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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalアップグレード・ガイド
10gリリース3(10.3.4)
B66149-01
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2 WebLogic Portal 10.3.4へのアップグレード

この章では、WebLogic Portal製品の10.3.4へのアップグレードに関連するアップグレード作業について説明します。

この章は次の項で構成されています:

2.1 設定前の確認事項

WebLogic Portal 10.3.4には、8.1、9.2および10.0/10.2/10.3/10.3.2ポータル・アプリケーションから直接アップグレードできます。それ以前のバージョンからのWebLogic Portal 8.1へのアップグレードについては、WebLogic Portal 8.1アップグレード・ガイドを参照してください。

2.2 アップグレード中のデータベース変更

WebLogicアップグレード・ウィザードにより、WebLogic Portal 10.3.4のデータベース表を追加および変更するためのデータベース・スクリプトが実行されます。アップグレード・ウィザードを実行してデータベースのアップグレード作業を行う前に、すべてのWebLogic Portalデータベースの全体バックアップを実行する必要があります。


注意:

Oracle 8.1.7(DBMSバージョンおよびドライバ)は現在はサポートされていません。WebLogic 10.3.4にアップグレードする前に、ベンダーの指示に従ってOracle 9i、10Gまたは11Gにアップグレードしてください。

WebLogic Portal 8.1ではOracle Thinドライバのみがサポートされています。weblogic.jdbcx.oracle.OracleDataSourceまたはweblogic.jdbc.oracle.OracleDriverドライバが構成されているWebLogic Portal 8.1ドメインはサポートされていません。ドメインは問題なくアップグレードされますが、サーバーを起動すると次のエラーが発生します。

<Warning> <JDBC> <BEA-001129> <Received exception while creating connection for pool "portalDataSourceAlwaysXA": Invalid Oracle URL specified>
<Error> <Deployer> <BEA-149205> <Failed to initialize the application
'portalDataSourceAlwaysXA' due to error weblogic.application.ModuleException: - with nested exception:
[weblogic.common.ResourceException: Invalid Oracle URL specified]

10.3.4アップグレード・ウィザードを実行すると、デフォルトではメインのWebLogic Portalデータベースが自動的にアップグレードされます。

データベースのアップグレードを後から手動で実行することもできます。非推奨のデータベース・オブジェクトの削除、個別の動作追跡データベースのアップグレード、および個別のコンテンツ管理データベースのアップグレードなどの特定のデータベース・アップグレード作業には、手動でのデータベース・アップグレードが必要です。

データベース・アップグレード作業を手動で実行する方法の詳細は、付録Bを参照してください。

2.3 DDLファイル

表2-1に、WebLogic Portal 8.1から9.2へのデータベース・アップグレードのためのデータ定義言語(DDL)を含む.SQLファイルを示します。

表2-1 8.1から9.2へのアップグレードのためのDDLを含むファイル

ディレクトリ名 ファイル名

<WLPORTAL_HOME>/p13n/db/<DBMS>

p13n9_create.tables.sql

p13n9_create.indexes.sql

upgrade_fromdbmsauth_towlssqlauth.sql(ドメインがDBMS Authenticator用に構成されている場合)

dep9_drop_tables.sql(手動アップグレードのみ)

<WLPORTAL_HOME>/content-mgmt/db/<DBMS>

cm9_create_tables.sql

cm9_create_indexes.sql

cm9_create_fkeys.sql

cm9_create_triggers.sql

cmv9_create_tables.sql

cmv9_create_indexes.sql

<WLPORTAL_HOME>/portal/db/<DBMS>

pf9_create_tables.sql

pf9_create_fkeys.sql

pf9_create_views.sql

comm_create_tables.sql

comm_create_fkeys.sql

comm_create_indexes.sql

comm_create_views.sql

comm_create_triggers.sql

dep9_drop_tables.sql(手動アップグレードのみ)


