フェイルオーバーグループを設定するには、次の手順を使用します。
サーバーアドレスとクライアントアドレスを設定します。この手順は、プライベートネットワークを使用しているか、または DHCP サービスを提供する Sun Ray サーバーを使用しているときにのみ必要です。詳細については、19章代替ネットワークの構成を参照してください。
プライマリサーバーを構成します。
セカンダリサーバーを追加します。
プライマリおよびセカンダリサーバーを同期します。
グループマネージャーシグニチャーを変更します。
プライマリサーバー (Sun Ray データストアのマスターコピーが常駐) ではフェイルオーバーグループの階層化された管理が行われます。utreplica コマンドは、プライマリサーバーを指定し、サーバーにその管理プライマリステータスを通知し、すべてのセカンダリサーバーのホスト名を通知します。
プライマリサーバーという用語は、フェイルオーバーの順序ではなく、複製の関係を反映しています。
セカンダリサーバーを追加する前にプライマリサーバーを構成してください。
共通ホームディレクトリが GNOME バージョンが異なるマシンにマウントされている場合、バージョン間の競合によって予期しない動作が発生することがあります。共通ホームディレクトリで複数のバージョンの GNOME を使おうとしないでください。
プライマリ Sun Ray サーバーでスーパーユーザーになります。
このサーバーをプライマリ Sun Ray サーバーとして構成し、すべてのセカンダリサーバーを識別します。
# /opt/SUNWut/sbin/utreplica -psecondary-server1
[secondary-server2
...]
ここで、
[secondary_server1
...] は、セカンダリサーバーの一意ホスト名のスペース区切りリストです。
secondary_server2
スクリプトが終了すると、ログファイルを入手できます。
Oracle Solaris の場合:
/var/adm/log/utreplica.Year
_Month
_Date
_Hour
:Minute
:Second
.log
Oracle Linux の場合:
/var/log/SUNWut/utreplica.Year
_Month
_Date
_Hour
:Minute
:Second
.log
グループ内のセカンダリサーバーには、プライマリサーバーの管理データの複製バージョンが格納されます。
utreplica コマンドを使用して、各セカンダリサーバーにそのセカンダリステータスとグループのプライマリサーバーのホスト名を通知します。セカンダリサーバーを追加または削除するには、サービスがプライマリサーバーで再起動される必要があります。
セカンダリサーバーがプライマリサーバー上で構成されていない場合は、プライマリサーバーのスーパーユーザーとなり、新しいセカンダリサーバーで utreplica コマンドを再実行します。
# /opt/SUNWut/sbin/utreplica -p -asecondary-server1
[secondary-server2
...]
ここで、
[secondary_server1
...] は、セカンダリサーバーの一意ホスト名のスペース区切りリストです。
secondary_server2
セカンダリサーバーのスーパーユーザーになります。
セカンダリサーバーを追加します。
# /opt/SUNWut/sbin/utreplica -s primary-server
ここで、
はプライマリサーバーのホスト名です。
primary-server
Sun Ray サーバーのログファイルには、タイムスタンプ付きのエラーメッセージが含まれますが、時間が同期されていない場合は解釈が困難な場合があります。トラブルシューティングを容易にするために、すべてのセカンダリサーバーを定期的にプライマリサーバーと同期するようにしてください。
プライマリおよびセカンダリサーバーを同期するときは、時間情報プロトコル (NTP) が推奨されるプロトコルです。NTP では、絶対時間ソースを同期でき、その他の同期機能も提供されます。配備によっては、rdate コマンドで構成されたより単純な TIME プロトコルで十分な場合があります。
Oracle Solaris サーバーでは、NTP および TIME プロトコルがいずれもデフォルトで無効になっています。
フェイルオーバー用に構成することを選択した場合は、utconfig コマンドからグループマネージャシグニチャーを要求されます。シグニチャーは /etc/opt/SUNWut/gmSignature
ファイルに保存されていて、グループ内のすべてのサーバーで同じである必要があります。
この場所は、auth.props
ファイルの gmSignatureFile
プロパティーで変更できます。
十分に機能するフェイルオーバーグループを形成するには、シグニチャーファイルが次の条件を満たしている必要があります。
root アクセス権のみで root によって所有されている
少なくとも 8 文字が含まれる (2 文字以上が英字、1 文字以上がそれ以外)
セキュリティーを少しでも向上させるために、長いパスワードを使用してください。
Sun Ray サーバーのスーパーユーザーになります。
utgroupsig コマンドを起動します。
# /opt/SUNWut/sbin/utgroupsig
シグニチャーを求められます。
同意のために同じシグニチャーを 2 度入力します。
グループ内の各 Sun Ray サーバーでこの手順を繰り返します。
シグニチャーを提供する場合は、ほかの方法ではなく必ず utgroupsig コマンドを使用してください。utgroupsig では内部複製も正確に行われます。