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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11gリリース1 (11.1.1.6.0)
B55900-06
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8 エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成

この章では、構成ウィザード、Oracle WebLogic Server管理コンソール、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle WSM Policy Managerを使用してドメインを作成する方法を説明します。ドメインを拡張してWebCenter Portalコンポーネントを追加できます。


注意:

セットアップのプロセスを開始する前に、Oracle Fusion Middlewareリリース・ノートを読み、インストールとデプロイメントに関する追加情報を確認してください。


この章の内容は次のとおりです。

8.1 ドメイン作成の概要

表8-1に、構成後タスクを含む、WebLogicドメインの作成手順を示します。

表8-1 WebLogicドメインの作成手順

手順 説明 詳細

SOAHOST1でのVIP1の有効化

SOAHOST1ホスト名に対しVIP1を有効にします。

第8.2項「SOAHOST1でのVIP1の有効化」


WebLogicドメインの作成

構成ウィザードを起動してWebLogicドメインを作成します。

第8.3項「SOAHOST1での構成ウィザードを使用したドメインの作成」


構成後タスクおよび検証タスク

構成後タスクおよび検証タスクの手順に従います。

第8.4項「構成後タスクおよび検証タスク」


SOAHOST2へのドメイン構成の伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。

第8.5項「SOAHOST2へのドメイン構成の伝播」


WebLogicドメインでのOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP ServerをWebLogicドメインを使用して構成し、構成を検証します。

第8.6項「WebLogicドメインのOracle HTTP Serverの構成」


ドメインのバックアップ

新しく構成したWebLogicドメインをバックアップします。

第8.7項「WebLogicドメイン構成のバックアップ」



このドメインを作成し構成したら、ドメインを拡張し、次の章で説明するとおり、Oracle WebCenter Portalコンポーネント、Oracle SOA Suite、Oracle WebCenter Contentなどを含めることができます。

8.2 SOAHOST1でのVIP1の有効化

SOAがインストールされているかどうかにかかわらず、この手順は管理サーバーのフェイルオーバーを可能にするために必要です。

管理サーバーは仮想ホスト名(ADMINVHN)に関連付けます。仮想ホスト名は、DNSサーバーとカスタムの/etc/hostエントリのいずれかによって、適切なVIP(VIP1)にマップする必要があります。SOAトポロジの必要なノードで、名前解決システム(DNSサーバー、/etc/hosts)に従ってADMINVHNが使用可能であることを確認します。この仮想ホスト名(ADMINVHN)に関連付けられたVIP(VIP1)は、SOAHOST1で有効になっている必要があります。

Linuxで仮想IPを有効にする手順は次のとおりです。

  1. rootとしてifconfigコマンドを実行します。

    /sbin/ifconfig interface:index IPAddress netmask netmask
    /sbin/arping -q -U -c 3 -I interface IPAddress
    

    次に例を示します。

    /sbin/ifconfig ethX:Y 100.200.140.206 netmask 255.255.255.0
    
  2. 次の例のように、ネットワークで仮想IPの新しい場所を登録できるようにします。

    /sbin/arping -q -U -c 3 -I ethX 100.200.140.206
    
  3. 次の例のように、別のノードからこのアドレスにpingを実行して、このアドレスが使用可能であることを確認します。

    /bin/ping 100.200.140.206
    

    この例で、'ethX'はイーサネット・インタフェース(eth0またはeth1)、Yはインデックス(0、1、2)です。

8.3 SOAHOST1での構成ウィザードを使用したドメインの作成

ORACLE_COMMON_HOMEディレクトリから構成ウィザードを実行し、管理サーバーとOracle Web Services Managerを含むドメインを作成できます。その後、ドメインを拡張してWebCenter Portal、SOAおよびWebCenter Contentコンポーネントを含めることができます。

ドメインを作成する手順:

  1. リポジトリをインストールしたデータベースを実行していることを確認します。Oracle RACデータベースの場合は、後で実行する検証チェックの信頼性を確保するために、すべてのインスタンスを実行しておく必要があります。

  2. SOAHOST1で、ディレクトリを次の構成ウィザードの場所に変更します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  3. Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを開始します。

    ./config.sh
    
  4. 「ようこそ」画面で、「新しいWebLogicドメインの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「ドメイン・ソースの選択」画面が表示されます(図8-1)。

    図8-1「ドメイン・ソースの選択」画面

    図8-1の説明が続きます
    「図8-1 「ドメイン・ソースの選択」画面」の説明

    「ドメイン・ソースの選択」画面で、次の手順を実行します。

    • 以下の製品をサポートするために、自動的に構成されたドメインを生成する」を選択します。

    • 次の製品を選択します。

      • WebLogic Serverの基本ドメイン - 10.3.6.0 [wlserver_10.3](これは自動的に選択されます)

      • Oracle Enterprise Manager - 11.1.1.0 [oracle_common]

      • Oracle WSM Policy Manager 11.1.1.0 [oracle_common]

      • Oracle JRF - 11.1.1.0 [oracle_common](これは自動的に選択されます)

    いくつかのターゲットを間違って選択解除した場合は、この画面で次の項目が選択されていることを確認します。

    • Oracle Enterprise Manager

    • Oracle WSM Policy Manager

    • Oracle JRF

    次へ」をクリックします。


    注意:

    複数のOracleホームがインストールされている場合(たとえば、WebCenter PortalホームとSOAホーム)、どちらのホームについても、使用可能な製品が表示されます。この手順では、WebCenter Portalホーム(wc)の製品のみを選択します。これは、たとえば、Oracle JRF - 11.1.1.0 [wc]のように、製品名の末尾に角かっこで囲んで示されます。


