列に評価される任意の式です。この3番目の文字列は、1番目の文字列内に代入する文字を指定します。

例 

文字列abcd1234の文字123が文字列zzで置換されます。

Replace('abcd1234', '123', 'zz')

結果:

abcdzz4

RIGHT

文字列の右側から、指定された文字数を返します。

構文 

RIGHT(strExpr, integer)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

integerは、文字列の右側から返す文字数を表す任意の正の整数です。

例 

この例では、文字列123456の右端から3文字が返されます。

SELECT right('123456', 3) FROM table

結果:

456

SPACE

空白を挿入します。

構文 

SPACE(integer)

説明:

integerは、挿入する空白の数を示す任意の正の整数です。

SUBSTRING

元の文字列内に、固定された文字数から始まる新しい文字列を作成します。

構文 

SUBSTRING(strExpr FROM starting_position)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

starting_positionは、処理の開始位置を示す文字列の左端の開始からの文字数を表す任意の正の整数です。

TRIMBOTH

指定された文字を文字列の冒頭と末尾から削除します。

構文 

TRIM(BOTH character FROM strExpr)

説明:

characterは任意の単一文字です。文字の指定(および必須の一重引用符)を省略すると、空白文字がデフォルトで使用されます。

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

TRIMLEADING

指定された文字を文字列の冒頭から削除します。

構文 

TRIM(LEADING character FROM strExpr)

説明:

characterは任意の単一文字です。文字の指定(および必須の一重引用符)を省略すると、空白文字がデフォルトで使用されます。

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

TRIMTRAILING

指定された文字を文字列の末尾から削除します。

構文 

TRIM(TRAILING character FROM strExpr)

説明:

characterは任意の単一文字です。文字の指定(および必須の一重引用符)を省略すると、空白文字がデフォルトで使用されます。

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

UPPER

文字列を大文字に変換します。

構文 

UPPER(strExpr)

説明:

strExprは、文字列に評価される任意の式です。

算術関数

算術関数は、数学的な操作を実行します。次の関数があります。

ABS

数式の絶対値を計算します。

構文 

ABS(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

ACOS

数式の逆余弦を計算します。

構文 

ACOS(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

ASIN

数式の逆正弦を計算します。

構文 

ASIN(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

ATAN

数式の逆正接を計算します。

構文 

ATAN(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

ATAN2

y/xの逆正接を計算します。ここでyは最初の数式、xは2番目の数式です。

構文 

ATAN2(numExpr1, numExpr2)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

CEILING

整数でない数式を、次に高い整数に丸めます。数式が整数に評価される場合、CEILING関数はその整数を返します。

構文 

CEILING(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

COS

数式の余弦を計算します。

構文 

COS(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

COT

数式の余接を計算します。

構文 

COT(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

DEGREES

式をラジアンから度に変換します。

構文 

DEGREES(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

EXP

値を指定された値でべき乗します。

構文 

EXP(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

EXTRACTBIT

整数内の特定の位置にあるビットを取得します。そのビットに対応する0か1の整数が返されます。この機能は、主にHyperion Financial Managementのキューブ・ソースで「セル・ステータス」を抽出する際に使用されます。EXTRACTBIT関数をいかなるデータベースにもプッシュすることはできません。この関数は常に、内部的に(Oracle BI Serverで)実行されます。

構文

Int ExtractBit(Arg1, Arg2)

説明:

Arg1は、INT型、SMALLINT型、UNIT型、SMALLUNIT型、TINYINT型、またはTINYUNIT型の式です。Arg1がdouble型である場合、最初に列をINTにキャストする必要があります。

Arg2はINT型の式です。値は1からlength_of_Arg1の範囲である必要があります。1を指定すると最下位ビットを取得します。Arg2が整数の長さを超える場合は、0が返されます。Arg2が1より小さいときは、エラー・メッセージがトリガーされます。

