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Oracle® Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのための構成ガイド
リリース7.9.6.3
B66691-01
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10 Oracle Price Analyticsの構成

この項では、Oracle Price Analyticsの構成方法について説明します。内容は次のとおりです。

10.1 Oracle Price Analyticsの概要

Oracle Price Analyticsは、価格決定分析、販売業務、製品のマーケティングと管理、および会計を対象としています。契約、見積り、注文および競合他社の価格についての完全な価格ウォーターフォールを通した価格決定分析を提供することで、ビジネス・ユーザーは次の事項を実行できます。

価格決定データを移入できるソースは次のとおりです。

10.2 完全ロード前にOracle Price Analyticsに必要な構成

この項では、データの完全ロードを実行する前にOracle Price Analyticsで実行する必要のある構成手順について説明します。内容は次のとおりです。

10.2.1 すべてのソース・システム用にOracle Price Analyticsを構成する手順

Oracle BI Applicationsモジュールに適用される構成手順の詳細は、第3章「共通のエリアと次元の構成」を参照してください。

10.2.2 Oracle Price Analytics用のドメイン値とCSVワークシート・ファイルについて

表10-1は、Oracle Price Analytics用のCSVワークシート・ファイルとドメイン値の一覧です。このファイルは、$PMServer\LkpFilesディレクトリ(INFA_HOME\server\infa_shared\LkpFilesなど)に格納されています。

表10-1 Oracle Price Analytics用のドメイン値とCSVワークシート・ファイル

ワークシート・ファイル名 説明 セッション

domainValues_PriceWaterfallElement_Name_SBL.csv

価格ウォーターフォール要素名列と、それに対応するSiebel 8.1.1アプリケーション用のドメイン値の一覧です。このファイルの編集方法については、第10.2.3項「domainValues_PriceWaterfallElement_Name.csvの構成方法」を参照してください。

SDE_PriceWaterfallElementDimension


10.2.3 domainValues_PriceWaterfallElement_Name.csvの構成方法

この項では、domainValues_PriceWaterfallElement_Name.csvファイルの構成方法を説明します。

ウォーターフォール要素に使用する名前は、Siebel CRMフラット・ファイルFILE_PWF_ELEMENT.csvから得られます。このファイルのサンプル・データで使用されている各種の要素タイプは、次のとおりです。

  • セグメント

    ウォータフォールの一部になる収益(上限収益、一覧収益など)。

  • 収益調整

    セグメント要素に加えられる調整(上限補正、請求額の調整など)。

  • コスト調整

    どのセグメントにも含まれない、その他の調整すべて。

domainValues_PriceWaterfallElement_Name.csvファイルを構成するには:

  1. 現在使用されている各種のウォーターフォール要素とその名前をFILE_PWF_ELEMENT.csvファイルから検索して特定します。このファイルは、$PMServer\SrcFilesディレクトリ(INFA_HOME\server\infa_shared\SrcFilesなど)にあります。

  2. ELEMENT_NAME列とELEMENT_TYPE列をコピーします。


    注意:

    6行目からのデータをコピーします。最初の5行には、説明とヘッダー情報が記載されています。

  3. domainValues_PriceWaterfallElement_Name_SBL.csvファイルをテキスト・エディタで開きます。このファイルは、$PMServer\LkpFilesディレクトリ(INFA_HOME\server\infa_shared\LkpFilesなど)にあります。

  4. FILE_PWF_ELEMENT.csvファイルからコピーしたELEMENT_NAME列とELEMENT_TYPE列を、domainValues_PriceWaterfallElement_Name_SBL.csvファイルに貼り付けます。

  5. 各ウォーターフォール要素の名前とタイプを1つのドメイン値にマッピングします。

  6. ファイルを保存して閉じます。

10.2.4 汎用ソースに対する構成手順

Oracle Price Analyticsは、ウォータフォール関連のデータについては、汎用ソース(フラット・ファイルなど)のデータに依存します。

表10-2は、ウォーターフォール関連のデータ用のフラット・ファイルのソース表と、それに関連するデータ・ウェアハウスの表の一覧です。

表10-2 フラット・ファイルのソース表とそれに対応するウェアハウスの表

フラット・ファイル 説明 ロードの対象

FILE_PRI_STRATEGY_DS

このファイルは、使用する各種価格決定戦略についての情報を保持しています。

W_PRI_STRATEGY_D

FILE_PRI_SEGMENT_DS

このファイルは、各種価格決定セグメントの詳細を保持しています。

W_PRI_SEGMENT_D

FILE_PWF_ELEMENT

このファイルは、各種ウォータフォール要素についての情報を格納しています。

W_PWF_ELEMENT_D

FILE_ORDIT_WTR_LOG_FS

このファイルは、注文項目のすべてのトランザクション・データに関するウォーターフォール情報を保持しています。

W_ORDIT_WTR_LOG_F

FILE_QTEIT_WTR_LOG_FS

このファイルは、見積り項目のすべてのトランザクション・データに関するウォーターフォール情報を保持します。

W_QTEIT_WTR_LOG_F


10.2.4.1 Siebelソース用のフラット・ファイル・データの移入

この項では、ソースがSiebelの場合に、価格決定データをフラット・ファイルに移入する際のガイドラインについて説明します。

Oracle Price Analyticsには、Siebelソースの価格決定戦略、価格決定セグメントまたは価格ウォータフォール要素の情報をロードする方法がありません。それらのすべての次元は、フラット・ファイルなどの汎用ソースを使用してロードする必要があります。

