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Oracle® WebCenter Content Conversion管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B66701-01
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2 変換の管理

Inbound Refineryは、コンテンツ・サーバーおよびInbound Refinery上にインストールおよび有効化されているコンポーネントに応じて、様々な変換オプションを提供します。基本的な変換を行うには、最低でも次のコンポーネントをインストールして有効化する必要があります。

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー
InboundRefinery Inbound Refineryを有効にします。 Inbound Refineryサーバー
InboundRefinerySupport コンテンツ・サーバーとInbound Refineryの併用を有効にします。 コンテンツ・サーバー

この項の内容は次のとおりです。

2.1 コンテンツ・サーバーとリファイナリ間の通信の構成

この項の内容は次のとおりです。

2.1.1 コンテンツ・サーバーとリファイナリの構成シナリオ

Inbound Refineryは、コンテンツ・サーバーによって管理されているコンテンツを調整するために使用できます。Inbound Refineryは、コンテンツ・サーバーと同じコンピュータまたは1台以上の別のコンピュータにインストールできます。インストール後に、同じまたは別のコンピュータ上のコンテンツ・サーバーに、プロバイダとしてリファイナリを追加する必要があります。詳細は、第2.1.2項「リファイナリ・プロバイダの構成」を参照してください。


注意:

Oracle Inbound Refineryでは、クラスタ環境での実行はサポートされていません。Inbound RefineryはOracle Content Serverクラスタに対する変換作業は実行できますが、それ自体をクラスタ環境で実行することはできません。Inbound Refineryは正しく機能するように、/queue/conversionディレクトリに対して長期ロックを作成し、維持します。Inbound Refineryが誤ってクラスタの一部として構成され、2つ目のInbound Refineryが起動して同じディレクトリのロックを試みると、2つ目のInbound Refineryは起動に失敗し、この試行はログに記録されます。

様々な構成が可能なため、リファイナリ環境の設定時には、次の一般ルールに留意してください。

  • 1日に大量のコンテンツ・アイテムを処理する予定である場合は、コンテンツ・サーバーと同じコンピュータ上でInbound Refineryを実行しないでください。

  • 専用のリファイナリ・システムの数が多いほど、コンテンツの処理速度は速くなります。コンテンツ・サーバー・インスタンスの数よりもリファイナリ・システムの数を多くすることにより、最適な速度を実現できます。コンテンツ・サーバーの数よりリファイナリ・システムの数が少ないと、多数のファイルを変換する必要がある場合にパフォーマンスが低下します。

  • 通常、同じコンピュータ上で複数のリファイナリを実行すべき理由はありません。1つのリファイナリが複数のコンテンツ・サーバーに対してプロバイダとして機能できます。リファイナリはシステムのリソースを共有するため、1つのシステム上で複数のリファイナリを動作させても、通常、パフォーマンスは向上しません。これには、変換時に使用されるサード・パーティ・アプリケーションも含まれます。パフォーマンスを向上させるには、通常は各リファイナリに対して別々のコンピュータを使用する必要があります。

  • 一部のファイル・タイプや大きなファイルの場合は、平均よりも大幅に処理時間がかかります。他のファイル・タイプに加え、これらのファイル・タイプを多数処理する場合は、これらのファイル・タイプのみを処理するリファイナリを別のシステム上に設定することを検討してください。これには複数のリファイナリ・システムが必要になりますが、最適な調整速度およびパフォーマンスを得られます。

次に一般的なシナリオを示します。この項で説明するリファイナリ構成に加え、その他の構成も可能です。特定のコンテンツ管理アプリケーションでは独自のリファイナリ設定が必要なことがあり、この項で紹介するいずれのシナリオとも合致しない場合があります。

  • シナリオA: 同じコンピュータ上に1つのコンテンツ・サーバーと1つのリファイナリ

  • シナリオB: 同じコンピュータ上に複数のコンテンツ・サーバーと1つのリファイナリ

  • シナリオC: 別々のコンピュータ上に複数のコンテンツ・サーバーと1つのリファイナリ

  • シナリオD: 別々のコンピュータ上に1つのコンテンツ・サーバーに付き1つのリファイナリ

  • シナリオE: 別々のコンピュータ上に1つのコンテンツ・サーバーに付き複数のリファイナリ

これらの各シナリオについて、次の各項で、それぞれのシナリオのメリットおよび考慮すべき注意事項も含めて詳しく説明します。シナリオの図では、コンピュータ、コンテンツ・サーバーおよびInbound Refineryを表すために、次の記号を使用します。

  • 大きい丸: コンピュータ

  • 小さい丸: Inbound Refinery

  • 小さい四角: コンテンツ・サーバー

2.1.1.1 シナリオA

シナリオAの図

これは最も基本的なシナリオです。同じコンピュータ上にインストールされた1つのコンテンツ・サーバーと1つのリファイナリから構成されます。

2.1.1.1.1 メリット
  • 最も安価で、構成が最も容易です。

  • 購入する必要がある、リファイナリ変換に必要なサード・パーティ・アプリケーションは1つだけです。

2.1.1.1.2 注意事項
  • 変換の数および速度が制限されています。

  • リファイナリがコンテンツ・サーバー・コンピュータにデプロイされていないシナリオほど処理能力は高くありません。これは、コンテンツ・サーバー・コンピュータ上でのリファイナリ処理は検索やWebサイトへのアクセス速度を低下させることがあり、その逆もまた同様のためです。ファイル・タイプとサイズに応じて、各変換には数秒から数分かかります。

2.1.1.2 シナリオB

refinery_scenario_b.gifについては周囲のテキストで説明しています。

このシナリオは、同じコンピュータ上にインストールされた複数のコンテンツ・サーバーと1つのリファイナリから構成されます。

2.1.1.2.1 メリット
  • 購入する必要がある、リファイナリ変換に必要なサード・パーティ・アプリケーションは1つだけです。

2.1.1.2.2 注意事項
  • 変換の数および速度が制限されています。

  • リファイナリがコンテンツ・サーバー・コンピュータにデプロイされていないシナリオほど処理能力は高くありません。これは、コンテンツ・サーバー・コンピュータ上でのリファイナリ処理は検索やWebサイトへのアクセス速度を低下させることがあり、その逆もまた同様のためです。ファイル・タイプとサイズに応じて、各変換には数秒から数分かかります。

  • この構成では、リファイナリのデプロイ時には通常、次の選択を行います。

    • リファイナリをいずれかのコンテンツ・サーバーのプロバイダとして設定します。デプロイメント後に、このリファイナリを他のコンテンツ・サーバーに対してプロバイダとして追加する必要があります。詳細は、第2.1.2項「リファイナリ・プロバイダの構成」を参照してください。

2.1.1.3 シナリオC

refinery_scenario_c.gifについては周囲のテキストで説明しています。

このシナリオは、別々のコンピュータ上にインストールされた複数のコンテンツ・サーバーと1つのリファイナリから構成されます。

2.1.1.3.1 メリット
  • 購入する必要がある、リファイナリ変換に必要なサード・パーティ・アプリケーションは1つだけです。

  • リファイナリがコンテンツ・サーバーと同じコンピュータ上にデプロイされている場合よりも、処理が高速です。

  • リファイナリの処理はコンテンツ・サーバーの検索およびWebサイトへのアクセスに影響しません。その逆もまた同様です。

2.1.1.3.2 注意事項
  • 1つのコンテンツ・サーバーに付き1つのリファイナリが存在するシナリオほど処理能力は高くありません。

  • この構成では、リファイナリのデプロイ時には通常、次の選択を行います。

2.1.1.4 シナリオD

refinery_scenario_d.gifについては周囲のテキストで説明しています。

このシナリオは、別々のコンピュータ上にインストールされた1つのコンテンツ・サーバーに付き1つのリファイナリから構成されます。

2.1.1.4.1 メリット
  • 大量のコンテンツおよび大きなファイル・サイズに対して高速処理を行えます。

  • リファイナリの処理はコンテンツ・サーバーの検索およびWebサイトへのアクセスに影響しません。その逆もまた同様です。

2.1.1.4.2 注意事項
  • 各リファイナリ・コンピュータに、変換に必要なすべてのサード・パーティ・アプリケーションのコピーが必要です。

  • 各リファイナリを、各コンテンツ・サーバーに対してプロバイダとして追加する必要があります。詳細は、第2.1.2項「リファイナリ・プロバイダの構成」を参照してください。

2.1.1.5 シナリオE

refinery_scenario_e.gifについては周囲のテキストで説明しています。

このシナリオは、別々のコンピュータ上にインストールされた1つのコンテンツ・サーバーに付き複数のリファイナリから構成されます。

2.1.1.5.1 メリット
  • 大量のコンテンツおよび大きなファイル・サイズに対して最高速で処理を行えます。

  • リファイナリの処理はコンテンツ・サーバーの検索およびWebサイトへのアクセスに影響しません。その逆もまた同様です。

2.1.1.5.2 注意事項
  • 各リファイナリ・コンピュータに、変換に必要なすべてのサード・パーティ・アプリケーションのコピーが必要です。

  • この構成では、リファイナリのデプロイ時には通常、次の選択を行います。

2.1.2 リファイナリ・プロバイダの構成

この項の内容は次のとおりです。

2.1.2.1 コンテンツ・サーバーとリファイナリ・プロバイダについて

コンテンツ・サーバーは、プロバイダを通してリファイナリと通信します。1つのリファイナリは、1つまたは複数のコンテンツ・サーバーに対してプロバイダとして機能できます。一般的な構成の詳細は、第2.1.1項「コンテンツ・サーバーとリファイナリの構成シナリオ」を参照してください。

リファイナリは、同じコンピュータ上のコンテンツ・サーバーに対するプロバイダとして追加するか、デプロイメント後に別のコンピュータ上のコンテンツ・サーバーに対するプロバイダとして追加できます。

2.1.2.2 リファイナリ・プロバイダの追加

コンテンツ・サーバーに対するプロバイダとしてリファイナリを追加するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインします。

  2. 「管理」「プロバイダ」を選択します。プロバイダ・ページが表示されます。

  3. 「新規プロバイダの作成」セクションで、「送信」プロバイダ・タイプの「アクション」列の「追加」をクリックします。送信ソケット・プロバイダの追加/送信ソケット・プロバイダの編集ページが表示されます。

  4. 次のフィールドを指定します。

    • プロバイダ名(必須): リファイナリ・プロバイダの名前。

    • プロバイダの説明(必須): わかりやすいプロバイダの説明。

    • プロバイダ・クラス(必須): プロバイダのJavaクラスの名前。デフォルトは、intradoc.provider.SocketOutgoingProviderクラスです。

    • 接続クラス: 必須ではありません。

    • 構成クラス: 必須ではありません。

    • サーバー・ホスト名(必須): リファイナリがインストールされているサーバーのホスト名。

    • HTTPサーバー・アドレス: リファイナリのHTTPサーバー・アドレス。リファイナリがコンテンツ・サーバーと同じコンピュータ上に存在している場合は、必須ではありません。

    • サーバー・ポート(必須): リファイナリ・プロバイダが通信するポート。このエントリは、Inbound Refineryのデプロイメント時にインストール後の構成ページで構成したサーバー・ソケット・ポートと一致する必要があります。インストール後の構成の詳細は、『Oracle WebCenter Contentインストレーション・ガイド』を参照してください。デフォルトのリファイナリ・ポートは5555です。

    • インスタンス名(必須): リファイナリのインスタンス名。たとえば、ref2

    • 相対Webルート(必須): リファイナリの相対Webルートは/ibr/です。

  5. 接続先のリファイナリでコンテンツ・サーバーに対する認証が要求される場合は、「接続パスワードの使用」チェック・ボックスを選択します(コンテンツ・サーバーはリファイナリのユーザー・ベースを共有するようになります)。選択した場合は、使用するユーザー名とパスワードを指定し、リファイナリ上にProxyConnectionsコンポーネントをインストールして構成する必要があります。

  6. 「Inbound Refinery変換ジョブの処理」チェック・ボックスを選択します。これは必須です。

  7. 「Inbound Refineryの読取り専用モード」チェック・ボックスの選択を解除します。コンテンツ・サーバーで新規の変換ジョブをリファイナリに送信しない場合にのみ、このチェック・ボックスを選択します。