FLOOR

整数でない数式を、次に低い整数値に丸めます。数式が整数に評価される場合、FLOOR関数はその整数を返します。

構文 

FLOOR(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

LOG

式の自然対数を計算します。

構文 

LOG(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

LOG10

式の対数(基数10)を計算します。

構文 

LOG10(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

MOD

最初の数式を2番目の数式で除算し、商の剰余を返します。

構文 

MOD(numExpr1, numExpr2)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

例 

この例では、リクエストに対して値0が返されます。

MOD(9, 3)

この例では、リクエストに対して値1が返されます。

MOD(10, 3)

PI

パイ(円周を円の直径で割った率)の定値を返します。

構文 

PI()

POWER

最初の数式を、2番目の数式で指定された値でべき乗します。

構文 

POWER(numExpr1, numExpr2)

説明:

numExpr1は、数値に評価される任意の式です。

RADIANs

式を度からラジアンに変換します。

構文 

RADIANS(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

RAND

0から1の擬似乱数を返します。

構文 

RAND()

RANDFROMSEED

シード値に基づいた擬似乱数を返します。特定のシード値に対して、乱数の同一のセットが生成されます。

構文 

RAND(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

ROUND

数式をn桁の精度まで丸めます。

構文 

ROUND(numExpr, integer)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

integerは、丸める精度の桁数を表す任意の正の整数です。

例 

この例では、結果として2.17が返されます。

ROUND(2.166000, 2)

SIGN

この関数では、次のように値が返されます。

  • 引数に指定した数式が正数に評価される場合は値1を返します。

  • 引数に指定した数式が負数に評価される場合は値-1を返します。

  • 0(ゼロ)に評価される場合は値0を返します。

構文 

SIGN(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

SIN

数式の正弦を計算します。

構文 

SIN(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

SQRT

引数に指定した数式の平方根を計算します。数式は、負数でない数値に評価される必要があります。

構文 

SQRT(numExpr)

説明:

numExprは、負数でない数値に評価される任意の式です。

TAN

数式の正接を計算します。

構文 

TAN(numExpr)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

TRUNCATE

小数を切捨てて、小数点から指定された桁数の数値を返します。

構文 

TRUNCATE(numExpr, integer)

説明:

numExprは、数値に評価される任意の式です。

integerは、小数位の右側から返す文字数を表す任意の正の整数です。

例 

この例では45.12が返されます。

TRUNCATE(45.12345, 2)

この例では25.12が返されます。

TRUNCATE(25.126, 2)

カレンダ日付/時刻関数

カレンダ日付/時刻関数は、暦年に基づいてデータ型DATEおよびDATETIMEのデータを操作します。これらの関数を他の列とともに選択する必要があります。関数のみを選択することはできません。次の関数があります。

CURRENT_DATE

現在の日付を返します。日付はOracle BIサーバーを実行しているシステムによって決定されます。

構文 

CURRENT_DATE

CURRENT_TIME

現在の時刻を返します。時刻はOracle BIサーバーを実行しているシステムによって決定されます。

構文 

CURRENT_TIME(integer)

説明:

integerは、小数秒を表示する精度の桁数を表す任意の整数です。この引数の指定はオプションです。引数を指定しない場合は、デフォルトの精度で時刻が返されます。

CURRENT_TIMESTAMP

現在の日付/タイムスタンプを返します。タイムスタンプはOracle BIサーバーを実行しているシステムによって決定されます。

構文 

CURRENT_TIMESTAMP(integer)

説明:

integerは、小数秒を表示する精度の桁数を表す任意の整数です。この引数の指定はオプションです。引数を指定しない場合は、デフォルトの精度で時刻が返されます。

DAY_OF_QUARTER

指定された日付について、四半期の通算日に対応する数字(1から92)を返します。

構文 

DAY_OF_QUARTER(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

DAYNAME

指定された日付の曜日を返します。

構文 

DAYNAME(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

DAYOFMONTH

指定された日付について、月の通算日に対応する数字を返します。

構文 

DAYOFMONTH(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

DAYOFWEEK

指定された日付について、曜日(日曜日から土曜日)に対応する1から7の数字を返します。たとえば、数字1は日曜日に対応し、数字7は土曜日に対応します。

構文 

DAYOFWEEK(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

DAYOFYEAR

指定された日付について、年の通算日に対応する数字(1から366)を返します。

構文 

DAYOFYEAR(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

HOUR

指定された時刻について、時間に対応する数字(0から23)を返します。たとえば、0は午前12時に対応し、23は午後11時に対応します。

構文 

HOUR(timeExpr)