  6. 「ドメイン名と場所の指定」画面でドメイン名(wcpedg_domain)を入力します。

    ドメイン・ディレクトリが第3項「エンタープライズ・デプロイメント用のネットワークの準備」で推奨しているディレクトリと共有ストレージのマウント・ポイントと一致することを確認します。

    ドメイン・ディレクトリに、次を入力します。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver
    

    アプリケーション・ディレクトリに、次を入力します(このディレクトリは共有記憶域内のものである必要があります)。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/applications
    
  7. 次へ」をクリックします。

  8. 「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」画面で、ドメインの管理者が使用するユーザー名とパスワードを入力します。

    次へ」をクリックします。

  9. 「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • 「WebLogicドメインの起動モード」には、「本番モード」を選択します。

    • 「JDKの選択」では、「JROCKIT SDK1.6.0_<version>」を選択します。

    次へ」をクリックします。

  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面で、次の手順を実行します。

    1. OWSM MDSスキーマを選択します。

    2. RACの構成には、(付録A「Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」で説明した)「GridLinkへ変換」または「RACマルチ・データ・ソースへ変換」を選択できます。

      ここの手順では、「GridLinkへ変換」を選択します。

    3. 次へ」をクリックします。

  11. 「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面(図8-2)が表示されます。

    図8-2 GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成

    図8-2の説明が続きます
    「図8-2 GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」の説明

    この画面で、次のフィールドに値を入力して、RCUでシードされたOracle RACデータベースの接続情報を指定します。

    • ドライバ: 「OracleのGridLinkConnectionsドライバ(Thin)、バージョン: 10以降」を選択します。

    • サービス名: Oracle RACデータベースのサービス名と、続けてドメイン名を小文字で入力します。たとえば、wcpedg.mycompany.comです。

    • ユーザー名: 対応するコンポーネントのデータベースのスキーマ所有者の完全な名前(接頭辞を含む)を入力します。

    • パスワード: データベース・スキーマ所有者のパスワードを入力します。

    • FANの有効化」を選択します。

    • SSLの有効化」のチェックが選択解除されていることを確認します(または、ONS通知の暗号化にSSLが選択されている場合、適切なウォレットとウォレット・パスワードを入力します)。

    • サービス・リスナー: 使用しているOracle RACデータベースのOracle Single Client Access Name (SCAN)のアドレスとポートを入力します。このプロトコルは、TCPである必要があります。

      Oracle RACノードの追加または削除時にSCANアドレスを含むGridLinkデータ・ソースを更新する必要がないよう、サービス・リスナー(とOSNホスト)の指定にはSCANアドレスを使用することをお薦めします。SCANアドレスを判断するには、TCPプロトコルを使用し、データベースのremote_listenerパラメータを問い合わせます。

      SQL>show parameter remote_listener;
       
      NAME              TYPE        VALUE
      -----             ------      -------
      remote_listener   string      db-scan.mycompany.com:1521
      

      注意:

      データベース・バージョンがSCANをサポートしない場合は次を実行します。

      • Oracle Database 11gリリース1 (11.1)の場合、各データベースのインスタンス・リスナーの仮想IPとポートを次のように入力します。

        custdbhost1-vip.mycompany.com (Port 1521)

        および

        custdbhost2-vip.mycompany.com (Port 1521)

      • Oracle Database 10gの場合、マルチ・データ・ソースを使用し、Oracle RACデータベースに接続します。マルチ・データ・ソースの構成の詳細は、付録A「Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」を参照してください。


    • ONSホスト: データベースからの通知のとおり、Oracle RACデータベースとONSリモート・ポートのSCANアドレスを入力します。

      [orcl@db-scan1 ~]$ srvctl config nodeapps -s
      ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016

      注意:

      Oracle Database 11gリリース1 (11.1)の場合、データベースのONSサービスのホスト名とポートを入力します。次に例を示します。

      custdbhost1.mycompany.com (Port 6200)

      および

      custdbhost2.mycompany.com (Port 6200)


  12. 「JDBCデータ・ソースのテスト」画面で、各接続のテストが自動的に行われます。「ステータス」列に結果が表示されます。すべての接続が正常に確立したことを確認してください。正常に接続できない場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力内容を修正します。

    すべての接続に成功したら「次へ」をクリックします。

  13. 「詳細構成の選択」画面で、次の項目を選択します。

    • 管理サーバー

    • 管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン

    • デプロイメントとサービス

    次へ」をクリックします。

  14. 「管理サーバーの構成」画面で、次の値を入力します。

    • 名前: AdminServer

    • リスニング・アドレス: ADMINVHN

    • リスニング・ポート: 7001

    • SSLリスニング・ポート: 該当なし

    • SSL有効: 選択解除

    次へ」をクリックします。

  15. 「管理対象サーバーの構成」画面で、「追加」をクリックして次の管理対象サーバーを追加します。

    表8-2 管理対象サーバー

    名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効

    WLS_WSM1

    SOAHOST1

    7010

    該当なし

    いいえ

    WLS_WSM2

    SOAHOST2

    7010

    該当なし

    いいえ


    次へ」をクリックします。

  16. 「クラスタの構成」画面で、「追加」をクリックして次のクラスタを追加します。

    表8-3 クラスタ

    名前 クラスタ・メッセージング・モード マルチキャスト・アドレス マルチキャスト・ポート クラスタ・アドレス

    WSM-PM_Cluster

    ユニキャスト

    該当なし

    該当なし

    空白のままにします。


    次へ」をクリックします。

  17. 「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次のようにサーバーをクラスタに割り当てます。

    • WSM-PM_Cluster:

      • WLS_WSM1

      • WLS_WSM2

    次へ」をクリックします。

  18. 「マシンの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • UNIXマシン」タブをクリックし、「追加」をクリックして次のマシンを追加します。