表2-2に、WebLogic Portal 9.2から10.0へのデータベース・アップグレードのためのDDLを含む.SQLファイルを示します。

表2-2 9.2から10.0へのアップグレードのためのDDLを含むファイル

ディレクトリ名 ファイル名

<WLPORTAL_HOME>/portal/db/<DBMS>

pf10_create_tables.sql

<WLPORTAL_HOME>/content-mgmt/db/<DBMS>

cm10_create_tables.sql

cmv10_create_tables.sql


表2-3に、WebLogic Portal 10.0/10.2/10.3/10.3.2から10.3.4へのデータベース・アップグレードのためのDDLを含む.SQLファイルを示します。

表2-3 10.0/10.2/10.3/10.3.2から10.3.4へのアップグレードのためのDDLを含むファイル

ディレクトリ名 ファイル名

<WLPORTAL_HOME>/p13n/db/<DBMS>

p13n102_create.tables.sql

p13n102_drop.tables.sql

p13n103_create_tables.sql

<WLPORTAL_HOME>/portal/db/<DBMS>

pf102_create_tables.sql

pf102_drop_tables.sql

<WLPORTAL_HOME>/content-mgmt/db/<DBMS>

cmv102_create_tables.sql


2.4 アプリケーションおよびデータのバックアップ

アプリケーション環境をアップグレードする前に、ドメイン、外部アプリケーション、およびアプリケーション・データベース・リソースを個別のプロセスで手動でバックアップする必要があります。ドメイン内のすべてのマシンの関連情報をバックアップします。ウィザードによってバックアップされるのはドメイン・ディレクトリのみであり、ファイルの権限は維持されません。

2.5 不要なデータベース・オブジェクトの削除

未使用または非推奨の(削除された)WebLogic Commerce Servicesデータベース・オブジェクトを含む既存のデータベース(Portal 10.3.4より前のデータベース)をクリーンアップできます。

データベースからオブジェクトを削除するには、次のスクリプトを実行します。

2.6 WebLogic Portal 10.3.4へのアップグレード

アップグレード・プロセスでは、ポータル・ドメインとポータル・アプリケーションをアップグレードする必要があります。次のWebLogic Portalバージョンからのアップグレードがサポートされています。9.2、9.2 MP1、10.0、10.0 MP1および10.2/10.3/10.3.2アプリケーション。

このセクションの内容は次のとおりです。

2.6.1 ポータル・ドメインのアップグレード

この項では、WebLogic Portalデータベースおよびメタデータ・ファイルのアップグレード手順について説明します。

ポータル・アプリケーションのアップグレードの準備として、「ヘルプ」「ヘルプの目次」Oracle Workshop for WebLogicユーザーズ・ガイドWorkshop for WebLogic 10.xへのアップグレードに関する項を選択することにより、Oracle Enterprise Pack for Eclipseのアップグレード・ドキュメントを参照します。Oracle Enterprise Pack for Eclipseのドキュメントには、インポート・ウィザードの使用方法についての手順を追った説明、およびアップグレード・プロセス中に実行される処理やアップグレード前またはアップグレード後に手動で実行する必要のある作業についての詳細な情報が含まれます。

ポータル・ドメインをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. WebLogicドメインが実行されていないことを確認します。

  2. WebLogicアップグレード・ウィザードを使用してポータル・ドメインをアップグレードしてから、ポータル・アプリケーションをアップグレードします。Windowsプラットフォーム上でWebLogicアップグレード・ウィザードをグラフィカル・モードで起動してWebLogicドメインをアップグレードするには、<WLPORTAL_HOME>\common\binディレクトリからupgrade.cmdを実行します。


    注意:

    「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle Products」「WebLogic Server 10.x」「Tools」「Domain Upgrade Wizard」メニュー・オプションは使用しないでください。これにより、WebLogic Serverのドメイン・アップグレード・ウィザードが起動します。


    注意:

    WebLogicアップグレード・ウィザードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』を参照してください。

