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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.6.0)
B72084-01
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66 Webクリッピングを使用したコンテンツ・ベースのポートレットの作成

Webクリッピングは、WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションに任意のWebアプリケーションを統合できるようにする公開ポートレットです。Webクリッピングは、Webアプリケーションの既存のユーザー・インタフェースを利用して迅速に統合できるように設計されています。Webクリッピングでは、Webコンテンツを単一の一元化したWebページのポートレットに収集できます。Webクリッピングを使用すると、大規模な組織に散在するWebサイトのコンテンツを統合できます。

この章には、WebクリッピングをOracle JDeveloper環境で使用するために知っておく必要がある情報が含まれています。実行時のWebクリッピングの使用方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドの「Webクリッピング・ポートレットの使用」の章を参照してください。

この章の内容は、次のとおりです。

リポジトリやプロキシの設定、プロデューサのセキュリティなどその他のWebクリッピング・ポートレット・プロデューサの構成は、付録E「その他のポートレット構成」を参照してください。

各種ポートレット、プロデューサおよびその他のポートレット・テクノロジは、第58章「ポートレットの概要」を参照してください。

66.1 Webクリッピングの概要

Webクリッピングを使用すると、Webページ全体または一部をクリップし、ポートレットとして再利用できます。基本およびHTMLフォームベースのサイトはクリップ可能です。Webクリッピングは、既存のWebページのコンテンツをコピーし、Frameworkアプリケーションでポートレットとして公開する場合に使用します。

Webクリッピングは次の機能をサポートします。

66.2 アプリケーションへのWebクリッピングの追加

Webクリッピング・ポートレットは、JDeveloperを使用して作成されたJSPドキュメントに追加できます。Webクリッピング・ポートレット・プロデューサは、次のサーバーに組み込まれています。

Webクリッピング・ポートレットをアプリケーションに追加する手順は次のとおりです。

  1. JDeveloperで、統合WLSを起動します。詳細は、第3.4項「統合WebLogic Serverの使用」を参照してください。

  2. JDeveloperで、Webクリッピング・プロデューサを登録します。詳細は、第64.2.3項「Oracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録方法」を参照してください。

    この手順では、たとえば次のようなエンドポイントURLを指定する必要があります。

    http://localhost:7101/portalTools/webClipping/providers/webClipping
    

    WLS_Portlets管理対象サーバーまたは統合WLSからWebクリッピング・ポートレット・プロデューサを登録することを選択できます。

    プロデューサを登録すると、ポートレットが「アプリケーション・リソース」パネルや「リソース・パレット」で使用可能になります。

  3. 「アプリケーション・リソース」パネルまたは「リソース・パレット」から、Webクリッピング・ポートレットを.jspxページにドラッグします。詳細は、第64.3項「ページへのポートレットの追加」を参照してください。

    PanelCustomizableコンポーネントまたはShowDetailFrameコンポーネントを使用している場合は、af:formのかわりにそのコンポーネントの上にポートレットをドラッグします。「構造」ペインで、Webクリッピング・ポートレットは、PanelCustomizableコンポーネントまたはShowDetailFrameコンポーネントの下に表示されます。ページ・エディタで、ポートレットは、PanelCustomizableコンポーネントまたはShowDetailFrameコンポーネントの中に表示されます。


    注意:

    JDeveloperでWebクリッピングのインスタンスをページに追加する際、ポートレットの「プロパティ・インスペクタ」を開き、AllModesSharedScreenプロパティとRenderPortletInIFrameプロパティが次のように設定されていることを確認します。

    • AllModesSharedScreenは、「カスタマイズ」と「パーソナライズ」がフル・ページのサイズで表示されるようにfalseに設定されています。このプロパティをfalseに設定していない場合、実行時にWebクリッピング・ポートレットを編集すると、ページ上に表示されるテキストが変形する可能性があります。

    • RenderPortletInIFrameは、表示モードでWebクリッピングが独自のインライン・フレーム(IFRAME)に表示されるようにtrueに設定されています。


  4. .jspxページを右クリックし、「実行」を選択します。

    Webクリッピング・ポートレットがデフォルトのブラウザに表示されます。

  5. Webクリッピング・ポートレットをカスタマイズしてそのコンテンツを定義します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドの章「Webクリッピング・ポートレットの使用」を参照してください。