説明:

timeExprは、時刻に評価される任意の式です。

MINUTE

指定された時刻について、分に対応する数字(0から59)を返します。

構文 

MINUTE(timeExpr)

説明:

timeExprは、時刻に評価される任意の式です。

MONTH

指定された日付について、月に対応する数字(1から12)を返します。

構文 

MONTH(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

MONTH_OF_QUARTER

指定された日付について、四半期の通算月に対応する数字(1から3)を返します。

構文 

MONTH_OF_QUARTER(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

MONTHNAME

指定された日付の月の名前を返します。

構文 

MONTHNAME(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

NOW

現在のタイムスタンプを返します。NOW関数は、CURRENT_TIMESTAMP関数と同じです。

構文 

NOW()

QUARTER_OF_YEAR

指定された日付について、年の四半期に対応する数字(1から4)を返します。

構文 

QUARTER_OF_YEAR(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

SECOND

指定された時刻について、秒に対応する数字(0から59)を返します。

構文 

SECOND(timeExpr)

説明:

timeExprは、時刻に評価される任意の式です。

TIMESTAMPADD

指定されたタイムスタンプに、指定された間隔の数を加算します。単一のタイムスタンプを返します。

この関数の最も簡単なシナリオでは、指定された整数値が、間隔に基づいて適切なタイムスタンプ・コンポーネントに加算されます。1週は7日として加算され、1四半期は3か月として加算されます。負の整数値を追加すると減算されます(時間を遡ります)。

特定のコンポーネントでオーバーフローが発生する場合(60秒、24時間、12か月を超える場合など)は、次のコンポーネントに適切に値を加算する必要があります。たとえば、タイムスタンプの日のコンポーネントを加算する場合、この関数ではオーバーフローを考慮して、特定月の日数(2月が29日ある、うるう年など)が計算時に確認されます。

タイムスタンプの月のコンポーネントを加算する場合は、結果として生じるタイムスタンプについて、日のコンポーネントの日数が適切であるかどうか検証されます。たとえば、2000-05-31に1か月を加算しても2000-06-31にはなりません。これは、6月には31日がないためです。この例では、日のコンポーネントが月の最後の日に減算され、2000-06-30となります。

同様の問題は、月のコンポーネントが2月、日のコンポーネントが29であるタイムスタンプ(つまり、うるう年の2月の最終日)において、タイムスタンプの年のコンポーネントを加算する場合にも発生します。結果として生じるタイムスタンプがうるう年に該当しない場合は、日のコンポーネントが28に減算されます。

この処理は、Microsoft社のSQL ServerおよびOracle DatabaseのネイティブOCIインタフェースに準拠します。

構文 

TIMESTAMPADD(interval, intExpr, timestamp)

説明:

intervalは指定された間隔です。有効な値は次のとおりです。

  • SQL_TSI_SECOND

  • SQL_TSI_MINUTE

  • SQL_TSI_HOUR

  • SQL_TSI_DAY

  • SQL_TSI_WEEK

  • SQL_TSI_MONTH

  • SQL_TSI_QUARTER

  • SQL_TSI_YEAR

intExprは、整数値に評価される任意の式です。

timestampは任意の有効なタイムスタンプです。この値は計算のベースに使用されます。

NULLの整数式またはNULLのタイムスタンプがこの関数に渡されると、NULL値が返されます。

例 

次の問合せは、2000-02-27 14:30:00に3日を追加したタイムスタンプを求めています。2000年はうるう年であるため、2000-03-01 14:30:00が単一のタイムスタンプとして返されます。

