Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorスタート・ガイド 11g リリース1(11.1.1) B65041-01 |
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この章では、Oracle Data Integrator Studioで使用されるデモンストレーション環境に含まれるETL(Extract Transform Load)プロジェクトの概要を示します。
この章の内容は、次のとおりです。
ETLプロジェクトは、変換方法および情報システムでデータの整合性をチェックする方法を理解するためのサンプルです。
このスタート・ガイドの例では、本番システムから発行された様々な異なるデータ・ソースからの売上データを追跡します。図3-1に、サンプル環境を示します。
サンプル環境では、次のものが使用されます。
リポジトリ: リポジトリには、トレーニング・サンプルに必要なメタデータがすべて含まれています。これらの評価目的のため、指定されたデータベースでホストされます。
Orders Application: 顧客の注文を追跡するためのアプリケーションで、指定されたデータベース("srcdemo"サンプル・データベース")でホストされます。
Parameters(File): 本番システムから発行されるフラット・ファイル(ASCII)で、営業担当者および年齢を区分した年齢層のリストが含まれます。
Sales Administration: 売上を管理または追跡し、指定された別のデータベース("trgdemo"サンプル・データベース)でホストされます。変換で、このデータ・ウェアハウスにデータが移入されます。
デモンストレーション環境には、3つのODIデータ・モデルが含まれます。
この項では、これらのデータ・モデルのスキーマ図を示します。
Orders Applicationデータ・モデルは、HSQLテクノロジに基づき、5つのデータストアが含まれます。
SRC_CITY
SRC_CUSTOMER
SRC_ORDERS
SRC_ORDER_LINES
SRC_PRODUCT
SRC_REGION
図3-2に、このデータ・モデルのスキーマ図を示します。
このデータ・モデルでは、データ間に機能上関係がある場合でも外部キー制約を強制しないことに注意してください。
Parametersデータ・モデルはファイル・テクノロジに基づき、2つのデータストアが含まれます。
SRC_SALES _PERSON
SRC_AGE_GROUP
図3-3に、このデータ・モデルのスキーマ図を示します。
Sales Administrationデータ・モデルは、HSQLテクノロジに基づき、6つのデータストアが含まれます。
TRG_CITY
TRG_COUNTRY
TRG_CUSTOMER
TRG_PRODUCT
TRG_PROD_FAMILY
TRG_REGION
TRG_SALES
図3-4に、このデータ・モデルのスキーマ図を示します。
すべてのデータ統合と変換プロジェクトに共通する課題は次のとおりです。
アプリケーション・データの品質のチェックおよび向上
情報システムのビジネス・ルールを考慮した、正確で簡単なアプリケーション間のデータ交換
このガイドで使用する例で、これらの問題への対処方法を示します。このスタート・ガイドで次の方法を示します。
データベース内のデータをチェックするためのデータ品質管理の実装
2つの例が含まれることで、Oracle Data Integratorで無効な行が分離され、アプリケーション内のデータの品質が保証されることがわかります。Orders Application表に矛盾するデータが数多く含まれ、これが検出されます。
データを移動および変換するための統合インタフェースの作成
2つの簡単な例で、Orders ApplicationとParameters(File)アプリケーションからSales Administrationデータ・ウェアハウスにデータをロードすることで、生産性を向上させる方法を示します。
これらのインタフェースのパッケージ化と実行の自動化
スタート・ガイドのこの部分では、Oracle Data Integratorプロセスを自動化する方法を示します。これを行う目的は、Sales Administrationデータ・ウェアハウス全体を1クリックでロードすることです。
パッケージの実行と実行結果の確認
Load Sales Administrationパッケージおよび作成した統合インタフェースPop.TRG_CUSTOMERとPop.TRG_SALESの実行方法およびこれらの実行結果の確認方法がわかります。
開発したコンポーネントをデプロイする準備
Load Sales Administrationパッケージを本番環境で自動的に実行する方法がわかります。
注意: このガイドでは、ETLにフォーカスしたプロセスを示します。このドキュメントのテーマからは外れますが、異なる統合パターン(リアルタイムなど)の実装も同じ方法で行えます。この詳細は、このガイドを終えた後、Oracle Data Integratorのドキュメントで確認してください。 |
これで、ETLプロジェクトの概念とそのコンポーネントについて理解できたため、「Oracle Data Integratorの起動」に進めます。