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この章では、VSAMファイルをソースz/OS環境からターゲット環境へ移行するための、Rehosting Workbench File-to-Oracleコンバータのインストール、実装および構成方法について説明します。
ファイルを移行する場合、COBOL、JCL、z/OSユーティリティおよびUNIX/Linux Kornシェルの知識が必要です。
移行プロセスの包括的な視点については、Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchリファレンス・ガイドのデータ変換およびCOBOL変換の章と、このガイドのOracle Tuxedo Application Rehosting Workbench COBOLコンバータの章を参照してください。
VSAM
ファイルをソース・プラットフォームからOracle UNIXターゲット・プラットフォームへ移行する時の最初の問題は、VSAMに関する場合、ファイルを保持するかまたはデータをOracle表に移行するかということです。
z/OSで処理されるVSAM RRDS
、ESDS
およびKSDS
のファイル編成は、Rehosting Workbenchを使用してOracleデータベースに移行できます。
Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbench File-to-OracleコンバータはOracle表に変換されるこれらのファイルで使用されます。ファイル形式が保持されるファイルについては、「Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbench File-to-Fileコンバータ」を参照してください。
この章で詳細が説明されている、ファイルからOracleへの移行プロセスの原則的な手順は次のとおりです。
VSAMファイルのデータのOracle表への移行は、Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchカタロガの結果に依存します。ファイルからOracleへの移行はCOBOLおよびJCLの変換に影響を与えるので、COBOLプログラムの変換作業の開始前に完了する必要があります。
この項ではVSAMファイルのOracle表への移行の開始前に実行する手順について説明します。
最初のタスクは移行するすべてのVSAMファイルをリストし(ファイルからファイルへのコンバータの使用と併せて)、次にOracle表に変換する必要のあるファイルを識別することです。たとえば、レコード・レベルでロックが必要な、後でOracleまたはファイル経由で使用される永続ファイルです。
移行の候補となる各ファイルについて、その構造をCOBOL形式で記述する必要があります。この記述はRehosting Workbench COBOLコンバータによってCOBOLコピーで使用され、「COBOL記述」に記載されている制限の対象になります。
移行ファイル・リストが一度作成されたら、同一構造のファイルをパージすることができます。これは、データのトランスコードと再ロードに必要なプログラム数を減らして、ファイルを移行する際の作業を減らすためです。
パージされたファイルのリストから、最後のタスクは次のファイルのビルドからなります。
COBOL記述は各ファイルと関連し、アプリケーション・プログラムで使用されるCOBOL記述を表すものとみなされます。この記述はOCCURS
およびREDEFINES
の概念を含む、すべてのCOBOLデータ型を使用する複雑なCOBOL構造にすることができます。
多くの場合、このCOBOL記述はCOBOLファイル記述(FD)よりも発展させることができます。たとえば、FDフィールドはPIC X(364)と記述できますが、実際には定義された3倍の領域に相当し、COMP-3ベースの数値表や、いくつかの文字フィールドや数値フィールドなどの複雑な記述を含むことができます。
実際のアプリケーションを説明するのはこのような詳細なCOBOL記述です。このため、特定の物理ファイルを移行するための基盤として使用されます。
ファイル処理の実行の品質はこのCOBOL記述の品質に左右されます。この点から、COBOL記述はファイルとは分離されず、関連するファイルを参照する時は、ファイルとそれを表現するCOBOL記述の両方を意味します。記述はCOBOL形式で、次の名前のファイルで提供される必要があります。
<COPY name>.cpy
注意: | ソース・プラットフォームのコピー・ブックにファイルの詳細が記述されている場合は、そのファイルをRehosting Workbenchで直接使用および宣言できます。 |
COBOL記述では、同じメモリー・フィールドを記述する方法がいくつかあり、これは異なる構造と記述でオブジェクトを同じ場所に格納することを意味します。
同じメモリー・フィールドに異なる記述のオブジェクトを含めて、ファイルを読み取ることができるので、このデータ領域を適切に解釈するために、使用する記述を決定するメカニズムが必要です。
ある条件に従い、一般的にレコードの1つまたは複数のフィールドの内容により、再定義領域の読取りに使用する記述を決定(識別)できるルールが必要です。
Rehosting Workbenchではこのルールは識別ルールと呼ばれます。
識別ルールなしでのCOBOL記述内の再定義では、ファイルのトランスコード時に重大なリスクが存在します。そのため、等価でない再定義済フィールドは識別ルールをリクエストします。他方、等価な再定義(テクニカル再定義と呼ばれる)はCOBOL記述内でクレンジングの対象となる必要があります(次の例を参照)。
識別ルールはファイルごとに用意し、相違点と識別される領域を明確に指定する必要があります。ファイルに関しては、ファイル記述の外部のフィールドを参照することはできません。