    ウィザードにより、ポータル、コンテンツ管理およびパーソナライズ・データベース・データがアップグレードされます。オプションで、8.1 RDBMSAuthenticatorをWebLogic 10.3.4 SQLAuthenticatorにアップグレードすることもできます。ユーザー・ストアのアップグレードの詳細は、第1.6項「セキュリティ」を参照してください。

  3. 「付録A」を読みます。

  4. 必要に応じて、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalプロダクション業務ガイドの説明に従って個々のアプリケーションをアップグレードします。


    ヒント:

    起動スクリプトでドメインの設定方法をカスタマイズしている場合、その変更はWebLogic Portal 10.3.4起動スクリプトを実行すると上書きされます。起動スクリプト(およびsetDomainEnv.cmd/sh)に加えた変更をアップグレードされたドメインでも維持したい場合は、起動スクリプトを手動でコピーする必要があります。


注意:

RDBMSセキュリティ・ストア機能を使用している場合は、第1.6項「セキュリティ」で説明しているように、アップグレード・プロセスの一環として、DDLによってp13nDatasourceが構成されているスキーマにRDBMSセキュリティ・ストア表が自動的に作成されます。p13nDatasourceが構成されているスキーマ以外のデータベース・スキーマを使用または構成する必要がある場合、ポータル・ドメイン管理者は次のスクリプトを手動で実行して、そのスキーマに対するRDBMSセキュリティ・ストア表を作成する必要があります。

<WLPORTAL_HOME>/p13n/db/<database_vendor>/rdbms_security_store_create_tables.sql

RDBMSセキュリティ・ストア表の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Portalデータベース管理ガイドのRDBMSセキュリティ・ストア表に関する項を参照してください。


2.6.2 Portal 9.2および10.0/10.2/10.3/10.3.2から10.3.4へのアップグレード

WebLogic Portal 9.2、9.2 MP1、10.0、10.0 MP1、10.2、10.3または10.3.2アプリケーションを10.3.4にアップグレードできます。WebLogic Portal APIはWebLogic Portalの現在のバージョンでも維持されており、データベースおよびファイル・ベース・アセットのほとんどのコア・フォーマットは変更されていません。このタイプのアップグレードの全般的な情報については、第1.2項「Portal 9.2、10.0、10.2、10.3、10.3.2から10.3.4へのアップグレードの概要」を参照してください。

アップグレード・プロセスでは、WebLogic Portalポータル・アプリケーションおよびリソースをWebLogic Portal 10.3にアップグレードします。9.2および10.0/10.2/10.3/10.3.2のアップグレードは、Workshop for WebLogic Eclipseプロジェクト・フォルダで実行されます。Portal 10.3.4へのアップグレード後は、元のポータル・バージョンに戻ることはできません。

Portal 9.2または10.0/10.2/10.3/10.3.2アプリケーションから10.3.4へのアップグレードは、次のいずれかの方法を選択して実行できます。

  • 既存の9.2または10.0/10.2/10.3/10.3.2ポータル・アプリケーションをWorkshop for WebLogicでワークスペースとして開く

  • 既存の展開された9.2または10.0/10.2/10.3/10.3.2プロジェクトをWorkshop for WebLogicにインポートする

  • アーカイブされた9.2または10.0/10.2/10.3/10.3.2プロジェクト・ファイルをWorkshop for WebLogicにインポートする


    ヒント:

    アップグレードされたアプリケーションは、新しい10.3.4ドメインまたはアップグレードされた10.3.4ドメインを参照するように設定できます。

9.2または10.0/10.2/10.3/10.3.2アプリケーションを10.3.4にアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Enterprise Pack for Eclipseで、ビルド・エラーを解決できるように、「プロジェクト」自動的にビルドが有効になっていることを確認します。デフォルトでは、有効化されています。