  8. 必要な場合は、コンテンツ・サーバーの事前変換されたキューで許可されるジョブの最大数を変更します。デフォルトは1000ジョブです。

  9. 「追加」をクリックします。「プロバイダ」表に新しいリファイナリ・プロバイダが追加されたプロバイダ・ページが表示されます。

  10. コンテンツ・サーバーを再起動します。

2.1.2.3 リファイナリ・プロバイダの編集

既存のリファイナリ・プロバイダに対する情報を編集するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインします。

  2. 「管理」「プロバイダ」を選択します。プロバイダ・ページが表示されます。

  3. 「プロバイダ」表で、編集するリファイナリ・プロバイダの「アクション」列の「情報」をクリックします。プロバイダ情報ページが表示されます。

  4. 「編集」をクリックします。送信ソケット・プロバイダの追加/送信ソケット・プロバイダの編集ページが表示されます。

  5. 必要な変更を行います。

  6. 「更新」をクリックして変更内容を保存し、プロバイダ・ページに戻ります。

  7. コンテンツ・サーバーを再起動します。

2.1.2.4 リファイナリ・プロバイダの有効化/無効化

既存のリファイナリ・プロバイダを有効または無効にするには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインします。

  2. 「管理」「プロバイダ」を選択します。プロバイダ・ページが表示されます。

  3. 「プロバイダ」表で、有効または無効にするリファイナリ・プロバイダの「アクション」列の「情報」をクリックします。プロバイダ情報ページが表示されます。

  4. 「無効化」または「有効化」をクリックします。

  5. コンテンツ・サーバーを再起動します。

2.1.2.5 リファイナリ・プロバイダの削除

既存のリファイナリ・プロバイダを削除するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインします。

  2. 「管理」「プロバイダ」を選択します。プロバイダ・ページが表示されます。

  3. 「プロバイダ」表で、削除するリファイナリ・プロバイダの「アクション」列の「情報」をクリックします。プロバイダ情報ページが表示されます。

  4. 「削除」をクリックします。確認メッセージが表示されます。

  5. 「OK」をクリックします。

2.1.3 リファイナリのIPセキュリティ・フィルタの編集

リファイナリへのアクセスを制限するためにIPセキュリティ・フィルタを使用します。指定された条件に一致するIPまたはIPv6アドレスのホストのみにアクセスが許可されます。デフォルトでは、IPセキュリティ・フィルタは127.0.0.1|0:0:0:0:0:0:0:1です。これは、Inbound Refineryはlocalhostからの通信のみをリスニングすることを意味します。コンテンツ・サーバーがそのすべてのリファイナリと通信できるようにするには、リファイナリのIPセキュリティ・フィルタに、各コンテンツ・サーバー・コンピュータのIPまたはIPv6アドレスを追加する必要があります。これは、リファイナリがコンテンツ・サーバーと同じコンピュータ上で実行されている場合も同様です。リファイナリに対するIPセキュリティ・フィルタを編集するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリ・コンピュータにアクセスします。

  2. システム・プロパティ・アプリケーションを起動します。

    • Windows: 「スタート」「プログラム」Oracle Content Server/Inbound Refinery→<instance_name>→「ユーティリティ」「システム・プロパティ」を選択します。

    • UNIX: リファイナリのインストール・ディレクトリの/binサブディレクトリにあるSystemPropertiesスクリプトを実行します。

  3. 「サーバー」タブを選択します。

  4. 「IPアドレス・フィルタ」フィールドに、各コンテンツ・サーバー・コンピュータのIPまたはIPv6アドレスが含まれていることを確認します(これが、リファイナリ・サーバーも実行されているのと同じ物理コンピュータである場合も)。このフィールドのデフォルト値は127.0.0.1|0:0:0:0:0:0:0:1(localhost)ですが、有効なIPまたはIPv6アドレスをいくつでも追加できます。パイプ記号(|)で区切ることにより複数のIPアドレスを指定できます。また、ワイルドカード(0個以上の文字を表す*、および1文字を表す?)も使用できます。次に例を示します。

    127.0.0.1|0:0:0:0:0:0:0:1|10.10.1.10|62.43.163.*|62.43.161.12?
    

    重要:

    localhostのIPアドレス(127.0.0.1)は必ず含めてください。

  5. 完了したら「OK」をクリックし、リファイナリ・サーバーを再起動します。


    ヒント:

    または、IntradocDir/configディレクトリにあるconfig.cfgファイルで、IPセキュリティ・フィルタにIPアドレスを直接追加することもできます。IPまたはIPv6アドレスを、SocketHostAddressSecurityFilter変数に追加します。例: SocketHostAddressSecurityFilter=127.0.0.1|0:0:0:0:0:0:0:1|10.10.1.10|62.43.163.*

2.1.4 UNIXプラットフォームに対するライブラリ・パスの設定

Oracle Content ServerおよびOracle Inbound Refineryでは、Outside In Technologyを使用します。Ouside In Technologyは、すべてのLinuxプラットフォームに加えて、SolarisプラットフォームとHPUX ia64の両方で、GCCライブラリ(libgcc_sとlibstdc++)に動的にリンクされます。Oracle Content Serverはこれらのライブラリにアクセスできる必要がありますが、SolarisとHPUXではこれらのライブラリはデフォルトでは利用できません。コンテンツ・サーバーまたはInbound RefineryをSolarisまたはHPUXのいずれかで実行している場合は、GCCライブラリを入手してインストールし、それらを検出するようにコンテンツ・サーバーを構成する必要があります。ライブラリ・パスの構成の詳細は、『Oracle WebCenter Contentインストレーション・ガイド』を参照してください。

2.2 コンテンツ・サーバーでのリファイナリへのジョブ送信の構成

この項の内容は次のとおりです。

2.2.1 概要

コンテンツ・サーバーでは、ファイル拡張子、ファイル・フォーマットおよび変換を使用して、コンテンツ・アイテムがInbound Refineryおよびその変換アドオンによってどのように処理されるべきかを定義します。また、アプリケーション開発者はカスタム変換を作成することもできます。

通常、ファイル・フォーマットはそのMultipurpose Internet Mail Extension(MIME)タイプにより識別され、各ファイル・フォーマットは特定の変換にリンクされます。各ファイル拡張子は、特定のファイル・フォーマットにマップされます。したがって、チェックインされたファイルの拡張子に基づいて、コンテンツ・サーバーは、ファイルがリファイナリによって処理されるかどうか、およびどのように処理されるかを制御できます。リファイナリの変換設定は、リファイナリが承認する変換を指定し、変換の出力を制御します。

次の例を考えてみます。docファイル拡張子がファイル・フォーマットapplication/mswordにマップされており、これは変換Wordにリンクされています。これは、コンテンツ・サーバーが、コンテンツ・サーバーにチェックインされたすべてのMicrosoft Wordファイル(拡張子がdocのファイル)を、変換用にリファイナリに送信しようとすることを意味します。別の例として、xlsファイル拡張子がファイル・フォーマットapplication/vnd.ms-excelにマップされており、これは変換PassThruにリンクされているとします。この場合、Microsoft Excelファイルはリファイナリには送信されません。かわりに、ネイティブ・ファイルのコピーまたはネイティブ・ボールト・ファイルを指すHCSTファイルを/weblayoutディレクトリに配置するように、コンテンツ・サーバーを構成できます。つまり、ユーザーがこのファイルを表示するには、ネイティブ・ファイルを開くことができるアプリケーションがユーザーのコンピュータにインストールされている必要があります。

図2-1 変換へのファイル・フォーマットのマッピング

図2-1については周囲のテキストで説明しています。

ファイルがコンテンツ・サーバーにチェックインされ、そのファイル・フォーマットが変換にマップされていると、コンテンツ・サーバーは、その変換を承認して変換ジョブを実行できるリファイナリ・プロバイダがあるかどうかを確認します。これは、次のことを意味します。

2.2.2 変換について

変換では、実行すべき変換ステップや使用すべき変換エンジンも含め、特定のファイル・フォーマットをどのように処理すべきかを指定します。変換は、ファイル・フォーマット・ウィザード・ページまたは「ファイル・フォーマット」画面のいずれかを使用して、ファイル・フォーマットにリンクできます。詳細は、第2.2.5項「ファイル・フォーマット・ウィザードの使用」および第2.2.6項「構成マネージャの使用」を参照してください。

コンテンツ・サーバーで使用可能な変換は、リファイナリで使用可能な変換と一致する必要があります。あるファイル・フォーマットがコンテンツ・サーバーで変換にマップされると、そのフォーマットのファイルは、チェックイン時に変換用に送信されます。その変換を承認するように、1つ以上のリファイナリが設定されている必要があります。詳細は、第2.3.4項「承認される変換の設定」を参照してください。

次のデフォルト変換を使用できます。変換アドオンをインストールすると、追加の変換が使用可能になります。詳細は、特定の変換アドオンのドキュメントを参照してください。

変換 説明
PassThru ファイルが変換されないようにするために使用します。この変換がファイル・フォーマットにリンクされていると、そのファイル・フォーマットにマップされているすべてのファイル拡張子は変換用に送信されません。ネイティブ・ファイルのコピーまたはネイティブ・ボールト・ファイルを指すHCSTファイルを/weblayoutディレクトリに配置するように、コンテンツ・サーバーを構成できます。詳細は、第2.2.7項「PassThruファイル用のコンテンツ・サーバーの構成」を参照してください。
Word Microsoft Word、Microsoft Writeおよびリッチ・テキスト形式(RTF)ファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
Excel Microsoft Excelファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
PowerPoint Microsoft PowerPointファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
MSProject Microsoft Projectファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
Distiller PostScriptファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルは指定されたPostScript Distillerエンジンを使用してPDFに変換されます。
MSPub Microsoft Publisherファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
FrameMaker Adobe FrameMakerファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
Visio Microsoft Visioファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
WordPerfect Corel WordPerfectファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
PhotoShop Adobe Photoshopファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
InDesign Adobe InDesign、Adobe PageMakerおよびQuarkXPressファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
MSSnapshot Microsoft Snapshotファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
PDF Refinement チェックインされたPDFファイルを調整用に送信するために使用します。リファイナリの変換設定に応じて、これには指定されたPostScript Distillerエンジンを使用した、高速Web表示用のPDFファイルの最適化が含まれます。
Ichitaro このバージョンのInbound Refineryでは、一太郎の変換はサポートされていません。
OpenOffice OpenOfficeおよびStarOfficeファイルを変換用に送信するために使用します。ファイルはリファイナリの変換設定に従って変換されます。
ImageThumbnail 選択したグラフィック・フォーマットを単純なサムネイルのみの作成用に送信するために使用します。これは、Inbound Refineryはインストールされていないが、グラフィック・フォーマットのサムネイル・イメージが必要な場合に有用です。返されるWeb表示可能ファイルは、ネイティブ・ファイルのコピーであり、オプションでサムネイル・イメージになります。

Inbound Refineryがインストールされている場合は、ImageThumbnail変換のかわりに、イメージ・レンディションおよびサムネイルの作成も含め、変換用にグラフィック・フォーマットを送信するために使用できます。