SELECT TIMESTAMPADD(SQL_TSI_DAY, 3, TIMESTAMP'2000-02-27 14:30:00')
FROM Employee WHERE employeeid = 2;

次の問合せは、1999-07-31 0:0:0に7か月を追加したタイムスタンプを求めています。2000-02-29 00:00:00が単一のタイムスタンプとして返されます。2月は短い月であるため、日のコンポーネントが29に減算されていることに注意してください。

SELECT TIMESTAMPADD(SQL_TSI_MONTH, 7, TIMESTAMP'1999-07-31 00:00:00')
FROM Employee WHERE employeeid = 2;

次の問合せは、2000-07-31 23:35:00に25分を追加したタイムスタンプを求めています。2000-08-01 00:00:00が単一のタイムスタンプとして返されます。月のコンポーネントにオーバーフローが伝播されていることに注意してください。

SELECT TIMESTAMPADD(SQL_TSI_MINUTE, 25, TIMESTAMP'2000-07-31 23:35:00')
FROM Employee WHERE employeeid = 2;

TIMESTAMPDIFF

2つのタイムスタンプ間の指定された間隔の合計を返します。

この関数では、最初に、指定された間隔パラメータに対応するタイムスタンプ・コンポーネントが判別されます。次に、両方のタイムスタンプで次に高い順位のコンポーネントが確認され、各タイムスタンプについて間隔の合計数が計算されます。たとえば、指定された間隔が月のコンポーネントに対応する場合は、月のコンポーネントに年のコンポーネントを12回加算することで各タイムスタンプの月の合計数を計算します。次に、最初のタイムスタンプの間隔の合計数を、2番目のタイムスタンプの間隔の合計数から減算します。


注意:

この項では、関数がOracle BIサーバーで計算される際のTIMESTAMPDIFFの動作について説明しています。この関数がデータ・ソースで計算される場合は、この項で説明する動作と異なる場合があります。TIMESTAMPDIFF関数の結果が望ましい結果でない場合は、管理ツールを使用して、データベース・オブジェクトの「機能」タブでTIMESTAMP_DIFF_SUPPORTEDを無効にし、関数が確実にOracle BIサーバーで計算されるようにします。ただし、この変更によってパフォーマンスが低下する可能性があります。


TIMESTAMPDIFF関数では、間隔の小数部が間隔の境界を越える場合は、次の整数に丸められます。たとえば、1999-12-31と2000-01-01の間の年の差は、年の小数部が翌年にまたがるため(1999年から2000年)、1年となります。対照的に、1999-01-01と1999-12-31の間の年の差は、年の小数部が同じ年内に存在するため(1999年)、0年となります。Microsoft SQL Serverでも同様の丸めが発生します。IBM DB2では常に切り捨てられます。

週の差を計算する場合は、差を日数で計算してから、丸める前に7で除算します。また、この関数では、NQSConfig.INIファイルでFIRST_DAY_OF_THE_WEEKパラメータを使用して構成される方法も考慮されます。たとえば、週の開始を日曜日とすると、2000-07-06(木曜日)と2000-07-10(次の月曜日)の週の差は1週間となります。しかし、週の開始を火曜日とすると、間隔の小数部が同じ週内に収まるため、週の差は0週間となります。四半期の差を計算する場合は、差を月数で計算してから、丸める前に3で除算します。

Oracle BIサーバーにより、Microsoft SQL Server、Oracle Database、IBM DB2およびODBCデータベースでは、TIMESTAMPADD関数とTIMESTAMPDIFF関数がデフォルトで有効になっています。

構文 

TIMESTAMPDIFF(interval, timestamp1, timestamp2)