次の記述は、Rehosting Workbenchで必要なCOPYのサンプルです。
01 FV14.
05 FV14-X1 PIC X.
05 FV14-X2 PIC XXX.
05 FV14-X3.
10 FV14-MTMGFA PIC 9(2).
10 FV14-NMASMG PIC X(2).
10 FV14-FILLER PIC X(12).
10 FV14-COINFA PIC 9(6)V99.
05 FV14-X4 REDEFINES FV14-X3.
10 FV14-MTMGFA PIC 9(6)V99.
10 FV14-FILLER PIC X(4).
10 FV14-IRETCA PIC X(01).
10 FV14-FILLER PIC X(2).
10 FV14-ZNCERT.
15 FV14-ZNALEA COMP-2.
15 FV14-NOSCP1 COMP-2.
15 FV14-NOSEC2 COMP-2.
15 FV14-NOCERT PIC 9(4) COMP-3.
15 FV14-FILLER PIC X(16).
05 FV14-X5 REDEFINES FV14-X3.
10 FV14-FIL1 PIC X(16).
10 FV14-MNT1 PIC S9(6)V99.
05 FV14-X6 REDEFINES FV14-X3.
10 FV14-FIL3 PIC X(16).
10 FV14-MNT3 PIC S9(6).
10 FV14-FIL4 PIC X(2).
Field FV14-X3
Rule if FV14-X1 = “A” then FV14-X3
elseif FV14-X1 = “B” then FV14-X4
elseif FV14-X1 = “C” then FV14-X5
else FV14-X6
注意: | COBOL記述では、フィールドFV14-X3が再定義される最初のフィールドである必要があります。それに続くフィールド、FV14-X4、FV14-X5およびFV14-X6の順序は重要ではありません。 |
