Oracle® Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのためのインストレーション・ガイド リリース7.9.6.3 B66690-01 |
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この章では、Oracle BI Applicationsの概要について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle BI Applicationsは、ビルトイン・ビジネス・インテリジェンス・ソリューションです。
Oracle BI Applicationsでは、Oracle E-Business Suite Applications、Oracle Siebel Applications、Oracle PeopleSoft Applications、Oracle JD Edwards ApplicationsなどのOracleソースと、SAP ApplicationsなどのOracle以外のソースがサポートされています。前述のアプリケーションの1つをすでに所有している場合は、Oracle Business Intelligence Enterprise EditionおよびOracle BI Applicationsを購入して、所有するアプリケーションと連携させることができます。
Oracle BI Applicationsでは、会計、サプライチェーン、人員ソース、調達と支出ソースなどの企業データも完全にサポートされています。これらのエンタープライズ・アプリケーションでは一般的に、Oracleデータソース(Oracle EBSやPeopleSoftなど)とOracle以外のデータソース(SAPなど)の両方が利用可能です。
Oracle BI Applicationsは、表2-1に記載されているコンポーネントで構成されています。
表2-1 Oracle BI Applicationsコンポーネント(Informatica/DAC)
コンポーネント | 説明 |
---|---|
DACリポジトリ・メタデータ・ファイル |
テーブル、サブジェクトエリア、実行プラン、タスクなどのリポジトリ・オブジェクトを含みます。 これらのファイルはZIPファイル(ファイル名はexport.zip)にインストールされており、解凍する必要があります。 |
Informatica PowerCenter ETLツール |
データ・ウェアハウスの抽出、変換およびロード(ETL)操作を実行するサード・パーティETLプラットフォームです。 |
ビルトインInformaticaコンテンツ |
マッピング、セッション、ワークフローなどのETLリポジトリ・オブジェクトを含み、Informaticaリポジトリ・ファイル(Oracle_BI_DW_Base.rep)に格納されています。 |
ビルトイン・メタデータ・コンテンツ |
Oracle BI Applicationsのリポジトリ・ファイル(OracleBIAnalyticsApps.rpd)に格納されています。 |
ビルトイン・レポートおよびダッシュボード・コンテンツ |
Oracle BI Presentation Catalogに格納されています。 |
Oracle Business Analytics Warehouse |
トランザクション・データベースから抽出、変換およびロードされたデータを格納するビルトイン・データ・ウェアハウスです。詳細は、第2.2項「Oracle Business Analytics Warehouseの概要」を参照してください。 |
Oracle Business Analytics Warehouseはすべての顧客中心データに対応する統一されたデータ・リポジトリで、サポートされるソース・システムの分析要件がサポートされています。
Oracle Business Analytics Warehouseには、次の機能が組み込まれています。
多数のビルトイン・スター・スキーマを持ち、多くの確認済次元および幾百もの要素テーブルを包含する、完全なリレーショナル・エンタープライズ・データ・ウェアハウスのデータ・モデル。
データ・ウェアハウスのデータ・モデルの詳細は、Oracle Business Analytics Warehouseデータ・モデル・リファレンスを参照してください。
オープン・アーキテクチャ。これにより、Oracle Business Intelligence Serverを使用するOracle Business Analytics Warehouseにおいて、組織がサード・パーティ製分析ツールを使用できます。
ビルトイン・データ抽出処理。これにより、外部アプリケーションのデータをOracle Business Analytics Warehouseに組み込みます。
ETL(Extract/Transform/Load)プロセスのセット。これにより、幅広いソース・システムからデータを取得し、Oracle Business Analytics Warehouseのテーブルを作成します。
Oracle Business Intelligenceデータ・ウェアハウス管理コンソール(DAC)は一元管理コンソールであり、Oracle Business Analytics Warehouseの設定、構成、管理、ロードおよび監視に対応します。
Oracle Business Intelligenceで広く使用されているクエリーと同様に、高水準の分析クエリーでは、複雑な式を使用して大量のデータをスキャンして分析します。トランザクション・データベースに対してクエリーを実行する際、このプロセスの所要時間が長くなる場合があるため、システム全体のパフォーマンスが影響を受けます。
このため、ディメンション・モデリング・テクニックを使用してOracle Business Analytics Warehouseが構築され、意思決定に必要な情報に迅速にアクセスできます。Oracle Business Analytics Warehouseによりそのデータを基幹業務アプリケーションから導出し、Informatica PowerCenterを使用して多様なサポート対象トランザクション・データベース・システム(OLTP)からデータを抽出してから変換し、Oracle Business Analytics Warehouseにロードします。
Informatica PowerCenterとDACで配置される際におけるOracle Business Analytics Warehouseアーキテクチャを図2-1に示します。
クライアント層には、Informatica PowerCenterクライアント・ツールとOracle BIデータ・ウェアハウス管理コンソール(DAC)があります。DACは、データ・ウェアハウスにおけるコマンドと制御のインタフェースであり、データ・ウェアハウス・プロセスの設定、構成、管理および監視ができます。
サーバー層には、次があります。