    注意:

    SSL対応Webサイトをクリップするには、これらのサイトの証明書を証明書ストアに追加する必要があります。Equifax、VeriSignまたはCybertrust証明書を使用するSSL対応Webサイトの証明書は、追加する必要はありません。これらの証明書はデフォルトの証明書ストアに含まれているからです。

    証明書の追加の詳細は、第E.2.3.1項「信頼できるサイトの証明書の追加」を参照してください。


66.3 シングル・サインオンを使用した認証されているWebコンテンツの統合

Oracle Single Sign-Onを利用して、認証に必要な外部WebサイトのコンテンツをWebクリッピング・ポートレットに統合できます。


注意:

1つのプロデューサに関連付けることができる外部アプリケーションは1つのみです。外部アプリケーションごとに新規のプロデューサを登録する必要があります。Frameworkアプリケーション・ユーザーは、資格情報ではなく、該当のシステムのユーザー名とパスワードを使用して認証されているコンテンツにアクセスします。


認証が必要な外部アプリケーションを統合する手順は次のとおりです。

  1. JDeveloperでFrameworkアプリケーションを開きます。

  2. 認証情報を指定して、外部アプリケーションを登録します。詳細は、第69.13.3.2.1項「外部アプリケーションのOracle JDeveloperでの登録」を参照してください。

  3. Webクリッピング・プロデューサを登録します。詳細は、第64.2.3項「Oracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録方法」を参照してください。

    Oracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録ウィザードを使用してプロデューサを登録する際に、「接続詳細の指定」ページで、「プロデューサと外部アプリケーションとの関連付け」チェック・ボックスを選択し、値のリストから登録した外部アプリケーションを選択します。「プロデューサ・セッションの有効化」チェック・ボックスが自動的に選択されます。

    図66-1に、Webクリッピング・プロデューサに関連付けられたMyOracleSupportという名前の外部アプリケーションを示します。

    図66-1 外部アプリケーションへのWebクリッピング・プロデューサの関連付け

    図66-1の説明が続きます
    「図66-1 外部アプリケーションへのWebクリッピング・プロデューサの関連付け」の説明

  4. 登録したプロデューサからのWebクリッピング・ポートレットを.jspxページに追加します。

  5. .jspxページを右クリックし、「実行」を選択します。

  6. 外部アプリケーションの共有資格情報または公開資格情報を指定しなかった場合は、ポートレットに「ログイン情報の更新」リンクが含まれます。このリンクをクリックします。

  7. 資格情報を入力し、「OK」をクリックして外部Webサイトにログインします。

    図66-2に、MyOracleSupportという名前の外部アプリケーションのログイン画面を示します。

    図66-2 統合外部アプリケーションへのログイン

    図66-2の説明が続きます
    「図66-2 統合外部アプリケーションへのログイン」の説明

  8. Webクリッピング・ポートレットのヘッダーで「アクション」アイコンをクリックし、「カスタマイズ」を選択します。

    「Webクリッピングの検索」ページが表示され、外部アプリケーションのデフォルトのURLが「URLの場所」フィールド(図66-3)に表示されます。

    図66-3 Webクリッピングの検索

    図66-3の説明が続きます
    「図66-3 Webクリッピングの検索」の説明

    これで、Webクリッピング・ポートレットに表示するWebページの任意のセクションを選択できるようになりました。Webクリッピング・ポートレットのカスタマイズ方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドの章「Webクリッピング・ポートレットの使用」を参照してください。

    外部アプリケーションの必要なページをクリップすると、認証が必要なページからのWebクリッピングでも、ポートレットで使用できるようになります。

66.4 Webクリッピングの拡張機能

Webクリッピングは、特定の拡張機能をサポートしています。Webクリッピング・トランスポートAPIを使用してカスタム認証方式を構成し、リソース・プロキシを使用するようにイメージ・リンクをリライトできます。

この項の内容は、次のとおりです。

66.4.1 Webクリッピング・トランスポートAPIの使用方法

カスタム認証方式をサポートするには、Webクリッピング・トランスポートAPIを使用できます。Webクリッピング・トランスポート・レイヤーを拡張してカスタム認証方式をサポートするには、いくつかの実装およびデプロイの手順を実行する必要があります。