価格決定関連の次元用のソース・ファイルは、次のルールに従う必要があります。

  • フラット・ファイルで提供される価格決定セグメントと価格決定戦略IDは、あらゆる注文に含まれるすべての注文明細と同じものにする必要があります。

  • ROW_IDは統合IDの作成に使用されるため、すべてのフラット・ファイル内でROW_IDを一意にする必要があります。

  • 追加する情報は、Siebelシステム内に既存のデータとの整合性を保つ必要があります。たとえば、ファイルに追加した競合他社名を正しく解決するには、それがソース・システムに存在している必要があります。

  • 注文項目ウォーターフォールのファクト・ソース内の注文明細IDは、ソース表S_ORDER_ITEM内に存在している必要があります。

  • 見積項目ウォーターフォール・ファクト・ソース内の見積明細IDは、ソース表S_QUOTE_ITEMの一部にする必要があります。

Oracle Price AnalyticsのファクトW_ORDIT_WTR_LOG_FとW_QTEIT_WTR_LOG_Fは、注文項目ファクトと見積り項目ファクトを使用して、フラット・ファイルとともにロードされる必要があります。

注文項目ファクトと見積り項目ファクト内の価格決定の列は、表10-3に示すようにロードされます。

表10-3 注文項目ファクトと見積り項目ファクトの価格決定列

カラム名

CEIL_PRI

IIF(ISNULL(FLAT_FILE_DATA),START_PRI,FLAT_FILE_DATA)

SEG_PRI

IIF(ISNULL(FLAT_FILE_DATA),START_PRI,FLAT_FILE_DATA)

INV_PRI

IIF(ISNULL(FLAT_FILE_DATA),NET_PRI,FLAT_FILE_DATA)

PKT_PRI

IIF(ISNULL(FLAT_FILE_DATA),NET_PRI,FLAT_FILE_DATA)

PKT_MARGIN

IIF(ISNULL(FLAT_FILE_DATA),START_PRI-NET_PRICE,FLAT_FILE_DATA)


価格決定列に既存の価格以外の異なる値をロードする必要がある場合には、フラット・ファイルFILE_ORDERITEM_FS.csvとFILE_QUOTEITEM_FS.csvを使用できます。統合IDに基づいて、これらのフラット・ファイルから価格決定データが検索され、ファクト表にロードされます。

10.2.4.2 Siebel以外のソース用のフラット・ファイル・データの移入

この項では、ソースがSiebel以外の場合に、価格決定データをフラット・ファイルに移入する際のガイドラインについて説明します。

ソースがSiebel以外の場合、価格決定関連の次元用のソース・ファイルは、次のルールに従う必要があります。

  • 注文項目ウォーターフォールのファクト・ソース内の注文明細IDは、ファクト・ファイル・ソースFILE_ORDERITEM_DS内に存在している必要があります。

  • 見積り項目ウォーターフォールのファクト・ソース内の見積り明細IDは、ファクト・ファイル・ソースFILE_QUOTEITEM_DSの一部にする必要があります。

  • 重複や索引の問題を避けるために、すべてのROW_IDが一意であることを確認してください。

  • 追加したすべてのファクトIDが正しく解決されるには、次元ファイル・ソースのROW_IDとの整合性を保つ必要があります。

10.2.4.3 フラット・ファイルのデータ標準

Oracle Price Analyticsのファクトに使用するフラット・ファイル(FILE_ORDIT_WTR_LOG_FSやFILE_QTEIT_WTR_LOG_FSなど)は、明細項目の表との整合性を保つ必要があります。ウォーターフォール・ログ表内の価格は、明細項目の表内の集計済価格にする必要があります。また、組立済の製品またはパッケージ化された製品の場合、項目の表にはパッケージまたは構成部品と、そのパッケージまたは構成部品を構成する個別の項目を、別々の詳細項目として格納する必要があります。フラット・ファイル内の詳細項目には、集計した価格ではなく、個別の価格を格納する必要があります。パッケージには価格が付けられていないときに、そのパッケージ内の個別の項目にのみ価格が付けられている場合は、パッケージの価格を0にして各項目に価格を付けるか、パッケージに集計した価格を付けて項目の価格は0にすることで、2重計算を避けるようにします。さらに、ウォーターフォール・ログ表には、パッケージまたは構成部品のみを格納して、それらを構成する項目は格納しません。また、価格は単位パッケージの価格にするか、構成部品の価格を集計したものにします。

