ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.6.0)
B72084-01
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

E その他のポートレット構成

この付録では、Oracle WebCenter Portalで使用可能なポートレット・テクノロジの構成情報について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

設計時のポートレット・テクノロジの使用に関する詳細は、このガイドの次の各章を参照してください。

実行時のこれらのテクノロジの使用に関する詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』を参照してください。

E.1 OmniPortlet構成のヒント

この項では、OmniPortletの構成について説明します。OmniPortletウィザードの詳細は、第65章「OmniPortletを使用したポートレットの作成」を参照してください。この項では、次の構成情報を示します。

E.1.1 ファイアウォール外のデータにアクセスするためのOmniPortletプロデューサの構成

OmniPortletプロデューサがファイアウォールの内側にある場合、ファイアウォールの外側にあるデータ(CSV、XMLまたはWebサービスなど)のURLにOmniPortletがアクセスできるように、プロキシ情報を構成する必要があります。そのためには、WebLogic serverの起動時にコマンドラインにプロキシ情報を設定できます。または、OmniPortlet_WAR_DIR/WEB-INF/providers/omniPortlet/provider.xmlにあるOmniPortletのprovider.xmlファイルにプロキシ情報を設定することもできます。


注意:

Webサービス・データソースに関しては、provider.xmlファイルとコマンドライン・パラメータの両方にプロキシ情報を設定する必要があります。


  • WebLogic serverの起動時にコマンドラインにプロキシ情報を設定するには、HTTPプロキシ・ホストを使用している場合は表E-1、HTTPSプロキシ・ホストを使用している場合は表E-2の説明に従ってパラメータを設定します。

    表E-1 HTTPプロキシ情報コマンドライン・パラメータ

    パラメータ 説明

    http.proxyHost

    プロキシ・サーバーのホスト名(OmniPortletプロデューサからそのデータソースへのURL接続を行うために必要な場合)。

    http.proxyPort

    HTTPプロキシ・ホストのポート番号です。

    http.nonProxyHosts

    ローカル・マシンなど、プロキシ・サーバーを介さずに直接接続できるドメインまたはホスト名。

    localhost|localhost.localdomain

    ホストは、完全修飾ホスト名でもIPアドレスでもかまいません。

    http.proxyUser

    プロキシ・サーバーにログインするユーザー(プロキシ・サーバーが認証を要求する場合)。

    http.proxyPassword

    プロキシ・サーバーにログインするためのパスワード(プロキシ・サーバーが認証を要求する場合)。

    http.proxyAuthType

    プロキシ・サーバーの認証タイプ。指定可能な値: Basic | Digest

    http.proxyAuthRealm

    プロキシ・サーバーのレルムの名前。レルムの名前がわからない場合は、プロキシ・サーバーの管理者に問い合せてください。


    表E-2 HTTPSプロキシ情報コマンドライン・パラメータ

    パラメータ 説明

    https.proxyHost

    プロキシ・サーバーのホスト名(OmniPortletプロデューサからそのデータソースへのURL接続を行うために必要な場合)。

    https.proxyPort

    HTTPSプロキシ・ホストのポート番号です。

    https.nonProxyHosts

    ローカル・マシンなど、プロキシ・サーバーを介さずに直接接続できるドメインまたはホスト名。

    localhost|localhost.localdomain

    ホストは、完全修飾ホスト名でもIPアドレスでもかまいません。

    https.proxyUser

    プロキシ・サーバーにログインするユーザー(プロキシ・サーバーが認証を要求する場合)。

    https.proxyPassword

    プロキシ・サーバーにログインするためのパスワード(プロキシ・サーバーが認証を要求する場合)。

    https.proxyAuthType

    プロキシ・サーバーの認証タイプ。指定可能な値: Basic | Digest

    https.proxyAuthRealm

    プロキシ・サーバーのレルムの名前。レルムの名前がわからない場合は、プロキシ・サーバーの管理者に問い合せてください。


    次に、3つのパラメータとその値の例を示します。

    -Dhttps.proxyHost=myProxyServer.mycompany.com
    -Dhttps.proxyPort=80
    -Dhttps.nonProxyHosts=localhost|localhost.localdomain|127.0.0.1|
    
  • provider.xmlファイルにプロキシ情報を構成するには、表E-3のパラメータのリストとその説明を参照してください。

    表E-3 Provider.xmlのタグ

    パラメータ 説明

    httpProxyHost

    OmniPortletプロデューサからそのデータ・ソースへのURL接続を行うために必要な場合、プロキシ・サーバーのホスト名を入力します。

    httpProxyPort

    HTTPプロキシ・ホストのポート番号を入力します。

    dontProxyFor

    プロキシ・サーバーを介さずに直接接続できるドメインまたはホスト名を入力します。ドメイン名は、次の例のように、企業、組織、政府機関などの名前を含むURLの一部です。

    *.company.com, *.us.company.com

    ホストは、完全修飾ホスト名でもIPアドレスでもかまいません。

    proxyUseAuth

    指定可能な値: true | false

    プロキシ・サーバーに認証が必要な場合は、trueを入力します。認証パラメータは、proxyTypeproxyRealmproxyUseGlobalproxyUserNameおよびproxyPasswordのタグによって指定します。

    proxyType

    指定可能な値: Basic | Digest

    プロキシ・サーバーのタイプを選択します。

    BasicまたはDigest認証の詳細は、http://www.faqs.org/rfcs/rfc2617.htmlを参照してください。

    proxyRealm

    この表で後から説明するログイン情報に従い、ユーザーがアクセスするプロキシ・サーバーのレルムの名前を入力します。レルムの名前がわからない場合は、プロキシ・サーバーの管理者に問い合せてください。

    proxyUseGlobal

    指定可能な値: true | false

    trueの場合、<proxyUser><proxyPassword>の値はすべてのユーザーに使用されます。ユーザーには、「ソース」タブおよび「パーソナライズ」ページの「プロキシ認証」セクションは表示されません。falseの場合、ページ設計者は、ポートレットを定義する際、「ソース」タブの「プロキシ認証」セクションを使用してログインする必要があります。エンド・ユーザーは、「パーソナライズ」画面の「プロキシ認証」セクションを使用してログインする必要があります。<proxyUsername>および<proxyPassword>を指定すると、それらはパブリック・ユーザーにのみ使用されます。

    proxyUserName

    プロキシ・サーバーにログインするためのユーザー名を入力します。

    ProxyPassword

    指定したユーザー名のパスワードを入力します。プレーン・パスワード・テキストの前には!を付ける必要があります。プロデューサが起動すると、パスワードは保護のためにprovider.xmlファイルで暗号化されます。


    ファイアウォール外のデータにアクセスするためにプロキシを使用する基本的な例は、次のとおりです。

    <proxyInfo class="oracle.portal.provider.v2.ProxyInformation">
    <httpProxyHost>www-proxy.example.com</httpProxyHost>
    <httpProxyPort>80</httpProxyPort>
    <proxyUseAuth>false</proxyUseAuth>
    </proxyInfo>
     
    

    次の例では、プロキシ・サーバーのすべてのユーザーに、ログインおよびBasic認証が必要です。

    <proxyInfo class="mycompany.portal.provider.v2.ProxyInformation">
    <httpProxyHost>myport.example.com</httpProxyHost>
    <httpProxyPort>8080</httpProxyPort>
    <proxyUseAuth>true</proxyUseAuth>
    <proxyType>Basic</proxyType>
    <proxyRealm>myport</proxyRealm>
    <proxyUseGlobal>false</proxyUseGlobal>
    </proxyInfo>
    

E.1.2 他のリレーショナル・データベースにアクセスするためのOmniPortletプロデューサの構成

OmniPortlet SQLデータソースは、OracleデータベースにはOracle JDBCドライバを使用して、ODBCデータソースにはSun Microsystems社のJDBC-ODBCドライバを使用してアクセスするように事前に構成されています。開発者はDataDirect JDBCドライバを使用して他のリレーショナル・データベースにアクセスできます。


関連項目:

サポートされているデータベースのリストは、Oracle Technology Network (http://www.oracle.com/technetwork/index.html)のOracle Application ServerおよびDataDirect JDBCの動作保証マトリクスで入手できます。


この項では、次の手順を説明します。

E.1.2.1 DataDirect JDBCドライバのインストール

次のDataDirect JDBCドライバは、WebLogic Serverのインストールに含まれています。

  • wlinformix.jar

  • wlsqlserver.jar

  • wlutil.jar

  • wldb2.jar

  • wlresource.jar

  • wlspy.jar

  • wlbase.jar

これらのDataDirectドライバを使用する予定がない場合、目的のデータベースにアクセスするためにかわりにDataDirect JDBCドライバをダウンロードできます。これらのドライバは、1つのZIPファイルにパッケージ化されており、次の場所からダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technetwork/topics/datadirect-index-091847.html

DataDirect JDBCドライバをインストールする手順は次のとおりです。

  1. ZIPファイルの中身を一時ディレクトリ(/temp/datadirectなど)に解凍します。

  2. DataDirect JDBCドライバを一時ディレクトリからWebLogic ServerのWLS_DOMAIN_DIRECTORY/libディレクトリにコピーします。

E.1.2.2 OmniPortletでのDataDirectドライバの登録

OmniPortletはWebプロデューサとして実装され、構成プロパティはすべてprovider.xmlファイルに格納されています。DataDirect JDBCドライバをOmniPortletで使用するには、これらのドライバをprovider.xmlファイルに登録する必要があります。

新しいDataDirect JDBCドライバを登録する手順は次のとおりです。

  1. OmniPortlet_WAR_DIRECTORY/WEB-INF/providers/omniPortlet/provider.xmlファイルをバックアップしてから開きます。

  2. SQLデータソース構成エントリに使用するドライバを追加します。

    1. XMLタグdriverInfoを検索します。

    2. 最後のdriverInfoタグの後に新しいエントリを追加します。

    次の例は、WebLogic DataDirectドライバのdriverInfoを示しています。

    • Microsoft SQL Server:

      <driverInfo class="oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCDriverInfo">
        <name>Microsoft SQL Server</name>
        <sourceDataBase>other</sourceDataBase>
        <subProtocol>weblogic:sqlserver</subProtocol>
        <connectString>mainProtocol:subProtocol://databaseName</connectString>
        <driverClassName>weblogic.jdbc.sqlserver.SQLServerDriver
        </driverClassName>
        <dataSourceClassName>weblogic.jdbcx.sqlserver.SQLServerDataSource
        </dataSourceClassName>
        <connHandlerClass>oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCConnectionHandler
        </connHandlerClass>
        <connPoolSize>5</connPoolSize>
        <loginTimeOut>30</loginTimeOut>
      </driverInfo>
      
    • Sybase:

      <driverInfo class="oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCDriverInfo">
        <name>Sybase</name>
        <sourceDataBase>other</sourceDataBase>
        <subProtocol>weblogic:sybase</subProtocol>
        <connectString>mainProtocol:subProtocol://databaseName</connectString>
        <driverClassName>weblogic.jdbc.sybase.SybaseDriver
        </driverClassName>
        <connHandlerClass>
        oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCODBCConnectionHandler
        </connHandlerClass>
        <connPoolSize>5</connPoolSize>
        <loginTimeOut>30</loginTimeOut>
      </driverInfo>
      
    • DB2:

      <driverInfo class="oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCDriverInfo">
        <name>DB2</name>
        <sourceDataBase>other</sourceDataBase>
        <subProtocol>weblogic:db2</subProtocol>
        <connectString>mainProtocol:subProtocol://databaseName</connectString>
        <driverClassName>weblogic.jdbc.db2.DB2Driver
        </driverClassName>
        <connHandlerClass>
        oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCODBCConnectionHandler
        </connHandlerClass>
        <connPoolSize>5</connPoolSize>
        <loginTimeOut>30</loginTimeOut>
      </driverInfo>
      
    • Informix:

      <driverInfo class="oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCDriverInfo">
        <name>Informix</name>
        <sourceDataBase>other</sourceDataBase>
        <subProtocol>weblogic:informix</subProtocol>
        <connectString>mainProtocol:subProtocol://databaseName</connectString>
        <driverClassName>weblogic.jdbc.informix.InformixDriver
        </driverClassName>
        <connHandlerClass>
        oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCODBCConnectionHandler
        </connHandlerClass>
        <connPoolSize>5</connPoolSize>
        <loginTimeOut>30</loginTimeOut>
      </driverInfo>
      

    表E-4では、driverInfoプロパティのパラメータについて説明しています。

    表E-4 driverInfoプロパティのパラメータ

    パラメータ 説明

    name

    使用するデータベースの名前。この名前は、OmniPortletウィザードの「ソース」タブで使用されます。

    sourceDataBase

    内部値。値をotherに設定します。

    subProtocol

    接続文字列(sqlserversybaseまたはdb2など)の作成で、OmniPortletによって使用されるJDBCサブプロトコルの名前。サブプロトコル名のリストを取得するには、この項の最後にあるリンクを使用してDataDirect JDBCドライバのドキュメントを参照してください。

    connectString

    接続文字列の書式の説明。DataDirectドライバの場合、書式はmainProtocol:subProtocol://databaseNameです。

    driverClassName

    ドライバ・クラスの名前。様々な値を取得するには、この項の最後にあるリンクを使用して、DataDirect JDBCドライバのドキュメントを参照してください。

    dataSourceClassName

    接続プーリングを実装するデータソース・クラスの名前。このパラメータは、OmniPortletリリース9.0.4.1以上でのみ使用可能です。使用するドライバの正しいデータソース・クラス名は、表E-5を参照してください。

    connHandlerClass

    ドライバおよび接続プーリングの管理にOmniPortletで使用されるクラス。値は次のいずれかです。

    • OmniPortletリリース9.0.4.1以上の場合:

      oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCConnectionHandler

    • OmniPortleリリース9.0.4.1より前の場合:

      oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCODBCConnectionHandler

    connPoolSize

    接続プールによって開かれる接続の最小数。

    loginTimeOut

    このデータソースが、データベースへの接続を試みる間待機する最大時間(秒)です。


    表E-5では、特定のDataDirect JDBCドライバに対するdriverClassNameプロパティおよびdataSourceClassNameプロパティの値を示しています。

    表E-5 driverClassNameおよびdataSourceClassNameのパラメータと値

    サポートされるDataDirectドライバ プロパティ

    Microsoft SQL Server

    パラメータ: driverClassName

    値: weblogic.jdbc.sqlserver.SQLServerDriver

    Sybase

    パラメータ: driverClassName

    値: weblogic.jdbc.sybase.SybaseDriver

    DB2

    パラメータ: driverClassName

    値: weblogic.jdbc.db2.DB2Driver

    Informix

    パラメータ: driverClassName

    値: weblogic.jdbc.informix.InformixDriver


  3. provider.xmlファイルを保存します。

  4. ポートレット・プロデューサをデプロイするOracle WebLogic管理対象サーバーを停止して起動します。そのためには、WL_HOME、さらにサブディレクトリのopmn/binにナビゲートします。


    注意:

    複数ノード構成(クラスタリングまたはロードバランシング環境など)でOmniPortletを使用している場合、provider.xmlファイルを手動で各ノードにコピーする必要があります。



関連項目:

DataDirect JDBCドライバの使用方法の詳細は、第65章「OmniPortletを使用したポートレットの作成」を参照してください。


E.1.3 PortalツールおよびWebプロデューサの構成(オプション)

ローカルに構築されたOmniPortletプロデューサとWebクリッピング・プロデューサ、およびカスタム構築されたWebプロデューサを、中間層環境で確実に正しく機能させるには、追加の構成が必要な場合があります。OmniPortletまたはその他のWebプロデューサが、ファイル・システムでカスタマイズされている場合は、PDK-Javaには、プリファレンス・ストア移行/アップグレード・ユーティリティが用意されています。このユーティリティを使用すると、既存のカスタマイズをデータベースに移行し、旧リリースからのカスタマイズをアップグレードできます。PDKプリファレンス・ストア移行ユーティリティの詳細は、第E.5項「ポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ」を参照してください。

複数中間層環境でのPortalツール・プロデューサの構成

デフォルトでは、OmniPortletプロデューサはデータベース・プリファレンス・ストアを使用します。追加の構成なしで、複数中間層環境で機能させることができます。

データベース・プリファレンス・ストアの構成の詳細は、第E.5項「ポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ」を参照してください。

  1. カスタマイズを行ったOmniPortletインスタンスをファイル・システム内で作成済の場合は、プリファレンス・ストア移行ユーティリティを使用して、これらのカスタマイズをデータベースに移行する必要があります。

    移行ユーティリティを実行する手順は次のとおりです。

    1. 次のコマンドを使用して、WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリにナビゲートします。

      cd WC_ORACLE_HOME
      
    2. 次のコマンドを実行して、OmniPortletデータをファイルベースのプリファレンス・ストア(FilePreferenceStore)からデータベース・プリファレンス・ストア(DBPreferenceStore)に移行します。

      java -classpath lib/dms.jar:jdbc/lib/ojdbc14dms.jar:portal/jlib/pdkjava.jar:portal/jlib/
      ptlshare.jar oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool -mode 
      filetodb -pref1UseHashing true -pref1RootDirectory portal/portletdata/tools/omniPortlet 
      -pref2User User_Name -pref2Password User_Password -pref2URL 
      jdbc:oracle:thin:@infra.host.com:1521:orcl
      

    PDKプリファレンス・ストア移行ユーティリティの詳細は、第E.5項「ポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ」を参照してください。

  2. 通常、ロード・バランシング・ルーター(LBR)を構成する前に、OmniPortletおよびWebクリッピングに対してHTTPプロキシ構成を実行します。LBRの構成後にこれを行う手順は、次のとおりです。

    1. Portalツールの構成情報は、中間層サーバー上のprovider.xmlファイルに格納されています。1つの中間層(M1など)で構成を直接更新し、それをLBRがフロントエンド処理を行うすべての中間層に伝播する必要があります。最初にM1以外のすべての中間層を停止する必要があります。

    2. HTTPプロキシ設定をprovider.xmlファイルで変更できます。詳細は、第E.1.1項「ファイアウォール外のデータにアクセスできるようにするOmniPortletプロデューサの構成」を参照してください。

    3. provider.xmlファイルに加えた変更を中間層M2に伝播します。

      • OmniPortlet_WAR_DIR/WEB-INF/providers/omniPortlet/provider.xmlファイルをM1からM2にコピーします。

      • WebClipping_WAR_DIR/WEB-INF/providers/webClipping/provider.xmlファイルをM1からM2にコピーします。

  3. 中間層M2を再起動します。

  4. Frameworkアプリケーションでポートレット・プロデューサ登録を更新します。プロデューサ登録URLの最初の部分をhttp://m1.abc.com:7777/からhttp://lbr.abc.com/に変更します。

  5. OmniPortletプロデューサおよびWebクリッピング・プロデューサが、LBRを介して正常に機能することを、次のURLにあるテスト・ページに移動して確認します。

    • OmniPortletプロデューサ: http://lbr.abc.com/portalTools/omniPortlet/producers/omniPortlet

      OmniPortletプロデューサ・テスト・ページの「ポートレット情報」セクションの下に「使用可能なポートレットはありません」が表示された場合、手順1でOmniPortletを正しく構成できていない可能性があります。OmniPortletが正しく構成されている場合、OmniPortletポートレットとシンプル・パラメータ・フォーム・ポートレットがテスト・ページで使用可能です。

    • Webクリッピング・プロデューサ: http://lbr.abc.com/portalTools/webClipping/producers/webClipping


    注意:

    Webクリッピング・ポートレットまたはOmniPortletのWebページ・データソースを使用する場合、Oracle Web Cacheでセッション・バインディングを有効にすることも必要です。


E.2 Webクリッピング・ポートレット構成のヒント

Webクリッピングを使用する前に、次のものを含むいくつかの管理タスクを実行する必要があります。

E.2.1 Webクリッピング・リポジトリ構成

Webクリッピングには、Oracle Metadata Services (MDS)ストアまたはOracleデータベースに永続的に格納する必要のある定義があります。


