フェイルオーバーグループ内のサーバーの 1 つに障害が発生した場合、残りのグループメンバーは障害以前に存在していた管理データから動作します。回復手順は、障害の重大さと、プライマリまたはセカンダリサーバーのどちらで障害が発生したかに依存します。
プライマリサーバーで障害が発生した場合、システムに管理上の変更を加えることはできません。複製が機能するには、プライマリサーバー上ですべての変更が成功する必要があります。
セカンダリサーバーからプライマリサーバーのデータストアを再構築するには次の手順を使用し、再び完全に動作可能になったあとにプライマリサーバーであったサーバーで実行されます。この手順では、交換サーバーに同じホスト名を使用します。
utldbmcat の実行前に umask を正しく設定してください。そうしない場合は、特権のないユーザーが utadmin
パスワードへのアクセス権を取得できてしまいます。
セカンダリサーバーの 1 つで、現在のデータストアを /tmp/store
というファイルに取り込みます
# /opt/SUNWut/srds/lib/utldbmcat /var/opt/SUNWut/srds/dbm.ut/id2entry.dbb > /tmp/store
このコマンドによって、現在のデータストアの LDIF 形式ファイルが提供されます。
FTP を使用して、このファイルをプライマリサーバー上の /tmp
ディレクトリに送信します。
Sun Ray Software のインストール手順に従います。
utinstall の実行後、サーバーをグループのプライマリサーバーとして構成します。
同じ管理パスワードとグループシグニチャーを使用してください。
# utconfig : # utreplica -psecondary-server1
[secondary-server2
...]
データストアを含む Sun Ray サービスをシャットダウンします。
# /opt/SUNWut/sbin/utstop
データを復元します。
# /opt/SUNWut/srds/lib/utldif2ldbm -c -j 10 -i /tmp/store
このコマンドによって、プライマリサーバーにデータが取り込まれ、そのデータがセカンダリサーバーと同期されます。交換サーバーがプライマリサーバーとして動作する準備が整いました。
Sun Ray サービスを再起動します。
# /opt/SUNWut/sbin/utstart -c
(オプション) データストアにデータが再度取り込まれたことを確認します。
# /opt/SUNWut/sbin/utuser -l
(オプション) 追加の構成手順を実行します。
この手順は、セカンダリサーバーをプライマリサーバーに昇格するとも呼ばれます。
既存のフェイルオーバーグループ内で昇格するサーバーを選択し、プライマリサーバーとして構成します。
# utreplica -u # utreplica -psecondary-server1
[secondary-server2
...]
新しいプライマリサーバーを使用するために、フェイルオーバーグループ内の残りの各セカンダリサーバーを再構成します:
# utreplica -u
# utreplica -s new-primary-server
このコマンドにより、セカンダリサーバーが新しいプライマリサーバーと再同期されます。
この処理には、データストアのサイズによっては完了に時間がかかる場合があります。この手順中は Sun Ray サービスはオフラインになるため、必要に応じてセカンダリサーバーダウンタイムをスケジュールすることをお勧めします。フェイルオーバーグループ内のセカンダリサーバーごとに、この手順を実行してください。