NativeThumbnail 中間のPDF変換からではなく、ネイティブ・フォーマットからのサムネイルの作成用に、選択したファイル・フォーマットを送信するために使用します。通常、この変換は、テキスト・ファイル(TXT)、Microsoft Outlook電子メール・ファイル(EMLとMSG)およびOfficeドキュメントのサムネイルを、先にPDFに変換せずに作成するために使用します。返されるWeb表示可能ファイルは、ネイティブ・ファイルのコピーであり、オプションでサムネイル・レンディションやXMLレンディションになります。XMLレンディションを作成するには、XMLConverterがインストールされており、XMLステップが構成および有効化されている必要があります。
MultipageTiff Outside In Image Exportを使用した複数ページのTIFFファイルへの直接変換用にファイルを送信するために使用します。ファイル・フォーマットがこの変換にマップされている場合、リファイナリの変換設定は無視され、ファイルはTIFFファイルへの変換用にImage Exportに直接送信されます。
OutsideIn Technology リファイナリ・サーバー上でのWinNativeConverterを使用した変換用に、サポートされているフォーマットをPostScriptに印刷するためにOutside In Xを使用します。
Direct PDFExport Outside In PDF Exportを使用したPDFへの直接変換用にファイルを送信するために使用します。
FlexionXML XML Converterを使用した変換用にファイルを送信するために使用します。
SearchML XML Converterを使用した変換用にファイルを送信するために使用します。
XML-XSLT Transformation XML Converterを使用したXSLT変換用にファイルを送信するために使用します。XSLT変換は、XMLデータを別のフォーマットに出力するために使用します。
LegacyCustom このバージョンのInbound Refineryでは、LegacyCustom変換はサポートされていません。
Digital Media Graphics Digital Asset Managerがインストールされている場合、Image Managerを使用した複数のイメージ・レンディションへの変換用にデジタル・イメージを送信するために使用します。
Digital Media Video Digital Asset Managerがインストールされている場合、Video Managerを使用した複数のビデオまたはオーディオ・レンディションへの変換用にデジタル・ビデオを送信するために使用します。
TIFFConversion ドキュメント内でのテキストの索引付けが可能なPDFフォーマットへの変換用にTIFFファイルを送信するために使用します。
Word HTML ネイティブMicrosoft Wordアプリケーションを使用したHTMLへの変換用にMicrosoft Wordファイルを送信するために使用します。
PowerPoint HTML ネイティブMicrosoft PowerPointアプリケーションを使用したHTMLへの変換用にMicrosoft PowerPointファイルを送信するために使用します。
Excel HTML ネイティブMicrosoft Excelアプリケーションを使用したHTMLへの変換用にMicrosoft Excelファイルを送信するために使用します。
Visio HTML ネイティブMicrosoft Visioアプリケーションを使用したHTMLへの変換用にMicrosoft Visioファイルを送信するために使用します。

2.2.3 コンテンツ・アイテムのリファイナリ通過と失敗した変換

ファイル・フォーマットが変換PassThruにリンクされていると、そのファイル・フォーマットにマップされているすべてのファイル拡張子は変換されません。ファイル拡張子がPassThruにマップされているコンテンツ・アイテムがコンテンツ・サーバーにチェックインされると、そのファイルはリファイナリには送信されず、Web表示可能ファイルは作成されません。ネイティブ・ファイルのコピー、またはネイティブ・ファイルを指すHCSTファイルをWebレイアウト・ディレクトリに配置するように、コンテンツ・サーバーを構成できます。これは、ユーザーがファイルを表示するには、ファイルの作成に使用されたアプリケーション、またはファイルを開くことができるアプリケーションが、各クライアント上にインストールされている必要があることを意味します。詳細は、第2.2.7項「PassThruファイル用のコンテンツ・サーバーの構成」を参照してください。

ファイルがリファイナリに送信され、変換が失敗したことがリファイナリによってコンテンツ・サーバーに通知される場合、ネイティブ・ファイルのコピーをWebレイアウト・ディレクトリに配置するようにコンテンツ・サーバーを構成できます。この場合、ユーザーがこのファイルを表示するには、ネイティブ・ファイルを開くことができるアプリケーションがユーザーのコンピュータにインストールされている必要があります。詳細は、第2.2.8項「コンテンツ・サーバーのリファイナリ変換オプションの構成」を参照してください。

2.2.4 MIMEタイプについて

新しいファイル・フォーマットには、ファイル拡張子に対応するMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)タイプによって名前を付けることをお薦めします(たとえば、docファイル拡張子にマップされるフォーマットはapplication/mswordとするなど)。

コンテンツ・アイテムがコンテンツ・サーバーにチェックインされると、そのコンテンツ・アイテムのフォーマットは、ネイティブ・ファイルのファイル拡張子にマップされているフォーマットに従って割り当てられます。ネイティブ・ファイルが変換されない場合、コンテンツ・サーバーでは、コンテンツ・アイテムをクライアントに配信する際にこのフォーマットを含めます。フォーマットにMIMEタイプを使用すると、クライアントでは、ファイルのデータのタイプや使用する必要があるヘルパー・アプリケーションなどの判断に役立ちます。

ネイティブ・ファイルが変換されると、Inbound RefineryはWeb表示可能ファイルに適切なフォーマットを割り当て(たとえば、リファイナリがPDFファイルを生成した場合、このファイルをapplication/pdfと識別します)、コンテンツ・サーバーはクライアントへのWeb表示可能ファイルの配信時に(ネイティブ・ファイルに対して指定されているフォーマットではなく)このフォーマットを含めます。

Inbound Refineryには、インストール時に自動的に構成されるファイル・フォーマットの広範なリストが含まれます。コンテンツ・サーバー・プロバイダの構成マネージャ・アプレットでリストを確認してください。新しいフォーマットは、珍しいフォーマットまたは独自のフォーマットで作業する場合にのみ追加する必要があります。

ファイル・フォーマットに対する正しいMIMEタイプを判別するために有用なリソースがインターネットで提供されています。次に例を示します。

2.2.5 ファイル・フォーマット・ウィザードの使用

InboundRefinerySupportコンポーネントがインストールおよび有効化されており、少なくとも1つのInbound Refineryプロバイダが有効になっている場合、コンテンツ・サーバーの「管理」メニューから「リファイナリ管理」「ファイル・フォーマット・ウィザード」を選択することにより、ファイル・フォーマット・ウィザード・ページにアクセスできます。ファイル・フォーマット・ウィザード・ページでは、変換用にリファイナリに送信する必要のあるファイル・タイプを選択できます。対応するデフォルトのファイル拡張子、ファイル・フォーマットおよび変換が、自動的にマップされます。


重要:

ファイル・フォーマット・ウィザード・ページを使用するには、コンテンツ・サーバーにInboundRefinerySupportコンポーネントをインストールして有効にし、少なくとも1つのInbound Refineryプロバイダを有効にする必要があります。また、変換オプション・コンポーネントによって、ファイル・タイプがファイル・フォーマット・ウィザード・ページに追加される場合があります。

また、構成マネージャ・アプレットを使用して、ファイル・フォーマットの構成を手動で変更することもできます。詳細は、第2.2.6項「構成マネージャの使用」を参照してください。ファイル・フォーマット・ウィザード・ページは、一般的なほとんどのファイル・タイプの変換を構成するために使用できますが、構成マネージャ・アプレットのすべての機能が複製されているわけではありません。

ファイル・フォーマット・ウィザード・ページを使用するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインしていることを確認します。

  2. ナビゲーション・メニューで「管理」「リファイナリ管理」「ファイル・フォーマット・ウィザード」を選択します。ファイル・フォーマット・ウィザード・ページが表示されます。

  3. 変換用にリファイナリに送信される各ファイル・タイプに対するチェック・ボックスを選択します。すべてのチェック・ボックスを選択/選択を切り替えるには、ヘッダー行でチェック・ボックスを選択するか、または選択を解除します。


    重要:

    このバージョンのInbound Refineryでは、一太郎の変換はサポートされていません。

  4. 最後に保存した設定に戻すには、「リセット」をクリックします。

  5. 「更新」をクリックします。選択したファイル・タイプに対して、対応するデフォルトのファイル拡張子、ファイル・フォーマットおよび変換が、自動的にマップされます。

2.2.6 構成マネージャの使用

ほとんどの一般的なファイル・タイプに対するデフォルト変換の構成には、ファイル・フォーマット・ウィザードを使用できます。詳細は、第2.2.5項「ファイル・フォーマット・ウィザードの使用」を参照してください。ファイル拡張子、ファイル・フォーマットおよび変換は、コンテンツ・サーバーで管理アプレットの1つである構成マネージャを使用して管理することもできます。構成マネージャを使用する必要があるのは、一般的ではないファイル・タイプのデフォルト変換の変更および変換の設定を行う場合のみです。

この項の内容は次のとおりです。

2.2.6.1 構成マネージャの起動

構成マネージャを起動するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインしていることを確認します。

  2. ナビゲーション・メニューで、「管理」をクリックします。

  3. 「管理アプレット」をクリックします。<server name>の管理アプレット・ページが表示されます。

  4. 「構成マネージャ」をクリックします。構成マネージャ・アプレットが起動します。

  5. 「オプション」「ファイル・フォーマット」を選択します。「ファイル・フォーマット」画面が表示されます。

2.2.6.2 ファイル・フォーマットの追加

ファイル・フォーマットを追加し、変換にリンクするには、次の手順を実行します。

  1. 「ファイル・フォーマット」セクションで「追加」をクリックします。「新しいファイル・フォーマットの追加」/「ファイル・フォーマットの編集」画面が表示されます。

  2. 「フォーマット」フィールドにファイル・フォーマットの名前を入力します。任意の名前を使用できますが、対応するファイル拡張子(複数の場合あり)に関連付けられているMIMEタイプを使用することをお薦めします。詳細は、第2.2.4項「MIMEタイプについて」を参照してください。

  3. 「変換」ドロップダウン・リストから適切な変換を選択します。詳細は、第2.2.2項「変換について」を参照してください。


    重要:

    このバージョンのInbound Refineryでは、一太郎の変換はサポートされていません。

  4. 「説明」フィールドにファイル・フォーマットの説明を入力します。

  5. 「OK」をクリックして設定を保存し、「ファイル・フォーマット」画面に戻ります。

2.2.6.3 ファイル・フォーマットの編集

リンクされている変換の変更も含め、ファイル・フォーマットを編集するには、次の手順を実行します。

  1. 「ファイル・フォーマット」セクションで、ファイル・フォーマットを選択して「編集」をクリックします。「新しいファイル・フォーマットの追加」/「ファイル・フォーマットの編集」画面が表示されます。

  2. 「フォーマット」フィールドは変更できません。

  3. 「変換」ドロップダウン・リストから適切な変換を選択します。詳細は、第2.2.2項「変換について」を参照してください。

  4. 「説明」フィールドで、ファイル・フォーマットの説明を編集します(必要に応じて)。

  5. 「OK」をクリックして設定を保存し、「ファイル・フォーマット」画面に戻ります。

2.2.6.4 ファイル拡張子の追加

ファイル拡張子を追加し、ファイル・フォーマットにマップする(およびそれによりファイル拡張子を変換に関連付ける)には、次の手順を実行します。

  1. 「ファイル拡張子」セクションで「追加」をクリックします。「ファイル拡張子の追加」/「ファイル拡張子の編集」画面が表示されます。

  2. 「拡張子」フィールドにファイル拡張子を入力します。

  3. 「マップ先フォーマット」ドロップダウン・リストで、定義済ファイル・フォーマットのリストから適切なファイル・フォーマットを選択します。ファイル・フォーマットを選択すると、指定した拡張子を持つすべてのファイルが、そのファイル・フォーマットにリンクされている特定の変換に直接割り当てられます。

  4. 「OK」をクリックして設定を保存し、「ファイル・フォーマット」画面に戻ります。

2.2.6.5 ファイル拡張子の編集

マップされているファイル・フォーマットを変更する(およびそれによりファイル拡張子を別の変換に関連付ける)ことも含め、ファイル拡張子を編集するには、次の手順を実行します。

  1. 「ファイル拡張子」セクションで、ファイル拡張子を選択して「編集」をクリックします。「ファイル拡張子の追加」/「ファイル拡張子の編集」画面が表示されます。

  2. 「拡張子」フィールドは変更できません。

  3. 「マップ先フォーマット」ドロップダウン・リストで、定義済ファイル・フォーマットのリストから適切なファイル・フォーマットを選択します。ファイル・フォーマットを選択すると、指定した拡張子を持つすべてのファイルが、そのファイル・フォーマットにリンクされている特定の変換に直接割り当てられます。

  4. 「OK」をクリックして設定を保存し、「ファイル・フォーマット」画面に戻ります。

2.2.7 PassThruファイル用のコンテンツ・サーバーの構成

ファイル・フォーマットが変換PassThruにリンクされていると、そのファイル・フォーマットにマップされているすべてのファイル拡張子は変換用に送信されません。デフォルトでは、コンテンツ・サーバーはネイティブ・ファイルのコピーをWebレイアウト・ディレクトリに配置します。ただし、かわりにネイティブ・ボールト・ファイルを指すHCSTファイルをWebレイアウト・ディレクトリに配置するように、コンテンツ・サーバーを構成することもできます。これは、変換しない大きなファイルがあり、Webレイアウト・ディレクトリに大きなファイルをコピーしたくない場合に有用です。