説明:

intervalは指定された間隔です。有効な値は次のとおりです。

  • SQL_TSI_SECOND

  • SQL_TSI_MINUTE

  • SQL_TSI_HOUR

  • SQL_TSI_DAY

  • SQL_TSI_WEEK

  • SQL_TSI_MONTH

  • SQL_TSI_QUARTER

  • SQL_TSI_YEAR

timestamp1およびtimestamp2は任意の有効なタイムスタンプです。

NULLのタイムスタンプのパラメータがこの関数に渡されると、NULL値が返されます。

例 

次の問合せは、タイムスタンプ1998-07-31 23:35:00と2000-04-01 14:24:00の日の差を求めています。値610が返されます。2000年がうるう年であるため、日が1日追加されていることに注意してください。

SELECT TIMESTAMPDIFF
(SQL_TSI_DAY, TIMESTAMP'1998-07-31 23:35:00',TIMESTAMP'2000-04-01 14:24:00')
FROM Employee WHERE employeeid = 2;

WEEK_OF_QUARTER

指定された日付について、四半期の通算週に対応する数字(1から13)を返します。

構文 

WEEK_OF_QUARTER(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

WEEK_OF_YEAR

指定された日付について、年の通算週に対応する数字(1から53)を返します。

構文 

WEEK_OF_YEAR(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

YEAR

指定された日付の年を返します。

構文 

YEAR(dateExpr)

説明:

dateExprは、日付に評価される任意の式です。

変換関数

変換関数は、ある形式から別の形式に値を変換します。また、フィルタでVALUEOF関数を使用して、Oracle BIシステム変数の値を参照することもできます。次の関数があります。

CAST

式またはNULLリテラルのデータ型を別のデータ型に変更します。たとえば、customer_name(CharまたはVarcharのデータ型)またはbirthdate(日時リテラル)をキャストできます。次に、値の変更が可能なサポートされているデータ型を示します。

CHARACTER, VARCHAR, INTEGER, FLOAT, SMALLINT, DOUBLE PRECISION, DATE, TIME,
TIMESTAMP, BIT, BIT VARYING

変更元のデータ型によっては、変更後のデータ型でサポートされないものがあります。たとえば、変更元のデータ型がBIT文字列である場合、変更後のデータ型は文字列または別のBIT文字列である必要があります。

DATEデータ型に変更する場合は、CASTを使用します。TO_DATEを使用しないでください。

次に、CHARデータ型およびVARCHARデータ型の固有の特性を説明します。

  • CHARデータ型へのキャスト。サイズ・パラメータを使用する必要があります。サイズ・パラメータを指定しない場合は、デフォルトの30が追加されます。次に、構文オプションについて示します。

    • 次の構文をお薦めします。

      CAST(expr|NULL AS CHAR(n))
      

      例:

      CAST(companyname AS CHAR(35))
      
    • 次の構文も使用できます。

      CAST(expr|NULL AS data_type)
      

      例:

      CAST(companyname AS CHAR)
      

      注意:

      この構文を使用する場合、Oracle BIサーバーではCAST(expr|NULL AS CHAR(30))として明示的に変換され、格納されます。


  • VARCHARデータ型へのキャスト。サイズ・パラメータを使用する必要があります。サイズ・パラメータを省略すると、変更を保存できません。

例 

CAST(hiredate AS CHAR(40)) FROM employee

SELECT CAST(hiredate AS VARCHAR(40)), CAST(age AS double precision), 
CAST(hiredate AS timestamp), CAST(age AS integer) FROM employee

CAST("db"."."table"."col" AS date)

IFNULL

ある式がNULL値と評価されるかどうかをテストし、評価された場合は、指定された値をその式に割り当てます。

構文 

IFNULL(expr, value)

説明:

exprは、評価される式です。

valueは、式がNULL値と評価された場合に割り当てられる値です。

TO_DATETIME

日時書式の文字列リテラルをDateTimeデータ型に変換します。

構文 

TO_DATETIME('string1', 'DateTime_formatting_string')