この項の内容は、次のとおりです。

66.4.1.1 Webクリッピング・トランスポートAPIの実装

Kerberosなどのカスタム認証方式をサポートする場合は、まず、固有のトランスポート・クラスを実装する必要があります。

カスタム・トランスポート・クラスを実装する手順は次のとおりです。

  1. oracle.portal.wcs.transport.http.HttpTransportLiaisonインタフェースの2つのユース・ケースをオーバーライドします。

    Webクリッピングでは、このインタフェースを使用してHTTPトランスポート・レイヤーが抽象化されます。デフォルトでは、次の実装によって、このインタフェースの2つのユース・ケースがマニフェストされます。

    • HttpClientStudioTransportLiaisonは、Webクリッピング・スタジオ・モードでHTTPトランスポートを処理します。

    • HttpClientProviderTransportLiaisonは、Webクリッピング・プロデューサ表示モードでHTTPトランスポートを処理します。

    その他の認証方式をサポートするには、スタジオとプロバイダの両方のHttpClientTransportLiaison実装についてaddRequestHeadersメソッドをオーバーライドし、独自の認証固有ヘッダーを追加する必要があります。詳細は、Oracle WebLogic Server Webクリッピング・トランスポートAPIリファレンスを参照してください。

  2. 新しいサブクラスをコンパイルし、JARファイルにパッケージ化します。

    たとえば、新しいサブクラスをコンパイルするには次のコマンドを使用します。

    javac -classpath path_to_wcejar -d classes/

    ここで、path_to_wcejarは、wce.jarファイルへのパスを指します。

    JARファイルを作成するには、たとえば、次のコマンドをclassesディレクトリから実行します。

    jar cvf ../mytransport.jar

    ここで、mytransport.jarは、ユーザーが作成するJARファイルを指します。

66.4.1.2 Webクリッピング・トランスポートAPIのデプロイ

新しいトランスポート・クラスを実装したら、カスタム認証方式をサポートするためにJARファイルをデプロイする必要があります。

JARファイルをデプロイする手順は次のとおりです。

  1. JARファイルを、実行時にWebクリッピング・プロデューサに使用されるクラス・パスまたは共有ライブラリに置きます。

  2. HttpClientProviderTransportLiaisonおよびHttpClientStudioTransportLiaisonに定義されているコンテキスト・パラメータに次の変更を行うことにより、Webクリッピング・プロデューサのweb.xmlファイルにトランスポート・クラスを登録します。

    • oracle.webclipping.provider.TransportLiaisonClassのパラメータ値を、HttpClientProviderTransportLiaison クラスから拡張した新しいクラスの名前に変更します。

    • oracle.webclipping.studio.TransportLiaisonClassのパラメータ値を、HttpClientStudioTransportLiaisonクラスから拡張された新しいクラスの名前に変更します。

  3. プロデューサ・サーバーを再起動して変更を有効にします。

66.4.2 リソース・プロキシを使用するためのイメージ・リンクのリライト

Webクリッピングを使用すると、イメージ・リンクをリライトしてリソース・プロキシを使用できます。この機能を有効にするには、次のエントリをWebクリッピング・プロデューサのweb.xmlファイルに追加する必要があります。

<env-entry>
    <env-entry-name>oracle/webclipping/rewriteImageLink</env-entry-name>
    <env-entry-type>java.lang.Boolean</env-entry-type>
    <env-entry-value>false</env-entry-value>
</env-entry>

66.5 Webクリッピングに関する現在の制限

Webクリッピングを使用する場合は、次の制限に注意する必要があります。

66.6 Webクリッピングのトラブルシューティング

この項では、Webクリッピングの使用中に発生する可能性のある問題のトラブルシューティングに役立つ情報を提供します。

行n、列nで"x"が見つかりました。期待される値(いずれか): "x"、"y" ...

パーサー・エラー・メッセージがログ・ファイルに書き込まれました。

問題

Webクリッピング・ポートレットに表示されているWebコンテンツに無効なHTMLまたはJavaScriptが含まれています。

解決方法

これは、Webクリッピング・エラーではなく、サイト固有の問題です。サイトの管理者に連絡して支援を求めてください。