注意:

Webクリッピング・リポジトリとしてMicrosoft SQL ServerまたはIBM DB2データベースを使用することはできません。


Webクリッピング・リポジトリ構成は、次の場所にあるWebクリッピング・プロデューサのテスト・ページにアクセスすることで表示できます。

http://host:port/portalTools/webClipping/providers/webClipping

hostは、Webクリッピング・プロデューサのデプロイ先のサーバーであり、portは、サーバーのHTTPリクエストのリスニング先のポートです。


注意:

統合WLSおよびWLS_Portlet管理対象サーバーは、同じシステムで使用できる場合でも、別のポートにデプロイされます。デフォルトでは、統合WLSはポート7101に、WLS_Portletはポート8889にデプロイされます。


プロバイダ・テスト・ページでは、Webクリッピング・プロデューサが有効なリポジトリで構成されているかどうかを自動的に検出します。構成されていない場合、Webクリッピング・リポジトリの「ステータス」列には「未構成」と表示されます。図E-1は、Webクリッピングのプロバイダ・テスト・ページを示しています。

図E-1 Webクリッピング - プロバイダ・テスト・ページ

図E-1の説明が続きます
「図E-1 Webクリッピング - プロバイダ・テスト・ページ」の説明

プロバイダ・テスト・ページを使用してWebクリッピング構成情報を変更することはできません。provider.xmlファイルに適切な値を設定することで、Webクリッピング・リポジトリを構成できます。このファイルでは、repositoryInfoタグを使用して、Webクリッピング・リポジトリ設定を行います。


注意:

provider.xmlのパスを指定するには、ファイル・システムでwebClipping/provider.xmlを検索します。たとえば、UNIXでは次のコマンドを実行します。

> find DOMAIN_DIR -name "provider.xml" | grep -i webClipping

Oracle JDeveloperの統合WLSでは、Webクリッピングのprovider.xmlは次の場所にあります。

JDEV_SYSTEM_DIRECTORY/DefaultDomain/servers/DefaultServer/tmp/_WL_user/portalTools_11.1.1.2.0/RANDOMLY_GENERATED_DIRECTORY/war/WEB-INF/providers/webClipping/provider.xml

Windowsプラットフォーム上では、JDeveloperのシステム・ディレクトリへのパスに空白が含まれている場合、Frameworkアプリケーション内のページはレンダリングされません。そのため、JDEV_SYSTEM_DIRECTORYパスに空白が含まれていないことを確認してください。

Fusion Middleware 11gインストールでは、Webクリッピングのprovider.xmlは次の場所にあります。

FMW_HOME/user_projects/domains/wc_domain/servers/WLS_Portlet/tmp/_WL_user/portalTools_11.1.1.2.0/RANDOMLY_GENERATED_DIRECTORY/war/WEB-INF/providers/webClipping/provider.xml

この項の内容は、次のとおりです。

E.2.1.1 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracle Metadata Services (MDS)の使用

デフォルトでは、Oracle JDeveloperの統合WLS(デフォルト・サーバー)にホスティングされたWebクリッピング・プロデューサは、ファイルベースのMDSをWebクリッピング・リポジトリとして使用するために構成されています。


注意:

Oracle Fusion Middlewareの完全インストールでは、Webクリッピング・ポートレット・プロデューサも、デフォルト・ドメインのWLS_Portlets管理対象サーバー内にあります。デフォルトでは、Webクリッピング・ポートレット・プロデューサは、Oracle WebLogic Serverの一部としてインストールされているOracleデータベースをWebクリッピング・リポジトリとして使用するために構成されています。


例E-1では、provider.xmlでMDSをデフォルト・リポジトリとして示しています。

例E-1 provider.xmlでのデフォルトWebクリッピング・リポジトリとしてのMDS

  <repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.MdsInformation">
    <mdsConfigLocation>mds-config.xml</mdsConfigLocation> 
  </repositoryInfo>

MDSリポジトリの場合、repositoryInfoタグがMdsInformationクラスに設定されています。mdsConfigLocationエントリは、メタデータ・ストア構成情報(実際のメタデータ・ストアへのパスなど)が格納されているmds-config.xmlファイルへのパスを指定します。Oracle JDeveloperでは、mds-config.xmlファイルは次のパスにあります。

JDEV_SYSTEM_DIRECTORY/DefaultDomain/servers/DefaultServer/tmp/_WL_user/portalTools_11.1.1.2.0/RANDOMLY_GENERATED_DIRECTORY/war/WEB-INF

注意:

Windowsプラットフォーム上では、JDeveloperのシステム・ディレクトリへのパスに空白が含まれている場合、Frameworkアプリケーション内のページはレンダリングされません。そのため、JDEV_SYSTEM_DIRECTORYパスに空白が含まれていないことを確認してください。


mds-config.xmlファイルは、プロパティ・タグ内でリポジトリの場所を指定しています。

<property name="metadata-path" value="portletdata/tools/webClipping"/>

valueに指定される場所は、JDEV_HOME/portalを基準としています。指定される相対パスは、JDEV_HOME/portalを基準としているものと解釈されます。別の場所(Oracle JDeveloperホーム外の場所など)を使用する場合は、絶対パス(c:\mdsなど)を指定します。


注意:

複数中間層デプロイの場合、メタデータ・パスを共有ファイル・システムに変更します。


E.2.1.2 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracleデータベースの使用

MDSはOracle JDeveloperのデフォルト・リポジトリですが、かわりにWebクリッピング・リポジトリにデータベース・スキーマを使用することも選択できます。


注意:

Webクリッピング・リポジトリとしてデータベースを使用する場合は、Webクリッピング・プロデューサまたはWebクリッピング・プロデューサを使用するアプリケーションが再デプロイされる場合でも、すべてのカスタマイズが保持されます。


Webクリッピングに対して、次のデータベース・スキーマのいずれかを使用できます。

  • Oracle WebLogic ServerのRCUで作成したデフォルトのPORTLETデータベース・スキーマ

  • Oracle 9i以上のユーザー定義データベース・スキーマ


注意:

Webクリッピング・リポジトリとしてMicrosoft SQL ServerまたはIBM DB2データベースを使用することはできません。


この項の内容は、次のとおりです。

E.2.1.2.1 RCUで作成したデータベース・スキーマの使用

Webクリッピング・リポジトリの場合、jdbc/portletPrefsという名前のJNDIデータソースにより、Oracle WebLogic Serverの一部としてインストールされているOracleデータベースを使用できます。データベースにアクセスするには、PORTLETという名前のスキーマを使用します。


注意:

PORTLETスキーマは、WebCenter Portalに構成されたOracleデータベースに作成する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』の「WebCenter Portalのインストール」を参照してください。


E.2.1.2.2 データベース・スキーマの作成

Webクリッピング・リポジトリとしてOracle 9i以上のデータベースに対し、ユーザー定義スキーマを使用できます。Webクリッピングの定義およびクリッピング用のデータベース・スキーマを作成するには、例E-2のJavaコマンドを実行します。

例E-2 Webクリッピング・ポートレットの定義およびクリッピング用のスキーマを作成するためのJavaコマンド

java -classpath WC_ORACLE_HOME/lib/xmlparserv2.jar:
WC_ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc14.jar:WC_ORACLE_HOME/portal/jlib/wce.jar
oracle.portal.wcs.Installer -installSchema -username dbuser -password
dbpassword -dburl jdbc:oracle:thin:@//host:port/dbid

これらの意味は、次のとおりです。

  • WC_ORACLE_HOMEは、使用するWebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリのパスです。

  • dbuserは、スキーマのデータベース・ユーザーです。

    WSRPおよびPDK-Javaのプリファレンス・ストア・データベース・スキーマの作成で使用するものと同じデータベースを使用することを検討してください。同じユーザーを使用しない場合は、新規のユーザーを作成し、接続権限とリソース権限を付与する必要があります。

  • dbpasswordは、指定したユーザーのパスワードです。

  • dburlは、データベースのURLです。

    これは、次の構文を使用してWebクリッピング・ポートレットの定義およびクリッピング用に作成するスキーマを含むデータベースです。

    jdbc:oracle:thin:@//dbhost:dbport/service_name
    

    次に例を示します。

    jdbc:oracle:thin:@//shobeen:1521/sales_us
    

注意:

例E-2のクラスパスでは、UNIXとWindowsで異なるセパレータを使用しています。UNIXシステムでは、classpathにコロン(:)セパレータを使用します。Windowsシステムでは、classpathにセミコロン(;)セパレータを使用します。


E.2.1.3 provider.xmlでのWebクリッピング・リポジトリの構成

統合WLSにデプロイされているWebクリッピング・プロデューサのリポジトリ構成を変更する手順は、次のとおりです。

  1. テキスト・エディタでprovider.xmlファイルを開きます。

  2. Webクリッピング・リポジトリの設定を次のように指定します。

    • RCUで作成したJNDIデータソースによって参照されるPORTLETスキーマを使用します。例E-3で示すようにエントリを指定します。

      例E-3 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracleデータベース

        <repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.JdbcDbInformation">
           <connectionName>jdbc/portletPrefs</connectionName>
           <useRAA>false</useRAA>
           <useASO>false</useASO>
        </repositoryInfo>
      

      タグ・パラメータの詳細は、第E.2.1.4項「repositoryInfoタグの属性および子タグ」を参照してください。

    • Oracle database 9i以上で作成したデータベース・スキーマを使用します。これは、接続情報を手動で指定できます。

      Oracle 9i以上のデータベースをWebクリッピング・リポジトリとして指定するには、例E-4で示すようにエントリではデータベース接続パラメータを指定します。

      例E-4 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracle Database 9i以上の設定

          <repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.DatabaseInformation">
             <useRAA>false</useRAA>
             <databaseHost>dbhost.mycompany.com</databaseHost>
             <databasePort>1521</databasePort>
             <databaseSid>iasdb</databaseSid>
             <databaseUsername>scott</databaseUsername>
             <databasePassword>!tiger</databasePassword>
             <useASO>false</useASO>
          </repositoryInfo>
       