01 FV15.
05 FV15-MTMGFA PIC 9(2).
05 FV15-ZNPCP3.
10 FV15-NMASMG PIC X(2).
10 FV15-FILLER PIC X(12).
10 FV15-COINFA PIC 9(6)V99.
05 FV15-ZNB2T REDEFINES FV1 5-ZNPCP3.
10 FV15-MTMGFA PIC 9(4)V99.
10 FV15-FILLER PIC X(4).
10 FV15-IRETCA PIC X(01).
10 FV15-FILLER PIC X(2).
10 FV15-ZNCERT
15 FV15-ZNALEA COMP-2.
15 FV15-NOSCP1 COMP-2.
15 FV15-NOSEC2 COMP-2.
15 FV15-NOCERT PIC 9(4) COMP-3.
15 FV15-FILLER PIC X(16).
前述の例では、2つのフィールド(FV15-ZNPCP3
およびFV15-ZNB2T
)の構造が異なります。最初のフィールドはEBCDIC英数字、次のフィールドはEBCDICデータおよびCOMP2、COMP3データから構成されます。
識別ルールの実装は、データをUNIXプラットフォームに移行するのに必要です。
Field FV15-ZNPCP3
Rule if FV15-MTMGFA = 12 then FV15-ZNPCP3
elseif FV15-MTMGFA = 08 and FV15-NMASMG = "KC " then FV15-ZNB2T
01 FV1.
05 FV1-ZNPCP3.
10 FV1-MTMGFA PIC 9(6)V99.
10 FV1-NMASMG PIC X(25).
10 FV1-FILLER PIC X(12).
10 FV1-COINFA PIC 9(10).
10 FV2-COINFA REDEFINES FV1-COINFA.
15 FV2-ZNALEA PIC 9(2).
15 FV2-NOSCP1 PIC 9(4).
15 FV2- FILLER PIC 9(4).
10 FV15-MTMGFA PIC 9(6)V99.
10 FV15-FILLER PIC X(4).
10 FV15-IRETCA PIC X(01).
10 FV15-FILLER PIC X(2).
01 FV1. 01 FV1.
05 FV1-ZNPCP3. 05 FV1-ZNPCP3.
10 FV1-MTMGFA PIC 9(6)V99. 10 FV1-MTMGFA PIC 9(6)V99.
10 FV1-NMASMG PIC X(25). 10 FV1-NMASMG PIC X(25).
10 FV1-FILLER PIC X(12). 10 FV1-FILLER PIC X(12).
10 FV1-COINFA PIC 9(10). 10 FV2-COINFA.
10 FV15-MTMGFA PIC 9(6)V99. 15 FV2-ZNALEA PIC 9(2).
10 FV15-FILLER PIC X(4). 15 FV2-NOSCP1 PIC 9(4).
10 FV15-IRETCA PIC X(01). 15 FV2- FILLER PIC X(4).
10 FV15-FILLER PIC X(2). 10 FV15-MTMGFA PIC 9(6)V99.
10 FV15-FILLER PIC X(4).
10 FV15-IRETCA PIC X(01).
10 FV15-FILLER PIC X(2).
上記の例では、2つの記述が単純なEBCDIC英数文字列(バイナリ、パックまたは符号付数字フィールドを除く)に相当します。この種の構造は識別ルールの実装を必要としません。
この項では、VSAMファイルからOracleデータベースへデータを移行するときに、Rehosting Workbenchにより適用されるリエンジニアリング・ルールについて説明します。
table name
句を使用してmapper-<configuration name>.re
ファイルに規定されます。 VSAM
ファイル(VSAM ESDS
)の場合:Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchはテクニカル列*_SEQ_NUM NUMBER(8)
を追加します。
この列は新しい行が表に追加されるたびに増加し、表の主キーになります。
VSAM
ファイル(VSAM RRDS
)の場合:Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchはテクニカル列*_RELATIVE_NUM
を追加します。
列のサイズはデータマップのパラメータ・ファイルで提供される情報から推測され、この列が表の主キーになります。
VSAM
ファイル(VSAM KSDS
)の場合:Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchは重複キーを受け入れない限り、テクニカル列を追加せず、VSAM
