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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1.1.6.2)
B63034-04
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8 Oracle Business Intelligenceのアップグレード後のタスクと考慮事項

次の各項では、Oracle Business Intelligenceのアップグレード後のタスクと考慮事項について説明します。


注意:

第1章「Oracle BI 10gからBI 11gへのアップグレードの計画」には、この章に記載されているタスクに加えて、その他の考慮事項やアップグレード後に予想されるタスクが記載されています。

使用するOracle Business Intelligence 11gの機能に応じて、第1章の該当する項を確認してからこの章のタスクを実行してください。


8.1 Oracle Business Intelligence Enterprise Editionのアップグレード後のタスクと考慮事項

次の各項では、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(Oracle BI EE)のアップグレード後のタスクと考慮事項について説明します。

8.1.1 アップグレード後は未スケジュール状態のOracle Business Intelligenceエージェント

以前のリリース(11gより前)で、iBot(Oracle Business Intelligence 11gでエージェントと呼ばれているもの)を作成している場合があります。10g iBotから11gエージェントへのアップグレードの詳細は、第1.4.2.5「iBotsのアップグレード」を参照してください。

10gのスケジュールでiBotを使用していて、11gエージェントにアップグレードした場合、初期状態ではエージェントに元のスケジュールは適用されていません。適用するには、11gにスケジューラのスキーマをインポートするか、スケジュールを選択して保存することによってエージェントを再スケジュールする必要があります。

この問題を解決するには、スケジューラのスキーマをアップグレードした後に、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、アップグレードされたスキーマを使用するようにスケジューラが構成されていることを確認します。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のOracle BI Scheduler用のデータベースを作成するためのFusion Middleware Controlの使用に関する項を参照してください。

8.1.2 10gのカスタマイズしたファイルの11g環境へのコピーおよび再作成

Oracle Business Intelligence 11gへのアップグレード後、次の各項で説明するいずれかのカスタマイズをアップグレード前に行っているか確認します。

8.1.2.1 カスタマイズしたスタイルシートおよびスキンの再作成

Oracle Business Intelligence 10g環境でカスタマイズ・スタイルシートまたはスキンを変更した場合は、第1.4.2.14項「カスタムのスタイルとスキンのアップグレード」で説明している理由からそのスタイルシートまたはスキンを再作成する必要があります。

8.1.2.2 11g環境にコピーする必要があるカスタマイズしたファイル

10gで次に示すファイルや他のカスタマイズ・ファイルを変更しており、変更内容を新しい11g環境でも使用する場合は、Oracle BI EE 10gシステムからOracle BI EE 11gシステムにカスタマイズ内容をコピーする必要があります。

  • スケジューラ・スクリプトのパス。

  • スケジューラ・デフォルト・スクリプトのパス。

  • プレゼンテーション・サービスのユーザー優先通貨の構成ファイル。

  • プレゼンテーション・サービスのPDFフォント・マップ・ファイル。

  • JavaHostユーザー構成ファイル(ファイル全体ではなく、必要な構成のみを個別に移動)。

  • JavaHostスケジューラのユーザーjarファイルのパス。

  • 言語別カスタム・メッセージ。詳細は、第8.1.2.3項「ローカライズした(言語別)カスタム・メッセージに関する追加情報」を参照してください。

Oracle Business Intelligence 10gと11g間でのディレクトリと場所の変更に関する詳細は、第4.3項「Oracle Business Intelligenceディレクトリ構造に対する変更」を参照してください。

8.1.2.3 ローカライズした(言語別)カスタム・メッセージに関する追加情報

これまでに複数の言語をサポートするようにカスタム・メッセージをローカライズしている場合は、次の点に留意してください。

  • Oracle標準の国際化ネーミング規則に従うため、言語依存メッセージ・ファイルを格納するディレクトリの一部が変更されました。次の表に、Oracle BI EE 10gと11g間で変更されたメッセージ・ファイル・ディレクトリ名を示します。

    10gでの名前 11gでの名前

    l_zh

    l_zh-CN

    l_zh-tw

    l_zh-TW脚注1 

    l_pt-br

    l_pt-BR脚注参照 1

    l_iw

    l_he


    脚注1 この名前変更は、末尾の2文字の大文字/小文字の違いのみです。そのため、大文字/小文字の区別がないWindowsシステムには影響しません。

  • プレゼンテーション・サービス(coreapplication_obips1)を再起動する前に、10gの次のディレクトリにあるローカライズしたファイルを手動でコピーします。

    %\OracleBIData\web\msgdb

    11gの次のディレクトリにコピー:

    %\instances\instance1\bifoundation\OracleBIPresentationServicesComponent\coreapplication_obips1\msgdb.