      

      タグ・パラメータの詳細は、第E.2.1.4項「repositoryInfoタグの属性および子タグ」を参照してください。

      セキュアなデータベース接続が必要な場合は、useASOエントリをtrueに設定することで、詳細セキュリティ・オプション(ASO)を有効にします。ASOの構成の詳細は、第E.2.3項「Webクリッピング・プロデューサのセキュリティ」を参照してください。


      注意:

      provider.xmlには、<repositoryInfo>のエントリが1つのみ存在できます。選択するWebクリッピング・リポジトリに応じて、そのエントリのみを非コメント化する必要があります。


  3. provider.xmlファイルを保存します。

  4. 統合WLSを再起動します。

E.2.1.4 repositoryInfoタグの属性および子タグ

表E-6では、repositoryInfoタグの属性および子タグとその説明を示しています。


注意:

repositoryInfoタグの属性および子タグは、Webクリッピングのprovider.xmlファイルのコメントでも説明されています。

provider.xmlファイルのコメントでは、Oracleインフラストラクチャ・データベースを使用するOracle9iデータベース以上用に提供されている例は、Oracle Portalと、そのインフラストラクチャ・データベースおよびアプリケーション・プログラミング・インタフェース専用です。その例は、Frameworkアプリケーションの実装には使用しないでください。


表E-6 repositoryInfoタグの属性および子タグ

属性/パラメータ MDS/データベース 説明

class

両方

class属性は、Webクリッピングの定義の格納に使用されるリポジトリのタイプを指定します。この属性には、次の値を指定できます。

  • oracle.portal.wcs.provider.info.MdsInformation

    この値は、Webクリッピングの定義の格納にMDSが使用され、MDS構成がmds-config.xmlファイルにプッシュされることを意味します。

  • oracle.portal.wcs.provider.info.DatabaseInformation

    この値は、Webクリッピングの定義の格納にはOracle9iデータベース以上が使用され、データベースの接続の詳細はrepositoryInfoタグに子として含まれることを意味します。

  • oracle.portal.wcs.provider.info.JdbcDbInformation

    この値は、Webクリッピングの定義の格納には、Oracle WebLogic Serverの一部としてインストールされているOracleデータベースが使用されていることを意味します。

mdsConfigLocation

MDS

class属性の値がMDSリポジトリを指定する場合は、mdsConfigLocationタグを使用します。これは、実際のMDSの場所を指定するMDS構成ファイルmds-config.xmlを指しています。mds-config.xmlファイルは、次の場所にあります。

MW_HOME/wlserver_10.3/wc_domain/servers/WLS_Portlet/tmp/_WL_user/portalTools_11.1.1.2.0/yyggl7/war/WEB-INF

connectionName

Database

Webクリッピング・リポジトリがRCUを使用してインストールされているデータソースのJNDI名を指定します。デフォルトでは、接続名はjdbc/portletPrefsであり、Oracle WebLogic ServerのPORTLETスキーマを指しています。

Oracle WebLogic Server 11g中間層がOracle Application Server 10gリポジトリに対応している相互運用性シナリオでは、接続とはOracle Application Server 10gリポジトリのPORTALスキーマを指しています。

useASO

Database

trueまたはfalseに設定します。

  • Webクリッピング・プロデューサとデータベース間の通信チャネルの暗号化にOracle Advanced Security Option (ASO)を使用する場合は、trueを指定します。これは、大/小文字を区別するデータがクリップされたコンテンツに含まれている場合、追加のセキュリティを導入するために用意されています。

  • このオプションを省略する場合は、falseを指定します。

useRAA

Database

trueまたはfalseに設定します。

  • データベース接続パラメータへのアクセスにリポジトリ・アクセスAPIが使用される場合は、trueを指定します。trueを指定することは、Webクリッピング・プロデューサでリポジトリとしてデフォルトのOracleインフラストラクチャ・データベースを使用することに相当します。

    trueを指定すると、他のrepositoryInfo子タグの必要がなくなります。

  • このオプションを省略する場合は、falseを指定します。

databaseHost

Database

Oracleデータベースのホスト名を指定します。バージョン9i以上のみを使用します。次に例を示します。

mycompany.dbhost.com

databasePort

Database

Oracleデータベース・リスナーのポート番号を指定します。これは通常1521です。

databaseSid

Database

Webクリッピング・リポジトリをホスティングするデータベースのOracle SIDを指定します。

databaseUsername

Database

データベースへのログインに使用するユーザー名を入力します。

databasePassword

Database

指定したデータベース・ユーザー名のプレーン・テキストのパスワードを入力します。パスワードの前に感嘆符(!)を付け、Webクリッピング・プロデューサの起動時にパスワードを暗号化できるようにします。

次に例を示します。

!AX3tR

E.2.2 HTTPまたはHTTPSのプロキシ構成

HTTPまたはHTTPSのプロキシ設定は、Webクリッピング・スタジオがファイアウォール外のWebサイトに接続できるように設定する必要があります。provider.xmlファイルを手動で編集することにより、設定を指定できます。

Frameworkアプリケーション管理者は、HTTPまたはHTTPSの構成に従ってプロキシ設定を手動で設定できます。provider.xmlファイルで該当するエントリを編集します。

例E-5では、provider.xmlの該当する部分を示しています。

例E-5 プロキシ設定

- <!-- 
 proxy information: Fill the following up if you have a proxy
 server between the provider and external sites.
   <proxyInfo class="oracle.portal.provider.v2.ProxyInformation">
      <httpProxyHost>proxy.mycompany.com</httpProxyHost>
      <httpProxyPort>80</httpProxyPort>
      <dontProxyFor>*.mycompany.com</dontProxyFor>
      <proxyUseAuth>true</proxyUseAuth>
      <proxyType>Basic</proxyType>
      <proxyRealm>realm1</proxyRealm>
      <proxyUseGlobal>false</proxyUseGlobal>
      <proxyUser>scott</proxyUser>
      <proxyPassword>!tiger</proxyPassword>
   </proxyInfo>
   
  --> 

<proxyUseAuth><proxyType><proxyRealm><proxyUseGlobal><proxyUser>および<proxyPassword>のタグに対する値の指定はオプションです。

前述の表E-3では、provider.xmlファイルで指定するプロキシ設定について説明しています。表内の説明は、Webクリッピング・プロデューサにも適用されます。


注意:

外部のWebサイトに接続するためにプロキシ・サーバーを使用する環境の場合、dontProxyForエントリを使用して、プロキシ例外リストを指定できます。Webクリッピングではプロキシ例外リストを使用して、ユーザーが未認可の外部Webサイトからコンテンツをクリッピングできないように制限します。ユーザーがWebクリッピング・スタジオから、リストに記載されたドメインにあるWebサイトに接続しようとすると、HTTPタイムアウト・エラーが発生します。


E.2.3 Webクリッピング・プロデューサのセキュリティ

ここまでの項では、Webクリッピング・プロデューサを使用できるようにするために実行する必要のある管理タスクについて説明しました。この後の項では、Webクリッピング・プロデューサがSecure Sockets Layer (SSL)対応Webサイトにアクセスし、それ自体とデータベース間のチャネルを暗号化できるようにするために、実装する必要のあるセキュリティ構成オプションのいくつかについて説明します。

E.2.3.1 信頼できるサイトの証明書の追加

ユーザーがセキュアなサイトにナビゲートすると、Webサイトでは通常、セキュアな情報を要求する際に、ユーザーに対して自身を識別する証明書を返します。ユーザーが証明書を受け入れると、証明書はブラウザの信頼できる証明書のリストに置かれ、ブラウザとそのサーバー間でセキュアなチャネルが開けるようになります。Webブラウザと同様に、Webクリッピング・プロデューサは、外部のWebサイトに対してHTTPクライアントの役割を果します。信頼できるサイトを把握するために、Webクリッピング・プロデューサでは、信頼できる証明書を格納するためのJavaキーストアであるcacertsファイルを使用します。

デフォルトでは、cacertsファイルは、Equifax、VeriSignおよびCybertrustの証明書など、様々な証明書を格納しています。ただし、Web上に存在するすべてのサーバー証明書が含まれているわけではありません。そのため、ユーザーがHTTPSを使用してセキュアなサーバーにナビゲートした場合に、Webクリッピング・スタジオで、SSLハンドシェイク失敗例外を受け取ることがあります。この問題を解決するには、cacertsファイルにそのサイトの証明書を追加する必要があります。

cacertsファイルに証明書を追加する手順は次のとおりです。

  1. HTTPS webサイトの証明書をダウンロードし、PEM形式で証明書を保存します。


    ヒント:

    Mozilla Firefox 3.0以上では、PEM形式で証明書ファイルを保存できます。


  2. cacertsファイルへのパスを次の手順で検索します。

    1. 次のURL形式を使用してOracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

      http://host:port/console

    2. WLS_Portlets管理対象サーバーの「キーストア」タブを開きます。

    3. 「Java標準信頼キーストア」フィールドに示されているcacertsファイルの場所を書き留めます。

      図E-2 cacertsファイルの検索

      図E-2の説明が続きます
      「図E-2 cacertsファイルの検索」の説明

  3. コマンド・プロンプトでcacertsファイルの場所にナビゲートし、次のコマンドを実行して証明書を追加します。

    keytool -importcert -alias certi_alias -file certifi_name -keystore cacerts -storepass password

    certi_aliasは証明書で使用される別名を、certifi_nameは証明書ファイル名を、passwordcacertsファイルのパスワードをそれぞれ参照します。デフォルトのパスワードはchangeitです。

    次に例を示します。

    keytool -importcert -alias stamf05 -file stamf05.crt -keystore cacerts -storepass changeit


    ヒント:

    別名を使用してcacertsファイルに信頼できる証明書をインポートすることをお薦めしますそうすることで、キーストアでのエントリの削除またはリストが容易になります。