ファイルの主キーが表の主キーになります。
データをVSAM
ファイルからOracle表へ移行するときに、次のルールがCOBOL Picture句に適用されます。
|
識別ルールが適用されるOCCURSおよびREDEFINES句の場合、次の3つのリエンジニアリングの可能性が提案されます。
次の例では、ODCSFOB
に記述された索引付きVSAM
ファイルは主キーとしてVS-CUSTIDENT
フィールドを使用します。
* ------------------------------------------------------------
* Customer record description
* -Record length : 266
* ------------------------------------------------------------
01 VS-ODCSF0-RECORD.
05 VS-CUSTIDENT PIC 9(006).
05 VS-CUSTLNAME PIC X(030).
05 VS-CUSTFNAME PIC X(020).
05 VS-CUSTADDRS PIC X(030).
05 VS-CUSTCITY PIC X(020).
05 VS-CUSTSTATE PIC X(002).
05 VS-CUSTBDATE PIC 9(008).
05 VS-CUSTBDATE-G REDEFINES VS-CUSTBDATE.
10 VS-CUSTBDATE-CC PIC 9(002).
10 VS-CUSTBDATE-YY PIC 9(002).
10 VS-CUSTBDATE-MM PIC 9(002).
10 VS-CUSTBDATE-DD PIC 9(002).
05 VS-CUSTEMAIL PIC X(040).
05 VS-CUSTPHONE PIC 9(010).
05 VS-FILLER PIC X(100).
* ------------------------------------------------------------
WHENEVER SQLERROR CONTINUE;
DROP TABLE CUSTOMER CASCADE CONSTRAINTS;
WHENEVER SQLERROR EXIT 3;
CREATE TABLE CUSTOMER (
VS_CUSTIDENT NUMBER(6) NOT NULL,
VS_CUSTLNAME VARCHAR2(30),
VS_CUSTFNAME CHAR (20),
VS_CUSTADDRS VARCHAR2(30),
VS_CUSTCITY CHAR (20),
VS_CUSTSTATE CHAR (2),
VS_CUSTBDATE NUMBER(8),
VS_CUSTEMAIL VARCHAR2(40),
VS_CUSTPHONE NUMBER(10),
VS_FILLER VARCHAR2(100),
CONSTRAINT PK_CUSTOMER PRIMARY KEY (
VS_CUSTIDENT)
);
注意: | コピー・ブックODCSFOB にはフィールドの再定義VS-CUSTBDATE-G PIC 9(008) が含まれ、これはテクニカル・フィールドのため、識別ルールは実装されません。この場合、再定義されたフィールドのみが生成された表VS_CUSTBDATE NUMBER(8) に作成されます。 |
この項では、データをVSAMファイルからOracle表に移行するのに使用するコンポーネントを生成する前に実行するタスクについて説明します。
Rehosting Workbenchの実行前に次の環境変数を設定します。
次を使用して記述された3つのファイルはRehosting Workbenchファイル構造に置く必要があります。
ファイルからOracleへの変換のために、Datamap-<
構成名
>.re
およびmapper-
<構成名
>.re
ファイルを作成する必要があります。
これらのファイルはRehosting Workbenchのインストール時にファイル構造に自動的に生成されます。これらのファイルの特定のバージョンが特定のz/OSファイルに必要な場合は、$PARAM/file
