10.2. キオスクモードのセキュリティーおよびフェイルオーバーの注意事項

キオスクモードはシステムのログインメカニズムを省略するため、ユーザー環境に追加したアプリケーションのセキュリティーを考慮する必要があります。多くのカスタムアプリケーションにはセキュリティー機能が組み込まれていますが、セキュリティー機能を持たないアプリケーションはキオスクモードには適しません。

たとえば、xterm などのアプリケーションを追加すると、ユーザーはキオスクモードセッションからコマンド行インタフェースにアクセスできるようになります。このアクセスは公共の環境では望ましくないのでお勧めできません。ただし、コールセンターにカスタムアプリケーションを使用することはまったく問題ありません。

フェイルオーバー環境では、キオスクモードの管理用設定がプライマリサーバーからセカンダリサーバーにコピーされます。キオスクモードセッションに追加されたすべてのアプリケーション記述子および実行可能ファイルのパスが、フェイルオーバーグループのサーバー間でコピーされることを、確認しておく必要があります。たとえば、Mozilla アプリケーションが実行可能ファイルのパス /usr/sfw/bin/mozilla と一緒にセッションに追加された場合は、バイナリへのパスはフェイルオーバーグループ内のすべてのサーバーが使用可能であることを確認しておいてください。

セッションおよびアプリケーションがフェイルオーバーグループ内のすべてのサーバーで確実に使用可能になるための方法の 1 つは、フェイルオーバーグループ内のすべてのホストで使用可能な共有ネットワークディレクトリにそのセッションおよびアプリケーションを置くことです。これを実行するには、Oracle Solaris クラスタ製品などの高可用性ファイル共有を使用します。