E.2.3.2 Webクリッピング・プロデューサに対するOracle Advanced Securityの構成

Webクリッピング・プロデューサでは、Oracle Advanced Security Option (ASO)を使用して、それ自体とWebクリッピング・リポジトリをホスティングするデータベースとの間のチャネルを保護し、暗号化できます。この機能は、任意のOracleデータベースをWebクリッピング・リポジトリとして選択した場合にのみ使用可能です。Oracle Metadata ServicesはOracle JDeveloperのデフォルトのWebクリッピング・リポジトリであるため、この機能はデフォルトでは無効です。

ASOを有効にする手順は次のとおりです。

  1. テキスト・エディタでprovider.xmlを開きます。

  2. ファイルのリポジトリ設定セクション(例E-3で示す)で、useASOエントリをtrueに設定します。

  3. provider.xmlファイルを保存します。

さらに、sqlnet.oraファイルで次のASO構成パラメータを設定して、Webクリッピング・プロデューサと、Webクリッピング・リポジトリをホスティングするデータベース間で作成されたデータベース接続が、確実にASOを使用するようにします。

  • SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES: このパラメータは、ASOによるデータベース接続作成で、サポートされている認証方法を選択するために使用されます。このパラメータの設定の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

  • SQLNET.CRYPTO_SEED: このパラメータは、ASOによるデータベース接続作成に使用される、暗号化シード値(FIPS 140-1設定)を示しています。

    パラメータの設定および様々なパラメータの組合せで使用する値の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。


    注意:

    初期構成(データベース・パラメータが設定済)後にこれらのパラメータを設定する際は、データベース接続が開いていることを前提とします。ASOを有効にすると、データベースに対して実行されるすべての接続に影響が及ぶため、Webクリッピング・プロデューサを含む統合WLSを再起動し、現行のすべての接続でASOを使用するようにリセットすることをお薦めします。ASOを無効にする際にも、同様の操作が必要になります。


E.3 WSRPテスト・ページの非表示または削除

すべてのユーザーがWSRPテスト・ページを参照することを望まない場合は、管理者のみが参照できるように保護できます。そのためには、例E-6のコードをweb.xmlファイルに追加します。

例E-6 WSRPテスト・ページの非表示

<security-role>
  <description>AdministratorRole</description>
  <role-name>Admin</role-name>
</security-role>
<security-constraint>
  <display-name>TestPageInfo</display-name>
  <web-resource-collection>
    <web-resource-name>TestPageInfo</web-resource-name>
    <description>Protect the test page servlet.</description>
    <url-pattern>/info/*</url-pattern>
  </web-resource-collection>
  <auth-constraint>
    <description>Administrators</description>
    <role-name>Admin</role-name>
  </auth-constraint>
  <user-data-constraint>
    <transport-guarantee>NONE</transport-guarantee>
  </user-data-constraint>
</security-constraint>

WSRPテスト・ページを完全に削除するには、web.xmlファイルを変更して、例E-7で示す要素をコメント・アウトする必要があります。


注意:

この要素はパッケージ化の際にweb.xmlに挿入されるため、生成されたEARファイルでweb.mlファイルを編集する必要があります。


例E-7 WSRPテスト・ページの削除

<servlet-mapping>
   <servlet-name>WSRPTestPage</servlet-name>
   <url-pattern>/info</url-pattern>
</servlet-mapping>

E.4 プリファレンス・ストアの設定

ポートレット・プリファレンス・ストアは、コンシューマ登録ハンドルおよびポートレット・プリファレンス・データを永続化するために使用されます。ポートレット・プロデューサでは、ファイルデータベースおよびコンシューマの3つのタイプのプリファレンス・ストアのいずれかを使用できます。

コンシューマ・プリファレンス・ストアを使用する場合、常に、プリファレンス・ストア・データをコンシューマ・アプリケーションで格納するようにします。プロデューサ接続が、機能的に互換性のあるプロデューサを対象としている場合、プロデューサに問題が発生しても、コンシューマ・アプリケーションの登録およびポートレットは正常に続行されます(つまり、プロデューサはポートレット・ハンドルからポートレット名をデコードでき、コンシューマ・アプリケーションの開発者が対象とするポートレットに解釈して変換できる必要があります)。このメカニズムを使用する場合、プロデューサ自体は永続化されません。つまり、プロデューサは、常に、互換性のある別のプロデューサに切り替えることができ、プリファレンス・ストアの移行またはエクスポート/インポート・サイクルを実行する必要はありません。

クラスタ環境では、データベース・プリファレンス・ストアまたはコンシューマ・プリファレンス・ストアの使用をお薦めします。ファイルベースのプリファレンス・ストアを使用する場合は、共有ファイル・システムも使用する必要があります。

WebLogic Serverを構成してポートレット・プロデューサ・アプリケーションを実行する場合は、ユーザー用にデータベース・プリファレンス・ストアを構成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイドを参照してください。

この項では、次の構成情報を示します。

E.4.1 WSRPプロデューサ

WSRPプロデューサには、使用するプリファレンス・ストアを指定するJNDIプリファレンス値があり、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのweb.xmlファイルに設定されます。表E-7では、WSRPプロデューサのプリファレンス・ストアの指定に使用するJNDI変数とその説明を示しています。

表E-7 WSRPプロデューサ・データベース・プリファレンス・ストア関連のJNDI変数

変数名 変数値 説明

oracle/portal/wsrp/server/persistentStore

Database

File

Consumer

ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのコンシューマ登録ハンドルおよびポートレット・プリファレンスを永続化するために使用する、データ・ストア(ファイル、データベースまたはコンシューマ)を指定します。

oracle/portal/wsrp/server/fileStoreRoot

portletdata

ファイル・プリファレンス・ストアで使用されるルート・ディレクトリのパスを定義します。絶対パスは、ファイル・システム・ルートを基準として解釈されます。相対パスは、WC_ORACLE_HOME/portalディレクトリを基準として解釈されます。

同じWebLogic Server内で実行されているプロデューサはすべて、この変数について同じパスを使用する必要があります。そうしないと、一部のポートレットに対してPortlet unavailableエラーが発生します。


次の例は、プロデューサのweb.xmlファイルのエントリを示します。

例E-8 データベース・プリファレンス・ストアを使用するためのweb.xmlの構成

<env-entry>
  <env-entry-name>oracle/portal/wsrp/server/persistentStore</env-entry-name>
  <env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
  <env-entry-value>Database</env-entry-value>
</env-entry>

例E-9 ファイルベースのプリファレンス・ストアを使用するためのweb.xmlの構成

<env-entry>
  <env-entry-name>oracle/portal/wsrp/server/persistentStore</env-entry-name>
  <env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
  <env-entry-value>File</env-entry-value>
</env-entry>
<env-entry>
  <env-entry-name>oracle/portal/wsrp/server/fileStoreRoot</env-entry-name>
  <env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
  <env-entry-value>myPrefStore</env-entry-value>
</env-entry>

例E-10 コンシューマ・プリファレンス・ストアを使用するためのweb.xmlの構成

<env-entry>
  <env-entry-name>oracle/portal/wsrp/server/persistentStore</env-entry-name>
  <env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
  <env-entry-value>Consumer</env-entry-value>
</env-entry>

関連するweb.xmlファイルを更新してから、WebLogic Serverを再起動します。

E.4.2 PDK-Javaプロデューサ

PDK-Javaプロデューサで使用されるプリファレンス・ストアのタイプは、provider.xmlファイルのpreferenceStoreタグで指定されます。表E-8は、データベース・プリファレンス・ストアが指定された場合に、preferenceStoreタグで使用される属性およびパラメータとその説明を示しています。

表E-8 preferenceStoreタグの属性およびパラメータ

属性/パラメータ 説明

class

この必須属性は、ポートレット・プリファレンスの場所およびその他の詳細を定義するJavaクラスを指定します。たとえば、ファイルベースのプリファレンス・ストアは次のクラスを使用します。

<preferenceStore class="oracle.portal.provider.v2.preference.FilePreferenceStore">

データベース・プリファレンス・ストアは次のクラスを使用します。

<preferenceStore class="oracle.portal.provider.v2.preference.DBPreferenceStore">

OmniPortletでは、たとえば、次の独自のクラスを使用します。

<preferenceStore class="oracle.webdb.reformlet.ReformletFilePreferenceStore">

name

この必須パラメータは、プリファレンス・ストアの名前を指定します。選択する任意の値を使用します。次に例を示します。

<preferenceStore class="oracle.portal.provider.v2.preference.DBPreferenceStore">
  <name>MyPDKProducerPreferenceStore</name>
</preferenceStore>

connection

データベース・プリファレンス・ストアのこの必須パラメータは、ポートレット・プリファレンス・ストアを含むスキーマで接続するJNDI接続を指します。次に例を示します。

<preferenceStore class="oracle.portal.provider.v2.preference.FCFDBPreferenceStore">
  <name>MyPDKProducerPreferenceStore</name>
  <connection>java:comp/env/jdbc/portletPrefs</connection>
</preferenceStore>

rootDirectory

このオプションのパラメータは、ファイルベースのプリファレンス・ストア・プリファレンスが格納されている場所を指定します。このパラメータがpreferenceStoreタグに含まれていない場合、デフォルトのファイルベースのプリファレンス・ストアの場所が使用されます。これは、プロデューサのプロバイダ定義ファイルが格納されているのと同じフォルダです。

useHashing

このオプションのパラメータは、ファイルベースのプリファレンス・ストアの指定時に使用され、trueまたはfalseの値を使用します。trueに設定する場合、各プリファレンス・データファイルは、データファイル名をハッシングすることで指定した名前を持つ別のサブディレクトリに格納されます。このパラメータを使用すると、単一のディレクトリに格納されるプリファレンス・データ・ファイルの数を制限することにより、ファイル・システムのパフォーマンスを高められます。

次に例を示します。

<preferenceStore class="oracle.portal.provider.v2.preference.FilePreferenceStore">
  <name>PDKProducerPreferenceStore</name>
  <useHashing>true</useHashing>
</preferenceStore>