ファイル構造に置かれます。
db-param.cfg
ファイルの場合、ターゲットおよびファイル・パラメータのみが適用される必要があります。
# This configuration file is used by FILE & RDBMS converter
# Lines beginning with "#" are ignored
# write information in lower case
# common parameters for FILE and RDBMS
# source information is written into system descriptor file (OS, DBMS=,
# DBMS-VERSION=)
target_rdbms_name:oracle
target_rdbms_version:11
target_os:unix
# optional parameter
target_cobol:cobol_mf
#
# specific parameters for FILE to RDBMS conversion
file:char_limit_until_varchar:29
# specific parameters for RDBMS conversion
rdbms:date_format:YYYY/MM/DD
rdbms:timestamp_format:YYYY/MM/DD HH24 MI SS
rdbms:time_format:HH24 MI SS
# rename object files
# the file param/rdbms/rename-objects-<schema>.txt is automatically loaded # by the tool if it exists.
COBOL言語の名前許容値は"cobol_mf
"(デフォルト値)および"cobol_it
"です。
システム記述ファイルでのカタログ化中に決定されます。
|
||
注意: | 使用される様々なパラメータの説明は、『Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchリファレンス・ガイド』のファイルからファイルへのコンバータに関する項を参照してください。 |
PJ01AAA.SS.VSAM.CUSTOMER
ファイルはVSAM KSDS
ファイルなので編成は索引付きです。パラメータkeys offset 1 bytes length 6 bytes primary
はキーを記述しています。この例では、キーは6バイトの長さでポジション1から開始します。
%% Lines beginning with "%%" are ignored
data map STFILEORA-map system cat::STFILEORA
%%
%% Datamap File PJ01AAA.SS.VSAM.CUSTOMER
%%
file PJ01AAA.SS.VSAM.CUSTOMER
organization Indexed
keys offset 1 bytes length 6 bytes primary
データマップ構成ファイルに含まれている、移行する各z/OSファイルをリストする必要があります。
ファイルのパラメータおよびそのオプションは、Oracle表に変換する各VSAM
ファイル用に含まれる必要があります。次のパラメータを設定する必要があります。
注意: | 使用される様々なパラメータの説明は、『Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchリファレンス・ガイド』のファイルからファイルへのコンバータに関する項を参照してください。 |
%% Lines beginning with "%%" are ignored
ufas mapper STFILEORA
%%
%% Desc file PJ01AAA.SS.VSAM.CUSTOMER
%%
file PJ01AAA.SS.VSAM.CUSTOMER transferred converted
table name CUSTOMER
include "COPY/ODCSF0B.cpy"
map record VS-ODCSF0-RECORD defined in "COPY/ODCSF0B.cpy"
source record VS-ODCSF0-RECORD in "COPY/ODCSF0B.cpy"
logical name ODCSF0B
converter name ODCSF0B
attributes LOGICAL_MODULE_IN_ADDITION
COBOL記述ファイルを準備したら、mapper-<
構成名
>.re
ファイルに記述したコピー・ファイルを$PARAM/file/recs-source
ディレクトリに置く必要があります。
ソース・プラットフォームからのCOBOLコピー・ブックを使用してファイルを記述する場合(「COBOL記述」の注意を参照)、それが、上述のCOPY/ODCSF0B.cpyの例のように、マッピング・パラメータ・ファイルで直接使用されるコピー・ブックの場所です。
データのVSAMファイルOracle表への移行に使用されるコンポーネントを生成するのに、Rehosting Workbenchはfile.sh
コマンドを使用します。この項ではこのコマンドについて説明します。
file.sh - z/OS移行コンポーネントを生成します。
file.sh [ [-g] [-m] [-i <installation directory
>] <configuration name> | -s <installation directory
> (<configuration name>,...) ]
file.sh
はRehosting WorkbenchによりVSAMファイルの移行に使用するコンポーネントを生成します。
$PARAM/dynamic-config
に、DMLファイルは<trf>/DML
ディレクトリに作成されます。
file.sh -gmi $HOME/trf FTFIL001
Makeはターゲット(ファイルまたはアクション)の構成を自動化および最適化することを目的としたUNIXユーティリティです。
すべての操作が実装されるソース・ディレクトリにmakefileという名前の記述子ファイルが存在する必要があります(makefileはプロジェクトの初期化中にソース・ディレクトリに準備されます)。
次の2つの項では、Makeファイルの構成と、Makeファイルを使用したRehosting Workbench File-To-Oracleコンバータ機能の使用方法について説明します。
$PARAM
のversion.mk
構成ファイルを使用して、Makeユーティリティで必要な変数およびパラメータを設定します。
version.mk
には、各種のコンポーネントがインストールされる場所とその拡張を、使用される様々なツールのバージョンとともに指定します。このファイルにはログ・ファイルの構成方法も記述されます。