10.3 価格ウォーターフォール要素のサンプル・データ

この項では、価格ウォーターフォール要素のサンプル・データについて説明します。

表10-4 価格ウォーターフォール要素のサンプル・データ

ELEMENT_NAME ELEMENT_TYPE GROUP_NAME BASIS_SEGMENT TOKEN ORDER_INDEX REVN_COST_IND DISP_ON_ZERO

上限収益

セグメント

売上

上限収益

CEILING

1

0

Y

セグメント収益

セグメント

売上

セグメント収益

SEGMENT

4

0

Y

請求書収益

セグメント

売上

請求書収益

INVOICE

7

0

Y

ポケット収益

セグメント

売上

ポケット収益

POCKET

10

0

Y

ポケット・マージン

セグメント

売上

ポケット・マージン

POCKET MARGIN

15

0

Y

コスト

調整

コスト

ポケット収益

COST

13

1

Y

コスト調整

コスト調整

コスト調整

ポケット収益

OFF_COST

14

1

Y

上限調整

調整収益

顧客調整

上限収益

OFF_CEILING

2

0

Y

ボリューム調整

収益調整

リベート

セグメント収益

OFF_SEGMENT

5

0

Y

請求額の調整

収益調整

メモ

請求書収益

OFF_INVOICE

8

0

Y

ポケット調整

収益調整

サービス

ポケット収益

OFF_POCKET

11

0

Y

製品調整

収益調整

リベート

セグメント収益

OFF_SEGMENT

6

0

Y


10.3.1 シンプルな製品の注文例

このシナリオでは、ラップトップを製造販売している企業に対するシンプルな注文を作成します。表10-5は、注文項目ファクト表内の注文情報の例を示しています。

表10-5 シンプルな製品についてのサンプル・データ

販売注文番号 LINE ID PRODUCT QUANTITY UNIT PRICE TOP_LVL_LN_FLG INC_CALC_IND

100

1001

ラップトップ

10

$1,248

Y

1


表10-6は、表10-5に示したトランザクションに対する注文項目ウォータフォール・ログ・ファクト・データの例です。

表10-6 シンプルな製品についての注文項目ウォーターフォール・ログ・ファクト・データ

注文識別子 ラインID 行識別子 PWF要素識別子 追加数量 単位価格 要素金額

100

1001

2001

上限収益

10

$1,248

$12,480

100

1001

2002

上限収益

10

$(200)

$(2000)

100

1001

2003

セグメント収益

10

$1,048

$10,480

100

1001

2004

ボリューム調整

10

$(100)

$(1000)

100

1001

2005

製品調整

10

$(50)

$(500)

100

1001

2006

請求書収益

10

$898

$8980

100

1001

2007

請求額の調整

10

$(120)

$(1200)

100

1001

2008

ポケット収益

10

$778

$7780

100

1001

2009

ポケット調整

10

$(88)

$(880)

100

1001

2010

コスト

10

$(400)

$(4000)

100

1001

2011

ポケット・マージン

10

$290

$2900


この例で示したように、各ウォーターフォール要素は個別のレコードとして格納され、その要素が収益値か修正値かについてはウォーターフォール要素次元によって特定されます。

10.3.2 構成済製品の注文例

表10-7は、複数の子製品を含む組立済製品の注文例を示しています。

表10-7 組立済製品についてのサンプル・データ

販売注文番号 LINE ID PRODUCT QUANTITY UNIT PRICE TOP_LVL_LN_FLG INCL_CALC_IND

101

1002

デスクトップ

1

$1,200

Y

1

101

1003

モニター

1

$800

Y

0

101

1004

キーボード

1

$250

N

0

101

1005

マウス

1

$150

N

0


価格ウォーターフォールは、パッケージ化製品に対して格納され、個別の子項目に対しては格納されません。表10-8は、表10-7に示したトランザクションに対する注文項目ウォータフォール・ログ・ファクト・データの例です。

表10-8 組立済製品についての注文項目ウォーターフォール・ログ・ファクト・データ

注文識別子 ラインID 行識別子 PWF要素識別子 追加数量 単位価格 要素金額

101

1002

2012

上限収益

1

$1,200

$1,200

101

1002

2013

上限調整

1

$(200)

$(200)

101

1002

2014

セグメント収益

1

$1,000

$1,000

101

1002

2015

ボリューム調整

1

$(100)

$(100)

101

1002

2016

製品調整

1

$(50)

$(50)

101

1002

2017

請求書収益

1

$850

$850

101

1002

2018

請求額の調整

1

$(120)

$(120)

101

1002

2019

ポケット収益

1

$730

$730

101

1002

2020

ポケット調整

1

$(80)

$(80)

101

1002

2021

コスト

1

$(400)

$(400)

101

1002

2022

ポケット・マージン

1

$250

$250