次の重要な注意事項に留意してください。

  • HCSTファイルの内容は、redirectionfile_template.htmファイルの内容によって制御されます。

  • ファイルの配信にはGET_FILEサービスが使用されるため、PDFハイライトやバイト・サービングは利用できません。これは、テンプレートを上書きし、Webサーバーを再構成することにより解決できます。

  • 単純なテンプレートを使用します。ブラウザの「戻る」ボタンが機能せず、レイアウトの相違が発生することがあります。これは、テンプレートを上書きし、Webサーバーを再構成することにより解決できます。

  • Webレイアウト・ディレクトリにHCSTファイルがあるため、ファイル数は減りません。ただし、ネイティブ・ボールト・ファイルが大きい場合は、ディスク領域を節約できます。

  • この設定は、変換用にリファイナリに送信されるファイルには影響しません。つまり、ファイルが変換用にリファイナリに送信される場合、別のコンテンツ・サーバー設定によって、Web表示可能ファイルとネイティブ・ファイルのコピーのいずれがWebレイアウト・ディレクトリに配置されるかが制御され、HCSTファイルは使用できません。詳細は、第2.2.8項「コンテンツ・サーバーのリファイナリ変換オプションの構成」を参照してください。

ネイティブ・ファイルのコピーではなくHCSTファイルをWebレイアウト・ディレクトリに配置するようにコンテンツ・サーバーを構成するには、次の手順を実行します。

  1. IntradocDir/config/ディレクトリにあるコンテンツ・サーバーのconfig.cfgファイルをテキスト・エディタで開きます。

  2. IndexVaultFile変数を追加し、値をtrueに設定します。

    IndexVaultFile=true
    
  3. config.cfgファイルへの変更内容を保存します。

  4. コンテンツ・サーバーを再起動します。

2.2.8 コンテンツ・サーバーのリファイナリ変換オプションの構成

変換前および変換後ジョブをコンテンツ・サーバーでどのように処理するかなど、コンテンツ・サーバーとそのリファイナリ・プロバイダとの対話方法に影響を与えるオプションをいくつか構成できます。これらの設定は、Inbound Refinery変換オプション・ページを使用して行います。


重要:

Inbound Refinery変換オプション・ページを使用するには、コンテンツ・サーバーにInboundRefinerySupportコンポーネントをインストールして有効にし、少なくとも1つのInbound Refineryプロバイダを有効にする必要があります。

コンテンツ・サーバーが変換前および変換後ジョブをどのように処理するかを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインします。

  2. 「管理」「リファイナリ管理」「変換オプション」を選択します。Inbound Refinery変換オプション・ページが表示されます。

  3. 次に転送を試みるまでに変換前ジョブを待機する秒数を入力します。デフォルトは10(秒)です。

  4. 単一のジョブの転送を開始してからアクションを実行するまでの転送許容時間を分単位で入力します。デフォルトは30(分)です。

  5. ネイティブ・ファイル圧縮しきい値サイズを入力します(MB単位)。デフォルトのしきい値サイズは1024MB(1GB)です。ネイティブ・ファイルは、しきい値サイズを超えないかぎり、圧縮されてから、コンテンツ・サーバーによってリファイナリに転送されます。この設定によって、非常に大きなファイル(たとえば、大規模なビデオ・ファイル)の圧縮に伴うオーバーヘッドを回避できます。転送前にネイティブ・ファイルを圧縮しないようにする場合は、ネイティブ・ファイル圧縮しきい値サイズを0に設定します。

  6. ジョブ転送の有効期限が切れた場合に変換が失敗するようにするには、該当するチェック・ボックスを選択します。

  7. コンテンツ・サーバーが失敗した変換をどのように処理するかを指定します。ファイルがリファイナリに送信され、変換が失敗した場合に、ネイティブ・ファイルのコピーを/weblayoutディレクトリに配置するようにコンテンツ・サーバーを構成できます(「Refinery通過」)。通過を有効にするには、このチェック・ボックスを選択します。通過を無効にするには、チェック・ボックスの選択を解除します。

    次の重要な注意事項に留意してください。

    • ファイルが変換用にリファイナリに送信される場合、ネイティブ・ファイルのコピーのかわりにHCSTファイルを使用することはできません。コンテンツ・サーバーがリファイナリに送信されないファイルをどのように処理するかを構成する方法の詳細は、第2.2.7項「PassThruファイル用のコンテンツ・サーバーの構成」を参照してください。

    • この設定は、IntradocDir\config\ディレクトリにあるconfig.cgfファイル内のAllowPassthru変数を使用して手動で上書きすることもできます。

  8. 最後に保存した設定に戻すには、「リセット」をクリックします。

  9. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

  10. コンテンツ・サーバーを再起動します。

変換キューを管理するためにコンテンツ・サーバーおよびリファイナリ設定を使用する方法の詳細は、第2.5.2項「リファイナリ変換キューの管理」を参照してください。

2.2.9 チェックイン時の変換の上書き

環境によっては、特定のファイル拡張子が複数の方法で使用されている場合があります。よい例がZIPファイル拡張子です。たとえば、次のようなファイルをチェックインすることが考えられます。

  • TIFF Converterを含むリファイナリに、OCRを使用して単一のPDFファイルに変換させる、単一のZIPファイルに圧縮された複数のTIFFファイル。

  • 変換用にリファイナリに送信しない、単一のZIPファイルに圧縮された複数のファイル・タイプ(ZIPファイルはそのネイティブ・フォーマットのまま通過させる必要があります)。

ファイルを複数の方法で使用している場合、ユーザーがコンテンツ・サーバーへのファイルのチェックイン時にファイルの変換方法を選択できるように、コンテンツ・サーバーを構成できます。これを、「チェックイン時にフォーマットの上書きを許可」と呼びます。このコンテンツ・サーバーの機能を有効にするには、次の手順を実行します。

  1. 管理者としてコンテンツ・サーバーにログインしていることを確認します。

  2. ナビゲーション・メニューで、「管理」をクリックします。

  3. 「管理サーバー」をクリックします。管理サーバー・ページが表示されます。

  4. 構成するコンテンツ・サーバー・インスタンスに対するボタンをクリックします。そのコンテンツ・サーバー・インスタンスの管理ページが表示されます。

  5. ナビゲーション・メニューで「一般構成」をクリックします。

  6. 「チェックイン時にフォーマットの上書きを許可」設定を有効にします。

  7. 「保存」をクリックします。

  8. 構成マネージャを使用して、ファイル拡張子を最も一般的に使用される変換にマップします。これがデフォルト変換になります。構成マネージャを使用したファイル拡張子、ファイル・フォーマットおよび変換の設定の詳細は、第2.2.6項「構成マネージャの使用」を参照してください。前述のZIPファイル拡張子の例では、次のようなデフォルト変換を設定できます。

    • ZIPファイル拡張子をapplication/x-zip-compressedファイル・フォーマットにマップし、application/x-zip-compressedファイル・フォーマットをTIFFConversion変換にマップします。したがって、デフォルトでは、ZIPファイルには複数のTIFFファイルが含まれ、OCRを使用したPDFへの変換用にTIFF Converterを含むリファイナリに送信すべきであることが想定されます。

  9. 構成マネージャを使用して、ユーザーがチェックイン時に選択できるようにする代替ファイル・フォーマットおよび変換を設定します。前述のZIPファイル拡張子の例では、次のような代替変換を設定できます。

    • application/zip-passthruファイル・フォーマットをPassThru変換にマップします。これで、変換用にリファイナリに送信すべきではない様々なファイルを含むZIPファイルに対して、チェックイン時にこのオプションを選択できるようになります。ZIPファイルはそのネイティブ・フォーマットで渡されることになります。

  10. コンテンツ・サーバーを再起動します。ユーザーはファイルのチェックイン時に、設定されているいずれかの変換を選択することにより、デフォルト変換を上書きできます。

複数の専用のリファイナリやカスタム変換を使用している場合に、このようにユーザーがチェックイン時に変換を上書きできるようにすることがあります。前述のZIPファイル拡張子の例を使用すると、TIFF Converterを持つ1つのリファイナリを、複数のTIFFファイルを含むZIPファイルをOCRを使用してPDFに変換するために使用し、2つ目のリファイナリを、Microsoft Officeファイルを含むZIPファイルをPDFに変換するために設定できます。

2.2.9.1サムネイルのサイズの変更

デフォルトでは、サムネイルは80x80ピクセルで表示されます。サムネイルを別のサイズで表示する必要がある場合は、次の手順を実行します(すべてのサムネイルのサイズが更新されます)。

  1. IntradocDir/config/ディレクトリにあるconfig.cfgファイルをテキスト・エディタで開きます。

  2. サムネイルの高さと幅を変更する手順は次のとおりです。

    • サムネイルの高さを変更するには、次の行のピクセル・サイズを置き換えます。

      ThumbnailHeight=xxx(xxxはピクセル値)

    • サムネイルの幅を変更するには、次の行のピクセル・サイズを置き換えます。

      ThumbnailWidth=xxx(xxxはピクセル値)

    Outside In Image Exportにより、小さい方の設定に基づいて(設定が等しい場合は高さ設定を使用)、縦横比を維持するようにスケーリングが実行されます。

  3. config.cfgファイルへの変更内容を保存します。

  4. コンテンツ・サーバーを再起動します。

ThumbnailHeightおよびThumbnailWidth変数の詳細は、Oracle WebCenter Content Idoc Scriptリファレンス・ガイドを参照してください。

2.2.10 リファイナリ変換ジョブのステータス・ページ

このページにアクセスするには、コンテンツ・サーバーの「管理」メニューで「リファイナリ管理」「変換オプション」を選択するか、IBRプロバイダのステータス・ページの「変換ジョブのステータス」タブをクリックします。リファイナリ変換ジョブのステータス・ページでは、ジョブの送信先のプロバイダや、現在ジョブが変換処理のどこにあるかなど、変換用に送信されたジョブについての情報を表示できます。


重要:

Inbound Refinery変換オプション・ページを使用するには、コンテンツ・サーバーにInboundRefinerySupportコンポーネントをインストールして有効にし、少なくとも1つのInbound Refineryプロバイダを有効にして、Inbound Refinery変換オプション・ページを利用可能にする必要があります。

要素 説明
リフレッシュ 表示されたジョブのステータスを更新します。
ジョブ・キューのチェックの強制 コンテンツ・サーバーにジョブをリファイナリ・プロバイダに配信させます。これは、リファイナリが停止し、保留中のジョブが失敗した場合に特に有用です。この状況では、保留中のジョブは定期的に変換用にプロバイダに再送信されます。このボタンは、送信を強制的に行います。
変換ジョブID Inbound Refineryによって送信された各ジョブに割り当てられる一意の識別子。
コンテンツID 変換用に送信されたコンテンツ・アイテムの一意のコンテンツ・サーバー識別子。
変換ジョブの状態 ジョブが変換処理内のどこにあるかを示します。
プロバイダに送信されたジョブ ジョブの送信先のプロバイダを示します。
最終アクション ジョブの状態の最後の変更日時をリストします。
アクション 変換用に送信されたコンテンツ・アイテムに対するコンテンツ・サーバーのコンテンツ情報ページにリンクします。

2.2.11 IBRプロバイダのステータス・ページ

このページにアクセスするには、コンテンツ・サーバーの「管理」メニューで「リファイナリ管理」「IBRプロバイダのステータス」を選択するか、リファイナリ変換ジョブのステータス・ページの「IBRプロバイダのステータス」タブをクリックします。IBRプロバイダのステータス・ページでは、可用性、接続状態、各プロバイダのキュー内のジョブ数など、コンテンツ・サーバーに対するすべてのリファイナリ・プロバイダに関する情報を表示できます。


重要:

Inbound Refinery変換オプション・ページを使用するには、コンテンツ・サーバーにInboundRefinerySupportコンポーネントをインストールして有効にし、少なくとも1つのInbound Refineryプロバイダを有効にする必要があります。