次の一般的な変数を、version.mk
ファイルでの移行プロセスの最初に設定する必要があります。
また、FILE_SCHEMAS
変数はファイルの移行に特有で、処理する様々な構成を示します。
この構成はMakeファイルの使用の前に完了する必要があります。
makefile
およびversion.mk
ファイルはRehosting Workbench Simple Applicationとともに提供されます。
make FileConvert
コマンドを使用して、Rehosting Workbench File-To-Oracleコンバータを起動できます。これによりz/OSファイルのUNIX/Linuxターゲット・プラットフォームへの移行に必要なコンポーネントを生成できます。
MakeファイルはFILE_SCHEMAS
変数に含まれるすべての構成に対し、-g
、-m
および-i
オプションを指定してfile.sh
ツールを起動できます。
-i $HOME/trf
オプションで生成されるアンロード・コンポーネントおよびロード・コンポーネントは、次の場所に配置されます。
CUSTOMER表を作成するのに使用されるSQLスクリプトの名前は次のとおりです。
様々な技術的操作で使用されるスクリプトの名前は次のとおりです。
9個のプログラムが生成され、その使用方法はOracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchリファレンス・ガイドに記載されています。
ORACLE CUSTOMER表をアクセスするための1つのPRO*COBOLプログラムが生成されます。
生成されたコンポーネントはプロジェクト固有のスクリプトを使用して変更できます。これらのスクリプト(sed、awk、 perlなど)は次の場所に配置する必要があります。
$PARAM/file/file-modif-source.sh
このファイルが存在している場合、生成プロセスの最後に自動的に実行されます。このファイルは、引数として<configuration name
>を使用して呼び出されます。
この項では、Rehosting Workbenchを使用して生成されたコンポーネント(コンポーネントの生成を参照)を使用する、アンロード、転送および再ロードのタスクについて説明します。
アンロードに使用されるコンポーネント($HOME/trf/unload/file
に生成)は、ソースz/OSプラットフォームにインストールする必要があります。生成されたJCLは、JOBカード、ライブラリ・アクセス・パス、入力および出力ファイル(データ・セット名: DSN)へのアクセス・パスを含む、特定のサイトの制約への適合が必要な場合があります。
再ロードに使用されるコンポーネント($HOME/trf/reload/file
に生成)はターゲット・プラットフォームにインストールする必要があります(実行時)。
Oracleオブジェクトの作成に使用されるコンポーネント($HOME/SQL/file/<スキーマ名>
に生成)はターゲット・プラットフォームにインストールする必要があります(実行時)。
表5-6は、ターゲット・プラットフォームに設定する必要がある環境変数を示しています。
次の変数はOracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchインストレーション・ガイドの情報に従って設定する必要があります。
アンロード用JCLがデータマップ・パラメータ・ファイル(Datamap-<configuration name>.re)にリストされた各 z/OSファイルに対して生成されます。これらのアンロード用JCLの名前は<
logical file name
>.jclunload
です。これらのJCLは、IDCAMSユーティリティのREPRO機能を使用してファイルをアンロードします。
注意: | .jclunload 拡張子は、z/OSで実行する場合には削除する必要があります。 |
ファイルは、サイトで使用可能なファイル転送ツール(CFT、FTPなど)を使用して、バイナリ形式で、ソースz/OSプラットフォームとターゲットUNIXプラットフォーム間で転送される必要があります。
トランスコードおよび再ロードに使用される生成されたCOBOLプログラムの名前は次のとおりです。
RELTABLE-ODCSF0.pco
これらのCOBOLプログラムは、Rehosting Workbenchリファレンス・ガイドのCOBOLコンバータに関する項に記載されたオプションを使用して、ターゲットのCOBOLコンパイラでコンパイルされる必要があります。
各プログラムはSQL*LOADERユーティリティで使用できるようになる出力ファイルを生成します。
loadtable-<…>.ksh
スクリプトのオプション-d
により、Oracleオブジェクトを作成できます。
トランスコードおよび再ロード・スクリプトには次のパラメータがあります。
loadtable-<logical file name>.ksh [-d] [-t/-l] [-c <method>]
マッピング・パラメータ・ファイル(mapper-<configuration name>.re)での例で、生成されるスクリプトは次のとおりです。
デフォルトでは、入力ファイルは$DATA_SOURCE
で示されたディレクトリに置かれ、出力ファイルは$DATA
で示されたディレクトリに置かれます。
これらのファイルはマッピング・パラメータ・ファイル(mapper-<configuration name>.re)構成ファイルで使用される論理ファイル名を使用して名前付けされます。
実行ログは$MT_LOG
で示されたディレクトリに作成されます。
問題が発生すると、ゼロ以外のリターン・コードが生成されます。
この確認は次のloadtable-<論理ファイル名>.kshのオプションを使用します。
-c ftp:<name of transfered physical file>:<name of FTP log under UNIX>
注意: | このオプションにより、再ロード後、z/OSから転送された物理ファイルとターゲット・プラットフォームに再ロードされたファイルに、同じレコード数が含まれていることを検証できます。この確認は、FTPログと再ロード・プログラムの実行レポートを使用して実行されます。レコード数が異なる場合は、エラー・メッセージが生成されます。 |
COBOLおよびPRO*COBOLアクセス・ルーチンは『Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchリファレンス・ガイド』に記載されたターゲットのCOBOLコンパイル・オプションを使用してコンパイルされる必要があります。
この項では、ファイルをソースからターゲット・プラットフォームへ移行するときに発生した使用エラーにより生じる問題について説明します。
Rehosting Workbenchツールを実行するときに、ユーザーは次のことを確認する必要があります。