説明:

string1は変換する文字列リテラルです。

DateTime_formatting_stringは使用する日時書式です(yyyy.mm.dd hh:mi:ssなど)。この引数では、yyyyは年、mmは月、ddは日、hhは時間、miは分、ssは秒を表しています。

例 

SELECT TO_DATETIME('2009-03-03 01:01:00', 'yyyy-mm-dd hh:mi:ss') FROM snowflakesales

SELECT TO_DATETIME('2009.03.03 01:01:00', 'yyyy.mm.dd hh:mi:ss') FROM snowflakesales

VALUEOF

VALUEOF関数を使用すると、リポジトリ変数の値を参照できます。リポジトリ変数は管理ツールを使用して定義されます。管理ツールの式ビルダーでVALUEOF関数を使用できます。アンサーで「分析」エディタの「詳細設定」タブから分析用のSQL文を編集する場合にも、この関数を使用できます。

構文 

VALUEOF変数の引数には変数を使用する必要があります。静的リポジトリ変数は名前で参照します。変数名では大文字と小文字が区別されることに注意してください。たとえば、prime_beginおよびprime_endという静的リポジトリ変数の値を使用するには、次のように指定します。

CASE WHEN "Hour" >= VALUEOF("prime_begin")AND "Hour" < VALUEOF("prime_end") THEN 'Prime Time' WHEN ... ELSE...END

動的リポジトリ変数は完全修飾名で参照する必要があります。動的リポジトリ変数を使用する場合は、初期化ブロック名とポジトリ変数名を二重引用符(")で囲み、ピリオドで区切って、カッコ内に含める必要があります。たとえば、Region Securityという初期化ブロックに含まれているREGIONという動的リポジトリ変数の値を使用するには、次のような構文を使用します。

SalesSubjectArea.Customer.Region = VALUEOF("Region Security"."REGION")

セッション変数名は、前にNQ_SESSIONを付けて、ピリオドで区切り、カッコで囲む(NQ_SESSION部分を含む)必要があります。変数名に空白が含まれている場合は、名前を二重引用符(")で囲みます。たとえば、REGIONというセッション変数の値を使用するには、式ビルダーまたはフィルタで次のような構文を使用します。

"SalesSubjectArea"."Customer"."Region" = VALUEOF(NQ_SESSION.REGION)

データベース関数

ユーザーおよび管理者は、Oracle BIアンサーからデータベース関数を直接呼び出すか、メタデータ・リポジトリ内の(論理表ソースの)論理列を使用することで、リクエストを作成できます。これらの関数の主な使用方法としては、高度な計算を取得するための式の受渡し機能、基礎となるデータベース上のカスタム書込み関数へのアクセス機能などがあります。

データベース関数のサポートは、現在、すべての多次元ソースまで拡張されていません。また、これらの関数をXMLデータ・ソースと一緒に使用できません。

デフォルトで、EVALUATEファミリのデータベース関数のサポートは無効になっています。EVALUATE*関数のサポートを有効にするには、NQSConfig.INIでEVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータを変更する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。

次の関数があります。

EVALUATE

パラメータとして(オプションの)参照列を使用する、指定されたデータベース関数をバックエンド・データ・ソースに渡して評価します。この関数は、スカラー計算を対象としています。Oracle BIサーバーでサポートされていないが基礎となるデータ・ソースで認識される、専用のデータベース関数を使用する場合に便利です。

この埋込みデータベース関数には、1つ以上の列が必要になる場合があります。これらの列は、関数内で%1 ... %Nによって参照されます。実際の列は、関数の後にリストする必要があります。

デフォルトで、EVALUATEは無効になっており使用できません。この関数のサポートを有効にするには、NQSConfig.INIでEVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータを変更します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。

構文 

EVALUATE('db_function(%1...%N)' [AS data_type] [, column1, columnN])