E.5 ポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ

プリファレンス・ストアは、ユーザー・プリファレンス・データ、ポートレットおよびプロデューサの設定、さらにポートレット・データなどの情報を格納するメカニズムです。プリファレンスは、データベース(高可用性構成のために推奨)、ファイル・システムに格納でき、またはファイル・システムを使用するアプリケーションで格納できます。Frameworkアプリケーション用に次のストアを移行できます。

E.5.1 JPSポートレット・プリファレンス・ストア - PersistenceMigrationTool

WSRPコンテナ・プリファレンス・ストアは、コンシューマ登録およびポートレット・プリファレンス・データを永続化するためのメカニズムです。現在、プリファレンス・ストアの実装には、データベース・プリファレンス・ストアファイルベース・プリファレンス・ストアおよびコンシューマ・プリファレンス・ストアの3つがあります。データベース・プリファレンス・ストアは、リレーショナル・データベースを使用してデータを永続化します。ファイルベース・プリファレンス・ストアは、ファイル・システムを使用してデータを永続化します。コンシューマ・プリファレンス・ストアは、プロデューサ・メタデータをコンシューマ・アプリケーションに関連付けます。ファイルベース・プリファレンス・ストアまたはコンシューマ・プリファレンス・ストアは、データベースへの依存性を削除するために、テストで使用される場合があります。ただし、高可用性構成では、データベース・プリファレンス・ストアまたはコンシューマ・プリファレンス・ストアの使用をお薦めします。

WSRPコンテナ・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ(PersistenceMigrationTool)を使用すると、データベース・プリファレンス・ストアとファイルベース・プリファレンス・ストア間で(たとえば、データベース・プリファレンス・ストアからファイル・プリファレンス・ストアへ)既存のデータを移行できます。また、このユーティリティを使用して、アップグレード中のユーザーは、既存のロケール固有のポートレット・プリファレンス・データが最新のJSPリリースと互換性のある名前形式を使用していることを確認できます。さらに、同じタイプのソース・ストアと宛先ストア間の移行に、このユーティリティを使用することもでき、データベース・ストア間のデータの移動が可能になります。


注意:

コンシューマ・プリファレンス・ストア間の移行には、プリファレンス・ストア移行ユーティリティを使用できません。コンシューマ・プリファレンス・ストア間の移行には、データをコンシューマのあるプロデューサからエクスポートして別のプロデューサにインポートする必要があります。

  1. JDeveloperまたはWLSTを使用して、プロデューサ・メタデータをコンシューマ・アプリケーションからEARファイルにエクスポートします。これは、カスタマイズ・データなどを取得するために、リモート・プロデューサに接続します。

  2. プロデューサの接続を別のプロデューサに再マップするか(すべてのプリファレンス・ストア・タイプの使用が可能)、現在のプロデューサのプリファレンス・ストア構成を変更します。

  3. エクスポート済のEARファイルから再度コンシューマ・アプリケーションにインポートします。これは、関連するメタデータがプロデューサに再度送信され、構成済のプリファレンス・ストアに格納されます。

JDeveloperを使用したプロデューサのエクスポートおよびインポートの詳細は、第E.6項「設計時のポートレット・プロデューサのエクスポートおよびインポート」を参照してください。WLSTを使用したプロデューサのエクスポートおよびインポートの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のデータ移行のためのカスタムWebCenterアプリケーションのエクスポートおよびインポートに関する項を参照してください。


PersistenceMigrationToolの構文は、次のとおりです。

java oracle.portlet.server.containerimpl.PersistenceMigrationTool
-sourceType [file | db]
-destType [file | db]
{-sourcePath [dir | 
 -sourceUsername username -sourcePassword password -sourceDatabase db]}
{-destPath [dir | destUsername username -destPassword password -destDatabase db]}
[-debug]

これらの意味は、次のとおりです。

sourceTypeは、ソース・ストアがファイルまたはデータベースのどちらにあるかを指定します。ソース・ストアと宛先ストアを同じタイプにすることができます。したがって、1つのデータベースからもう1つのデータベース、あるいは1つのファイル・システムからもう1つのファイル・システムへの移行が可能です。

destTypeは、宛先ストアがファイルまたはデータベースのどちらにあるかを指定します。ソース・ストアと宛先ストアを同じタイプにすることができます。したがって、1つのデータベースからもう1つのデータベース、あるいは1つのファイル・システムからもう1つのファイル・システムへの移行が可能です。

sourcePathは、ファイルベース・プリファレンス・ストアの場所です。この引数は、sourceTypefileの場合に必要です。

sourceUsernameは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・ユーザー名です。この引数は、sourceTypedbの場合に必要です。

sourcePasswordは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・パスワードです。この引数は、sourceTypedbの場合に必要です。

sourceDatabaseは、プリファレンス・ストア・データベースの名前です。この引数は、sourceTypedbの場合に必要です。

destPathは、ファイルベース・プリファレンス・ストアの場所です。この引数は、destTypefileの場合に必要です。

destUsernameは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・ユーザー名です。この引数は、destTypedbの場合に必要です。

destPasswordは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・パスワードです。この引数は、destTypedbの場合に必要です。

destDatabaseは、プリファレンス・ストア・データベースの名前です。この引数は、destTypedbの場合に必要です。

debugは、標準出力による完全ロギングをオンにします。これによりユーザーは、ツール実行時に発生する問題を診断できます。


注意:

PersistenceMigrationToolユーティリティを実行する際に、クラスパスで参照する必要がある複数のライブラリを次に示します。

  • wcs-producer-spi.jar

  • portlet-utils.jar

  • portlet-producer-container-common.jar

  • portlet-producer-container-persistence.jar

  • oracle-portlet-api.jar

  • wsrp-container.jar

  • oracle-portlet-tags.jar

  • ojdbc6.jar

クラスパスで参照するojdbc6.jarライブラリは、データベースで使用するライブラリと同一にする必要があります。


例E-11は、PersistenceMigrationToolユーティリティの実行を示しています。この例では、データベース・ストアからファイル・ストアにプリファレンスをコピーします。

例E-11 PersistenceMigrationToolユーティリティの実行

./java  -classpath
ORACLE_COMMON_HOME/webcenter/modules/com.bea.wsrp_10.3.2.0/system/wcs-producer-spi.jar:
ORACLE_COMMON_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/portlet-utils.jar:
ORACLE_COMMON_HOME/webcenter/modules/oracle.webcenter.framework_11.1.1/portlet-producer-container-common.jar:
ORACLE_COMMON_HOME/webcenter/modules/oracle.webcenter.framework_11.1.1/portlet-producer-container-persistence.jar:
WC_ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/oracle-portlet-api.jar:
WC_ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wsrp-container.jar:
WC_ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/oracle-portlet-tags.jar:
DB_ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc6.jar
oracle.portlet.server.containerimpl.PersistenceMigrationTool
-sourceType db \
-sourceUsername scott \
-sourcePassword tiger \
-sourceDatabase abc.mycompany.com:1521:yourdatabase \
-destType file \
-destRoot /data/prefs

これらの意味は、次のとおりです。

  • ORACLE_COMMON_HOMEは、Oracle共通ホームです。

  • WC_ORACLE_HOMEは、WebCenter Portal Oracleホームです。

  • DB_ORACLE_HOMEは、WebCenter Portal Oracleホームと同じマシン上にある場合、データベースのOracleホームです。データベースのOracleホームが別のマシンにある場合は、DB_ORACLE_HOME/jdbc/libディレクトリをWebCenter Portal Oracleホームの一時ディレクトリにコピーし、この一時ディレクトリからクラスパスでojdbc6.jarライブラリを参照する必要があります。

E.5.2 PDK-Javaポートレット・プリファレンス・ストア - 移行およびアップグレードのユーティリティ

PDK-Javaには、DBPreferenceStoreおよびFilePreferenceStoreの2つのPreferenceStoreが実装されています。DBPreferenceStoreは、JDBCと互換性のあるリレーショナル・データベースを使用してデータを永続化し、FilePreferenceStoreは、ファイル・システムを使用してデータを永続化します。

Oracle PDKをインストールしている場合は、プリファレンス・ストア移行およびアップグレード・ユーティリティを使用することで、プリファレンス・ストアに格納された情報を管理できます。このユーティリティは、pdkjava.jarファイルに含まれています。このツールは、WC_ORACLE_HOMEから実行する必要があります。移行ユーティリティの構文は、次のとおりです。


注意:

このツールを実行してpdkjava.jarptlshare.jarおよびojdbc6.jarをインクルードする場合は、クラスパスを設定する必要があります。次に例を示します。

java -classpath WC_ORACLE_HOME\jdeveloper\modules\oracle.dms_11.1.1\dms.jar;
WC_ORACLE_HOME\wlserver_10.3\server\lib\ojdbc6.jar;WC_ORACLE_HOME\jdeveloper\webcenter\modules\oracle.portlet.server_11.1.1\pdkjava.jar;
WC_ORACLE_HOME\jdeveloper\webcenter\modules\oracle.portlet.server_11.1.1\ptlshare.jar
oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool

java oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool
  -mode [file | db | filetodb | filetofile | dbtofile | dbtodb]
  [-remap language | locale]
  [-countries iso_country_code]
  [-pref1UseHashing true | false]
  [-pref1Driver driver]
  {-pref1RootDirectory directory |
   -pref1User username -pref1Password password -pref1URL url}
  [-pref2UseHashing true | false]
  [-pref2Driver driver]
  {-pref2RootDirectory directory |
   -pref2User username -pref2Password password -pref2URL url}
  [-upfixwpi filename]

これらの意味は、次のとおりです。

  • -modeは、プリファレンス・ストア移行およびアップグレード・ユーティリティを実行するモードです。

    filetodbfiletofiledbtofileまたはdbtodbは、移行モードで実行することを指定します。このモードの詳細は、第E.5.2.1項「移行モード」を参照してください。

    fileまたはdbは、アップグレード・モードで実行することを指定します。このモードの詳細は、第E.5.2.2項「アップグレード・モード」を参照してください。

  • -remapは、localePersonalizationLevel (languageまたはlocale)です。アップグレードまたは移行の一部としてlocalePersonalizationLevelを変更する場合にのみ、このオプションを使用する必要があります。

