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Oracle® WebCenter Content Conversion管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B66701-01
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1 概要

この項には次のトピックが含まれます:

1.1 このガイドについて

この管理ガイドは、Microsoft WindowsまたはUNIXが実行されているコンピュータ上でInbound Refineryバージョン11g リリース1を設定および管理するために必要なすべての情報を提供します。

このドキュメントに含まれている情報は、製品テクノロジの進化、およびハードウェア、オペレーティング・システム、サード・パーティ・ソフトウェアの作成や変更によって、変更されることがあります。

1.2 新機能

Inbound Refineryバージョン 11g リリース1は、次のように機能が拡張されました。

1.3 Inbound Refineryについて

Inbound Refineryバージョン 11g リリース1は、ドキュメント、デジタル・イメージ、動画などの電子アセット用のファイル変換を管理する変換サーバーです。変換の他に、ドキュメントとイメージに対するサムネイル機能、デジタル・イメージからEXIFデータを抽出して使用したり、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどのプログラムから生成された電子ファイルからXMPデータを抽出して使用する機能があり、ビデオのストーリーボード作成も行うことができます。Inbound Refineryは、WindowsサーバーまたはUNIXサーバーのいずれかで実行されている場合、次のような目的に使用できます。

1.4 Inbound Refinery変換オプションと関連コンポーネント

Inbound Refineryは、適切なコンポーネントを有効にすることで、様々なオプションで構成できます。ほとんどのInbound Refineryオプションでは、Inbound Refineryサーバー・プロバイダと、Inbound Refineryプロバイダを使用するコンテンツ・サーバーのリポジトリのそれぞれで有効なコンポーネントが必要です。次の表に、各Inbound Refinery変換オプションに必要なコンポーネントと、各コンポーネントを有効にする必要があるサーバーを示します。

表1-1 Inbound Refinery: すべての変換に必須

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー

InboundRefinery

Inbound Refineryを有効にします。

Inbound Refineryサーバー

InboundRefinerySupport

コンテンツ・サーバーとInbound Refineryの併用を有効にします。

コンテンツ・サーバー



表1-2 PDF変換: PDFフォーマットへの変換用

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー

PDFExportConverter

Inbound Refineryで、Oracle OutsideInを使用してネイティブ・フォーマットをPDFに直接変換できます。サードパーティのツールの使用は不要です。PDFエクスポートは迅速なマルチ・プラットフォームの機能であり、同時変換を可能にします。

Inbound Refineryサーバー

WinNativeConverter

Inbound Refineryで、ネイティブ・アプリケーションまたはOutsideInXを使用して、ネイティブ・ファイルをPostScriptファイルに変換し、そのPostScriptファイルをサードパーティのDistillerエンジンを使用してPDFに変換できます。このコンポーネントを使用できるのは、Windowsプラットフォームのみです。このコンポーネントは、非推奨のPDFConverterコンポーネントで以前使用できた機能に取って代わるものです。

WinNativeConverterにより、Windowsプラットフォームのネイティブ・アプリケーションを使用する際に、すべてのPDF変換オプションに最良のレンディション品質が提供されます。WinNativeConverterでは同時変換は許可されません。

WinNativeConverterでは、ネイティブのOfficeアプリケーションを使用して、Inbound RefineryをWord、Excel、PowerpointおよびVisioで作成されたネイティブのMicrosoft OfficeファイルをHTMLに変換することもできます。

Inbound Refineryサーバー

OpenOfficeConversion

Inbound RefineryがOpen Officeを使用してサポート対象ファイルをPDFに変換できる、プラットフォーム間サポートが提供されます。OpenOfficeConversionでは、WinNativeConverterと同様に同時変換は許可されませんが、WinNativeConverterとは異なりUNIXプラットフォームがサポートされます。

Inbound Refineryサーバー


表1-3 Digital Asset Manager: イメージ・アセットおよびビデオ・アセットの変換用

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー

DAMConverter

Inbound Refineryでデジタル・アセットを複数のレンディションに変換できます。

Inbound Refineryサーバー

DamConverterSupport

コンテンツ・サーバーでデジタル・アセット管理機能をサポートできます。このコンポーネントは、ZipRenditionManagementコンポーネントに大きく依存しています。

コンテンツ・サーバー

DigitalAssetManager

デジタル・アセット管理のユーザー・インタフェースを、レンディションの作成とZIPファイルのアーカイブの管理に使用するコンポーネントとの緊密な統合に使用できます。このコンポーネントは、ContentBasketコンポーネントに大きく依存しています。

コンテンツ・サーバー


ContentBasket

ユーザーが、コンテンツ・アイテムのレンディションを選択し、その内容をバスケット下にあるデジタル・アセット・バスケットと呼ばれる個人の記憶領域に格納できるようにします。