8.1.3 すべてのデータ・ソース・パスおよびシステム変数が正確であることの確認

アップグレード・アシスタントを実行してOracle BI EEのリポジトリをアップグレードした後に、11g環境の接続プールが引き続き正しいデータ・ソースを指していることを確認します。XMLデータ・ソースの場合は、接続プール・レベルではなく物理レイヤーの各表定義に対してソースXMLのパスが維持されている必要があります。

データ・ソースの詳細は、次を参照してください。

8.1.4 クラスタのアップグレード

Oracle BI EEクラスタ全体のアップグレードはできません。11gのデプロイメントをクラスタ化する必要がある場合は、簡易インストールを実行してその単一インスタンスにアップグレードし、その後スケールアウトを実行します。

Oracle BI EEデプロイメントのスケールアウトの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のデプロイメントの拡張とスケーリングに関する項を参照してください。

8.1.5 外部ユーザーの認証

リポジトリから埋込みのWebLogic LDAPサーバーに移行されたユーザーは、アプリケーション・ロールのメンバーシップをポリシー・ストアから直接取得します。これはFusion Middleware Control内で管理できます。

それに対し、外部ユーザー集団に属し、認証初期化ブロックを使用して認証されるユーザーは、認証初期化ブロック内のデータベース問合せに対応して設定されるROLES(またはGROUP)セッションからアプリケーション・ルールのメンバーシップを取得します。

ユーザーごとにその動作の一貫性を保つには、各ユーザーが1つの場所にのみ存在するようにします。したがって、リポジトリからWebLogic LDAPに移行されたユーザーは外部ユーザー集団から削除する必要があります。

詳細は、第1.6項「Oracle Business Intelligence Securityのアップグレードについて」を参照してください。

8.1.6 アップグレード不能なリポジトリ内の無効文字

リポジトリのアップグレード時、次の無効文字を含む名前を持つユーザーおよびグループはアップグレードされません。

  • ,

  • +

  • =

  • "

  • \

  • <

  • >

  • ;

  • .

この問題を解決するには、アップグレードの完了後に、無効文字を含まない新しい名前でユーザーまたはグループを作成する必要があります。


重要:

新しいユーザーまたはグループの作成時には、そのユーザーまたはグループ名に無効文字を使用しないようにする必要があります。


8.1.7 サンプル・ファイルの手動コピー

カタログのアップグレード時には、すべてのサンプル・ファイルを10gフォルダから11gフォルダに手動でコピーする必要があります。

Oracle Business Intelligence 10gと11g間でのディレクトリ構造の変更の詳細は、第4.3項「Oracle Business Intelligenceディレクトリ構造に対する変更」を参照してください。

8.1.8 カタログ・オブジェクトのアップグレードの確認

システムのアップグレード後に、カタログ内のオブジェクトのスキャンおよび更新に関するオプション・タスクを実行する必要があるかどうかを確認します。このオプション・タスクについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のカタログ・オブジェクトの更新に関する項を参照してください。

8.1.9 構成ファイル内のサーバー名の確認

アップグレードの完了後に、次の構成ファイルで参照されているサーバー名を確認します。

  • xmlp-server-config.xml

    場所:

    DOMAIN_HOME/config/bipublisher/repository/Admin/Configuration/
    
  • datasources.xml

    場所:

    DOMAIN_HOME/config/bipublisher/repository/Admin/DataSource
    

詳細は、次を参照してください。

8.2 BI Publisherのアップグレード後のタスクと考慮事項

次の各項では、BI Publisherのアップグレード後のタスクと考慮事項について説明します。

8.2.1 Oracle Business Intelligence 10gでBIサーバー・セキュリティ・モデルを使用していた場合のサーバー名の確認

10gセキュリティ・モデルがBIサーバーに設定されている場合は、11gへのアップグレード後に、xmlp-server-config.xmlファイル内のBIサーバー名(またはIPアドレス)に誤りがないことを確認する必要があります。

詳細は、次を参照してください。

BI Publisherインスタンスを実行する管理対象サーバーを再起動します。サーバーの実行中に、10gのユーザーIDとパスワードを使用してログインできます。

8.2.2 BI Publisherリポジトリのアップグレードの完了

アップグレード・プロセス後に、アップグレードされたBI Publisherのファイルベースのリポジトリの場所を確認する必要があります。

また、BI PublisherをOracle Business Intelligence Enterprise Editionで使用する場合は、リポジトリをOracle BI Presentation Catalogにアップロードできます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイドのカタログの構成に関する項を参照してください。

E-Business Suiteデータ・テンプレート・ディレクトリからリポジトリをアップグレードした場合、アップグレード後のデータ・モデルには、11g環境のデータソース参照は含まれません。Oracle Business Intelligence 11g用にデータソース参照を更新するには、次のタスクを実行します。

  1. EBSデータベースへのJDBC/JNDI接続を作成します。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイドのデータソースの設定に関する項を参照してください。

  2. 「データ・モデル」を編集して、このデータソースがデータ・モデルに反映されるようにします。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイドを参照してください。

  3. データ・モデルを保存します。

  4. データ・モデルがSQLパッケージのファンクションを参照している場合は、データ・モデルでパッケージ名が正しくマップされていることを確認します。

8.2.3 外部WebサービスまたはHTTPデータ・ソースに対するHTTPプロキシの有効化

Oracle Business Intelligence 10gでHTTPプロキシを必要とする外部WebサービスまたはHTTPデータ・ソースを使用していた場合は、新しいOracle Business Intelligence 11g環境に対してプロキシを確実に有効化します。

8.2.4 データソースに対するアクセス権の付与

第1.5.1.5項「強化されたカタログ・オブジェクト・セキュリティ」で説明されているように、Oracle Business Intelligence 11gでデータソースへのアクセス権を付与する際に使用するプロセスは、Oracle Business Intelligence 10gから変更されています。

そのため、アップグレード後に、データソースへのアクセスが必要なすべてのロールに対して、そのロールにデータソースへのアクセス権が付与されていることを確認する必要があります。そのためには、BI Publisher管理ページでデータソースにロールを割り当てる必要があります。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイドのデータ・アクセス権の付与に関する項を参照してください。