  • -countriesは、ISO国コードの優先リストを指定します。優先リストは、様々な国に再マップされたプリファレンス間で衝突が生じた場合の優先順位を示します。-countriesは、-remapオプションも指定した場合にのみ意味があります。

  • -pref1UseHashingは、この操作のためにソースに対してハッシングを使用するかどうかを指定します。

  • -pref1Driverは、ソース・データベースのドライバです。このパラメータを指定しない場合は、最も類似性の高いドライバが使用されます。

  • -pref1RootDirectoryは、ソース・ファイル・システムのパスです(j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sampleなど)。

  • -pref1Userは、ソース・データベースのユーザー名です。

  • -pref1Passwordは、ソース・データベースのパスワードです。

  • -pref1URLは、ソース・データベースへのURLです(jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysidなど)。

  • -pref2UseHashingは、この操作のために宛先に対してハッシングを使用するかどうかを指定します。

  • -pref2Driverは、宛先データベースのドライバです。このパラメータを指定しない場合は、最も類似性の高いドライバが使用されます。

  • -pref2RootDirectoryは、宛先ファイル・システムのパスです(j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sampleなど)。

  • -pref2Userは、宛先データベースのユーザー名です。

  • -pref2Passwordは、宛先データベースのパスワードです。

  • -pref2URLは、宛先データベースへのURLです(jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysidなど)。

  • -upfixwpiは、操作のログ・ファイルを指定します。

この項の内容は、次のとおりです。

E.5.2.1 移行モード

データをソース・プリファレンス・ストアからターゲット・プリファレンス・ストアにコピーするには、移行モードを使用します。ユーティリティをこのモードで実行すると、すべてのポートレット定義のプリファレンス・ストアが更新されます。

表E-9では、ユーティリティを実行できる移行モードについて説明しています。

表E-9 ユーティリティを実行するための移行モード

モード 説明

filetodb

FilePreferenceStoreからDBPreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。

filetofile

1つのFilePreferenceStoreから別の場所にあるもう1つのFilePreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。

dbtofile

DBPreferenceStoreからFilePreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。

dbtodb

1つのDBPreferenceStoreから別のデータベース表に基づくもう1つのDBPreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。


操作の宛先がデータベースである場合、宛先WebLogic ServerがWebCenter Portalテンプレートを使用して作成されていること、および該当するスキーマがRCUを使用して作成されていることを確認する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』を参照してください。

移行モードを使用中の場合、-remapオプションおよび-countriesオプションを使用して、データが移行中にアップグレードされるように指定することもできます。特に、これらのオプションを使用して、ロケール固有のプリファレンスが適切に再マップされるようにします。

ユーティリティで使用できるその他のオプションを使用して、アップグレードまたは移行プロセスに必要なプリファレンス・ストアのプロパティを指定できます。これらのオプションは、プリファレンス・ストアを説明するためにprovider.xmlで指定したタグに対応している必要があります。

接頭辞-pref1で始まるプロパティは、ソース・プリファレンス・ストア(アップグレード・モードでは唯一のプリファレンス・ストア)のプロパティに対応します。たとえば、-pref1UseHashing true -pref1RootDirectory j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sampleを指定すると、ソースFilePreferenceStoreuseHashingプロパティおよびrootDirectoryプロパティが設定されます。

移行基本モードを選択した場合、接頭辞-pref2で始まるプロパティは、ターゲット・プリファレンス・ストアのプロパティに対応します。たとえば、-pref2User portlet_prefs -pref2Password portlet_prefs -pref2URL jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysidを指定すると、ターゲットDBPreferenceStoreのデータベース接続詳細が設定されます。

例E-12 PDK-Java移行ユーティリティ・コマンドライン、移行

java -classpath WC_ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/pdkjava.jar:
WC_ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/ptlshare.jar:WC_ORACLE_HOME/ucm/shared/classes/ojdbc14.jar \
oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool \
-mode dbtofile \
-pref1User portlet_prefs \
-pref1Password portlet_prefs \
-pref1URL jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysid \
-pref2RootDirectory /mydirectory/preferences

E.5.2.2 アップグレード・モード

データを適切にアップグレードし、プレファレンス・ストア内で既存のロケール固有のプリファレンスを変更して、使用されているネーミングの書式がOracle Portalの現行バージョンおよび所定のlocalePersonalizationLevelの設定に適合するようにするには、アップグレード・モードを使用します。

表E-10では、ユーティリティを実行できるアップグレード・モードについて説明しています。

表E-10 ユーティリティを実行するためのアップグレード・モード

モード 説明

file

FilePreferenceStore内のデータをアップグレードする必要がある場合に使用します。

db

DBPreferenceStore内のデータをアップグレードする必要がある場合に使用します。


アップグレード・モードは、次のような場合に使用できます。

  • Oracle PDK 9.0.4.0.0以前からアップグレードして、既存のポートレットをデフォルトの言語設定localePersonalizationLevelで使用する場合(旧リリースでは、デフォルトの設定はlocaleでした)。

  • Oracle Portal 9.0.2.0.0以前からアップグレードして、既存のポートレットをlocalelocalePersonalizationLevel設定で使用する場合(Oracle Portalでは現在、一部のロケールに対して異なる名前を使用しているため、既存のデータで再マップが必要なものがあります)。

  • 既存のポートレットのlocalePersonalizationLevellocaleからlanguageに、またはその逆に変更する場合。

アップグレード・モードを使用する際、-remapオプションを使用して、アップルグレードする目的のlocalePersonalizationLevellanguageまたはlocale)を指定する必要があります。-countriesオプションを使用して、ISO国コードの優先リストを指定し、様々な国に対して再マップされたプリファレンス間で衝突が生じた場合の優先順位を指定することもできます。たとえば、コマンドで-remap language -countries GB,USと指定すると、ユーティリティが所定のプリファレンス・ストアでアメリカ英語とイギリス英語の両方のプリファレンス(en_USen_GB)に遭遇した場合には、イギリス英語のプリファレンスを英語全体のプリファレンス(en)になるように再マップします。

例E-13 PDK-Java移行ユーティリティ・コマンドライン、アップグレード

java -classpath WC_ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/pdkjava.jar:
WC_ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/ptlshare.jar:WC_ORACLE_HOME/ucm/shared/classes/ojdbc14.jar \
  oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool \
 -mode file -remap language
 -countries GB,US -pref1UseHashing true 
 -pref1RootDirectory j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sample

E.5.3 Webクリッピング・リポジトリ

Webクリッピングにはプリファレンス・ストア自体はありませんが、Webクリッピング定義および関連メタデータを格納します。デフォルトでは、この目的でファイルベースのMDSを使用します。ただし、データベースを使用するようにWebクリッピングを設定することもできます。Frameworkアプリケーション用にこのリポジトリを移行するには、エクスポートおよびインポート・モードでデプロイ前ツールを使用して、MDSからデータベースへ、あるいはその逆に移行します。この手順は、アプリケーションごとに次のように実行する必要があります。

  1. Webクリッピング・プロデューサを使用するすべてのFrameworkアプリケーションに対して、デプロイ前ツールをexportモードで実行します。詳細は、第61.2.10項「カスタマイズのエクスポートの実装方法(WSRP 2.0)」を参照してください。

  2. 別のリポジトリを使用するように、プロデューサを更新します。詳細は、第E.2.1.3項「provider.xmlでのWebクリッピング・リポジトリの構成」を参照してください。

  3. Webクリッピング・プロデューサを使用するすべてのFrameworkアプリケーションに対して、デプロイ前ツールをimportモードで実行します。詳細は、第61.2.10項「カスタマイズのエクスポートの実装方法(WSRP 2.0)」を参照してください。

E.5.4 プロデューサの移動

場合によっては、ポートレット・プロデューサの移動が必要になることもあります。そのためには、次の操作を行う必要があります。

  1. 新しいプロデューサをインストールします。

  2. 次のタスクのいずれかを実行して、新しいプロデューサで元のプロデューサのプリファレンス・ストアを使用できるようにします。

  3. Enterprise Manager Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンド(setWSRPProducerRegistrationまたはsetPDKJavaProducerRegistration)を使用して、プロデューサ登録のURLを更新します。

E.6 設計時のポートレット・プロデューサのエクスポートおよびインポート

設計時にポートレット・プロデューサのエクスポートおよびインポートができます。

この項の内容は、次のとおりです。

E.6.1 設計時のポートレット・プロデューサのエクスポート

デプロイ用のアプリケーションをパッケージ化する場合、アプリケーションによって参照される、すべてのポートレット・プロデューサに接続するため、プロデューサ・データをMARファイルに含めることができます。実行していないプロデューサがある場合、それらに接続することはできず、データを含めることはできません。

かわりに、設計時にプロデューサ・データのエクスポート・アーカイブを作成することにより、プロデューサが実行していることを確認でき、プロデューサ・データのすべて(リモート・カスタマイズおよびクライアント側メタデータなど)を取得できます。さらに、WebCenter Portal: Frameworkでは、デプロイ時にエクスポート・アーカイブを使用できるため、リモート・プロデューサに接続する必要はありません。

設計時にポートレット・プロデューサをエクスポートする手順は次のとおりです。

  1. WC_ORACLE_HOME/jdeveloper/jdev/bin/jdev.confファイルを編集し、次のJVMフラグを設定します。

    AddVMOption  -Doracle.webcenter.portlet.dt.disableRemoteExport=true
    

    このフラグを設定することによって、アプリケーションがデプロイ用にパッケージ化されている場合、次の手順で作成するエクスポート・アーカイブは、プロデューサ・データを取得するために接続しているリモート・プロデューサではなく、MARファイルに含められます。

  2. JDeveloperを再起動して新しい設定を適用します。

  3. エクスポートするプロデューサを使用するアプリケーションを開きます。

  4. メニューから、「アプリケーション」「ポートレット・プロデューサのエクスポート」の順に選択します。

    現在のアプリケーションにプロデューサが含まれている場合のみ、このメニュー・オプションが表示されます。

  5. 「ポートレット・プロデューサのエクスポート」ダイアログの「エクスポート・アーカイブ・ファイル名(.ear)」フィールドで、エクスポート・セットに使用する絶対パスとファイル名を入力します。