      注意:

      「名前」には任意の一意な文字列を指定できます。「ノード・マネージャ・リスニング・アドレス」には解決可能なホスト名を指定する必要があります。


      表8-4 マシン

      名前 ノード・マネージャのリスニング・アドレス

      SOAHOST1

      SOAHOST1

      SOAHOST2

      SOAHOST2

      ADMINHOST

      localhost


      その他すべてのフィールドはデフォルト値のままにします。

    次へ」をクリックします。

  19. 「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。

    • SOAHOST1: WLS_WSM1

    • SOAHOST2: WLS_WSM2

    • ADMINHOST: AdminServer

    次へ」をクリックします。

  20. デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、wsm-pmアプリケーションのターゲットがWSM-PM_Clusterのみであることを確認します。その他すべてのデプロイメントが「AdminServer」にターゲット設定されていることを確認します。「次ヘ」をクリックします。

  21. サービスのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、次のように選択します。

    • 左側で「WSM-PM_Cluster」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    • 左側で「管理サーバー」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    すべてのJDBCシステム・リソースが管理サーバーとWSM-PM_Clusterの両方にターゲット設定されている必要があります。

    • 残りすべてのサービスが「管理サーバー」にターゲット設定されていることを確認します。

    • 次へ」をクリックします。

  22. 「構成のサマリー」画面で「作成」をクリックします。

  23. 「ドメインの作成」画面で「完了」をクリックします。

8.4 構成後タスクおよび検証タスク

構成ウィザードでドメインを構成した後は、次の手順に従って構成後タスクと検証タスクを実行します。

この項の内容は次のとおりです。

8.4.1 SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成

SOAHOST1上で管理サーバーのboot.propertiesファイルを作成します。ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動するには、この手順を必ず実行する必要があります。

管理サーバーのboot.propertiesファイルを作成する手順は次のとおりです。

  1. 次のディレクトリ構造を作成します。

    mkdir -p ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/servers/AdminServer/security
    
  2. テキスト・エディタで、次の行を記述したboot.propertiesというファイルを、前の手順で作成した最後のディレクトリに作成します。

    username=Admin_Username
    password=Password
    

    注意:

    管理サーバーを起動すると、ファイル内のユーザー名とパスワードのエントリは暗号化されます。管理サーバーは、第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順で起動します。

    セキュリティ上の理由から、ファイル内のエントリが暗号化されていない時間を短くする必要があります。ファイルを編集した後、できるだけ速やかにサーバーを起動し、エントリを暗号化してください。


  3. ファイルを保存してエディタを閉じます。

8.4.2 SOAHOST1でのノード・マネージャの起動

初めてノード・マネージャを起動する場合、StartScriptEnabledプロパティを'true'に設定し、startNodeManager.shを使用してノード・マネージャを起動します。

SOAHOST1でノード・マネージャを起動する手順は次のとおりです。

  1. ノード・マネージャを初めて起動する場合、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行し、StartScriptEnabledプロパティを'true'に設定します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./setNMProps.sh
    

    注意:

    クラスのロード障害などの問題が発生しないようにするには、StartScriptEnabledプロパティを設定する必要があります(これは1度しか実行する必要はありません)。


  2. ノード・マネージャを起動します。

    cd WL_HOME/server/bin
    export JAVA_OPTIONS="-DDomainRegistrationEnabled=true"
    ./startNodeManager.sh
    

    注意:

    ノード・マネージャの起動時には必ず-DDomainRegistrationEnabled=trueを設定し、AdminServerが管理されるようにすることが重要です。これは、AdminServerドメイン・ホームがノード・マネージャ・ドメイン・ファイルになく、ドメインの動的な登録を使用する必要があるためです。ここで示している例を除き、このパラメータを使用することはお薦めしません。

    このマシンにAdminServerが存在せず、このマシンがAdminServerフェイルオーバー・ノードでない場合は、次の方法でノード・マネージャを起動できます。

    ./startNodeManager.sh
    

8.4.3 SOAHOST1での管理サーバーの起動

管理サーバーは、ノード・マネージャを使用して起動および停止します。ただし、初めてノード・マネージャで管理サーバーを起動するときに、構成ウィザードによりノード・マネージャにデフォルトで設定されているユーザー名とパスワードを変更する必要があります。そのため、管理サーバーの初回の起動時に起動スクリプトを使用します。

最初の起動操作には手順1から4が必要ですが、2回目以降の起動には手順4のみが必要です。

ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する手順は次のとおりです。

  1. SOAHOST1上のドメイン・ディレクトリの起動スクリプトを使用して、管理サーバーを起動します。

    cd ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/bin
    ./startWebLogic.sh
    
  2. 管理コンソールを使用してノード・マネージャの資格証明を更新します。

    1. ブラウザで、次のURLにアクセスします。

      http://ADMINVHN:7001/console

    2. 管理者としてログインします。

    3. ロックして編集」をクリックします。

    4. domain_name」→「セキュリティ」→「一般」をクリックして、一番下にある「詳細」オプションを開きます。

    5. ノード・マネージャの新しいユーザー名を入力するか、既存のユーザー名を書き留めておいてノード・マネージャのパスワードを更新します。

    6. 変更を保存してアクティブ化します。

  3. 管理サーバーのプロセスが起動したシェルで[Ctrl]キーを押しながら[C]キーを押すか、プロセスを確認してkillコマンドを使用し、管理サーバーを停止します。

  4. WLSTを起動して、nmconnectと前の手順で設定した資格証明により、ノード・マネージャに接続し、nmstartを使用して管理サーバーを起動します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./wlst.sh
    

    WLSTシェルを起動したら、次のように指定します。

    wls:/offline>nmConnect("Admin_User","Admin_Password",
    "SOAHOST1","5556","domain_name","/ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name")
     
    wls:/nm/domain_name nmStart("AdminServer")
    