Mapper-log-<
構成名
>
ファイルにエラーが含まれているか(共通の問題と解決策を参照)。エラー・メッセージとその説明は『Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbenchリファレンス・ガイド』の付録に記載されています。
*=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-==-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
Target output directory /home2/wkb9/trf is missing
Check parameters: -i <output_directory> <schema>
ERROR : usage : file.sh [ [-g] [-m] [-i <output_directory>] <schema_name> | -s <output_directory> (<schema>,...) ]
abort
Mapper-log-STFILEORA2
ログ・ファイルの内容には次が含まれます。
file PJ01AAA.SS.VSAM.CUSTOMER Oracle
file logical name ODCSF0B
*** Unknown file organization : INDEXD
mapping record VS-ODCSF0-RECORD
record VS-ODCSF0-RECORD: logical name VS
record VS-ODCSF0-RECORD: logical name VS
record VS-ODCSF0-RECORD REDEFINES:
field VS-CUSTBDATE as opaque (default strategy)
record VS-ODCSF0-RECORD REDEFINES:
field VS-CUSTBDATE as opaque (default strategy)
このファイルはINDEXEDではなくINDEXDのファイル編成で構成されています。
file.sh -gmi $HOME/trf STFILEORA
の実行時に次のメッセージが表示されます。
*=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-==-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
##########################################################################
Control of configuration STFILEORA
##############################
Control of templates
OK: Use Default Templates list file
File name is /REFINE/convert-data/default/file/file-templates.txt
##############################
Control of Mapper
##############################
COMPONENTS GENERATION
…
Parsing mapper file /home2/wkb9/tmp/mapper-STFILEORA.re.tmp ...
Parse error at character position 1346 in file:
/home2/wkb9/tmp/mapper-STFILEORA.re.tmp.
The illegal text is: "converrted
table name CUSTOMER
include \"COPY/ODCSF0B.cpy\"
map record VS-ODCSF0-RECORD defin"
While parsing in grammar UFAS-CONVERTER::MAPPER-INPUT-GRAMMAR,
CONVERRTED is a symbol, which is not a legal token
at this point in the input. The legal tokens at this point are:
:END "templates" "filler" "field" "file" "one-for-n" "multi-record" "table" "transferred" "mode-tp" ... [14 others]
*ERROR*: parse error is found in /home2/wkb9/tmp/mapper-STFILEORA.re.tmp.
Refine error...
/tmp/refine-exit-status.snICMmElNYF25625
マッピング・ファイルで‘CONVERTED’という語句に入力エラーが起こりました。
file.sh -gmi $HOME/trf STFILEORA
の実行時に次のメッセージが表示されます。
*=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-==-=-=-=-=-=-=-==-=-=-=
##########################################################################
Control of configuration STFILEORA
##############################
Control of templates
Project Templates list file is missing /home2/wkb9/param/file/file-templates.txt
OK: Use Default Templates list file
File name is /Qarefine/release/M2_L4_1/convert-data/default/file/file-templates.txt
##############################
Control of Mapper
##############################
COMPONENTS GENERATION
…
Point 1 !!
Warning: Can't find file in file table named PJ01AAA.SS.VSAM.CUSTOMERS
Point 2 !!
…
Refine error...
/tmp/refine-exit-status.IvmFDYsYDdr31956
ERROR : generation aborted
Abort
Oracle表に変換するファイルの名前が、Datamap
ファイルに存在する名前と一致しません。
![]() ![]() ![]() |