  6. 「OK」をクリックします。

    アプリケーションがデプロイ用にパッケージ化されている場合、disableRemoteExportフラグはtrueに設定されているため、WebCenter Portal: Frameworkでは、ダイアログで指定された場所にエクスポート・アーカイブが存在するかどうかを確認します。エクスポート・アーカイブが存在する場合、アーカイブの内容はMARファイルに含まれているため、プロデューサ・データを取得するためにリモート・プロデューサに接続する必要はありません。


    注意:

    disableRemoteExportフラグが設定されていてエクスポート・アーカイブがない場合、デフォルトのエクスポート・アーカイブ(リモート・プロデューサ・データなし)が作成され、MARファイルに含まれます。


E.6.2 設計時のポートレット・プロデューサのインポート

設計時にプロデューサ・データ(実行時に作成されたカスタマイズなど)をデプロイ済のアプリケーションからユーザーのアプリケーションにインポートできます。


注意:

エクスポート・アーカイブ(EARファイル)のプロデューサは、インポート先のアプリケーションのプロデューサと同一である必要があります。


プロデューサ・メタデータのエクスポート・アーカイブをデプロイ済のアプリケーションから作成する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のポートレット・クライアント・メタデータ(WebCenter Portal: Frameworkアプリケーション)のエクスポートに関する項を参照してください。

設計時にポートレット・プロデューサをインポートする手順は次のとおりです。

  1. WC_ORACLE_HOME/jdeveloper/jdev/bin/jdev.confファイルを編集し、次のJVMフラグを設定します。

    AddVMOption  -Doracle.webcenter.portlet.dt.enableImport=true
    
  2. JDeveloperを再起動して新しい設定を適用します。これにより、「ポートレット・プロデューサのインポート」メニュー・オプションを使用できるようになります。

  3. プロデューサのインポート先のアプリケーションを開きます。

  4. メニューから、「アプリケーション」「ポートレット・プロデューサのインポート」の順に選択します。

  5. 「ポートレット・プロデューサのインポート」ダイアログの「インポート・アーカイブ・ファイル名(.ear)」フィールドで、インポートするエクスポート・アーカイブの絶対パスとファイル名を入力します。

  6. 「OK」をクリックします。


注意:

プロデューサのインポート先のアプリケーションが統合WLSで実行中の場合、更新したプロデューサを参照するためにアプリケーションの再実行が必要になります。ページをリフレッシュするだけでは、設計時および実行時に使用するMDSインスタンスが異なるためエラーが発生する可能性があります。


E.7 WebLogic PortalポートレットのWebCenter Portalへの移行

この項では、WebLogic PortalのEclipse IDEを使用して開発されたWebLogic Portalポートレットの、WebCenter PortalのJDeveloper環境への移行について説明します。


注意:

WLPポートレットのWebCenter Portalプロジェクトへの移行に使用できるツールや直接的なサポートはありません。多くの場合、重要なリファクタおよび記録は必要ありません。この項では、移行の問題のいくつかを説明し、必要に応じて推奨事項を示します。


E.7.1 WebLogic PortalからWebCenter PortalへのJavaポートレットの移行

通常、WebLogic Portalで開発されたJSR 286標準ポートレット(Javaポートレット)は、WebCenter Portal/JDeveloper環境に直接移動できます。すべてのポートレット・アーティファクト(portlet.xml.javaファイル、.jspファイルなど)をJDeveloperポートレット・プロデューサ・アプリケーション・プロジェクトにコピーするだけです。


注意:

WebCenter Portal APIを使用するには、ポートレットで使用されるWebLogic Portal固有のAPIを再書込みする必要があります。WebLogic Portal固有のAPIは、WebCenter環境では機能しません。



ヒント:

WebLogic Portalのエクスポート機能を使用して、Javaポートレットをアーカイブ・ファイルにエクスポートした後に、アーカイブ・ファイルをJDeveloperプロジェクトにインポートできます。この手法を使用すると、手動で行うより環境間のすべてのポートレット・アーティファクトを簡単にコピーできます。Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalポートレット開発ガイドの他のシステムで使用するためのJavaポートレットのエクスポートに関する項を参照してください。


E.7.2 WLPポートレットのWebCenter Portalアプリケーションへの移行に関する問題

WLP開発環境からWebCenter Portal開発環境へのポートレットの移動は、直接サポートされません。通常、このプロセスには、移行したポートレット・コードおよび関連ファイルの重要な再書込みまたはリファクタが含まれます。


注意:

ポートレット(タイプは問わない)がWebLogic PortalのWSRP上で実行されていた場合は、WebCenter PortalコンシューマでWebLogic Portalのポートレット・プロデューサから直接ポートレットを使用できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalフェデレーテッド・ポータル・ガイド』のWebCenter Frameworkを使用したWSRPの相互運用性に関する項を参照してください。


JDeveloperにおいてWebLogic PortalポートレットをWebCenter Portalプロジェクトに直接移動する際の問題は、次のとおりです。

  • URL生成 – WebLogic PortalでサポートされるURLタイプには、WebCenter Portalで機能しないものもあります(DesktopURL、CustomEventURL、PageURL、WindowURL、StandalonePortletURLなど)。

  • イベント – WebCenter Portalコンシューマでは、WebLogic Portalフレームワークで生成されるすべてのイベントが生成されるわけではありません。これらのサポートされないイベントには、Init、LookAndFeelReinit、Notification、Refresh、WindowActivation、WindowDeactivationなどがあります。

  • レンダリング依存 – WLPのレンダリング依存はWebCenterでは機能しません。

  • WLP Framework API – 多数のWLP APIがWebCenter Portalではサポートされません。

E.7.3 WLPポートレットのWebCenter Portalポートレット・プロデューサ・アプリケーションへの移行のヒント

この項では、WebCenter Portalのポートレット・プロデューサ環境へのWLPポートレットの移動に関する一般的なガイダンスを提供します。ポートレットの移行は直接サポートされませんが、この項では、様々なWLPポートレット・タイプの手動移行プロセスに役立つヒントを説明します。


注意:

この項で説明するのは、一般的なガイダンスのみです。第E.7項「WebLogic PortalポートレットのWebCenter Portalへの移行」で説明したとおり、直接のWLPポートレット・タイプのWebCenter Portalアプリケーションまたはポートレット・プロデューサ・アプリケーションへの移行は、直接サポートされません。ほとんどの場合、WLPからWebCenter Portalにポートレットを移行する際、既存のポートレット・コードの再書込みおよびリファクタが必要です。

前述のとおり、WebCenter Portal APIを使用するには、ポートレットで使用されるWebLogic Portal固有のAPIを再書込みする必要があります。WebLogic Portal固有のAPIは、WebCenter環境では機能しません。


  • JSPポートレット – JSPポートレットのWebCenter Portalプロジェクトへの直接の移動はサポートされません。JSPポートレットをJSR286ポートレットにリファクタすることを検討できます。その後第E.7.1項「WebLogic PortalからWebCenter PortalへのJavaポートレットの移行」の説明に従ってそれを移行することが可能です。

  • JSR 168/286ポートレット – ほとんどのJava (JSR 168/286)ポートレットでは、WebCenter Portalポートレット・プロデューサに直接インポートでき、JSR286ポートレットとして実行できます。JSR168仕様で保証された固有のエラー条件を利用するJSR168ポートレットの中には、JSR168互換性モードでの実行が必要になる場合があります。Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalポートレット開発ガイドのJSR-286/JSR-168ポートレット互換性に関する項を参照してください。WLP固有のイベント(.portletファイルで宣言したイベント・サブスクリプション)を使用するJSR168ポートレットは、JSR286イベントを使用するために再書込みをする必要があります。

  • Javaページ・フロー・ポートレット – JPFポートレットは、WebCenter Portalのポートレット・プロデューサではサポートされていないため、WebLogic Portal WSRPプロデューサから使用するか、JSR286またはJSFポートレットとなるようにリファクタする必要があります。

  • JSFポートレット – このポートレットが、WLPでJSR329 JSFポートレット・ブリッジに書き込まれる場合、WebCenterプロデューサでそのまま実行する必要があります。WLP固有のJSFポートレット・ブリッジを使用するポートレットの場合、WebLogic Portalプロデューサからこのポートレットを使用するか、JSR329ブリッジを使用してJSF 1.2ポートレットにアップグレードする必要があります。Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalポートレット開発ガイドのJSF-Javaポートレットの使用に関する項も参照してください。

  • クリッパー・ポートレット – クリッパー・ポートレットは、WebCenter Portalではサポートされませんが、WebCenter Portalのページレット・プロデューサのWebクリッピング機能がこれに相当します。

  • Strutsポートレット – StrutsポートレットのWebCenter Portalプロジェクトへの直接の移動はサポートされません。JSPポートレットをJSR286ポートレットにリファクタすることを検討できます。その後第E.7.1項「WebLogic PortalからWebCenter PortalへのJavaポートレットの移行」の説明に従ってそれを移行することが可能です。

  • コンテンツ・プレゼンタ・ポートレット – WLPコンテンツ・プレゼンタ・ポートレットは、WSRPおよびWebCenterでは機能しません。ただし、これに相当する機能、ポータルがWebCenter Portalのコンテンツ・プレゼンタでは使用できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』のコンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開に関する項を参照してください。

  • リモート(WSRP)ポートレット – WLPで使用されるリモート(WSRP)ポートレットは、かわりにWebCenter Portalのコンシューマで使用できます。WLP固有のWSRP機能を利用するリモート・ポートレットは、変更が必要になる場合があります。たとえば、カスタム・データ転送機能は、データを伝達するイベントまたは共有パラメータの使用に置き換える必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalフェデレーテッド・ポータル・ガイド』のWebCenter Frameworkを使用したWSRPの相互運用性およびWLPとWebCenter Framework間のWSRPセキュリティの構成に関する項を参照してください。