    注意:

    このユーザー名とパスワードは、ノード・マネージャとクライアントの間の接続の認証にのみ使用されます。これらは、サーバー管理IDおよびパスワードとは無関係であり、次のディレクトリにあるnm_password.propertiesファイルに格納されます。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/config/nodemanager
    

8.4.4 GridLinkデータ・ソースの構成の検証

サーバーを起動したら、MDSスキーマ用にGridLinkデータ・ソースが正しく構成され、ONS設定が正しいことを確認します。この手順を、作成した各GridLinkデータ・ソースで実行します。

GridLinkデータ・ソースの構成を検証するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle WebLogic管理コンソールにログインします。

  2. ドメイン構造」ツリーで「サービス」を開き、「データ・ソース」を選択します。

  3. 新しいデータ・ソースの1つをクリックします。

  4. 「テスト」タブをクリックし、サーバーの1つを選択して「データ・ソースのテスト」をクリックします。

  5. 監視」タブをクリックし、サーバの1つを選択します。

  6. ONS」→「テスト」タブをクリックします。

  7. サーバーを選択し、「ONSのテスト」をクリックします。

    両方のテストが成功する場合、正しく構成されています。ONSのテストが失敗する場合、Oracle RACデータベース・ノードでONSサービスが実行されていることを確認します。

    orcl@db-scan1 ~]$ srvctl status scan_listener
    SCAN Listener LISTENER_SCAN1 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN1 is running on node db-scan1
    SCAN Listener LISTENER_SCAN2 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN2 is running on node db-scan2
    SCAN Listener LISTENER_SCAN3 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN3 is running on node db-scan2
     
    [orcl@db-scan1 ~]$ srvctl config nodeapps -s 
    ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016
     
    [orcl@db-scan1 ~]$ srvctl status nodeapps | grep ONS
    ONS is enabled
    ONS daemon is running on node: db-scan1
    ONS daemon is running on node: db-scan2
    

データ・ソースを使用するすべてのWebLogic Serverで、ONSテストを実行します。

8.4.5 管理サーバー構成の検証

ドメインに作成した管理サーバーが正しく構成されているかどうかを確認するため、Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインして管理対象サーバーとクラスタが表示されることを確認し、その後Oracle Enterprise Managerにログインします。

管理サーバーが適切に構成されていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. ブラウザで、次のURLにアクセスします。

    http://ADMINVHN:7001/console
    
  2. 管理者としてログインします。

  3. 管理対象サーバーとして、WLS_WSM1WLS_WSM2が表示されていることを確認します。

  4. WSM-PM_Clusterが表示されていることを確認します。

  5. 次のURLのOracle Enterprise Managerにアクセスできることを確認します。

    http://ADMINVHN:7001/em
    
  6. 第8.4.1項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを使用してEnterprise Managerコンソールにログインします。

8.4.6 管理サーバーと同じノードでの管理対象サーバー用独立ドメイン・ディレクトリの作成

packコマンドおよびunpackコマンドを使用して、管理サーバーが使用するドメイン・ディレクトリを、SOAHOST1で管理対象サーバーが使用するドメイン・ディレクトリから分離します(ディレクトリを分離するこの処理は、第4章「エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備」で推奨されています)。

unpackスクリプトを実行する前に、第4章にある「各種ディレクトリの推奨場所について」に示すとおりORACLE_BASE/admin/domain_name/mserverディレクトリが存在することを確認してください。

独立ドメイン・ディレクトリを作成する手順は次のとおりです。

  1. 次のように、packコマンドをSOAHOST1上で実行してテンプレート・パックを作成します。

    SOAHOST1> cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
     
    ./pack.sh -managed=true -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name 
    -template=wcdomaintemplate.jar -template_name=wcdomaintemplate
    
  2. 次のように、unpackコマンドをSOAHOST1上で実行して、このテンプレートを管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name 
    -template=wcdomaintemplate.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications
    

注意:

unpackコマンドを実行する前に、/ORACLE_BASE/admin/domain_nameディレクトリに対する書込み権限が必要です。たとえば、次のディレクトリに対してです。

/ORACLE_BASE/admin/wcpedg_domain/

8.4.7 WSM-PM_ClusterへのJava Required Files(JRF)テンプレートの適用

構成ウィザードを使用してドメインが作成された後、WebLogic Serverのインストールに含まれていない多数のリソースをWSM-PM_Clusterにターゲット設定する必要があります。

これらのリソースをターゲット設定するには:

  1. 第8.4.1項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを使用してOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーで、「Farm_domain_name」→「WebLogicドメイン」→「domain_name」を開き、「WSM-PM_Cluster」を選択します。

  3. 右側で「JRFテンプレートの適用」をクリックします。

  4. 画面に確認メッセージが表示されるのを待ちます。

    このメッセージは、JRFテンプレートがWSM-PM_Clusterクラスタに正常に適用されたことを確認するものです。

8.4.8 管理サーバーおよびWLS_WSM1管理対象サーバーに対するホスト名の検証の無効化

この手順は、管理サーバーで様々なノードを認証するための適切な証明書をまだ設定していない場合に必要です(第11章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」を参照)。サーバー証明書を構成していないと、別のWebLogic Serverを管理するときにエラーになります。このエラーを回避するには、トポロジの設定と検証を行う際にホスト名の検証を無効にし、第11章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」の説明に従ってエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの構成を完了した後に再びホスト名の検証を有効にします。

ホスト名検証を無効化するには:

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. サーバー」をクリックします。「サーバーの概要」ページが表示されます。

  5. 表の「名前」列の「AdminServer(admin)」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. SSL」タブをクリックします。