  2. WebLogicアップグレード・ウィザードを使用してドメインをアップグレードします。詳細は、第2.6.1項「ポータル・ドメインのアップグレード」を参照してください。

  3. Workshop for WebLogicで次のいずれかの手順を実行して、既存のWebLogic Portal 9.2および10.0アプリケーションをアップグレードします。

    1. 既存のポータル・アプリケーションをOracle Enterprise Pack for Eclipseでワークスペースとして開きます。これには、「ファイル」ワークスペースの切り替えを選択し、既存のワークスペースを選択して、「OK」をクリックします。Workshop for WebLogicの起動時にワークスペース・ランチャで既存のポータル・アプリケーションを選択し、「OK」をクリックすることもできます。


      ヒント:

      既存のポータル・アプリケーションをワークスペースとして開くには、ワークスペースとアプリケーションが同じマシン上で作成およびアクセスされている必要があります。プロジェクト・ディレクトリには転送不能プリファレンスが格納されます。

    2. 展開された9.2または10.0プロジェクトをWorkshop for WebLogicにインポートします。これには、「ファイル」「インポート」「一般」既存プロジェクトをワークスペースへを選択し、「次へ」をクリックします。「ルート・ディレクトリの選択」をクリックし、プロジェクトのディレクトリを選択して、「終了」をクリックします。次のダイアログ・ボックスで再度「終了」をクリックして、アップグレードを完了します。

    3. アーカイブされた9.2または10.0プロジェクト・ファイル(.ZIPファイルなど)をWorkshop for WebLogicにインポートします。これには、「ファイル」「一般」既存プロジェクトをワークスペースへを選択し、「次へ」をクリックします。アーカイブ・ファイルの選択をクリックし、アーカイブ・ファイルを選択して、「終了」をクリックします。次のダイアログ・ボックスで再度「終了」をクリックして、アップグレードを完了します。

2.6.3 Portal 8.1から10.3.4へのアップグレード

WebLogic Portalでは、8.1 SP4、SP5およびSP6アプリケーションを10.3.4に直接アップグレードできます。ほとんどのWebLogic Portal APIはWebLogic Portal 10.3.4でも維持されており(10.0から非推奨となり、現在のバージョンから削除されたCommerce APIを除く)、データベースおよびファイル・ベース・アセットのほとんどのコア・フォーマットは変更されていません。変更が行われた箇所については、新しいフォーマットにアップグレードするため、または必要な変更を手動で加えるためのツールが用意されています。このタイプのアップグレードの全般的な情報については、第1.3項「Portal 8.1から10.3.4へのアップグレードの概要」を参照してください。

アップグレード・プロセスでは、WebLogic Portal 8.1ポータル・アプリケーションおよびリソースをWebLogic Portal 10.3.4にアップグレードします。8.1から10.3.4へのアップグレードは、.workファイルで実行されます。WebLogic Portal 8.1から10.3.4にアップグレードすると、Derbyデータベースもアップグレードされます。

アップグレード・プロセスのおおまかな手順は、次のようになっています。

  1. WebLogicアップグレード・ウィザードを使用してドメインをアップグレードします。詳細は、第2.6.1項「ポータル・ドメインのアップグレード」を参照してください。

  2. 既存のWebLogic Portal 8.1 SP4、SP5およびSP6アプリケーションを、WebLogic Portal 10.3.4で動作するようにアップグレードします。これは、Workshop for WebLogicに付属のインポート・ユーティリティを使用して自動的に行えます。8.1アプリケーションのインポートの詳細は、「付録C」を参照してください。


    ヒント:

    起動スクリプトでドメインの設定方法をカスタマイズしている場合、その変更はWebLogic Portal 10.3.4起動スクリプトを実行すると上書きされます。

2.7 WebLogic Portal 10.3.4の機能変更

「付録A」に記載されている機能変更を確認してください。ご使用の環境に手動でのアップグレード作業が必要な場合は、指示に従ってこれらの作業を実行します。