DACサーバー。DACクライアントからの命令を実行します。スケジュール、ETLのロード、ロード対象サブジェクトエリアの構成などのデータ・ウェアハウス処理をDACサーバーにより管理します。DACリポジトリの情報に基づいて、動的にそのアクションを調整します。ビジネスのニーズに応じて、毎日1回、週に1回、月に1回またはそれ以外の同様なスケジュールでOracle Business Analytics Warehouseの増分更新を行うこともできます。
DACリポジトリ。データ・ウェアハウスのプロセスを示すメタデータ(Oracle Business Analytics Warehouseのセマンティクス)を格納します。
Informatica PowerCenter Services:
統合サービス: 統合サービスによりワークフロー情報をリポジトリから読み込みます。統合サービスではリポジトリにリポジトリ・サービス経由で接続し、メタデータをリポジトリからフェッチします。
リポジトリ・サービス: リポジトリ・サービスでは、クライアント・アプリケーションからPowerCenterリポジトリへの接続を管理します。リポジトリ・サービスは別のマルチスレッド・プロセスで、リポジトリ・データベース表におけるメタデータの取得、挿入および更新を行います。
Informaticaリポジトリ。Informaticaワークフローに関連するメタデータが格納されます。
データベース層には、OLTPとOLAPのデータベースがあります。
Oracle BI Applicationsをインストールおよび構成するには、次の手順を実行します。
使用するソース・システムについては、第3章「Oracle BI Applicationsのインストール前要件と配置要件」に記載されている適切なインストール前手順に従ってください。
第4章「Oracle BI Applicationsのインストールと設定」の説明に従って、Oracle BI ApplicationsコンポーネントとInformatica PowerCenterコンポーネントをインストールおよび設定します。
注意: Oracle BI Applicationsの典型的デプロイメント・トポロジを示す例については、第4.1項「Oracle BI Applicationsのトポロジについて」を参照してください。
ユーザーおよびグループを適切なセキュリティ・ロールに割り当てることでセキュリティを設定します。詳細は、Oracle Business Intelligence Applicationsセキュリティ・ガイドを参照してください。
Oracle Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのための構成ガイドの、共通の領域とディメンションの構成に関する項の記載に従って、データの完全ロードを行う前に必要なソース独立手順を実行します。そして、使用する適切なソース・システムでデータの完全ロードを行う前に必要なソース・システム固有手順を実行します。
Oracle Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのための構成ガイドの、すべてのソース・システムのデータ・セットを制御するための構成手順に関する項の記載に従って、必要な追加ソース独立手順を実行します。そして、使用する適切なソース・システムで必要な追加手順を実行します。
デプロイするすべてのアプリケーションでデータの完全ロードを行う前に必要な構成手順を実行します。異なるアプリケーション・ファミリを構成する方法の詳細は、Oracle Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのための構成ガイドを参照してください。
セキュリティを設定するには、適切なユーザーとグループを作成し、適切なセキュリティ・ロールに割り当てます。詳細は、Oracle Business Intelligence Applicationsセキュリティ・ガイドを参照してください。Oracle Business Intelligenceで利用可能なデフォルトのユーザー、グループおよびロールの詳細は、Oracle Business Intelligenceセキュリティ・ガイドを参照してください。
(オプション)事前構成済Oracle BI Applications機能をカスタマイズする場合、Oracle Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのための構成ガイドの「Oracle Business Analytics Warehouseのカスタマイズ」に記載されている手順に従ってください。
(オプション)事前構成済のOracle BI Applicationsセキュリティを変更する場合、Oracle Business Intelligence Applicationsセキュリティ・ガイドを参照してください。
Oracle BI Applicationsコンポーネントをインストールして設定し、モジュールを構成(オプション)して、Oracle BI Applicationsをカスタマイズ(オプション)すると、ETLプロセス実行を開始できるようになります。
Oracle FinancialsのETLをOracle EBS OLTPデータソースで実行する方法の詳細な例は、第4.19項「完全ロードETLの実行について」を参照してください。
ETLプロセスの実行の詳細は、Oracle Business Intelligenceデータ・ウェアハウス管理コンソール・ユーザーズ・ガイドを参照してください。
Oracle BI Applicationsをデプロイすると、次のドキュメントとツールを使用して、メタデータを管理できます。
Oracle BIリポジトリのドキュメント
Oracle BI Administration Toolを使用して、対応する論理列および物理列にプレゼンテーション列のマッピングをリストするリポジトリ・ドキュメントを生成します。この情報は、ギャップ分析に使用したり、他のリポジトリとの比較に使用できるリポジトリのレコードの作成に使用できます。
リポジトリ・ドキュメントをテキスト・ファイルやカンマ区切りファイルに生成するには、Oracle BI Administration Toolにログインし、「Tools」→「Utilities」→「Repository Documentation」を選択します。
リポジトリのドキュメントを生成する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ・ビルダーズ・ガイドを参照してください。
プレゼンテーション・カタログ
Catalog Managerを使用して、プレゼンテーション・カタログのビルトイン・ダッシュボードとリクエストの名前を表示できます。
プレゼンテーション・カタログを表示するには、Windowsの「スタート」→「プログラム」→「Oracle Business Intelligence」メニューから「Catalog Manager」を選択します。