リホスティングとは、プロプライエタリ・ハードウェアおよびソフトウェアに閉じ込められた状態のビジネス・ロジックやビジネス・データへの高額投資を守りつつ、拡張性が高いオープン・アーキテクチャに移行して、将来の最新化への道を開く方法です。
Refine for Z/OS Replatformingパッケージで提供される自動移行ツールを使用すると、COBOL、JCL、DB2、VSAMファイルおよびIBM DB2メインフレーム環境の関連アセットのプラットフォームを変更して、Tuxedoトランザクション・プロセッサとOracleデータベースを含むUNIX環境に移行できます。
Refine for Z/OS ReplatformingおよびOracle Tuxedo Application Runtime for CICS and Batchは、リホスティング・プロジェクトという枠組みで使用されます。このプロセス・ガイドではリホスティングの概要を説明し、このプロセスでの変換ツールやランタイム・ツールの使用方法を示します。リホスティング・プロジェクトでは、特定のテスト環境、統合環境および本番環境の作成が必要になります。通常、リホスティング・プロジェクトの内容は次のとおりです。
これらは繰り返して行うことができます。通常、プロジェクトは次のフェーズで構成されます。
これらの各フェーズは様々なステップで構成されます。ステップの結果はテストできます。また、ステップは必要に応じて繰り返されます。
リホスティングは、フェーズとステップで編成されたプロジェクトとして実行されます。各ステップは、1つ以上の成果物を生成します。リホスティング・プロジェクトの様々なステップと並行して、プロジェクトの様々なフェーズを検証する一連の並列テスト・ステップが存在します。
1つのプロジェクトには、そのプロジェクト内で様々な役割および責任を負う、様々な人々が関わっています。プロジェクトは環境内で実行されるため、プロジェクトの様々なフェーズおよびステップについて説明するには、まずそのプロジェクトを実行する必要のある環境について説明する必要があります。
リホスティング・プロジェクトを実行するためには5つの異なる環境が必要です。次に示す2つのソース環境(移行前)と3つのターゲット環境(移行後)です。
ニーズによっては同一のプラットフォームを複数配置して、同じプロジェクトの作業をチームで並行して行うことが可能です。
1つのプロジェクトは複数の作業フェーズに分割されており、明瞭な成果物が生成されます。これらの成果物は、プロジェクトの次のフェーズに進む前に検証されます。これらのフェーズを、次に示します。
Refine for Z/OS Replatformingを使用して、プログラムのコンポーネントとデータを変換および統合します。次の図は、プログラム・コンポーネントの用途と、異なる環境への移行に備えてソース・ファイルを準備するためにプログラム・コンポーネントがどのように使用されるかを示します。
Refine for Z/OS Replatformingのコンポーネントを使用してアセットを変換し、変換後の調整の後で、アセットをソース・テスト環境からターゲット・テスト環境に移動できるようにします。
Oracle Tuxedo Application Runtime for CICS and Batchのコンポーネントを使用し、ターゲット・テスト環境でのテストと統合準備の後で、変換されたアセットを統合します。COBOLプログラム、JCLおよび関連コンポーネントが、UNIX、OracleデータベースおよびTuxedoトランザクション環境に統合されます。これらのコンポーネントは、変換プロセスで生成されるバッチ・コンポーネントおよびCICSコンポーネントと共に作動するかどうかテストされます。
移行するアセットが生成され、ソース・テスト・マシンに移動されます。その後、移行されたアセットは変換され、Oracleデータベースがあるターゲット・テスト・マシンに移動されます。テストの後、データはリホスティング・ツールとプログラムが統合された統合環境に移動され、変換されたデータを使用して品質とパフォーマンスがテストされます。スイッチオーバーが行われると、最新データがソース本番環境からターゲット本番環境に直接変換されます。