説明:

db_functionは、基礎となるデータ・ソースで認識される任意の有効なデータベース関数です。

data_typeは、戻り結果のデータ型を指定するオプション・パラメータです。戻りデータ型を入力引数から確実に予測できない場合は常に使用してください。ただし、型のキャストにこのパラメータを使用しないでください。関数が特定のデータ型を返す必要がある場合は、明示的にキャストを指定します。データベース固有の関数はOracle BIサーバーでサポートされていない戻り型を使用しますが、Oracle BIサーバーに返される必要がない中間の結果を生成するために使用されている場合、通常、このパラメータを省略できます。

column1からcolumnNは、列をカンマで区切ったオプションのリストです。

例 

この例では、埋込みデータベース関数を示します。

SELECT EVALUATE('instr(%1, %2)', address, 'Foster City') FROM employees

固有のEssbase関数を活用するEVALUATE_AGGREGATEとEVALUATEの使用例

次の例では、EVALUATE_AGGREGATE関数とEVALUATE関数を使用します。式が、物理キューブを参照する論理表ソースの列に適用されていることに注意してください。EVALUATE_AGGREGATEを使用してカスタム集計を実行します。たとえば、地域収益全体と地域で上位3製品の収益を比較するとします。上位3製品の収益を表す新規メジャーを定義して論理SQL文を作成できます。

SELECT Region, Profit, EVALUATE_AGGREGATE('SUM(TopCount(%1.members, 3, %2), %3)',
Products, Profit, Profit) Top_3_prod_Profit FROM SampleBasic

Oracle BIサーバーで次の式が生成され、カスタム集計が行われます。

member [Measures].[MS1] AS 'SUM(Topcount([Product].Generations(6).members,3,[Measures].[Profit]),[Measures].[Profit])'

計画されたディメンションでEVALUATE関数を使用して、集計後に計算されるスカラー計算を実行します。問合せに含まれないディメンション(または属性)への参照が明示的に定義されている場合、EVALUATEにより問合せの単位を変更できます。

たとえば、ある地域で販売された売上別ランキングで上位5製品の収益を参照する場合、適用可能なメジャーを作成した後に、作成される論理SQL文は次のとおりです。

SELECT Region, EVALUATE('TopCount(%1.members, 5, %2)' as VARCHAR(20), Products, Sales), Profits FROM SampleBasic

Oracle BIサーバーで次の式が生成され、上位5製品を取得します。

set [Evaluate0] as '{Topcount([Product].Generations(6).members,5,[Measures].[Sales]) }'

EVALUATE_ANALYTIC

パラメータとして(オプションで)参照列を使用する、指定されたデータベース分析関数をバックエンド・データ・ソースに渡して評価します。

この埋込みデータベース関数には、1つ以上の列が必要になる場合があります。これらの列は、関数内で%1 ... %Nによって参照されます。実際の列は、関数の後にリストする必要があります。

デフォルトで、EVALUATE_ANALYTICは無効になっており使用できません。この関数のサポートを有効にするには、NQSConfig.INIでEVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータを変更します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。

構文 

EVALUATE_ANALYTIC('db_function(%1...%N)' [AS data_type] [, column1, columnN])

説明:

db_functionは、基礎となるデータ・ソースで認識される任意の有効なデータベース分析関数です。

data_typeは、戻り結果のデータ型を指定するオプション・パラメータです。戻りデータ型を入力引数から確実に予測できない場合は常に使用してください。ただし、型のキャストにこのパラメータを使用しないでください。関数が特定のデータ型を返す必要がある場合は、明示的にキャストを指定します。データベース固有の分析関数はOracle BIサーバーでサポートされていない戻り型を使用しますが、Oracle BIサーバーに返される必要がない中間の結果を生成するために使用されている場合、通常、このパラメータを省略できます。

column1からcolumnNは、列をカンマで区切ったオプションのリストです。

例 

この例では、埋込みデータベース分析関数を示します。

EVALUATE_ANALYTIC('dense_rank() over(order by %1 )' AS INT,sales.revenue)

前述の例でdouble値を返す必要がある場合は、次のようにキャストを明示的に指定する必要があります。

CAST(EVALUATE_ANALYTIC('Rank(%1.dimension.currentmember, %2.members)',
"Foodmart93"."Time"."Month" as Double)