要素 説明
ステータスの更新の強制 表示されたプロバイダのステータスを更新します。
プロバイダ 各プロバイダの名前。
使用可能 プロバイダがコンテンツを変換用に承認しているかどうかを示します。
読取り専用 プロバイダが読取り専用であること、つまりジョブを変換用にこれ以上承認できないことを示します。コンテンツ・サーバーに変換を返すことしかできません。
キューに格納されたジョブ 各プロバイダで変換を待機しているジョブの数を示します。
最終メッセージ プロバイダによって最後に配信されたステータス・メッセージを表示します。
接続状態 プロバイダがコンテンツ・サーバーに接続されているかどうかを示します。
最終アクティビティの日付 最後のプロバイダ・アクティビティの日時をリストします。
アクション 特定のプロバイダに関する情報を示すプロバイダ情報ページを表示します。

2.3 リファイナリの変換設定の構成

この項の内容は次のとおりです。

2.3.1 変換設定について

リファイナリの変換設定を構成する前に、次の作業を実行する必要があります。

リファイナリ変換設定は、リファイナリがどの変換を承認し、各変換をどのように処理するかを制御します。Inbound RefineryにはOutside In Image Exportが含まれ、これは次の目的で使用できます。

Outside In Image Exportを使用してInbound Refineryで変換可能なファイル・フォーマットの詳細は、付録B「Outside In Technologyで変換されるファイル・フォーマット」を参照してください。

また、Inbound Refineryではいくつかの変換オプションを使用できます。変換オプションを有効にすると、その変換設定がリファイナリに追加されます。

2.3.2 サムネイルについて

サムネイルは、コンテンツの小さなプレビュー・イメージです。コンテンツ・サーバーの検索結果ページで使用され、通常はサムネイルが表すWeb表示可能ファイルにリンクされています。つまり、ユーザーはタイトルなどのテキスト情報のみに頼らずに必要なファイルを見つけることができます。サムネイルは、ファイル自体を実際に開かずに、ファイルの視覚サンプルをユーザーに提供します。これにより、より大きな元のファイルをダウンロードする前にファイルを確認することが可能になります。

Inbound RefineryにはOutside In Image Exportが含まれ、これを使用してファイルのサムネイルを作成できます。次の重要な注意事項に留意してください。

  • Outside In Image In Exportを使用してサムネイルに変換可能なファイル・フォーマットのリストについては、付録B「Outside In Technologyで変換されるファイル・フォーマット」を参照してください。

  • Outside In Image Exportサムネイル・エンジンは、Type 3フォントを含むPDFファイルのサムネイルを正常に作成することはできません。これは、チェックインされたPDFファイルにのみ当てはまります。チェックインされたPDFファイルにType 3フォントが含まれると、Outside In Image Exportサムネイル・エンジンは空白ページのサムネイルを作成します。

  • サムネイルは、コンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリにJPEG、GIFまたはPNGファイルとして格納されます。ファイル名に文字@tが含まれることによって識別できます。たとえば、Report2001@t~2.jpgファイルはReport2001~2.pdf(Report2001.xxxというファイルのリビジョン2)に属するサムネイルです。

  • 暗号化またはパスワード保護されているファイルに対してサムネイルを作成することはできません。

  • EMLファイルに対するサムネイルを作成できます。Internet Explorerを使用していて、Outlook Express用の累積的な修正プログラム(2003年4月)をインストールしている場合、サムネイルをクリックしてEMLファイルを表示しようとするとエラーが発生します。サムネイルをクリックするとプライマリWeb表示可能ファイルが開くため、これは、プライマリWeb表示可能ファイルがEMLファイルである場合(リファイナリによってプライマリWeb表示可能ファイルとして複数ページのTIFFまたはEMLファイルのPDFバージョンが作成されておらず、ネイティブEMLファイルがプライマリWeb表示可能ファイルとしてWebレイアウト・ディレクトリにコピーされている場合)にのみ当てはまります。

  • EMLファイルのサムネイルは、Outlook ExpressでEMLファイルを開いた場合のルック・アンド・フィールとまったく同じというわけではありません。これは、サムネイルはプレーン・テキスト・レンディションに基づいて作成されるのに対し、Outlook Expressではファイルは独自の形式で開かれるためです。

  • コンテンツ・サーバーに表示されるサムネイル・サイズの変更方法の詳細は、第2.2.9.1項「サムネイルのサイズの変更」を参照してください。

  • Inbound Refineryでサムネイルの作成をオフにしても、作成済のサムネイルはコンテンツ・サーバーの検索結果ページに表示され続けます。これを防ぐには、IntradocDir\config\ディレクトリにあるconfig.cfgファイル内のAllowableAdditionalRenditionsエントリからTHUMBNAILを削除します。

2.3.3 タイムアウトの計算

リファイナリでの処理時に、コンテンツには、ファイルのサイズとタイムアウトの設定ページの設定に基づいて、一定の処理時間が割り当てられます。タイムアウト値(分単位)は、次の方法で計算されます。

タイムアウト値[分単位] = ([バイト単位のファイル・サイズ] x タイムアウト・ファクタ) / 60,000

どのファイルを使用すべきか判断するために、Inbound Refineryはまず前のステップでファイルが生成されたかどうかを確認し、生成された場合はそのファイルをタイムアウトの計算で使用します。生成されていない場合は、ネイティブ・ファイルを使用します。前のステップで複数のファイルが出力された場合は(たとえばExcelからPostScriptへの変換)、ファイル・サイズの合計を使用します。処理対象のコンテンツ・アイテムは、「最低 (Minimum)」列以上、「最高 (Maximum)」列未満の分数に割り当てられます。計算されたタイムアウト値が最低値を下回ると、最低値が適用されます。計算されたタイムアウト値が最高値を超えると、最高値が適用されます。

2.3.3.1 タイムアウト計算

次の各例は、タイムアウトの計算方法を示しています。

  • 例1

ファイル・サイズ = 10 MB(10485760バイトまたは10240 KB)
最低 = 2
最高 = 10
ファクタ = 3
計算されるタイムアウト = 10485760×3 / 60000 = 524.288分 = 8.74時間

この場合、Inbound Refineryは最高値の10分間のみ待機します。

  • 例2

ファイル・サイズ = 200 KB(204800バイト)
最低 = 2
最高 = 30
ファクタ = 2
計算されるタイムアウト = 204800×2 / 60000 = 6.83分

この場合、Inbound Refineryは最高値の30分間ではなく、計算された6.83分間のみ待機します。

  • 例3

ファイル・サイズ = 50 KB(51200バイト)
最低 = 2
最高 = 30
ファクタ = 2
計算されるタイムアウト = 51200×2 / 60000 = 1.71分
この場合、Inbound Refineryは計算されるタイムアウト値または最高値の30分間ではなく、最低値の2分間のみ待機します。

2.3.4 承認される変換の設定

リファイナリが承認し、キューに入れる変換の最大数を設定するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「変換設定」「変換リスト」を選択します。変換リスト・ページが表示されます。

  3. リファイナリでキューに入れることのできる変換ジョブの合計数を設定します。デフォルトは0(無制限)です。

  4. コンテンツ・サーバーによるピックアップを待機可能な変換の最大数を入力します。この数を超えると、Inbound Refineryはそのコンテンツ・サーバーからの変換ジョブを承認しなくなります。デフォルトは1000です。

  5. 変換が最大数に達しているとき、リファイナリをビジー状態とみなす秒数を入力します。デフォルトは120(秒)です。リファイナリの変換ジョブが最大数に達した場合、コンテンツ・サーバーはこの時間待機してから、リファイナリとの通信を再度試行します。

  6. リファイナリが同時に処理する変換の最大数を入力します。デフォルトは5です。

  7. リファイナリが承認するように設定する各変換に対するチェック・ボックスを選択します。

    • デフォルトでは、すべての変換が選択され、承認されます。

    • すべての変換を選択するには、列ヘッダーの「承認」チェック・ボックスを選択します。

    • すべての変換の選択を解除するには、列ヘッダーの「承認」チェック・ボックスの選択を解除します。


      重要:

      このバージョンのInbound Refineryでは、一太郎およびLegacyCustomの変換はサポートされていません。

  8. 変換タイプごとに(すべてのリファイナリ・キューにわたる)ジョブの最大数を設定します。デフォルトは0(無制限)です。

  9. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

  10. リファイナリに対するエージェントである各コンテンツ・サーバーを再起動して、コンテンツ・サーバーのキューに対する変更を即時に有効にします。そうしない場合、リファイナリの承認済の変換に対する変更は、次回にコンテンツ・サーバーがリファイナリをポーリングするときまでコンテンツ・サーバーに認識されません。

変換キューを管理するためにコンテンツ・サーバーおよびリファイナリ設定を使用する方法の詳細は、第2.5.2項「リファイナリ変換キューの管理」を参照してください。

2.3.5 プライマリWeb表示可能レンディションとしての複数ページTIFFファイルの設定

Inbound Refineryには、Outside In Image Exportが含まれています。これを使用すると、ファイルをプライマリWeb表示可能レンダリングとして複数ページのTIFFファイルに変換できます。これにより、ユーザーはTIFFビューア・プラグインを備えた標準的なWebブラウザでファイルを表示できます。

PDF Exportなどのその他の変換オプションを使用すると、プライマリWeb表示可能レンディションとしてその他のタイプのレンディションを作成できます。Web表示可能レンディションを生成できる変換オプションが有効になっていると、追加のオプションが指定可能になります。

複数ページのTIFFファイルをリファイナリが生成するプライマリWeb表示可能レンディションとして設定するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「変換設定」「プライマリWebレンディション」を選択します。プライマリWeb表示可能レンディション・ページが表示されます。

  3. プライマリWeb表示可能レンディションとしてファイルを複数ページのTIFFファイルに変換するには、「Outside Inを使用して複数ページのTIFFに変換」を選択します。

  4. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

2.3.6 サムネイルの設定

Inbound RefineryにはOutside In Image Exportが含まれ、これを使用して追加のレンディションとしてファイルのサムネイルを作成できます。サムネイルは、Inbound Refineryでデフォルトで使用可能な唯一の追加のレンディションです。その他の変換オプションやカスタム変換を使用すると、追加のレンディションを作成できます。

サムネイルを有効にし、サムネイル設定を構成するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「変換設定」「追加レンディション」を選択します。追加レンディション・ページが表示されます。

  3. 「Outside Inを使用するサムネイル・イメージの作成」を選択します。

  4. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

  5. 「オプション」をクリックします。サムネイル・オプション・ページが表示されます。

  6. サムネイル・オプションを選択します。使用可能なオプションの詳細は、A.14項「サムネイル・オプション・ページ」を参照してください。


    注意:

    Solarisを実行するSPARCシステム、またはLinuxを実行するいずれかのシステム上でのInbound Refineryの使用時には、Outside In Image Exportはフォントおよびグラフィックのレンダリングにデフォルトでその内部グラフィック・コードを使用します。かわりに、オペレーティング・システムのネイティブ・グラフィック・サブシステムを使用することも選択できます。詳細は、第2.3.7項「UNIXでのレンダリング・オプションの構成」を参照してください。

  7. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

次の事項に注意してください。

  • サムネイル作成用にリファイナリにファイルを送信するには、各コンテンツ・サーバーでファイル・フォーマットおよび変換を構成する必要があります。詳細は、第2.2項「コンテンツ・サーバーでのリファイナリへのジョブ送信の構成」を参照してください。

  • リファイナリが変換を承認するように構成されている必要があります。詳細は、第2.3.4項「承認される変換の設定」を参照してください。

  • コンテンツ・サーバーに表示されるサムネイル・サイズの変更方法の詳細は、第2.2.9.1項「サムネイルのサイズの変更」を参照してください。

  • リファイナリでサムネイル作成をオフにしても、作成済のサムネイルはコンテンツ・サーバーの検索結果ページに表示され続けます。これを防ぐには、IntradocDir\config\ディレクトリにあるconfig.cfgファイル内のAllowableAdditionalRenditionsエントリからTHUMBNAILを削除します。