  7. 詳細」をクリックします。

  8. 「ホスト名の検証」を「なし」に設定します。

  9. 保存」をクリックします。

  10. WLS_WSM1サーバーについてステップ4から8を繰り返します。

  11. 変更を保存してアクティブ化します。

  12. 変更を有効にするには、管理サーバーを再起動します。

    1. 「サーバーの概要」画面で、「制御」タブを選択します。

    2. 表で「AdminServer(admin)」を選択して、「停止」をクリックします。

    3. 管理サーバーは、第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順を使用して再度起動します。

8.4.9 WLS_WSM1管理対象サーバーの起動と検証

管理対象サーバーの構成後、正常に実行されているかどうかを確認します。Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、管理対象サーバーを起動しそのステータスを確認できます。

WLS_WSM1管理対象サーバーを起動して、このサーバーが正しく構成されていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. 次の手順に従い、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_WSM1管理対象サーバーを起動します。

    1. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

    2. サーバー」を選択します。「サーバーの概要」ページが表示されます。

    3. 制御」タブをクリックします。

    4. WLS_WSM1」を選択して、「起動」をクリックします。

  2. 管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因については、第16.8項「Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメントのトラブルシューティング」を参照してください。

  3. 次のURLにアクセスします。

    http://SOAHOST1:7010/wsm-pm
    
  4. ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。

    構成が正しい場合は、データ・ストアで使用できるポリシーとアサーション・テンプレートのリストが表示されます。ポリシーやアサーション・テンプレートがまったく表示されない場合は、構成が正しくありません。

8.5 SOAHOST2へのドメイン構成の伝播

SOAHOST1の構成が完了したら、unpackユーティリティを使用してSOAHOST2に構成を伝播し、伝播した構成を検証します。

この項の内容は次のとおりです。

8.5.1 unpackユーティリティを使用したSOAHOST2へのドメイン構成の伝播

unpackユーティリティを使用してドメイン構成を伝播します。unpackスクリプトを実行する前に、第4.3項「各種ディレクトリの推奨場所について」の説明のとおり次のディレクトリが存在することを確認してください。

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver

ドメイン構成を伝播する手順は次のとおりです。

  1. 次のコマンドをSOAHOST1上で実行して、前の手順で作成したテンプレート・ファイルをコピーします。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    scp wcdomaintemplate.jar oracle@SOAHOST2:/ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  2. SOAHOST2のWL_HOME/common/binディレクトリではなく、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリからunpackコマンドを実行し、伝播するテンプレートを解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name
    -template=wcdomaintemplate.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications
    

8.5.2 WLS_WSM2管理対象サーバーに対するホスト名検証の無効化

この手順は、管理サーバーで様々なノードを認証するための適切な証明書をまだ設定していない場合に必要です(第11章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」を参照)。サーバー証明書を構成していないと、様々なWebLogicサーバーを管理する際にエラーが発生します。このエラーを回避するには、トポロジの設定と検証を行う際にホスト名の検証を無効にし、第11章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」の説明に従ってエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの構成を完了した後に再びホスト名の検証を有効にします。

ホスト名検証を無効化するには:

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. サーバー」をクリックします。「サーバーの概要」ページが表示されます。

  5. 表の「名前」列の「WLS_WSM2」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. SSL」タブをクリックします。

  7. 詳細」をクリックします。

  8. 「ホスト名の検証」を「なし」に設定します。

  9. 変更を保存してアクティブ化します。

8.5.3 SOAHOST2でのノード・マネージャの起動

ドメイン構成を伝播しホスト名検証を無効にしたら、StartNodeManager.shスクリプトを使用してノード・マネージャを起動します。

SOAHOST2でノード・マネージャを起動する手順は次のとおりです。

  1. ノード・マネージャを起動する前に、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行し、StartScriptEnabledプロパティをtrueに設定します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./setNMProps.sh
    

    注意:

    クラスのロード失敗などの問題を回避するために、StartScriptEnabledプロパティを使用する必要があります。


  2. ノード・マネージャを起動します。

    cd WL_HOME/server/bin
    ./startNodeManager.sh
    

8.5.4 WLS_WSM2管理対象サーバーの起動と検証

管理コンソールを使用して、WLS_WSM2管理対象サーバーを起動して検証します。

WLS_WSM2管理対象サーバーを起動して、このサーバーが正しく構成されていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールを使用してWLS_WSM2管理対象サーバーを起動します。

  2. 管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因については、第16.8項「Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメントのトラブルシューティング」を参照してください。

  3. 次のURLにアクセスします。

    http://SOAHOST2:7010/wsm-pm
    
  4. 「ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。

8.5.5 Oracle WSMについてのJavaオブジェクト・キャッシュの構成

Javaオブジェクト・キャッシュ(JOC)は、Oracle WSMが実行されているすべてのサーバーに構成する必要があります。このローカル・キャッシュは、Oracle WSMのパフォーマンスを高めるために提供されています。

Javaオブジェクト・キャッシュは、次のディレクトリにあるconfigure-joc.pyスクリプトを使用して構成します。

MW_HOME/oracle_common/bin/

これは管理対象サーバーでのJOCの構成に使用できるPythonスクリプトです。このスクリプトはWLSTオンライン・モードで実行され、管理サーバーが稼働していることを前提としています。

JOCポートをOracle製品に対して構成する場合、9988から9998の範囲のポートを使用することをお薦めします。


注意:

wlstコマンドまたはconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成した後は、影響を受けるすべての管理対象サーバーを再起動して、構成を有効にする必要があります。


Oracle WSMのJavaオブジェクト・キャッシュを構成する手順は次のとおりです。

  1. コマンドラインのOracle WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用して管理サーバーに接続します。例:

    MW_HOME/wc/common/bin/wlst.sh
    $ connect()
    

    Oracle WebLogicの管理ユーザー名とパスワードの入力を求められたら、これらを入力します。

  2. wlstを使用して管理サーバーに接続したら、execfileコマンドを使用してスクリプトを起動します。

    wls:/mydomain/serverConfig>execfile("MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py")
    
  3. 特定のクラスタのすべての管理対象サーバー用のJOCの構成

    クラスタ名を指定するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら'y'を入力し、プロンプトが表示されたらクラスタ名と検出ポートを指定します。これにより、指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーが検出され、JOCが構成されます。検出ポートはクラスタのJOC構成全体で共通です。次に例を示します。

    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>
    Enter Cluster Name : WSM-PM_Cluster
    Enter Discover Port : 9991
    

    configure-joc.pyをHA環境で使用するための手順は、次のとおりです。

    execfile("MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py")
    .
    Enter Hostnames (eg host1,host2) : SOAHOST1,SOAHOST2
    .
    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>y
    .
    Enter Cluster Name : WSM-PM_Cluster
    .
    Enter Discover Port : 9991
    .
    Enter Distribute Mode (true|false) <true> : true
    .
    Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n> n
    

このスクリプトを使用すると、次のJOCの構成も実行できます。

  • 指定されたすべての管理対象サーバー用のJOCの構成

    クラスタ名を指定するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら'n'を入力し、プロンプトが表示されたら管理対象サーバーと検出ポートを指定します。次に例を示します。

    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>n
    Enter Managed Server and Discover Port (eg WLS_WSM1:9998, WLS_WSM1:9998) : WLS_WSM1:9991,WLS_WSM2:9991
    
  • 一部の管理対象サーバー用のJOC構成の除外

    このスクリプトでは、JOC構成のDistributeModeを'false'に設定する管理対象サーバーのリストを指定できます。JOC構成から除外するサーバーがあるかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら'y'を入力し、プロンプトが表示されたら除外する管理対象サーバー名を入力します。次に例を示します。

    Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n>y
    Exclude Managed Server List (eg Server1,Server2) : WLS_WSM1,WLS_WSM3
    
  • すべての管理対象サーバーに対して分散モードを無効にします。

    このスクリプトでは、指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーに対する分散を無効にできます。分散モードに関するプロンプトが表示されたら'false'を指定します。デフォルトでは、分散モードは'true'に設定されています。

CacheWatcherユーティリティを使用してJOCの構成を確認します。『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』で説明しているように、Oracle WebLogic管理コンソールで「HAパワー・ツール」タブを使用してJavaオブジェクト・キャッシュ(JOC)を構成できます。

8.6 WebLogicドメインのOracle HTTP Serverの構成

この項では、WebLogicドメインのOracle HTTP Serverの構成タスクと、構成の検証タスクについて説明します。

この項の内容は次のとおりです。

8.6.1 管理サーバーとWLS_WSMn管理対象サーバーについてのOracle HTTP Serverの構成

WLS_WSMn管理対象サーバーが属するWSM-PM_Clusterと管理サーバーにOracle HTTP Serverからルーティングできるようにするには、WebLogicClusterパラメータをこのクラスタにあるノードのリストに設定する必要があります。

WebLogicClusterパラメータで指定したサーバーは、起動時のプラグインに対してのみ重要な役割を持ちます。このノードのリストには、実行しているクラスタ・メンバーを1つ以上記述しておく必要があります。記述しておかないと、このプラグインで他のクラスタ・メンバーを検出できません。Oracle HTTP Serverの起動時には、リストに記述したクラスタ・メンバーを実行している必要があります。Oracle WebLogic Serverとこのプラグインの連携により、クラスタに発生した新規のクラスタ・メンバー、失敗したクラスタ・メンバーおよびリカバリしたクラスタ・メンバーを反映してサーバーのリストが自動的に更新されます。

例としていくつかのシナリオを示します。

  • 例1: 2つのノードで構成したクラスタに3番目のメンバーを追加する場合、そのメンバーを追加するために構成を更新する必要はありません。3番目のメンバーは、実行時にその場で検出されます。

  • 例2: クラスタは3つのノードで構成されていても、構成に記述されているノードはそのうちの2つのみであるとします。Oracle HTTP Serverを起動するときにこの2つのノードが両方とも停止していると、プラグインはクラスタを検出できません。Oracle HTTP Serverを起動するときは、リストに記述したノードを1つ以上実行している必要があります。

    クラスタのメンバーをすべてリストに記述した場合は、Oracle HTTP Serverの起動時にそのうちの1つ以上を実行しておくことで、クラスタに確実に到達できます。

WebLogic Serverプラグインの構成の詳細は、『Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインの使用』ガイドを参照してください。

WebLogicClusterパラメータを設定する手順は次のとおりです。

  1. WEBHOST1およびWEBHOST2で、次のディレクトリにあるmod_wl_ohs.confファイルに行を追加します。

    ORACLE_BASE/admin/instance_name/config/OHS/component_name/
    

    次の行を追加します。

    # The admin URLs should only be accessible via the admin virtual host 
    
    NameVirtualHost *:7777
    <VirtualHost *:7777>
        ServerName admin.mycompany.com:80
        ServerAdmin you@your.address
        RewriteEngine On
        RewriteOptions inherit
    
    # Admin Server and EM
    <Location /console>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost ADMINVHN
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    
    <Location /consolehelp>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost ADMINVHN
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    
    <Location /em>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost ADMINVHN
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    </VirtualHost>
    
    # Virtual host entry for external https URL configured at the Load Balancer
    
    <VirtualHost *:7777>
        ServerName https://wcp.mycompany.com:443 
        ServerAdmin you@your.address
        RewriteEngine On
        RewriteOptions inherit
    