EVALUATE_AGGR

パラメータとして(オプションの)参照列を使用する、指定されたデータベース関数をバックエンド・データ・ソースに渡して評価します。この関数は、GROUP BY句を使用する集計関数を対象としています。

この埋込みデータベース関数には、1つ以上の列が必要になる場合があります。これらの列は、関数内で%1 ... %Nによって参照されます。実際の列は、関数の後にリストする必要があります。

デフォルトで、EVALUATE_AGGRは無効になっており使用できません。この関数のサポートを有効にするには、NQSConfig.INIでEVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータを変更します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。

構文 

EVALUATE_AGGR('db_agg_function(%1...%N)' [AS data_type] [, column1, columnN)

説明:

db_agg_functionは、基礎となるデータ・ソースで認識される任意の有効な集計データベース関数です。

data_typeは、戻り結果のデータ型を指定するオプション・パラメータです。戻りデータ型を入力引数から確実に予測できない場合は常に使用してください。ただし、型のキャストにこのパラメータを使用しないでください。関数が特定のデータ型を返す必要がある場合は、明示的にキャストを指定します。データベース固有の関数はOracle BIサーバーでサポートされていない戻り型を使用しますが、Oracle BIサーバーに返される必要がない中間の結果を生成するために使用されている場合、通常、このパラメータを省略できます。

column1からcolumnNは、列をカンマで区切ったオプションのリストです。

例 

EVALUATE_AGGR('REGR_SLOPE(%1, %2)', sales.quantity, market.marketkey)

EVALUATE_PREDICATE

パラメータとして(オプションの)参照列を使用する、指定されたデータベース関数をバックエンド・データ・ソースに渡して評価します。この関数は、Booleanの戻り型を使用する関数を対象としています。

この埋込みデータベース関数には、1つ以上の列が必要になる場合があります。これらの列は、関数内で%1 ... %Nによって参照されます。実際の列は、関数の後にリストする必要があります。

EVALUATE_PREDICATEは、Essbaseデータ・ソースとの併用はサポートしていません。

デフォルトで、EVALUATE_PREDICATEは無効になっており使用できません。この関数のサポートを有効にするには、NQSConfig.INIでEVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータを変更します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。

構文 

EVALUATE_PREDICATE('db_function(%1...%N)', [, column1, columnN)

説明:

db_functionは、基礎となるデータ・ソースで認識される、Booleanの戻り型を使用する任意の有効なデータベース関数です。

column1からcolumnNは、列をカンマで区切ったオプションのリストです。

比較目的でデータベース関数をモデル化する場合は、EVALUATE_PREDICATEを使用しないでください。かわりに、EVALUATEを使用して、関数外で比較を行います。たとえば、次のようにEVALUATE_PREDICATEを使用しないでください。

EVALUATE_PREDICATE('dense_rank() over (order by 1% ) < 5', sales.revenue)

かわりに、次のようにEVALUATEを使用します。

EVALUATE('dense_rank() over (order by 1% ) ', sales.revenue) < 5

例 

SELECT year, Sales AS DOUBLE,CAST(EVALUATE('OLAP_EXPRESSION(%1,''LAG(units_cube_
sales, 1, time, time LEVELREL time_levelrel)'')', OLAP_CALC) AS DOUBLE) FROM 
"Global".Time, "Global"."Facts - sales" WHERE EVALUATE_PREDICATE('OLAP_
CONDITION(%1, ''LIMIT time KEEP ''''1'''', ''''2'''', ''''3'''', ''''4'''' '') 
=1', OLAP_CALC) ORDER BY year;

システム関数

システム関数は、セッションに関連する値を返します。次の関数があります。

USER

ログオンしているOracle BIリポジトリのユーザー名を返します。

構文 

USER()

DATABASE

デフォルトのサブジェクト・エリアの名前を返します。

構文 

DATABASE()