    たとえば、次の例に示すように、AllowableAdditionalRenditions=THUMBNAILを空の値に変更します。

    AllowableAdditionalRenditions=
    

2.3.7 UNIXでのレンダリング・オプションの構成

この項の内容は次のとおりです。

2.3.7.1 内部グラフィック・コードを使用したレンダリング

LinuxまたはSolaris SPARCでInbound Refineryを実行している場合に複数ページのTIFFファイルまたはサムネイルを作成するとき、Outside Inはフォントおよびグラフィックのレンダリングにデフォルトでその内部グラフィック・コードを使用します。したがって、実行中のX Window Systemディスプレイ・サーバー(Xサーバー)へのアクセスおよびMotif(Solaris)またはLessTif(Linux)は必要ありません。システムで実行する必要があるのは、使用可能なフォントを検出することだけです。フォントはOutside Inには付属していません。使用可能なフォントへのパスの設定方法の詳細は、第2.3.8項「フォント・パスの指定」を参照してください。

2.3.7.2 ネイティブ・グラフィック・サブシステムを使用したレンダリング

Image Exportがフォントとグラフィックのレンダリングに、その内部グラフィック・コードではなくオペレーティング・システムのネイティブのグラフィック・サブシステムを使用するようにInbound Refineryを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Inbound RefineryコンピュータにInbound Refineryユーザーとしてログインします。

  2. Inbound Refineryコンピュータが実行中のX Window Systemディスプレイ・サーバー(Xサーバー)にアクセスでき、Motif(Solaris)またはLessTif(Linux)が存在することを確認します。

  3. Inbound Refineryの起動スクリプト(.profile、.login、.bashrcなど)内のDISPLAY変数が実行中のXサーバーを指していることを確認します。次に例を示します。

    DISPLAY=:0.0
    export DISPLAY
    
  4. 新しい.profileをソースします。たとえば/usr/bin/shを使用して次のコマンドを実行します。

    ..profile
    
  5. 次のコマンドを実行して、実行中のXサーバーを使用するパーミッションをOutside In Image Exportに付与します。

    xhost +localhost
    
  6. Inbound Refineryユーザーはログインした状態のまま、コンソールをロックします。

  7. リファイナリにログインします。

  8. 「変換設定」「サードパーティ・アプリケーションの設定」を選択します。サードパーティ・アプリケーションの設定ページが表示されます。

  9. 「標準のOutsideInフィルタ・オプション」セクションの「オプション」をクリックします。

  10. 「ネイティブ・オペレーティング・システムのネイティブ・グラフィック・サブシステムを使用」を選択します。

  11. 「更新」をクリックします。

2.3.8 フォント・パスの指定

Inbound Refineryが正しく機能するためには、フォント・イメージの生成に使用されるフォントへのパスを指定する必要があります。デフォルトでは、フォント・パスはInbound Refineryで使用されるJVM内のフォント・ディレクトリ(java.home/lib/fonts)に設定されます。ただし、デフォルト・ディレクトリに含まれるフォントは限定されているため、レンディションが低下する可能性があります。また、非標準のJVMを使用した場合、デフォルトで指定されているJVMのフォント・パスと異なることがあります。この場合、エラー・メッセージがInbound Refineryとコンテンツ・サーバーの両方から表示されます。このエラーが発生した場合、フォント・パスが、変換を正しくレンダリングするために必要なフォントを含むディレクトリに設定されていることを確認します。

使用可能なフォントを検出するようにInbound Refineryを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Inbound RefineryコンピュータにInbound Refineryユーザーとしてログインします。

  2. 「変換設定」の下の「サードパーティ・アプリケーションの設定」をクリックします。サードパーティ・アプリケーションの設定ページが表示されます。

  3. 「標準のOutsideInフィルタ・オプション」セクションの「オプション」をクリックします。

  4. テキスト・フィールドに、Outside Inで使用するフォント・ディレクトリへのパスを入力します。たとえばLinuxでは、次のように指定します。

    /usr/lib/X11/fonts/TTF
    

    Windowsでは次のように指定します。

    C:\WINDOWS\Fonts
    

    フォントがコールされた場合に見つからないと、Outside Inはエラーを表示して終了します。TrueTypeフォント(*.ttfまたは*.ttcファイル)のみがサポートされています。

  5. 「更新」をクリックします。

2.3.9 サード・パーティ・アプリケーション設定の構成

サードパーティ・アプリケーションの設定ページでは、OpenOfficeやMicrosoft Wordなど、変換時に使用されるサード・パーティ・アプリケーションの設定を構成できます。サード・パーティ・アプリケーションを使用する変換オプションがインストールおよび有効化されている場合は、このページで設定を構成できます。

2.3.10 グラフィック変換に対するタイムアウト設定の構成

グラフィック変換に対するタイムアウト設定を構成するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「変換設定」「タイムアウトの設定」を選択します。タイムアウトの設定ページが表示されます。

  3. 「グラフィック」変換に対する「最低(Minimum)」(分単位)、「最高(Maximum)」(分単位)および「ファクタ」を入力します。詳細は、第2.3.3項「タイムアウトの計算」を参照してください。

  4. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

2.4 リファイナリのステータスの監視

この項の内容は次のとおりです。

2.4.1 エージェントについて

エージェントは、変換ジョブをリファイナリに送信するコンテンツ・サーバーなどのエンティティです。リファイナリは、情報を見やすくし、詳細を見つけやすいように、変換ステータス情報とエージェントによるロギングを切り離します。

2.4.2 リファイナリのログについて

リファイナリに対して2つのタイプのログ・ファイルが作成されます。

  • リファイナリ・ログ: リファイナリ・ログには、エージェントに対して実行される変換に固有のものではない、リファイナリの機能に関する一般的な情報(起動情報など)が含まれます。リファイナリが実行される日ごとに、1つのログ・ファイルが生成されます。

  • リファイナリ・エージェント・ログ: リファイナリ・エージェント・ログには、変換ジョブをリファイナリに送信するエージェントに対して実行される変換に固有の情報が含まれます。エージェントが少なくとも1つの変換ジョブをリファイナリに送信する日ごとに、エージェント別に、1つのログ・ファイルが生成されます。

ログ・エントリは、日時順にリストされます。エントリは、イベントの発生に従って終日にわたり適切なログ・ファイルに追加されます。リファイナリ・ログ・エントリに付けられるタイムスタンプは、ログ・エントリが作成された日時を表し、これは必ずしもアクションが実行された日時ではありません。

各エージェントに対して複数の変換が同時に実行される場合があるため、各リファイナリ・エージェント・ログ・エントリの先頭には変換番号が示されます。たとえば、「変換ジョブ'3513'のログ・エントリ」というように表示されます。次のタイプのログ・エントリが生成されます。

ログ・エントリ 説明
情報 ステータス情報を表示します。たとえば、起動情報や変換エンジン・アクションの説明など。
エラー 発生したエラーを表示します。

詳細ロギングを有効にできます。詳細ロギングがオンになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報、各変換エンジン・アクションの詳細な説明(いつ変換が開始されたか、ファイルの詳細、変換ステップの詳細、変換結果など)、およびエラーがリファイナリ・エージェント・ログに記録されます。詳細ロギングがオフになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報およびエラーのみがリファイナリ・エージェント・ログに記録されます。詳細は、第2.5.3.1項「詳細ロギングの有効化」を参照してください。

ログ・ファイルには「詳細」リンクが含まれている場合があります。「詳細」リンクをクリックすると、ログの詳細が開いたり閉じたりします。通常、ログの詳細は、スタック・ダンプかエラーを生成したコードへのトレース・バックのどちらかです。

2.4.3 リファイナリのステータスの表示

リファイナリは、最初の変換ジョブをリファイナリに送信するときに各エージェントを作成します。それまではリファイナリでエージェントの情報を使用できません。

すべてのリファイナリ・エージェントに対する変換の現在のステータスを表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. メイン・メニューの「ホーム」をクリックするか、ナビゲーション・メニューから「ステータス」「リファイナリのステータス」を選択します。リファイナリのステータス・ページが表示されます。

2.4.4 リファイナリのログの表示

リファイナリ・ログ・ファイルを表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. メイン・メニューの「ホーム」をクリックして「リファイナリ・ログ」タブを選択するか、ナビゲーション・メニューから「ステータス」「リファイナリのステータス」を選択して「リファイナリ・ログ」タブを選択します。リファイナリ・ログ・ページが表示されます。

  3. ログ・リンクをクリックしてリファイナリ・ログを表示します。リファイナリ・ログの詳細は、第2.4.2項「リファイナリのログについて」を参照してください。

2.4.5 コンソール出力の表示

リファイナリのコンソール出力を表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. メイン・メニューの「ホーム」をクリックして「コンソール出力」タブを選択するか、ナビゲーション・メニューから「ステータス」「リファイナリのステータス」を選択して「コンソール出力」タブを選択します。コンソール出力ページが表示されます。

    • コンソール出力をリフレッシュするには、「更新」をクリックします。

    • コンソール出力を消去するには、「クリア」をクリックします。

2.4.6 エージェントのステータスの表示

特定のリファイナリ・エージェントに対する変換の現在のステータスを表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 次のいずれかの方法で、エージェントのステータス・ページに移動します。

    • エージェント名をクリックします。

    • ナビゲーション・メニューから「ステータス」「<agent_name>」を選択します。

    • リファイナリのステータス・ページで、該当エージェントの「アクション」メニューから「詳細ステータスの表示」を選択します。

    エージェントのステータス・ページが表示されます。

2.4.7 エージェントのキューの表示

特定のリファイナリ・エージェントに対する変換前および変換後キュー内のアイテムを表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「ステータス」「<agent_name>」を選択して「キュー内のアイテム」タブを選択するか、リファイナリのステータス・ページでエージェントに対する「アクション」メニューから「キュー内のアイテムの表示」を選択します。キュー内のアイテム・ページが表示されます。

  3. 「リフレッシュ」をクリックして、ページの情報を更新します。

2.4.8 変換履歴の表示

特定のリファイナリ・エージェントに対する、変換履歴内の最新の50個の変換を表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「ステータス」「<agent_name>」を選択して「変換履歴」タブを選択するか、リファイナリのステータス・ページでエージェントに対する「アクション」メニューから「変換履歴の表示」を選択します。変換履歴ページが表示されます。

  3. コンテンツIDリンクをクリックして、変換の詳細ページを表示します。

2.4.9 エージェントのログの表示

特定のリファイナリ・エージェントに対するログ・ファイルを表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「ステータス」「<agent_name>」を選択して「エージェント・ログ」タブを選択するか、リファイナリのステータス・ページでエージェントに対する「アクション」メニューから「エージェント・ログの表示」を選択します。エージェント・ログ・ページが表示されます。

  3. ログ・リンクをクリックしてリファイナリ・エージェント・ログを表示します。リファイナリ・エージェント・ログの詳細は、第2.4.2項「リファイナリのログについて」を参照してください。詳細ロギングを有効にして、各変換エンジン・アクションの詳細な説明をリファイナリ・エージェント・ログに記録できます。詳細は、第2.5.3.1項「詳細ロギングの有効化」を参照してください。

2.5 リファイナリの管理の実行

この項の内容は次のとおりです。

2.5.1 リファイナリの認証とユーザーの管理

管理対象サーバーはOracle WebLogic Serverドメイン内で実行されるため、Inbound RefineryへのユーザーとグループのアクセスはOracle WebLogic Serverによって制御されます。このため、システム・セキュリティの構成はWebLogic Serverコンソールを使用して行います。Oracle Internet DirectoryまたはOracle Access Managerを使用したシングル・サインオンなどの追加のサービスが必要な場合は、WebLogic Serverのコントロールを使用して、Inbound Refineryを管理するOracle WebLogic Serverドメインにこれらのサービスをリンクできます。

デプロイ時に、Inbound RefineryロールrefineryadminにOracle Inbound Refineryを管理する権限が付与されています。Inbound Refineryに対する権利が必要なユーザーは、Oracle WebLogic Serverで対応するrefineryadminグループに属する必要があります。

追加情報については、次のドキュメントを参照してください。

表2-1 システム・セキュリティに関する追加のドキュメント

タスク 情報参照先

Oracle WebLogic Serverの管理

Oracle Fusion Middleware管理者ガイド

Oracle WebCenter Contentの管理

Oracle WebCenter Content Content Serverシステム管理者ガイド



2.5.1.1 シングル・サインオンとの統合

Oracle Access Manager(OAM)はID管理とセキュリティ対策のための製品で、オラクル社のエンタープライズクラスの製品スイートの一部です。ID管理とセキュリティに関する多彩な機能が搭載されており、Fusion MiddlewareとカスタムのFusion Middlewareアプリケーションで使用できるシングル・サインオンのオプションも複数用意されています。Oracle Fusion Middleware 11gを使用している環境では、OAMのシングル・サインオン・ソリューションをお薦めします。