    # WSM-PM
    <Location /wsm-pm>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010
        WLProxySSL ON
        WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    </VirtualHost>
    
    # Virtual host entry for internal http URL
    
    <VirtualHost *:7777
    <VirtualHost *:7777>
        ServerName wcpinternal.mycompany.com:80 
        ServerAdmin you@your.address
        RewriteEngine On
        RewriteOptions inherit
    
    </VirtualHost>
    

    注意:

    ここで挙げている7777admin.mycompany.com:80you@your.addressなどの値は、単なる例です。これらのかわりに、実際の環境に基づいた値を入力してください。


  2. WEBHOST1およびWEBHOST2の両方で、Oracle HTTP Serverを再起動します。

    WEBHOST1> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs1
    
    WEBHOST2> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs2
    

8.6.2 WebLogicプラグイン有効化フラグの有効化

セキュリティのため、またロード・バランサがSSLリクエストを終了するため(Oracle HTTP ServerはリクエストをWebLogic Serverに非SSLとしてルーティングします)、ロード・バランサにSSLを構成した場合、そのドメインに対しWebLogicプラグイン有効化フラグをオンにする必要があります。

WebLogicプラグイン有効化フラグを有効にする手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールにログオンします。

  2. 左のナビゲーション・ツリーでドメイン名をクリックします。

  3. Webアプリケーション」タブをクリックします。

  4. ロックして編集」をクリックします。

  5. WebLogicプラグインの有効化」チェック・ボックスを選択します。

  6. 変更を保存してアクティブ化します。

8.6.3 WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録

Oracle WebLogicドメインが作成されると、Oracle Web層をドメインに接続できます。これには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してOracle Web層を管理および監視できるというメリットがあります。

Oracle Web TierをWebLogicドメインに関連付けるには、次のコマンドを使用します。

WEBHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin

WEBHOST1> ./opmnctl registerinstance -adminHost ADMINVHN -adminPort 7001 -adminUsername weblogic

このコマンドは、OHS2に対してWEBHOST2からも実行する必要があります。

Oracle HTTP Serverの登録後、Oracle Enterprise Managerコンソールで管理可能なターゲットとして表示されます。これを確認するには、Enterprise Managerコンソールにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。

8.6.4 管理コンソールのフロントエンドURLの設定およびリダイレクション・プリファレンスの設定

ロード・バランサを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスする場合、管理サーバーのフロントエンドURLを変更し、ユーザーのブラウザが適切なロード・バランサ・アドレスにリダイレクトされるようにする必要があります。

Oracle WebLogic Server管理コンソール・アプリケーションでは、コンソールを使用して、ポート、チャネル、セキュリティに対する変更を追跡します。コンソールを使用して行われた変更をアクティブ化するとき、コンソールは現在のリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルを検証します。このリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルがまだ有効の場合、コンソールはHTTPリクエストをリダイレクトし、ホストとポートの情報を管理サーバーのリスニング・アドレスとポートに置き換えます。

管理サーバーのフロントエンドURLを変更する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. サーバー」をクリックして、「サーバーの概要」ページを開きます。

  5. 表の「名前」列で「管理サーバー」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. プロトコル」タブをクリックします。

  7. HTTP」タブをクリックします。

  8. フロントエンド・ホスト」を「admin.mycompany.com」に設定し、「フロントエンドHTTPポート」を「80」に設定します(管理URLにHTTPSを使用する場合は、適宜変更します)。

  9. 変更を保存してアクティブ化します。

  10. 変更がアクティブ化されたときにコンソールで構成ページがリロードされないように、Oracle WebLogic Server管理コンソールで構成変更の追跡を無効にします。

    1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    2. バナー内の「プリファレンス」リンクをクリックします。

    3. 共有プリファレンス」タブをクリックします。

    4. 構成変更の追跡」チェック・ボックスの選択を解除します。


注意:

フロントエンド・ホストやポートの設定を変更した後、構成の変更をアクティブ化できない場合は、第16.8.2項「管理コンソールで変更をアクティブ化した後にユーザーがログイン画面にリダイレクトされる」を参照してください。


8.6.5 Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証

管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因については、第16.8項「Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメントのトラブルシューティング」を参照してください。

次のURLを使用し、両方のOracle HTTP Serverを介してWSM-PM_Clusterを検証します。

  • http://WEBHOST1:7777/wsm-pm

  • http://WEBHOST2:7777/wsm-pm

  • http://WEBHOST1:7777/console

  • http://WEBHOST2:7777/console

  • http://WEBHOST1:7777/em

  • http://WEBHOST2:7777/em

  • https://wcp.mycompany.com/wsm-pm

  • http://admin.mycompany.com/console

  • http://admin.mycompany.com/em

フロントエンドURLをロード・バランサのアドレスに設定すると、WEBHOSTnアドレスを介したコンソールへのアクセスはコンソールによってフロントエンドURLにリダイレクトされるため、Oracle HTTP Serverとロード・バランサの両方の構成が正しいことを検証できます。

ロード・バランサを介したシステム・アクセスの構成の詳細は、第3.3項「ロード・バランサの構成」を参照してください。

第8.6.3項「WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録」の説明に従ってOracle HTTP Serverを登録すると、そのOracle HTTP Serverは管理可能なターゲットとしてOracle Enterprise Manager Consoleに表示されます。これを確認するには、Enterprise Manager Consoleにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。

8.6.6 SOAHOST2への管理サーバーの手動フェイルオーバー

ノードで障害が発生した場合は、管理サーバーを別のノードにフェイルオーバーできます。この項では、管理サーバーをSOAHOST1からSOAHOST2にフェイルオーバーする方法を説明します。