コンテンツ・サーバー


ZipRenditionManagement

コンテンツ・サーバーで、Inbound Refineryによって作成され、ZIPファイルに圧縮されたデジタル・アセットのレンディションにアクセスできます。

コンテンツ・サーバー



表1-4 XML Converter: XMLレンディションおよびXLS変換用

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー

XMLConverter

Inbound Refineryで、プライマリWeb表示可能ファイルまたは独立したレンディションとしてFlexionDocおよびSearchMLスタイルのXMLを生成できます。また、Xalan XSLトランスフォーマを使用して、XSL変換を処理できます。

Inbound Refineryサーバー

XMLConverterSupport

コンテンツ・サーバーで、XML変換およびXSL変換をサポートできます。

コンテンツ・サーバー



表1-5 TIFF Converter: TIFFファイルからPDFへの変換用

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー

TiffConverter

Inbound Refineryで、単一ページまたは複数ページのTIFFファイルをテキスト検索が可能なPDF Completeに変換できます。

Inbound Refineryサーバー

TiffConverterSupport

コンテンツ・サーバーで、TIFFからPDFへの変換をサポートできます。

コンテンツ・サーバー



表1-6 HTML Converter: Microsoft OfficeドキュメントからHTMLへの変換用

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー

MSOfficeHtmlConverterSupport

コンテンツ・サーバーで、Inbound RefineryによってネイティブのMicrosoft OfficeからHTMLに変換されたファイルが、ZIPファイルでコンテンツ・サーバーに返されることをサポートできます。コンテンツ・サーバーには、ZipRenditionManagementコンポーネントがインストールされている必要があります。

コンテンツ・サーバー


ZipRenditionManagement

コンテンツ・サーバーで、Inbound Refineryによって作成されてZIPファイルに圧縮されたHTMLのレンディションにアクセスできます。

コンテンツ・サーバー



1.5 Inbound Refineryプロセス概要

Inbound Refineryは、ファイル変換を管理し、コンテンツ・サーバーへのプロバイダとして機能します。ファイルがコンテンツ・サーバーにチェックインされると、ファイル・システムまたはデータベースのネイティブ・ファイル・リポジトリにネイティブ・ファイルのコピーが格納されます。ネイティブ・ファイルのフォーマットは、Microsoft Wordなど、ファイルが元々作成されたフォーマットです。

ファイル・フォーマットが変換対象として設定されていない場合、ネイティブボールト・ファイルを指すネイティブ・ファイルまたはHCSTファイルのコピーをWebで表示可能なファイル・リポジトリに配置するように、コンテンツ・サーバーを構成できます。これは、ファイルがネイティブ・フォーマットのままライブラリに渡されることを意味します。このため、ファイルを表示するには、ネイティブ・ファイルを開くことができるアプリケーションがユーザーのコンピュータにインストールされている必要があります。

ファイル・フォーマットが変換対象として設定されている場合、コンテンツ・サーバーは変換キューに変換ジョブを作成します。次に、コンテンツ・サーバーは、リファイナリ・プロバイダのうちアクティブになっているリファイナリの1つ(変換を受け入れるように構成され、ビジーでないリファイナリ)に変換ジョブを配信しようとします。コンテンツ・サーバーは、アクティブなリファイナリに変換パラメータを送信します。リファイナリがジョブを受け入れない場合、コンテンツ・サーバーは次に使用可能なリファイナリに配信しようとします。リファイナリがジョブを受け入れると、コンテンツ・サーバーは変換データと変換対象ファイルが格納されているZIPファイルをリファイナリにアップロードします。さらに、コンテンツ・サーバーは、変換ジョブの追跡に使用するエントリをRefineryJobsテーブルに配置します。リファイナリは、変換ジョブをその変換前キューに配置します。

次に、リファイナリは指定された変換を実行しようとします。リファイナリは、変換ジョブの処理を完了すると、変換ジョブをその変換後キューに配置します。コンテンツ・サーバーは、リファイナリを定期的にポーリングし、そのRefineryJobsテーブル内の変換ジョブが完了したかどうかを調べます。リファイナリが変換ジョブの処理の完了を報告すると、コンテンツ・サーバーは変換されたファイル(たとえば、Webで表示可能なサムネイル・ファイルやPDFファイルなど)をリファイナリからダウンロードし、変換ジョブをその変換後キューに配置し、必要な場合は変換後機能を起動します。

変換が正常に行われた場合、Webで表示可能なサムネイル・ファイルやPDFファイルなどの変換されたファイルを、コンテンツ・サーバーのユーザーがWebブラウザを介して使用できるようになります。ビデオ、イメージまたはグラフィック・ファイルの場合、コンテンツ情報ページの「レンディション情報」タブで追加レンディションおよびレンディション情報を参照できます。

変換に失敗した場合、ネイティブ・ファイルのコピーをWebで表示可能なファイル・リポジトリに配置するようにコンテンツ・サーバーを構成できます。この場合、ユーザーがこのファイルを表示するには、ネイティブ・ファイルを開くことができるアプリケーションがユーザーのコンピュータにインストールされている必要があります。