Oracle Fusion Middleware 11gのインストール規模が比較的小さく、Oracle Access Managerのようなエンタープライズクラスのシングル・サインオン・インフラストラクチャが不要な環境では、特定のFusion Middlewareアプリケーション内でシングル・サインオン機能を実装すれば十分です。SAMLベースのSSOソリューションを構成してください。その他のエンタープライズ・アプリケーションにまたがるシングル・サインオンが必要な場合、このソリューションはお薦めできません。

Microsoftのデスクトップ・ログインを使用して、Microsoftドメイン・コントローラに対してActive Directoryのユーザー・アカウントで認証を行っている企業では、Microsoftクライアントを使用してSSOを構成する方法も考えられます。

これらのSSOソリューションを設定する方法は、次のマニュアルまたはセクションに記載されています。

表2-2 シングル・サインオンに関するドキュメント

目的 参照ガイド

OAMとOSSOの構成

『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』

Windowsのネイティブ認証を使用したシングル・サインオン

Oracle WebLogic Server管理コンソールのヘルプ: 認証プロバイダとアイデンティティ・アサーション・プロバイダの構成

WebLogic SAMLを使用したシングル・サインオン

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護』のSAML認証プロバイダの構成に関する項


2.5.2 リファイナリの変換キューの管理

リファイナリはいずれかのコンテンツ・サーバーのプロバイダとして設定されています。ファイルがコンテンツ・サーバーにチェックインされると、/vaultディレクトリ(ネイティブ・ファイル・リポジトリ)にネイティブ・ファイルのコピーが格納されます。ネイティブ・ファイルのフォーマットは、ファイルが元々作成されたフォーマット(Microsoft Wordなど)です。

ファイル・フォーマットが変換対象として設定されている場合、コンテンツ・サーバーは変換前キューに変換ジョブを作成します。次に、コンテンツ・サーバーは、リファイナリ・プロバイダのうちアクティブになっているリファイナリの1つ(変換を受け入れるように構成され、ビジーでないリファイナリ)に変換ジョブを配信しようとします。コンテンツ・サーバーは、アクティブなリファイナリに変換パラメータを送信します。

リファイナリは変換パラメータを受け取ると、次のデータをコンテンツ・サーバーに返します。

  • JobAcceptStatus: ステータスは次のいずれかになります。

    ステータス 説明 コンテンツ・サーバーのアクション
    ERROR リクエストの処理中に予期しないエラーが発生しました。 コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのまま残され、コンテンツ・サーバーの変換前キューから削除されます。
    NEVER_ACCEPT リファイナリは変換を承認するように構成されていないため、ジョブを受け入れることはありません。 変換ジョブが変換前キューから消去されるまで、リファイナリ・プロバイダは使用不可とマークされます。
    ACCEPT リファイナリは変換ジョブを受け入れます。 ジョブは変換前キューから削除され、リファイナリに転送され、変換されます。
    BUSY リファイナリは変換ジョブを受け入れられますが、キューの合計最大値または特定の変換に対する変換ジョブの最大数に達しています。 コンテンツ・サーバーに提供するRefineryBusyTimeSecondsが経過するまで、このリファイナリ・プロバイダは再度使用されません。

  • JobAcceptStatusMsg: リファイナリのステータスを説明する文字列。リファイナリとコンテンツ・サーバーの両方でログに記録されます。

  • JobCanAccept: ジョブが承認されたことを示すブール値。

  • RefineryBusyTimeSeconds: リファイナリにジョブを送信すべきではない秒数(これは単にヒントであり、リファイナリがリクエストの承認を停止するわけではありません)。

リファイナリがジョブを受け入れない場合、コンテンツ・サーバーは次に使用可能なリファイナリに配信しようとします。いずれかのリファイナリがジョブを承認するか、最大転送時間に達するまで、コンテンツ・サーバーはジョブの転送を試行し続けます。最大転送時間に達すると、ジョブはコンテンツ・サーバーの変換前キューから削除され、コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのままとなります。

リファイナリがジョブを受け入れると、コンテンツ・サーバーは変換データと変換対象ファイルが格納されているZIPファイルをリファイナリにアップロードします。さらに、コンテンツ・サーバーは、変換ジョブの追跡に使用するエントリをRefineryJobsテーブルに配置します。リファイナリは、変換ジョブをその変換前キューに配置します。

次に、リファイナリは必要に応じて適切な変換オプションをコールして、指定された変換の実行を試みます。リファイナリは、変換ジョブの処理を完了すると、変換ジョブをその変換後キューに配置します。コンテンツ・サーバーは、リファイナリを定期的にポーリングし、そのRefineryJobsテーブル内の変換ジョブが完了したかどうかを調べます。リファイナリが変換ジョブの処理の完了を報告すると、コンテンツ・サーバーは変換されたファイル(たとえば、Webで表示可能なサムネイル・ファイルやPDFファイルなど)をリファイナリからダウンロードし、変換ジョブをその変換後キューに配置し、必要な場合は変換後機能を起動します。

リファイナリ・キューの管理設定は、コンテンツ・サーバーとリファイナリの両方で構成できます。次のコンテンツ・サーバーのページには、リファイナリ・キューを管理するための設定が含まれます。

  • リファイナリ変換オプション・ページ: このページには、コンテンツ・サーバーとそのすべてのリファイナリ・プロバイダとの対話方法に影響する設定が含まれます。

    • 次に転送を試みるまでの待機秒数: 各変換ジョブに対して、次に転送を試みるまで待機する秒数を設定できます。デフォルトでは、コンテンツ・サーバーはそのいずれかのリファイナリ・プロバイダへの変換ジョブの配信を次に試みるまでに10秒待機します。

    • 単一ジョブの転送に許容される分数: 各変換ジョブの転送に許容される分数を設定できます。デフォルトでは、コンテンツ・サーバーはそのいずれかのリファイナリ・プロバイダへの変換ジョブの転送を30分間試行します。

    • ネイティブ・ファイルの圧縮しきい値: ネイティブ・ファイルの圧縮しきい値をMB単位で設定できます。デフォルトのしきい値サイズは1024MB(1GB)です。ネイティブ・ファイルは、しきい値サイズを超えないかぎり、圧縮されてから、コンテンツ・サーバーによってリファイナリに転送されます。この設定によって、非常に大きなファイル(たとえば、大規模なビデオ・ファイル)の圧縮に伴うオーバーヘッドを回避できます。転送前にネイティブ・ファイルを圧縮しないようにする場合は、ネイティブ・ファイル圧縮しきい値サイズを0に設定します。

    • ジョブ転送の有効期限が切れると、変換に失敗します: 変換ジョブの転送に許容される最大時間に達すると、変換ジョブはコンテンツ・サーバーの変換前キューから削除され、コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのままとなります。これが発生したときに、変換ジョブが失敗するかどうかを指定できます。変換ジョブが失敗することを指定すると、コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのままとなりますが、コンテンツ情報ページに変換エラーが「再送信」ボタンとともに表示されます。ユーザーはこのボタンを使用して、コンテンツ・アイテムを変換用に再送信できます。

    • Inbound Refineryに送信した変換が失敗した場合、変換を「Refinery通過」に設定します: 失敗した変換をコンテンツ・サーバーがどのように処理するかを指定できます。ファイルがリファイナリに送信され、変換が失敗した場合に、リファイナリ通過を有効にすることにより、ネイティブ・ファイルのコピーをWebレイアウト・ディレクトリに配置するようにコンテンツ・サーバーを構成できます。


      注意:

      ファイルが変換用にリファイナリに送信される場合、ネイティブ・ファイルのコピーのかわりにHCSTファイルを使用することはできません。コンテンツ・サーバーがリファイナリに送信されないファイルをどのように処理するかを構成する方法の詳細は、第2.2.7項「PassThruファイル用のコンテンツ・サーバーの構成」を参照してください。

  • 送信ソケット・プロバイダの追加/送信ソケット・プロバイダの編集ページ: このページでは、個々のリファイナリ・プロバイダに対する設定を指定できます。

    • Inbound Refinery変換ジョブの処理: プロバイダが変換ジョブを処理するかどうかを指定できます。このオプションを選択しなかった場合、コンテンツ・サーバーはこのプロバイダとの間で変換ジョブの転送を試みません。

    • Inbound Refineryの読取り専用モード: このオプションは、コンテンツ・サーバーが新しい変換ジョブをこのリファイナリ・プロバイダに送信しないようにする場合に使用します。ただし、リファイナリ・プロバイダは引き続き、終了した変換ジョブは返します。

次のリファイナリのページには、リファイナリ・キューを管理するための情報および設定が含まれます。

  • キュー内のアイテム・ページ: このページでは、特定のリファイナリ・エージェント(コンテンツ・サーバーなど)に対する変換前および変換後キュー内のアイテムを表示できます。

  • 変換リスト・ページ: このページでは、特定のリファイナリ・エージェント(コンテンツ・サーバーなど)に対する変換前および変換後キュー内のアイテムを表示できます。

    • キューに入れることのできる変換の最大数: リファイナリがキューに入れることのできる変換ジョブの合計数を設定できます。デフォルトは0(無制限)です。

    • 変換後キューに入れることのできる変換の最大数: リファイナリの変換後キューに入れることのできる変換の数を設定できます。デフォルトは1000です。

    • リファイナリをビジーとみなす秒数: 変換が最大数に達しているとき、リファイナリをビジー状態とみなす秒数を指定できます。デフォルトは30(秒)です。リファイナリの変換ジョブが最大数に達した場合、コンテンツ・サーバーはこの時間待機してから、リファイナリとの通信を再度試行します。

    • 最大変換数: リファイナリが同時に処理できるジョブの最大数を指定できます。デフォルトは5です。

2.5.3 エージェントの管理の実行

この項の内容は次のとおりです。

2.5.3.1 詳細ロギングの有効化

各リファイナリ・エージェントに対して詳細ロギングを有効にできます。詳細ロギングがオンになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報、各変換エンジン・アクションの詳細な説明(いつ変換が開始されたか、ファイルの詳細、変換ステップの詳細、変換結果など)、およびエラーがリファイナリ・エージェント・ログに記録されます。詳細ロギングがオフになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報およびエラーのみがリファイナリ・エージェント・ログに記録されます。

リファイナリ・エージェントに対する詳細ロギングを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「リファイナリ管理」「エージェント管理」を選択します。エージェント管理ページが表示されます。

  3. 該当するリファイナリ・エージェントに対する「詳細ロギングの有効化」チェック・ボックスを選択します。

  4. 最後に保存した設定に戻すには、「リセット」をクリックします。

  5. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

2.5.3.2 エージェントの削除

リファイナリ・エージェントは、リファイナリ・エージェントの変換前または変換後キューに変換ジョブがない場合にのみ削除できます。リファイナリ・エージェントを削除するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「リファイナリ管理」「エージェント管理」を選択します。エージェント管理ページが表示されます。

  3. リファイナリ・エージェントの「アクション」メニューから「エージェントの削除」を選択します。エージェントの削除ページが表示されます。

  4. 「エージェント<agent_name>の削除の確認」チェック・ボックスを選択して、エージェントの削除を承認します。エージェント・キュー内の履歴、ログおよびジョブも削除されることに注意してください。

  5. 「エージェントの削除」をクリックします。

2.5.4 リファイナリの構成情報の表示

WebベースのInbound Refineryインタフェースを使用してリファイナリの構成情報を表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「リファイナリ管理」「構成情報」を選択します。構成情報ページが表示されます。このページには、サーバーのパラメータとオプション、インストール・ディレクトリ、インターネット・プロパティ、バージョン情報、Javaプロパティ、コンテンツ・セキュリティ・オプションを含む、主なシステム設定の概要が表示されます。さらに、現在有効化または無効化されているすべてのインストール済のサーバー・コンポーネントやカスタム・コンポーネントも一覧表示されます。