前提条件

  • 管理サーバーを、任意のアドレスではなくADMINVHN上でリッスンするように構成します。第8.3項「SOAHOST1での構成ウィザードを使用したドメインの作成」の手順14を参照してください。

  • これらの手順では、2つのノードがそれぞれ別々のドメイン・ディレクトリを使用していることおよびこれらのディレクトリがローカル記憶域または別のボリュームにある共有記憶域に配置されていることを想定しています。

  • 管理サーバーはSOAHOST1からSOAHOST2にフェイルオーバーし、これら2つのノードには次のIPが割り当てられています。

    • SOAHOST1: 100.200.140.165

    • SOAHOST2: 100.200.140.205

    • ADMINVHN: 100.200.140.206。これは管理サーバーを実行している場所のVIPであり、ethX:Yに割り当てられており、SOAHOST1とSOAHOST2からアクセスできます。

  • SOAHOST1での管理サーバーの実行場所であるドメイン・ディレクトリは共有記憶域にあり、SOAHOST2からもマウントされています。

  • 第6章「エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェアのインストール」の説明のとおり、Oracle WebLogic ServerおよびOracle Fusion MiddlewareコンポーネントはSOAHOST2にインストールされています(つまり、SOAHOST1に存在するORACLE_HOMEおよびMW_HOMEのパスをSOAHOST2でも使用できます)。

次の手順は、管理サーバーを別のノード(SOAHOST2)にフェイルオーバーしたうえで、同じWebLogic Serverマシン(これは物理マシンではなく論理マシンです)を引き続きその管理サーバーで使用する方法を示しています。

SOAHOST2へ管理サーバーにフェイルオーバーさせるには、次の手順を実行します。

  1. 管理サーバーを停止します。

  2. IPを第2ノードに移行します。

    1. SOAHOST1上で次のコマンドをroot権限で実行します(X:YはADMINVHNで現在使用しているインタフェース)。

      /sbin/ifconfig ethX:Y down
      
    2. 次のコマンドをSOAHOST2上で実行します。

      /sbin/ifconfig interface:index IP_Address netmask netmask
      

      次に例を示します。

      /sbin/ifconfig eth0:1 10.0.0.1 netmask 255.255.255.0
      

      注意:

      使用するネットマスクとインタフェースは、SOAHOST2で使用可能なネットワーク構成と一致している必要があります。


  3. 次の例のようにarpingを使用してルーティング表を更新します。

    SOAHOST2> /sbin/arping -b -A -c 3 -I eth0 10.0.0.1
    
  4. SOAHOST2上の管理サーバーを、第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順に従って起動します。

  5. 次の方法でSOAHOST2上の管理サーバーにアクセスできることをテストします。

    1. 次のURLを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスできることを確認します。

      http://ADMINVHN:7001/console
      
    2. 次のURLを使用してOracle Enterprise Managerにアクセスおよびコンポーネントのステータスを確認できることを確認します。

      http://ADMINVHN:7001/em
      

      注意:

      管理サーバーは、フェイルオーバーにノード・マネージャを使用しません。手動フェイルオーバー後、サーバーの管理コンソールの「現在のマシン」フィールドに表示されるマシン名は、SOAHOST1です。フェイルオーバー・マシンのSOAHOST2ではありません。ノード・マネージャは管理サーバーを監視しないため、「現在のマシン」フィールドに表示されるマシン名は、無関係であり、無視できます。


8.6.7 Oracle HTTP Serverを介したSOAHOST2へのアクセスの検証

第8.6.5項「Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証」と同じ手順を実行します。この目的は、SOAHOST2で実行している管理サーバーにもアクセスできることを確認することです。

8.6.8 SOAHOST1への管理サーバーのフェイルバック

この手順では、管理サーバーをフェイルバックできることを確認します。フェイルバックとは、SOAHOST2で実行している管理サーバーを停止し、ADMINVHNをSOAHOST1ノードに戻して、SOAHOST1で再び管理サーバーを実行することです。

ADMINVHNをSOAHOST1に戻す手順は次のとおりです。

  1. 管理サーバーが起動されていないことを確認します。

  2. 次のコマンドをSOAHOST2上で実行します。

    /sbin/ifconfig ethZ:N down
    
  3. 次のコマンドをSOAHOST1上で実行します。

    /sbin/ifconfig ethX:Y 100.200.140.206 netmask 255.255.255.0
    

    注意:

    使用するネットマスクとインタフェースは、SOAHOST1で使用可能なネットワーク構成と一致している必要があります。


  4. arpingを使用してルーティング表を更新します。次のコマンドをSOAHOST1から実行します。

    /sbin/arping -b -A -c 3 -I ethZ 100.200.140.206
    
  5. 第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順を使用して、SOAHOST1上の管理サーバーを再度起動します。

    cd ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/bin
    ./startWebLogic.sh
     
    
  6. 次のURLを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスできることをテストします。

    http://ADMINVHN:7001/console
    
  7. 次のURLを使用してOracle Enterprise Managerにアクセスおよびコンポーネントのステータスを確認できることを確認します。

    http://ADMINVHN:7001/em
    

8.7 WebLogicドメイン構成のバックアップ

バックアップを実行してドメイン構成を保存します。最初にサーバーが停止していることを確認します。構成ファイルは次のディレクトリにあります。

ORACLE_BASE/admin/domain_name

ドメイン構成をバックアップするには、SOAHOST1で次のコマンドを実行します。

tar -cvpf edgdomainback.tar ORACLE_BASE/admin/domain_name

次のコマンドを使用して、Web層のインスタンス・ホームをバックアップします。

tar -cvpf BACKUP_LOCATION/web_instance_name.tar ORACLE_INSTANCE