構成情報ページは、情報の提供のみを目的としたページです。このページでは何も変更できません。いずれかの設定を変更するには、別の箇所で行う必要があります。詳細は、第2.5.8項「管理サーバーの使用」および第2.5.10.1項「システム・プロパティ・ユーティリティの使用」を参照してください。

2.5.5 リファイナリのシステム監査情報の表示

WebベースのInbound Refineryインタフェースを使用してリファイナリのシステム監査情報を表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「リファイナリ管理」「システム監査情報」を選択します。システム監査情報ページが表示されます。このページにはリファイナリに関するシステム監査情報が表示されるため、問題のトラブルシューティングやサーバーのパフォーマンス調整に役立ちます。

    このページの「一般的な情報」セクションには、次の情報が表示されます。

    • 受信するリクエストの数が多すぎるかどうかに関する情報。

    • システムのメモリー・キャッシュに関する情報。メモリー不足に関するエラーのトラブルシューティングに役立ちます。また、ユーザー数とデータ量が多いリファイナリ・サーバーを実行しているときに重要となる情報です。

    • 現在実行中のJavaスレッドに関する情報。この情報はエラーの原因を特定する場合に有用です。

    • 監査メッセージのリスト。

    リファイナリのトレースは、セクション単位でアクティブ化できます。アクティブなセクションのトレースが、コンソール出力ページに表示されます。セクション・トレースは、サーバーのどのセクションが問題の原因となっているかを特定する場合、または特定のセクションの詳細を表示するときに便利です。セクションを追加する場合は、追加するセクションを記載したカンマ区切りリストを作成します。

    「トレース・セクション情報」ヘッダーの横にある情報アイコンをクリックすると、トレースに使用できるセクションのリストが簡単な説明とともに表示されます。たとえば、refineryをアクティブ化すると変換ステータスに関する拡張情報が表示され、ref-configをアクティブ化すると現在の実行環境に対する変更がトレースされ、refsteplogicをアクティブ化するとどの変換ステップを使用するかを決定するロジックがトレースされます。ワイルドカード文字*がサポートされています。ref*は、refineryref-configおよびrefsteplogicも含め、接頭辞refで始まるすべてのセクションをトレースします。

    トレース・セクションの中には、詳細出力をサポートするものもあります。詳細出力をサポートするアクティブなセクションを詳細にトレースする場合には、「完全な詳細トレース」を有効にします。


    重要:

    このページで設定したオプションは、「保存」を有効にし、「更新」をクリックしないかぎり、リファイナリの再起動時に失われます。

2.5.6 リファイナリ・プロバイダの管理

リファイナリ・プロバイダを構成する必要はありません。WebベースのInbound Refineryインタフェースを使用してリファイナリ・プロバイダ情報を表示するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「リファイナリ管理」「プロバイダ」を選択します。プロバイダ・ページが表示されます。

2.5.7 Webサーバー・フィルタの構成

WebベースのInbound Refineryインタフェースを使用してリファイナリに対するWebサーバー・フィルタを構成するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「リファイナリ管理」「フィルタ管理」を選択します。Webサーバー・フィルタの構成ページが表示されます。このページは、リファイナリとのWebサーバー・フィルタ通信を構成およびトラブルシューティングするために使用します。

2.5.8 管理サーバーの使用

管理サーバーは、数多くのシステム設定の確認と編集、およびコンポーネントの管理を行うことを可能にする管理ツールです。デプロイされた各リファイナリには、対応する管理サーバーがあります。

管理サーバーにアクセスするには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. ナビゲーション・メニューから「リファイナリ管理」「管理サーバー」を選択します。管理サーバー・ページが表示されます。

2.5.9 動的および静的なレイアウト・ファイルのパブリッシュ

動的および静的なレイアウト・ファイルをパブリッシュするには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 動的なレイアウト・ファイルをパブリッシュするには、「管理」「管理アクション」を選択し、「Webレイアウト公開」セクションで「動的なレイアウト・ファイルのパブリッシュ」をクリックします。PUBLISH_WEBLAYOUT_FILESサービスが実行されます。すべての動的なレイアウト・ファイル(.cssファイルと.jsファイル)はリファイナリのIntradocDir/shared/config/templatesディレクトリからWebレイアウト・ディレクトリにパブリッシュされます。このサービスは、リファイナリのカスタマイズ時に使用されます。また、PUBLISH_WEBLAYOUT_FILESサービスは、リファイナリが再起動されるたびに実行されます。

  3. 静的なレイアウト・ファイルをパブリッシュするには、「管理」「管理アクション」を選択し、「Webレイアウト公開」セクションで「静的なレイアウト・ファイルのパブリッシュ」をクリックします。PUBLISH_STATIC_FILESサービスが実行されます。すべての静的なレイアウト・ファイル(グラフィック・ファイル)はリファイナリのIntradocDir/shared/publishディレクトリからWebレイアウト・ディレクトリにパブリッシュされます。このサービスは、リファイナリのカスタマイズ時に使用されます。PUBLISH_STATIC_FILESサービスの実行には時間がかかることがあるため、このサービスはリファイナリが再起動されるたびに実行されることはありません。リファイナリのカスタマイズ時には、このサービスは手動で実行する必要があります。

使用可能なその他のパブリッシュ・オプションおよびコンテンツ・サーバーとリファイナリ・サーバーのカスタマイズの詳細は、コンテンツ・サーバーに付属のドキュメントを参照してください。

2.5.10 管理ユーティリティの使用

この項の内容は次のとおりです。

2.5.10.1 システム・プロパティ・ユーティリティの使用

システム・プロパティ・ユーティリティは、サーバーからローカルに実行する必要があるスタンドアロン・アプリケーションです(Javaアプレットではありません)。

  • Microsoft Windows: 「スタート」「プログラム」「Oracle Content Server」<refinery_instance>「ユーティリティ」「システム・プロパティ」を選択します。

  • UNIX: Inbound Refineryのインストール・ディレクトリのbinサブディレクトリにあるSystemPropertiesスクリプトを実行します。

システム・プロパティ・ユーティリティを使用して、次のアプリケーション設定を確認および編集できます。

  • インターネット構成設定(後述の重要な注意事項を参照)

  • サーバー構成設定(システム・ロケールやタイムゾーンなど)

  • ローカライズ設定(ロケールの有効化、無効化、編集)

  • いくつかの重要なファイルおよびディレクトリへのパス

  • PostScriptプリンタのインストールとDistillerエンジン・パスの指定。Inbound RefineryにはPostScriptプリンタやDistillerエンジンは付属していません。好みのDistillerエンジンおよびPostScriptプリンタを入手してインストールする必要があります。

次の重要な注意事項に留意してください。

  • システム・プロパティを使用して変更可能な設定の一部は、システムの適切な動作に不可欠です(特に「インターネット」タブのオプション)。システムに不可欠なこれらの設定の編集時には細心の注意を払ってください。不適切な値に設定すると、Inbound Refineryシステムが完全にシャットダウンする可能性があります。

  • システム・プロパティのほとんどのオプションは、管理サーバーを使用しても設定できます。

  • 変更を加えた場合、有効にするにはリファイナリを再起動する必要があります。

  • システム・プロパティ・ユーティリティの使用方法の詳細は、コンテンツ・サーバーに付属のドキュメントを参照してください。

2.5.10.2 コンポーネント・ウィザード・ユーティリティの使用

コンポーネント・ウィザード・ユーティリティは、カスタム・コンポーネントの作成を自動化する開発ツールです。コンポーネント・ウィザードを使用して、新しいコンポーネントを作成し、既存のコンポーネントを変更し、リファイナリまたはコンテンツ・サーバー上で使用するためにコンポーネントをパッケージ化できます。また、コンポーネント・ウィザードを使用して、リファイナリまたはコンテンツ・サーバー上でコンポーネントをインストール、アンインストール、有効化および無効化することもできます。

コンポーネント・ウィザード・ユーティリティの使用およびコンポーネントの開発の詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Serverシステム管理者ガイド』『Oracle WebCenter Content Content Server開発者ガイド』およびその他の開発者向けのContent Serverドキュメントを参照してください。

2.5.11 アクティブ・ウィルス・スキャンとInbound Refinery

Windows上でのInbound Refineryの実行時には、一部のInbound Refineryおよびコンテンツ・サーバー・ディレクトリのアクティブ・ウィルス・スキャンにより変換が失敗することがあります。

アクティブ・ウィルス・スキャンから、次のコンテンツ・サーバー・ディレクトリを除外してください。

  • Webレイアウト・ディレクトリ(WeblayoutDir)

  • ボールト・ディレクトリ(VaultDir)

  • IntradocDir\data\

  • IntradocDir\search\


    ヒント:

    vault\~temp\ディレクトリはスキャンすべき最も重要なディレクトリであるため、除外しないでください。

アクティブ・ウィルス・スキャンから、次のInbound Refineryディレクトリを除外してください。

  • ボールト・ディレクトリ(VaultDir)

  • VaultDir\temp\

  • Webレイアウト・ディレクトリ(WeblayoutDir)

  • IntradocDir\data\


    ヒント:

    前述のいずれかのディレクトリをスキャンする必要があると思われる場合は、これらのディレクトリをアクティブにスキャンするのではなく、オフピーク時にコンテンツ・サーバーおよびInbound Refineryコンピュータに対して物理ディスク・スキャンを実行することをお薦めします。また、最良の結果を得るには、ローカル・ドライブのスキャンにはローカルのアンチウィルス・プログラムを使用してください。

2.5.12 日付書式の変更

デフォルトのEnglish-USロケールでは、年は2桁('yy')で表現され、1969年から2068年の間のものとして解釈されます。つまり、65は1965年ではなく、2065年とみなされます。English-USロケールで1969年より前の年が正しく解釈されるようにするには、そのロケールのデフォルトの日付書式を、年が4桁('yyyy')で表されるように変更する必要があります。

この問題は、すでに年の表現に4桁を使用しているEnglish-UKロケールには当てはまりません。

デフォルトのEnglish-US日付書式を変更するには、次の手順を実行します。

  1. システム・プロパティ・ユーティリティを起動します。

    • Microsoft Windows: 「スタート」「プログラム」「Oracle Content Server」<refinery_instance>「ユーティリティ」「システム・プロパティ」を選択します。

    • UNIX: リファイナリのインストール・ディレクトリの/binサブディレクトリにあるSystemPropertiesスクリプトを実行します。

  2. 「ローカライズ」タブを開きます。

  3. ロケールのリストでEnglish-USエントリを選択し、「編集」をクリックします。

    「ロケールの構成」ダイアログが表示されます。

  4. 日付書式を、2桁('yy')ではなく4桁('yyyy')を使用して年を表すように修正します。

  5. 編集が終了したら、「OK」をクリックして「ロケールの構成」ダイアログを閉じます。

  6. 「OK」をクリックして変更を適用し、「システム・プロパティ」を終了します。

  7. リファイナリを停止してから再起動します(そうしないと、変更は有効になりません)。

2.5.13 タイムゾーンの設定

Inbound Refineryのインストール中に、選択したシステム・ロケールに対してデフォルトのタイムゾーンを使用することを指定している場合があります。この場合、インストーラによってオペレーティング・システムのタイムゾーンの検出と、それに応じたリファイナリのタイムゾーンの設定が自動的に試行されます。一部のシナリオでは、オペレーティング・システムのタイムゾーンが認識されないことがあります。この場合、タイムゾーンはUTC(協定世界時)に設定されます。これはグリニッジ標準時(GMT)と同じです。

この場合、タイムゾーンは手動で設定する必要があります。

  1. システム・プロパティ・ユーティリティを起動します。

    • Microsoft Windows: 「スタート」「プログラム」「Oracle Content Server」<refinery_instance>「ユーティリティ」「システム・プロパティ」を選択します。

    • UNIX: リファイナリのインストール・ディレクトリの/binサブディレクトリにあるSystemPropertiesスクリプトを実行します。

  2. 「サーバー」タブを開きます。

  3. 「システム・タイムゾーン」ドロップダウン・リストから、リファイナリに対して使用するタイムゾーンを選択します。

  4. 「OK」をクリックして変更を適用し、「システム・プロパティ」を終了します。

  5. リファイナリを停止してから再起動します(そうしないと、変更は有効になりません)。